(研 究 速 報)
信号交差点左折時 における横断 自転車 に対す る規範確認行動の分析
竹 本 雅 憲*1,野 中 智 弘*2 AnalysisofSafePrecautionaryObservationforCrossingBicycles WhenTurningLeftatSignalizedIntersections MasanoriTAKEMOTO*1,TomohiroNONAKA*2 ABSTRACT:ThisstUdyaimedtorevealnormativeprecautionaryobservationforcrossingbicycleswhen tUrningleftatsignalizedintersections.Weanalyzedeyemovementdataofadrivinginstructorwhenhe droveavehicleequippedwithadrivingrecorderandf()urcameras.Throughconductinghearingsurveywith therecordedimagesandanalyzingtheexperimentaldata,weconcludedthattheinstructorassumedcrossing bicyclesclosedtoapedestriancrossingfromfburdirectionsandhecheckedtheexistenceofcrossing bicyclesbythreesteps.Finally,werevealedthesequenceofnormativeprecautionaryobservationwhich couldpreventtheaccidentswithcrossingbicyclesinalldirections. Keywords:driverbehavior,drivinginstructor,car-bicycleaccident (ReceivedOctoberl3,2016) 1.は じ め に 衝 突 回避 支 援 シ ス テ ム な どに よっ て 自動 車 事 故 へ の 有 効 な 対 策 が進 む 一 方,自 転 車 関 連 の 事 故 は 人 身 事 故 全 体 に 占 め る割 合 が増 加 傾 向 に あ り(1),交通 事 故 ゼ ロに 向 け て残 され た 大 き な 課題 と言 え よ う.自 転 車 事 故 は 交 差 点 で 多 く,特 に信 号 交 差 点 で は 自動 車 の 左 折 時 の 事 故 も多 い.ま た,信 号 交 差 点 左 折 時 に お け る横 断 自転 車 に対 す る ヒヤ リハ ッ ト事 例 を 分 析 した研 究 に よれ ば,主 な 要 因 は 様 々 な 種 類 の確 認 行 動 の 不 適 切 さ に あ る(2).よ っ て, 横 断 自転 車 に 対 して 安 全 を 確 保 で き る確 認 行 動 の と り方 の解 明 が 求 め られ る. 自転 車 事 故 の 削 減 に 向 け た 今 後 の 対 策 と して,不 安 全 ドライ バ に 安 全 な確 認 行 動 を指 導 す る教 育 方 法 だ けで な く,安 全 な確 認 行 動 へ と誘 導 す る よ うな 運 転 支 援 シス テ ム の 開 発(3)にお い て も,人 間 が と り得 る安 全 か っ 合 理 的 な確 認 行 動 の解 明 が 必 要 に な る.ま た,研 究 開 発 が 活 発 な 自動 運 転 に お い て も,シ ス テ ム 体 系 に 含 み に くい 周 囲 の 歩行 者 や 自転 車 の 存 在 を 検 出 して 挙 動 を予 測 し,安 全 *1:シ ス テ ム デ ザ イ ン 学 科 准 教 授(m -takemoto@st .seikei.ac.jp) *2:大 学 院 理 工 学 研 究 科2015年 度 修 士 学 生 を確 保 す る ロジ ック に お い て,人 間 が と る規 範 的 な確 認 行 動 は ひ とつ の解 に な り得 る と考 え る. 本 研 究 で は,実 車運 転 時 に お け る教 習 所 指 導 員 の確 認 行 動 に基 づ い て,信 号 交差 点左 折 時 に お い て横 断 自転 車 に対 す る事 故 防止 策 の指 針 とな り得 る規 範 運 転行 動 とそ の判 断基 準 の解 明 を 目的 と した. 2.実 車 走行 実験 お よ び ヒヤ リング調 査 の 方 法 2.1実 車 走行 実 験 (株)武蔵 境 自動 車教 習所 の イ ン ス トラ ク タ ー(「 指 導 員 」 と称 す る)に 協力 頂 き,実 車 走行 実 験 を 実施 した.実 験 参 加 者 は43歳 の 男 性1名 で,運 転 歴 は25年,教 習 所 で の指 導 歴 は16年 で あ っ た.実 験 は2013年9E26日 に 実施 し,天 候 は 良好 で あ っ た.東 京 都 武 蔵 野 市 の 成 膜 大 学 を起 点 と して,武 蔵 野 市 内 と練馬 区 内 の 市街 地,お よ び環 状 道 路 八 号線 の19箇 所 の信 号 交 差 点 に お け る左 折 を含 む 走行 経 路 を設 定 した.実 験者 は助 手席 に 同乗 して 経 路 の み を指 示 した.実 験 参 加 者 に は,教 習 に お け る運 転 を意 識 せ ず,日 常 通 りの運 転 を心 が け る よ う教 示 した. 実験 前 に イ ン フ ォ ー ム ドコ ンセ ン トを得 た. YUPITERU社 製 の ドラ イ ブ レ コー ダBU-DRS901を 用図1ド ラ イ ブ レコー ダの 記 録 映 像 い て,図1に 示 す よ うに 以 下 の4台 の カ メ ラ を 実 験 車 両 に 設 置 し た.す な わ ち,YUPITERU社 製 の 増 設 カ メ ラOP-DRCMIを2台 用 い て,運 転 状 況 を 「前 方 映 像 」 と し て, ド ラ イ バ の 顔 向 き や 眼 の 動 き の 様 子 を 「車 内 映 像 」 と し て 記 録 し た.同 じ くYUPITERU社 製 の 赤 外 線 カ メ ラOP-DRCHI2Rを 用 い て,ペ ダ ル 操 作 の 状 況 を 「ペ ダ ル 操 作 映 像 」 と し て 記 録 し た.さ ら に,ナ ン バ ー プ レ ー トの 下 に 設 置 し て 左 右 両 側 の 映 像 を 記 録 で き るALPINE社 製 の 正 像 タ イ プ フ ロ ン トカ メ ラHCE-C212FDを 用 い て,自 車 の 先 端 位 置 を 特 定 で き る 路 面 の 停 止 線 な ど を 「左 右180 度 映 像 」 と し て 記 録 し た.各 映 像 の フ レ ー ム レ ー トは 5[fps]で あ っ た.さ ら に,BLITZ社 製 の 車 両 信 号 モ ニ タ Touch-B.R.A.1.N.を 実 験 車 両 の 診 断 コ ネ ク タ に 接 続 し,車 速 デ ー タ を 記 録 し た.実 験 車 両 に は ホ ン ダ 社 製 の シ ビ ッ ク を 使 用 し た. 3.実 験 お よ び調 査 の結 果 実 車 走行 実験 の記 録 デ ー タか ら,各 交 差 点 に お け る確 認 行 動 シ ー ケ ンス を 作成 した.シ ー ケ ンス で は,横 断 自 転 車 に対 す る確 認 行 動 の み を示 した.す なわ ち,幅 寄 せ, 減 速 を して,交 差 点,信 号 お よび 対 向右 折 車 の確 認 を し た後,停 止 線 の少 し手 前 か ら横 断者 確 認 を始 め た 地 点 を シ ー ケ ン ス の始 点 と した.ま た,横 断者 確 認 を終 えて ア クセ ル ペ ダル を踏 込 み,左 折 先 の進 行 方 向 に視 線 を向 け 始 め た地 点 を終 点 と した. ヒヤ リン グ よ り,横 断 自転 車 に つ い て は,横 断 歩 道 へ の進 入 経 路 を 図2に 示 す4方 向 と想 定 して い た.ま た, これ らの 自転 車 に対 す る確 認 領 域 に つ い て,自 車 の左 折 操 舵 時 は,自 転 車 の到 達 距離 を 予 測 して横 断 歩 道 か ら少 し離 れ た位 置 を確 認 す る と回答 した.左 折 先横 断 歩 道進 入 時 に は,同 様 の 予測 に よ り横 断 歩道 の 直 近 の位 置 を確 認 す る と回答 した. 以 上 よ り,横 断 自転 車 の確 認 領 域 を 図2に 示 す6領 域 と定義 した.す な わ ち,自 車 の左 折 時 の進 行 方 向 に 対 し て右 側 は,A:横 断歩 道 右 側 周 辺,B:直 進 側 右 側 歩 道, C:左 折 先 右 側 歩 道 と した.左 側 は,D:横 断 歩 道 左 側 周 辺, E:直 進 側 左 側 歩 道,F:左 折 先 左 側 歩 道 と した.な お, 領 域Eに つ い て は,自 車 の 左 前 側 方 と 目視 に よ る確 認 が 必 要 な左 後 側 方 とで確 認 領 域 を 区別 す る場合 は,そ れ ぞ れE1,E2と した. 指 導 員 の確 認 行 動 シ ー ケ ンス を 良 く表 す 一 例 と して, 武 蔵 野 市 に あ る 「中央 通 り」 の 交 差 点 を 北側 か ら進 入 し た 際 の 自車先 端 位 置(「 自車位 置 」 と称 す る)と 確 認 領 域
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図2自 転 車 進 入 方 向 と確 認 領 域 8 7 rO P P P 5 P 4 . 3 P P q o 嘱 眉 の o 山 Q 一 〇 ヨ Q > P2 Pl Pa Pb Ps FDEBAC ObservationArea 図3各 領 域 の 確 認 順 序(基 準 位 置 軸) 6.0 5.0 0 0 0 0 0 4 ∩﹂ ブ 一 1 0 口 o 琵 三 ﹄ bD 壱 8 あ e 。起 卜 。 ﹀ 刷弐 幽 一1.0 一2.0 [sec] 一 〇 〇 一一一一一一一一■ 一■ 肖
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FDEBAC P7 --P6 P5 Pa 一Pb P4 P3 再Ps ObservationArea 図4各 領 域 の 確 認 順 序(時 間 軸) Plの 関係 を 示 す 図3お よび 図4を 作 成 した.図3の 縦 軸 に は 車 速 デ ー タ を積 算 した 距 離 を 用 い た.図4の 縦 軸 は 操 舵 開 始 時 を 基 準 と した 時 間 軸 で 示 した. 図3お よび 図4で は,自 車 位 置 を示 すP1か らP8の 基 準位 置 を 設 け た.す な わ ち,交 差 点 進 入 側 の 基 準 位 置 と して,P1:停 止線,P2:横 断 歩 道 進 入位 置,P3:自 転 車 横 断 帯進 入位 置,P4:自 転 車 横 断 帯 通 過 位 置 と した.左 折操 舵 開 始 後 の 基 準位 置 と して は,P5:左 折 操 舵 中間 位 置(車 速 デ ー タ よ り算 出),P6:左 折 先 自 転 車 横 断 帯 進 入 位 置,P7:左 折 先 横 断 歩 道 進 入 位 置,P8:左 折 先 横 断 歩 道 通 過 位 置 と し た 。ま た,運 転 操 作 を 示 す 基 準 位 置 と し て,Ps:操 舵 開 始 位 置,Pb:ブ レ ー キ ペ ダ ル 開 放 位 置 ,お よびPa:ア ク セ ル ペ ダ ル 踏 込 み 位 置 と し た. 4.規 範 確 認 行 動 の と り方 に 関 す る考 察 P8 7 rO P P 5 P 4 . 3 P P q o 三 。。 o 畠 o [o ヨ o > P2 Pl FI)EBAC ObservationArea 図5段 階 的 な 規 範 確 認 行 動 の 流 れ Pa Pb Ps 4.1段 階 的 な 確 認 行 動 の 考 え 方 3章 で 前 述 した 通 り,指 導 員 は 自車 の 左 折 先 横 断 歩 道 進 入 ま で の 予 測 到 達 時 間 を 基 準 と して,自 転 車 の 到 達 距 離 の 予 測 か ら確 認 範 囲 を 判 断 して い る.す な わ ち,左 折 操 舵 時 に は遠 め の 範 囲 ま で 確 認 を し,左 折 先 横 断 歩 道 の 直 前 で は 近 い 範 囲 を確 認 す る.さ らに ヒヤ リン グか ら, 早 め に確 認 を 始 め て 事 前 に で き るだ け情 報 を得 る よ うに 考 え て い る こ とが 分 か っ た.以 上 を考 え合 わ せ て,4方 向 か らの 自転 車 に 対 して 多 段 階,す な わ ち以 下 に示 す3 段 階 で確 認 行 動 を とっ て い る と考 え た. ●1段 階 目:各 確 認 領 域 は,交 差 点 進 入 時 の 停 止 線 の 手 前 で は確 認 領 域 ま で 距 離 が あ る,あ るい は 交 差 点 左 手 前 の 建 物 な ど の死 角 が あ る と 自転 車 の 有 無 を 確 認 で き な い.左 折 操 舵 す る過 程 で 各 確 認 領 域 が 順 次 見 え始 め た ら,後 の 確 認 行 動 の 負 担 を減 らす た め に 早 め に確 認 を始 め る.こ の確 認 に よ り,横 断 歩 道 で 交錯 す る可 能 性 が あ る 自転 車 を発 見 した場 合 は, そ の 後 の 速 度 制御 や確 認 行 動 を変 えて 対応 す る. ●2段 階 目:自 車 の 左 折 先 横 断 歩 道 進 入 ま で の 到 達 時 間 を 予 測 し,そ れ に 合 わ せ て 自転 車 の 到 達 距 離 を予 測 して遠 め の範 囲 ま で確 認 を行 う.横 断 歩 道 で 交 錯 す る可 能性 が あ る 自転 車 を発 見 した 場 合 に は,減 速 操 作 に よ り交錯 を回避 す る。 ●3段 階 目:2段 階 目の 確 認 で 交 錯 す る 自転 車 の 発 見 は概 ね 可 能 で あ るが,見 落 と した り,状 況 が 変 化 し た りす る可 能性 が あ る.よ っ て,左 折 先 横 断 歩 道 に 進 入 す る直 前 で念 の た め に 近 い 範 囲 の 確 認 を行 う. 自転 車 を発 見 した 場 合 は,急 制 動 にな る可 能 性 は あ る が 自転 車 との 交錯 を 回避 す る。 図3に 示 した確 認 行 動 シ ー ケ ンス に,上 述 した3段 階 の確 認 行 動 を 当 て は め て 図5に 示 した.こ の とき,1段 階 目お よび2段 階 目で は,自 転 車 の 到 達 距 離 を予 測 して 遠 い範 囲 ま で 確 認 す る た め,右 側 につ い て は,直 進 側 歩 道 は 領 域B,左 折 先 歩 道 は 領 域Cが 対 象 に な る と 考 え た.同 様 に 左 側 に つ い て は,直 進 側 歩 道 は 領 域 E,左 折 先 歩 道 は 領 域Fが 対 象 に な る と考 え た. 一 方 で,3段 階 目で は,自 転 車 の 到 達 距 離 の 予 測 に よ り,横 断 歩 道 に 近 い 範 囲 の 確 認 を 行 う.す な わ ち,右 側 は 直 進 側 歩 道 か ら の 進 入,左 折 先 歩 道 か ら の 進 入 と も に 領 域Aが 対 象 に な る と 考 え た.同 様 に, 左 側 は 直 進 側,左 折 側 と も に 領 域Dが 対 象 に な る と 考 え た. ま た,領 域Bの 直進 側 左 側 歩 道 に つ い て は,P3付 近 で 左 サ イ ドミラ ー に よ る確 認,お よび 目視 に よ る後側 方 の 確 認 が 見 られ た.こ れ は ヒヤ リ ン グ よ り,自 転 車 の 到 達 距 離 を予 測 した2段 階 目の確 認 の 意 味 もあ るが,操 舵 に よる巻 き込 み を 防止 す るた め に行 う確 認 で あ る こ とが 分 か っ た. 4.2各 段 階 に お け る確 認 行 動 の タ イ ミ ング 各 段 階 につ い て,確 認 行 動 を とる タイ ミン グ を考 え る. は じめ に,1段 階 目の確 認 につ い て考 え る.4.1で1段 階 目の確 認 行 動 に つ い て説 明 した よ うに,各 確 認 領 域 へ の 視 野 が 開 け る 時 点 で の 自車位 置 は 異 な る.こ こで,図2 に示 した6種 類 の確 認 領 域 に つ い て,自 車位 置 と対応 さ せ て確 認 可能 な領 域 を 図6に 示 す.図6で は,一 度 の確
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FDEBAC ObservationArea 図6自 車 位 置 と交 差 点の 見 通 しの 関係 認 で複 数 の領 域 を確 認 で き る場 合 は,同 じ四角 形 で 囲 ん で あ る.ま た,直 進 側 左 側 歩 道 につ い て は,P4を 超 えた 辺 りか らは 後側 方 の 目視 確 認 に よっ て の み 確 認 が 可 能 と な る た め,領 域E2と し て 色 を 変 え て 区 別 し た.図6 を 見 て も 分 か る よ うに,確 認 領 域 が 見 え 始 め た 地 点 の 付 近 で 確 認 行 動 を と る傾 向 が あ る と 考 え ら れ る. 次 に,2段 階 目の確 認 に つ い て 考 え る.自 車 が 左 折 先 横 断 歩 道 へ 到 達 す る時 間 の 予 測 に 基 づ き,自 転 車 の 到 達 予 測 を踏 ま え た 範 囲 の領 域 を確 認 す る.こ の と き,確 認 行 動 に よ り自転 車 を 発 見 した 場 合 に 余裕 を持 って 対 応 で き る必 要 が あ る.加 え て,到 達 予 測 の 正 確 性 を考 え る と, で き るだ け左 折 先横 断 歩 道 に 近 い位 置 で 確 認 す る と考 え られ る.こ れ らを満 たす 自車位 置 は右 側,左 側 とも にP5 付 近 で あ る と考 え られ る. 最 後 に,3段 階 目の確 認 につ い て考 え る.2段 階 目の 確 認 で の 見 落 と しや 状 況 の 変 化 に 対 応 す るた めの 念 押 しの 確 認 で,左 折 先横 断 歩 道 に 近 い 範 囲 の 確 認 を行 う.こ の た め,自 車 が 左 折 先 横 断 歩 道 に進 入 す る直 前 のP6付 近 で 確 認 を 行 うと考 え られ る.念 押 しの 確 認 で あ るた め,場 合 に よっ て は ア ク セ ル ペ ダ ル を踏 み 始 め な が ら確 認 を行 うこ と もあ る. 4.3段 階 的 な 確 認 行 動 の 組 み 立 て 方 4.1で 述 べ た3段 階 の 確 認 行 動 に つ い て 安 全 上 の 意 味 を 考 え る と,2段 階 目 と3段 階 目の 確 認 行 動 は 必 須 で あ る と 考 え ら れ る.ま た,操 舵 開 始 時 に 行 う 直 進 側 左 側 歩 道 の 巻 き 込 み 確 認 も 必 要 で あ る.こ れ ら の 確 認 行 動 の タ イ ミ ン グ を優 先 し,そ れ ら に 合 わ せ る 形 で1段 階 目 の 確 認 を 入 れ 込 む と 考 え た. こ こ で,右 側 も し く は 左 側 の 同 一 方 向 に お け る 直 進 側 歩 道 と左 折 先 歩 道 の 確 認 行 動 の と り方 に つ い て 考 え る.図6に 示 し た よ う に,Pl付 近 で 先 に 直 進 側 歩 道 の 確 認 が 可 能 に な る.そ の 後,P4付 近 で 操 舵 を 開 始 す る 辺 り か ら 左 折 先 歩 道 も確 認 が 可 能 に な る.し か し,1段 階 目 お よ び2段 階 目 で は 遠 い 範 囲 を 確 認 す る 必 要 が あ り,右 側 の 領 域BとC,左 側 の 領 域E(目 視 に よ るE2の 確 認)とFは そ れ ぞ れ 同 時 に 確 認 す る の が 難 し い.図6よ り,左 右 の 一 方 向 に 視 線 を 向 け る 間 に 直 進 側 歩 道 と左 折 先 歩 道 を 続 け て 確 認 す る 傾 向 が 見 て とれ る. ま ず,左 折 先 歩 道 の1段 階 目 と 直 進 側 歩 道 の2段 階 目 の 確 認 に つ い て 考 え る.P4付 近 で 左 折 先 歩 道 の 視 界 が 開 け た 辺 り で1段 階 目 の 確 認 を 行 う.こ の と き,直 進 側 歩 道 の2段 階 目 と確 認 の タ イ ミ ン グ が 近 く な る.一 方 向 の 確 認 時 に 両 者 の タ イ ミ ン グ が 揃 え ば,続 け て 確 認 行 動 を と れ る.し か し,両 者 の タ イ ミ ン グ が 合 わ な い 場 合 は,左 折 先 歩 道 の1段 階 目 の 確 認 の 後,直 進 側 歩 道 の2段 階 目 の 確 認 を 行 う と き に,左 折 先 歩 道 の1段 階 目 の 確 認 を も う一 度 行 う と 考 え られ る.実 際 に 図5か ら も,P4か らP5に か け て そ の 傾 向 が 見 て とれ る. 次 に,左 折 先 歩 道 の2段 階 目 と 直 進 側 歩 道 の3段 階 目 の 確 認 に つ い て 考 え る.直 進 側 歩 道 の3段 階 目 の 確 認 はP6付 近 で 行 わ れ る.左 折 先 歩 道 か ら の 自 転 車 の 進 入 位 置 は,P6の 地 点 か ら横 断 歩 道 の ぶ ん だ け 奥 に あ り,こ の タ イ ミ ン グ で 左 折 先 歩 道 の2段 階 目 の 確 認 を す る と,自 転 車 の 到 達 距 離 の 予 測 と 合 致 す る と考 え られ る.た だ し,横 断 歩 道 が 交 差 点 か ら離 れ て い る 場 合,直 進 側 歩 道 の3段 階 目 と左 折 先 歩 道 の2段 階 目 の 確 認 タ イ ミ ン グ が 異 な る 可 能 性 が あ り,そ の 場 合 は さ ら に 先 で 左 折 先 歩 道 の 確 認 を 再 度 行 う必 要 が あ る と 思 わ れ る. 4.4規 範 確 認 行 動 の 全体 的 な流 れ 4方 向 か らの 自転 車 に つ い て は,以 下 の 考 え方 に よっ て全 体 的 な確 認 順 序 が決 ま っ て い る と考 え られ る. まず,直 進 側 歩 道 と左 折 先 歩道 の確 認 順 序 は,双 方 の 歩 道 か ら 自転 車 が進 入 して く る位 置 を 考 え る と説 明 が つ く.す な わ ち,直 進 側 歩 道 か らは 自転 車横 断 帯 や横 断 歩 道 の 交差 点 寄 りの位 置 に進 入 す る.一 方 で,左 折 先 歩 道 か らは横 断歩 道 の 奥側 の位 置 に進 入 し,こ れ よ り交 差 点 側 で進 入 す る ほ ど,自 車 か らは発 見 お よび 回避 しや す く な る.よ っ て,左 折先 歩 道 の確 認 は 直進 側 歩 道 の確 認 よ り も後 で よい と考 え られ る。次 に,ヒ ヤ リン グ よ り,右 側 歩 道 と左 側 歩 道 の 確 認 順 序 は,自 車 との 交錯 地 点 ま で の 自転 車 の 到 達 時 間 か ら説 明 され る.右 側 歩 道 の 方 が 左 側 歩 道 よ りも 自車 の 進 行 経 路 に遠 い た め,交 錯 地 点 ま で の 自転 車 の 到 達 時 間 を考 え る と,右 側 歩 道 の 方 を 先 に 確 認 して も余 裕 が あ る と考 え られ る. 以 上 よ り,4方 向 か らの 自転 車 の確 認 順 序 は,(1)直 進 側 右 側 歩 道,(2)直 進 側 左 側 歩 道,(3)左 折 先 右側 歩 道,そ して(4)左折 先 左 側 歩 道 とな る.実 際 に,図5を 見 る と, 確 認 開 始位 置 と確 認 終 了位 置 に 着 目す れ ば,全 体 的 には この順 序 で確 認 す る傾 向 が 見 て とれ る. 最 終 的 に整 理 す る と,Plか らP4に か け て は,左 右 の 直 進 側 歩 道 の確 認 を 行 う.こ の 後,左 折 操 舵 を開 始 す るた め,直 進 側 左 側 歩道 の巻 き 込 み確 認 を行 う.続 け て,P6 に か け て は,左 折 操 舵 しな が ら直 進 側 歩 道 お よび 左 折 先 歩 道 の遠 め の 範 囲 を確 認 す る。 この と き,左 右 ど ち ら に つ い て も直進 側 と左 折 先 の 歩 道 を同 時 に 確 認 す る こ とは で き な い の で,顔 向 けや 目視 に よっ て続 け て確 認 を行 う. 最 後 に,P7に か け て,左 折 先 歩 道 を確 認 しな が ら,横 断 歩 道 付 近 の 近 い 範 囲 を確 認 して,確 認 行 動 を 終 え る. 本 研 究 で 得 られ た 規 範 確 認 行 動 は,横 断 自 転 車 と の 交 錯 を 回 避 す る の に,安 全 か つ 合 理 的 な 説 明 が つ く も の で あ る と言 え よ う.し か し,横 断 者 が 実 際 に い た 場 合 や,道 路 構 造 が 特 殊 な 場 合 の 確 認 行 動 の 変 容 ま で は 説 明 し切 れ て い な い.さ ら に,本 研 究 で 示 し た 規 範 確 認 行 動 の 事 故 防 止 へ の 活 用 に つ い て も, 今 後 検 討 す べ き 課 題 と 考 え る.