【研 究 論 文
1
UDC ;624.
02 :624.
023 :624.
O14.
2 日本建築 学会 構 造系 諭 文 報 告築 第 355 号・
昭和 60 年9 月骨
組
に
偏
心 を
有
す
る
鋼
構
造 立
体
骨
組
の
水 平 加
力
実
験
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 岡上
嵐脇
本
山
十 辻
井
五佐
山
金
静
定
宗
和
雄
*朗
**義
** *生
* * * *伸
** * **功
* * *** 1.
はじめ に 通常,
建築構 造 物は平 面 骨 組の集 合 体 として設 計 され るこ と が多い が,
各 平 面骨組の剛 性・
耐 力が同じ である ことはま れ で, 骨 組は剛 性な どに不 均一
さ を持つ の が一
般 的で ある。 ま た,
地 震 力な ど の水 平力 を受け る 場合, 無 偏心骨 組であっ て も骨 組の塑性 化の進 展に伴っ て剛心 が変 動 し,
骨 組に偏心 が生じ る。 さ らに, 地震外 乱は任 意 方 向か ら骨 組に作 用す る か ら,
骨組はね じ り変 形 を伴 う複 雑な 3 次元挙動を示す。
よっ て,
建 築 構 造 物の耐 震 安 全 性 を確 保 する ためには,
骨 組の 3 次元挙動の把 握が 必 要である。 塑 性 設 計の観点か ら も, 骨組の崩 壊 荷 重, 弾 塑 性 挙 動,
エ ネルギー
吸収能 力など を 明確にする必 要 が ある。
とくに,
中 低 層 鋼 構 造 骨 組の よ う に,
塑性域に おけるエ ネルギー
吸 収 能 力が骨組の耐震性 能を規定す る ような場 合,
骨 組の立体的な構 成 (偏心,
柱の断 面 力の 相 関 関 係な ど)が復元 力特性に及 ぼ す影 響 を 検 討し て お くこと は重 要で あ る。
骨 組の弾 塑 性 挙 動に関して は数 多 くの研 究がなされて いる。 実 験 的 研 究の大 部 分は平 面骨 組を対 象と し 〔3〕,
立 体 骨 組を対象 と す る もの は数 少 な い。 しかも,
無 偏心骨 組に偏心水 平 力が加 力され る実 験が ほ と ん どであ る 〔4,5
〕。
本 研 究は,
偏心 を有す る 立体骨 組の弾 塑性 挙 動, 耐 力 (崩 壊 荷 重な ど)を把 握す るこ と お よび3次元弾 塑 性 解 析の た め の実験資料を収集す ること を 目的 とす る。
本 報 は立 体 骨組の単 純 模 型と して 1層1
スパ ン立体骨組 模 型 を取り上 げ, 偏 心 量,
柱 軸 力 比.
水 平 加 力 方 向を実験因 子 として行っ た柱 降 伏 型 鋼 構 造立体骨組の水 平加 力実験 の報 告と剛 塑 性 解 析に基づ く若 干の考察 を 行っ た もの で あり,一
般 化 硬 化ヒ ンジ 法,
弾 塑 性 解 析法 な ど に よ る詳 細な解析的検討につ い ては稿 を改めて報 告す る。
2.
実 験方 法 2−
1 試 験 体 骨 組 〆 x Zー
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@ member b 亅e;
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宕 ‡ 2 ・儺
el \E鴨
6
匝 N圜
x 本 論の概 要の一
部は文献 1),
2)に発表 済であ る。
’ 大 阪 大 学 助 手 # 大 阪 大 学 助 手・
工博 “# 大阪大 学 教 授・
工博 *IS* 清 水 建 設 (株 } t*itt 大 阪 大 学 大 学 院 生 (昭和59年ll月2日原萵受理 日,
昭和60年4月 1日改 訂 原 稿 受理 日,
討 論 期 限昭和60年12月末日[ Oq卩
P14−
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一
Level3
一
Love12−
Leve11−
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一
1 試 験 体 骨組 〔}
一
一
〆
本 研 究で対 象とする立体骨組は1
層1
スパン立 体 骨 組 で あ り,1
図一
ユ に示す よ うに,
試 験 体骨 組はx ,Y
の 各 方 向の構 面が口 型の純ラー
メン と上部お よび下部の剛 部 材,
剛 床 版か ら構 成さ れ る。
ただし,
柱,
は り部 材は 局 部 座屈が生じ ない 正 方 形 断 面と し,
上下の は り は すべ て同一
断 面 寸 法の場 合を対象と してい る。 実 験は 2 シ リー
ズ か ら成り,
シ リー
ズ1
は階高h
が32cm
と 柱 細 長 比(= 柱 内 法 寸 法 (h−
70)/断 面 2次半径) が大きい 場合,
シ リー
ズll
は階高が 18.
5cm
と柱細 長 比が小さい場合で あ る。
実 験 因 子 は,
骨 組の偏 心パ ラメー
タ n,
m・
柱 軸 力 比 p・
水平加 力 方 向θ で あ り,
各 試 験体と次の関 係にあ る。
シリー
ズ1
に お い て, 試 験 体SFC −
1,
SFC −
2は,
・
柱 軸 力 比を変 数と し て平 面骨組の耐 力,
弾塑性挙動を 調べ る もの で ある。
試 験 体SFC −
4,SFC −
5は 1軸 偏心骨 組 (X ,Y
の 2方 向に対 して )で あり,
水 平 加 力 方 向 を 変 数とし て偏心の影 響を検 討する もの である。
試 験 体 SFC−
3,
SFC−
5は,
偏心 を変 数とし て水 平 加 力 方 向に よ る耐 力の変 動を調べ る た めの もの であ る 。 また,
シ リー
ズ 且におい て,
試 験 体SFC
−
6,
SFC
−
7 は平 面 骨 組の耐 力,
弾塑性 挙 動を加 力 履 歴を変 数と して 調べ る もの で あり,
1軸 偏 心 骨 組の 試 験 体SFC −
8,
SFC
−
9は柱軸
力 比を変 数と し て偏心 の影 響を検 討す る もの である。 試 験 体 骨 組は各 方 向の構 面のせ ん断 耐 力の和が一
定 値 2Q とな る よ うに設計さ れて おり,
骨 組の せん断耐力に 関 す る 偏 心 量 ex,
ey (= せ ん断耐 力 中心C
と 図 心G
との距 離)は骨 組の偏心 を規 定す る変 数n, m と次の 関 係に ある。
:
;
:
競
}
…………・
・
……・
…・
・
・
・
………
(1
) 骨 組の偏 心は柱 部 材の断 面 寸 法 を変え る ことに よ り導 入 され て い る が,
は り部 材を 20mm あるいは 25 mm 角 の正 方 形 断 面と し て, その降 伏モー
メ ン ト砥 の0.
5
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〕
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−
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」
表一
1 試 験 体の形 状 寸 法と実験因子 匚01umn m臼mber 図一
2 柱,
は り部材鉦
團
コ … ,,va
? ci 表一
2 鋼 材の機 械 的性 質 A−
A,
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h・rde・i・g m・d・1・i〜以 下と な る ように柱 部 材の全 塑 性モ
ー
メ ン トMp が規 定 され て い る。
また,
シ リー
ズ1
で は,
柱の 細 長 比は 72.
2〜
ユ08.
3, シ リー
ズ且で は 33.
2〜
49.
8で ある。
さ ら に,鉛 直 荷 重が載 荷され る場 合,
柱の軸 力 比は 0.
2とし,
すべて の柱の軸 力比 を等し く し てい る。
試験 体の形 状 寸 法, 実 験 因 子の一
覧を表一
1に掲げる。
部 材は 32mm 角の鋼 棒 (SS
41材 )か ら切 削さ れて お り,
その形 状を 図一
2に,
鋼 材の機 械 的性質を表一
2に示 す。
J とこ ろで
,
各 部 材の接 合を溶接に よっ て行 う と 残 留 応 力・
初期不整な ど の要因 が導入 さ れ るこ と, 種々 の部材 寸 法を持つ 試 験 体を今 後 共 実 験す るこ と など をかん が み, ジョイン トブロ ック 〔6〕 形 式の柱は り接 合 部を採 用 し た (図一3
)。
な お, ジョイン トブロ ック は,
クロム.
モ・
リブデン 鋼 (SCM
4)で, 部 材 との接 触 面に は高 周FrOme BEdm Column
Specir陀n nmPe 5巳ne5 閥αIIle 乙 1 ね 卩 Db1 Db2 { Db3 Db4 髄
匚
旧
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囗
匸
onnectlon 図一3
ジョイン トブロ ッ ク形式の柱は り接 合 部一
25
一
波焼入 れ が施さ れ ている
。
2−
2 加 力 装 置と加 力 方 法 加 力 装 置の概要, 脚部の詳 細,
上部の水 平加 力機 構の 詳細, 水平加 力 用床版と下部の剛床版の詳細を図一4− 8
に示す。
試験 体 骨 組は水平 面が確 保さ れ る ように切 削 加工 さ れ た鋼 板 (B
)を基盤と して設 置さ れ る。下 部の剛 部 材 (D
) は治具 (C
)を用い てこの鋼板に連結さ れ る。 こ の治具 には球 面 滑り軸 受が組み込ま れ,
脚 部が任 意 方 向の曲 げ とね じ り を拘 束し ない とい う条件 (ピン支持の条 件 }を 満足 す る よ うに設 計 されて い る。 試 験 体の 上部の剛 部 材 (G
)に は 鉛直荷 重 載 荷用軸 受 〔1>が取り付け ら れてい る。
軸 受に は球 面 滑り軸 受が 内 蔵さ れてお り,
試 験体の水 平 移 動に対して鋼 榛 (の が抵抗し ない よ う に さ れ てい る。
こ の鋼 棒 と横架材 (κ),PC
鋼棒 (9.2
φ)(L
),
重 錘 (M
)によっ て鉛 直荷 重 (P) が試 験 体 骨 組の 頂 部に載荷され る。
下 部の剛 床 版はレベ ル2
の節点が水平面 内に剛の条 件 を 満 足さ せ る た め の もの であり,
4隅に は球面滑り軸受 が用い られ,
剛 部 材 (D
)と ピン接 合されてい る。一
方, レベ ル 4での床 版は水 平 力 をレベ ル3
の各節点に 伝 達 す る た めの ものであり,
柱 部 材の軸 変 形 を拘 束し ない よ う層一
Re己
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一
4 加 力 装 置の全 容 200 20D Verti匸t1 550 400 5EO {/ 噸
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図一
5 加 力装 置一
一
H 〈= コ
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PGrO 臼 Zt
ゆ
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Base of tesし〜
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」旧
en 図一
6 脚 部 詳 細 1 図一
ア 水 平 加 力 装 置 に さ ら に 4隅の一
つ (柱C3
との接 点 )に ピン (水 平 面 内に対 して は岡ID が設 けら れて いる 。水 平 力の加 力は
,
試 験体の上部の床版
(F )に球 面滑 り 軸受を 介 して取 り 付 け ら れ た 水 平 加 力治具 (H
)をPC
鋼棒 (9.
2
φ).
で引張ること に よ り行う。
ただし, 引張 力は反 力フ レー
ム側の ナッ トを締め付け るこ とによ り導 入 さ れ る。
な お,PC
鋼棒の両端には曲げ が作用 し ない よ う に球面 座 金が挿人 さ れて いる。 ま た,
試 験体骨 組が加 力 方 向と直 交 方向に水平 移動 しても,
加力方向の 水 平力の 許 容 誤差 が 1% 以 内にな る よ う・
に,
試 験体骨 組の加 力 点から 3.
25m の位 置に反 力フ レー
ム を設 置し て い る。
次に,
、
加 力方 法を掲げ る。
鉛直荷重が 載 荷 さ れ る 場 合,
まずPC
鋼 棒 (L
)にて ん付し たひずみ ゲー
ジ よ り得ら れる平 均 軸ひずみ を計 測し なが ら,
鉛 直 荷 重 を 数ス テッ プに分 割し て各柱に載 荷し た後,
水 平 加 力 を行っ て いる。
水平 加 力につ い て,
シリー
ズ1
で は, 単 調 加 力時, 骨 組の崩 壊 荷 重に到達 しひずみ硬 化 現 象が顕著とな る範 囲 まで,
す な わ ち本実 験で は X 方向層 間変形 角で O.
05 rad.
まで加 力し た。 そ して,
この時の最 大 層 問 変 形 角 「「
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1
図一
8 水 平 加力 用床版 と下 部の 剛床版 を振 幅と して定 変 位 振 幅 繰 返し加 力 を2サ イクル行っ た 後,
0.
10−
0,
12rad,
程 度の 大 変 形 領 域 まで加 力して実 験を終 了し て い るa ただ し, 試 験 体SFC −
2で は繰 返し 加 力 時に耐 力 低 下が著しくなった た め実 験 を終 了し てい る。 シ リー
ズII
で は,
試験 体SFC−
7を除い て,
層 間 変 形 角で0.
04
rad/.
まで加 力し た後,
定 変 位 振 幅 繰 返し加 力 を2
サイクル行っ た。
そ の後,0,
08rad.
の定 変位 振幅 繰 返 し加 力 を 1サ イ クル 行い実 験 を終了 して いる。
試 験 体SFC −
7で は, 漸 増 変 位 振 幅 繰返 し加力 (ARx =
0.
02 rad.
)が な さ れ,
最 大 層 間 変 形 角0,
l
rad.
ま で行っ て い る。
2−
3 測 定 方 法 (a ) 荷 重の測 定 試 験 体骨組に作用 す る水平力H
は,
水 平 加力 用のPC
鋼棒をロー
ドセ ルとして使用して得てい る。 ま た,
鉛 直 荷 重P
は,
鉛 直荷 重 載 荷用のPC
鋼棒 (ロー
ドセル )より得られ る荷 重P‘と加力治具重量 (186.
8kg > の和で与え ら れ る。
(b) 変 位の測 定 図一
9に示す よ うに,
水 平 変 位 26か所,
鉛 直 変 位 ユ6 か 所の 計42か 所の変 位を,
変 位 計を用い て測 定し た。 た だ し, 試 験体骨組が水 平移動し て も そ の測定長さ の変 化が無 視で き る よ うに,
試 験 体骨組か ら約 1.
45m 離れ た位置に水 平 変位 測 定用の変 位 計を 設 置 し ている。
これ らの変 位よ り,1
層1
スパ ン立 体 骨 組と し ての各一 27 一
一.
一
瓦Freme K2 Franie Y轟
丁11 … → x VlFrarr
.
eLev 巳13Yl Fr乙田
∈ 図一
9 変 位,
ひずみ の測 定 変形 量 を算 定し た。
1)脚 部の ピン の鉛 直変 位に よ る各構面の剛 体 回 転角 ジョ イン トブロ ッ クに取り付け られ た2台の ダ イヤル ゲ
ー
ジ型変位計よ り得られ る値の平均 値は脚 部i
の鉛 直 変 位 δei と見な し う るか ら, 構 面の 剛体回転 角 gθXi,
gθyi は次 式で与え ら れ る (図一
10 )。
致
:
:
綺
:
ゴ
訟
淵
………・
・
(・) こ こ に,
Xf,
鋳 :構 面の番 号1
:ス パ ン長 さ 2) 骨 組の各 構 面の層 間変形角 構 面の 剛 体 回転を考慮す れ ば,
各 構 面の層 間 変 形 角 Rxl,
Ry
‘は次 式で与え られ る (図一
10)。
RXi=
(Xs 十 XG一
π 厂 τlo)/2h−
gθ=1RXt=
(x7十 Xs−
Xl1−
x12)/2h−
gθxt R訓=
(y,+y广 y,−
Yll)/2ん一
。θylRsu
=
(y
,+Ys−
y田一
y、2)/2
ん一
。θ. こ こ に,
九:階 高 3) 骨 組の層 間変形角 x, 変形 角よ り次 式で得ら れ る。……・
(3) Y 方 向の層 間 変形 角 は,
各方 向の 2構 面の層 間 1 s ・ xL
_
L_
」 図一10
構 面の層 間変形角 v LeyelL ,.
,12L … 】 ・ メ ◎ y・ y・ @ y・・ 図一
11 骨組の ね じ り角1
;
:
1
鯲
調
…・
……・
………・
……・
・
… ところで,
水 平 加 力 方向が骨 組の 主軸と な す角を・
θ と す れば,
骨組の加 力方 向 (ξ方 向 〉お よび 直交 方 向 (η 方向 )の層 間変形角は次式で求め られ る。
1
二
:
蠶
齢
1
謡
卜
一・
一
・
…
… 4) 骨 組の ね じり角 レベ ル 2 とレベ ル 3のね じ り角凡‘を各 節 点 間の面 内 の相 対 変 形 角の平 均 値とし て定 義 すれ ば (図一
11),
骨 組 と し ての相 対ね じれ角 R。
は次 式で得られ る。
Rz
=Rz3− Rn ・
・
・
・
…
一…
『
…
ttt
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(6
) (c ) ひずみの測 定と断 面 力 図一9
に 示 す よ うに,
柱 部材で は上下 2断 面の各辺の 中央 部に, は り部 材では左 右2断 面の上,
下 縁 端の中 央 部に 1軸ひずみゲー
ジ をてん付し,
縁ひずみ を測 定し た。 こ の測 定 位 置は大 変 形 領 域で も断 面が弾 性 域にと ど ま る 位 置であ る。 これ ら の測 定ひずみ よ り, 断 面の曲 げモー
メン トM π
, M。,
軸力N
を算 定 し,i
柱 部 材のX ,
y
方 向の せん断 力QXi
,Qyt
を求めた。
ま た, 危 険 断 面で の塑 性 化の判 別に も使用し た。
3.
実験結果と考察3−1
ジョ イン トプロ ッ クの性能試験H
、
5x10 12 i I 図一12
ジョ イン トブロ ックの性 能 試 験 本 実 験に 先 立っ て,
図一
12 に示す ように ジョ イン ト ブロ ッ ク を 固定端と して柱,
は り部材の片 持ば り形 式の 曲 げ試 験 を行い,
ジョ イン トブロ ッ ク形 式の柱はり接 合 部の 曲げに対 する固 定 度を検 討し た。 な お,
部 材は25 mm 角の正方形断面と し た。
図一
】3に実 験 結 果 (横 力H 一
た わみ δ曲 線 ) を示す。
図中, 実線は材 長 を添図の よ うに した場合の片持ば りの 弾 性 剛 性 と崩 壊 荷 重である。 弾 性 剛 性に関して,
ジョ イン トブロ ッ ク中心 と加 力 点 間を材 長と する片 持ばり部 材の弾 性 解 析 値とは り部 材で は わ ず かに差が認め ら れ るもの の,
良く近 似してい る。 ま た,
崩 壊 荷 重は,
柱 部 材で は柱 側 面の固 定ボル ト位 置 に塑 性ヒ ンジ が形 成さ れ る場 合の単 純 塑 性 理 論に よる解 1000 HCkg ) 500 Oleoe H (Lg) 500 o.
5 δCcm} 1.
0 O O.
5 6 【cm) 1.
O 図一
13 ジョ イン トブロ ッ クの性能 試 験 結 果 析 値と一
致 して いる。 は り部 材で は固定 ボル ト位置あ る い はブロ ッ ク表面の各 位 置に塑 性ヒンジが形 成さ れ た 場 合の解 析 値の間に実験値が存 在す る。
これ らをま と め れば a) ジョイン トブロ ッ ク を 用い て剛接の条 件を各 節点 で満足す る こ と が可能で ある。
b) 等 断 面 部 材の ジョ イン トブロ ック領 域は部材と 同一
断 面と して良く,
こ の領 域 を 剛 域 とす る必要 は な い。 な お,
これ ら は文 献6)の結 果 と大 差ないといえ る。
3−2
荷重一
変 形 関 係と変 形 性 状 図一
]4に水 平 力と加 力 方 向の層 間 変形角Re,
直 交 方、
向の層 間 変 形角R
ηの関 係 を, 図一15
に水 平 力と骨組 のねじ り角 R.の 関 係 を 示す。
図 中の 数 字は塑 性ピ ン,
ジ の 形 成 状 態 を 表す。
ま た,
図一
16 に骨組図 心の 軌 跡 (Rエー
Ry
関 係 ) を,
図一
17に は水 平 力とY
方 向構 面層 間 変 形 角Ryi
の関 係の一
例 を示 す。 な お,
塑 性ヒンジ形 成の判 定は,
部材に てん付し た ひずみゲー
ジよ り得ら れ る危険 断 面 (ジョ イン トブロック端 )で の断 面 力 (軸 力 と 2軸 曲げモー
メン ト)に対し,矩形 断 面の降 伏 関 数〔7
〕 が一
〇.
05 に到 達し た時 点で行っ て い る。
試 験 体SFC −
2,SFC −
7,SFC −
9 を除く すべ ての試 験 体で,
明 確な塑 性 流れ域 が 荷 重一
変 形関係に おいて認 め られ,
そ の後ひずみ硬 化 域に至っ て い る。
その後の加 力 方 向の履 歴 曲 線の形 状は紡 錘 形で, 安 定し た定常ルー
プを描 く。
な お,
柱 細 長 比が大きい場 合に は, 塑 性 流れ 域の長さが長く なる傾 向がある。
ま た,
安定限界は鉛 直 荷 重が載 荷さ れ た試 験体SFC −
2,SFC −
9の みで現れ て い る。 次に各 試 験 体の個々 の挙 動につ い て掲 げる。
X
方 向に水 平 加 力さ れ る無 偏 心 骨 組の試 験 体SFC −
1 は,
平 面 骨 組とみなせ る立 体 骨 組である。
弾性 域に お い て は,X
方向の 2構 面の 弾 性 剛 性は同一
で あり,
すべ ての柱が 同時に初 期 降 伏 (図中の♂印)して い る。
そ の後,
4本の柱の 危 険 断 面に ほ ぼ 同時に塑 性 ヒ ン ジ が 形成さ れ,
崩 壊 機 構に至っ た と考え られ る。
試 験 体SFC −
2はSFC −
1と同一
の立 体 骨 組である が, 柱の降 伏 軸 力の 0.
181〜
O.
216 (平 均 値0.
198)倍の鉛 直 荷 重が載 荷さ れた後, 水 平 加 力さ れ て い る。
な お, こ の 数 値 (柱 軸 力比 〉は柱の ひずみゲー
ジか ら算 定し た もの で あ る が,
こ の変 動は柱によっ て脚部の沈 下 量が異 なる ためで あり, 脚 部 沈 下 量の大きい柱 程柱 軸 力 比が小さい とい う結 果が得られ た。
水 平 加 力 時に は
,
すべ て の柱に塑 性ヒン ジが形成され 最 大 荷重 (安 定 限 界 荷 重 )を示し た後,
PA 効 果に よ り 耐力 低 下が生じて い る。 弾 性 域で は X 方 向 構 面の差は 明確で はないが,
最大 耐 力以後には構 面のせ ん断 耐力に 差異 が 認 め ら れ た。
これ は,Xl ,
X2
構 面で剛 体 回 転 量に よっ て誘 発さ れ るP
△効 果が異な る た め で あ る。
一
29
一
盲 〔a)SFC
・
1 30Q 1 ! 【b)SF⊂−
430D1.
愈L一
,馬
『
.
b
ゐ
籌
05 o 0.
05R.
{・
・
d・
} o・
き・
0.
05 o 0.
05 R 〔「
δの O.
Z τ ノ一
300弗
x多
一
300・
D、
H 〔c }SFC−
3 〔k9 ) 300 !’.
譖
商
07 0
−
30D ゜1 R ξ1旧」」 °・
15 ◎/
Y鍔
・〔
卸 θ 鐸
・
o.
一
〇.
鐸
翼瀕 囲
〔
翆
300 / (d〕SFC4 H 〔kg} 燭審
05 o O、
05 LR.
{rad.
〕 0.
1 H−
R属
H−
Ry一
300 ◎ Y一
D ◎ T !岬
、
・理 齠
理 齠
一
一
一
〇.
1一
〇.
1 〔f)SF⊂−
5 1000.
〆 H 〔kg}11
−
1一
〇.
05 o O.
05R 【rad.
〕 0,
1 異 Y /一
100D弗
ズ齟
(gl SFC−
7 1DDOH 【kgl.
/.
吽 1
.
1一
〇.
O 0 2−
1000 0.
05 R 〔田d.
)0.
1x /Y
・
弗
・鬱 θ
夢
饅
一
〇1 SFC−
8 1000H 〔k9) !融
6
.
一
監一
〇.
05 o o・
05.
Ri(・・dj O・
:
:卜
一
1000 ◎ ノ y齶
・〔
翆
〔
鏨
卿
一
〇1 【・}・・C−
・H
嬲
’
あ
/ 〆 ・ (わL丶
.
1pO.
05 0 0・
°5 Ri 〔「
ad・
鬥
HH登
門一
Rx
1
〜 H−
R y一
iODO ◎ T ノ弗
x理 卿 面
図一
14 水 平 カー
層 間 変 形角 関 係一
31
一
一
〇.
05 300 〔司SF匸一
2H (kg) 酬.
05 0 o、
05R zlrad.
10.
一
3uo一
〇.
05一
〇.
一
〇.
05 300 lb)〜FC−
2 H 〔kg}/
動
丶 05 0 o・
05 Ri 〔・盈d・
} 0 吋・
R賦
つ
一
一
〇
唱
◎
−
H−
Ry↓
v / L一
300弗
x鐸
(の SFC−
810DO 「 唄 kg)唱
一
.
罍
05 0 Rz 〔rad
.
[0曹
亅000一
〇.
R {Z rad、
, 0.
1 図一
15 水 平カー
相 対ね じ り角 関 係 耐 力 低下後は Y 方 向に も変形が生 じ る と同 時に骨 組の ねじ り変 形 も 認め られ た。
除 荷 時に は, ね じ り角はO.
00947
rad.
で あっ た。
その後 繰 返 し加 力 を試み た。
し か し,
骨 組のね じ り変形 が 1方 向に累 積しかつ 耐力の低 下が著しい た めに 1サ イ クルで実験 を終 了し た。
これ は 図一18
に示す柱せ ん断 力の相 関 曲 線 (図 中の 円 は 円形 と仮 定し た降 伏 曲面 )か ら 明 らか な よ うに,PA
効果に よる ね じ リ モー
メ ン トお よ び y 方 向 構 面の せ ん断力が 増 大し,
X 方 向構 面の せ ん断 耐 力が低 下す る た め で あ る。
試 験 体SFC −
3はSFC −
1と 同じ立 体 骨 組であるが,
4SP方 向に水 平 加 力さ れて い る。
柱CL
C3 ,
C4
に ほ ぼ同 時に塑性ヒ ンジ が,
遅 れてC2
に塑 性 ヒ ンジ が 形 成 さ れ る。 な お,
骨 組のね じ り は生じていない。
試 験体SFC −4
は,
Xl ,
X2
構 面のせ ん断 耐 力が1
: 3.
4で,0
°
方向に水平 加 力さ れ る1軸 偏心 骨組で あ る。
まず,
柱C1
,C2
に ほぼ 同時に塑性ヒンジ が形成 され てXl
構面のせ ん断剛性が激 減し,
その後の水 平 力の増」
一
〇.
lO.
。葡一
D、
0ヰ R 〔rad.
} SFC・
4 you 〜一
〇.
05 0 D.
05R0ス
.
10一
〇.
02 〔md.
}・
a.
05 Crad, n.
04Ry 〔md , 5F匸一
B 0.
02 一腰
0,
05 o 0.
05 只 0xlrad.
〕一
〇.
02 図一
16 骨組の図心の軌跡 (偏張立 体骨 組) 加量はX2
構 面で負 担さ れ る。
次に,
柱C3 ,
C4
の順に 塑性ヒ ンジ が形 成さ れ る が,
柱C4
の場合は変形が進展 して後であっ た。
し か し,
柱C
笋に塑性ヒ ンジ が 形成さ れー
ζ数ス テッ プ後にX2
構 面の 負 担 せ ん 断 力 が一
定 と な ること よ り,
崩 壊機 構は柱C4
の 塑性ヒ ンジ が 形成 前に 生じ てい る と推 察される。
こ れは柱C4
で は ね じ りモー
メ ン トの影 響が大き い に もか か わ らず,
危 険 断 面で の塑 性ヒ ンジ形 成の判 定に おい てねじりモー
メ ン トを無 視し て い ることによる。一・
方,
弾 性 域ではy
方 向の変 形は 偏よ ること は 無 く,Y
],
Y2
構面 が 互い に逆 方 向に水 平変位す る が, 崩壊機構が 形成さ れて からは耐 力中心 がX2
構面に偏よっ てい る た め各 柱の ひずみ履 歴が異な り,
回転 中心の変 動が生 じ る。
その結果,
骨組のy
方一
〇.
図一
17一
10 2{kg )一
1 図一
18 柱せ ん断力の相関 関係 qK3{kg〕 100 1°向に水 平 変 位が生 じ
,
、
繰
返しと共に正 方 向に変 形が累 積 す る。
試 験 体 SFC−
5はSFC
−
4 と同じ ユ軸 偏 心 骨 組で ある が,
45°
方 向に水 平 加 力 される。 こ の骨 組は こ の方 向の 加 力に対し て は 2軸 偏心 骨組であ り,
骨組は加 力 方 向お よ び直 交 方 向の 2方 向に変 形する。
弾 性 域で は, せ ん断 剛 性の小 さなXl
構 面 が最 も大き く水 平 変位し,
剛 心か ら最 遠に位 置する柱Cl
に塑 性ヒンジ が形 成され る。
次 に, 柱C3 に塑 性 ヒ ンジ が形 成さ れ, Yl 構 面の負 担せ ん断 力は一
定と な る。 よっ て,
骨 組の剛 心は Y2 構 面 上に移 動し
,
柱ρ4に近 接す る。
崩 壊 機 構に到 達し て い る SFE_
9 ク 時 点で は,
柱C2 ,
C4
の柱脚の みに塑性 ヒン ジ が 形 成 さ れてい る が, 断 面の降 伏 判定に関してね じ りモー
メ ン トを無 視してい る た め と考え ら れ る。
0 10 試 験 体SFC −
6は階 高の点を除け ば基 本 的に は試 験 体SFC −
1と同一
の平面骨組で,X
方 向に水平加 力さ れ る。
徐々 に骨 組の せん断 剛 性が低 下し た後,
わずか な降 伏 流 れ域 を示し,
こ こで すべて の柱に塑 性ヒン ジが形 成され, 崩壊 機構に至っ てい る。 そ の後の繰返し加 力に対し て、 処 女 加 力 時よ り も大き な履 歴ル.
一
プ を 描き,
し か も,
繰 返 し変 位振 幅 が 大 きく な る につ れ荷重 振幅も 大 き く な る。 試 験 体SFC −
7はSFC −6
と 同一
の 骨組で あ る が,
漸 増変 位 振 幅を受ける。
塑 性ヒン ジ の形成順序に乱れ が認 め られ る もの の,
2回 目の正 方 向加 力 時に 4本 柱すべ て に塑 性ヒ ンジ が形 成さ れて いる。 こ の場 合にも変 位 振 幅 の増 大と共に,
骨 組のせ ん断 耐 力は上 昇して い る。
試 験 体 SFC−
8は,
SFC −
4と同 様 偏心パ ラ メー
タm が0,543・
でX
方 向に水平加 力さ れ る1
軸偏心 骨組で あ1
る。
最初,
柱C2
に 塑 性ヒンジ が形 成さ れて弱いX1
構 面の せ ん断 剛性が低 下し, そ の結 果と し てX
方 向の せ ん断 剛 性が低 下 する。
その後,
柱C3 ,
C4
に塑 性ヒ ンジ が形 成 され,
骨 組の せん断 耐 力は一
定とな り, 崩 壊機構に。
.
1。 到 達 し た と考え られ る・
しか し・ 柱C1
に の つ い てはひずみ硬 化によ る耐 力上昇が認め ら れ た 時 点で塑性 ヒ ン ジ が形 成さ れ て い る。
ま た, 偏心 が有っ ても繰 返しに伴いせ 水 平 カー
構 面 層 間 変 形 角 関 係 (試 験 体SFC−
9) ん断 耐 力は上 昇し,
.
X 方 向層 間変形角,
300H こkg) 0 O.
05Ry2o.
〔rod.
}一
300一
33
一
500Qx2 〔kgl C2
−
Colu田
n 500Py2 〔kg, 躍 o O.
10R.
11・ad・
} 0 o.
】oRy2 〔r颪ゴ.
】 500qx4 {kg} C4−
Colu附
n 50Dqy4 (kg,一
〇.
10 o O,
10R ,2 【・
・
d・
} O.
1DRy2 {rad.
} 図一
19 柱せ ん断 カー
部 材 角 (構 面の層 間 変形 角 }関 係 (試験 体SFC−
9> ね じり角に対して安定し た履歴ルー
プ を描き,
し かも履 歴ルー
プが 偏 るこ と は 無い。
さ らに,
繰返 しと共に,
立 体 骨組のy
方向に変形が生じ, 正方向に変 形が蓄 積 す る が,
その量はX
方 向 変 形に比べ れば小さい。
試験体SFC −9
は,
SFC −8
と 同一
の 立体 骨 組で あ る が,
柱に降 伏 軸 力のO.
16〜O.
26
(平 均0,
198
)倍の鉛直 荷重が載 荷さ れてい る。SFC −
2と同様,
脚 部 沈 下 量が 大 きいほ ど柱 軸 力比 は小さい。 水 平 加 力 時には,Xl
構 面の柱に塑 性ヒ ンジ が形成さ れ た時点が安 定 限 界 荷重で あっ た。
そ の後,
PA 効 果に より耐 力 低 下が生 じ たが,
柱C3 ,
C4
に部分的に塑性 ヒ ンジ が形 成さ れ,
ひずみ 硬 化が 認 め ら れ た時点ですべ ての柱の柱 頭,
柱 脚に塑性 ヒ ン ジ が,
す な わ ち機 構が形 成さ れて い る。
ま た,
耐 力 低下後は y 方 向に変形が生 じ,
繰 返 しに伴い 正 方向に 変 形が蓄 積 するが,
そ の度 合は試 験 体SFC −
8よ りも大 きい。 さ らに,
層 間変形 角がO.
04
rad.
の定 変 位 振 幅で は ね じり角の履歴ルー
プは原 点に対 し て点 対 称であ る が,
0.
08 rad.
の定 変 位 振 幅では ね じり角の履 歴ルー
プ の中心 は 正方 向に偏っ て いる。 これ は,
各 柱が変 動 軸 力 qy4{kg[ C4−
CO1ロm旺 2001
ノ
話聡
12
ン
0 zoo !騨
レ.
冫く,
,
一
20D 図一
20 柱せ ん断 力の相 関関係 〔試 験体SFC−
91 を受ける こと,
柱の各 応 力が相 関する こと,
P△ 効 果な どに よ り各 柱の塑 性 履 歴が異な る た め で ある。
よっ て,
大 変 形 領 域で は柱の水 平 耐 力が初 期 状 態と異な ること な どにより回 転中心 が Y 軸上か ら移動す ると と もに図 心 に近 ず き,y
方 向 構 面の層 間 変 形 角の 逆対 称 性が失わ れ る (図一17
)。 3−
3 偏心立 体 骨 組の柱部 材の応 力 1軸 偏心立 体 骨 組の代 表 例と して試 験 体 SFC−
9を取 り上 げる。 図一
19に柱のせ ん断 力と部 材 角 (構 面の層 間 変 形 角 )の関 係 を,
図一
20に柱せ ん断 力の相 関 関 係 の一
例を示す。 柱の せ ん断 力は,
断 面の曲げモー
メ ン ト 曲 率 関 係を完 全 弾塑性 型と して求め た。 な お,
図 中に円 形と仮 定し た降 伏 曲 面 を示す。 柱Cl ,
C2 は,
単調加 力 時に は X 方 向せ ん断力 が卓 越して い る の に対し て,
繰 返し加 力 時にはY
方向せ ん 断 力が増 大 する。 柱C3 ,
C4
はい ずれ の場合で もX
,Y
方向の せ ん 断力を受ける。
と こ ろ で,
各 柱は繰返 し に伴い 降伏曲 面は拡 大, 移 動する傾 向が認 めら れ る。 図一
21に,
柱の塑 性 化が そ れ程 進 展 し ていない範囲 と考え ら れ る単調 加 力と その後の 1サ イク ル の繰 返し加 力につ い て, 各段階に おける構 面 のせ ん断 力に よ る図心回りのね じモー
メ ン ト を示す。 X1,
X2 構面の せ ん断 力の差に よ る図 心 回りのね じりモー
メ ン トに対し て,Y
方 向構 面のせ ん断力によ る 図 心 回 りの ね じ り モー
メ ン トで抵 抗して い る こと,
単 調 加 力 時 に はこれ らの和 (柱の ね じ りモー
メ ン トの和 に負号 を付け たもの 〉はわずか であ ること が 認め られ る。
なお,
骨 組のね じ り剛 性に占め】D (七匸田〕 5 0
一
5一
10 [Hxi・
ayi−
iHyi’
° x‘ s しeploo SFC−
9−‘
’
°
舮
1ト1 .1・
ayi→
°
°
“−
E1
・
。 、i 図一
21 図心回り の ね じりモー
メ ン ト {試 験体SFC−
9) る柱の ね じ り剛 性の和の 割 合は,
試 験 体SFC−
4,
5で は4.
.
7
%, 試 験 体SFC −8
,9
では2.
3
%であ る。
3−
4 弾 性 剛 性,
降 伏 荷 重 と崩 壊 荷 重 (]) 実験 値と解析値の比較 各 試 験 体の弾 性 剛 性, 降 伏 荷 重と崩 壊 荷 重 (あ るい は 安 定 限 界 荷 重 )の実 験 値 と解 析 値 を表一3
に,
また図一
14, 15に解析曲線を鎖線で示す。
図一
22に は偏心立体 骨組の回転 中心の分布の一
例を示す。 な お,
丸 印は実験 値であ る が,
● 印は最 初の半サイクルを示す。
ま た,
大 小の口 印は解 析 値であ る。
弾性剛性の解析値は,
各構面 (平 面 骨 組 )の2
次弾 性 解 析よ り得ら れ た せ ん 断 剛性を 用い て,
水平加 力点 (床 版の図 心 )に関す る 力のつ り合式, 変形の適合 条 件 式か ら得ら れ た値で あ る。
ただし, 柱 部 材につ い て は両 端 部 (ジョイン トブロ ッ クの領 域 ) を剛 域と して,
は り部 材 で は両 端 部を弾 性 部 材と し て取 り扱い, 節点は剛接と し て い る。
また,
c,Kiは こ の立 体 骨 組の 剛 心に水 平 力が 作 用 する場 合の弾 性 剛 性である。
降 伏 荷 重め解 析 値は、
’
軸 力と2軸 曲 げモー
メ ン トに対 して矩 形 断 面の降 伏 曲 面 〔7 〕を用い て最 初に塑 性ヒ ン ジ が形 成さ れる時の荷 重で ある。
実 髫剣 直とし て の崩 壊 荷 重Hm は,
.
降 伏 後 変 形の増 大に 対して水 平 力が一
定 とな る領 域の 水 平 力の平 均 値で あ 表一
3.
a 実 験 値 SF一
1 5Fし一
日.
10 mpy凄
2 yP O 00
0
0 0
5
匪
5 2
1
1 6D 巧 5 ひ F D10
一
100 Py 〔cm}粛
ρxCcm ] 50°
100 c・
9 o (y Gm} εOO・
15o ♂り
,
o」
゜
顎00 ヤ
卩
50o.
日
,
, ◎ooPX
〔⊂
ml 00一
50 ε 50 ,o 図一
22 骨組の回転 中心 る。
ただ し,
試 験 体SFC −
2,SFC −9
にっ いては最 大 荷 重である。 解 析 値Hρc,
Hs は,
そ れ ぞ れ 1次 剛 塑 性 解 析 値,
弾 性 解 析 直線と 2次 剛 塑 性 解析 曲 線 との交 点の値で あ る。
た だ し,
軸力 が存 在す る場 合に は断 面の全 塑 性 曲 げモー
メ ン トを低減 して い る。 また,
、
4S°
方 向 加 力の場 合,
正 方 向断 面の主 軸に対して 45°
傾い た軸の全 塑 性 曲 げモー
メ ン トが主 軸回 りの全 塑性曲げモー
メ ン トM
ρ の v百 /3 倍であること を考 慮して,
次 式の 降 伏 曲 面を 用い て崩壊 荷 重 を算定 し た。9/8
・
1
(M
エ/Mp
) 1 十(My/Mρ) 21 十(Mz/Msp)z=1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9・
・
・
…
『
・
・
…
一・
・
・
・
…
(7} こ こ に,Mx ,
砥 は主 軸 回り の 曲 げモー
メ ン ト, M。
,
Ms
ρ は ね じ りモー
メ ン ト,
St.
Venant の全 塑 性ね じ り」
表一
3.
b 解析 値 Spe匸imenKx 〔Kξlt /rad.
) Ky〔 ) t〆rad.
t/rad.
} 【k 〔k) K 、 Hg H. S卩e⊂裲。, 。rK.〔。,Kyl ごし〆「4d.
} KK〔K§〕 〔t /r乙d.
〔Kn) t/rad.
kztrod
,
H yk HCup (k } Hpc l団sl kP (cm乂 ρ yc 叩 SF匸一
1SFC−
2SFC−
315.
2013D521.
3115.
D7■
−
2].
24一
一
,
2501 乃 24425 呂 182255SFC−
13FC−
2SFC−
315.
41L.
」
.
15.
耳112.
8121,
6915.
341■
了
21.
59{15.
3q,
一
一
26325324 ア 置631
,
Il253253 〔201} 2qア
9
−
1
一
一
一
l
SF⊂−
4 SFC−
514.
89,
192014.
7B一
24q8122.
230.
BO40.
302492512582705FC−
45FC−
517.
57〔1巳.
501.
.
14.
.
512052116.
31}一
2E.
31〔131、
9} 31.
95 帖.
18218229z951
嚠
〜65260D.
04D ア 62.
年 4ア7 SF匸一
5SF 匸一
746.
2945.
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