運動療法を開始する際には,合併症をすでに有する患者においてはその程度を,合併症の リスクが高い患者においては合併症の有無を評価する必要がある.自律神経障害がある場合 には,運動負荷に対する循環応答の低下,起立性低血圧,体温調節障害,視力障害などの要 因により,運動時の事故を起こしやすい.網膜症,腎症,整形外科的疾患がある場合には, 程度に応じた運動の種類と強度を選択する.一方,無症状かつ合併症リスクが低い患者にお いては,評価の必要は低いと考えられる.心血管疾患についても,冠動脈疾患リスクの低い 無症状の患者では,運動に伴う心血管イベントの頻度は低いことや,心血管イベントを起こ した患者では,運動開始前の運動負荷試験での異常の検出感度は低いことを示した大規模試 験の結果などより,一般に無症状かつ冠動脈疾患リスクの低い患者が,軽度から中等度の運 動療法を行う場合に運動負荷試験をすることは,アメリカのガイドラインなどでも勧められ ていないa, b).ただしハイリスク患者においては,運動負荷試験が陽性であることは,冠動脈疾 患やそれに伴う死亡のリスク増加と関連しているとされている.無症候の糖尿病患者の場合, 心血管疾患のスクリーニングがどのような患者で有効であるかを明確に示すエビデンスはな いが,複数のリスクファクターを有する場合,脳血管または末梢動脈硬化性疾患を有する場 合,心電図で虚血の可能性がある場合,または高強度の運動を行う場合には,アメリカ心臓 協会(American Heart Association:AHA)のガイドラインではスクリーニングが推奨されてい るb).運動負荷試験は心肺機能の評価と運動効果を判定し,継続のための動機づけを高めるた めに有効である.運動習慣のない患者では,軽い運動から徐々に運動強度を上げるよう指導 する.また,普段の身体活動より高い強度の運動を行う場合には,運動療法開始前により慎 重な評価を要する.
運動療法
4
Q4-1
運動療法を開始する前に医学的評価(メディカルチェック)は必要か?
【ステートメント】 運動療法を開始する際には,心血管疾患の有無や程度,糖尿病慢性合併症である末梢および 自律神経障害や進行した網膜症,腎症,整形外科的疾患などをあらかじめ評価する必要があ るa). 心血管疾患のスクリーニングは,無症候の患者においても,複数のリスクファクターを有す る場合や脳血管または末梢動脈硬化性疾患を有する場合,心電図で虚血の可能性がある場 合,高強度の運動を行う場合には勧められるb).2 型糖尿病患者において心肺機能の低下は,心血管障害や死亡率に関連があると考えられ ている.運動療法が 2 型糖尿病患者の心肺機能に及ぼす影響についてのメタアナリシスでは, 平均して最大酸素摂取量の 50〜75%の強度の運動を 1 回約 50 分間,週に 3〜4 回,20 週間 行った場合,最大酸素摂取量は有意に増加(11.8%)したと報告されている2). さらに 2 型糖尿病患者は,インスリン抵抗性や肥満,高血圧,脂質代謝異常,慢性炎症を 伴っている場合が多く,運動療法によって血糖コントロールが改善されるとともに,これら の異常が改善する1, 3〜17).8 週間以上の運動療法に関するメタアナリシスでは,有意な体重減少 は認められないにもかかわらず,HbA1c は有意に改善(約-0.6%)したと報告されている6, 8). また,HbA1c と心肺機能の改善には,高い強度の運動が有効であった2).糖尿病の診断から 早期の患者においては,運動療法を追加しても,食事療法による改善以上の効果はみられな かったとの報告もあり18),運動療法による血糖改善効果は,糖尿病の時期やコントロール状 態によっても異なる可能性はあるが,一般的には,糖尿病治療において運動療法は食事療法 と組み合わせることにより,さらに高い効果が得られる.また,いわゆる「運動療法」のみ ならず,日常生活において身体活動量を増加させることも効果的である.運動療法をする時 間がない場合においても,日常生活活動によるエネルギー消費(non-exercise activity thermo-genesis:NEAT)を増やすことが有効である.肥満者と痩せている者の体重の差には,NEAT の違いが大きく影響することが示されているc).日常生活において座位の時間が長いほど死亡 率と心血管疾患が増加することも示されており19),90 分を超えて座位を続けないようにする など,身体活動を増やすことが勧められている.さらに,身体活動,歩行時間,レジャータ イムの増加が糖尿病患者の予後に影響することも報告されている20〜22).進行した合併症のあ る患者においても,日常生活における身体活動量を可能な限り低下させないようにする. 近年,レジスタンス運動の有用性が注目されているd).レジスタンス運動では,筋肉量や筋 力を増加させる9, 11)とともにインスリン抵抗性を改善し11),血糖コントロールを改善する9, 10). 一般的には週に 2〜3 日,主要な筋肉群を含んだ 8〜10 種類のレジスタンス運動を 10〜15 回 繰り返す(1 セット)ことより開始し,徐々に強度やセット数を増加させていくことが推奨さ れている.有酸素運動単独,レジスタンス運動単独と,それらの組み合わせを比較した検討 では,HbA1c 低下に相加的な効果を認めたとの報告とともに15).併用により HbA1c 低下に おいて有効性が高まることも示された4, 16, 17).レジスタンス運動の有効性が,有酸素運動に劣ら ないことが示され,有酸素運動の持続が困難な患者での選択肢となる可能性がある.しかし, 高強度のレジスタンス運動は,虚血性心疾患などの合併症患者では不適切であり,高齢者に おいても有効性を示すエビデンスはあるものの9, 10),実際に行うことは容易ではないことから, レジスタンス運動における最低限必要な強度と量が明らかにされる必要がある.
CQ4-2
2 型糖尿病患者に運動療法は有効か?
【ステートメント】 有酸素運動が,血糖コントロール1)・インスリン抵抗性・心肺機能2)・脂質代謝3)を改善し, 血圧を低下させる. [推奨グレード A](合意率 100%) 有酸素運動とレジスタンス運動は,ともに血糖コントロールに有効であり,併用によりさら に効果がある4).運動療法は,食事療法と組み合わせることによりいっそう高い効果が期待 できる. [推奨グレード A](合意率 100%)最近,高強度運動による血糖改善効果の報告があるe).CGM(continuous glucose monitor-ing)を用いた研究で,単回の高強度有酸素運動で 24 時間の血糖値が低下することが示されて いる23).また,短時間の高強度運動を 2 週間続けた試験においても CGM における血糖値の 低下と 骨格筋ミトコンドリア機能の増加が報告された24).これらの知見は,高強度運動は運動 量を少なくしても,運動適応により遺伝子発現の変化を介して代謝機能を改善することを示 している.しかしながら,低運動量の高強度運動が,HbA1c に対する影響など,長期的な治 療に有効であるかはまだ明らかにされていない.高強度の運動は,現時点では定期的な運動 習慣がある患者においてのみ考慮されるべき方法である.なお,単回の運動の効果を CGM で検討し,消費エネルギーが同じであれば,高強度より低強度の運動で有効性が高かったと の報告もある25). 2 型糖尿病患者における運動療法に関して,AHA のガイドラインb)とアメリカ糖尿病学会 (American Diabetes Association:ADA)とアメリカスポーツ医学会の共同ガイドラインf)が
1 型糖尿病患者においても運動により血糖値は低下するが,長期的な血糖コントロールへ の運動の効果については一定の見解は得られていない.1 型の患者では,インスリン抵抗性 の関与が 2 型患者より少ないため,運動によるインスリン感受性改善に伴う血糖改善効果は 2 型糖尿病患者ほど期待できないと考えられる.1 型糖尿病患者に対する運動の HbA1c 低下 効果に関するメタアナリシスでは,有酸素運動に関し相反する結果が報告された26, 27).レジス タンストレーニング,混合トレーニング,高強度トレーニングによる HbA1c の低下効果はな かった26, 27).1 型では,運動により低血糖を起こしやすく,インスリンの投与量や食事量の調 整が必要となり,HbA1c が低下しづらい要因となる可能性がある. HbA1c には血糖変動は必ず しも反映されておらず,別の指標での評価が必要かもしれない. このように血糖に対する運動療法の効果は不明であるが,1 型糖尿病患者においても心血 管疾患を生じるリスクが高く,運動によりこれらのリスクを減少させると同時に,QOL を高 めるなど血糖コントロール以外の効果が期待されるため,運動の強度が中等度以下の運動療 法は勧められるg).合併症がなく,血糖コントロールが良好であれば,インスリン療法や補食 を調整することにより,いかなる運動も可能である.
CQ4-3
1 型糖尿病患者に運動療法は有効か?
【ステートメント】 運動の長期的な血糖コントロールへの効果に対する一定の見解は得られていないが26, 27),心 血管疾患のリスクファクターを低下させ,生活の質(quality of life:QOL)を改善させる. [推奨グレード B](合意率 95%)有酸素運動とレジスタンス運動は,ともに 2 型糖尿病患者に対する血糖コントロールに有 効であり,併用による効果が明らかにされている4, 15〜17).有酸素運動には,ウォーキング, ジョギング,サイクリングなどが含まれ,心肺機能を高める効果がある.心肺機能は,最大 酸素摂取量で評価することができる. レジスタンス運動は,自体重,チューブ,ダンベルやマシンを用いて行うものであり,筋 機能を高める働きがある.有酸素運動は,インスリン抵抗性改善により糖代謝を改善するが, そのメカニズムには,内臓脂肪や体重の減少による全身的な代謝改善効果に加え,遺伝子発 現の変化を伴う運動に対する骨格筋の適応により,その細胞内シグナルを変化させることが 関与する. 一方,レジスタンス運動の効果としては,骨格筋量を増やすことによる体組成の変化がよ く知られており,インスリン抵抗性の改善に寄与する.筋量を増やすには,無酸素運動が主 体となる中〜高強度の運動が必要で,これまで報告されたエビデンスも,インスリン抵抗性 と血糖コントロールの改善は主に高強度の運動において示されている9〜11).しかしながら,比 較的低強度のレジスタンス運動においても反復運動を繰り返すことで,筋の持久力を高め, 有酸素運動と同様に遺伝子発現の変化を伴う適応が生じ,糖代謝を改善する可能性がある. 特に,高齢糖尿病患者においては,サルコペニアが主体となるフレイルの予防効果のために も,低強度のレジスタンス運動の活用が有用である. 運動の種類と強度の違いによりそのエネルギー源は変化する. 運動中のエネルギーは,遊離 脂肪酸,筋グリコーゲン由来のブドウ糖,血中ブドウ糖を用いて産生される. 一定以上の強度 を伴う運動では,筋グリコーゲンがはじめに使われるが,運動時間が長くなると筋グリコー ゲンの減少とともに,遊離脂肪酸や血中ブドウ糖が使われるようになる. 血中のブドウ糖の供 給は,はじめは肝臓のグリコーゲンが使われ,引き続いて糖新生に依存する. 運動に伴う様々なホルモン分泌の変化が,これらの基質利用を制御する. 血糖調整に働くホ ルモンとして,血糖降下性に働くインスリンは運動時には低下し,血糖上昇性に働くグルカ ゴンやカテコールアミン,コルチゾールは増加する.カテコールアミンの分泌は,最大酸素 摂取量の 50〜60%を超える強度で増加し,高強度の運動では増強される.インスリンの低下 とカテコールアミンの増加は,脂肪動員にも作用し,骨格筋と脂肪組織の中性脂肪の分解に より遊離脂肪酸を動員する. このような運動中の内分泌応答とエネルギー代謝応答により,健常者では中等度の強度の 運動を行った場合,血液中のブドウ糖は骨格筋に取り込まれて利用されるが,インスリンの 低下とグルカゴンの上昇により肝臓での糖産生が増加することで血糖値はほとんど変化しな い.一方,2 型糖尿病患者が同様の運動を行った場合,インスリンの低下が起こりにくいた
Q4-4
有酸素運動,レジスタンス運動とは何か?
【ステートメント】 有酸素運動とは,十分に供給された酸素と,基質である糖質や脂質を反応させて再合成され たアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate:ATP)をエネルギー源として用い,持 続的,律動的かつ反復的に主要な骨格筋を 10 分間以上動かす運動をいう.心肺機能を高め る効果がある.レジスタンス運動は,骨格筋に負荷を与える運動であり,筋機能(筋力と筋 持久力)を高める目的で行う.め肝臓での糖産生は増加しにくいことに加え,骨格筋での糖利用は増加するので,運動中の 血糖値は低下する.この血糖低下作用は,インスリンやスルホニル尿素(sulfonylurea:SU) 薬で治療中の患者では増大し低血糖を起こすリスクが高まる.また,運動終了後においても グリコーゲン合成やインスリン感受性の亢進により血糖値は低下する.そのため,インスリ ンや経口血糖降下薬(特に SU 薬)で治療中の患者では,運動中のみならず運動当日〜翌日に も低血糖を生じるおそれがあり,薬物療法における調整が必要になる. 近年,運動とメトホルミンのインスリン抵抗性や糖代謝に対する効果の相互作用が示され ている.両者による同時介入は,運動によるインスリン改善効果が,メトホルミンを運動前 一定期間投与することで減弱すると報告された28, 29).しかしながら,メトホルミンをすでに内 服している患者においては,運動療法による HbA1c の低下作用には影響がなかった30). 運動生理,運動代謝および運動時の骨格筋適応に関する総説h, i)を参照資料として示す.
●運動の強度 運動の強度は,運動中の酸素摂取量や心拍数ならびに自覚的運動強度(Borg 指数)などで表 されるが,一般に中等度の運動とは,最大酸素摂取量の 40〜60%,あるいは個人の安静時の 心拍数から最大心拍数に至るまでの 50〜70%程度であるものを指し,自覚的には「ややきつ い」と感じる程度である.個人の最大心拍数は段階的運動負荷試験で決定されるべきではあ るが,簡易的には「220-年齢」で推定できる.また運動強度 50%のときの心拍数は「138- (年齢÷2)」で推定できる.ただし,糖尿病神経障害を伴う場合や高齢者,降圧薬(カルシウ ム拮抗薬,β遮断薬)を内服している場合などでは,脈拍数を指標に運動強度を決定すること は,不正確であったり危険を伴ったりする可能性もある.中等度以上の運動療法を行う際に は,運動による望ましくない副作用や循環器系合併症の多くは運動の開始時か終了時に生じ るため,運動の前後に各々約 5 分間の準備運動ならびに整理運動を行うとよい. ●運動療法の進め方 運動療法の進め方は,個人の基礎体力,年齢,体重,健康状態などにより異なるが,最初 は歩行時間を増やすなど無理のない程度に身体活動量を増加させることより始め,段階的に 運動量を増加させていく.さらに,患者の嗜好に合った運動を取り入れるなど,安全かつ運 動の楽しさを実感できるように工夫することにより,運動療法の継続が期待される.歩数計 の利用は,糖尿病患者でも身体活動を増やす有効な手段となる可能性がある.運動は実生活 のなかで実施可能な時間であればいつ行ってもよいが,食後 1〜2 時間までに行うと食後の高 血糖が改善する.また,SU 薬やインスリン治療を行っている患者では空腹時や食前の運動を 避ける. ●運動療法の目標 運動療法の目標として一般的には,運動強度が中等度で持続時間が 20〜60 分程度の有酸素
Q4-5
具体的な運動療法はどのように行うか?
【ステートメント】 運動の到達目標としては,頻度はできれば毎日,少なくとも週に 3~5 回,強度が中等度の 有酸素運動を 20~60 分間行い,計 150 分以上運動することが一般的には勧められる. 週に 2~3 回のレジスタンス運動を同時に行うことが勧められるa). 日常生活のなかなどで段階的に運動量と運動強度を増やしていく.運動の前後に準備運動と 整理運動を行う.両足をよく観察し,足に合った足底全体へのクッションのある靴を用い る. インスリンや経口血糖降下薬(特に SU 薬)で治療を行っている患者において,運動中およ び運動当日~翌日に低血糖を起こすおそれがある.インスリン治療をしている患者では,血 糖自己測定を行い,運動の時間や種類,量の調整や,投薬量の調整(超速効型インスリンは 運動前は原則減量),運動前や運動中の補食が必要になる.特にインスリン治療中の患者で は,運動前の血糖値が 100mg/dL 未満の場合には,吸収のよい炭水化物を 1~2 単位摂 取することが勧められるa). 体調がよければ,高血糖のみで運動を中止する必要がないが,1 型糖尿病患者で尿ケトン体 陽性時には運動は控えるg).運動が勧められる.糖尿病患者での糖代謝の改善は運動後 12〜72 時間持続することから,少 なくとも週 3〜5 日の運動が必要である.たとえば,体重 60 kg の人では 1 日に 50 分程度の ウォーキング(速歩)または 20 分程度のジョギングを週 5 日行った場合,運動による消費エネ ルギーは 1 週間に約 1,000 kcal 程度となる.2 年間観察を行った研究では,運動強度(metabol-ic equivalents:METs)と運動時間(時)の積で表される身体活動量の単位「エクササイズ」 (METs・時)が週あたり 10 を超えたエネルギー消費を持続することで冠動脈疾患リスクが改 善し,20 を行えばその他のリスクを含めて有用な運動効果が得られたとしている31).有酸素 運動に関しては,運動を分割したほうが糖代謝を改善したとの報告32)もあり,持続的運動で ある必要は必ずしもないと考えられる. ●合併症がある場合 合併症のある糖尿病患者では,運動の種目,強度,量に配慮する必要があるa).心血管疾患 のある者やそのリスクが高い場合は,負荷心電図などによる評価が必要である.治療が不十 分な増殖網膜症では,高強度の有酸素ならびにレジスタンス運動(収縮期血圧を大幅に上げ る)や頭位を下げる運動は眼圧を上げるため,また身体に衝撃の加わる運動は網膜出血のリス クを上げるため,避けるべきである.運動は,糖尿病腎症患者の身体機能と QOL を向上さ せ,透析患者においても有効である.しかしながら,心血管イベント防止などの安全性の観 点からは,血圧を高度に上げる(収縮期血圧 180〜200 mmHg)運動は避けるべきであり,進 行した腎機能障害の患者を除いては,有酸素運動を主体とした中等度までの運動が推奨され ると思われる.近年,アルブミン尿を含めた蛋白尿と冠動脈疾患との関連が明らかになって おり,運動開始前には心血管疾患の評価を行う必要がある.重篤な末梢神経障害を有する患 者では下肢への荷重運動を控える必要があり,水泳やサイクリング,上半身運動などが勧め られる.足病変に対してハイリスクの場合にはフットケアが重要である(「11.糖尿病足病変」 参照).自律神経障害を有する患者では運動中に血圧低下や上昇を起こしやすく,また運動中 に突然死や無症候性心筋梗塞などの合併症を起こすおそれもあるため,慎重に運動療法を進 めていく.また,高齢者や肥満者においては腰椎や下肢関節の整形外科的疾患を伴う場合が 多く,このような場合,筋力の増強を図るとともに,水中歩行,椅子に座ってできる運動, 腰痛体操を勧めるなどの配慮が必要である(「19.高齢者の糖尿病(認知症を含む)」参照). ●運動療法とインスリン投与 2 型糖尿病患者では,運動中のインスリンの低下が起こりにくいため,健常者と比べ血糖 値が低下しやすいが,インスリンや経口血糖降下薬(特に SU 薬)で治療を行っている患者に おいてはそのリスクが高まり,運動中および運動当日〜翌日に低血糖を起こす可能性がある. インスリン治療を行っている患者では,運動中の体温の上昇と血流の増加でインスリン血中 濃度が高まる.したがって,速効型あるいは超速効型インスリンにて治療している症例では 運動前のインスリン投与量を,中間型あるいは混合型インスリンにて治療している場合は朝 食前のインスリン投与量を運動量に合わせて減量するなどの調節を要する.インスリン投与 量の調節は運動強度や運動の持続時間により異なるが,投与インスリン量を 1/2〜2/3 に減量 するのが一般的である(超速効型インスリンにて治療している症例では運動前のインスリン投 与量を原則減量).夕方以降に運動を行う場合には夜間の低血糖のリスクが高まることに注意 する.一方,インスリン欠乏状態で全身性の強い運動を行った場合,肝臓での糖産生の増加
が生じることに加え,糖利用が障害されるために運動中または運動後にかえって血糖値は上 昇し,ケトーシスを生じる可能性がある.1 型糖尿病患者でケトーシスを起こしやすい症例な どでは運動に際してインスリン投与量をあまり減らさず,補食で調整するとよい場合がある. 高血糖時の運動については,1 型 2 型の糖尿病患者とも体調が良好である限りは中止する必 要はない.ただし,脱水には注意を要する.また,1 型糖尿病患者ではケトーシス時には, 運動により血糖のさらなる増加とケトーシスの悪化を引き起こすので運動を控える必要があ る.1 型糖尿病患者において,持続的な中等度の運動中に間欠的な高強度の運動をはさむこ とで血糖値の低下が抑制されたとの報告がされており33),運動方法により低血糖を予防でき る可能性もある.インスリン投与量の調整の標準化は難しく,患者自身の経験に基づいて調 整する必要がある.そのため,運動前,運動中,運動後の血糖自己測定を行い,運動による 血糖値の変化を把握し,食物摂取やインスリン療法の調整または運動療法の変更などで患者 自身が対応しなければならず,運動が血糖値に与える影響を理解する必要がある.
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f) Colberg SR, Sigal RJ, Fernhall B et al:Exercise and type 2 diabetes:the American College of Sports Med-icine and the American Diabetes Association:joint position statement. Diabetes Care 33:e147-e167, 2010 g)Chiang JL, Kirkman MS, Laffel LM et al:Type 1 Diabetes Sourcebook Authors:Type 1 diabetes through the life span:a position statement of the American Diabetes Association. Diabetes Care 37:2034-2054, 2014
h)Sigal RJ, Kenny GP, Wasserman DH et al:Physical activity/exercise and type 2 diabetes. Diabetes Care 27:2518-2539, 2004
i) Egan B, Zierath JR:Exercise metabolism and the molecular regulation of skeletal muscle adaptation. Cell Metab 17:162-184, 2013
1)Umpierre D et al, 2011 メタアナリシス [レベル 1] 2)Boulé NG et al, 2003 メタアナリシス [レベル 1] 3)Kelley GA et al, 2007 メタアナリシス [レベル 1] 4)Schwingshackl L et al, 2014 メタアナリシス [レベル 1] 5)Hayashino Y et al, 2014 メタアナリシス [レベル 1] 6)Boulé NG et al, 2001 メタアナリシス [レベル 3] 7)Balducci S et al (IDES), 2010 RCT [レベル 1] 8)Thomas DE et al, 2006 メタアナリシス [レベル 3] 12週間以上運動療法を行った2 型糖尿病(47件のRCT)(8,538 人). 8週間以上運動療法を行った2 型 糖 尿 病(9件 のRCT)(266 人). 8週およびそれ以上の有酸素運 動を行った2型糖尿病(7件の RCT)(220人). 8週間以上のスーパーバイズ下 の運動療法を行った2型糖尿病 (14件のRCT)(915人). 運動療法を行った2型糖尿病 (14件のRCT)(824人)[日本 人を対象とした研究を含む]. 8週間以上運動療法を行った2 型糖尿病(11件のRCTと3件の 非ランダム化比較試験). イタリア.606人の2型糖尿病 (58.8歳). 運動療法を行った2型糖尿病 (11件のRCTと3件の非ランダ ム化比較試験)(377人). 有酸素運動,レジスタンス運動, または有酸素運動+レジスタン ス運動. 有酸素運動療法(最大酸素摂取 量の50〜75%,平均:1回49 分,週3.4回,20週間)(132人) vs. 対照(134人). 運動療法(平均15.1週,週4.2 回,最大酸素摂取量の68.3%,1 回47.1分). 有酸素運動,レジスタンス運動, 有酸素運動+レジスタンス運 動. 有酸素運動,レジスタンス運動, 有酸素運動+レジスタンス運 動,運動指導. 運動療法(有酸素運動 12件と レジスタンス運動 2件)(154 人)vs. 対照(156人). 対照(303人),有酸素運動+レ ジスタンス運動(303人)(両群 ともstructured exerciseのカ ウンセリングあり)[12ヵ月 間]. 有酸素運動,レジスタンス運動, または有酸素運動+レジスタン ス運動[8週〜12ヵ月間]. HbA1cは,対照と比較し有酸素 運動(-0.73%),レジスタンス 運動(-0.57%),有酸素運動+ レジスタンス運動(-0.51%) で低下した.週150分を超えた 運動群(-0.89%)で,150分以 下の運動群(-0.36%)より低 下した.運動に対するアドバイ スは,食事のアドバイスと同時 にすることで,有効であった. 最大酸素摂取量が11.8%増加 した.運動量より運動強度が心 肺機能とHbA1cの改善と関連 した. LDL-C は 約 5%の 低 下 .TC, HDL-C,TC/HDL-C,TGは変化 しなかった.HbA1cは低下傾向 を示した. 有酸素運動,レジスタンス運動 単独に比べ,有酸素運動+レジ スタンス運動では,HbA1cが低 下.レジスタンス運動単独と比 べ,有酸素運動+レジスタンス 運動で中性脂肪低下. CRPとIL-6は低下したが,ア ディポネクチンとレジスチンは 不変.有酸素運動では,レプチン が低下. 体重減少は有意ではなかった が,HbA1cは改善(-0.66%) した. HbA1c(-0.30%),収縮期血 圧(-4.2mmHg),拡張期血圧 (-1.7mmHg),ウエスト周囲 長( -3.6cm),HDL-C( +3.7 mg/dL),LDL-C( -9.6mg/dL), BMI,HOMA-IR,hs-CRPが 対 照群と比較し改善した.対照群 でも運動量は増加したのでカウ ンセリングは有効であったが, 心血管疾患リスクファクターの 改善は限定的であった. 運動は,体重減少を伴わないで も,血糖コントロールを改善し (HbA1c -0.6%),内臓および 皮下脂肪の減少,TGの低下,コ レステロールと血圧は不変. 論文コード 対 象 方 法 結 果
アブストラクトテーブル
9)Dunstan DW et al, 2002 RCT [レベル 1] 10)Castaneda C et al, 2002 RCT [レベル 1] 11)Mavros Y et al, 2013 RCT [レベル 1] 12)MacLeod SF et al, 2013 メタアナリシス [レベル 3] 13)Hayashino Y et al, 2012 メタアナリシス [レベル 1] 14)Tamura Y et al, 2005 RCT [レベル 1] 15)Snowling NJ et al, 2006 メタアナリシス [レベル 3] 16)Sigal RJ et al, 2007 RCT [レベル 1] 17)Church TS et al, 2010 RCT [レベル 1] 18)Andrews RC et al (the Early ACTID randomised controlled trial),2011 RCT [レベル 1] オーストラリア.高齢肥満2型糖 尿病(60〜80歳)(29人). スペイン系アメリカ人.高齢肥 満2型糖尿病患者(66±8歳) (62人). ア メ リ カ .高 齢 2 型 糖 尿 病 (68.1±5.5歳)(103人). 運動療法を行った2型糖尿病 (RCT,クロスオーバー試験,前 後比較試験を含む11件の試 験). 8週間以上のスーパーバイズ下 の運動療法を行った2型糖尿病 (42件のRCT)(2,808人)[日 本人を対象とした研究を含む]. 日本.2型糖尿病(51歳)(14人) [日本人]. 比較を伴うスーパーバイズ下の 運動療法を行った2型糖尿病 (27件の比較試験,18件のRCT を含む)(55±7歳)(1,003人). カナダ(スペイン系以外の白人/ その他,230人/21人).2型糖尿 病(39〜70歳)(251人). アメリカ(白人/黒人/スペイン 系ほか,138人/114人/10人). 2 型 糖 尿 病( 55.8±8.7 歳 ) (262人). イギリス.試験開始前の5〜8月 以内に診断された2型糖尿病 (30〜80歳)(593人). 1回45分間,週3回,6ヵ月間の 高強度レジスタンス運動+体重 減少(16人)vs. 体重減少のみ (13人). 1回45分間,週3回,16週間の 高強度レジスタンス運動(31 人)vs. 対照(31人). 週3回,12ヵ月間,高強度レジス タンス運動(47人)vs. 対照(53 人). 有酸素運動,レジスタンス運動, または有酸素運動+レジスタン ス運動. 有酸素運動,レジスタンス運動, または有酸素運動+レジスタン ス運動. 食事療法,食事療法+有酸素運 動[2週間]. 有酸素運動,レジスタンス運動, 有酸素運動+レジスタンス運動 [5〜104週間]. 45分の有酸素運動(最大心拍数 の75%)(60人),レジスタンス 運動(64人),および両方(64 人),週3回 vs. 対照(63人)[22 週間]. 対照(41人),有酸素運動(72 人),レジスタンス運動(73人), または有酸素運動+レジスタン ス運動(76人)(運動の3群は,週 あたりほぼ同時間の運動を行っ た)[9ヵ月間]. 対照(99人),食事療法(248 人),食事+運動療法(246人) [12ヵ月間]. HbA1cの改善(-1.2±1.0%), 除脂肪体重の増加(0.5±1.2 kg),体重減少は両群で同様,空 腹時血糖,インスリン,脂質,血 圧は不変. HbA1cの改善(-1.1%),除脂 肪体重の増加(1.2±0.2kg),収 縮期血圧の低下(-9.7±1.6 mmHg),骨格筋グリコーゲン貯 蔵量増加. インスリン抵抗性(HOMA2-IR)の改善は,運動群において, 骨格筋量増加と脂肪量減少と相 関.運動群で,骨格筋量の増加 は,HbA1cの改善と関連した. CGMで,運動は平均血糖値を低 下(-14.4mg/dL)し,高血糖 (180mg/dL<)の時間を減ら した(129分)が,低血糖の時間 と空腹時血糖値は不変. 収縮期血圧(-2.42mmHg),拡 張 期 血 圧( -2.23mmHg), HDL-C(+1.54mg/dL),LDL-C(-6.18mg/dL)が改善した. 食事療法+運動療法群でのみイ ンスリン抵抗性が改善し(グル コースクランプ法),前脛骨筋の 筋内脂肪が低下した.肝内脂肪 は,食事療法,食事療法+運動療 法の両群で低下. 有酸素運動,レジスタンス運動, 有酸素運動+レジスタンス運動 においてHbA1cに対して改善 効果を認めた.有酸素運動+レ ジスタンス運動の意義について は,結論に至らなかった. 有酸素運動単独およびレジスタ ンス運動単独でHbA1cは改善 した.さらに,有酸素+レジスタ ンス群は,単独群よりHbA1cを 改善した. HbA1cは,対照と比較し,有酸 素 運 動 +レ ジ ス タ ン ス 運 動 (-0.34%)でのみ有意に低下 し,有酸素運動(-0.24%)とレ ジスタンス運動(-0.16%)は 有効でなかった. HbA1cは,対照に比較し6ヵ月 で,食事療法(-0.28%)と食 事+運動療法(-0.33%)で改 善し,12ヵ月でも効果は維持さ れた.しかし,食事療法単独と比 較し,運動療法の効果は認めら れなかった. 論文コード 対 象 方 法 結 果
19)Katzmarzyk PT et al, 2009 前向きコホート [レベル 2] 20)Sone H et al (JDCS), 2013 前向きコホート [レベル 2] 21)Qiu S et al, 2014 メタアナリシス [レベル 1] 22)Kodama S et al, 2013 メタアナリシス [レベル 3] 23)Gillen JB et al, 2012 非ランダム化比較試験 [レベル 3] 24)Little JP et al, 2011 前後比較試験 [レベル 3] 25)Manders RJ et al, 2010 クロスオーバー試験 [レベル 3] 26)Tonoli C et al, 2012 メタアナリシス [レベル 3] 27)Kennedy A et al, 2013 メタアナリシス [レベル 3] 28)Boulé et al, 2011 クロスオーバー試験 [レベル 3] カナダ.一般男女(糖尿病の割合 は 不 明 )(18〜 90歳 ,42.0± 17.5歳)(17,013人). 日本.2型糖尿病(58.5±6.9 歳)(1,702人)[日本人]. 8週間以上の歩行運動療法を 行 っ た 2 型 糖 尿 病( 20 件 の RCT)(866人). 1型と2型糖尿病(17件の前向 きまたは後ろ向きコホート研 究). カナダ.2型糖尿病(62±3歳) (7人). カナダ.2型糖尿病(63±8歳) (8人). オランダ.2型糖尿病(57±2 歳)(9人). 運動療法を行った1型糖尿病 (33件の試験)[日本人を対象と した研究を含む]. 運動療法を行った1型糖尿病 (12件の試験,うち8件のRCT) (452人). カナダ.2型糖尿病(58±6歳) (10人). 平均の座っている時間を調査 し,5群に分け死亡率,心血管疾 患,癌の発生を平均12年間追跡 した. 余暇時間の身体活動量を質問紙 で調査し,死亡率,冠動脈疾患, 脳卒中の発生を約8年間追跡し た. 歩行運動. 身体運動. 単回の高強度有酸素(インター バル)運動(60秒×10回,最大 心拍数の90%). 高強度有酸素(インターバル)運 動(60秒×10回,最大心拍数の 90%)[2週間]. 最大酸素摂取量の35%の60分 単回の有酸素運動 vs. 最大酸素 摂取量の70%の30分単回の有 酸素運動(消費エネルギーは同 等)vs. 非運動. 有酸素運動,レジスタンス運動, 有酸素運動+レジスタンス運 動,または高強度の運動. 運動療法(有酸素運動9件,有酸 素運動+レジスタンス運動2件, 残り1件は運動の種類不明)vs. 対照. メトホルミン投与または非投与 (28日間)後に,低,中,高強度の 有酸素運動(計35分間)を行っ た. 座っている時間の増加により, 死亡率,心血管疾患の割合が増 加したが,癌の発生とは関係し なかった.座っている時間と死 亡率との関係は,余暇時間の身 体活動量とは関係なくみられ た. 脳卒中,総死亡は,余暇時間の身 体活動量が多い上位3分位群 (15.4MET・時/週以上)で,下位 3分位群(3.7MET・時/週以下) より有意に減った. 冠動脈疾患 では,変わらなかった. HbA1cは,スーパーバイズを受 けた場合(-0.58%)と,非スー パーバイズ下でも動機づけを 行った場合(-0.53%)には低 下した. 身体運動が最も多い群は低い群 と比較し,総死亡(RR:61%)と 心血管疾患(RR:71%)が少な かった. CGMで24時間血糖を測定.朝 食,昼食,夕食後3時間の血糖値 ( AUC)の 合 計 と ,血 糖 値 が 180mg/dLより高くなった時 間の割合が,高強度有酸素運動 で低下. CGMで24時間血糖を測定.平 均血糖値の低下(137±18mg/dL vs. 119mg±13mg/dL),朝 食,昼食,夕食後3時間の血糖値 (AUC)の合計の低下,骨格筋 (生検)ミトコンドリア機能の増 加. 運動後24時間のCGMでは,低 強度の運動でのみ非運動時と比 較し有意に血糖は低下した.高 血糖の頻度は,高強度の運動 (-19%)よ り 低強度の 運動 (-50%)で低下. 有酸素運動に高強度のスプリン トタイプの運動を加えることで 低血糖のリスクを軽減できる. 有酸素運動のみHbA1cを減ら した. HbA1cは,運動で変化なし. メトホルミンによる血糖降下作 用が,運動により抑制された. 論文コード 対 象 方 法 結 果
29)Sharoff CG et al, 2010 非ランダム化比較試験 [レベル 3] 30)Boulé NG et al, 2013 RCT [レベル 1]
31)Di Loreto C et al, 2005 RCT サブ解析 [レベル 3] 32)Eriksen L et al, 2007 RCT [レベル 1] 33)Guelfi KJ et al, 2005 RCT [レベル 1] アメリカ.インスリン抵抗性の ある成人(33歳)(16人). カナダ.メトホルミン使用(143 人)とメトホルミン非使用(82 人)の成人2型糖尿病(54歳). イギリス.2型糖尿病(62±1 歳)(179人). オランダ.2型糖尿病(50〜70 歳)(18人). オーストラリア.1型糖尿病 (21.6±4.0歳)(7人). 2〜3週間メトホルミン投与後 に中等強度の有酸素運動を40 分1回行った群と,メトホルミン を投与せず運動のみ行った群で の比較. 運動なし,有酸素運動のみ,レジ スタンス運動のみ,両者の併用 [22週間]. 身体活動に関するカウンセリン グ.エネルギー消費増加(2年間) レベルに基づき6群に分類. 最大酸素摂取量の60%の運動 を1日あたり10分を3回(9人) vs. 30分を1回(9人)[5週間]. 30分の最大酸素摂取量の40% の持続的な運動 vs. 最大酸素摂 取量の40%の持続的な運動中, 2分おきに4秒の全速力走を入 れる[クロスオーバー試験]. インスリンクランプ法によるイ ンスリン感受性の改善を評価し たところ,運動による改善効果 がメトホルミン投与で減弱し た.運動による骨格筋AMPKα2 の活性化の増加がメトホルミン 投与で抑制された. 運動によるHbA1c値の改善効 果に対して,メトホルミンの有 無による差はなかった. 週あたり運動強度(METs)と運 動時間(時)の積が10を超えて エネルギー消費量が増加した群 では,HbA1c,血圧,TC,TG, 10年での冠動脈疾患リスクが 改善,20以上ではさらに体重, ウエスト周囲長,空腹時血糖,血 清LDL-C,HDL-Cの 改善を み た. 心肺機能の改善(亜最大運動負 荷での心拍数および血漿乳酸濃 度の低下,最大酸素摂取量の増 加)はほぼ両群で同等であった. 空腹時血糖値およびブドウ糖負 荷試験においては運動10分を3 回した群において改善したが, 30分を1回した群では変わらな かった. 中等度の運動に間欠的な高強度 の運動をはさむことで,運動量 が多いにもかかわらず中等度運 動単独と比較して血糖値の低下 が抑制された. 論文コード 対 象 方 法 結 果