呼吸のしくみ
千葉科学大学 薬学部 照井 祐介
がん 28% 心疾患 16% 肺炎 10% 脳血管疾患 9% 老衰 5% その他 31%
全国と銚子市の死亡原因比較
出典:厚生労働省 人口動態統計 H24 全国 約125万人 銚子市 約1,000人 がん 30% 心疾患 15% 脳血管 疾患 13% 肺炎 11% 老衰 5% その他 26% 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 1.3% 3.6%世界のCOPD患者
出典:COPD.jp
世界的に、COPDに対する取り組みが 急務となっている。
呼吸とは?
呼吸 外呼吸 内呼吸 (細胞内:好気呼吸、嫌気呼吸) 胸腔の容積増減により、 肺の容積も増減する。 横隔膜(ハラミ)収縮による 空気の出し入れ = 腹式呼吸 肋間筋(カルビ)収縮による 空気の出し入れ = 胸式呼吸呼吸の概念
グルコース + 酸素 → エネルギー + 水 + 二酸化炭素 二酸化炭素 + 水 → 炭酸 → 水素イオン + 重炭酸イオン (CO2) (H2O) (H2CO3) (H+) (HCO 3- ) 肺で排泄 腎臓で排泄 窒素 N2 79% 酸素 O2 21% 二酸化炭素 CO2 (ごくわずか) 空気の成分O
2CO
2 酸素を吸う 二酸化炭素を 吐く栄養素
⇒生命維持に必要な物質(栄養素)を摂取し利用する。
糖質・脂質・蛋白質(三大栄養素)の代謝
⇒三大栄養素は互いに変換(分解)されて利用され、最終的にエネルギ―(大量のATP)が生産される。
細胞の始まり
海水 K+ Na+ Na+ 細胞膜 最初の生物 K+ Na+ 心臓 細胞外液 細胞外液 皮膚 血液 細胞内液 細胞 陸に上がる 多細胞 生物へ ⇒細胞の周りには常に海水があります。それが細胞外液です。 ⇒循環専用の細胞外液が血液です。K+ Na+ 細胞外液 細胞内液
濃
薄
破裂
!!
水多い → 水少ない 均一化 出典:たばこと塩の博物館塩
Na + Cl -ナトリウムイオン 塩化物イオン細胞はつねに危機状態!?
K+ Na+ 細胞外液 細胞内液 Na+ Na+ (細胞膜にある出入り口) Na-K交換ポンプ Na+3つを外に運び出す一方、K+2つを 中に入れる。 ATPのエネルギーが必要!!1. 筋収縮 2. 能動輸送 3. 物質の合成 O A HO OH P P P ATP エネルギー O A HO OH P P ADP エネルギー
生命活動はATPのエネルギーによって
おこなわれている!
糖質・脂質・蛋白質(三大栄養素)の代謝
⇒三大栄養素は互いに変換(分解)されて利用され、 最終的にエネルギ―(大量のATP)が生産される。 酸素が必要! 異化:高分子を単純な分子に分解してエネルギーを産生する。 同化:エネルギーを消費して生体物質を合成する。内呼吸とは?
(1)嫌気的解糖系(酸素を使わない) たき木 すぐに火がつく 燃えカス(乳酸) (2)TCAサイクル・酸化的リン酸化(酸素を使う) 木炭 なかなか火がつかない じっくりと燃える わずかな灰 (CO2)肺の機能
肺の機能
気管支 肺胞 ① 換気 血管 ② O2とCO2 の交換 ①空気の入れ換え ②肺胞における空気と 血流の間で酸素・二 酸化炭素の受け渡し ➂血流の分布 ③血流肺の機能
➂ 血流 血管 ② O2とCO2 の交換 毛細血管上皮 血漿 赤血球膜 O2 Hb O2 CO2 肺胞上皮 気管支 肺胞 ① 換気 間質呼吸器系疾患
毛細血管上皮 血漿 赤血球膜 O2 Hb O2 CO2 肺胞上皮 間質 COPD 肺水腫 間質性肺炎 肺血栓 塞栓症 1. COPD (慢性閉塞性肺疾患) 2. 気管支ぜん息 3. 肺炎 (肺胞性、間質性)呼吸器系疾患
閉塞性換気障害: 息が吐きにくくなる。 (気道が狭くなる。) COPD、ぜん息 拘束性換気障害: 息が吸いにくくなる。 (肺が広がらない。) 肺炎、肺結核 へいそくせい こうそくせいスパイログラム :呼吸機能検査(スパイロメトリー)により得られた呼吸曲線 最大吸気位 肺容積の変化 肺活量 吸気 呼気 最大呼気位
呼吸機能検査
出典:土井医院努力性呼出曲線:最大吸気位から一気に呼出して得られる曲線 努力性 肺活量 1秒 1秒量 1秒量:最初の1秒間に吐き出せる息の量 思いっきり 息を吸い 一気に吐き 出す。 努力性 肺活量 1秒量 X 100 1秒率 =
肺機能の指標
70%以下で閉塞性障害:COPD ぜん息 出典:病気がみえる vol.4COPD
質問表
質問 選択肢 ポイント 1 あなたの年齢はいくつですか? ・40~49歳 ・50~59歳 ・60~69歳 ・70歳以上 0 4 8 10 2 1日に何本ぐらいタバコを吸いますか?今は 禁煙しているなら以前は何本ぐらい吸ってい ましたか?合計すると何年ぐらいタバコを吸 いましたか? (1日の本数×年数) ・0~299 ・300~499 ・500~999 ・1000以上 0 2 3 7 3 あなたの体重は何Kgですか?あなたの身長は何cmですか? BMI<25.4BMI<25.4~29.7 BMI>29.7 5 1 0 4 天候により、咳がひどくなることがありますか? ・はい、天候によりひどくなることが あります。 ・いいえ、天候は関係ありません ・咳はでません 3 0 0 5 風邪をひいていないのに、痰が絡むことがありますか? ・はい・いいえ 30 6 朝起きてすぐに、痰が絡むことがよくありますか? ・はい・いいえ 30 7 喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)がよくありますか? ・いいえありません・時々もしくはよくあります 04 8 今現在(もしくは今まで)アレルギーの症状はありますか? ・はい・いいえ 03 BMI = 体重(kg)/身長(m)2 出典:IPAG診断17ポイント以上 COPDの可能性が考えられます。 スパイロ検査(気管支拡張薬吸 入後の1秒率測定を含む)や身 体診察などによってCOPDの診 断を確定する必要があります。 16ポイント以下 COPDの可能性は低いと考えら れます。
COPD評価表
出典:IPAG診断C: Chronic 慢性 O: Obstructive 閉塞性 P: Pulmonary 肺 D: Disease 疾患 1.状況 ・COPDは別名タバコ病といわれる。 ・長期間にわたる喫煙習慣が主な原因から 肺の生活習慣病といわれる。 (患者の90%以上は喫煙者)
COPDとは?
COPDとは?
2. 原因 長期間にわたる喫煙習慣(現在割合は15~20%) 大気汚染、職業的な塵埃 3. 症状 慢性気管支炎、肺気腫 慢性的な咳、たん、労作時呼吸困難(息苦しい) ビア樽状胸郭、口すぼめ呼吸 進行すると二度と治りません!気管支が細くなる 長年にわたり有害物質やガスを吸い込む 肺や気管(気管支)に慢性的な炎症が起こる 肺胞が壊れる 肺への空気の出し入れが悪くなる
老化
息切れ
原因の90%はタバコ 息が吐けなくなります!COPDの合併症
COPD 慢性呼吸不全 ・低酸素血症 ・高二酸化炭素血症 骨祖しょう症 肺高血圧症 右心不全 ・睡眠時の呼吸障害 ・倦怠感 ・疲労感 ・頭痛 ・手足の冷え 脳血管障害 消化性潰瘍 筋力低下 やせ 不眠 抑うつ 肺がん4. 治療と予防 ・禁煙 (禁煙外来を受診しましょう。) 長期にわたる喫煙者のうち7人に1人がCOPDになると言われている。 ・健康な人より多くのカロリーを摂りましょう。 特に良質なたんぱく質をたくさん摂取するように心掛ける。 ・かぜ、インフルエンザにかからないように 注意しましょう。 人ごみを避け、帰宅したら手洗い・うがいを忘れずに行う。
COPDとは?
解答 GOLD調べ
喫煙のリスクと禁煙の効果
・肺機能は加齢とともに低下するが、喫煙者では非喫煙者に比べて 低下速度が大きい。 ・禁煙はCOPD発症のリスクを減らし、進行を遅くする最も効果的で 経済的な治療法である。 不自由な生活 死亡気管支ぜん息とは?
1. 状況 ほとんどが小児期(5歳未満)に発症するアトピー型 成人(40歳以上)に発症する非アトピー型 2. 原因 アレルギーの原因となる物質に対するアレルギー反応 → 気道の慢性炎症(粘膜のむくみ) ⇒ 気管支が狭くなる。 ⇒ 気道が過敏になる。気管支ぜん息発作と気管支
正常時 気管支 筋肉 <気管支の断面図> 気管支内層 筋肉 粘液 繊毛上皮 気管支(口腔)拡張 喘息発作時 外側の筋肉が収縮 内層の浮腫 粘液のヒダ状隆起 粘液の過分泌 (腔内充満)出典:病気がみえる vol.4 3. 症状 激しい咳、たん、発作 (就寝時・夜間に多い。) 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューと音のする呼吸)
気管支ぜん息とは?
ぜんめい4. 治療と予防 長期管理薬の使用 ・吸入ステロイド薬 (炎症を抑えて根本的に治療) ・抗アレルギー薬 (体内のアレルギー反応を抑える) 発作治療薬の使用 ・気管支拡張薬 (気道を広げて呼吸を楽にする) アレルギーの原因の除去 (ダニ・ハウスダスト対策) ・こまめな掃除・換気をする。 ・タバコの煙は避ける。ペットを飼うのを控える。
気管支ぜん息とは?
命令の伝達方法
サイトカイン ホルモン 神経伝達
①
②
➂
Y
Y
アレルギーを抑える方法
Y
マスト細胞Y
アレルゲン アレルギーの 原因となる物質 IgE(アンテナ) ● 脱顆粒 (ヒスタミン) ● ● ● ● ● ● ● ● H1受容体炎症
抗アレルギー薬 <合成抑制> <遊離抑制> <受容体拮抗>肺炎とは?
1. 状況 日本人の死因の第3位を占めます。 (死亡者の95%以上が65歳以上の高齢者です。) 喫煙している人は、していない人の2倍罹りやすい。 (肺炎の場合、死亡する確率が1.2~1.6倍高くなる。) 2. 原因 原因菌で最も頻度が高いのが肺炎球菌です。 細菌性、ウイルス性、原因不明など様々肺胞性肺炎 間質性肺炎