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動物遺伝資源探索調査報告 第14号

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Academic year: 2021

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(1)

動物遺伝資源探索調査報告

(第14号)

Survey Report

for Animal Genetic Resources

(No.14)

2004.5

National Institute of Agrobiological Sciences

独立行政法人

 農業生物資源研究所

動探報−14

2 0 0 4 . 5

(2)

(本報告書に関する問い合わせ先)

農業生物資源研究所ジーンバンク

動物資源研究チーム

TEL 029 − 838 − 7041

(3)

 平成 13 年は農業生物資源に関わる遺伝資源研究者にとって,内外ともに大きな節目の年であっ た。4 月に農林水産省傘下の試験研究機関が独立行政法人化され,旧農業生物資源研究所は,旧蚕 糸昆虫農業技術研究所等とともに統合され,新しい農業生物資源研究所として設立された。遺伝資 源の研究と事業を担当する組織は,これまでの遺伝資源第一部と同第二部から遺伝資源研究グルー プとジーンバンクの二つの研究グループに新しく衣替えがなされた。農業生物資源研究所をセン ターバンクとし,農業技術研究機構,農業環境技術研究所,家畜改良センターをサブバンクとする ジーンバンク事業動物部門の推進体制が新しく確立された。8 年間にわたるジーンバンク事業の第 二期事業は平成 12 年で終了し,平成 13 年度から 5 カ年の第三期事業が新たに開始された。  家畜,家禽,実験用動物,蜜蜂,蚕など動物遺伝資源については,わが国の在来種を中心に,セ ンターバンク,サブバンクがそれぞれ分担して保存し,特性の調査を行っている。海外からの動物 遺伝資源の収集は極めて難しい情勢になっている。このように国内については計画的に着々と調査 が行われているが,他方今後はそれぞれの国と地道な共同調査研究を推進し,動物遺伝資源の保全 を図らなければならないと考える。

 FAO においては,世界動物遺伝資源監視リスト(World Watch List of Domestic Animal Diversity) 第 3 版(2000)の中で報告されているような動物遺伝資源の急速な消滅に対処するため,世界動物 遺 伝 資 源 白 書(State of the World's Animal Genetic Resources)作 成 を 進 め て い る。我 が 国 を 含 む,各国主導のカントリーレポートの提出が行われ,東アジア・太平洋地域のほとんどの国の関係 者を集めたグワークショップがバンコク(2003 年 12 月)において開催され,この地域の報告の作 成に向けた取り組みが行われている。  本報告書は平成 14 年度ジーンバンク事業により実施した「鹿児島県島嶼部由来の在来動物遺伝 資源の現状調査」報告および青森県で収集された鶏系統にについて,青森県農林総合研究センター 畜産試験場養鶏部の西藤克己部長による「青森県における種鶏造成および能力改善」の報告を取り まとめたものである。動物遺伝資源に関する調査研究,技術指導,事業の円滑な推進などに役立て ていただければ幸いである。       平成 16 年 5 月                     農業生物資源研究所        ジーンバンク長       奥 野 員 敏

ま え が き

(4)

編集    

ジーンバンク  

 動物資源研究チーム

峰澤  満

高橋 英彰

川田真佐枝

edited by

 Genebank

  Lab. of Animal Genetic Resources

    Mitsuru MINEZAWA

    Hideaki TAKAHASHI

    Masae KAWADA

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まえがき      ジーンバンク長   奥 野 員 敏 国内探索調査報告  1.鹿児島県島嶼部由来の在来動物遺伝資源の現状調査 ……… 1      農業生物資源研究所 ジーンバンク 動物資源研究チーム       峰 澤   満     2.青森県における種鶏造成および能力改善 ……… 21 青森県農林総合研究センター 畜産試験場養鶏部          西 藤 克 己     

目   次

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Preface Kazutoshi OKUNO Director Genebank

Survey in Japan

 1. Present Situation of Native Animal Genetic Resources Originated in Island Area of

Kagoshima Prefecture ……… 1     Mitsuru MINEZAWA  

      Genebank

      National Institute of Agrobiological Sciences

 2. The Development and Improvement of Local Chicken Lines in Aomori ……… 21     Katsumi SAITO

      Poultry Division, Experiment Station of Animal Husbandry,       Aomori Prefectural Agricultural and Forestry Research Center

Survey Report

Animal Genetic Resources

(No.14)

(7)

国 内 探 索 調 査 報 告

(8)

要  約  鹿児島県の島嶼部には,昭和 30 年代まで多くの在来家畜が残されていたが,その後の経済状況 の変化により,活躍する場を奪われ,その数を減らした。多くの家畜が鹿児島県本土に移され保存 され現在に至っている。  鹿児島県島嶼部由来の家畜として,トカラ馬,トカラヤギ,口之島野生化牛,島豚が残されてお り,2003 年 3 月 17 − 23 日に現状の調査を行った。  トカラ馬は,鹿児島大学入来牧場,開聞山麓自然公園,十島村中之島などに合計 125 頭,トカラ ヤギは,純粋な個体は少なく鹿児島大学入来牧場,鹿児島市平川動物園などに約 40 頭,口之島野生 化牛は,口之島に 40 − 50 頭,鹿児島大学入来牧場,名古屋大学産地畜産実習施設にそれぞれ 20 − 30 頭ずつの約 90 − 110 頭,島豚は鹿児島県本土と徳之島に繁殖豚が約 100 頭存在している。いず れも FAO の基準では,Critical-maintained(トカラヤギ)もしくは Endangered-maintained(その他 の動物種)にあたり,絶滅の危機にある品種である。

(動探報 14:1 ∼ 20,2004)

1. Present Situation of Native Animal Genetic Resources

Originated in Island Area of Kagoshima Prefecture

1.鹿児島県島嶼部由来の在来動物遺伝資源の現状調査

農業生物資源研究所 ジーンバンク 動物資源研究チーム

峰 

澤 

  

Mitsuru MINEZAWA

Genebank

National Institute of Agrobiological Sciences

絶滅危惧(Critical):繁殖メスの総数が 100 頭以下,もしくは繁殖♂が 5 頭以下;もしくは集団全体のサイズが 120 頭を少し下回り,減少中,純粋種のメスの割合が 80%以下になった品種。 危機的(Endangered):繁殖メスの数が 100 頭より多く 1000 頭以下,もしくは繁殖♂の数が 5 頭より多く 20 頭以 下;もしくは集団全体のサイズが 1000 頭を少し下回る程度で増加中純粋種のメスの割合が 80%以上;もしくは 集団全体のサイズが 1000 頭を少し上回る程度で減少中,純粋種のメスの割合が 80%以下になった品種。 Maintained:何らかの形で積極的な公的保存プログラムが存在する,もしくは,商業もしくは研究施設において 集団が維持されている品種。 

(9)

 日本の農業に関わる在来の動物遺伝資源の内,純粋な形で今日まで残されているのは,ニワトリ を除けばその数は数えるほどである。牛で 2 集団(黒毛和種,日本短角種,褐毛和種,無角和種は, 在来牛が外来の改良された牛との交配を経て育成された品種である),馬で 8 集団,山羊で 2 品種, 豚で 2 種類,ウズラ(これは日本で家畜化された唯一の動物種である)の 15 種類で,この内ウズラ と馬の 3 集団(北海道和種と木曽馬,御崎馬)を除けば,島でかろうじて残されていたものばかり である。  ウシでは見島牛,口之島牛,馬では対州馬,トカラ馬,宮古馬,与那国馬,野間馬,ブタでは, アグー(沖縄の島豚),(奄美)島豚である。この内,野間馬の原産地は愛媛県の今治市で島嶼部で はないが,生産された馬が出荷され利用されていたのは,瀬戸内海沿岸部および瀬戸内海に浮かぶ 島々であった。  なぜ島嶼部に多く残されていたのか,大型の家畜は以前の小型の船では運ぶことが難しく島嶼部 には大型で改良された家畜の導入が本土と比べ遅くなった。中央から離れた地域のさらに離れた島 嶼部には中央政府の政策の威光が届きにくく,新しい改良品種の導入が遅れた。大型の家畜を使う ような広い土地が少なく,小型の在来家畜の方が使いやすかった。  中家畜であるブタ,ヤギは牛に比べ移動が容易であったが,沖縄,鹿児島では,既に肉用の家畜 としての利用が明治時代以前から始まっており,既に食肉の文化が定着し,新しい品種の導入には 抵抗があった。このようなことから,鹿児島以南の島嶼部に在来家畜が残されやすかったものと考 えられる。  鹿児島県は沖縄県と同様,明治維新以前から家畜を食べることが行われており,在来のブタ,ヤ ギが飼育されていた。日本国内の他地域では,愛玩用のニワトリ,農作業,運搬に使用された在来 のウシ,ウマが存在したが,ブタ,ヤギ飼育の記録は非常に少ない。鹿児島県下の在来家畜として は,トカラ山羊,口之島野生化牛,トカラ馬,島豚が報告されている。人気の高い鹿児島黒豚も鹿 児島の在来豚の影響を受けて成立したことが知られている。このほか,薩摩鶏,インギー等の家禽 遺伝資源も豊富である。今回,絶滅が危惧されている島嶼部に起源を持つ鹿児島の家畜について保 存と活用状況を調査したので報告する。

調 査 結 果

 調査は,平成 15 年 3 月 17 日∼ 23 日の 7 日間であった。十島村役場,鹿児島大学と連絡を取り, 協力をいただいた。  3 月 17 日 十島村役場,開聞山麓自然公園,平川動物園  3 月 18・19 日 十島村口之島  3 月 20 日 鹿児島大学農学部および入来牧場  3 月 21 日 島豚保存会  3 月 22・23 日 十島村中之島

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1.十島村の家畜遺伝資源

 十島村は戦後米軍の統治下に入り,統治下に入らなかった 3 島(現在の三島村)が分離して現在 の十島村が成立した。屋久島と奄美大島の間に存在する島々(トカラ列島)が十島村である。もっ とも本土に近い島が鹿児島から約 200km の距離にある口之島で,2 番目に近い島が中之島である (表 1,図 1)。十島村役場は鹿児島市内の港に近い地区に存在する。経済課の村山勝洋,樺山洋 吉,教育委員会の木戸 浩の 3 氏を訪ね,動物遺伝資源についての情報を伺った。口之島野生牛を 天然記念物にという動きが,鹿児島大学,名古屋大学の方であるとのこと,村としては乗り気だが, 牛は島で管理しているので天然記念物化については島民の了承が得られないのではないかとのこと だった。口之島については,総代の方が村議会で鹿児島に来ているので,出張員の永田 定さんに, 中之島(図 3,19)については管理を任されている天文台長の福澄孝博さんに案内していただける ように手配を依頼した。また,トカラ列島の家畜に関する資料(報告書,論文等)を紹介していた だき,後に鹿児島大学で入手できたもの以外は,コピーさせていただいた。 口之島野生化牛  口之島牛の由来は明確でないが,大正 7 ∼ 8 年に同じ列島の諏訪之瀬島より導入した数頭の牛 を,島の中央部の前岳付近で放牧飼育していたが,居住地より離れていたために管理が不十分とな り,次第に山奥へ逃げ込み,ついには南部の燃岳を中心とする原生林の中で自然繁殖し,今日に 至ったものである。  「拾島状況録」(明治 28 年)によれば,島民は,牛を野に放っていたが,ついにもて余し,6 頭を 諏訪之瀬島に渡したとされる。これが事実であれば,口之島から諏訪之瀬島に渡ったものの子孫が, 再び大正の初めに口之島へ導入されたことになる。  口之島牛の生息状況は,昭和 36 年の調査では 30 ∼ 100 頭と推定されたが,昭和 58 年の Kimura の調査では,65 − 81 頭と推定している。しかし,平成 2 年の調査では 32 頭を確認し,死亡した 8 例の遺体を収集している。子牛の誕生は毎年みられているが,総数 40 頭前後であると推定され た。毎年,村営の牧場が拡大されているために,生息域は狭められ,燃岳の南側を中心に原生林内 に限定されているのが現状である(図 2, 4, 5)。  口之島牛には黒色と褐色の個体があり,黒毛のものが多い。腹,胸部に白斑や牡牛では,額に横 線状の白斑を示すものもあり,黒毛で褐色の鰻線を有するものもある。また,黒毛の鰻線を有する 個体もある。角は雄ではほぼ直線的に外方に向かい,先端は少し前方に湾曲している。雌では前上 方に少し湾曲して向かっている。皮膚,被毛の艶は非常によい。体型は小格で,前駆は発達してい るが,後駆は著しく貧弱である。体型の測定値は,雄で体高 122・0 ± 2.5cm,雌で 110.9 ± 3.4cm で,黒毛和種より雄(144.6 ± 2.4cm)で約 22cm,雌(125.7 ± 4.2cm)で約 15cm も低い。雌の体 高は見島牛雌(114.9 ± 2.4cm)よりも低く,また,すべての計測部位で低い値を示し,見島牛より 少し小格である。(以上の口之島野生化牛の記載は西中川,日高(1995)を改変)  十島村役場の樺山氏の話では,一昨年の大雨で崖が崩れ,生き埋め個体もでた。また,水飲み場

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も減ったので牛が道路際に出て来難くなっており,道路を通るだけでは観察できない可能性が高い と指摘された。大雨後の調査で生息数 30 − 40 頭,その後の調査で別の群れと思われる 10 − 20 頭 前後の群れが見つかり,50 − 60 頭と推定されるとのことであった。トカラ山羊を飼育している農 家が見られた。野生牛の生息地に向かう途中の山麓(丘陵)は,草地化されて,黒毛和種が放牧さ れていた(図 6)。  野生牛の生息地には,黒毛和種に混じらないように,柵が設けられており,道路にも門があった (図 7)。その門を通って燃岳山麓の野生化牛の領域に入る。すぐに 1 頭,そして,また 1 頭と出現 し,合計 4 頭観察できた(図 8, 9)。崖崩れで工事をしているところまで行き引き返した。帰りにま た親子連れの 2 頭を観察できた。いずれも黒もしくは黒に白斑で,褐毛は見られなかった。道路上 の糞は柵から入った近くに多く見られ,それより奥の方にはほとんど見られなかった。午後に逆の 方からも生息域に入り,午前中に引き返した近くまで行ったが,全く姿を見ることができなかっ た。野生化した山羊 2 頭が急斜面の上の方にいるのを観察できた(図 11)。  島内の比較的開発しやすい部分は黒毛和種の放牧草地になっており,畜産が島の主要産業になっ ている。そのため,天然記念物指定を受けると島の開発に様々な規制が予想され,島民の側はあま り乗り気ではないと,案内をお願いした永田さんは話していた。  口之島では所帯数 97 に対して畜産農家は 31 戸である。漁師は 7 戸(民宿経営者も含む)とのこ と,高齢化が進んでおり,70 歳以上が 1 / 3 に達している(表 2, 3)。10 代後半から 30 代の層が島 を離れこの年代の若者を見かけることがなかった。 トカラ山羊  1894 年(明治 27 年)に宝島と小宝島でヤギが飼育されていたことが確認されているが,それ以 前卜カラ列島においてヤギの飼育がいつ頃から開始されたかは明らかではない。またその由来につ いても明らかではないが,一般に沖縄から伝わったものと島民の間では考えられている。奄美諸島 以南の島々では古くから肉用にヤギが飼育されていたことは明らかであり,この食習慣が南西諸島 から九州西北部の島々にかけて盛んに活躍した当時の糸満系移民漁民たちによって,トカラ列島に 伝播されたとする説が有力である。  その後昭和 8 年にザーネン種雄 1 頭が中之島に導入され,在来種との交配が始まった。さらに昭 和 30 年以降には奄美群島区復興事業により日本ザーネン種の導入が図られ,在来種との交雑が進 んだ。このようにしてトカラ列島の内ザーネン種の導入が避けられた宝島と小宝島においてのみ, 純粋のトカラヤギが生息することとなった。しかしながら,その後宝島においては島民の話し合い により,放し飼いのヤギは捕獲した者の所有となることが取り決められたため,乱獲が急速に進 み,平成元年には純粋トカラヤギは島内にわずか数頭を残すだけとなった。平成 11 年の調査で は,宝島,小宝島においては野生化山羊の生息が確認されていない。  日本在来種ヤギは,有色,有角,副乳頭を有し,肉髯を欠く個体が多いとされているので,これ らの 4 形質を全て有するものを純粋卜カラヤギと見なしている。これらの 4 形質の遺伝様式につい ては,毛色の白色(I–)と肉髯(W–)は優性遺伝子,角(PP)は劣性遺伝子の支配下にあることが

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明らかにされているが,副乳頭の遺伝様式については不明である。トカラヤギの大きさは実験動物 として使われるシバヤギよりさらに小型で,周年繁殖で,繁殖能力についてはシバヤギと日本ザー ネンの中間程度である(表 4)。(以上の記載は萬田(1995)を改変)  トカラ列島には飼育されたものも,野生化した山羊も多く存在しているが純粋のトカラ山羊は非 常に少ない。平川動物園のトカラ山羊は 2 月末で雄 7 頭,雌 13 頭,昨年 12 月に 3 頭(雄雌双子, 雌)生まれている。および鹿児島大学の 20 頭である(図 17)。中之島にある村営のトカラ山羊飼育 舎では 88 頭(昨年 10 月)が飼育されていたが純粋ものものは殆どないとのことであった(図 20, 21)。  山羊については口之島にいる間に,野生化した山羊 2 頭,集落内で 3 軒の農家で山羊を飼育して いるのをみた(図 10, 11)。中之島では御岳の周囲を野生化の山羊を観察するために歩いてみたが, 途中で出会ったのは 1 回 2 頭だけであった(図 22)。トカラ山羊飼育舎にも 3 頭親からはぐれた子 ヤギが引き取られていた(図 23)。また,旅館の近くに繋がれていた子ヤギもやはり野生由来のも のとのことであった。 トカラ馬(表5)  卜カラ馬の起源は,1897 年(明治 30 年)ごろ改良が行われていない在来種が,鹿児島県大島郡 喜界島から宝島へ 10 数頭導入されたのがはじまりだとしている。「島嶋見聞録」によると,1885 年 (明治 18 年)当時のトカラ列島には,家畜として牛,豚,鶏および猫の記載はあるが馬の記載は ない。1943 年(昭和 18 年)頃には,宝島の馬の総頭数は 100 頭に達した。トカラ馬の用途として は,島の農耕や堆肥,薪などの駄載のほか,主要産業であった黒糖の製造時にはサトウキビの搾汁 にも使役されていたものと思われる。その後戦争などの影響で頭数が減少し,また戦後は車などの 輸送手段の発達や農業の機械化などにより,産業上の価値がうすれて激減し 1952 年には 43 頭と なった。このため鹿児島県は 1953 年(昭和 28 年)8 月に県文化財としてトカラ馬を天然記念物に 指定し,保護にのり出した。しかし,1960 年(昭和 35 年)には 32 頭になるに至って,その故郷で ある宝島から本土の各地に移された。  宝島当時のトカラ馬の外貌および資質の特徴は,成馬の体高は 108 ∼ 122cm,牝馬の平均 114.5 cm,牡馬の平均 114.9cm の矯小馬である。鹿児島大学群の体高は牡 118.7cm,牝 117.6cm,開聞山 麓群では牡 114.3cm,牝 114.0cm で,鹿児島大学群が大型化している。額や四肢下端の白徴がなく, 被毛暗褐色にして,まえがみとたてがみは長く,かつ密,長さは 27 ∼ 35cm に達する。長毛および 四肢下端は主として濃暗褐色である。毛色は黒鹿毛,栃栗毛が大多数であるが,その判定は極めて 困難である。鹿毛と明確に判定し得るものは 10%前後で,鰻線は,き甲部から尾の上縁に至るまで みられる。頸部および肩甲背部には頸部背縁・肩甲背部を底として,それぞれ頸部中央,肩甲中央 部を頂点とする,ほぼ三角形に手甲大の黒色斑が見られるものは 10%前後でありことに生時,幼駒 に著明である。顎凹から頬部にかけて長い粗剛な毛がみられる。また上唇に 1 個,下唇に 2 個の明 らかな口吻旋毛がある。これは改良された中間種には明確に現れないが,御崎馬のような在来馬で はみられる。上唇の口吻旋毛は牡馬が壮齢に達すると長く伸び鼻ひげ状になる。頭は体に比して 大,耳は締まりがない。頚は水平,き甲短高で,背腰長く短斜尻または円尻で仙骨部凸隆し,後高

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馬であり,また狭胸で肋張りが不良である。四肢は細く外向,曲飛,X 状肢勢を呈する。蹄黒色に して小であるが蹄質堅靭であり,跣蹄を常とする。歩様短節,性質温順,粗飼に耐え耐暑性に富み 頑健である。附蝉は前後とも存在するが,後肢のものは甚だ小である。(以上のトカラ馬の記載は橋 口(1995)を改変)  鹿児島大学農学部家畜育種学教室を事務局としたトカラ馬保存会が組織され,保存,調査,活用 に向けた取り組みがなされている。  トカラ馬は鹿児島大学入来牧場に 43 頭(雄 23 頭,雌 20 頭)(図 18),開聞山麓自然公園の広い 敷地にトカラ馬が放牧されている 54 頭(雄 20,雌 34 頭)(図 24),平川動物園では雄 2 頭が飼育さ れている。中之島では村営の牧場で 12 頭飼育されているが雄 9 頭,雌 3 頭で雄が多く,昨年生まれ た雌が死亡したのを残念がっていた(図 25)。また,これ以外には,ジーンバンク事業で導入され た十勝牧場の 3 頭(雄 1 頭,雌 2 頭)を含む 14 頭が飼育されている。

2.奄美の島豚

 島豚は,元来は沖縄から島伝いに,奄美に入ったとされ,小型の小耳種タイブのものであったと 考えられている。その後,明治 32 年に鹿児島県に導入された台湾の桃園種と交雑され,沖縄の在来 豚アグーと比べ大型で,産子数の多い,喜瀬豚などの奄美のブタが成立した。バークシヤーも導入 され,その影響で四肢に白斑を有する個体が出現するが,奄美ではバークシヤーによる改良は好ま れず,桃園種の影響が大きいと考えられる,奄美では,飼いやすいことや島豚の味の良さに愛着も あり,昭和の中頃まで飼われていたが,改良の圧力に押され,本来の姿を残しているものは殆ど見 られなくなってしまった。  現在の島豚は奄美のブタの後代で,その原型を残す数頭を平成 11 年に購入し,鹿児島市の知的障 害者施設「ゆうかり学園」に飼育を委託し,増殖したものである(図 26, 27)。表 6 は横山豪朗氏に よる奄美の島豚の特性である。  鹿児島県養豚振興協議会会長の鹿児島大学前田先生と横山豪郎氏(鹿児島県奄美島豚復元保存会 の実質的な会長,元鹿児島県畜産試験場種豚改良部長)に案内をお願いした。市内の知的障害者施 設「ゆうかり学園」で飼育中の奄美島豚を見学させていただいた。この施設では繁殖豚雄 1,雌 6 頭を飼育していた。島豚の育成は,110kg,9 ケ月出荷を目安に,残飯,糟(焼酎糟その他)を中心 とした餌でゆっくり育てているとのことだった。また,「黒毛奄美島豚」「奄美黒毛島豚」の商標登 録が 2002 年 3 月 29 日付で認可された(図 28)。鹿児島県本土で 5 軒,徳之島で 5 軒の農家で飼育 されている。繁殖豚 100 頭規模で安定供給を可能にすることを目標としている。現在,月 30 頭規模 で定期的に出荷(週あたり 7 頭)。安定した販売ができるように山形屋とタイヨーに週 1 回定期出荷 を行っている。  販売店は鹿児島市内(山形屋,1 店舗,サンキュー 3 店舗),伊集院(サンキュー 1 店舗),名瀬 (タイヨー 2 店舗)でにあり,そこに行けば島豚肉を入手することが可能である。価格は,一般の 黒豚肉と同額を目安に販売している(図 29)。鹿児島市谷山のラーメン店では,島豚スープ,チ

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ヤーシューを売りものにしている。また,数量は限られているがインターネットを通しての黒毛奄 美島豚の販売も行われている。

在来動物遺伝資源の保存活用に向けた問題点

 島豚については,販路が確立され,その飼育が,飼育者に経済的負担を与えないシステムとなっ ている。  トカラ馬については,総数が 100 頭を越え,保存と増頭という目的についてはある程度達成され てきた。観光目的の放牧が行われているが,人と直接触れあう機会が少なく,馬の管理のため作業 に多大のエネルギーが必要とされ,危険も伴っている。今後は人と触れあう形での飼育形式も取り 入れ,乗馬としての利用,小型馬の特長を生かした学校教育との結びつきを深める,在来馬と住民 の良い関係を築いていくこと等,を考慮している。  トカラ山羊については,小型であることを生かして,草食家畜用の実験動物としての利用を視野 に入れた研究が,鹿児島大学で進められている。トカラ山羊の保存利用の一番の問題点は,純粋個 体の数が限られていることと思われる。先に見たトカラ山羊を特徴づける 4 形質を有する個体に起 源する鹿児島大学,および,平川動物園の集団を除けば,明確に純粋のトカラ山羊といえる個体 (集団)は無いに等しい。また,純粋トカラ山羊の 10 倍以上いると推定されるトカラ列島にいる 野生集団の位置づけを明確にする必要がある。トカラ山羊の遺伝的影響を色濃く残していることは 明らかであるが,日本ザーネンの影響を否定することは出来ない集団である。今後の保存,利活用 の方向としては,1.鹿児島大学,平川動物園の集団を基礎集団として増殖に努め,それに起源する 個体だけをトカラ山羊とする。2.トカラ列島の山羊の中で上記の 4 形質を全て示す個体を残し, それと同時にトカラ山羊の体型標準を作成し,それ以外の個体を極力排除して,新たなトカラ山羊 を作出する。その過程で,これまで純粋トカラ山羊とされてきた集団の個体をバッククロス等に利 用していくことも必要である。  口之島野生化牛は,口之島以外に,鹿児島大学の入来牧場と,名古屋大学の山地農業研究施設に, それぞれ約 20 − 30 飼育されている(図 13, 14, 15, 16, 17)。口之島にいる個体数と同程度もしくは それ以上の個体が島外で飼育されていることになる。口之島の野生化牛の現地保存上の問題点は, 島内の比較的開発しやすい部分は黒毛和種の放牧草地になり,島の主要産業が畜産になっているこ とである。そのため,天然記念物化の話は持ち上がっているが,指定されると島の開発に様々な規 制が予想され,島民の側はあまり乗り気ではない。  2000 年における口之島の所帯数 97 に対して畜産農家は 31 戸で 423 頭の肉用牛を飼育している。 同様に中之島では,105 戸に対して 28 戸 480 頭,トカラ列島全体では 413 戸にたいして 124 戸 1664 頭となっている。年間約 350 頭が鹿児島県中央家畜市場に出荷され,年間売り上げ 1 億円を越える 産業である。主要農産物のビワ,サンセベリア(図 12)の総生産額が合わせても千数百万円であり, 農,漁業ともに自給自足の域を出ない中で,畜産業はもっとも期待されている産業となっている。 人口の流出も進み昭和 30 年の 558 所帯 2658 名から平成 12 年の十島村全体で 413 所帯 756 名に減少

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している。高齢化が進んでおり,65 歳以上が 1 / 3 に達している。10 代後半から 30 代前半の層が島 を離れ,この年代の若者は 10%満たない(表 2, 3)。トカラ列島は伊豆七島のように大都市圏の近 くにあれば,一大リゾートになりうるような,海,屋久島以南で一番高い山,温泉等自然に恵まれ た列島で,トカラの動物遺伝資源も重要な観光資源となりうると考えられる。しかし,行政上の区 分は「最高僻地 5 級地」とされており,交通のアクセスが観光地化の妨げとなっている。  家畜としての遺伝資源の保存は,その本来の目的に利用されることで安定した保存が可能とな る。しかし,食肉利用を目的とした奄美の島豚をのぞいては,社会環境の変化により,その本来の 活動の場が失われてしまった。トカラ馬の教育への利用,ホースセラピーヘの利用,トカラ山羊の 実験動物化等,その活用を模索している状況である。On farm 型の活用の場を見つける努力を続け るとともに,これらの品種が絶えないように,生体の ex situ 保存と,精液や卵子等の細胞の凍結保 存を組み合わせて保存していく必要がある。 参 考 文 献 日本馬事協会(2002)日本在来馬の保存活用推進のための連絡会議概要(平成 14 年度). 竹之内浩一郎(2000)トカラ列島における斑や成果山羊の生態に関する研究,鹿児島大学大学院農 学研究科 1999 年度 修士論文. 橋口 勉(1995)トカラ馬について 平成 6 年教育研究学内特別経費「トカラ列島における家畜遺 伝資源の保存と活用に関する研究」報告書(平成 7 年 3 月)鹿児島大学トカラ列島家畜遺伝資 源調査班 5-14. 西中川 駿,日高祥信(1995)口之島野生化牛の生態と形態学的調査 平成 6 年教育研究 学内特 別経費「トカラ列島における家畜塵伝資源の保存と活用に関する研究」報告書(平成 7 年 3 月) 鹿児島大学トカラ列島家畜遺伝資源調査班 53-60. 萬田正治(1995)トカラ山羊の保護と利用 一実験動物としての有用性− 平成 6 年教育研究学内 特別経費「トカラ列島における家畜遺伝資源の保存と活用に関する研究」報告書(平成 7 年 3 月)鹿児島大学トカラ列島家畜遺伝資源調査班 97-108. 横山豪郎(1998)文化の遺産“奄美の島豚”鹿児島県養豚史 483-486. 情報サイト∼日本最後の秘境トカラ列島ホームページ(http://www.aruzou.com/) 日本在来家畜研究調査団 第 1 回調査(1961 年)トカラ,奄美両群島 日本在来家畜調査団報告  第 1 号 9-57.

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  Much native livestock remained in the island region of Kagoshima Prefecture until the late 1950s. However, the subsequent socio-economical change deprived native breeds of their position and they were substituted by highly improved breeds. The remaining breeds have been transferred and they are conserved mainly on the mainland of Kagoshima.

  The present condition of conservation of the Tokara horse, Tokara goat, Kuchinoshima feral cattle and Shima-buta (pig), known as the livestock breeds that originated in the Kagoshima islands area, was surveyed in March, 2003.

  Tokara horse: 125 head are reared at Iriki livestock farm of Kagoshima University,      Kaimon-Dake foothill Natural Park, and Nakanoshima in the Tokara Isles, etc.

  Tokara goat: Approximately 40 head are maintained in Kagoshima University, and Hirakawa municipal zoo.

  Kuchinoshima feral cattle: 90-110 head are maintained. Those surviving as feral animals in Kuchinoshima account for 40-50 head, and 20-30 are conserved in each of the Iriki livestock farm of Kagoshima University and the Experimental Station of Highland Animal Production of Nagoya University.

  Shima-buta: A total of around 100 head remain in Tokunoshima and on the mainland of Kagoshima.

  All of these breeds are at risk according to the criteria of FAO. The Tokara goat is in the critical-maintained category and the other breeds are in endangered-critical-maintained.

(Survey Report for Animal Genetic Resources 14 : 1 − 20, 2004)

1. Present Situation of Native Animal Genetic Resources

Originated in Island Area of Kagoshima Prefecture

Mitsuru MINEZAWA

Genebank

National Institute of Agrobiological Sciences

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表 1 トカラの地理 最高点(m) 位 置 周囲(km) 面積(km2 島 名 628.3 北緯 29 度 58 分 20.38 13.33 口之島   東経 129 度 55 分 979 北緯 29 度 50 分 30.18 34.47 中之島   東経 129 度 52 分 148.53 101.35 トカラ合計 表 2 トカラ列島各島の人口と世帯数の推移(国政調査による) 平成12年 平成7年 平成2年 昭和60年 昭和55年 昭和50年 昭和45年 昭和40年 昭和35年 昭和30年 性別 区分 島名 87 86 173 83 94 177 92 91 183 83 91 174 114 105 219 146 145 291 171 180 351 210 222 432 261 272 533 264 284 548 人口 口之島 97 92 92 95 114 109 105 111 115 108 所帯数 102 81 183 100 97 197 103 111 214 109 118 227 115 124 239 163 184 347 234 249 483 292 294 586 518 506 1024 478 450 928 人口 中之島 105 101 105 108 105 127 148 159 237 208 所帯数 401 355 756 401 375 776 388 402 790 378 409 787 459 444 903 548 572 1120 681 726 1407 893 955 1848 1266 1336 2602 1325 1333 2658 人口 総 計 413 402 386 374 423 403 434 471 587 588 所帯数 トカラ列島の年齢構成 65 才以上 50 ∼ 64 才 35 ∼ 49 才 15 ∼ 34 才 0 ∼ 14 才 総人口 性別 110 122 232 69 74 143 79 65 144 30 33 63 59 50 109 347 344 691

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表3 十島村における肉用牛飼養 十島村全体 中之島 口之島 総頭数 対総戸数 畜産戸数 対総頭数 頭数 対島戸数 畜産戸数 対総頭数 頭数 対島戸数 畜産戸数 755 709 660 646 666 927 957 983 1226 1376 1482 1436 1475 2496 1786 1556 1664 0.427 0.338 0.35 0.355 0.308 0.3 172 143 131 125 113 129 137 138 139 134 135 124 126 126 123 122 124 0.274 0.261 0.252 0.251 0.254 0.282 0.283 0.279 0.249 0.263 0.233 0.247 0.277 0.164 0.279 0.303 0.288 207 185 166 162 169 261 271 274 305 362 345 354 408 410 498 471 480 0.283 0.219 0.278 0.295 0.287 0.267 36 23 30 26 22 28 31 32 32 30 30 29 29 28 27 27 28 0.215 0.285 0.332 0.35 0.368 0.305 0.316 0.314 0.356 0.331 0.372 0.33 0.326 0.19 0.307 0.294 0.254 162 202 219 226 245 283 302 309 437 455 551 474 481 474 548 457 423 0.301 0.333 0.358 0.402 0.337 0.32 44 38 34 30 34 35 37 38 33 33 31 31 31 31 31 31 31 昭和50年 昭和55年 昭和60年 昭和62年 昭和63年 平成1年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 表4 トカラヤギの特性 シバヤギ 日本ザーネン トカラヤギ メス オス メス オス メス オス 16.5 393.2 149.5 248.0 22.5 3.3 53.3 376.6 148.3 339.6 1.8 3.4 78.9 1.4 12.7 19.3 451.4 147.5 254.4 1.8 1.5 16.0 30.4 生時体重(kg) 12 ケ月齢体重(kg) 35 ケ月齢体重(kg) 初産日齢(日) 妊娠期間(日) 分娩間隔(日) ー腹産子数(頭)

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表5−1 卜力ラ馬及び日本在来馬頭数の推移 1982 1981 1980 1979 1978 1977 1976 1975 1974 1973 69 1969 68 1885 62 1724 61 1723 60 1619 54 1559 49 1554 45 1825 1800 44 1816 日本在来馬総数 1992 1991 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1983 114 3203 118 3450 104 3065 92 2701 91 2506 89 2147 88 1952 75 2056 70 2078 69 2068 日 本 在 来 馬 総 数 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 126 121 2458 113 2510 103 2677 106 2892 108 2895 110 3201 113 3157 115 3466 110 3361 日本在来馬総数 表5−2 最近の飼養頭数 頭数 飼 養 場 所 3 34 20 1 2 2 2 10 20 23 1 2 1 5 13 54 43 2 4 3 7 開 聞 山 麓 自 然 公 園 鹿 児 島 大 字 入 来 牧 場 鹿 児 島 市 平 川 動 物 園 長嶺公共育成牧 場(上屋久町) 家 畜 改 良 セ ン タ ー 十 勝 牧 場 64 62 126 合   計 日本在来馬の保存活用 のための連絡会議概要(平成14年) (14 年 8 月現在) 日本在来馬の保存活用 のための連絡会議概要(平成14年)

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表6 奄美島豚の遺伝特性 1 次必須項目 なし 垂耳 14 ∼ 16 個 主な毛色 毛色斑 皮膚色 耳の形 方向 耳の大きさ 乳頭数(左右の合計) 体格 大きさ 1 次選択項目 直線 混在 太鼓腹 なめらか 下垂 顔の形 牙  有無 型  背線 型  下腹線 型  皮膚 型  尾 2 次必須項目 1.4 ∼ 1.5kg 160kg 85cm 1.4 ∼ 1.5kg 160kg 80cm 温順 kg kg cm cm kg kg cm cm 体重♂  生時 体重♂  成熟時 体高♂  成熟時 胸囲♂  成熟時 体重♀  生時 体重♀  成熟時 体高♀  成熟時 胸囲♀  成熟時 気質 ストレス感受性 2 次選択項目 40 ∼ 41kg 40 ∼ 41kg kg kg 体重♂  3 ヶ月齢 体重♀  3 ヶ月齢 抗病性 耐暑性 耐寒性 飼料利用性 3 次必須項目 15 ヶ月 15 ヶ月 115 ∼ 120 日 20 ∼ 21 日 7 ∼ 9 7 ∼ 9 10 ∼ 12 10 ∼ 12 120kg 500 ∼ 530g 72 ∼ 75kg 1.9 ± 120kg 500 ∼ 530g 72 ∼ 75kg 1.9 ± 月齢 月齢 kg g kg mm kg g kg mm 性成熟♂ 性成熟♀  妊娠期間 発情周期♀  産子数   初産 離乳頭数  初産 産子数   経産 離乳頭数  経産 肥育♂   屠殺時体重 肥育♂   肥育中1日増体重 肥育♂   枝肉屠体重 肥育♂   背脂肪の厚さ 肥育♀   屠殺時の体重 肥育♀   肥育中1日増体重 肥育♀   枝肉屠体重 肥育♀   背脂肪の厚さ 3 次選択項目 11 ヶ月∼ 12 ヶ月 10 ヶ月 14 ヶ月 2.0 回 易(安産が多い) 月齢 月齢 月齢 繁殖供用開始♂ 繁殖供用開始♀ 初産月齢♀ 分娩率 分娩の難易 (横山豪郎氏提供)

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図2 口之島の地図 (図2,図3の青色は野生化牛の生息地,赤色 は野生化山羊の生息地(竹之内,2000 による), 矢印はトカラ馬の放牧場,トカラ山羊牧場) 図1 十島村の位置 図3 中之島の地図

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図7 海から見た口之島 (西側) 矢印は野生化牛の 住む燃岳 図4 海から見た口之島 (西側) 矢印は野生化牛の 住む燃岳 図5 口之島案内図 図6 口之島の黒毛和種 放牧場 図7 口之島野生化牛 生息域への入り口

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図8,9 口之島で観察された野生化牛 図10 口之島の農家で飼育されていた山羊,白色固体が見られた(左端) 図11 野生化牛を観察した山の反対側    急斜面にいた2頭の山羊(矢印) 図12 口之島特産の    サンスベリアの栽培

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図13 鹿児島大学入来牧場案内図

図14∼16 入来牧場の口之島野生化牛

図17 鹿児島大学

   農学部のトカラ山羊

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図22 中之島の御岳山麓で見かけた    野生化ヤギ 図23 トカラヤギ牧場の管理室にいた    野生から持ち込まれた子山羊 図20 中之島トカラヤギ    牧場の看板 図19 中之島案内図 図21 中之島トカラヤギ牧場で飼育されている山羊

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図24 開聞山麓自然公園内に放牧されているトカラ馬

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図28 黒毛奄美島豚の商標登録証

図26・27 ゆうかり学園の奄美の島豚

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要  約  青森県農林総合研究センター畜産試験場養鶏部が造成した主要な特産鶏の種鶏について,1996 年 から 2001 年までの能力を調査したところ,その結果の概要は次のとおりであった。 1.速羽性横斑プリマスロック  1)初産日齢は 147 ∼ 169 日,300 日齢卵重は 58.9 ∼ 59.9g であった。  2)140 日齢体重は 2,966 ∼ 3,651g で年当たり 100g 増加(P<0.05),300 日齢体重は 3,806 ∼ 4,184g で年当たり 45g 増加(P<0.05)した。  3)151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 57.4 ∼ 64.3%で年当たり 0.8%低下した(P<0.05)。 2.横斑シャモ  1)初産日齢は 183 ∼ 206 日,140 日齢体重は 2,087 ∼ 2,197g,300 日齢体重は 2,841 ∼ 3,138g, 300 日齢卵重は 42.5 ∼ 52.3g であった。  2)151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 30.8 ∼ 43.0%で年当たり 1.2%ずつ増加する傾向があった (P<0.12)。 3.あすなろ卵  1)初産日齢は 155 ∼ 173 日で年当たり 2.4 日ずつ早まる傾向があった(P<0.10)。  2)300 日齢体重は 1,719 ∼ 1,978g,300 日齢卵重は 53.0 ∼ 57.3g であった。  3)151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 58.1 ∼ 77.2%で年当たり 2.6%増加した(P<0.01)。  4)卵殻色の L* は 84.9 ∼ 87.8,a* は–5.83 ∼–5.16,b* は 4.58 ∼ 6.16,C* は 7.34 ∼ 8.57,色相 角度は 136 ∼ 144 度であった。

2.

The Development and Improvement of Local

Chicken Lines in Aomori

2.青森県における種鶏造成および能力改善

青森県農林総合研究センター 畜産試験場養鶏部

西 

藤 

克 

Katsumi SAITO

Poultry Division, Experiment Station of Animal Husbandry, Aomori Prefectural Agricultural and Forestry Research Center

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4.あすなろ卵  1)初産日齢は 146 ∼ 185 日,300 日齢体重は 1,832 ∼ 2,114g,300 日齢卵重は 60.8 ∼ 62.9g,151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 61.5 ∼ 74.8%であった。  2)卵殻色 L* は 83.6 ∼ 86.5, b* は 5.8 ∼ 10.6,C* は 7.8 ∼ 12.0,色相角度は 120 ∼ 135 度で あった。  3)卵殻色 a* は–5.69 ∼–4.87 で年当たり 0.14 ずつ低下した(P<0.01)。 5.卵黄重選抜系  1)初産日齢は 151 ∼ 177 日で年当たり 2 日ずつ早くなる傾向があった(P<0.13)。  2)240 日齢体重は 1,555 ∼ 1,849g で年当たり 23g ずつ重くなる傾向があった (P<0.11)。  3)151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 53.6 ∼ 71.4%,273 日齢卵殻重は 5.7 ∼ 5.9g,卵黄卵重比は 29.4 ∼ 30.9%であった。  4)273 日齢卵重は 59.1 ∼ 64.5g,300 日齢卵重は 60.4 ∼ 67.0g で,ともに年当たり 0.6g ずつ増 加した(273 日齢 P<0.01,300 日齢 P<0.05)。  5)273 日齢卵黄重は 17.7 ∼ 19.2g で年当たり 0.14g ずつ増加した(P<0.05)。  6)卵白重は 35.7 ∼ 39.6g で年当たり 0.45g ずつ増加した(P<0.01)。また卵殻卵重比は 9.2 ∼ 9.7% で年当たり 0.07%ずつ減少した(P<0.01)。 (動探報 14 : 21 − 42, 2004) は じ め に  養鶏は輸入産物の増加や需要の停滞等により長年に渡り生産過剰基調の状況下にある。今後と も,生産コストの低減とともに健康・安全などの消費者ニーズの多様化・高度化に対応した鶏卵・ 鶏肉生産が重要となっている。青森県農林総合研究センター畜産試験場養鶏部は,品種改良の面か ら本県の気候風土に適応した生産性の高い鶏や品質に特徴があり,新需要を創り出しうる鶏などを 開発し,収益性が優れる高付加価値型養鶏の振興による地域活性化を推進している。  実績を紹介すると,地鶏交雑種「青森シャモロック」,緑色卵鶏「あすなろ卵鶏」,白色卵鶏「青 森クロスホワイト」,褐色卵鶏「青森クロスブラウン」,一つの卵が二つの卵黄をもつ二黄卵を多発 する「二黄卵鶏」等を開発している。これらの雛は年間約 3 万羽が養鶏農家等に譲渡されている (平成 14 年度)。譲渡件数は年間約 800 件にのぼる。譲渡された雛は,養鶏農家等の高付加価値商 品の生産や市町村等での地域興し等に利用されている。  本県で造成した種鶏の能力については,すでに西藤ら(1991)1) および西藤ら(1996)2) が 1987 年 から 1994 年までの調査成績を報告しているが,その後も改良は継続している。本報は 1995 年から 2001 年までの調査成績,また,前報1),2) で報告しなかった種鶏の調査成績を報告するものである。

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材料および方法 1.供試鶏種  1)肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック    本種は横斑プリマスロックがもつ遅羽性遺伝子(遺伝子記号 K)を速羽性遺伝子(遺伝子記 号 k)に置き換えた鶏種である。能力調査雌鶏の孵化年月日,血液割合および供試羽数は表 1 に示した。  2)横斑シャモ    本種はシャモに横斑プリマスロックを交雑し,シャモの闘争性を弱めるとともに,羽の色を 白黒の横斑紋にした鶏種である。能力調査雌鶏の孵化年月日,血液割合および供試羽数は表 2 に示した。  3)あすなろ卵Ⅰ    本種は南米原産アロウカナ種由来の青卵殻色遺伝子(遺伝子記号 O)を保有する合成種であ る。血液割合は白色レグホーン約 1/2,ロードアイランドレッド約 1/2,本種の卵殻色は緑色 を呈する。能力調査雌鶏の孵化年月日および供試羽数は表 3 に示した。 表1 肉用タイプ速羽性横斑プリマスロックの供試雌鶏 供試羽数 孵化鶏の血液割合 孵化年月日 世代1) 白色プリマスロック 横斑プリマスロック 591 553 441 685 454 554 645 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 1995/07/05 1996/07/03 1997/07/30 1998/07/29 1999/08/25 2000/07/26 2001/07/18 F9 F10 F11 F12 F13 F14 F15 1) F 数字は雑種 1 世代からの世代数を示す 表2 横斑シャモ供試雌鶏 供試羽数 血液割合 孵化年月日 世代1) 白色プリマスロック 横斑プリマスロック 119 124 160 101 109 108 163 127/128 255/256 255/256 255/256 255/256 255/256 255/256 1/128 1/256 1/256 1/256 1/256 1/256 1/256 1995/04/12 1996/04/10 1997/04/16 1998/05/06 1999/05/12 2000/05/24 2001/06/06 B6 B7 G1 G2 G3 G4 G5 1) B 数字は F1 世代を除くシャモへの戻し交配回数,G は集団閉鎖後の世代数を示す。

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 4)あすなろ卵Ⅱ    本種も南米原産アロウカナ種由来の青卵殻色遺伝子(O)を保有する緑色卵殻をもつ合成種で ある。その血液割合は自色レグホーン約 1/2,市販赤玉鶏約 1/2 である。能力調査雌鶏の孵化 年月日および供試羽数は表 4 に示した。  5)卵黄重選抜系    1984 年から 1993 年まで卵黄重を大きくする選抜を行った白色レグホーン種である。1993 年 までの選抜反応はすでに西藤・吉田3) (1999)が報告している。能力調査雌鶏の孵化年月日お よび供試羽数は表 5 に示した。 表3 あすなろ卵Ⅰの供試雌鶏 供試羽数 孵化年月日 世代1) 139 203 263 284 249 289 222 1995/06/21 1996/07/03 1997/09/03 1998/07/29 1999/08/25 2000/07/26 2001/08/01 F8 F9 F10 F11 F12 F13 F14 1) F 数値は雑種 1 世代からの世代数を示す 表4 あすなろ卵Ⅱの供試雌鶏 供試羽数 孵化年月日 世代1) 77 152 100 205 186 156 230 1995/04/19 1996/04/17 1997/09/03 1998/06/17 1999/06/16 2000/06/28 2001/07/04 F3 F4 F5 F6 F7 F8 F9 1) F 数値は雑種 1 世代からの世代数を示す 表5 卵黄重選抜系統の供試雌羽数 供試羽数 孵化年月日 選抜世代 99 125 93 92 91 198 145 105 1994/03/02 1995/06/28 1996/07/03 1997/08/06 1998/06/10 1999/06/09 2000/07/12 2001/07/25 G8 G9 G10 G11 G12 G13 G15 G16

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2.飼養管理  各種鶏とも餌付けから 28 日齢まで電熱バタリー,概ね 120 日齢まで開放鶏舎中大雛群飼ケージ, 以後開放鶏舎の単飼ケージで飼育した。飼料は産卵率が 5%に達するまでは市販育成用飼料を給与 し,それ以後は CP16.0%,ME2800kcal/㎏ の当部指定配合飼料を給与した。光線管理は自然日長 併せて 14 時間になるように点灯した。その他の飼養管理は当部慣行法に従った。 3.卵殻色および卵構成成分の調査方法  調査日齢の前後に産卵された個体当たり 3 個までの正常卵について,卵殻色はミノルタカメラ社 製の色彩色差計 CR-200 で測定し,L*a*b* 表色系4) で表示した。卵黄は生重量を秤量した。卵殻は 卵殻膜を付けたまま 100℃ で 1 時間乾燥後放冷して秤量した。卵白重は卵重-(卵黄重+卵殻重), 卵黄卵重比は(卵黄重× 100)÷卵重,卵殻卵重比は(卵殻重× 100)÷卵重で算出した。 結果及び考察 1.肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック  1)特 徴    本種は速羽性遺伝子(k)を保有する横斑プリマスロックであり,青森県産地鶏交雑種「青 森シャモロック」の雌系として利用している。横斑プリマスロックは肉が美味しいことに定評 がある鶏種であり,地鶏種鶏として利用価値が高い反面,遅羽性遺伝子(K)をもつため,交 雑鶏の発育,育成率および白血病に対する抗体産生能が抑制されることが知られている。この ため本種では横斑プリマスロックに速羽性遺伝子(k)を導入した。本種の外貌および速羽遺 伝子の効果は写真 1,2 および写真 3 に示した。 写真1 肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック雄 (とさかは断冠している) 写真2 肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック雌

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 2)造成方法    本種の造成に使った鶏種は当場で長年保存してきた横斑プリマスロックおよび青森県内民間 種鶏場から導入した速羽性遺伝子(k)保有の白色プリマスロックである。1987 年に横斑プリ マスロックを雄,白色プリマスロックを雌とした F1 世代を採取し,直ちに集団を閉鎖した。 造成当初は横斑紋遺伝子 ( 遺伝子記号 B) ついてホモ化を進めるため,横斑紋の雄(BB または Bb)は劣性雌(b-)に交配し(後代検定),BB と判定された雄から次世代を採取した。また, 各世代で速羽性の雌雄から次世代を採取した。この結果,F4 世代目に横斑紋および速羽性遺 伝子についてホモ化を達成した。集団閉鎖後の改良は 140 日齢体重および産卵率について指数 選抜を行っている。  3)最近の能力    本種の平均能力は表 6 および図1,年次に対する能力平均値の一次回帰係数は表 7 に示した。 初産日齢は各年次で 147 ∼ 169 日,年次間変動が大きく,年次に対する能力平均値の回帰係数 は有意ではなかった。一方,体重は各年次で 140 日齢が 2,966 ∼ 3,651g,300 日齢が 3,806 ∼ 4,184g,年次が進むにつれ増加した(P<0.05)。年次に対する一次回帰係数は,140 日齢体重が 写真3 遅羽性(左)および速羽性(右) 表6 肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック種の年次別能力平均値1) 151 ∼ 450 日齢 生存鶏産卵率(%) 300 日齢卵重 (g) 300 日齢体重 (g) 140 週齢体重 初産日齢(日) 孵化年次 64.3 ± 16.4 62.1 ± 15.0 62.1 ± 17.4 63.7 ± 14.6 61.9 ± 16.3 61.1 ± 15.0 57.4 ± 17.7 59.9 ± 4.0 59.8 ± 4.1 58.9 ± 3.7 59.8 ± 3.8 59.1 ± 4.1 59.9 ± 3.8 59.5 ± 3.7 3,900 ± 395 3,942 ± 390 3,806 ± 411 3,927 ± 426 4,085 ± 385 4,003 ± 435 4,184 ± 430 2,966 ± 294 3,029 ± 336 3,057 ± 294 3,025 ± 255 3,496 ± 304 3,177 ± 269 3,651 ± 379 161.8 ± 14.3 160.1 ± 11.4 153.9 ± 17.9 168.8 ± 8.1 147.2 ± 13.6 162.2 ± 12.2 154.4 ± 20.7 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 1) 平均値±標準偏差

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年当たり 100g,300 日齢体重が年当たり 45g ずつ増加したことを示した。また,前報2) におけ る 140 日齢体重の範囲は 2,805 ∼ 2,937g,300 日齢体重の範囲は 3,679 ∼ 3,931g であり,本報 における体重の増加は明らかであった。300 日齢卵重は 58.9 ∼ 59.9g で 59g 前後の一定値を示  表7 年次に対する能力平均値の一次回帰係数     (肉用タイプ速羽性横斑プリマスロック) 一次回帰係数       形 質 –0.89 99.55* 44.80* –0.13 –0.82*  初産日齢  140 日齢体重  300 日齢体重  300 日齢卵重  151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率 *:P<0.05 図1 肉用タイプ速羽性横斑プリマスロックの年次別能力平均値の推移

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し,年次に対する能力平均値の一次回帰係数は有意でなかった。151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率 は 57.4 ∼ 64.3%,年次が進むにつれ低下した(P<0.05)。年次に対する能力平均値の一次回帰 係数は年当たり 0.8%ずつに低下したことを示した。    以上のとおり,本種は初産日齢,卵重には年次の推移に伴う一貫した変化は見られなかった が,体重に顕著な増加があり,選抜の効果が見られた。一方産卵率は体重選抜の影響と見られ る低下があった。 2.横斑シャモ  1)特 長    本種はシャモに横斑プリマスロックの血液を導入し,シャモの闘争性を弱めるとともに,羽 色を白黒の横斑紋にした鶏種であり,青森県産地鶏交雑種「青森シャモロック」の雄系として 利用している。本種を父鶏とすることによって青森シャモロックの特徴である横斑紋を雌雄と もに発現させることができる。本種の外貌は写真 4 および写真 5 に示した。  2)造成方法    本種の造成にはシャモおよび横斑プリマスロックを使っている。造成方法は両鶏種の F1 を基 礎にシャモへの戻し交配を 7 世代繰り返した。横斑シャモの最終的な血液割合はシャモが 255/256,横斑プリマスロックが 1/256 である。本種の改良は体重および産卵率に対して指数 選抜を行った。  3)最近の能力    本種の平均能力は図 2 および表 8 に示した。また,年次に対する能力平均値の一次回帰係数 は表 9 に示した。初産日齢は各年次で 183 ∼ 206 日,体重は 140 日齢が 2,087 ∼ 2,197g,300 写真4 横斑シャモ雄 写真5 横斑シャモ雌

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日齢が 2,841 ∼ 3,138g,300 日齢卵重は 42.5 ∼ 52.3g で年次に対する能力平均値の一次回帰係 数はいずれも有意ではなかった。151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は各年次で 30.8 ∼ 43.0%で,年 当たり 1.2%ずつ増加する傾向があった(P<0.12)。前報2) において,横斑シャモは戻し交配 5 世代目(B5)でシャモの平均能力に急速に近づいていることを明らかにしている。ちなみに前 表8 横斑シャモの年次別能力平均値1) 151 ∼ 450 日齢 生存鶏産卵率(%) 300 日齢卵重 (g) 300 日齢体重 (g) 140 週齢体重 初産日齢(日) 孵化年次 37.4 ± 19.8 30.8 ± 11.3 41.4 ± 14.1 39.5 ± 15.3 43.0 ± 16.7 39.7 ± 13.7 42.4 ± 14.6 51.7 ± 2.8 42.5 ± 2.1 51.0 ± 4.3 49.8 ± 3.5 52.2 ± 4.2 52.0 ± 3.2 52.3 ± 3.7 2,857 ± 455 3,138 ± 161 2,963 ± 398 2,841 ± 298 2,928 ± 320 3,049 ± 324 2,957 ± 289 2,197 ± 301 2,182 ± 199 2,087 ± 159 2,134 ± 211 2,146 ± 174 182.6 ± 26.5 205.8 ± 17.4 196.5 ± 25.9 191.7 ± 24.7 191.7 ± 17.0 190.9 ± 19.8 188.2 ± 21.7 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 1) 平均値±標準偏差  表9 年次に対する能力平均値の一次回帰係数     (横斑シャモ) 一次回帰係数       形 質 –0.63 3.22 0.78 1.24  初産日齢  300 日齢体重  300 日齢卵重  151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率 :P<0.12 図2 横斑シャモの年次別能力平均値の推移

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報2) におけるシャモの初産日齢は 183 ∼ 205 日,300 日齢体重は 2,950 ∼ 3,171g,300 日齢卵重 は 50.9 ∼ 52.9g,151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 34.3 ∼ 35.6%であった。本報における横斑シャ モの体重,初産日齢および卵重は前報2) のシャモと同等であったが,産卵率については前報2) シャモに比べ最大値間の比較で 7.4%高かった。これは選抜の効果と考えられる。体重に対して 選抜の影響がなかった要因としては,一般に体重の大きいシャモは産卵率が低いため,体重で 選抜されたとしても,子孫を残せなかったことが考えられる。 3.あすなろ卵¿  1)特徴    本種は卵殻色が緑色の卵を産する合成種である。血液割合は白色レグホーン約 1/2,ロード アイランドレッド約 1/2 である。本種の外貌は写真 6 および写真 7 に示した。    鶏の卵殼色は褐色色素オオポルフィリンと青色色素ビリベルジンによって発色する。オオポ ルフィリンの分泌は通常の白色卵および褐色卵鶏種でみられる。一方,ビリベルジンの分泌は 南米原産アロウカナ等のごく限られた鶏種でしかみられず,この特性は常染色体上の青卵殻色 遺伝子(O)によって支配されている。    西藤・吉田(1991)5) は,青卵殻色遺伝子の存在下で,ロードアイランドレッドの血液割合が 増えると,卵殻色は緑から赤緑色の色相に変化すること,ロードアイランドレッドの血液割合 が 1/2,白色レグホーンの血液割合が 1/2 の交雑種はロードアイランドレッドの血液割合が 0, 3/4 および 7/8 交雑種に比べ卵殻色 a* が低く,色相角度が 130 度前後の緑色の濃い,嗜好性の 高い卵殻色になることを明らかにしている(写真 8)。    この結果を受けて,本県では白色レグホーン約 1/2,ロードアイランドレッド約 1/2 の血液 写真6 あすなろ卵¿雄 写真7 あすなろ卵¿雌

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割合を有する合成種「あすなろ卵Ⅰ」を造成し,1992 年から緑色卵生産鶏「あすなろ卵鶏」と して農家に普及させている。しかし,1995 年からは新系統「あすなろ卵Ⅱ」が造成されたので 「あすなろ卵鶏」は「あすなろ卵Ⅰ」を雄系,「あすなろ卵Ⅱ」を雌系とした交雑により生産し ている。これは「あすなろ卵Ⅰ」と「あすなろ卵Ⅱ」の交雑によって産卵率や生存率等の形質 に雑種強勢が発現するためである。  2)造成方法    本種の造成に利用した素材鶏は農林水産省畜産試験場から導入した青卵殻色遺伝子を保有す る白色レグホーンおよび当部保有のロードアイランドレッドであった。1988 年に素材両鶏種の F1 を採種し,直ちに集団を閉鎖,以後世代間隔 1 年で更新している。本種は F5 世代の 1992 年 孵化鶏から卵殻色の緑色を濃くするため,卵殻色 a* を低める指数選抜を行い,1995 年からは 卵殻色 a* の低下と産卵率の増加,1997 年からは卵殻色 a* の低下,産卵率および卵重の増加の 指数選抜を行っている。  3)最近の能力    本種の平均能力は図 3 および表 10,卵殻色は表 11 に示した。また,年次に対する能力平均 値の一次回帰係数は表 12 に示した。初産日齢は各年次で 155 ∼ 173 日,年次を経るに従い早ま る傾向があった(P<0.10)。また,前報における初産日齢の範囲は 162 ∼ 177 日,本報における 初産日齢は前報に比べても早まる傾向があった。300 日齢体重は 1,719 ∼ 1,978g,年次に対す る能力平均値の一次回帰係数は有意ではなかった。しかし,前報2) における 300 日齢体重の範 囲は 1,917 ∼ 2,007g,世代が進んだ本報において体重が軽い傾向があった。300 日齢卵重は 53.0 ∼ 57.3g,年次に対する能力平均値の一次回帰係数は有意ではなかったが,卵重を選抜形質に 加えた 1997 年以後は卵重が増加する傾向があった。151 ∼ 450 日齢生存鶏産卵率は 58.1 ∼ 77.2%,年次を経るに従い年当たり 2.6%ずつ増加した(P<0.01)。前報における産卵率の範囲 は 56.3 ∼ 68.5%であるため,本報において産卵率は明らかに増加した。 写真8 ロードアイランドレッド(褐色卵)の血液割合と青卵殻色     左からロードアイランドレッドの血液割合 0,1/4,1/2, 3/4 の個体からの卵

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   卵殻色の L* は 84.9 ∼ 87.8,本報の範囲は前報2) における範囲 84.7 ∼ 87.6 と大差がなかった。 a* は–5.83 ∼–5.16,前報2) においては–6.84 ∼–5.71,本報では前報2) に比べやや高くなった。一 図3 あすなろ卵¿の年次別能力平均値の推移

表 1 トカラの地理 最高点( m )位 置    周囲(km)面積(km2)島 名 628.3  北緯   29度58分  20.38  13.33 口之島      東経 129 度 55 分 979    北緯   29度50分  30.18  34.47 中之島      東経 129 度 52 分 148.53101.35 トカラ合計 表 2 トカラ列島各島の人口と世帯数の推移(国政調査による) 平成12年平成7年平成2年昭和60年昭和55年昭和50年昭和45年昭和40年昭和35年昭和30年性別区

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