OPACの革新を進めて
農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波事務所研究情報課 (農林水産研究情報総合センター) 林 賢紀 [email protected] 平成21年度東北大学附属図書館職員総合研修会(2) 平成22年1月15日(金)15:05-16:15 東北大学附属図書館2号館4階会議室1. 農林水産研究情報総合センターが
目指すOPACの革新
従来のOPACの枠を超えたサービス基盤の形成
既存のインターフェースに依存しない検索
再活用可能な形式での書誌情報の出力
「どこへでも」 「どこからでも」書誌データを引き出し
利用できるシステムを構築
目録検索サービスを「データプロバイダ」へ
なぜ我々はOPACに注力するのか
「利用者のためのシステム」でありたいから
システムの予算費目は「研究支援のための」電子
計算機賃貸借料
スパコンから電子メール、ネットワークインフラまで包 括したシステムの一部。図書館業務システムだけで はない 利用者認証など共通的に利用できる機能は仕様を 統一目録入力による所蔵情報共有も研究支援の手段
新技術の投入を躊躇しない
まずは情報収集
カレントアウェアネス 各種メーリングリスト 図書館以外のIT技術の動向も把握使えそうな技術は試す
内部の情報共有を兼ねる 試行的なシステム構築やトライアルは随時行う新たな知見と中間評価による利用者の意見など
も踏まえてシステム更新を行う
(4年に一度、次回は2012年)
業務系システムの経過
目的 総合目録の作成と電子化 研究所間での業務共通化 経過 1996年に導入、サーバは筑波に設置 (既製品でなくカスタムメイド。現在まで同一システム。) 各研究所の実情にあわせ順次機能を拡大 2000年よりWeb でのILL受付、OPAC公開 以後は4年ごとに小改良 結果 「農林水産関係試験研究機関総合目録」の作成と提供 農林水産省関係独立行政法人の全国60ヶ所の研究拠点の図 書関連業務を共通化業務系システムの現状
図書:約100万件(書誌)、120万冊(所蔵)
雑誌:約15万タイトル、263万冊
ILL:複写13,000件、貸借1,600件
業務システムとして24時間365日安定稼働
業務システムのコンソーシアム的利用、とも言える
システム開発の方向
をOPACなど「利用」
にシフト
重複書誌の解消、
NACSIS-CAT登録
など「質」の充実
2.「どこへでも」-だれでも書誌情報を取り
出し利用できるOPAC
ヒトにも、キカイにもやさしい
再利用可能な書誌情報を出力
ヒトにはHTML キカイにはXMLシステムの外へ書誌情報を出力
2003年にRSSでの新着図書・雑誌情報の出力機
能を実装。2005年には雑誌巻号毎の到着状況を
RSSで配信開始。
利用の現況:
人間(RSSリーダ)よりGooglebotのアクセスが多い →Googleでも目録情報が検索できる!RSSを利用した「新着情報の配信」から
「書誌情報の配信」へ
OAI-PMHによるデータハーベスト
試験運用中
図書室(60ヶ所)と請求記号(分類記号)の指定によ
るハーベストが可能
メタデータは oai_dc、MARCXML、MODSから選択
農林水産研究情報総合センター作成のJASI(日本
農学文献記事索引)など文献データベースの基礎
データとして書誌情報を提供
今後の課題:
重複書誌など削除レコードへの対応検索結果を再利用可能な形式に
EndNote、RefWorksなど文献管理ソフトの利用増
とその対応
従来のCSVの他、TSV、EndNote、BibTexで検索結果と 過去の複写依頼履歴を出力可能。 今後、これらの形式でのファイル一括アップロードに よる複写依頼について実装予定。 (現在はテキスト形式でのアップロードに対応)XMLでのデータ出力
EXCELへの書誌データ出力も可能にEXCELでの書誌データ出力例
EXCEL上でXMLを読み込み、特定の項目を出力する関
数を作成してタイトルなどを出力する例:
書誌ID タイトル 配架場所
Z00002091 Gamma field symposia 情報セ 2F 新着書架 → 国立場所 1-46 <1962-2007> *
Z00004754 The journal of veterinary medical science
情報セ 2F 新着書架 → 学・協会 誌 53(1-6),54(1-6),55(1-6),56(1-6),57(1-6),58-71 <1991-2009> *
3.「どこからでも」-既存のインターフェー
スに依存せず利用可能なOPAC
OPACの入り口は
「図書館のOPACのWebページ」だけではない
OPAC検索画面 OPAC詳細表示画面 OPACサーバ サービスプロバイダ、 検索エンジン 検索エンジン、 ブラウザの検索バー Webブラウザから利用 XMLでの データ提供Webブラウザからの検索(1)
IE7/8、Firefoxの検索バーから検索
OpenSearch対応の手法を流用 検索対象項目は一つのみ詳細は:
• 林賢紀, “Firefox検索バー用のOPAC検索プラグインを自 作する", 情報の科学と技術, 58(5), p.242-247. 2008 青く光るのがプラグインの目印! (IE7/8はオレンジです)Webブラウザからの検索(2)
LibX - Webブラウザに組み込む検索ツール
OPAC以外のデータベースも検索対象にできる
複数項目での検索なども可能
http://libx.org/ でオンライン上で作成 Virginia Tech University Librariesが開発
東大版LibX https://mbc.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/libx/ 農水版LibX http://library.affrc.go.jp/LibX/
Webブラウザからの検索(2)
LibXでの検索例 – Webブラウザから直接検索
2. ISSN で検索 1. OPACを 検索対象に 3. 検索結果表示固定URL (Permalink)の採用
「 URLだけ」で書誌情報を取得できるように
固定リンク(Permalink)を利用 http://opac.cc.affrc.go.jp/alis/summary.csp?Search(略) =03860507&(略)SearchOption=AND&DB=all&kikan=1&Srt=TL&SELE CTkikan=99&RANGE=50&LANG=JPN&CHAR=UTF8&reqcharset=UTF 8&EDU=0 ではなく http://library.affrc.go.jp/api/03860507 で「大学図書館研究」(ISSN 0386-0507)の書誌事項 をXMLで表示検索エンジンとの相性がよい
横断検索への対応
より多くのサービスプロバイダ経由で利用してもら
うために
API(Application Program Interface)を用意する
OpenSearch、SRU/SRWに対応
いずれもXML(oai_dc, MARCXML, MODS)で出力
サービスプロバイダからの横断検索
国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA) との連携
インターフェースは様々、結果表示は同じ
国立国会図書館 デジタルアーカイブポータル http://porta.ndl.go.jp/ Firefox検索プラグイン 他の横断検索サービス 農林水産試験研究機関 総合目録 http://library.affrc.go.jp/4. さらなる革新を目指す –
サービスプロバイダへの進化
OPACを「部品」として開放、
他のサービスプロバイダから利用可能に
複数のサービス プロバイダから 選択して検索 サービスプロバイダ データプロバイダ XMLでの データ交換 例:「雑誌記事索引」は NDL-OPACでもPORTAでも CiNiiでも検索可能 =利用者はサービス内容 でアクセス先を選択 汎用的な APIの利用「次」への試み
OPACを部品として誰でも利用できるよう開放
APIの提供により、図書館員用の業務システムと
利用者OPACが分離できる
z利用者が使いやすいインターフェースを図書館
側で作成できる
zエンドユーザがインターフェースを選択、自作で
きる
z「OPAC」という枠にこだわらないシステム構築
今後の方向性-いくつかの事例から
「今後の図書館システムの方向性について」 (国大図協, 2007年3月) 「OPACを一つの情報サービス部品として位置づけ、OPACを中心に 置かなくても他のシステムやサービスとの組み合わせで提供」 「平成19年度書誌調整連絡会議記録集」 (NDL, 2008年3月) 「データの開放性を高め、ウェブ上での提供を前提として、多様な 方法で容易に入手、活用できるようにする。」 この方針を元に、2008年からNDL-OPACからの書誌データのダウン ロード、雑誌記事索引のRSS配信を開始 CiNiiでのAPI(OpenSearch)提供開始(2009年4月) APIの活用を競うコンテスト開催(2009年6月~10月)5. 農林水産研究情報総合センター
でのサービスプロバイダ構築
2004年に横断検索システムMetaLib(Ex Libris)を導入 z39.50、SRUなどに対応、各種のデータベースを横断検索 インターフェースはほとんど変更できない 利用者にとって機能が多すぎる? ちょっと重い? 2008年の更新へ向けた改修 研修ができない一般利用者向けの簡易なインターフェース ただし、インターフェースを新規に設計するには時間、経費からも 困難 動作を軽く 機能を見直しX-serverとXerxesの導入
APIオプション(X-server)の導入
MetaLibの検索結果をMARCXMLで出力するオプション インターフェースを自由に設計できるが、自作が必要
Xerxes
California State University が開発したX-server向けイ ンターフェース(オープンソース、無償)
PHPで記述されており、カスタマイズも容易 軽量な動作
これらを「Database Quick Search」として運用