海外の博物館との比較
文化庁による『国立文化施設等に関する検討会』(第1回:(平成22年9月24日))配布資料「18.諸外国の国立文化施設等の概要」から作成
0 200 400 600 800 1,000
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
入館者
0 100 200 300
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
学芸員数
0 20 40 60 80
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
展示面積
0 200 400 600 800 1,000
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
展示面積/学芸員
0 20 40 60 80
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
入館者数/学芸員
0 100 200 300 400
大阪市美
東京国博
韓国中央
ルーブル
大英博物館
運営費
(単位:百万人) (単位:千㎡) (単位:人)
(単位:千人) (単位:㎡) (単位:億円)
海外の博物館との比較
文化庁による『国立文化施設等に関する検討会』(第1回:(平成22年9月24日))配布資料「18.諸外国の国立文化施設等の概要」に加筆
日本 英国 仏国 韓国 (参考)中国
大阪
市立美術館
東京
国立博物館 大英博物館
ルーブル
美術館
国立
中央博物館 国家博物館
学芸員(人) 8 53 250 150 76 320
入館者数(万人) 57 176 600 約846 約228 閉館中
学芸員一人当たりの入館者数(万人) 7.2 3.3 2.4 約5.6 約3 ー
建築面積(延面積)(㎡) 17,611 71,642 約130,000 ? 約49,000 約192,000
展示面積(㎡) 6,680 18,536 約57,000 約61,000 約27,000 約65,000
学芸員一人当たりの展示面積(㎡) 835 350 約230 約410 約360 約200
収蔵品数 7,881件 113,897件 約800万点 約35万点 約14万点 約61万件
学芸員一人当たりの収蔵品数 985件 2,149件 約32,000点 約2300点 約1,800点 約1,900件
運営費 4.5億円 22億円 約99億円 約337億円 約66億円 ー
自己収入割合 33% 35% 40% 43% 5% ー
基本思想
1.グレートリセット
• 3館の役割や機能の分担について、過去にこだわらず柔軟に考える
たとえば、3館が独自に集めてきたコレクションについて、市立美術館の近代画は新美術館で、また、新美術館の近世以
前の作品は市立美術館で、東洋陶磁美術館の中国関係の拓本類は市立美術館でなど、個々の作品にふさわしい場所
で活用すべき
• 単館完結型を捨て、役割分担(研究、収蔵、企画など)と一体経営という発想
これまでの「それぞれの館で必要な機能を備える」という発想を転換し、収蔵場所、修復施設・設備、書籍などは3館での
共有や相互利用を行い、施設の効率的・効果的な活用を図るべき
• 庭や建物との一体感、サービス部門、商業施設との融合など顧客(利用者)の視点で
美術館を単体の施設(建物)として「管理」する発想を捨て、顧客の視点で、周辺の資源との一体活用や民間との連携な
どを積極的に進める
2.経営統合
• 企画一元化、共通入場料など
特別展や企画展について、「3館」トータルで一元的に計画・立案するとともに、共通券や全館年間パスの販売をする
• 事務部門の統合・合理化や資金の有効活用など
会計や給与システムの一元化やオンライン化など事務部門の統合と合理化を図るとともに、一括発注や資金の融通など、
3館一体経営のメリットを最大限に発揮すべき
• 学芸のチームワークを発揮
学芸人材についても、現状で専門分野や資料にも重複や不足があることから、個々の館を超え、適材適所の配置を行う
企画の一元化等においても、複数の館の学芸員が結集し、組織力を活かした事業を展開する
基本思想
3.各館の特徴発揮
• 市立美術館は、関西・大阪の財界人のコレクションを基礎に、今後も『大阪の町衆が作りあげたコレクション』というコン
セプトのもと、わが国やアジアの古美術の収集・展示・継承に努めるべきである。また、近代建築としての価値を有する
現在の建物を再生し、隣接する慶沢園とともに活用する。これらを通じて、「大阪の伝統・文化の継承装置」としての役
割を果たし、引き続き広く市民に愛され、市民が集う美術館をめざすべき
• 新美術館は、佐伯祐三や吉原治良、大阪画壇など『大阪が育んだクリエイターのコレクション』をコンセプトに、作家ゆ
かりの土地で、その他欧米の作品を含め、近現代美術に特化した美術館として整備すべきである。また、施設の性格や
中之島4丁目という土地柄を考慮した建物を建設し、「新しい大阪の代表スポット」をめざすべき
• 東洋陶磁美術館は、コレクションの核をなす中国・韓国の陶磁器を中心に、『大阪に集まったアジアの遺産』というコン
セプトのもと、中之島の一等地に立地する利点を活かし、天王寺の市立美術館とも連携して、アジアの陶磁器に関する
情報発信拠点をめざすべき
4.あらゆるレベルでの民間活用
• 顧客目線を持った民間人の採用
従来の役所による管理から脱却し、サービス業としての再出発をはかるため、民間人を積極的に採用する
• 徹底した外注や民間提案の積極的活用
接客や警備はもとより、レストランやカフェ、ショップの運営などのサービス部門での民間活用は当然。それにとどまらず
今回は建物の設計・施工・企画運営の全てをトータルで民間公募に出し徹底した民間活用を図る
1.現行の新美計画や、天王寺の現状に共通する最大の弱点は、市民サービスの視点の欠如
課題と改善の方法
施設 案内・サイン 展示 サービス
トイレが古く汚い 駅から遠い ガラスのキズ、汚れ ミュージアムショップの品揃えを
充実
洋式トイレ不足、ウォシュレット化 天王寺ゲートから先が判りづらい 室内が暗い ミュージアムショップを華やかに
バリアフリーの徹底 園内(ゲートから先)が怖い 解説文を平易に ミュージアムショップのみの利用
を可とする
床のきしみ 市内での看板設置 解説文の文字を大きく レストランのメニューが貧弱
休憩場所を増やす 駅での看板設置 展示解説に鑑賞ポイントを明記 レストランがわかりづらい
休憩用の椅子の追加 公園入口での明確な案内 常設展の充実 レストランの整備・充実
空調能力不足 会場までの距離を明示する 常設展を安価に カフェを綺麗に
動物園側からは階段が多い 会場への目立つ、見やすい看板 展示場から外の景色が見たい 開館延長日を設ける
館内での大きな時計の設置 看板等の表示を大きく 音声ガイドの無料化
アンケート記載台の不備 チケットの購入方法
仮置き机の不足 ゲートで買ったチケットの会場入口での交換トラブル
①天王寺の課題(利用者の声から)
施設の老朽化、公園ゲートと美術館入口が異なる、サインの不足、サービス部門の貧弱さの改善が急務
②新美術館計画の課題
• レストランが無く、カフェ(95㎡)、ミュージアムショップ(56㎡)を含むサービスエリアは151㎡に過ぎない
• 市民向けギャラリーや講堂は設置しない
• 現行計画は昔ながらの役所主体の設計、施工のプロセス。利用者、運営の視点が弱い
• 発注方式も含めサービス重視の観点から、全面的に見直すべき
2.サービス充実を低コストで実現するためには天王寺本館に隣接してサービスWINGを建設するべき
• 天王寺本館は現状を活かして修復・再生をめざすため、併設するかたちでサービスWING(新棟)を増設。イベント教
育室(講堂)、展望レストラン、カフェ、売店、ライブラリー等を入れ、サービス機能を充実させる
• 本館地下のレストランや事務室機能等をサービスWINGへ移し、空いた場所は収蔵庫の拡張に充て、新美コレクショ
ンを収蔵する
• 新美術館のコレクション展示(常設展示)は、適宜、移し替え、必要な時期に展示替を行う
• 一方、中之島については収蔵庫相当部分を削減し、サービス部門に充当する。経費面でも、機能面でも合理的
3.投資について
• サービスWINGのコストは、中之島の建設費を民間主体の設計・施工を公募して採用することも含めて捻出する
• 一方、天王寺本館は慶沢園とともに貴重な文化遺産。「美術館の予算」という枠を超えて、公園整備や文化財の保
存・活用の観点からも投資を考える
• 耐震と復元には募金も検討する
4.3館の経営は一体化した上で、設計・施工・企画・運営の全てに民間ノウハウを入れる
• 天王寺本館、東洋陶磁館、中之島新館は、役割や機能分担は行うが、基本は一体運営(94頁上図)
• 中之島もサービスWINGも設計施工(デザイン・ビルド方式)コンペを採用
• 即ち、レストランやカフェの仕様や企画・集客プランも民間設計
課題と改善の方法
課題と改善の方法
設 計
施 工
企画・集客
レストラン・カフェ
メンテナンス
DB一括コンペ
設計(役所)
施工(業者)
企画・集客
レストラン・カフェ
メンテナンス
公益財団
【従来】
【新方式】
別発注
その他、受付や警備は既
に、財団から民間へ発注
DB(デザイン・ビルド)
一括コンペとは
DBとは、施設の設計(デザイ
ン)から施工(ビルド)までを
一括して発注する手法。
さらに今回は、レストランやカ
フェの仕様から運営、建物の
メンテナンスまでを含めた幅
広い業務について、総合的
な一括提案(コンペ)を想定。
建設工期の短縮だけでなく、
カフェ、レストランでは将来の
営業形態を想定した自由な
設計ができるなど、従来の公
共工事発注とは異なる効果
が期待できる。
一体的運営と機能分担
②専門型-1案 ②専門型-2案 ②専門型-3案
収蔵 常設展 特別展 職員 収蔵 常設展 特別展 職員 収蔵 常設展 特別展 職員
中 之 島 1
( 東 陶 )
中 之 島 4
( 新 美 )
天 王 寺
( 市 美 )
東陶 東陶
東陶
東陶 東陶
東陶
東陶
新美 新美
新美
新美
市美 市美
市美
市美
市美 市美
市美
東陶
新美
東陶
新美
新美
市美
新美
市美
一
体
的
配
置
一
体
的
配
置
一
体
的
配
置
大 阪 美 術 館
『大阪に集積したアジアの至宝』
中国・朝鮮陶磁の至宝
【東洋陶磁館】
『大阪の町衆が作りあげたコレクション』
日本・東アジアの古美術
【天王寺本館】
『大阪が育んだ作家のコレクション』
大阪と世界の近現代美術
【中之島新館】
人・作品 人・作品
新美