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土木学会論文集 B( 海洋開発 ), Vol. 68, No., I_1-I_17, 1. た水塊を連結ブロック間で滞留させることによる downflow の低減効果であるとの結論を得ている. 模型では互いのブロックの連結を番線で行っているが, 現地河川の護岸等で使用されている類似の連結ブロックはチ

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Academic year: 2021

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(1)

連結ブロックを用いた遡上波の低減とその水理特性に

関する研究

辻本 剛三

1

・濱森 彩

2

・柿木 哲哉

3

・宇野 宏司

4 1フェロー会員 神戸市立工業高等専門学校教授 都市工学科(〒651-9124神戸市西区学園東町8-3) E-mail: tujimoto@kobe-kosen.ac.jp 2学生会員 神戸市立工業高等専門学校 都市工学科(〒651-9124神戸市西区学園東町8-3) E-mail:r210502@ kobe-kosen.ac.jp 3,4正会員 神戸市立工業高等専門学校准教授 都市工学科(〒651-9124神戸市西区学園東町8-3) E-mail:kakinoki@jkobe-koseb.ac.jp E-mail:uno@jkobe-koseb.ac.jp 浜崖等を含む遡上域の侵食対工法の1つとして,河川の側壁護対策に活用されている自然石を用いた cable tied blocksに類似したコンクリートブロックをワイヤーで連結した構造物による,遡上波の特性を室 内実験と数値モデルで調べた.遡上波は低周波成分が卓越し,連結ブロックの設置に伴いより低周波成分 側となり,また,波のエネルギーの減衰が顕著になる.遡上高さや遡上率は従来のsurf similarity parameter で整理することが可能であるが,勾配と切片がやや異なる.また,連結ブロックの設置条件により遡上率 は砕波形態により変動幅が大きくなるが,遡上高さの連結ブロックの設置条件の影響は顕著でない.数値 モデルでは連結ブロックの形状と流体抵抗を考慮することで遡上波の変化を表現することが可能である.

Key Words : cable tied block, run up,numerical simulation,

1. はじめに 海浜変形に関する研究の多くは波作用の頻度の高い前 浜が多い.しかし,頻度は低いが高波浪時に影響を受け る後浜は,後背地の防災観点や生態系における植生分布 の海側端の境界となるため,その保全等は必要である. 図-1 は防風林が設置された後浜が高波浪時の波で洗掘 し浜崖が形成され,その後応急措置として蒲団籠が設置 されている.このような場合,海岸侵食対策の1つとし ての緩傾斜堤が築造されることがあるが,前浜が狭い砂 浜では設置が困難であり,そのような観点から著者ら 1) は図-2 のようなコンクリートブロックをワイヤー等で 連結した構造物(以後,連結ブロック)による浜崖対策 等の検討を行った.連結ブロックは単体のブロックと比 較して,安定性が極めて高く,移動や転倒が少なく沈下 がほとんど見られない.また,鋼材で連結しているので 任意の地形に柔軟に対応できる.侵食型の波作用下にお いても,連結ブロック間に砂を堆積させる効果が見られ, 浜崖対策として有効である.その要因として,連結ブロ ックが抵抗体として波の遡上を低減させる効果と遡上し 図-1 浜崖部浸食対策の蒲団籠 図-2 実験用の連結ブロックの模型

(2)

た水塊を連結ブロック間で滞留させることによる down-flowの低減効果であるとの結論を得ている. 模型では互いのブロックの連結を番線で行っている が,現地河川の護岸等で使用されている類似の連結ブロ ックはチェーン,ワイヤー,突起付アンカー金具等で自 然石やコンクリートブロックを連結させて,強度を保持 しており,連結部が破損しないように施工されている. また,ブロック相互が、両端に特殊突起アンカー金具を 装着したチェーンアンカー金具をコンクリート打設時に 斜め方向に埋め込むことで、完全に定着一体化した構造 になっている構造物も存在している. 遡上波の低減をより効果的に実施するためには,連結 ブロックの設置位置や連結ブロックの設置個数等の検討 が必要である.本研究では 連結ブロックによる遡上波 の遡上高さや遡上率などの水理学的な特性について実験 的,理論的に検討したものである. 2. 実験 (1) 実験装置 図-3に示すように,2次元造波水槽内に中央粒径0.47 mmの底質を用いて,1/10,1/15勾配の斜面を形成し,そ の斜面に連結ブロックと遡上計を設置した.図-2の連結 ブロックは底面横3.0 cm,縦2.5 cm,高さ2.0 cmの台形コ ンクリートブロックを19個連結して作成した.現地河川 で使用されている類似の連結ブロックの個々の自然石や ブロックは20~30 cm程度であり,模型の縮尺は約1/10程 度を想定している.遡上計は図-3に示すように連結ブロ ックの中心に設置した. 遡上高さに関する実験は固定床で実験が行われること が多いが,図-1に示すように前浜から後浜部の遡上現象 を対象としており,底面への浸透の影響を考慮する必要 があるため移動床としている. 連結ブロックは汀線からの距離,連結ブロック数,設 置間隔を変化させて設置した. 表-1に連結ブロックの 設置条件を示す.図-4はcase 3の設置図である. (2) 実験方法 水深を35 cmの一定値として規則波とブレットシュナ イダー・光易スペクトルを有する不規則波を作用させ, 図-3の波高計で水位を計測した.表-2の不規則波は有義 波高,有義周期である.不規則波は有義波高をなお,規 則波は連結ブロックの基本的な特性の把握と数値モデル の検証を行うために実施した.遡上波は平均水面を基準 にしてゼロアップ法で定義して遡上周期を決定し,遡上 長さは静水面からの遡上波頂の斜距離とした. 3. 実験結果 (1) 遡上波形 図-5に連結ブロック設置無しのcase 0と連結ブロック 設置有りcase 3における規則波(R2)作用時の遡上波の波 形変化を示す.遡上波の変動の周期と入射波の周期はほ ぼ等しく,最遡上点に達した後,ほぼ一定範囲で変動を 繰り返している.連結ブロックを設置すると遡上長さが 低減し,その効果が顕著である.また,連結ブロック間 での水塊の滞留し水位変動が一時的に停止するため,最 図-3 実験装置 表-2 波浪条件 R1 3.93 IR1 0.97 10.06 R2 7.31 IR2 1.00 19.48 R3 14.06 IR3 1.08 25.31 R4 3.00 IR4 1.12 13.14 R5 6.76 IR5 1.17 20.76 R6 12.92 IR6 1.27 28.74 R7 2.17 IR7 1.48 4.83 R8 4.31 IR8 1.54 7.70 R9 9.56 IR9 1.51 10.27 T1/3 周期(s) H1/3 波高(cm) 不規則波 T 周期(s) 1.0 1.2 1.6 規則波 H 波高(cm) 図-4 連結ブロック設置(case3) 表-1 連結ブロックの設置条件 Case ブロック列数 SL(cm) b(cm) 0 0 - -1 3 5 5 2 3 10 5 3 6 5 5 4 6 10 5 5 3 5 10 6 3 10 10

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大値のピークが平坦になっている. 図-6に不規則波(IR1)の結果を示す.入射波は同一でも 連結ブロック上での波形や流動の影響により,常に遡上 波の低減が生じている訳ではないが,ピーク値付近の値 は連結ブロックにより低減されていることが分かる.規 則波においても見られたように連結ブロック間に水が滞 留するためにrundownの長さは短いことが分かる. (2) 遡上波のパワースペクトル 岩田2)は不規則波の斜面上への遡上に関する一連の研 究の中で遡上波のパワー・スペクトルが,入射波のそれ よりも低周波数帯にエネルギーが集中することを示して いる.間瀬3)も遡上波スペクトルが,高周波数領域で周 波数の-4乗になることを示している.ここでも,同様 に図-7に入射波と遡上波のパワー・スペクトルを示した. 連結ブロックの設置条件によって遡上波の水位変動のス ペクトルの形状は異なるが,従来の知見と同様に入射波 のスペクトルよりも著しく低周波側になることが分かる. 連結ブロックを設置することでより低周波数領域にエネ ルギーが集中している.また,流体抵抗や摩擦の影響に より波動エネルギーの減少が著しくなり,このために斜 面上を遡上する水塊の流動が小さくなり,遡上波の変動 が小さくなり,連結ブロックによるエネルギーの減少も 確認できる. (3) 遡上率 久保田ら4)は種々の海岸での遡上波の波の数 R N と遡 上斜面前面で計測した入射波の波の数 R N の比(以後, 遡上率: I R N N / とする)が10~60%程度に減少するこ とを示しており,その主たる要因として遡上面において 前後の波が吸収や追いつきによって合併するためとして いる.高橋ら5)は緩傾斜堤への波の遡上特性の現地調査 を行い,遡上率が25~75%あることを示している. Mase6)は粗度のない不透過の斜面上での遡上波の特性に ついて詳細な実験を行い遡上率 I R N N / と砕波指標の su r f s i m i l a r i t y p a r a m e t e r 0.5 ) / /( tan o o o α H L ξ = との関係を式(1)で与えている.ここで,tanα:斜面勾 配, o H :沖波波高,Lo:沖波波長である.      < ≤ < ≤ = o o o o o L R N N ξ ξ ξ ξ ξ 57 . 3 ; 0 . 1 57 . 3 91 . 0 ; 7 . 0 91 . 0 ; 72 . 0 / 0.28 58 . 0 (1) o ξ が小さいほど(斜面勾配が緩いほど,沖波波形勾配 が大きいほど)遡上率が減少することになる.本研究で も前述の研究に倣って,入射波高の波の数と遡上波の波 の数の比を遡上率とした.

図-8に全ての不規則波のsurf similarity parameter

o ξ と遡 上率の関係を示す.図中の曲線は連結ブロックが設置さ れていないcase0の実験結果に対して,最小二乗法で算 出した曲線とMaseによる式(1)の曲線である.遡上率は10 ~60%程度であり,久保田らや高橋らの現地観測結果と ほぼ同程度になっている. o ξ の値が0.5より大きくな ると,連結ブロックの設置条件によって遡上率の変動が 著しくなることが分かる.Battjesによればξo ≤0.5 (Spil-ling砕波),0.5<ξo ≤3(Plunging砕波)に区分されて, 連結ブロック前面ので砕波形態の違いによる影響である. 曲線の勾配は式Maseが示した式(1)の勾配とほぼ同程 度である.しかしながら,切片は式(1)の約6割程度とな 図-5 規則波作用時の遡上波形 0 10 20 30 0 10 20 30 40 ブロックの位置 水位 変化 (cm )        遡 上 長 さ (cm ) 時間(秒) case0 case3 入射波 図-7 遡上波のパワー・スペクトル 10-1 100 10-4 10-3 10-2 S (f) (c m 2 sec) f (1/sec) case0 case1 case2 case3 case4 case5 case6 入射波 図-6 不規則波作用時の遡上波形 0 100 200 0 10 20 30 40 50 case0 case1 入射波 ブロックの位置 水位変化 (cm )       遡 上 長 さ (cm ) 時間(秒)

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り遡上率は小さくなっている.本実験は移動床で行って おり,底面粗度や透水の影響が存在すると考えられる. case 2はξ =0.6前後から遡上率が数倍と成り,5倍程度にo なっている.連結ブロックの設置条件ではcase 3やcase 4 が o ξ の値が増加しても20~30%程度の遡上率になって いる.図-9に連結ブロックの設置条件としての面密度を 単位長さ辺りの連結ブロック数を汀線からの距離で表示 した.面密度は連結ブロックの設置条件によって,ほぼ 一様,右肩上がり,右肩下がりに分類でき, o ξ が大き くなると面密度が高い方が遡上率が減少する. (4) 遡上高さ 連結ブロックによる遡上高さの算定は,従来より前述 のsurf similarity parameterによる評価がなされ,遡上波の低

減を評価する上で極めて重要である.図-10に図-8と同 様に全ての不規則波の o ξ と遡上高さを沖波波高で無次 元化した値との関係を示す.図中の直線は連結ブロック が設置されていないcase 0に対して最小二乗法により決 定した.また,Maseは不規則波の代表遡上高さを式(2) の実験式で与えており,その曲線も描いている. 7 . 0 3 / 1 /Ho 1.38 o R = ξ (2) 無次元化された遡上高さは o ξ と明確な線形関係が見 られ,式(2)の実験式よりも小さくなっており,図-8と 同様に底面が移動床であることが大きな要因であると考 えられる.なお,実験では遡上域の地形が変化(例えば, バームや汀線近傍でのステップの形成)がないように波 の作用時間を規制しているため,常に一様斜面上で実験 を行った.Kuoら7)は種々の粒径を用いた移動床の斜面 上において,底面地形変化と遡上高さの変化を実験的に 検討し,時間経過と共に遡上高さが増大することを示し, 最大遡上高さをMaseの算定式で評価しているが,本実 験と同様に算定式よりも小さくなっている.Kuoらは底 質粒径の他にバームや前浜勾配の影響を考慮した,粗度 効果を導入してMaseの算定式を変化させた新たな算定 式を提案している. 連結ブロックが設置された場合は遡上高さが低減され ており,その効果が確認できる.図-8の遡上率と比較し て,連結ブロック間の相違はそれほど顕著ではない.そ の要因の1つにsurf similarity parameterが最大で1.2程度であ り,砕波形式もSpilling砕波やPlunging砕波の範囲ではあ るが,Plunging砕波もSpilling砕波に近い領域であり, suring砕波領域が含まれておらず,連結ブロックによる 影響が顕著にならなかった. 図-8 遡上率とξoの関係 0.5 1 0.2 0.4 0.6 NR /N I ξo case0 case1 case2 case3 case4 case5 case6 0.43ξo0.55 0.72ξo0.58 図-9 ブロック数の岸沖変化 10 20 30 0 0.1 0.2 case3 case4 case5 case6 10 20 30 0 0.1 0.2 case2 10 20 30 0 0.1 0.2 10 20 30 0 0.1 0.2 10 20 30 0 0.1 0.2 10 20 30 0 0.1 0.2 汀線からの距離(cm) ブロ ック数(個 /cm ) case1 図-10 遡上高さとξoの関係 0 0.5 1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 R1/ 3 /H o ξo case0 case1 case2 case3 case4 case5 case61/3/Ho=0.39ξo1/3/Ho=1.38ξo0.7

(5)

4. 数値モデル (1) 基礎式 計算は著者ら1) と同様に岸沖方向1次元の連続式と拡 張型ブーシネスク方程式を用いた.遡上域では透水の影 響があるため,浅野8)により解説されている考え方に基 づいて計算を行った.透水部の基礎式を式(3),水塊部 の基礎式を式(4)に示す.本計算における砕波判定には, 水表面における水粒子速度と波速との比が0.7を超えた 時に砕波が生じるとした.

(

)

(

)

( )

R x h gn uq u h x n u h t q u h x p p b p p p p p b p p − ∂ ∂ − = − ∂ ∂ + ∂ ∂ = ∂ ∂ η 2 1 (3)

( )

( )

( )

( )

( )

3 33 2 3 2 2 2 2 3 1 x d Bgh ud t x h B q u ud x x gd d u x ud t q ud x t d b b b ∂ ∂ + ∂ ∂ ∂       + + − = ∂ ∂ − ∂ ∂ + ∂ ∂ + ∂ ∂ − = ∂ ∂ + ∂ ∂ ρ τ ν η (4) ここで,d= h+η:全水深,η:静水面からの水位 変動,

τ

:流体抵抗, h :水深,u :水平流速, q :b 流入フラックス,h :透水層深,p u :透水層内の水p 平流速,n :空隙率, R :砂層内の抵抗である.p ub については,浸透時と滲出時で以下のように分けて与え る. 0 / 0 < = > = b p p b b b q for n u u q for u u (5) 連結ブロックの存在は設置場所の標高と流体抵抗で表 現した.流体抵抗は底面に作用する摩擦力と連結ブロッ クに作用する抗力があり,式(5)のように与えられる. 2 3 / 7 2 2 1 ) ( Au C d ud gn D ρ ρ τ = + (6) ここで,n:マニングの粗度係数,CD:抗力係数, A:投影面積である.なお,本来なら透水層内の水面 の変動を考慮する必要があるが,Kobayashi ら9) と同様に 遡上域の水位と透水層内の水位が一致しないことを許容 するために連続式には考慮していない. 入射波高,入射波周期,水深を与え,水平格子数: 3500,格子サイズ:0.005m,計算ステップ数:30000,時 間間隔:0.001s として計算をおこなった. (2) 計算結果 図-11に連結ブロックの設置条件case 1に波高7.31 ㎝, 周期1.0 秒の規則波を作用させた時の計算波形を示す. 実験では3列設置しているが,計算上では連結ブロック の列の数を変化させている.連結ブロックにより遡上波 が堰き止めら,連結ブロック間に水塊が滞留し,連結ブ ロックの列が増加するに連れて遡上長さが低減する.し かしながら,実験では図-2のように連結ブロックの個々 のコンクリートブロック同士には間隙があるため,その 間を貫流する流れが存在する.そこで,1列目の連結ブ ロックの標高のみを考慮し,2,3列目は流体抵抗として 扱った. 図-12に図-11の遡上波の水位変化の計算との比較を 示す.最遡上点は概ね再現されているが,その後の変動 が小さくなっている.連結ブロック間の流れが鉛直1次 元計算では再現することができないため,平面2次元と しての扱いが必要である. 6. 結論 浜崖等の侵食対策を念頭において簡易に設置し,その 有効性が確認されている連結ブロックの設置条件等を室 図-12 遡上波の水位変化の実験と計算 0 10 20 0 10 20 30 40 50 case 0 実験 計算 case 1 実験 計算 時間(秒) 水位変化(cm) 図-11 遡上波の水位の計算結果 13 13.1 13.2 13.3 13.4 13.5 13.6 -0.02 -0.01 0 0.01 0.02 0.03 0.04 3列 2列 1列 ▽ 水平距離(m) 水位変化(m) 連結ブロック

(6)

内実験と数値計算により検討した.得られた結論は以下 の通りである. 1)連結ブロックにより遡上波が低減できることが確 認できた. 2)連結ブロック上の遡上波のパワースペクトルは, 連結ブロックが存在しない遡上波よりも,より低周波数 領域にエネルギーの集中が見られる. 3)遡上率は現地における傾斜堤での観測結果と同程 度の値となる.

4)遡上高さや遡上率はsurf similarity parameter で整理 ることが可能であるが,Maseによる実験式とは係数が 異なる. 5)数値モデルではブロックの形状とその抵抗を考慮 することで、遡上高さの算定が可能である 6)しかしながら、図-2のようにブロック間には隙間 があり、その間の貫流によりブロック背後で剥離渦にと もなう、水平流速が実験においても確認されており、今 後は平面2次元としての検討が必要である。 謝辞:本研究の一部は科学研究補助金基盤研究(c)(代 表:辻本剛三,課題番号21560547)基盤研究(B)(代表: 熊本大学大学院山田文彦,課題番号22360199)により行 われました. 参考文献 1) 辻本剛三,細山田得三,柿木哲哉,宇野宏司:不規 則波によるフィルターを有する海浜断面の可逆性か らみた安全性について,海岸工学論文集,第 55 巻, pp.746-750,2008. 2) 岩田好一郎:斜面上への不規則波の遡上,水工学に 関する夏期研修会講義集,B-3,1982. 3) 間瀬肇:不規則波による遡上波スペクトル,土木学 会論文集,第 357 号/II-3,pp.197-205,1985. 4) 久保田進,水口優,堀田新太郎,竹澤三雄:急勾配 前浜海岸における遡上波の現地観測,第 35 回海岸工 学講演会論文集,pp.109-113,1988. 5) 高橋敏彦,沼田淳:緩傾斜堤への波の打ち上げ高さ 及び遡上特性に関する現地観測値の基礎的検討,海 洋開発論文集,第 15 巻,pp.701-706,1999. 6) C.A.Kuo, J.W.Lai, C.T.Kuo and C.H.

Chien : Maximum run-up on the movable bed of uniform materials, Journal of Coastal Research, SI50, pp. 384-388, 2007.

7) Mase, H. : Random wave run-up height on gentle slope, Journal of Waterway, Port, Coastal and Ocean Engi-neering,Vol.115, pp.649-661,1989.

8) 浅野敏之:浪打ち帯における波動場について,水工学に 関する夏期講習会,土木学会水工学委員会,B-6-1-17, 1999.

9) Kobayashi, N. and A. Wurjanto : Numerical model for waves and on rough permeable slopes, Journal of Coastal Research, pp.149-166,1990.

RUN-UP WAVES DAMPING AND HYDRAULICS CHARCTERISTIC WITH

CABLE-TIED BLOCKS

Gozo TSUJIMOTO, Aya HAMAMORI, Tetsuya KAKINOKI and Kohj UNO

To reduce scarp erosion due to runup waves, Cable tied blocks were proposed and their performances were studied in a water flume. The spectral analysis was employed to the dynamics response between incident waves and runup waves and the low frequency domain was prominent for runup waves. All the data of run up height with cable tied blocks were obviously smaller than that without them. The one-third runup height and the ratio of the number of runup waves to that of offshore incident waves may be estimated with surf similarty parmeter. The modified Boussinesq equation based on non-linear long wave equation and the continuous equation were applied to the onshore-offshore beach profile considering the exciting of cable tied blocks. The maximum ru-nup height could be caluculated.

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