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身体障害児の教育的リハビリテーションに与える家庭のストレス(2) : 研究の指針を探って

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(1)

身体障害児の教育的リービリテーションに与える

家庭 のス トレス (

2)

An Effect of Family Stress on Special Education (2)

は じめ に

(1) 前回の報告の中で、家庭のス トレス とその児童 の教育的達成度 との関連を見たが、その場合、両 者の間に入 る何か媒介要因な り変数 な りを考 え る べ きである と述べた。今回は、仮 りに児童の 「社 会的 自立意識」 と 「障 害の受容度」及び 「障 害の 重症度」を入れて分析 してみた。 さらに、 「媒介 変数」、 「家庭 のス トレス」、 「教育的達成度」 の三者間のモデルを作 るべ く、仮説 的にモデルを 作成 してみた。 さらに他の報告私 ら得 られた指針 を もとに、 同 じデータを再分析 して、 「障害診断 前家庭要因」をい くつか想定 して、仮設 モデルに 入れてみた。 この仮設的モデルに、数年前の調査 (3) 結果のい くつかか ら得 られ る指針を加 えて、総合 的なモデルを考 えてみた。

I

調 査 の対 象 、 方 法 、 内 容 (1) 前回の報告 と同 じであ る。

分 析 結 果

[

1

家庭ス トレス、媒介変数、教育的達成度間 の関係 図2は、家庭の各 ス トレス因子 と三個 の媒介変 数及び三個 の教育的達成度の間の関係を示 してい る。数値は、平均値の相違を示すt検定結果の有 意水準 (P<-) と相関係数

(R

ニー) である。 相 関係数は、一部を除 き、重回帰分析 を行 った際 に出力 され る係数を利用 してい るので、粗点か ら

Atsuo Hashimoto

分析 され て い ない。 数 値 を変換 してい るためか、 相対 的 に小 さい数値 にな って い る。 この調査 の 分 析結果 の中 では、 R- 0.2位 で も大 きい方 に な ってい るので、お よそ0.2ぐらいの数値 も示 し ておいた。有意水準や相関係数が示 されていない 所は、 明確な関係が出なか った所 であ るので省略 した。概 して、 明確に仮説が支持 されてい るとは 言えない。つ ま り 「合計 ス トレス」 と 「教育的達 成度」が、今回のデータでは大 きな関係を示 して いない。 も う一歩 とい う感 じであ る。 さらに、「媒 介変数」 と 「合計 ス トレス」に関係が見 られず、 やは り今回のデ ータでは も う一歩 とい う感 じであ った。 しか し、個 々の構成要素では、部分 的に関 係を示 してお り、 また今 までの他の分析 ではかな り関係を示す場合 もあ り、仮説 をすて るには早計 であろ う

「媒介変数」 と 「教育的達成度」はか な りの関係を示 した。ただ し、 「障害の重症度」 が今 までほ ど大 きな影響 を各変数に与えて いない。 なお、一部 しか示 していないが、各ス トレスを独 立変数 として、各媒介変数及び各教育的達成度を 従属変数 として重回帰分析 を行 ったが (表1、表 2、表3、表4、表5)

,

「社会的 自立意識 」と「障 害の受容度」に対 しては、前者は 「外部対 人ス ト レス」 と 「合計 ス トレス」が一番 よ く説 明 し、後 者 について も同 じ結果であ った。 しか し、両者 と も、標準化回帰係数(BETA)は0・12と0・16で小 さ く、 また重相関係数 (R2 )も小 さ く、 ス トレス は各媒 介変数を説 明 してい るとは言えない。 しか し、各教育的達成度については、それぞれ お よそ 0.5か ら0.58の標準化 回帰係数 を 「合計 ス トレ ス」が示 してお り、 「外部対 人ス トレス」 と 「内 - 59

(2)

-部 役割 ス トレス」 もあ る程 度その値 を示 してい る。 レスは教育 的達成 度を説 明 して い る。 重相関係数 は大 きいので 0.17で、あ る程度 は ス ト ス トレス 心 理 ス ト レ ス 内部役割 ス トレス 外部対 人ス トレス 総 合 ス ト レ ス 合 計 ス ト レ ス 図2 ス トレス と教育的達成度 の仮説的媒介 変数 の検 証 媒介変数例 障 害 の 重 症 度 教育的達成 度 荏 :* は ス コアの ままで ス ビア マ ソの相関係数。 他は、線 型 の重回帰分析 に よる相関 係数。 ⑳ は、小学郡 のみ の結果。

P<

-は t検定 の有意水準。 Rニーは相関係数。 表1 重回帰分析の結果 従 属 変 数 名 「 障 害 の 受 容 度 」 従 属 変 数 名 「 社 会 的 自 立 意 識 」 社会的 自立意識 障 害 の 受 容 度 媒介変数例 学 力 P<OCO3R-OZI P<0㈱ R=031 P<003 R-028 P<OCO2R=031 P<0009R-026 変 数 名 重 相 _R2関 係 数

R

標 準化 回帰係数B ETA 心 理 ス ト レ ス 0.003 -0.058 -0.051 内部役割 ス トレス 0.008 0.027 0.097 外部対 人ス トレス 0.025 0.119 0.166 総 合 ス ト レ ス 0.025 0.024 0.049 合 計 ス ト レ ス 0.030 -0.020 -0.169 表2 重回帰分析の結果 変 数 名 重 相

R

2 係 数

標 準BETA化回帰係数 心 理 ス ト レ ス 0.002 -0.054 -0.026 内部役割 ス トレス 0.002 -0.028 -0.001 外 部対 人ス トレス 0.014 0.079 0.129 総 合 ス ト レ ス 0.016 0.033 0.073 合 計 ス ト レ ス 0.018 -0.037 -0.123

(3)

[

2

]

障害の診断前家庭要因とス トレスとの関係 今回 の分析 の もうひ とつの 目的は、ス トレスが 発生す る以前の家庭が持 っている属性がその後の ス トレスの状況の要因にど う影響 しているかを検 討す ることであった。つま り、今 までス トレスを 規定す る各種要因については、主にス トレス発生 後あるいはス トレス と同時に有す る要因に視点を 置いていたが、ス トレスとは、すでに過去のス ト レスとの累積にな っていること、そ して 「もとも と」有 している何 らかの属性がすでに影響 してい ることを考えなければならない。 図3は、障害発生すなわち障害 と診断 され る前 の家庭 の要田をい くつか想定 して、 ス トレスの関(2) 係を示 している。各要田は、すでに分析ずみの結 果を参考に、再度分析 し直 してい る。 これ らの要 因はYOAV LAVEEらの研夕鎧 参考 に作成 した。 「父親の学歴」は小学校卒業か ら大学卒業 までを4 段階に分けてスコアとした。 この要因は、 「社会 家 庭 要 因 -経済的地位」 とい う指標の代 りである。調査時 にこの指標は準備 していなか った こと及び 「過去

の この指標を 「現在」で聞 く難 しさがあ ること、 さらに 日本においては、年齢層 で同質的 (特に収 入については)ではないか とい うことを考 えなけ ればな らない。要は、その家庭がすでに持 ってい る文化的な背景を知れは よいのであるか ら、 もっ ともよくそれを表わすには 「学歴」でかな り代表 され よ う。「免疫性」は、以前において、 ス トレ スと同時の状況で分析 しているが、今回はス トレ ス以前 に限定 し、 内容 も少 し変 えて準備 した。 これは、障害の意味や原因について知 っていたか、 及び友 人、親杭に障害を有 している人間がいるか についての質問か らス コアをつけてい る

「地域 支持」は、人づき合い,PTAや地域活動 の協力な どに もともと家庭は積極的に行 うほ うかについて の質問か ら得 られている

.

「家庭支持」は、 コミ 3.ニケ-シ ョソを中心に、家庭内の相互協 力関係 が もともとあったか どうかを見てい る。 図3 ス トレスと障害診断前の仮説的家庭要因の検証 ス トレス - 6 1

(4)

-「家庭適応力」は、たぶんにパー ソナ リテ ィに関 していて、 もともと、新 しい ものを受け入れ るほ うか、あ るいは、 もともと変化を受け入れ るほ う かな どの質問か ら見ている

「地域支持」 と 「家 庭適応力」は、母親が回答者であるので、かな り 母親中心の状況を示 し、家庭全体の状況を示 して い るとは限 らない と思われ る

「事件」 とは、過 去に大 きな事件 (事業の失敗 ・家族の死亡 ・転居 な ど)の解決程度を聞いているが、 この回答は非 常に少 くスコアに大 き く影響 していない。 ここで は、結婚が理想的であったか失敗であったかの程 度でスコアが得 られている

「合計」はこれ らの 要因の合計で、ス トレスに、ス トレス以前の何 ら かの要因が影響 している程度を知 るための もので ある。 これ ら6個 の要因問の調整 (独立性など) は今回は していない。家庭要因の 「合計」は、各 ス トレスに平均値の差を示 している。各要因 も比 較的にス トレスに差を示 している。 ここでは一部 しか示 していないが今回は、合計を除いて、重回 帰分析を行 ってい るが (表6),特に高い標準化 係数を示すのが 「家庭支持」で、 「総合ス トレス」 に0

.

39を示 している。 重相関係数は4個の家庭 要因で 「総合ス トレス」に0.22を示 している。 図3の相関で も

R

ー 0.43及び一 0.35と高 くな っているのは、 「地域支持」 と 「家庭支持」の要 田である

「父親の学歴」がかな り平均値の差を 示 しているのは、それがかな り間接的な要因であ ることを考えると、非常に注 目すべ きである。

[

3

]

家庭要Eflと媒介変数及び教育的達成度 との 関係 ここでは、 これ ら三者が高い関係を示 さないこ とが仮説 として必要である。図4を見 ると、全体 としては、数的に も量的に もそれ程大 きい関係は 示 していない

「地域支持」 と 「家庭支持」が障 害児の 「教育的達成度」や 「意識」面に直接関係 す ることは、ある程度予想 していた。従 って、「合 計」の要因 も、結果的には、あ る程度の関係を示 す と予想 していた。全体の仮説 としては、 これ ら 要因が 「ス トレス」に影響 し、「ス トレス」が 「媒 介変数」 と部分的に重復 しなが ら 「教育的達成度」 に関連す ることを想定 してい る。 図4 教育的達成度、媒介変数と障害診断前の仮説的家庭要因の検証 Ill 考 察 図2において、仮説 としての 「媒介変数」が内 容的に 「教育的達成度」 と共通 してい ることが推 測できる。媒介変数の もつ児童の意識面が 「学力」 や 「社会性」の要素 と重複 している部分があ った のであろ う。予想 していた程、各ス トレスは 「教 青的達成度」に関連 していない。特 にス トレスの 「合計」は、その傾向を示 しているが、統計的に は明確に表われなか った。 しか し、 これ ら三者の 関係がない とい う程ではない。今 までの類似の調 査では、前述 した ようにかな りの関係を示 してい た。今回の結果では、 「ス トレス」 と 「教育的達 成度」間に関係が出る傾向が認め られ、両者の問

(5)

に、 「媒 介変数」 も関与す る傾 向が認め られ る, とい う表 現に止 めてお く。 表3 重回帰分析の結果 変 数 名 重 相 関 係 数R2 R 標準BETA化 回帰係数 心 理 ス ト レ ズ 0.053 - 0.230 - 0.044 内部役割 ス トレス 0.057 - 0.071 0.245 外部対 人ス トレス 0.073 0.054 0,200 総 合 ス ト レ ス 0.077 0.009 0.196 合 計 ス ト レ ス 0.126 - 0.208 - 0.580 第4 重回帰分析の結果 変 数 名 重 相 関 係 数RZ R 標準BETA化 回帰係数 心 理 ス ト レ ス 0.069 - 0.264 - 0.028 内部役割 ス トレス 0.070 - 0.156 0.139 外部対 人ス トレス 0.112 0.088 0.296 総 合 ス ト レ ス 0.112 - 0.070 0.122 合 計 ス ト レ ス 0.160 - 0.271 - 0.580 図 3では、お よそ予想通 りであった。累積 した ス トレスの部分は、 ス トレス全体か ら言えは, それ程 多 くはない とい う予想は立てていた。重相関係数か ら言 えは、 お よそ20% の分散 を説 明 してい ると言 ぇ よう。数年前の緋 鎧 は、ス トレスと同時 の状態 も含 め、 「家庭 の結束 力」 と 「母親 のパ ー ソナ リ テ ィ」が ス トレスを規定す る大 きな要 田 とな って 表 われ たが 、今回 の 「地域支持

「家庭 支持」及 び 「家庭適応 力」 の ス トレス- の影響 の大 きさは、 この傾 向 と一致 してい ると考 え る。今回は、特 に 障 害診断以前 を強調 した質問であ ったが、結果的 には同 じよ うな傾 向を示 してい る

「パ ー ソナ リ テ ィ」 と 「家庭 要 因」が障害 もし くは危校発生後 と大 き くほ変化 しない と考 え るべ きなのか、あ る いは、質問 に よる調査 の限界が現われてい るのか、 さ らに検討 を要す る

「父親 の学歴」が各 ス トレ スに与 え る影響 は、 「媒 介変数」 に対 して と同様 か な り大 きい こ とは重要 であ る。 ど うして も家庭 の有す る文化的背景 あ るいは価 値観 さらには態度 や考 え方が 児 童 に与 え る 影響 は大 きい。 図7は JEANNE M・TSCHANNらの離婚後 の適応程度 に与 え る離 婚前の要 因を示 してい る。 ここでは、 「社会 ・経 済的地位 (SES)」が直接 「適応 」 に影 響 を示 してい る。 もちろん、 「社会 ・経 済 的地位」 が 「父親 の学歴」 と同一 ではないが、特 に 日本 で は重 複 してい る部分はかな り大 きい と確信 す る。 図 4では、三者 の関係が数 的 に も量的 に もあ ま り大 き く現われ ない ことが仮説 であ ったが 、 また そ うで ない と全体 モデルの構築 は意味が な いので あ るが、 しか し、部分的 に関係を示す ことは予想 して いた。 図6をみ る と 「家庭 支持」 に相 当す る

「supportive Communication

「Family Cohesion」 は直接 「Family Adaptation」に影響 を与 えてい る。 またその数値 は他 の数値 に比べ そ れ程 大 き くはない。 同様 に、今 回の報 告の 「家庭 支持 」 は、直接二 つの 「教育 達成 度」 に P< 0.04、 氏- 0.12、P< 0.18、R-0.16で関係を示 した。 予想 では、 「父親 の学歴」 も同 じ結果 を示 す と思 って い たが ,大 きな数値 は 示 さなか った 。 しか し、 「媒 介変数」に これだけ の関係を示 して い る こ とは、無視 で きず、 モデル としてほ、 この二者 の関 係 は入れ ざるを得 ない。 -

(6)

63-図5 仮説的、概念図的モデル 表5 重回帰分析の結果 従 属 変 数 名 「 身 体 機 能 」 従 属 変 数 名 「 総 合 ス ト レ ス 」 変 数 名 重 相 関 係 数R2 R 標準化 回帰係数BETA 心 理 ス ト レ ス 0.099 - 0.315 - 0.128 内部役割 ス トレス 0.099 - 0.168 0.129 外部対 人ス トレス 0.133 0.059 0.261 冶 合 ス ト レ ス 0.134 - 0.058 0.141 合 計 ス ト レ ス 0.171 - 0.288 - 0.503 表6 重回帰分析の結果 変 数 名 重 相 関 係 数R2 標準化 回帰係数BETA 父 親 の 学 歴 0.014 - 0.122 - 0.100 免 疫 性 0.016 - 0.025 0.046 地 域 支 持 0.051 - 0.187 - 0.014 家 庭 支 持 0.199 - 0.433 - 0.399 家 庭 適 応 力 0.229 - 0.222 - 0.190 障害 の診断前の家庭 要因 として 「事件」を考 え なければな らない。 この要因のほ とん どは結婚の 状況 (結婚 した ことについて) を示 してい る。今 回の分析 では、 この要 因をもっとも重視 して、期 待 していた。家庭 の状 況は、何 よ りも夫婦間の関 係に大 き く依存 して い ると考 え るか らであ る。 ス トレス状況下では、 しば しば この結婚 その ものに 「さかのぼ って」問題が展開 し、 また拡大 してい く。今回のあ ま り関係 していない理 由 (場合に よ っては逆 の関係、例 えは、理想的 でなか った程、 ス トレスが小 さ くな る) は、い くつか考 え られ る。 例えは、印象であ るが 「抵抗」 とい う複雑 な心理 メカニズム も考え られ る。 しか し、 これについて は 、別個 に調査 をす る必 要 が あ る。 図 6では、

(7)

「event」は 1個で独 自に 「精神的な緊張度」に影 き く影響 していない。 またYOAVLAVEEらの場 響 を与 えてい るが、 これに相当す る 「事件」は、 合、軍 人家庭 の海外移住に関す るス トレス と関連 内容が部分的に一致す るだけであ る。今回の 「事 要因の研究 であるので、 この点 も考慮すべ きであ 件」の うち、事故 ・死亡 ・失職 とい った事件は大 る。 図6 YOAN LAVEEらのモデル .75

Note:Unstandardized coefficientsshown.Parentheticalfiguresdenotestandardizedpath coefficients.Allpathcoefficientsaresignificant(P<.05).

図5は、今回の分析 と今 までの報告か ら考え出 したモデルであ り、今後の研究の方針で もある。 点線に よる図は、今回の結果に よるものではな く、 今 までの経験か ら得 られている。線の幅は強 さを 示す

「ス トレス」か ら出ている幅のせ まい線は 今回の結果であるが、点線の幅の広い線は経験か らえがいているが、筆者の期待で もあるし、モデ ルの中心で もある。点線に囲まれた 「障害診断後 家庭要田」 と実線で囲まれた 「障害診断前家庭要 因」が重 なっているのは、前述 した ように、 この 二分野の要因群が重複していると考えるか らであ る。

「媒介変数」は、 「独立変数」のス トレスとあ る程度の関係を示 し、 「従属変数」の教育的達成 度 と強い関係を示 し、この二つの関係は、 「独立 変数」の ス トレスと 「従属変数」の教育的達成度 間のある程度の関係を媒介的にある程度示 してい る。 これ ら 「ある程度」 とは、各変数 もしくは要 因間の重複に よる結果 と、他の研究の結果に よる 明 らかな関係 とい う二 つの事実には さまれ、やむ を得ず使用した表現である

「障害診断前要田」す なわ ち危板前の家庭要因が、 「障害診断後」す な わち危機状況及び効果 (もしくは適応) に影響 し てい ることが分 った。 また、 これは、 ス トレス と 同時進行すなわち危機状態の家庭の要因 よ りもそ の影響力は小 さいだろ うとい う予想は確かめ られ た。 しか し、 「父親の学歴」 と 「結婚」 の要因は、 今後 さらに注意を要す ることが分か った。 と りあえず、図5のモデルで研究 を進 め る価値 は十分にあると思われ る。 分折は、SPSSプログラムを利 用 し、筑波大学大 型計算機 を使用 した。 (1990.6.18受理) - 65

(8)

-PRESEPARATl0N

図7 JEANNE M・TSCHANNらのモデル

POSTSEPARAT10N

Note:Modelshowsstandardizedpathcoefficientsfrom reanalysiswithonlysignificant predictorsincludedintheregression.Heavierpathsdenotesigniricance <・01・

参 考 文 献 1・ 橋本厚生 「身体障害児の教育的 リ- ビ リテー シ ョソに与え る家庭 のス トレス--・(1)」 1990年 長野大学紀要 2・ 橋本厚生 「障害児 をかかえ る家庭 のス トレス に与え る降雪診断前 の家庭要因の影響」 1990年 目未特殊教育学会第28回大会 発表論文 3・ 橋本厚生 長野大学紀要1982年 よ り1983年 の発 表論文参照 4. YOAV LAVEE他

rTheDoubleABCXMOI)ELof Family Stress and Adaptation:

An EmpiricalTestby Analysュs or Structural Equation with LatentVariablesJ1985年 Journal ofMarriageAndTheFamilyP811 ∼P825

5. JEANNE M.TSCHANN 他

「Resources,Stressors,andAt -tachmentasPredictorsofAdult AdjustmentAfterDivorce: ALong-itudinalStudyJ1989年Joumalor MarriageAndTheFamily P1033 ∼ PIO46

図 5 仮説的、概念図的モデル 表 5 重回帰分析の結果 従 属 変 数 名「身体機能 」 従 属 変 数 名「総合ス ト レ ス 」 変 数 名 重 相 関 係 数R2 単 純 R 相 関 標準化 回帰係数BETA心 理 ス ト レ ス0.099‑ 0.315‑ 0.1 28内部役割 ス トレス0.099‑ 0.1680.129外部対 人ス トレス0.1330.059 0.261冶 合 ス ト レ ス0.134‑ 0.0580.141合 計 ス ト レ ス0.171‑ 0.288‑ 0.503表6重回帰分
図 5 は、今回の分析 と今 までの報告か ら考え出 したモデルであ り、今後の研究の方針で もある。 点線に よる図は、今回の結果に よるものではな く、 今 までの経験か ら得 られている。線の幅は強 さを 示す 。 「ス トレス」か ら出ている幅のせ まい線は 今回の結果であるが、点線の幅の広い線は経験か らえがいているが、筆者の期待で もあるし、モデ ルの中心で もある。点線に囲まれた 「障害診断後 家庭要田」 と実線で囲まれた 「障害診断前家庭要 因」が重 なっているのは、前述 した ように、 こ
図 7 JEANNE M・ TSCHANN らのモデル POSTSEPARAT1 0N

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