• 検索結果がありません。

Microsoft Word - 02a_1_固体酸化物_評価報告書 doc

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Microsoft Word - 02a_1_固体酸化物_評価報告書 doc"

Copied!
378
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「固体酸化物形燃料電池システム技術開発」

事後評価報告書

平成21年2月

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

研究評価委員会

(2)

平成21年2月

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

理事長 村田 成二 殿

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

研究評価委員会 委員長 西村 吉雄

NEDO技術委員・技術委員会等規程第32条の規定に基づき、別添のとおり

評価結果について報告します。

(3)

目 次

はじめに

1

分科会委員名簿

2

審議経過

3

評価概要

4

研究評価委員会におけるコメント

8

研究評価委員会委員名簿

9

第1章 評 価

1.プロジェクト全体に関する評価結果

1-1

1.1 総論

1.2 各論

2.個別テーマに関する評価結果

2.1 コージェネレーションシステム技術開発

2.2 コンバインドサイクルシステム開発

2.3 固体酸化物形燃料電池システム性能評価技術の開発

2.4 信頼性向上に関する研究開発

2.5 高出力化に関する研究開発

2.6 適用性拡大に関する研究開発

3.評点結果

第2章 評価対象プロジェクト

1.事業原簿

2-1

2.分科会における説明資料

2-2

参考資料1 評価の実施方法

参考資料

1-1

(4)

はじめに

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構においては、被評価プロジェ

クト毎に当該技術の外部の専門家、有識者等によって構成される研究評価分科会を

研究評価委員会によって設置し、同分科会にて被評価対象プロジェクトの研究評価

を行い、評価報告書案を策定の上、研究評価委員会において確定している。

本書は、

「固体酸化物形燃料電池システム技術開発」の事後評価報告書であり、

第16回研究評価委員会において設置された「固体酸化物形燃料電池システム技術

開発」

(事後評価)研究評価分科会において評価報告書案を策定し、第20回研究

評価委員会(平成21年2月18日)に諮り、確定されたものである。

平成21年2月

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

研究評価委員会

(5)

「固体酸化物形燃料電池システム技術開発」

事後評価分科会委員名簿

(平成20年9月現在)

氏名

所属、肩書き

分科

会長

恩田

お ん だ

和夫

か ず お

豊橋技術科学大学 電気・電子工学系 名誉教授

分科会長

代理

松永

まつなが

守央

も り お

九州工業大学 副学長

いずみ

まさ

あき

北九州市立大学 国際環境工学部

機械システム工学科 教授

下津

し も つ

正輝

まさてる

徳島文理大学 工学部 機械創造工学科 教授

つつ

憲三

けんぞう

株式会社ヴェリア・ラボラトリーズ

代表取締役社長

野村

の む ら

むね

のり

関西学院大学 経済学部 教授

平田

ひ ら た

好洋

よしひろ

鹿児島大学 大学院理工学研究科

ナノ構造先端材料工学専攻 教授

委員

山口

やまぐち

しゅう

東京大学 工学系研究科 マテリアル工学専攻

教授

敬称略、五十音順

(6)

審議経過

z 第1回 分科会(平成20年9月8日)

公開セッション

1.開会、分科会の設置、資料の確認

2.分科会の公開について

3.評価の実施方法について

4.評価報告書の構成について

5.プロジェクトの概要説明

6.プロジェクトの詳細説明(一部非公開)

非公開セッション

7.全体を通しての質疑

公開セッション

8.まとめ・講評(公開)

9.今後の予定、その他、閉会

z 第20回 研究評価委員会(平成21年2月18日)

(7)

評価概要

1.総 論

1)総合評価

固体酸化物形燃料電池(

SOFC)は、現状で人類が知る最高の効率を示すエネル

ギー変換機器で、多様な燃料にも対応出来ることや分散電源としても石炭火力代替

にも対応出来ることから、次世代技術として期待が高い。国際競争が激しい上、実

現には困難な要素が多く、リスクが大きいことから、長きに渡り

NEDO が開発に関

与し、成果を着実に積み上げてきている。本プロジェクトは実用化、事業化を強く

意識し、コスト低減と世界最高水準の性能をシステム開発と要素技術開発に取り組

むことで目的達成を目指していたことから、適切と判断出来る。コージェネやコン

バインドの

SOFC システムの開発や数千時間もの耐久運転試験に進めたことで先行

する欧米に肉薄することが出来、長期劣化試験実施と劣化原因の追求を系統的に取

り組み、世界トップレベルの成果が得られるなど要素技術開発においても充分な成

果が得られている。

しかしながら、システムの性能面では一部の課題を除いて世界に誇れる成果をあ

げているものの、実用化、事業化に不可欠な耐久性や信頼性などに関しては当初目

標を達することが出来ず、実用化の目処をつけるまでには至らなかった。従来の発

電機と比べ

SOFC は未だ開発途上にあり、困難な開発対象と言えるので、高い目標

を掲げるだけでなく、技術課題を予見しつつ着実に解決することが望ましかった。

また、実用化、事業化を目指すには、他の技術に対する性能やコスト・ベネフィッ

トにおける優位性や課題の解決、市場要求に応じたシステムの開発が必要である。

今以上に経済、社会的な視点も踏まえた開発戦略を検討することが今後望まれる。

2)今後に対する提言

本プロジェクトでは

SOFC の実用化や事業化の目処をつけることが目的であった

ものの、本プロジェクトで明らかになった技術課題を解決していかなければ、実用

化や事業化への道筋が立たないことが分かった。課題を突き詰めていくと、要素技

術、基礎知見のところに戻らざるを得ない。従って、後継プロジェクトで「信頼性

の向上」や「実用性の向上」を産官学が連携し戦略的に基盤技術を確立することは

妥当と言える。

本プロジェクトで得られた課題は後継プロジェクトで概ね取り組まれているが、

本プロジェクトでは横串的に管理・マネジメントする体制が十分でない面が見受け

(8)

計画を立案することが望ましい。その意味では、家庭用など小容量については現在

実施している

SOFC 実証試験に委ね、後継プロジェクトでは大容量やコンバイドサ

イクルの実現に向けた取り組みがなされることが望ましい。加えて、これらプロジ

ェクトの連携を深め、目的を達するよう務められたい。

2.各 論

1)事業の位置付け・必要性について

資源の乏しいわが国では石油代替エネルギーの効率的活用が重要である。

SOFC

は多彩なガス燃料が使えかつ、最も発電効率が高い次世代技術であり、米国、欧州

における

SOFC 開発に遅れをとらないためにも、エネルギー基本計画に基づく新エ

ネルギー技術開発プログラムの下で取り組むのは妥当である。

SOFC システムの耐

久性・信頼性などの問題点は解決されておらず、要因の基礎的解明に困難さがある

ことからもリスクが大きく、民間活動だけに期待するのは難しい状況であることか

ら、

NEDO が牽引することは重要である。

システム技術の確立のためにコンバインドサイクルの原型機やコージェネレーシ

ョンシステム開発に高い目標を掲げて取り組まれたが、成果を急ぎ過ぎた面も見受

けられる。製造方法、材料、劣化原因の究明と対策などは本プロジェクト開始時か

ら現時点まで完了したと言える段階ではないことから、現技術レベルにおいて、こ

れらの中から次に何を優先すべきか慎重に決定することが望ましかった。

SOFC 開発には多くの分野の技術・知識・経験を必要とする。また、この成果は

NEDO で 20 年以上に渡り企業、研究機関、大学等が有するそれらポテンシャルを

集約した取り組みの結晶とも言える。今後もその役割を担って貰いたい。

2)研究開発マネジメントについて

システム開発においては、これまでの取り組みの成果や国内外の

SOFC に関わる

開発動向を踏まえ、実用化を意識した高水準の開発目標を掲げ、信頼性向上や出力

向上などプロジェクト目的を達成するために必要な要素技術開発を開始

2 年目から

計画に追加したことは適切である。また、システム開発や要素技術開発各々で中間

時点にて自主評価を実施し、達成度の確認やテーマの変更、海外での開発状況の変

化などへの対応を行ったことは妥当である。加えて、想定外の事態への対処として

分科会を設置し原因調査および対策案のサポート体制を整え、更に情報の共有化を

図ったことも適切であったと考える。それにより、後継プロジェクトへ向けての課

題抽出とテーマの設定など適切な研究開発マネジメントが行われたと判断できる。

開発の進展による高難度化を予測することが難しいのは理解するが、システム化

における重要な要素技術の順位付けなどを適宜検討すべきであったと考える。また、

タイプは違うが同じテーマ内で取り組む開発グループの情報やノウハウなどが共有

化されていれば未然に防ぐことができたかも知れない。また、タイプ毎、材料毎に

(9)

特性が違うことから、事業全体で目標を設定するよりは、タイプ毎、材料毎に特徴

を踏まえた用途とそれに適合した個別の目標値を設定されるべきであった。その際、

市場が必要とする発電容量や熱回収量、運転モードなどにも配慮されるべきである

が、十分と言えない。そのことから、本技術を利用するユーザーの意見が十分取り

入れられていなかった可能性がある。その意味でも、部外者に分かり易いように研

究開発項目の設定や関連付け、目標設定の妥当性なども明示して欲しかった。

脱石油から、脱化石燃料という国際的な大きな流れも配慮して、後継プロジェク

トで更に実用化に近づく成果が得られることを期待する。

3)研究開発成果について

システム技術開発において、中間時点での自主評価で一部取り止め、想定外の事

態で一部耐久運転試験が中断したものがあるが、

SOFC システムの実現に向け、数

千時間の耐久運転試験による実証に進めたことは評価できる。また、想定外の事態

から重要な知見を得て、関係者で共有できたことは今後の開発に有意義であり評価

できる。加えて、要素技術開発において、概ね優れた成果であると判断される。特

に、信頼性評価及び適応性拡大に関しては、世界をリードする内容が含まれている

ことや、性能劣化に関しては今後の開発に明るい見通しを与えたことから、高く評

価できる。従って、プロジェクト全体として適切な成果が得られたものと言える。

耐久運転試験における電圧低下率の目標は、市場導入を見込んだ適切な設定であ

るものの、未達であったことは残念である。この原因は材料だけでなく、モジュー

ルの構造や運転モードも関係していると考えられるので今後全般的に検討すること

が望ましい。その際にモジュール内で温度、ガス組成、電流密度の不均一といった

環境因子と劣化を結びつけて検討することにも留意されたい。また、実際の運転に

おいてコールドスタート・サーマルサイクルにおける劣化現象が重要と考える。劣

化の分類、メカニズム、長期劣化現象との相関など検討すべき課題の抽出が今後行

われることが望ましい。加えて、国際競争力の源となる国際特許が十分出願されて

いないので、その点にも今後留意されたい。

研究成果の公表として、国際的なジャーナルにおいて論文が発表されているなど

十分取り組まれていると言える。成果を分かりやすい形で広く情報発信することも

成果を普及させていく意味でも大切なことであり、今後の努力に期待する。

4)実用化、事業化の見通しについて

本プロジェクトで、システムの安定した運転における課題を明らかにしたことは

(10)

な課題の整理の段階にあり、後継プロジェクトも始まることから、実用化に一歩近

づいたと評価したい。

しかしながら、耐久運転試験において、実用化に必要な電圧劣化率の目標達成の

目処が立っていないことから、実用化、事業化の見込みが立つ状況とは言えない。

また、市場参入の際、ガスエンジンやガスタービンといった商業技術との競争上、

コストダウンが重要であるものの、方策として材料の共同購入や耐久性向上などが

言及されただけであり、その他詳細に可能性検討が必要である。耐久性や信頼性が

向上しても、どの分野に適用するのかの目処をつけないと、その市場に見合ったセ

ル・スタック構造の選択、コストも含んだ性能目標値設定が行えず、実現可能性の

判断が難しい。

実用化・事業化までには、まだまだ解決すべき課題と問題点が山積しているが、

SOFC の特性や特徴、市場への適応性などを踏まえつつ、今後取り組まれることが

望ましい。

(11)

研究評価委員会におけるコメント

第20回研究評価委員会(平成21年2月18日開催)に諮り、了承された。研

究評価委員からのコメントは特になし。

(12)

研究評価委員会

委員名簿(敬称略、五十音順)

職 位

氏 名

所属、肩書き

委員長

西村 吉雄

国立大学法人東京工業大学 監事

委 員

伊東 弘一

早稲田大学 理工学術院総合研究所

客員教授(専任)

委 員

稲葉 陽二

日本大学 法学部 教授

委 員

大西 優

株式会社カネカ 顧問

委 員

尾形 仁士

三菱電機エンジニアリング株式会社 取締役社長

委 員

小林 直人

独立行政法人産業技術総合研究所 理事

委 員

小柳 光正

国立大学法人東北大学大学院

工学研究科バイオロボティクス専攻 教授

委 員

佐久間一郎

国立大学法人東京大学大学院

工学系研究科精密機械工学 精密機械工学専攻

教授

委 員

菅野 純夫

国立大学法人東京大学大学院

新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻

教授

委 員

冨田 房男

放送大学 北海道学習センター 所長

委 員

架谷 昌信

愛知工業大学 工学部機械学科

教授・総合技術研究所所長

委 員

平澤 泠

東京大学名誉教授

委 員

吉原 一紘

アルバック・ファイ株式会社 技術開発部 理事

(13)
(14)

1.プロジェクト全体に関する評価結果

1.1 総 論

1)総合評価

固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、現状で人類が知る最高の効率を示すエネルギ

ー変換機器で、多様な燃料にも対応出来ることや分散電源としても石炭火力代替に

も対応出来ることから、次世代技術として期待が高い。国際競争が激しい上、実現

には困難な要素が多く、リスクが大きいことから、長きに渡り NEDO が開発に関与

し、成果を着実に積み上げてきている。本プロジェクトは実用化、事業化を強く意

識し、コスト低減と世界最高水準の性能をシステム開発と要素技術開発に取り組む

ことで目的達成を目指していたことから、適切と判断出来る。コージェネやコンバ

インドの SOFC システムの開発や数千時間もの耐久運転試験に進めたことで先行す

る欧米に肉薄することが出来、長期劣化試験実施と劣化原因の追求を系統的に取り

組み、世界トップレベルの成果が得られるなど要素技術開発においても充分な成果

が得られている。

しかしながら、システムの性能面では一部の課題を除いて世界に誇れる成果をあ

げているものの、実用化、事業化に不可欠な耐久性や信頼性などに関しては当初目

標を達することが出来ず、実用化の目処をつけるまでには至らなかった。従来の発

電機と比べ SOFC は未だ開発途上にあり、困難な開発対象と言えるので、高い目標

を掲げるだけでなく、技術課題を予見しつつ着実に解決することが望ましかった。

また、実用化、事業化を目指すには、他の技術に対する性能やコスト・ベネフィッ

トにおける優位性や課題の解決、市場要求に応じたシステムの開発が必要である。

今以上に経済、社会的な視点も踏まえた開発戦略を検討することが今後望まれる。

<肯定的意見>

○ SOFC は、現状で人類が知る最高の効率を示すエネルギー変換機器で、多様な

燃料にも対応出来る。環境問題や先行き不安なエネルギー問題を抱える現在、

これの実用化は大変重要である。是非、着実に進めるべき開発アイテムであ

る。

○ SOFC のこれまでの開発経過から見て、本プロジェクトは高温状態に置かれる

材料の長期安定性の測定・理解に格段の進歩をもたらし、今後の材料開発に

おける足場を固めたと評価したい。また、これまでの実績を元にコージェネ

やコンバインドの SOFC システムの実現に向け、数千時間の実証試験に進め

たことも評価したい。

○ 長期劣化試験実施と劣化原因の追求を系統的に行ったはじめての取り組み

で、充分な成果が得られている。

○ 石油代替エネルギーの効率的活用法として重要と位置づけられる SOFC の開

発は、リスクの大きさから民間活動だけでは困難な要素が多い。したがって、

(15)

NEDO がその開発に関与したことは適切である。また、事業開始時及び中間評

価時に設定された目的は、事業化を意識したコスト低減と世界最高水準の性

能を目指していたことから、適切と判断される。特に、SOFC の特性を考慮し

て、コンバインドサイクルの原型機やコージェネレーションシステム開発を

想定した事業目的は妥当であったと言える。

○ 事業成果として要素技術開発は概ね当初の目標を達成しており、NEDO 事業と

して技術を提示出来るレベルの最高水準の成果を得た課題が含まれている。

○ 本プロジェクトは系統運用への影響を慎重に判断しなければならないが、将

来における電力の安定供給に資する点から意義があると言える。

○ 脱石油をめざす社会実現のためには、SOFC を含む新エネルギーの開発、利用

は必須である。

○ 1989 年に開始した第Ⅰ期のセル製造基盤技術開発から、基礎モジュール開発、

熱自立モジュール開発、そして今期のシステム技術開発と着実に進展し成果

を挙げている。今期の事業では、我が国のシステム技術が先行する欧米に肉

薄すると共に、その技術が世界トップレベルの成果を生んだ要素技術開発と

も連携し実施されており、一つのチームとして開発が進められたと評価出来

る。

○ SOFC は、燃料電池の中でも高い発電効率が可能であり、大型化にも対応出来

ることから、次世代の有力なエネルギー源として、その技術開発と実用化・

事業化支援に対して、国が積極的に関与することは必要である。

<問題点・改善すべき点>

● 燃料電池より遥かに後で世に出た内燃機関に比較すると、特に SOFC は未だ

開発途上にあり、それだけ困難な開発対象であると言える。従って、年々高

い目標を掲げて前進することのみを急ぐのではなく、要所々々で振り返り新

たに発生した問題点をクリアしながら進めるべきである。

● SOFC の後継プロジェクトで、更に長時間安定な SOFC の各種材料とその構成

法を明確に絞り、機械的強度の改善と三相界面の理解を深めた発電性能の改

善と、材料の低コスト化や起動停止による性能の劣化抑制などと併せ、SOFC

の実用化の目処を早い時点で示して欲しい。

● さまざまな形式のセル・スタック構造、多様な材料システムに関して、それ

ぞれの形式(方式)固有の問題と一般的な課題に分類して検討を行うことが

今後の課題。

(16)

● 他の技術と比較してどのような特徴があるのかを具体的に明示し、コスト・

ベネフィットの観点から優位性を強調することが求められる。耐久性の問題

がクリア出来たとして、実用化された段階で耐用年数がどれくらいであるの

かを明確にしておくことも必要である。

● SOFC の全エネルギーにおける占有目標、燃料の見通し、システム設置の目標

(年度、価格)が明確でない。

● 多くの種類の燃料電池のそれぞれの役割分担(設置領域、出力)を明確にし

てほしい。

● システム技術開発において、耐久性評価が充分に行われなかった点が残念で

ある。システム評価試験時のリスクマネジメントの確立が望まれる。

● 近年の化石燃料の高騰に象徴されるように、国際的なエネルギー事情は、

刻々と変化している。本プロジェクトもそうした変化に柔軟に対応していく

ことが望ましいが、反面プロジェクトとして一旦走り出すと、なかなかその

方向性を修正することは難しい。明確な国のリーダーシップが必須であろう

が、本プロジェクトの事後評価委員会においては、そういう視点での議論が

多少欠けているように感じた。

<その他の意見>

・ 現状の SOFC の開発では、種々のタイプに付いてそれぞれを個別の民間企業

に委託して進めている関係から、開発グループ間の連携が難しく、同じよう

な問題に個別に対処する無駄がどうしても生まれるのではないかと推定す

る。NEDO は開発グループの中心になって、各開発グループの情報の収集とそ

れらの各グループへの発信に常に気を配られることが肝要であると思う。

・ エネルギー教育の一環として本プロジェクトについて高校生や大学生に対

する PR を行うことはできないか。

・ 長期に亘る技術開発プロジェクトにおいては、当初設定した目的と目標を、

内外の状況の変化に合わせて常に勇気と柔軟性を持って変革していく体制

が必要性ではないだろうか。

(17)

2)今後に対する提言

本プロジェクトでは SOFC の実用化や事業化の目処をつけることが目的であった

ものの、本プロジェクトで明らかになった技術課題を解決していかなければ、実用

化や事業化への道筋が立たないことが分かった。課題を突き詰めていくと、要素技

術、基礎知見のところに戻らざるを得ない。従って、後継プロジェクトで「信頼性

の向上」や「実用性の向上」を産官学が連携し戦略的に基盤技術を確立することは

妥当と言える。

本プロジェクトで得られた課題は後継プロジェクトで概ね取り組まれているが、

本プロジェクトでは横串的に管理・マネジメントする体制が十分でない面が見受け

られたが、後継プロジェクトではコンソーシアム組織の運営がさらに高度化するこ

とに留意されたい。また、現時点でも実用化、事業化に向けての具体的な戦略や戦

術が明確とは言えない。社会情勢を十分に考慮し、導入を目指す市場に適用したコ

スト意識が高い研究開発となることを常に意識し、基礎的な知見の蓄積に基づいた

計画を立案することが望ましい。その意味では、家庭用など小容量については現在

実施している SOFC 実証試験に委ね、後継プロジェクトでは大容量やコンバイドサ

イクルの実現に向けた取り組みがなされることが望ましい。加えて、これらプロジ

ェクトの連携を深め、目的を達するよう務められたい。

<今後に対する提言>

・ 今回の開発期間に、当初に掲げた目標を達成できなかったグループが複数あ

る。全てのグループに新しいより高い目標を設定し、課すことがよいかどう

か、充分検討する必要があるのではないか。また、目標テーマに付いても、

それぞれの重要度を検討しなおし、より急ぐべきテーマを設定する必要があ

るのではないか。その点、高出力密度化より耐久性の向上や劣化の対策を目

標とされる事には賛同できる。

・ 家庭用 SOFC は実証試験に委ねるとして、数千 kW 級以上の高効率発電として

期待される SOFC コンバイドサイクルのロードマップを早期に検討し、残さ

れた課題を整理し、その開発手順を明示して欲しい。

・ 課題を解決するためには、コンソーシアム組織の運営がさらに高度化する必

要があり、次期プロジェクトにおいてさらに展開することを期待する。

・ SOFC を使用したシステムは新エネルギー源を有効に活用するために重要で

あるが、エネルギーシステムの将来像を描きつつも、各時点における社会情

勢を十分に考慮した開発が不可欠である。SOFC を使用したコンバインドサイ

(18)

少ないプロジェクトの遂行が求められる。

・ 対象となる市場を国内外で具体的に想定し、実用化の目途をつけてプロモー

ションを開始することも重要と思われる。

・ 総合的な目標を前に進めるあたり、具体的戦略、戦術が未提案(未成熟)と

の印象を受けた。システム化(実用化)の事業なのだが、耐久性を問い詰め

ていくと、直面する課題の打破には要素技術、基礎知見のところに戻らざる

得ない面が見えた。これらを踏まえて、事業の戦略を十分練る必要があるよ

うに思う。

・ SOFC 実用化・事業化にとって、耐久性・信頼性向上は大きな課題である。現

状の対策はミクロな化学的劣化に焦点を当てて検討しているが、モジュール

全体では温度、ガス組成、電流密度の不均一が生じており、これら環境因子

と劣化を結びつけて検討する必要がある。温度、ガス組成、電流密度などは

主に数値シミュレーションによる推定に依存しており、その解析結果を検証

した研究は少ない。これら環境因子を in situ で正確に計測できる手法の開

発が、今後のシステム技術開発において重要と考える。

・ SOFC の本来的な特徴とは何かを再定義した上で、実用化・事業化のイメージ

を修正すべきではないか。化石燃料が高騰している現状では、SOFC を小型(数

10kW クラス)の分散型電源として実用化・事業化を想定することは、果たし

て合理的な判断なのかどうかを議論すべきである。

・ NEDO 主導の下で、公的研究機関と企業がそれぞれの開発分野を分担している

が、全体のプロジェクトを横串的に管理・マネジメントする体制が不足して

いるように感じた。本来、NEDO がその役割を担うべきかもしれないが、物理

的に無理ならば、代表幹事会社・組織を決めるなど、プロジェクト全体のリ

ーダーを明確化する必要があるのではないか。

<その他の意見>

・ 2社が地絡を起こしているように、開発が進むと気を使わねば成らない範囲

が広がる。その対応には課題の反復とそこから纏められるマニュアルが重要

である。従って SOFC の想定応用領域に総花的に開発の手を広げるのではな

く、電池単独の仕上げと運転法の確立に比重を掛けることが実用化への早道

と思う。その意味から排熱処理系を加えるなどは急ぐ必要が無かったかと思

う。

・ 欧米と競合して SOFC の研究開発が進められているが、今後とも相互に切磋

琢磨し、情報を交換しつつ、日本における研究開発が突破口を開くことを期

待したい。

・ 後継事業につなげるためには、当面は天然ガスと石炭ガスの効率的な利用を

目的とし、バイオガスの利用は継続的に議論する必要がある。

(19)

・ 国際的に類似した技術がどのレベルに達しているのかを可能な限り把握し

た上で、本プロジェクトを継続する必要がある。

・ 個別の事業のデータはそれぞれに、時間とお金をかけているので価値がある

(大学ではセルまでが精一杯なので、このような情報は大いに価値がある。

・ 成果の積み上げも着実に見られる。

・ 総合的な事業の目標に対して、個別のデータ、結果を全体としてコントール

した部署や結論がないように思う。

・ コントロールタワーが不在のようなので、個別事業が同じような問題にぶつ

かっている。

・ 国内には SOFC 開発への寄与が期待できる様々な技術・知識が未だ眠ってい

ると考えられる。そうした技術・知識を活用すると共に、SOFC に関与する研

究者・技術者人口を増やす体制も必要と考える。

・ SOFC が市場の中で、何に使えるか、何に使うことが最も効果的か、どういう

顧客層に受け入れられるかなど、もう少しマーケティング的な発想を研究開

発マネジメントに入れ込むことが必要ではないか。

(20)

1.2 各 論

1)事業の位置付け・必要性について

資源の乏しいわが国では石油代替エネルギーの効率的活用が重要である。SOFC

は多彩なガス燃料が使えかつ、最も発電効率が高い次世代技術であり、米国、欧州

における SOFC 開発に遅れをとらないためにも、エネルギー基本計画に基づく新エ

ネルギー技術開発プログラムの下で取り組むのは妥当である。SOFC システムの耐

久性・信頼性などの問題点は解決されておらず、要因の基礎的解明に困難さがある

ことからもリスクが大きく、民間活動だけに期待するのは難しい状況であることか

ら、NEDO が牽引することは重要である。

システム技術の確立のためにコンバインドサイクルの原型機やコージェネレー

ションシステム開発に高い目標を掲げて取り組まれたが、成果を急ぎ過ぎた面も見

受けられる。製造方法、材料、劣化原因の究明と対策などは本プロジェクト開始時

から現時点まで完了したと言える段階ではないことから、現技術レベルにおいて、

これらの中から次に何を優先すべきか慎重に決定することが望ましかった。

 SOFC 開発には多くの分野の技術・知識・経験を必要とする。また、この成果は NE

DOで 20 年以上に渡り企業、研究機関、大学等が有するそれらポテンシャルを集約

した取り組みの結晶とも言える。今後もその役割を担って貰いたい。

<肯定的意見>

○ 人が財産のわが国では、SOFC のようなエネルギー政策上重要で困難な開発は、

国が率先して時間と資金をかけ国内の技術レベルを引き上げる努力をすべ

きである。長期を要する技術の開発は民間企業には大きい負担になる。補助

金を出して開発させ、成果を国が広い視野で有効に活用するよう施策を進め

るべきである。

○ 世界における SOFC の開発状況や、その他のエネルギー技術の開発現状から

見て、本事業の必要性や位置付けは十分であったと思う。また、SOFC の山積

している開発課題の中から優先度が高く、解決可能な項目を着実に設定した

ことも評価できよう。

○ 目的ならびに実施方法は NEDO 事業と合致している。

○ 民間企業だけでは取り組むことが困難な基礎的解析を共同で行っている。ま

た事故解析・検討においても協力体制による取り組みが有効であったと考え

られ、NEDO 事業としては成功したと評価できる。結果としては、これにより

SOFC 劣化問題で大きな国際競争力が得られた。

○ 石油代替エネルギーの効率的活用法として重要と位置づけられる SOFC の開

発は、リスクの大きさから民間活動だけでは困難な要素が多い。したがって、

NEDO がその開発に関与したことは適切である。また、事業開始時及び中間評

価時に設定された目的は、事業化を意識したコスト低減と世界最高水準の性

(21)

能を目指していたことから、適切と判断される。特に、SOFC の特性を考慮し

て、コンバインドサイクルの原型機やコージェネレーションシステム開発を

想定した事業目的は妥当であったと言える。

○ エネルギー分野の規制緩和により民間部門の研究開発資金が減額される可

能性があるので本プロジェクトの意義は大きい。

○ 本事業は、リスクの大きさ、課題の大きさ、研究開発費からして、NEDO が実

施すべき事業と判断される。

○ 本事業はエネルギー基本計画に基づく新エネルギー技術開発プログラムの

目標に合致したものである。海外においても SOFC は重要な新エネルギー技

術の一つとして、その開発が進めらている。米国、欧州における SOFC 開発

に遅れをとらないためにも、国家プロジェクトとして我が国の SOFC 開発を

NEDO が牽引することは重要である。

○ 他の方式と比べて、最も高い発電効率が可能という特性を持った SOFC は、

省エネと CO2 排出削減を両立する優れた手法として、大いに期待されるもの

である。未だ耐久性・信頼性などの問題点はいくつかあるものの、それらが

解決され、コスト的な妥当性が生まれれば、急速な普及が見込まれる。この

ような国家戦略的な技術・商品開発に際して、国が主導して進めることは、

今後とも必要なことである。

<問題点・改善すべき点>

● 数値を大きくするような成果を急ぎすぎない事が重要で、現状の技術レベル

に於いて次に何を優先すべきか慎重に決定する事が肝要である。SOFC では製

造方法、材料、劣化原因の究明と対策などはなかなか完了したと言える領域

には達しない。繰り返して取り上げるべきテーマであろう。運転と制御の方

法も重要と考える。

● 研究開発は思い通りに進まないことが多いが、これまでの SOFC の研究開発

も含め、研究開発の流れと項目設定がなされていたら、第三者にもっと分か

り易いと思う。

● 事故は予想できなかったとは言え、予めその可能性を考慮した計画が必要で

あったかもしれない。ただし、Failure Analysis から得られた情報はむしろ

大変重要であり、これを積極的に進めて可能な事故を想定した模擬事故試験

の可能性を今後検討してほしい。

● 本技術が実用化されることにより国内メーカーの国際競争力が強化できる

(22)

● 性能向上が著しいガスエンジンや PEFC などに対する、SOFC の位置づけが不

明瞭である。SOFC が環境問題やエネルギー資源問題にどのように寄与するか

も含めて更に明確にする必要がある。

● システム開発段階では、ある程度、市場の実状を踏まえた上での開発方針が

必要である。排熱が蒸気で取れるという特性がある以上、病院のような特殊

施設を除き、一般的な業務系施設には不向きなシステムである点を考慮すべ

きである。また、業務系施設を対象とする場合でも、10~20kW 規模クラスで

は、導入対象が著しく限定される。生産系施設を対象とする場合は、規模の

小ささはなおさら致命的である。そこでは数 100kW クラスを前提としたシス

テム開発が望まれる。発電効率の高さを考慮すれば、モノジェネ導入も可能

であることから判断しても、ある規模がないと市場導入が進まないと思われ

る。

<その他の意見>

・ 今期の研究開発では、材料面に相当の進歩があったことが伺える。大変良か

ったと思うが、この成果は SOFC の開発が始まって 20 年以上経過した段階で

得られたということを思わねばならない。

・ 途上国における本技術の有用性について検討を加えるべきではないか。

・ 他国(特にヨーロッパ、米国)の開発状況との比較が不透明である。

・ SOFC 開発は多くの分野の技術・知識・経験を必要とする。NEDO は企業、研

究機関、大学等が有するそれらポテンシャルを集約できる唯一の機関であり、

今後もその役割を担って貰いたい。

・ SOFC の特性に合わせた使い方について、もう少し突っ込んだ議論と市場調査

が必要だと感じた。たとえば、大型太陽光や風力発電所における蓄電池との

融合による系統安定化ツールに使うなど、戦略的かつ未来的な利用形態をい

くつか想定したい。システム開発には、市場の受け入れイメージをあらかじ

め仮説として想定することが必要であり、その点での突っ込みが十分とは言

えないと感じられた。

(23)

2)研究開発マネジメントについて

システム開発においては、これまでの取り組みの成果や国内外の SOFC に関わる

開発動向を踏まえ、実用化を意識した高水準の開発目標を掲げ、信頼性向上や出力

向上などプロジェクト目的を達成するために必要な要素技術開発を開始 2 年目か

ら計画に追加したことは適切である。また、システム開発や要素技術開発各々で中

間時点にて自主評価を実施し、達成度の確認やテーマの変更、海外での開発状況の

変化などへの対応を行ったことは妥当である。加えて、想定外の事態への対処とし

て分科会を設置し原因調査および対策案のサポート体制を整え、更に情報の共有化

を図ったことも適切であったと考える。それにより、後継プロジェクトへ向けての

課題抽出とテーマの設定など適切な研究開発マネジメントが行われたと判断でき

る。

開発の進展による高難度化を予測することが難しいのは理解するが、システム化

における重要な要素技術の順位付けなどを適宜検討すべきであったと考える。ま

た、タイプは違うが同じテーマ内で取り組む開発グループの情報やノウハウなどが

共有化されていれば未然に防ぐことができたかも知れない。また、タイプ毎、材料

毎に特性が違うことから、事業全体で目標を設定するよりは、タイプ毎、材料毎に

特徴を踏まえた用途とそれに適合した個別の目標値を設定されるべきであった。そ

の際、市場が必要とする発電容量や熱回収量、運転モードなどにも配慮されるべき

であるが、十分と言えない。そのことから、本技術を利用するユーザーの意見が十

分取り入れられていなかった可能性がある。その意味でも、部外者に分かり易いよ

うに研究開発項目の設定や関連付け、目標設定の妥当性なども明示して欲しかっ

た。

脱石油から、脱化石燃料という国際的な大きな流れも配慮して、後継プロジェク

トで更に実用化に近づく成果が得られることを期待する。

<肯定的意見>

○ 燃料電池、中でも SOFC は各先進諸国では国レベルまたは国際共同テーマレ

ベルで取り上げられており、わが国も諸外国に伍して自主技術として所有す

る必要がある。今期のテーマには、SOFC にとって重要なテーマが含まれてい

ると思う。

○ 中間評価による達成度の確認やテーマの変更、海外での開発状況の変化など

への対応、運転事故の調査、後継プロジェクトへ向けての課題抽出とテーマ

の設定など開発マネジメントは十分であったと評価したい。

(24)

原型機やコージェネレーションシステム開発において設定した数値目標は、

事業化を意識したものである。

○ 研究開発計画について、当初の研究開発計画ではコージェネレーションシス

テム及びコンバインドサイクルの開発が中心であった。しかし、事業目的を

達成するためには要素技術開発が不可欠との判断から数値目標を定めて、

2005 年度から計画が追加されたことは適切である。

○ 事業体制について、各プロジェクトの開始時には、国内で想定される最善に

近い研究開発体制により事業が計画されたと判断される。また、技術委員会

を設置して実施内容を評価できる体制を整備した点も優れている。さらに、

トラブル情報を事業全体で共有する体制を構築したことは、民間機関が参画

した事業の推進としては高く評価できる。

○ 情勢変化への対応について、進捗状況から、一課題の中止と一課題の達成に

よる完了、および新たな課題を追加した点は、技術委員会による判断を含め

て適切である。また、中間評価委員会が果たした機能も妥当である。

○ 複数社の研究開発が実施されているが、いずれも実用化に向けての技術力を

備えていると判断できる。

○ 個々の実施者(企業)のこれまでの開発歴史を踏まえて、種々の SOFC シス

テムが研究されており、そこから多くの可能性が浮かび上がってきた。

○ 国内外の SOFC 開発全般の動向を踏まえた高水準の開発目標に設定されてい

る。特に耐久性(電圧低下率 0.25%/1000 時間)に関しては、非常に挑戦

的な値であり評価できる。また、研究機関や大学における要素技術研究成果

を各グループのシステム技術開発へ反映させ得る体制を整え、一部は有効に

活用されている。システム技術開発で発生したトラブルに対して、分科会を

設置し原因調査および対策案のサポート体制を整え、更に情報の共有化を図

った点は効率的な開発に大きく寄与したと考える。

○ 耐被毒長寿命化技術開発(九州大学)において、大学が中心的な役割を担い、

電力、ガス、石油というエネルギー三大業界と連携し、また電機や材料メー

カーなども巻き込んだ研究開発体制には、大変感心させられた。特に、利害

関係の大きな業界の取りまとめ役として、今後とも大学には今回のような役

割を期待したい。

<問題点・改善すべき点>

● 目標未達の開発グループも複数あり、開発の進展による高難度化を予測し切

れてなかった可能性が有る。最終試験段階で事故を起こした点も見逃せない。

この現象から言って、よりプライオリティーの高い未確定の要素技術がある

のではないかと推定される。

● 予算や参画機関の都合もあろうが、研究項目の設定の仕方や研究項目間の関

(25)

いたら、外部への説明も分かり易いと思われる。一部に目標が達成できない

項目もあったが、不注意による事故などはもっと事前に受託者間で共有・継

承して欲しかった。

● 低コスト化が課題であると判断され、研究計画の見直しにより高出力化に関

する研究開発が追加された。しかし、コスト低減と高出力化の両面から研究

開発を遂行する方針が徹底されたとは必ずしも言えず、この点は改善の余地

がある。

● 本技術を利用することになるユーザーとの意見交換が十分になされている

ように思えない。特に、耐用年数については価格面との関係で合意に達して

おかなければならないであろう。

● 全体をリード、調整すべき司令塔の存在と働きが不明確であった。どの程度、

実施者間で情報の共有がなされたか、不明であった。

● SOFC は様々なセル・スタック構造が可能であり、現時点で特定の構造への絞

り込みが難しいことは理解できるが、当初計画で 5 タイプが乱立し、予算集

中ができなかったように思われる。セル・スタック構造の違いはその発電性

能に大きく影響することは明らかであり、その特徴を踏まえた用途とそれに

適合した個別の目標値を設定すべきである。

● 一つのテーマにおいて、企業グループが複数対応する研究開発体制では、そ

れぞれの情報やノウハウなどが十分に共有化されていないと思われる。やは

り公的な組織がリーダーシップを発揮しないと、企業間の調整は難しいのか

もしれないと感じた。研究開発の効率性を高める上でも、また相乗効果を発

揮するためにも、プロジェクト全体のリーダーの存在が大きいと思う。

<その他の意見>

・ 目標が数値的に明確に示されていることで、達成度が把握しやすい。しかし、

数値化出来る物だけを掲げているとも受け取れる。開発グループ間で大きさ

を競わせるだけでなく、ソフト面の改良目標を立てさせる事も重要ではない

か。

・ 本事業の経験を活かして、後継事業では情報を一元化するため、プロジェク

トリーダーを中心とするマネジメント体制に移行したことは評価できる。

・ 実用化を想定すると技術レベルだけではなく、営業レベルでユーザーのニー

ズを十分に把握する作業も重視する必要がある。

・ 脱石油から、脱化石燃料という国際的な大きな流れがある中で、SOFC の開発

(26)

3)研究開発成果について

システム技術開発において、中間時点での自主評価で一部取り止め、想定外の事

態で一部耐久運転試験が中断したものがあるが、SOFC システムの実現に向け、数

千時間の耐久運転試験による実証に進めたことは評価できる。また、想定外の事態

から重要な知見を得て、関係者で共有できたことは今後の開発に有意義であり評価

できる。加えて、要素技術開発において、概ね優れた成果であると判断される。特

に、信頼性評価及び適応性拡大に関しては、世界をリードする内容が含まれている

ことや、性能劣化に関しては今後の開発に明るい見通しを与えたことから、高く評

価できる。従って、プロジェクト全体として適切な成果が得られたものと言える。

耐久運転試験における電圧低下率の目標は、市場導入を見込んだ適切な設定であ

るものの、未達であったことは残念である。この原因は材料だけでなく、モジュー

ルの構造や運転モードも関係していると考えられるので今後全般的に検討するこ

とが望ましい。その際にモジュール内で温度、ガス組成、電流密度の不均一といっ

た環境因子と劣化を結びつけて検討することにも留意されたい。また、実際の運転

においてコールドスタート・サーマルサイクルにおける劣化現象が重要と考える。

劣化の分類、メカニズム、長期劣化現象との相関など検討すべき課題の抽出が今後

行われることが望ましい。加えて、国際競争力の源となる国際特許が十分出願され

ていないので、その点にも今後留意されたい。

研究成果の公表として、国際的なジャーナルにおいて論文が発表されているなど

十分取り組まれていると言える。成果を分かりやすい形で広く情報発信することも

成果を普及させていく意味でも大切なことであり、今後の努力に期待する。

<肯定的意見>

○ 掲げた目標には到達できていない開発グループがあるが、弁明を信じるとす

れば原因はケアレスミスであると言う。このミスが無ければ目標を達成した

かも知れない。論文発表件数や特許の出願数もまあまあと言える。只、時間

的な原因もあるかと思うが、登録された特許件数は0である。これについて

は、今後も経過を追跡して頂きたい。

○ 本プロジェクトは高温状態に置かれる材料の長期安定性の測定・理解に格段

の進歩をもたらし、今後の材料開発における足場を固め、また、コージェネ

やコンバインドの SOFC システムの実現に向け、数千時間の実証試験に進め

たことは評価できると思われる。

○ 全体として概ね目標を達成したと評価できる。特に長期劣化現象に関する検

討の最初のステップとしては、当初計画を上回る成果といって良い。

○ 要素技術開発に関連する課題は、課題により評価水準が異なるが、概ね優れ

た成果であると判断される。特に、信頼性評価及び適応性拡大の課題には、

世界をリードする内容が含まれており、高く評価できる。また、研究成果の

(27)

公表や知的財産権の取得に関しては、課題によるバラツキはあるものの、非

常に活発であり、将来の事業戦略を十分に配慮していると考えられる。

○ 実験遂行プロセスにおけるトラブルはあるものの、改善すべき点は明白にな

っている。

○ 技術の汎用性については小型から大型まで範囲が広く捉えられているので、

問題はないと思われる。

○ SOFC システムを実際、3000 時間以上作動させ、良かった点、問題点を抽出

できたことは大いに評価できる。

○ 全体の成果としては評価できる。特に性能劣化に対する要素技術開発は今後

の開発に明るい見通しを与えた。システム技術開発では残念ながら現時点で

全ての設定目標を達成できていないが、その原因をある程度絞り込むことが

出来たと判断出来る。

○ 当初、予期していない事象に遭遇しても、柔軟に開発目標を修正しつつ、そ

のトラブルの原因追究が出来たことは、今後の開発に有意義であり評価出来

る。また、耐被毒長寿命化技術開発(九州大学)において、国際的な賞を受

賞出来たことは、大いに評価したい。

<問題点・改善すべき点>

● 目標未達の項目は電圧低下率で、つまり劣化が原因である。これに付いては

材料だけに責任を負わせるのではなく、モジュールの構造や運転の手法も関

係している可能性がある。全般的に見直すべきではないだろうか。

● 国内特許は出願されているが、国際競争力の源となる国際特許が出願されて

いない。経費の面も含め早急に対策を検討されたい。学術的成果も許される

範囲でもっと国際誌に発表して欲しい。

● 実際の運転においてむしろ重要となるコールドスタート・サーマルサイクル

における劣化現象に対する検討が今後必要。劣化の分類、メカニズム、長期

劣化現象との相関など、検討すべき課題の抽出が今後の課題であると考えら

れる。

● コージェネレーションシステム及びコンバインドサイクルの開発に関して

は、プロジェクト実施期間内に事業化目標として掲げられた当初の電圧劣化

率の目標が達成出来たとは言えない。予算的にも中核の開発課題であること

を考慮すると、計画全体として反省すべき内容があり、今後の計画に生かす

べきである。

(28)

● 参画グループの多くは精力的に成果の公表および特許取得がなされている

が、一部のシステム技術開発メーカーに、成果公表が少なく特許取得が皆無

であったことが残念である。

● 個別プロジェクトが小さく分かれすぎてはいないか。テーマと共に、予算も

集中して、国際的に評価を受けるような成果を期待したプロジェクト構成に

すべきではないか。

<その他の意見>

・ 達成目標にはシステム容量など4項目の評価因子が掲げられているが、これ

らを全て同等には評価出来ないように思う。例えば、総合効率より発電効率

の方が SOFC にとっては重要ではないだろうか。

・ 社会科学系のジャーナル等において啓蒙活動を展開してもよいのではない

か。

・ 一般に向けて広く情報発信をしているとは感じられなかった。難しいことを

いかに素人に分かりやすく説明することも、研究開発の成果を普及させてい

く意味でも大切なことである。

(29)

4)実用化、事業化の見通しについて

本プロジェクトで、システムの安定した運転における課題を明らかにしたことは

実用化に向けて一応の評価が出来る。また、要素技術開発においては、実用化、事

業化に必要な課題が取り上げられ、解決に向けた成果が得られていると評価出来

る。加えて、世界的に見ても研究事例の無い成果も含まれており、今後の展開にお

いてわが国の技術が世界を主導することが期待出来る。プロジェクト全体を通し

て、様々な課題の整理の段階にあり、後継プロジェクトも始まることから、実用化

に一歩近づいたと評価したい。

しかしながら、耐久運転試験において、実用化に必要な電圧劣化率の目標達成の

目処が立っていないことから、実用化、事業化の見込みが立つ状況とは言えない。

また、市場参入の際、ガスエンジンやガスタービンといった商業技術との競争上、

コストダウンが重要であるものの、方策として材料の共同購入や耐久性向上などが

言及されただけであり、その他詳細に可能性検討が必要である。耐久性や信頼性が

向上しても、どの分野に適用するのかの目処をつけないと、その市場に見合ったセ

ル・スタック構造の選択、コストも含んだ性能目標値設定が行えず、実現可能性の

判断が難しい。

実用化・事業化までには、まだまだ解決すべき課題と問題点が山積しているが、

SOFC の特性や特徴、市場への適応性などを踏まえつつ、今後取り組まれることが

望ましい。

<肯定的意見>

○ SOFC の実用化や事業化は、開発プロジェクトの最終的な目的であろう。誰が

事業化するか、どんな分野にどんな形で実用化するかなどは、PAFC、PEFC

や MCFC の例もあり、SOFC の性格や適性を見極めて、もう少し時間を掛けた

検討をすべきではなかろうか。

○ 数千時間に及ぶ SOFC のコージェネやコンバインドのサイクルをほぼ目標通

り運転し、高温状態で電気化学的ストレスの掛かる材料の劣化問題を解析・

理解出来るようになったことは、実用化に一歩近づいたと評価したい。

○ 実用化に向けては、様々な課題の(劣化現象やその他の問題)整理の段階に

あり、長期劣化、サーマルサイクル特性の向上に向けた個別対策が今後のプ

ロジェクトとして実施される必要がある。

○ 要素技術開発に関連する課題は、事業化に必要な課題を解決する成果と評価

出来る。これらの成果の中には、世界的に見ても研究事例の無い成果も含ま

(30)

○ 実用化にとって達成すべき点が明確になった。

○ 今期のシステム技術開発において耐久性・信頼性の課題が明確になり、実用

化に必要な技術開発の方向性が見えたと判断出来る。

○ 実用化・事業化までには、まだまだ解決すべき課題と問題点が山積であるが、

着実な前進はしているものと思われる。

<問題点・改善すべき点>

● SOFC システム単機の発電容量をどれ位にするかは大きいポイントになるよ

うに思う。実用初期には大きい容量を狙うより小規模の方が実用化しやすい

が、コスト的にどうなるか。今、市場がある訳ではなく、これから市場を造

っていく訳であるから、現存機器の代替だけを気にする必要は無いと思う。

● SOFC の後継プロジェクトで、更に長時間安定な SOFC 材料とその構成法、機

械的強度や三相界面の安定性の問題などを明らかにし、材料の低コスト化や

起動停止による性能の劣化抑制などと併せ、SOFC 実用化の目処を早い時点で

示して欲しい。

● 本事業の中核であるコージェネレーションシステム及びコンバインドサイ

クルの開発に関しては、プロジェクト実施期間内に事業化目標として掲げら

れた当初の電圧劣化率の目標が達成出来たとは言えず、事業化への工程表を

確立出来たとは言えない。その原因究明による改善技術の開発が妥当である

としても、事業化に必要な実証データの検証が遅れたことは、事業全体の問

題点となっている。

● コストダウンについては材料の共同購入についてのみ言及されていたが、そ

の他の点についても可能性はないのか検討を加えてほしい。

● まず、どこに実用化するのかが、不明であった。

● 耐久性を論じながら、そのための方策が欠如している印象を受けた。

● 導入可能な市場を特定し、その市場に見合ったセル・スタック構造の選択、

コストも含んだ性能目標値設定を行うべきと考える。

● SOFC の適用可能性についてのターゲットが不明確であり、市場の要求する実

情と乖離しているのではないかという印象を持った。

<その他の意見>

・ SOFC プロジェクトはセラミックス材料を扱う。そこで、これまで主として金

属材料を扱って来た重工やプラント、機械のメーカーにも、この材料を従来

以上にファミリアな物にしたと思う。今後、機能性材料として応用する企業

が増加するのではないかと期待される。

・ 外的・内的要因による不純物の各系材間の反応に関して、それぞれの成分に

対する感受性、受容性に関する考え方が整理・提案されると、さらに充実し

(31)

・ なお、3000 時間運転による実証試験が事業終了後も、NEDO 資金により継続

して実施されている点は評価出来るが、事業資金の重複という観点からは諾

否の判断が難しい。なお、3000 時間運転による実証試験が事業終了後も、NEDO

資産を活用し継続して実施されている点は評価出来るが、研究資源の有効性

や効果という観点からは諾否の判断が難しい。

・ 大学が個別企業の技術開発を促進する役割を果たしているとの報告であっ

たが、人材育成という点からもその意義は評価出来る。

・ 平成 20 年度からの新プロジェクトで生まれる成果を、今回の事業にどのよ

うに反映させるのかが、不明であった。

・ 実用化・事業化の道のりは、まだまだ先だと感じたが、国際的な競争環境を

考えると、もう少しスピードアップが必要ではないかと感じた。

(32)

2.個別テーマに関する評価結果

2.1 コージェネレーションシステム技術開発

1)成果に関する評価

4つのタイプの SOFC が並列開発され、自主中間評価で 1 タイプ中断し、耐久運

転試験中に想定外の事態で 1 タイプが終わっていないが、研究開発テーマとしての

SOFC 発電効率とシステム効率の目標はほぼ満足され、セル電圧低下の更なる改善

が残されたものの、SOFC コージェネレーションシステムの実用化へ向けて有効な

成果が得られたと言える。耐久運転試験で起きた現象の原因追及を行い、目処をつ

けるための検討は、非常に高く評価出来る。加えて、検討結果を含め得られた成果

を有効に利用・共有することが重要であり、これも実施されていると評価出来る。

本テーマに取り組んだことから、システム技術、特に耐久性に対する課題を抽出出

来たことで、今後に繋がると考える。

しかしながら、耐久性には起動停止が影響するが本テーマでは設定されていな

い。SOFC の特徴を踏まえつつ、起動停止を頻繁に行う家庭用や民生業務用か、連

続運転が可能な産業用なのかの絞込みが出来ていないためと考える。今後、実用化

を目指す上では分野の想定を行われることが望ましい。また、コストパーフォーマ

ンスに影響する電圧劣化率が挑戦的な目標設定であったことは評価出来るが、達成

出来ていないのは、実用化を目指す上で、問題である。今後解決されることが望ま

しい。

<肯定的意見>

○ 今期の開発では、この分野は目標をクリア出来ていない。しかし各開発グル

ープの貴重な経験にはなったはずである。またシステム技術に関して、まだ

不十分な点があることが判った。

○ 四形式の SOFC が並列開発され、一形式は中間評価で消え、残りの一形式は

長期耐久試験が終わっていないが、目標の SOFC 発電効率とシステム効率は

ほぼ満足され、セル電圧低下の更なる改善が残されたものの、SOFC コージェ

ネの実証へ向けてほぼ目処がついたと言えよう。

○ 成果は本来の目標をクリアしていると判断される。個別の成果では、(6-1-1)、

(6-1-5)の事故原因解明に向けた検討は、非常に高く評価出来る。得られた

成果を有効に利用・共有することが重要であり、これも充分に実施されてい

ると評価出来る。

○ 当初の課題の内、2課題については耐久性以外の点では目標を達成している。

また、中間評価において、目標の達成が困難な課題を中止したことは、技術

委員会の活動を含めて評価出来る。

○ 各グループの異なる技術を同時並行で走らせている点で、トラブルに直面し

ているケースもあるが、プラスの効果が働いたと解釈出来る。

参照

関連したドキュメント

平成 26 年の方針策定から 10 年後となる令和6年度に、来遊個体群の個体数が現在の水

北海道の来遊量について先ほどご説明がありましたが、今年も 2000 万尾を下回る見 込みとなっています。平成 16 年、2004

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に

〒020-0832 岩手県盛岡市東見前 3-10-2

(1) 会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)に基づき更生手続開始の申立がなされている者又は 民事再生法(平成 11 年法律第

ハンドルを回し、チョウセツバネをたわ ませるとダイヤフラムが湾曲し、Pベン

一方、介護保険法においては、各市町村に設置される地域包括支援センターにおけ

①Lyra 30 Fund LPへ出資 – 事業創出に向けた投資戦略 - 今期重点施策 ③将来性のある事業の厳選.