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( 目次 ) 新潟県人口ビジョン 策定の考え方 1 Ⅰ 新潟県の人口の現状と将来人口の推計 1. 人口の現状 2 (1) 総人口 年齢 3 区分別人口の推移 (2) 自然増減の状況 (3) 社会増減の状況 (4) 本県人口への自然増減と社会増減の影響 2. 将来推計人口の分析 10 (1) 将来人口

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平成27年9月

新 潟 県

新潟県人口ビジョン(素案)

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(目 次)

「新潟県人口ビジョン」策定の考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 Ⅰ 新潟県の人口の現状と将来人口の推計 1.人口の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (1)総人口、年齢3区分別人口の推移 (2)自然増減の状況 (3)社会増減の状況 (4)本県人口への自然増減と社会増減の影響 2.将来推計人口の分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (1)将来人口の予想 (2)人口減少による地域社会への影響 Ⅱ 人口の将来展望 1.目指すべき将来の方向と参考となる県民の希望等 ・・・・・・・・・ 13 (1)県民の結婚・出産・子育てに関する意識や希望 (2)県民の定住に関する意向 (3)U・Iターン者の意識 (4)首都圏在住者の移住に関する意識 2.目指すべき将来の方向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 3.人口の将来展望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

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1 「新潟県人口ビジョン」策定の考え方 新潟県の総人口は、国よりも早く、平成9年の 249 万人をピークに減少してきており、 平成27 年 4 月の推計人口は戦後初めて 230 万人を割り、このまま人口の減少が続くと、 社会の活力が奪われ、地域の社会機能が失われていくことが懸念されている。 こうした中、本県では、人口減少対策を主眼においた「新潟県「夢おこし」政策プラン」 を最上位の行政計画として掲げ取組を進めており、また平成25 年 3 月からは「新潟県人 口問題対策会議」を設置し、会議での議論を踏まえ順次施策に反映し取り組んでいるとこ ろである。 国においては平成26 年 11 月に「まち・ひと・しごと創生法」を施行し、同年 12 月に は、人口の現状や今後の目指すべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生長期 ビジョン」及び今後5か年の目標や施策の基本的方向をまとめた「まち・ひと・しごと創 生総合戦略」をそれぞれ閣議決定し、人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな 課題に対し政府一体となって取り組むこととしている。 この人口ビジョンは、本県の人口の現状を明らかするとともに、人口の将来展望を示す ことにより、県民の間に広く人口問題について共通認識が醸成され、その解決に向けての 施策の方向性が共有されることを目的として策定したものである。 「取組によって未来は変えられる」ことを県民の皆様と共有し、ともに人口減少克服に 向けて取り組んでいくこととしたい。

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Ⅰ 新潟県の人口の現状と将来人口の推計

1.人口の現状

(1)総人口、年齢3区分別人口の推移 本県の総人口は、戦後、増加が続き、1955(昭和 30)年には 247.3 万人となった が、高度経済成長期(1955 年~1973 年)に入り、出生数が減少する一方で、都市圏 への流出が拡大したことから減少が続き、1970(昭和 45)年には 236.1 万人まで減 少した。高度経済成長期が終わると人口流出が縮小し、自然増がこれを上回る状況 となり、再び増加が続き、1997(平成9)年にはピークの 249.2 万人となった。そ の後は、少子化等の影響で減少が続き、2014(平成 26)年には 231.4 万人となって いる(図表1)。 年少人口(0〜14 歳)は、戦後の第1次ベビーブーム頃をピークに減少が続き、 1994(平成6)年に老年人口を下回り、2014(平成 26)年には 28.2 万人(総人口 に占める割合 12.2%)となっている。 生産年齢人口(15〜64 歳)は、1989(平成元)年にピーク(164.1 万人)を迎える が、2006(平成 18)年には 150 万人を下回り、2014(平成 26)年には 135.2 万人(総 人口に占める割合 58.7%)となっている。 老年人口(65 歳以上)は、平均寿命の延伸等もあり、2007(平成 19)年には 60 万人を超え、2014(平成 26)年には 67.0 万人(総人口に占める割合 29.1%)となっ ている(図表1)。 図表1 新潟県の総人口、年齢3区分人口の推移

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3 (2)自然増減の状況 ア 自然増減の推移 本県の自然増減は、1998(平成 10)年までは出生数が死亡数を上回る「自然増」 となっていたが、1999(平成 11)年に死亡数が出生数を上回る「自然減」に転じ、 2014(平成 26)年には 11,836 人の自然減となっている。 なお、減少幅は年々拡大傾向にある(図表2)。 図表2 新潟県の自然増減の推移 イ 合計特殊出生率と出生数の推移 本県の合計特殊出生率(※)は、1970 年代中頃までは 2.0 を超えていたが、年々 低下を続け、2005(平成 17)年には 1.34 まで低下したものの、その後、僅かなが ら改善し、2014(平成 26)年は 1.43 となっている。 出生数は、合計特殊出生率の改善傾向にもかかわらず、15 歳~49 歳の女性人口の 減少もあって、近年も減少を続け、2014(平成 26)年は、合計特殊出生率が一番低 かった 2005(平成 17)年の 18,505 人を下回る 16,480 人となっている(図表3)。 図表3 合計特殊出生率と新潟県の出生数の推移 ※ 合計特殊出生率:「15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、1人 の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子ども数に相当する。

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4 ウ 出生数の減少の要因 出生数の減少の要因として、未婚化や晩婚化・晩産化が挙げられる。 加えて、特に若年層の女性の転出超過が本県の出生数の減少に拍車をかける要因 となっている。(「(3)社会増減の状況」参照) ①平均初婚年齢の推移 本県における平均初婚年齢は、全国平均をやや下回るものの、全国と同様に、戦 後ほぼ一貫して上昇を続け、2014(平成 26)年は、夫 30.8 歳、妻 29.2 歳で、1995 (平成 7)年と比べ、夫 2.3 歳、妻 3.0 歳上昇している(図表4)。 図表4 平均初婚年齢の推移(新潟県及び全国) ②出生の母年齢5歳階級別の割合 本県における母親の出産年齢(5歳階級別)をみると、女性の平均初婚年齢の上 昇に伴い、20 代の割合が低下する反面、30 代後半から 40 代前半の割合が高くなっ ており、晩産化が進んでいる(図表5)。 図表5 新潟県における出生の母年齢5歳階級別の割合

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5 ③生涯未婚率の推移 本県における生涯未婚率(※)は、男性、女性ともに、1960 年までは1%台であ ったものが、2010(平成 22)年には、男性は 21.11%、女性は 8.45%と、1990(平 成2)年以降急激に上昇している(図表6)。 図表6 新潟県の生涯未婚率の推移 ※ 生涯未婚率:45~49 歳と 50~54 歳の未婚率の平均値から 50 歳時の未婚率を算出したもの

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6 (3)社会増減の状況 ア 社会増減の推移 本県の社会増減は、バブル経済崩壊後の 1993(平成5)年から 1996(平成8)年 を除き一貫して転出超過の状態となっている。高度経済成長期(1955~1973 年)に は、最大7万人を超える転出があり、3万人を超える大幅な転出超過となっていた が、近年は、東日本大震災のあった 2011(平成 23)年を除き、4~5千人台の転出 超過となっている(図表7)。 図表7 新潟県の社会増減の推移 イ 転出超過の要因 本県の転出超過の要因として、「職業」や「学業」を理由とした若者の東京圏等へ の転出が挙げられる。 ①年齢別・理由別の人口移動の状況 転出超過の多い年齢階級は、「20~24 歳」、次いで「15~19 歳」と、若年層が際だ って多く、男女別の転出超過数では、女性が男性を上回っている。 また、転入超過の多い年齢層は、「55~64 歳」となっており、定年後、本県に帰 る方や移住する方が一定程度いることが背景にあると考えられる(図表8)。 理由別では、「職業」、次いで「学業」の転出超過が多くなっており、年齢別の状 況と合わせてみると、大学等への進学や大学等卒業後の就職を機に、県外に転出す るケースが多いと考えられる(図表9)。

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図表8 新潟県の男女別・年齢階級別の人口移動の状況

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8 ②地域ブロック別の人口移動の状況 直近5か年の状況をみると、転出超過となっている地域ブロックは、「東京圏」が 一番多く、次いで「中部」、「近畿」となっている。 地域ブロック別で唯一、直近5か年すべて転入超過となっている「東北」も、2014 (平成 26)年にはわずか4人の転入超過と均衡状態となっている(図表 10)。 図表 10 新潟県の地域ブロック別の人口移動の状況 ③雇用情勢と社会増減の状況 本県の社会増減を雇用情勢に着目してみると、本県の社会増減は、本県と東京都 の有効求人倍率の格差と相関関係が見られる(図表 11)。 図表 11 転入出超過数と有効求人倍率格差の推移

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9 (4)本県人口への自然増減と社会増減の影響 本県では、バブル経済崩壊後の 1993(平成5)年から 1996(平成8)年に「自然 増」、「社会増」となった以外は、1950 年代から 1990 年代後半まで、一貫して「自 然増」、「社会減」となっていたが、2000 年頃からは「自然減」、「社会減」の状態と なっており、急激な人口減少局面に入ってきている。 人口の増減でみると、1950 年後半から 1970 年前半の高度経済成長期には、大幅 な社会減に伴い人口が減少していたが、高度経済成長期が終わると、社会減の減少 に伴い 1990 年代後半まで、概ね人口増加が続いた。2000 年頃からは、「自然増」か ら「自然減」に転じ、社会減と合わせ、人口減少が続いている(図表 12)。 図表 12 新潟県人口に与えてきた自然増減と社会増減の影響

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2.将来推計人口の分析

(1)将来人口の予想 ア 将来人口の推計 国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)によると、本県の人 口は、今後も減少を続け、2040(平成 52)年には約 179 万人と推計される。 また、社人研の推計を基に試算すると、2060(平成 72)年には約 134 万人にまで 減少すると見込まれる(図表 13)。 イ 年齢3区分別人口の推計 年齢3区分別の人口比率は、年少人口(0~14 歳)と生産年齢人口(15~64 歳) の比率がそれぞれ低下する一方、老年人口(65 歳以上)の比率が上昇を続け、2060 (平成 72)年には、年少人口が 8.8%(11.9 万人)、生産年齢人口が 49.6%(66.8 万人)、老年人口が 41.5%(55.8 万人)と見込まれる(図表 13)。 図表 13 新潟県の将来人口・年齢3区分別人口の推計 ウ 県内市町村の将来の人口増減 社人研の推計によると、2040(平成 52)年の県内市町村の人口は、2010(平成 22) 年に比べ、すべての市町村で人口減少が見込まれる。 減少率別では、10%以上 20 未満が3市町村、20%以上 30%未満が 11 市村、30% 以上 40%未満が 11 市町、40%以上が5市町村で、離島や中山間地域の市町村の減 少率が高くなっている(図表 14)。

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11 図表 14 県内市町村の 2040 年の人口減少率(2010 年比較) (2)人口減少による地域社会への影響 前述のように本県の人口が減少していくことになれば、地域経済・地域社会への 深刻な影響が懸念される。 ア 地域経済への影響 人口減少に伴う個人消費、地域内消費の縮小や、労働力人口の減少などにより、 地域経済の縮小が懸念される。 [新潟県家計消費の見通し試算]※1 2012(平成 24)年 4 兆 9,948 億円 → 2040(平成 52)年 3 兆 8,328 億円 (2012 年比 ▲23.3%) [新潟県労働力人口(15~64 歳)の見通し試算]※2 2010(平成 22)年 110 万人 → 2040(平成 52)年 70 万人 (2010 年比 ▲35.9%) 2040年市町村別推計人口減少率(対2010年比) 国立社会保障・人口問題研究所 H25.3推計 白: 10 % 未満 薄い水色: 20 % 未満 アクア: 30 % 未満 水色: 40 % 未満 紺: 40 % 以上 粟島浦 佐渡 村上 関川 胎内 新発田 聖籠 新潟 阿賀野 糸魚川 上越 妙高 柏崎 津南 湯沢 南魚沼市 十日町 小千谷 魚沼市 長 岡 長岡 阿賀 加茂 三条 見附 出雲 崎 五泉 弥彦 燕 田上 刈羽

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12 イ 地域生活への影響 利用者の減少により、小売店や飲食店、医療機関などが撤退し、日常生活が不 便になることが懸念される。 また、地域活動の担い手の減少により、自治会や消防団などの地域の主体的な 活動に支障を来すことや、地域の伝統行事や祭りなどの衰退が懸念される。 [県内小売業事業所数の見通し試算]※3 2012(平成 24)年 23.6 千所 → 2040(平成 52)年 18 千所 (2012 年比 ▲23.7%) ウ 公共交通機関への影響 利用者の減少により、鉄道やバスなどの公共交通機関の減便や路線廃止などが 懸念される。 [県内バス輸送人員の見通し試算]※4 2010(平成 22)年 41.5 百万人 → 2040(平成 52)年 31.3 百万人 (2010 年比 ▲24.6%) エ 地域医療・介護等への影響 総人口に占める高齢者の割合の増加に伴い、医療や介護サービスを支える人材 の確保が困難になることや、社会保障費の増加に対する現役世代の負担の増大な どが懸念される。 ※1 総務省「国勢調査」、新潟県「県民経済計算」、社人研「将来推計人口」から 試算 ※2 総務省「国勢調査」、社人研「将来推計人口」から試算 ※3 総務省「国勢調査」、「経済センサス」、経済産業省「商業統計」、社人研「将 来推計人口」から試算 ※4 国土交通省「自動車輸送統計年報」、社人研「将来推計人口」から試算

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Ⅱ 人口の将来展望

1.目指すべき将来の方向の参考となる県民の希望等

(1)県民の結婚・出産・子育てに関する意識や希望 県の「子ども・子育て支援に関する県民ニーズ調査」(平成 26 年3月)では、結 婚について、「特に何も考えていない」、「無回答」を除くと、未婚者または現在独身 の方の約9割が「結婚したい」、「どちらかといえば結婚したい」としている。 また、理想とする子どもの数の平均が約 2.4 人、今後の予定も含めた実際の子ど もの人数の平均が約 1.8 人となっており、近年の合計特殊出生率に比べ高くなって いる。(図表 15) さらに、実際の子どもの人数が理想とする子どもの人数より少ない理由(複数回 答)として、「大学教育に対する教育費にお金がかかる」(36.2%)をはじめ保育園 等の保育料、高校教育、義務教育などにお金がかかる、「子どもの数に応じた手当等 による経済的援助が不十分だから」(22.6%)などの経済的な理由や、「仕事と子育 ての両立が難しいから(仕事が忙しく、子育ての時間がとれないから)」(23.6%) といった時間的な理由に加え、「年齢的に妊娠・出産が難しいから」(27.6%)、「結 婚が遅かったから」(15.0%)といった晩婚化・晩産化を背景とした理由が上位とな っている。 図表 15 理想とする子どもの数 出典:新潟県「子ども・子育て支援に関する県民ニーズ調査(平成 26 年 3 月)」 (2)県民の定住に関する意向 県の「新潟県「夢おこし」政策プラン推進のための県民意識調査」(平成 26 年 12 月)では、「他の地域に移りたい」又は「どちらかと言えば他の地域に移りたい」と 回答した者は 14%で、移りたいと思う地域として、「県外」が 34.7%となっており、 回答者の約5%が県外に移りたいとしている。 また、他の地域に移りたいと思う理由としては、「買い物や文化・娯楽を楽しめる 地域で暮らしたい」52.1%、「災害や雪の少ない地域で暮らしたい」43.8%、「希望 する仕事や職場のある地域で暮らしたい」29.9%、「病院や福祉サービスなどが充実 した地域で暮らしたい」29.9%が上位となっている。

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14 (3)U・Iターン者の意識 県の「UIターン者に対するニーズ調査」(平成 26 年3月)では、本県出身者が 県外に転出した理由として、「大学(院)への進学」が一番多く、「親元から離れた かった」、「都会へのあこがれ」、「人生経験を積みたかった」が上位の回答となって いる。 また、本県のプラスイメージとしては、「自然が多い」、「人とのつながりが深い」、 「首都圏からの距離が近い」などが上位となっている一方、本県のマイナスイメー ジとしては、「降雪量が多く生活しにくい」、「公共交通機関が不便」、「働く場所が少 ない」が上位となっている。 (4)首都圏在住者の移住に関する意識 国の「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」(平成 26 年9月)では、「今後 移住予定」又は「移住を検討したい」と回答した者は 40.7%で、関東圏以外の出身 者では 49.7%となっている。性別・年齢層別では、男女とも 10~20 代(46.7%)、 男性 50 代(50.8%)が高くなっている。

2.目指すべき将来の方向

将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現 本県人口の現状分析や将来見通し、各種意識調査における県民の希望等を踏まえ ると、「将来に希望の持てる魅力ある新潟県」を実現し、将来にわたって持続可能な 地域社会を築いていくためには、次の4つの基本方針のもと、あらゆる施策を動員 し、県民一体となって取組を進めていかなければならない。 ➢ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる 本県の人口減少の大きな要因の1つに出生数の減少がある。このため、若い世代 の結婚・出産・子育ての希望をかなえ、結婚を希望する若者が結婚でき、希望とす る子どもの数を持つことができる新潟県をつくっていく必要がある。 ➢ 若い世代の学ぶ・働く希望をかなえる 本県の人口減少の要因の1つに、多くの若い世代が就職や進学を機に県外に転出 し、転出超過の実態がある。また、特に、若い世代の女性の転出超過は、本県の出 生数の減少に拍車をかけている。このため、魅力ある教育環境や雇用の場の確保な ど、希望する若い世代が本県で学び、働くことのできる新潟県をつくっていく必要 がある。

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15 ➢ 安全で安心して暮らせる選ばれる新潟県をつくる 本県の人口減少の要因の1つに、転出超過の実態がある。このため、県民が安心 して住み続けられる新潟県、また、県外の移住希望者から移住先として選ばれる新 潟県をつくっていく必要がある。 ➢ 拠点性を高め地域全体を活性化する 人口減少は、地域経済への悪影響が懸念される。このため、人・もの・情報の交 流を拡大し、本県の拠点性を高め、地域全体を活性化していく必要がある。

3.人口の将来展望

人口減少に歯止めをかけ、人口を安定させていく 社会がこのままで推移した場合、社人研の推計では、2040(平成 52)年の本県の 人口は、179 万人程度で、1920(大正9)年当時の人口規模にまで減少する。 また、社人研の推計方法に準じて推計すると、2060 年(平成 72)年には 134 万人、 2100(平成 112)年には 67 万人と、人口は安定せず減少を続けることとなり、様々 な社会システムが崩壊し、地域社会の機能が失われていく将来となる。 もちろん、このような展望を受け入れることはありえない。 われわれは、「目指すべき将来の方向」の4つの基本方針により取組を進め、結婚 を希望する方が結婚できる新潟県、希望する子どもの数を持つことができる新潟県、 安心して住み続けられる新潟県の実現により、人口減少に歯止めがかかり、長期的 に人口が安定していく将来を展望していかなければならない。 県民の英知を結集し、県民・企業・団体・行政が一体となって「目指すべき将来 の方向」と「目指すべき人口の将来展望」の実現に向かって取組を進めることによ り、無機質な推計が示す未来を変え、持続可能な地域社会を創っていくことは可能 である。 「目指すべき将来」を3つのパターンで仮定した場合の人口展望の試算は次のと おりとなる。(図表 16)

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16 《 仮定1 》(パターン1) ○ 2018(平成 30)年に県民が理想とする子どもの数(2.4 人)を持てる社会 を実現 ※社会増減は、社人研の推計並 ➢ 2060(平成 72)年に 180 万人程度を確保 ➢ 2090(平成 102)年頃には人口減少に歯止めがかかり約 170 万人で安定 《 仮定2 》(パターン2) ○ 2018(平成 30)年に県民が理想とする子どもの数(2.4 人)を持てる社会 を実現 ○ 2018(平成 30)年に転入数と転出数を均衡 ➢ 2060(平成 72)年に 194 万人程度を確保 ➢ 2070(平成 82)年頃に人口増加に転じ、2100(平成 112)年には 200 万人 以上を確保 《 仮定3 》(パターン3) ○ 2018(平成 30)年に年間3万人の出生数の社会を実現 ※社会増減は、社人研の推計並 ➢ 2060(平成 72)年に 214 万人程度を確保 ➢ 2070(平成 82)年頃に人口増加に転じ、2100(平成 112)年には 230 万人以 上を確保 ※ 年齢3区分別人口の老年人口割合について 2040(平成 52)年 2060(平成 72)年 社人研推計等(図表 13) 38.7% 41.5% パターン1(図表 17) 34.4% 31.0% パターン2(図表 18) 33.4% 28.7% パターン3(図表 19) 31.7% 26.0% 老年人口割合は、パターン1~3であっても、2060(平成 72)年には大幅に低下す る(図表 17~19)。

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図表 16 新潟県の人口の推移と見通し

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図表 18 パターン2の年齢3区分別人口の将来展望

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19 おわりに 人口減少は、様々な背景・要因が複雑に絡み合っていることから、決定打となる有効な 解決策を見いだすことは難しい問題であると同時に「待ったなし」の課題である。 県はできうる限りの取組を推進してきたところであり、今後も行政、企業、関係機関・ 団体が一丸となって、総力をあげて取り組んでいかなければならない。 一方で、結婚や子どもを持つこと、居住地の選択などは個人の人生観や価値観に関わる ことから、取組の推進にあたっては、問題意識を共有した上で社会のコンセンサスを得な がら進めていかなければならない課題も多い。 また、高等教育機関の配置や課税権、労働法制、年金制度、医療資源の配分など、出生 の増減や人口の移動に大きな影響のある施策は国に決定権があり、国がスピード感を持っ て自ら果たすべき役割を果たしていくことが不可欠である。 人口を取り巻く環境は常に変化している。 今後も研究・分析を行い施策に反映してゆくとともに、例えば東京一極集中の是正に向 け、地方の視点からの提言を行うなど、実効性のある施策が継続的かつ総合的に実施され るよう、積極的に提案・要請していくこととする。

図表 16  新潟県の人口の推移と見通し
図表 18  パターン2の年齢3区分別人口の将来展望

参照

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