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不飽和性土の1次元圧縮試験における除荷時の吸水・排水挙動

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(1)

不飽和粘性上の

1次

元圧縮試験 における除荷時の吸水・ 排水挙動

清水 正喜 。南部 啓太

鳥取 大 学工学部 土木 工学科

SweWing and draining behavior ofan unsaturated clayey soil sutteCted to unloading in

one‐dilnensional compression test

Masayoshi SHIMIZU and Keita NAMBU

Department of Civil Enginee ng,Faculty ofEnginccring,Totto University

Koyama,Tottori,680-8552 JaPan

E‐

M正1:mshimizu@∝

tottO ‐u.acjP

Abstract:Onc‐dimcnsional compressivc loading and u Oadhg tcsts were=nade on dayey soil spcci14CnS having been unsaturatcd with the suction applicd ushg the pressure plate teOhniquc.Thc results showed that,under any vertical pressure in he process of u oading,swcⅡ g Phcnomenon atttrst、 vas obscwed and drai ng one followcd it while thc vol■ me behg expanding.Ib cxpl n thc Phcnomcnal changeと Pm swell g to dra“ ing,thc tests wHch air pressure applicd to thc satuFated∝ FamiC Platc thout a

soil sPcci14Cn WCFC alSO conducted.A condusion says thatthe obsewcd Phcnomenon of draining could be exPlained iftaking into account thc fact that thc alr=nay trudes into the ceFaXalC Platc Ⅵth timc,

Key Words:Unsatumted sod,Onc‐dimensional compressお n test,Sucdon,Unloading,Prcssure platc techiquc

1.序

論 日本の よ うな湿潤な環境 にある国では飽和状態 にある土が土木工学の対象 となる機会が多い。しか し,降 雨時の斜面地盤の不安定化 に見 られるように 不飽和か ら飽和状態 に変わるときの強度低下の問 題や,浅 い基礎を支持する不飽和地盤の圧縮性など, 不飽和上の力学特性 を基 に考 えないと解決できな い工学的問題 も多い。しか も不飽和土の力学特性に は未解明な点が多い。 地盤材料の構成関係 を一般力学体系の枠組みで 構築する研究が精力的に行われてきたが,対象は飽 和粘性土 または乾燥砂質土であ り,不 飽和の上に対 す る構成関係 に関する研究は漸 く一部の研究者 に よってその端緒が切 り開かれた段階である. 本研究 の 目的は不飽和状態 にある粘性土 の一次 元圧縮・圧密挙動を明 らかにすることである。特に 圧縮・圧密挙動に対するサクションの影響を定量的 に評価することが課題である。 所定 のサ クシ ョンを作用 させて不飽和状態 にし た粘性土供試体 に対 して載荷および除荷す る試験 を行った。サクションは加圧板法によって制御 した。 この方法では供試体の間隙水は難透気性板(セラミ ック

)を

通 って出入 りするので排水・吸水に関する 時間依存 的現象 はセ ラミ ック板 の透水性 に左右 さ れる。観察される現象か ら真の時間依存的現象を抽 出す るためにセ ラミック板 の特性 に由来する時間 依存現象を定量的に評価 しなければな らない。そ こ で,上供試体 を設置 しない状態でサクションを作用 させる実験 も行い,セ ラミック板の時間依存的透気 特性を調べた。 本論文では,セ ラミック板への時間依存的空気侵 入特性 を考慮 して

,特

に除荷段階での吸水・排水現 象を詳細 に考察する.

2,試

料及び供試体作製方法 試料は藤の森粘上で,425脚 ふるい通過分のうち 表

1

試料の物理的性質 土粒子の密度 ps(g/cmり 2.70 中砂分 (%)

H.5

粒 度 細砂分 (%) 21.9 シル ト分 (%) 46.1 粘土分 (%) 20.5 液性 限界 wL(%) 52.4 コンシステ ンシー 塑性 限界 wP(%) 37.2 塑性指数 IP 15。 2

(2)

75即 ふるい残留分を用いた (表

1).気

乾状態でふ るい分けをしたため,細 粒分が多 く含 まれる結果 と なった。含水比約100%で十分練 り返 した後

,直

径 6 cm,高 さ14 cmの一次元圧密モール ドに入れ

,最

大荷重 49 kPaで 予圧密 した。予圧密後

,高

さ2 cm に成形 したものを供試体 とした。この時点で供試体 は飽和 している。

3.試

験装置及び方法 サ クションー定

,排

気・排水一次元圧縮試験 を行 った。予圧密された

,ほ

ぼ飽和 している供試体 に所 定のサクションを段階的に作用 させ,供 試体 を不飽 和 にした

.そ

の後サクションを一定に保ち

,荷

重 を 載荷・ 除荷 した。

3.1

試験装置 試験装置を図 1に 示す

.試

験装置は圧力系統

,圧

カセル

,圧

密容器及び計測装置か ら成る。 圧密容器底盤にはセ ラミックデイスク (直径 50

mm,厚

さ 1.5 mm),さ らにその下 にポー ラスス トー ン (直径 10111111,厚さ 8皿

m)を

装着 している (図 1(b)).セ ラ ミ ックデ ィス クの空気侵入値 (Air

Entry Value:AEV)は 77 kPaで ある。このセ ラミ

ックディスクの素材 は従来 の研究[1]で用いた もの と同じ種類である. 鉛直変位は軸変位計で測定 した。供試体底面か ら の排水 または吸水量は二重管 ビュレッ ト内の水面 の変動量を差圧変換器で計測 して評価 した. 載荷棒は軸受け部 に

Yリ

ングを装着 したもので ある

[2].Yリ

ングによってセル軸受け部での空気 の流通を断つので,供試体か らの水分の蒸発を抑制 することができる。尚

,供

試体上面 (JF気面

)か

ら の蒸発 と排水 を軽減す るために供試体上面にはガ ラス繊維布を敷いた. 供試体設置の際に,供試体及びセ ラミックディス クの間隙水 を連続 させ るために,セ ラミックデイス ク上に約

0.5gの

水 を残 した。

3.2

試験方法 サクションは加圧板法 によ り作用 させた。圧 カセ ル内に空気圧 ′aを 作用させることによ り

,供

試体 に正の問隙空気圧 ,aを 与えた。間隙水圧 "wは

,二

重管 ピュ レッ トを通 してセ ラミックデイスク下か ら与えた

.サ

クションs=′a ′

wを

所定の値で一定 になるように差圧 レギュレーターで制御 した。 匡Ю 圧力変換

0

コック

aコ

ンプレッサー

b圧

カレギュレーター

C差

圧 レギュレーター

d軸 変位計

e載

荷棒

f圧 カセル

g圧

密容器

hセ

ラミックディスク i ポーラスストーン

,

差圧変換器

k二

重管ピュレット

ポーラスストーン

(b)拡

大図 図

1

試験装置 ここで

,間

隙水圧

"wは

セ ラミックディスク外か ら作用 させるので,常 に真の間隙水圧 を表す とはい えない。この意味で ンwを外部門隙水圧,sを外部サ クションと呼ぶ ことにす る。供試体内の真の間隙水 圧や真 のサクションは

,外

部聞隙水圧 "wと外部サ クションsと区別す る必要がある時にそれぞれ内部 間隙水圧 "w',内部サクションs'と呼ぶ.

3.3

試験条件 表 2に 試験条件 を示す。試験名の数字は

,載

荷 し た最大 のサクションの値 (単位

:kPa)を

表す。サ クシ ョンは表 に示 したよ うに段階的に作用 させた。 圧密圧力の増減は段階的 (表 2に"⇒"で示 した

)ま

たは1回で ("→

")行

った。一つの荷重段階での載

(a)全

体 の構成 セラミックディスク

(3)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 32巻 表

2

試験条件 試験名 サ クシ ョン (kPa) 圧 密圧 カ (kPa) 封         0 一 全 E ︶ > ﹃ ぃ ュ > ﹃ ua=98 uw=26 s=73 0=157-→79

t〓1140 min s73

!冦

「と

│!:こ;∫ → 0⇒1256⇒10 s69 0→10‐20-→49→ 69 0⇒ 314⇒10⇒314 ‐ 39 s59 !「 10→20→ 39→ 0⇒314→39 10-→20-→29 I⇒158→40→21 荷時間は,載荷過程では原則的に 1日

,除

荷過程で は目的に応 じて変化 させた (詳細は後述する). また

,s73,s69及

び s59試験は供試体設置の際 に,加圧板

,供

試体及びセ ラミックディスクの密着 性を高めるために,加圧板 を軽 く手で押さえた。s29 試験 においては,同 じ目的のためサクション載荷前 に荷重l kPaを載荷 した。したが って

,表

2に 示す ように

,圧

密圧力は l kPaか ら始 まっている。 s73試験及び s69試 験は

,供

試体 の飽和度をでき るだけ低 くするために

,セ

ラミックディスクの AEV に近いサクションを作用 させたものである。また, 後述のように高いサクションでは,セ ラミックディ スクを通って排水経路に空気が侵入 したので,よ り 低いサ クションを作用 させた s59試 験及び s29試 験 を行った。なお,これ らの試験では長期 にわたる除 荷時の挙動を調べるために,除荷過程において一つ の荷重段階で 10000分 以上試験 した。 セラミックディスクの透水 (または透気

)特

性を 調べる目的で,土 の供試体 を置かないで試験 を行 っ た (本論文では 「空気侵入試験」 という

).セ

ラミ ックディスク上に水が盛 り上がっている状態で,所 定のサクション (d=59及 び 29 kPa)を 与えて

,排

水量の時間的変化を調べた.

4.試

験結果及び考察 結果の表示に

"見

かけの排水量"△/wと体積圧縮 量△7を用いる。ここに,"見かけの排水量"△

/wは

, ビュ レッ ト内水位 の上 昇量 を肌 とす る とき, △/w=崩×И

b 9bは

ビュ レッ ト内断面積

)で

求めた ものである。△/wの増加は二重管 ビュレッ ト内水面 の上昇を,△/wの減少は水面の下降を表す。これ ら は,必 ず しも供試体の排水量および吸水量をそれぞ れ表す ものではないので,△/wを"見 かけの排水量" と呼ぶ. また

,体

積圧縮量△ア は

,測

定された鉛直変位を 0.1 0.01 10 100 1000 10000 t(min) 図

2 s73試

験の結果 Atr(圧 縮する時 を正

)と

する時,△】た

И 似 は 供試体 の断面積

)で

求めたものである.

4.1

除荷時の吸・」r水挙動

(1)s73試

験 図

2に

s73試験 において圧密圧力

pを

157から 79 kPaに除荷 した時の見かけの排水量△

,4及

び体 積圧縮量△アと経過時間rとの関係を示す. 図 2よ り

,体

積 は常 に膨張 し続けているが,△

7w

は最初減少 して,チ=H40 min以 降増加 に転 じている ことがわかる. (2) s69喬武題梵 図

3(a),(b)に

,s69試

験の結果 を示す

.(a)は

pを

157か ら79 kPaに (第 1回 目の除荷過程),(b) は

pを

314か ら 39 kPaに (第 2回 日の除荷過程) それぞれ除荷 した時の△

/w及

び△

7と

ととの関係を 示す。 これ らの図よ り

,s73試

験同様

,体

積 は常 に膨張 し続 けているが,△

/wは

最初減少 して,(a)で はr=40 min,(b)では チ=300 min以 降増加 に転 じていること がわかる. p=39 kPa(図 3(b))において,r=4260 minに 試 験装置底盤 の排水用 コ ックにつながっている管 の 根元の部分 (図 1(a)の

Oで

囲つた部分

)に

1∼ 2 cm の長さで気泡が見 られた. (3) s59試験 図4に s59試 験においてpを 314か ら 39 kPaに 除荷 した時の△/w及び△7と すとの関係を示す。 図 4よ り,このサクションにおいても体積 は常に

(4)

0 ・ 1       ・ 05     0 一       〇 一 ︵ ︶ > ﹁ ゴ > ﹃ 一 全 E ︶ > ﹃ ゴ > ﹃ uw=20 s=69 F157-→ 79 p 0.1 1 10 100 1000 10000 t(min) =79(←

157)kPa(第

1回 日の除荷過程) 洋4260

i謝

.r

口W ‐マ Ⅲ300 min s=69 F=314-→39 (kPa) 5000 10000 15000 経 過時間 t(mh) (a) p=40(<←158)kPa

t=1560 min uF49¬

qttx O.377 mi

uw=20 S=29 げ40→21 5000 10000 15000 t(min) (b) p=21(←-40)kPa -0.15 -0.15 全 0.1 E > 蜀-0.05

判 0 0.1 (a) -0,3 -0.2 0.3 -0.1 0 1 2 3 0     0     0 全 E ︶ > ﹃ ゴ > < 0         0   0 一 全 E ︶ > ﹃ ゴ > 預 (b) -0.5 0         5 0 金 E ︶ > < ゴ > ﹃ 0,01 0.1 1 10 100 1000 10000 tlmh) p=39(←

314)kPa(第

2回日の除荷過程) 図

3 s69試

験 の結果 0.1 1 10 100 1000 100001E+05 tCmh) 図

4 s59試

験 の結果 膨張 し続けているが,△

7wは

最初減少 して,ど=1800

min以

降増加 に転 じた。その後,△7wは時間が経 っ ても落ち着 く様子はなく増加 し続けている。 す=18780 minの 時に

,試

験装置底盤の排水用 コッ クにつながっている管の根元 の部分 (図 1(a)の○ で囲つた部分)1こ 1∼2 cmの長さで気泡が見 られた。 そ こで

,外

部間隙水圧 ′

wを

上昇させると排水経路 内に存在す る気泡が溶存す るのではないか と考 え, サクションは一定 にしたまま,wおよび聞隙空気圧 0.05 13000 13500 14000 14500 t(min)

(c)温

度 の影響 図

5 s29試

験 の結果 ,aを増加 させ た ところ,排水経路 内に存在 した気泡 は無 くな った。この操作 によって二重管 ビュ レッ ト 内の水 面が急 に下が り,△

7wが

急 に減 少 した(図 4). (4) s29詩武E衆 これ まで に示 したよ うに

,s69お

よびs59試験 に お いて排水経路 に聞隙空気 が侵入 したので,サクシ ョンをさ らに低下 させ てs=29kPaで試験 した。また この試験 で は二重管 ビュ レッ ト内水 面 の変 動対 す る温度 の影響 も調べ た。即 ち

,室

温が上昇す ると水 25 20

15e

W母 lo側 lL O.0

F∞

n車

¥W uw=20 s=29 F=158‐ 40 1kPa) 0.144 一 △VW ド18730 ―◆一 △V u√79(147 fort≧ 21700) uw〓W ▼20(38 fort≧ 21700近`ヤヤ ‐ ‐……―・・――´t=1800 s=59 F314-→ 39 1kPa) -0トー△Vw ―◆― △V ―O―室 温

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第32巻 が膨張 して二重管 ビュ レッ ト内の水 面が 上昇 し,室 温 が減 少す る と反対 に水 面 が下 降す る可 能性 が あ る。 したがって

,室

温 も測定 し記録 した。 図 5(a),(b)に s29試験 の結果 を示す

.図

(a)は pを 158から 40 kPaに,図 (b)はつを40から21 kPa にそれぞれ除荷 した時 の△

/w及

び△ア と ととの関係 で ある。 また

,図

5(c)に室温 を測 定 した期 間 の一 部 を拡大 して示す 。 まず

,図

5(c)より

,室

温の変化 と△

7wの

変化 に は相関関係は見 られないので,室 温の変化 は△7wの 挙動には影響 していないと仮定 した。 図5(a)及び(b)より

,体

積 は常 に膨張 し続 けてい るが,△

/wは

最初減少 して

,(a)で

はr=2700 min, (b)では チ=1560 min以 降増加に転 じていることがわ かる。ただし排水経路内に気泡は出なかった。

(5)考

察 以上のように体積が膨張 しつつ,△

/wが

減少か ら 増加 に移 る現象 を説明す るために以下 の仮説を立 てた [3].こ の仮説は間隙空気の漏出が無いという 前提で立てたものであるこ ① 荷重 を除荷す る ことによって今 まで保 たれて いた粒子間力のバ ランスが崩れ,土 の変形が始 まり, 体積を膨張させよ うとする。そ して

,摩

擦抵抗の小 さい空気が吸気され

,供

試体の間隙が増加する. ② 吸気 によ り飽和度が下がる

.し

たがって

,上

の 水分保持特性よ り内部間隙水圧,w'が減少 し内部サ クションs'が増加す る。 ③ 供試体 に作用 させている外部間隙水圧

"wは

一 定なので,セ ラミックディスクの上下面で圧力の勾 配が生 じ

,吸

水が起 こる. ④ ,w'が,wに釣 り合 うことによって吸水が終わる。 ⑤ ところが

,間

隙が増加 して

,土

構造 は疎な状態 に変わっているので,外 部サクションが一定であっ て も排水する。 しか し,除荷 した時の体積の膨張量は少ないので, ⑤で述べたよ うな,土 構造が疎な状態 に変わ つてい ることの影響が本 当に現れているのか どうか確か ではない。 また

,s29試

験では

,排

水経路内において気泡が 見つか らなかったが,日では見えない部分である試 験装置底盤内において空気侵入が起 こっているか もしれないので検討する必要がある。 さらに,載荷段階では 1日 間隔で載荷 していたの で,除荷 に先行する載荷時において,△

/wの

増加(〕F 水

)は

完全には落ち着いていなかった。従 って

,そ

の時に残った△

/wの

潜在的変化量が除荷時 におい 10000 20000 30000 40000 tlmh)

(a)全

試験時間 70 60 50 40些 30挙 20 10 0 9000 10000

(b)拡

大図 図

6

空気侵入試験

6=開

kPうの結果 て排水量 となって現れた可能性がある。このことも 検討す る必要がある。 次節で述べ る空気侵入試験 の結果 を用 いて これ らの疑聞点を解明する。

4.2

空気侵入試験

(1)サ

クション s=59 kPa 図6(a)と(b)に空気侵入試験 6=59 kPa)におけ る△

/w,,w及

び ♂とととの関係を示す.図 6(b)は, (a)の r=5000∼10000 minの 部分を拡大 した もので ある。 図 6(a)で

,最

,極

めて短時間で△

/wが

増加 し て いるのはセ ラミックディスク上 に残 した過剰な 水が排水 したためである。

,wは ,空

気圧供給源で あるコンプ レッサーの不調 のため変動 しているが, その変動によ らず

,sは

ほぼ一定に保たれている。 r=4680 minまでは△

7wは

ほぼ一定だが

,そ

の後減少 している。減少 したのは

"wが

上昇 した ことによっ て二重管 ビュ レッ ト内の水面が低下 した ことによ る。また

,図

6(b)より

,,wが

一定 になると△

/wは

一定になっているのがわかる。 しか し

,図

6(a)よ 100 全 E ︶ 芸 > ﹃ ︵ω 住 ︼ ︶ ∽ 、 ュ D 0     0     0 0 会 E ︶ ュ > ﹃ 6000 ﹂ 0 0 0 80 n , 備

(6)

全 E ︶ ュ > ﹃ ︵ “ 住 主 ︶ ∽ .ュ 3 5 0 5 0 5 金 E ︶ ュ > く 0 0.5 1 ■5 2 2.5 3 3.5

=f∞

割鸞

-1 -0.5 0 0.5 10 5 0 1 ■5 2 2.5 o 10000 20000 30000 t(min) 40000 図

7

空気侵入試験6=29 kPう の結果 り,サ=10000 minあ た りか ら△

7wが

増加 しているの がわかる。この時 にも,wの変動はあるが

,"wが

上 昇 しているにも拘 らず△

/wが

増加 している。そ して, チ=30300 minの 時に

,試

験装置底盤の排水用 コック につながっている管の根元の部分 (図 1(a)の

Oで

囲つた部分)に 1` 2 cmの長さで気泡が確認された。

(2)サ

クション d=29 kPa 図

7に

空気侵入試験 (s=29 kPa)に おける△7w, ,w及び ∫とすとの関係 を示す。 図 7よ り,こ こで も最初、極めて短時間で△

7wが

増加 しているが,これはセ ラミックデイスク上に残 した過剰な水が排水 したためである。また,チ=8000 minく らいまで△

/wは

減少 しているが

,そ

れは ,w が上昇 した ことによって二重管 ビュレッ ト内の水 面が低下 したためである。そ して

,,wが

一定 にな ると△7wは一定にな り,サ=12000minあ た りか ら△

7w

が増加 しているのがわかる。 しか し

,図

6の s=59 kPaの 結果に比べると△7wの時間的変化はかな り小 さく,サ=30000 min経 つても空気侵入は観察されな かった。 以上より,s=59kPaの場合の結果 も考慮 して

,土

供試体のすべての試験 において除荷過程の荷重段 階で見かけ上吸水か ら排水 に転 じた現象は,供 試体 問隙空気がセ ラミックデ イスク内へ侵入 またはセ ラミックディスクを経て排水経路内に侵出 した こ とによって,二 重管 ビュレッ ト内の水面が上昇 した ためであると推測できる。この点 に関 して 4.3に お いてさらに検討する。 また,間 隙空気がセラミックディスクに侵入 し始 める時間とセラミックデイスクを通つて排水経路 内へ侵出し始める時間は,いずれ も

,サ

クションが 高いほど短 く,サ クションが低いほど長いこともわ かる。 14700 44700 -0.3 -0,2 -0.1 じ

0

0・ 1 0.2 0.3 04 11580 21580 31580 41580 51580 t lmin) (b) s=29 kPa 見 か けの排水量△7wの補正

4.3

除荷時の排水挙動の原因

(1)見

かけの排水量△

7wの

補正 図 8(a),(b)に s59お よび s29試験の結果 と空気 侵入試験の結果を比較 した。図(a)は s59試験 にお いて

pを

314か ら 39 kPaに 除荷 した時 と空気侵入 試験 (s=59 kPa)の 結果 を,(b)は s29試験 におい て

pを

158か ら 40 kPaに

,ま

た 40か ら 21 kPaに 除荷 した時 と空気侵入試験 G=29 kPa)の 結果であ る。 図において,′ はサクションを作用 させてか らの 経過時間である。図 8(a)の s59試験の結果では, 間隙空気圧,a及び外部門隙水圧 "wを上昇させてか らの部分 (図 4の サ≧18780minの 部分

)は

省 いた。 また

,比

較 をするために

,空

気侵入試験 G=59 kPa)

の ′=14700 min,同 (s=29 kPa)の と

=H580 minで

の△/wを 0に 補正 して示 している。 図8(a)よ り,s59試験 と空気侵入試験 を比較す る と,s59試 験の△

7wの

時間的変化が小さい。真の△

7w

の時間的変化は

,s59試

験か ら空気侵入試験 の△

7w

の値を差 し引いたものであると考え られる.そ の結 24700 34700 t tth) (a) s=59 kPa 図 8 ― s59試 難 39) ― 空気侵入試験 一 s59試 験●〓39補 正後 s29試 験併40) s29試 験併21) ― 空気侵入試験 一 s29試 難 40補 正 uF49 uw 20 s=29 CkPa)

(7)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 32巻 果を図8(a)に 「s59試 験

(p=39補

正後)」 として示 した。補正した結果 をみると

,s59試

験 において, p=39 kPaに 除荷 した時には

,常

に吸水 し続けてい ることがわかる。 また

,図

8(b)よ り

,s29試

験の p=40 kPa段 階及 び p=21 kPa段 階と空気侵入試験 とを比較すると, p=40 kPa段 階において△

7vの

時間的変化は空気侵 入試験 よりも小さい。また

,p=21 kPa段

階 と空気 侵入試験の△7wの時間的変化 はほば同じである。真 の p=40 kPa及び

p=21 kPaに

除荷 した時の△

7w

の時間的変化は

,そ

れぞれか ら空気侵入試験の△

/w

の値を差 し引いたものであると考え られる.そ の結 果を図8(b)に「s29試 験

(p=40補

正後)と して示 し た。補正 した結果よ り

,s29試

験 において も

,p=40

kPaに 除荷した時には

,常

に吸水であることがわか る。なお,空気侵入試験 の測定時間が足 りなかった ので, p=21 kPaに おいては補正 していない。 載荷過程では各荷重段階で1日間 (=1440分

)し

か載荷 していないので,△

7wの

変化 は終了していな かった。除荷過程に入 る直前の載荷荷重での排水が 除荷過程 に入 ってか ら引き続 いて生 じる可能性が ある。この点について検討する. s29試験において

,も

,載

荷過程のり '水 が除荷 過程 に入 ってか らも継続 して生 じていると仮定す ると

,p=40 kPaで

約 18000分

,次

のp=21kPaで約 18000分 載荷 しているので,△

7wの

時間的変化 は

p

=21kPaにおいて小さくなると考え られる。しか し, 図 8(b)よ り明 らかなよ うに,Δ

7wの

時間的変化 は 寧ろ大きくなっている.よって

,載

荷過程で残った 潜在的排水は除荷過程 に入 ると起 こっていないと 推測できる。

(2)試

験装置底盤の間隙への空気侵入量 間隙空気がセ ラミックデ ィス クに侵入 した とし ても,そ の体積が試験装置底盤の間隙体積よ り小さ い限 り,排水経路内に気泡 となって現れない。換言 すれば,侵 入 した空気が試験装置底盤の間隙内にと どまっている限 り気泡は観察 されない。即ち, 見かけの排水量△/w≦ 試験装置底盤間隙体積/v の条件を満た していれば,気泡が見えな くても空気 侵入が起 こっている可能性が ある。また,△

/wが

/vよ り大きくて

,か

つ排水経路内で気泡が確認さ れていない時は,△

/wは

供試体か らの排水 によるも のを含むといえる. セラミックディスクは直径 50 mm,厚さ1.5 mm, 乾燥質量

6.243gの

もので

,真

の密度

ps=2,70

g/cn3と すると問隙率は 0,215,間隙体積 は 0.633 cm3となる。また,ボー ラスス トー ンは,直径 10 mm, 厚 さ 8 mmの ものを使 っているが同じ大 きさのもの が無か ったために同 じ材質のもので代用 した とこ ろ

,間

隙率は0.345,問隙体積は0。 217 cm3となっ た。以上よ り試験装置底盤の間隙体積 は7v=0。 850 cm3となる。 次 に s29試 験 において p=40 kPaお よび p=21 kPa に除荷 した時の見かけの総排水量はそれぞれ0。 144 C皿3ぉ ょびo。377 cm3(図

5(a),(b))な

ので全体で 0。 521 cm3が 見かけ上排水 した ことになる。0.521 cm8≦7vでぁ り

,確

か に s29試 験では排水経路内で 気泡は確認 されなかったが,セラミックディスクヘ の空気侵入は起 こっている可能性がある.

(3)含

水比による検討 試験前 の供試体含水量 と見かけのりF水量か ら求 めた含水比を

vl,実

験終了後 の供試体含水量 と見 かけの排水量か ら求めた含水比を り2とする と

,両

者の差 り

1-v2が

正の時は

,試

験中に供試体上面 を 通って排出 した水分(蒸発及び排水 による)を表す. 一方負の時は,供 試体の間隙水でない水が排水 した ことを意味する[4].以下の含水比の算定 にあた り, 供試体 の炉乾燥質量 は試験後 に実測 した もの を用 いた。 s29試 験 におけるり1-り2の値は

-1.00%と

な った。 Yリ ング装着型載荷棒 を用いているので供試体か らの水分の蒸発を軽減することができていて,上 面 排水 も起 こらなかったので本来な らば含水比 ψl― ″2の差 はほとん どないはずである。負の値 とな って いるのは,装 置底盤内間隙への空気侵入が起 こって いるか,供試体の間隙水でない水が,F水した ことが 原因であると考 え られる.供 試体の間隙水でない水 として考え られるのは,供 試体設置の際に供試体 と セ ラミックデ ィスクの間隙水 を連続 させ るために セ ラミ ックディスクに若子の水を残 していた もの であるが

,そ

の分を考慮 しても

-1.00%は

大 きい. (セラミックディスクに残 した水の量はおよそ0.5 cm3で ぁった) s29試 験で用いた試料の炉乾燥質量 加sは55,75g で,先 に述べたように除荷時の見かけの総排水量が 0,521 cm3な ので

,含

水比になおす と (水の密度 を lg/cm3とする

)0.93%と

な り

,含

水比 ″

1-v2=

1.00%と 絶対値においてほぼ同じ値になっている. もし

,1.00%よ

り大 き くなっていた ら実際に排水 し ていると考え られる。また

,残

りの

0,07%は

,供

試体設置 の際 に滴 らしたセ ラミックデ ィス ク上 の 水であるか,載荷段階で侵入 した空気の分であると

(8)

考え られる。 空気侵入試験 によ ると,s=29 kPaではサ クシ ョン を与 えてか ら12000 minく らいまで は空気 侵 入 は起 こ らな い とい う ことがわか つた (図 7)。 載 荷 段 階 で要 した時間は 12000 min未 満で あつた ので

,載

荷 段 階で の空気 侵 入 量 は無視 で き る程度 で あ る と予 想できる。 5。 結論 所 定 のサ クシ ョンを作 用 させ て不 飽 和 状 態 に し た粘 性土試料 に対 して載荷 お よび除荷 す る よ うな 試験 を行 った。そ の結果

,除

荷過程で は

,体

積 は増 加 しつづ けるが,排水 量測定用 ビュ レッ ト内の水面 がまず低下 しその後上昇する現象が見 られた。ビュ レッ ト内水面の上昇が本 当に供試体か らの排水 を 意味 しているのか を調べ るために上の供試体 を置 かないでサクションを与える試験 (空気侵入試験) を行った。 空気侵入試験の結果か ら,与 えているサ クション が AEVを 超えていな くても,ビ ュレッ ト内水面が上 昇することがわか った.これは時間が経つ と徐々に セ ラミックディスクの間隙に存在するメニスカス が下がっていき空気が侵入 していくためであるこ とを定量的に示 した。 空気侵入は時間を要する現象である。空気侵入試 験で作用させたサ クションでは約 10000分経過 し てか ら空気侵入が起 こった.荷 重を一 日程度の間隔 で変 えるような試験ではほとんど影響が見 られな いが,長時間載荷するような試験では結果 を評価す る上で この影響は無視できない。 以上のことよ り,除荷段階において排水量測定用 ビュレッ ト内の水面が上昇する現象は,供 試体か ら の排水 だけに起 因す るのでな く,セラミックデ イス クヘの空気侵入 による ものを含 む と結論できる。 本研究では,除荷 時 に ビュ レッ ト内水面が上昇 し 次 いで下降す る現象 に対 して,当初,空気侵入 の影 響 を考 えな いで,供試体 の吸水 と排水 を意味す る と 考 えて

,次

の仮説 を立てた : 荷重 を除荷す る と

,吸

気 によ り飽和度が下が り, 土 の水分保持特性 によ り吸水す る。しか し

,体

積膨 張 によって 間隙 比が大 き くな り上構 造 が疎 な状態 に変わ つて いるので,与えて いるサ クシ ョンが一定 であって も排水す る可能性 が ある. この仮 説 は全 面 的 に支 持 され る ものではな い こ とが明 らか にな ったが,今回行 った試験 では間隙比 の増加がかな り少 なか った ので,土構造が疎 な状態 に変 わ って い る こ との影 響 を確 か め る には不十分 であった。よつて

,今

,セ

ラミックディスクヘの 空気侵入の影響が少な く,除 荷による間隙比の変化 が大きくなるような試験 をすることによってさ ら に検討したいと考えている。 参考文献

[1]shinizu, M.and Tabuchi,■ :Effect e strcss behavior of days in unconfined compression tests, Soils and Foundations,Vol.33,No.3,pp.28-39,1993.

[2]清水正喜 。今村乗仁・小川博史 :第 52回 土木学 会中国支部研究発表会発表概要集,pp.361‐ 362, 2000. [3]清水正喜・南部啓太 :第 53回土木学会中国支部 研究発表会発表概要集,pp,267‐268,2C101. [4]清水正喜・時高政志:土木学会第 54回 年次学術 講演会講演概要集 Ⅲ‐A,pp.344-345,1999. (受理 平成13年 9月 28日)

参照

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