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非鉄金属市況と需給動向平成30年9月レビュー

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(1)

非鉄金属市況と需給動向

平成30年9月(銅、亜鉛、ニッケル、金・白金)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っ てはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執

(2)

非鉄金属市況と需給動向

■LME価格

① 継続する貿易摩擦問題:3日、5,951.0US$/tで開始。8月30日にトランプ米大統領 が中国に対する対中関税のパブリックコメント終了後第3弾の対中関税発動を検討し ているとの報道が圧迫材料となり、4日5,823.0US$/tに落ち込んだ。その後、ドル 安、LME在庫の減少から価格が上昇するも再び5,840.5US$/t(10日)にまで下落し た。 ② 米による2,000億US$規模の対中追加関税発動の表明:中旬は、米政権が中国に対 して貿易摩擦緩和のための閣僚級協議の再開を提案したとの報道を受け、貿易摩擦 懸念緩和への期待から、価格が上昇したが(13日5,991.0US$/t)、17日に米政権 が2,000億US$規模の中国製品に対する第3弾の追加関税発動の発表するという報道 を受け再び下落した(17日5,860.0US$/t)。 ③ 第3弾の追加完全税措置の内容は予想以下:しかしながら、米政権が新たに第3弾の 対中追加関税措置を24日に発動すると発表したものの、措置の内容が10%と市場の 予測より厳しくなかったこと、ドル安傾向、LME在庫が減少傾向にあることから 6,320.0US$/tにまで上昇した(24日)。その後、26日の米連邦準備制度理事会で の利上げ決定によるドル高の影響で下落傾向となる。6,180.0US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際銅研究会(ICSG)(秋季)予測は2018年9.2万tの供給不足、2019年は6.5万tの供 給不足。また、2017年は26.1万tの供給不足と発表。

✍ 露Baikal Mining 社、埋蔵量26.7百万tのUdokan鉱山製錬所開発に着手(2018年9 月4日)。中国紫金鉱業社、セルビアと戦略的協力協議を締結。セルビア国有銅鉱 山・製錬企業RTB Bor社の持ち分67%確保予定(同年9月17日)。

(出典:ICSG) 当該期間の値動き LME価格(US$/t) LME在庫(千t) 銅地金の需給バランスと在庫の動き

米中貿易摩擦やドルの動きに左右されるも、在庫の減少が価格を下支えし上昇傾向

180 200 220 240 260 280 5,400 5,600 5,800 6,000 6,200 6,400 9 /3 9/4 9/5 9/6 9/7 9 /1 0 9 /1 1 9 /1 2 9 /1 3 9 /1 4 9 /1 7 9 /1 8 9 /1 9 9 /2 0 9 /2 1 9 /2 4 9 /2 5 9 /2 6 9 /2 7 9 /2 8 LME在庫 LME価格

(3)

非鉄金属市況と需給動向

亜鉛

■LME価格

① 米中貿易摩擦懸念が圧迫:当該期間は2,475.0US$/tでスタート。8月の米国の対中 追加関税発動による米中貿易摩擦懸念で軟調な値動きを辿った。9月中旬には、米中 間で閣僚級協議再開に向けた調整が進んでいるとの報を受け懸念緩和ムードが広がっ たものの、17日にはトランプ米大統領が中国に対して2,000億US$分の品目が対象の 追加関税発表を受け、2,287.0US$/tとなり2016年10月以来の安値へ下落した。 ② 銅価格上昇を好感:18日、LME銅価格は在庫の大幅減や米国株価高・原油高を支援 材料に前日比2.5%上昇した。亜鉛も銅価格上昇を好感し上昇傾向に転じた。その後 も在庫減や国際鉛亜鉛研究会発表の統計で1月から7月の鉱石生産が前年同期比2%減 の7.1百万tだったことから供給不足が意識され、価格は堅調な値動きを辿り、24日 には2,531.0US$/tと2,500US$/t台を回復した。 ③ 中国上海在庫が約11年ぶりの低水準:8月後半はドル高が進み、非鉄相場は全面的に 弱含んだものの、亜鉛については中国上海在庫(SHFE在庫)が3万tを下回る約11年 ぶりの低水準に減少したことに下支えされた。小幅に続伸し、2,573.0US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)(秋季)の予測では2018年は322千tの供給不足、2019年 は72千tの供給不足。

✍ 主要鉱山操業状況:New Century Resources社は豪・Century鉱山の尾鉱からの亜 鉛生産プロジェクトの開始を発表。生産能力は年産264千tとなる見通し。(2018 年8月9日)。中国・紫金砿業集団(Zijin Mining)は、エリトリア・Bisha鉱山等を 有する加・Nevsun Resourcesの買収を発表(同9月6日) 当該期間の値動き LME価格(US$/t) LME在庫(千t) SHFE在庫(千t) SHFE在庫の推移 (2017年10月~2018年9月)

米中貿易摩擦懸念で2016年10月以来の2,200US$/t台、在庫減が価格下支え

150 200 250 300 350 2,000 2,200 2,400 2,600 2,800 3,000 9 /3 9 /4 9 /5 9 /6 9 /7 9 /1 0 9 /1 1 9 /1 2 9 /1 3 9 /1 4 9 /1 7 9 /1 8 9 /1 9 9 /2 0 9 /2 1 9 /2 4 9 /2 5 9 /2 6 9 /2 7 9 /2 8 LME在庫 LME価格 0 50 100 150 200 2017 年 10 月 2017 年 11 月 2017 年 12 月 2018 年 1 月 2018 年 2 月 2018 年 3 月 2018 年 4 月 2018 年 5 月 2018 年 6 月 2018 年 7 月 2018 年 8 月 2018 年 9 月

(4)

非鉄金属市況と需給動向

ニッケル

■LME価格

① 米中貿易摩擦と新興国経済減速への懸念:1日、12,670.0US$/tで開始。米中貿易摩 擦や新興国経済減速への懸念、ドル高により、約8か月振りの安値(10日 12,205.0US$/t)となる。 ② 第3弾の追加関税発動を表明:中旬は、米政権が中国に対して貿易摩擦緩和のための 閣僚級協議の再開を提案したとの報道を受け、13日には12,615.0US$/tにまで回復 したが、トランプ政権が2,000億US$規模の中国製品に対する追加関税発動するとの 表明を受け再び下落した(17日12,235.0US$/t)。 ③ 第3弾の追加完全税措置の内容は予想以下:下旬は、米政権が新たに第3弾の対中追 加関税措置を24日に発動すると発表したものの、追加関税措置の内容が10%と予想 以下の設定だったことで下落材料とはならず、ドル安傾向、LME在庫が減少傾向に あることから、上昇した(21日12,980.0US$/t)。26日の米連邦準備制度理事会 (FRB)を控え、市場は様子見モードとなったが、FRBの利上げ決定によるドル高の 影響で下落傾向となる。12,480.0US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際ニッケル研究会(INSG)(秋季)予測では2018年は14.6万tの供給不足、2018年 は3.3万tの供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:Independence Group社は豪Long鉱山について2018年6月から保 存整備状態に入ると発表(2018年1月31日)。Dundas Mining社は豪Avebury鉱山の 2019年1月再開計画を発表(同7月11日)。SLN社はニューカレドニア・Kouaoua鉱山 の操業の無期限休止を発表(同8月14日)。フィリピン環境天然資源省鉱山地質局によ ると、2018年上期ニッケル精鉱生産は前年同期比9.7%減の943万t(同9月6日)。 需給バランス LME価格(US$/t) LME在庫(千t) (出典:INSG) 需給バランス(千t) 当該期間の値動き

LME在庫の減少傾向が続く中、米中貿易摩擦の動向やドルの動きに左右された値動き

180 200 220 240 260 280 300 11,500 12,000 12,500 13,000 13,500 9 /3 9 /4 9 /5 9 /6 9 /7 9 /1 0 9 /1 1 9 /1 2 9 /1 3 9 /1 4 9 /1 7 9 /1 8 9 /1 9 9 /2 0 9 /2 1 9 /2 4 9 /2 5 9 /2 6 9 /2 7 9 /2 8 LME在庫 LME価格

(5)

非鉄金属市況と需給動向

金・プラチナ・パラジウム

当該期間の値動き (AM/PM平均価格) (US$/oz) ユーロに対する為替の値動き (米ドル・南アランド) (US$/€) (R/€)

貿易摩擦懸念やドル高が価格を圧迫、パラジウムはガソリン車向け需要拡大期待で上伸。

■金

① ドル高による割高感でジリ安:当該期間1,200.9US$/ozでスタート。米中貿易摩擦に 対するリスク回避や米国経済指標が景気拡大を示したことでドル高が進み、金は割高感 に圧迫され軟調に推移した。12日、トランプ米政権が貿易摩擦緩和に向け、閣僚級協 議開催を中国に提案したとの報が流れ、また8月の米国消費者物価指数(CPI)の結果 が市場予想を下回ったことでドル安に振れたことで金は買い戻され価格は上昇した。 ② インドの関税引き上げ、需要低迷懸念:9月下旬には、25~26日開催のFOMCで利上げ が発表されるとの期待から様子見相場となり軟調な値動きに転じた。その後、市場の予 想通りFRBが政策金利を引き上げたことやイタリア財政不安で急なドル高となり圧迫さ れた。また26日には金の主要消費国であるインド政府が貴金属製品の輸入関税を引き 上げし、同国金需要が冷え込むとの見通しが広がった。1,185.4US$/ozで越月した。

■プラチナ・パラジウム

① プラチナ:当該期間787.5US$/ozでスタート。月初はドル高傾向を嫌気したものの、 南ア・ランド高に振れたことから供給引き締まりが意識され価格は上昇傾向を辿り、ま た9月半ば以降はドル安が進んだことから割安感で買われた。26日以降はドル高傾向で 軟調な値動きに転じ、813.0US$/ozで越月した。 ② パラジウム:当該期間982.5US$/ozでスタート、ガソリン車向け廃ガス触媒等の産業 用途が8割を占めるパラジウムは、米中貿易摩擦等を要因とした世界経済不安により 980US$/oz前後で横ばいに推移。19日発表の8月欧州自動車販売が対前年同月比30% 増と急進し、パラジウムの旺盛な需要が意識され、またその後もドル安傾向による割安

感から上昇傾向を辿り、1,090.0US$/ozで越月した。 (European Central Bank)

700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 9 /3 9 /4 9 /5 9 /6 9 /7 9 /1 0 9 /1 1 9 /1 2 9 /1 3 9 /1 4 9 /1 7 9 /1 8 9 /1 9 9 /2 0 9 /2 1 9 /2 4 9 /2 5 9 /2 6 9 /2 7 9 /2 8 プラチナ パラジウム 金 15.0 16.0 17.0 18.0 1.10 1.12 1.14 1.16 1.18 1.20 9 /3 9/5 9/7 9/9 9 /1 1 9 /1 3 9 /1 5 9 /1 7 9 /1 9 9 /2 1 9 /2 3 9 /2 5 9 /2 7 USD ZAR 外貨高・ユーロ安

(6)

非鉄金属市況と需給動向 米国経済 9月の製造業PMIの確定値は55.6(前月:54.7)と上昇した。10/5労働省発表の9月非農業部門雇用者数は前月比+13.4万人(前月:+20.1 万人)と市場予想の18.5万人増を下回った。失業率は3.7%(前月:3.9%)と1969年12月以来の低水準。 中国経済 9月製造業PMIは、国家統計局発表が50.8(前月:51.3)、財新発表の速報値は50.0(前月:50.6)とともに低下した。 欧州経済 9月製造業PMIは、確定値53.3(前月:54.6)と低下した。 (JOGMEC作成)

(参考)

亜鉛 ニッケル プラチナ パラジウム

LME現物 LME現物 LME現物 AM・PM平均 AM・PM平均 AM・PM平均 (US$/t) (US$/t) (US$/t) (US$/oz) (US$/oz) (US$/oz) 本報告期 期 初 5,951.0 2,475.0 12,670.0 1,200.9 787.5 982.5 期 末 6,180.0 2,573.0 12,480.0 1,185.4 813.0 1090.0 最高値 6,320.0 2,573.0 12,980.0 1,208.2 833.5 1090.0 9月24日 9月28日 9月24日 9月13日 9月21日 9月28日 最安値 5,823.0 2,287.0 12,205.0 1,185.4 774.5 966.5 9月4日 9月17日 9月10日 9月28日 9月5日 9月4日 平 均 6,020.0 2,433.2 12,527.3 1,198.8 804.3 1,011.0 先物 (9月28日) 3か月 6,180.0 2,537.0 12,600.0 - - - Dec 1 6,195.0 2,482.0 12,910.0 - - - Dec 2 6,210.0 2,418.0 13,105.0 - - - 2018年 期 初 7,181.0 3,377.0 12,690.0 1,312.4 936.5 1,079.0 (当年) 期 末 6,180.0 2,573.0 12,480.0 1,185.4 813.0 1090.0 最高値 7,262.5 3,618.0 15,750.0 1,357.6 1,020.0 1,128.5 6月8日 2月16日 6月7日 1月25日 1月25日 1月15日 最安値 5,823.0 2,287.0 12,205.0 1,177.6 774.5 869.5 9月4日 9月17日 9月10日 8月17日 9月5日 8月15日 平 均 6,644.5 3,023.4 13,666.1 1,291.6 906.9 993.5 主要非鉄金属の価格推移 (2003年5月=1) 製造業購買担当者景況指数(PMI) 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 9 10 11 12 2 0 1 8 /1 2 3 4 5 6 7 8 9 欧州 米国 中国(国家統計局) 中国(財新)

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