の結果を地域別にみると,開催地の東京都民
では,「よい」計は 83%,「よくない」計は17%
と,開催を評価しない人の割合が全体よりも高
い。
男女年層別でみると,すべての年層で「よ
い」計が 83%を超えており,大きな年層差は
みられない。
また,東京オリンピックに「関心がある」
(大
変+まあ)と答えた人は全体で 80%,「関心
はない」
(あまり+まったく)と答えた人は全体
で 20%であった(図2)。リオ大会直後の前年
調査に比べ,「大変関心がある」が減少(34%
→27%)し,「まあ関心がある」が増加(48%
→ 53%)した。特に,東京都民は「大変関心
がある」が大きく減少(42%→26%)し,東京
都民以外と同程度となった。
男女年層別にみると,男女とも50 代以上で
は「関心がある」計が 8 割を超えているが,若
年層になるほどその割合は少なくなり,男女
20 代では約 7 割であった。
東京オリンピックの競技や開会式などを直
接会場で「見たいと思う」
(ぜひ+まあ)と答え
た人は全体で 58%,「特に見たいとは思わな
い」と答えた人は全体で42%であり,いずれも
前年から変化はなかった(図3)。しかし, 東
京都民では「見たい」
(ぜひ+まあ)と答えた
図 1 東京オリンピック 開催都市になることへの評価
図 2 東京オリンピック 関心度
図 3 東京オリンピック 会場での観戦意向
よい まあよい あまり
よくない よくない 知らなかった 無回答
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
東京都民
東京都民
東京都民以外
東京都民以外
「よい」計(86%) 「よくない」計(13%)
「よい」計(87%) 「よくない」計(12%)
34
54 8 4
0
0
36
50 9 5
0
1
34
49 12 5 0
1
31
51 11 7 0
1
34
54 8 4 0
0
36
50 9 5 1
0
「関心がある」計(81%) 「関心はない」計(19%)
「関心がある」計(80%) 「関心はない」計(20%)
53 17 3 0
48
34
27
27
26
15 4 0
53 17 5 0
3 0
39
42 16
53 17 3 0
48
33 15 4 0
大変
関心がある まあ関心がある あまり関心はない まったく関心はない 無回答
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
東京都民
東京都民
東京都民以外
東京都民以外
「見たい」計(57%)
「見たい」計(58%)
32
26 42 0
32
25 42 0
26
31 43 0
0
32
36 32
33
25 42 0
32
24 43 1
ぜひ見たい
と思う まあ見たいと思う 特に見たいとは思わない 無回答
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
東京都民
東京都民
東京都民以外
東京都民以外
(%)
(%) (%)
表 1 東京オリンピック 関心事
(男女年層別,複数回答)
人が前年から減少(68%→ 57%)し,「特に見
たいとは思わない」と答えた人が増加(32%
→ 43%)して,いずれも東京都民以外と同程
度となった。
「各国のメダル獲得数」よりも
「日本人や日本チームの活躍」に高い関心
東京オリンピックについて,どのような点に
関心があるのかを複数回答で尋ねた(表1)。
全体では「日本人や日本チームの活躍」を挙
げた人が 78%で最も多く,「世界最高水準の
競技」
(42%)や「各国のメダル獲得数」
(17%)
などを大きく上回った。男女年層別にみても,
「日本人や日本チームの活躍」は男20 代(66%)
を除くすべての男女年層で 7 割を超えている。
男20 代では「特にない」と答えた人が 20%と
全体より高い。
(2)オリンピックの視聴意向
東 京オリンピック開催中, 大会の放 送や
映像をどのくらい視聴すると思うかを尋ねた
(図 4)。全体では「関心のある競技にしぼっ
て,視聴する」が 41%と最も多く,「可能な限
り,多くの競技を毎日視聴する」の25%を上
回った。前年と比較すると,「可能な限り,多
くの競技を毎日視聴する」が大きく減少(38%
→25%)し,「夜の時間帯を中心に,毎日視聴
する」
(13%)と合わせた“毎日視聴派”が 38%
となり,
“選択視聴派”の57%を下回った。一
方で,
「なるべく生中継で視聴したい」と答えた
全
体
男 女
20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上 20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上
日本人や日本チームの活躍 78 66 71 71 78 78 80 74 77 82 80 83 80
世界最高水準の競技 42 33 39 45 52 48 43 25 35 35 44 48 45
世界の様々な国や地域の話題 23 12 19 19 15 27 33 18 21 19 22 28 33
これまでよく知らなかった競技や選手 20 14 22 19 15 16 19 18 25 18 21 28 21
各国のメダル獲得数 17 6 10 14 17 21 29 12 14 13 15 22 22
特にない 9 20 8 12 7 9 7 7 11 9 9 5 6
その他 3 6 7 5 2 4 2 4 5 4 2 2 2
(%)
図 4 東京オリンピック 視聴意向
■ は全体と比べて統計的に高い層であることを示す【以下同様】
13 41 17 5 0
11
38
25
32 14 5 0
中継録画を見ることが
できれば十分である 視聴するつもりはない
無回答
生中継にこだわって
視聴したい なるべく生中継で視聴したい
関心のある競技にしぼって,
視聴する 結果がわかればよいので,少しだけ視聴する
関心が無いので,
視聴するつもりはない 無回答
可能な限り,多くの競技を
毎日視聴する 夜の時間帯を中心に,毎日視聴する
“毎日視聴派”計(48%) “選択視聴派”計(46%)
“毎日視聴派”計(38%) “選択視聴派”計(57%)
59 28 6 0
56
10
7
6 1
28
“生中継志向”計(65%)
“生中継志向”計(66%)
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(%)
(%)
52%と,経済や景気への好影響を期待する意
見が半数以上にのぼった。以下,「国際交流の
推進」
(34%),「スポーツの振興」
(30%),「観
光の振興」
(29%)などが続く。「スポーツ施設
の整備」
(23%)や「国際社会での日本の地位
向上」
(22%)はそれぞれ約 2 割にとどまった。
前年と比較すると,「日本経済への貢献」は前
年から増加(63%→ 68%)したが,そのほか
は変化がなかった。
「テロへの不安」が約 7 割
一方, 東京でオリンピックが開催されること
で不安に思うことを尋ねたところ(図7),全体
では「開催中に国内でテロなどの大事件が起
きる」
(69%)が最も多く,以下,「東京の交通
渋滞がひどくなる」
(41%),「東京の治安が悪
くなる」
(37%)などが続く。前年と比較すると,
全体的な傾向に変化はないものの,テロや治
安に関する不安が増加している。
地域別にみると,東京都民では「東京の交
通渋滞がひどくなる」
(59%)が半数を超えて
全体より高いほか,「東京の治安が悪くなる」
(47%),
「東京の生活環境が悪くなる」
(24%),
「東京の土地の値段が上がる」
(15%)なども全
体より高く,身近な暮らしに好ましくない影響
が及ぶのではないかという不安が強めに出て
いる。
(4)パラリンピックへの関心度
「関心あり」は全体の 6 割以上
2020 年東京パラリンピックに「関心がある」
(大変+まあ)と答えた人は全体で 61%,「関
心はない」
(あまり+まったく)と答えた人は全
体で39%であった(図8)。前年から「関心が
ある」がやや減少(64%→ 61%)したが,依
然として6 割を超えている。オリンピックの結
果(図 2)と比較すると,「大変関心がある」で
はオリンピック(27%)がパラリンピック(13%)
を上回るが,「まあ関心がある」はいずれも約
半数で同程度であった。パラリンピックに「大
変関心がある」と答えた人の割合は,前年に
比べ,オリンピックより変化が少なく,その差
は縮まっている。
男女年層別にみると,男女 70 歳以上では
「関心がある」計が約 7 割と全体より高いが,
図 7 東京オリンピック 不安に思うこと
(複数回答)
図 8 東京パラリンピック 関心度
その他
特にない
東京の土地の値段が上がる
東京の生活環境が悪くなる
物価が上がる
東京とそれ以外の地域の
格差が広がる
東京の治安が悪くなる
東京の交通渋滞がひどくなる
開催中に国内でテロなどの
大事件が起きる
(全体)
69
69
69
41
59
40
47
37
36
12
25
2527
27
26
10
24
8
9
9
9
9
7
7
15
3
4
■ 全体
■ 東京都民
■ 東京都民以外
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
東京都民
「関心がある」計(64%) 「関心はない」計(36%)
「関心がある」計(61%) 「関心はない」計(39%)
48
13 32 7 0
50
15 28 8 0
53
26 17 5 0
3 0
39
42 16
大変
関心がある まあ関心がある あまり関心はない まったく関心はない 無回答
(%)
(%)
男 40 代以下,女 20 代では約
5 割にとどまる。
東京パラリンピックの競技
や開会式などを直接会場で
「見たい」
(ぜひ+まあ)と答え
た人は44%で,
「特に見たいと
は思わない」の55%を下回っ
た(図9)。なお,会場での観
戦意向については,パラリン
ピックもオリンピックと同様に
前年から変化はなかった。
地 域 別にみると, 東 京 都
民ではオリンピックを「ぜひ見
たいと思う」という積極的な
意向をもつ人が 31%と東京都
民以外の25%より高い(図 3)
のに対して,パラリンピック
を「ぜひ見たいと思う」は 8%
にとどまり,東京都民以外の
10%と同程度であった。
パラリンピックを「純粋なスポーツ」として
捉える人が増加
福祉とスポーツという2 つの側面をもつパラ
リンピックをメディアがどのように伝えるべき
かを尋ねた(図10)。全体では,「オリンピック
と同様に,純粋なスポーツとして扱うべき」が
39%で最も多く,「競技性と障害者福祉の視
点を同じ程度伝えるべき」
(28%)と,「なるべ
くスポーツとしての魅力を前面に伝えるべき」
(26%)が 3 割弱で同程度となった。なお,「競
技性より,障害者福祉の視点を重視して伝え
るべき」は 5%と少数派であった。
パラリンピックを「純粋なスポーツとして扱う
べき」と答えた人は前年から増加(37%→39%)
している。これを男女年層別にみると,男女と
図 9 東京パラリンピック 会場での観戦意向
図 10 パラリンピックの伝えるべき側面
全 体
全 体
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
(2017年10月)
(2016 年10月)
東京都民
東京都民
東京都民以外
東京都民以外
「見たい」計(43%)
「見たい」計(44%)
35
10 55 0
33
11 57 0
34
8 58 1
0
36
13 51
35
10 55 0
33
10 57 0
ぜひ見たい
と思う まあ見たいと思う 特に見たいとは思わない 無回答
オリンピックと同様に,純粋なスポーツとして扱うべき
なるべくスポーツとしての魅力を前面に伝えるべき
競技性と障害者福祉の視点を同じ程度伝えるべき
競技性より,障害者福祉の視点を重視して伝えるべき
その他
無回答
20 代
30 代
40 代
50 代
男
全 体
全 体
60 代
70歳以上
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70歳以上
女
(2017年10月)
(2016 年10月)
26 28 5 11
39
27 28 5 2 1
37
21 26 5 3
46
22 27 6 2 1
42
29
27 6
0
0
1
37
26 30 9 2
33
24 27 7 2 0
0
39
29 31 5 10
35
19 31 5 1
44
25 24 4 1
47
24
35 5
00
0
37
26 28 8 12
36
21 32 21 1
0
0
44
27 29 3 2
40
(%)
(%)
(6)東京オリンピック・パラリンピックに
関する一般的意見
準備状況についての意見
開催まで3 年を切り,競技施設や道路・交
通インフラの整備などの準備が本格化するな
か,現在の準備状況についてどう思うか尋ねた
(図13)。全体では,「順調だ」
(とても+まあ)
と思う人は 35%で,前年の18%から大きく増加
した。「順調ではない」
(あまり+まったく)と思
う人は,前年からは減少(80%→ 62%)してい
るが,依然として6 割を超えている。地域別に
みても,東京都民,東京都民以外ともに「順
調だ」と答えた人がいずれも前年から増加して
3 割を超え,「順調ではない」と思う人の割合
が減少して約 6 割となっている。
これを東京オリンピックへの関心度別にみる
と(図13),「関心がある」
(大変+まあ)と答え
た人では,「順調だ」と回答した人が約 4 割と
全体より高くなった一方で,「関心はない」
(あ
まり+まったく)と答えた人では 2 割強と低い。
このように大会への関心の有無によって,準備
状況の受け止め方には違いがある。
それでは人々は具体的に,準備状況に関し
てどんな点に不安を抱いているのだろうか。全
員に複数回答で尋ねた(図14)。
全体で最も多かったのは「大会の開催費用」
(59%),次いで「メインスタジアムなど会場の
整備」
(50%)であった。
不安に思う人が前年から減少したのは,「大
会の開催費用」
(77%→ 59%),「メインスタジ
アムなど会場の整備」
(54%→ 50%),「日本の
組織委員会の体制」
(56%→37%)などであっ
た。こうした変化の背景には,前回調査が,
ちょうど東京都の調査チームが大会の総費用
が 3 兆円を超える可能性があると明らかにした
時期に重なり,多くの人々が費用や施設といっ
た運営面に不安を感じていたためであると思
われる。
図 13 東京オリンピック・パラリンピック
準備状況について思うこと
図 14 東京オリンピック・パラリンピック
準備状況で不安だと感じること
(複数回答)
25
25
無回答
まったく順調ではない
あまり順調ではない
まあ順調だと思う
とても順調だと思う
無回答
まったく順調ではない
あまり順調ではない
まあ順調だと思う
全 体
全 体
(2017年10月)
関心がある
(大変+まあ)
(2016 年10月)
33 53 9
1
1
3
17 57 24 2
「順調だ」計(18%) 「順調ではない」計(80%)
「順調だ」計(35%) 「順調ではない」計(62%)
とても
順調だと
思う
まあ
順調だと
思う
あまり
順調では
ない
まったく
順調では
ない
無回答
東京オリンピックへの関心度別(2017年10月)
n=1,971
関心はない
(あまり+まったく)
n=506
37
1
6 2
54
21 52 21 6
「順調だ」計(22%) 「順調ではない」計(73%)
「順調だ」計(38%) 「順調ではない」計(60%)
2
(%)
2016 年 10 月
2017 年 10 月
その他
特にない
日本人選手の育成・強化
ボランティアの育成
東日本大震災の復興への影響
公共施設などのバリアフリー化
日本の組織委員会の体制
道路や鉄道などのインフラ整備
外国人観光客の受け入れ
メインスタジアム(新国立競技場)
など会場の整備
大会の開催費用 59
77
54
50
30
41
42
37
56
32
29
28
1826
19
15
68
2
2
※
※
(全体)
■ 2017年10月
■ 2016 年10月
※新設した選択肢のため,前回との比較なし
(%)
なお,この調査で,ふだん
テレビやラジオ,インターネッ
トなどでスポーツを視聴して
いる頻度を尋ねた結果を男
女年層別にみると( 図18),
スポーツを「見ない(聞かな
い)ほう」
(ほとんど+まった
く)と答えた人は,男女とも
若年層になるほどその割合が
大きくなり,男30 代以下と女
40 代以下では4 割を超える。
ふだんスポーツを視聴する頻
度が低い若い年層で,ピョン
チャンオリンピック・パラリン
ピックへの関心のない人が多
くなったものと思われる。
図 17 ピョンチャンオリンピック・パラリンピック 関心度
オリンピック パラリンピック
図 18 スポーツ視聴頻度
(%)
20 代
30 代
40 代
50 代
男
全 体
60 代
70歳以上
20 代
30 代
40 代
50 代
女
60 代
70歳以上
大変関心がある まあ関心がある あまり関心はない まったく関心はない 無回答
「関心がある」計(51%) 「関心はない」計(48%)
43
8 35 13 1
33
6 32 29 0
31
5 37 27 0
35
9 32 23 0
42
8 40 10 0
47
6 37 9 1
43
7 39 9 2
40
5 33 22 0
40
8 37 15 0
51
8 31 10 0
50
11 27 10 1
53
5 37 6 0
45
10 36 8 2
33
4 36 28 0
26
2 41 31 0
29
4 40 27 0
39
3 44 14 0
38
4 46 11 1
42
8 42 7 1
33
3 45 19 0
39
5 40 17 0
43
4 42 11 1
39
5 42 13 2
48
2 44 7 0
51
5 36 8 1
39
4 41 15 1
「関心がある」計(43%) 「関心はない」計(56%)
(%)
20 代
30 代
40 代
50 代
男
全 体
60 代
70歳以上
20 代
30 代
40 代
50 代
60 代
70歳以上
女
44 28 7 1
21
33 29 11 0
27
32 35 8 0
25
47 23 3 0
49 16
34
28
43 24 7 0
26
46 22 5 1
11
26
33 39 15
13
32 46 12
10
27
55 5
13
49 20 5 2
25
40 40 8 0
0
1
1
0
11
47 28 9
15
よく見る
(聞く)ほう (聞く)ほうまあよく見る (聞かない)ほうほとんど見ない (聞かない)ほうまったく見ない 無回答
「見る(聞く)ほう」計(65%) 「見ない(聞かない)ほう」計(35%)