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ペニシリンとセフアロスポリンの生合成課程に於ける共通の中間体と反応に関する考察

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title

ペニシリンとセフアロスポリンの生合成課程に於ける共通

の中間体と反応に関する考察

Review on the Similar reaction and intermediate

compounds in the Biosynthesis process of Penicillin

and Cephalosporin.

Author(s)

市野 一磨(Kazuma Ichino)

Citation

生活科学論叢(Review of Living Science)

No.7:1-19

Issue Date

1974

Resource Type

Bulletin Paper / 紀要論文

Resource Version

URL

Right

(2)

ペ ニ シ リン とセ ブ ア ロ ス ポ リンの生

合 成課 程 に於 け る共 通 の 中間体 と反

応 に関す る考 察

1序 論 皿Idi・phaseに 於 け る 胞 子 形 成 と 抗 生 物 質 生 成 と の 関 係 皿 ペ プ チ ド の 生 合 成 W分 子 構 造 に 含 ま れ る 硫 黄 原 子 の 由 来 Vア ミ ノ 酸 プ レ カ ー サ ー と 推 定 さ れ る 中 間 体 1序 論

Flemingが 発 見 し たPenicilliumnatatum以 来400種 以 上 に 昇 るPenicilliaspeciesが ペ ニ シ リ ン を 生 成 す る こ と が 確 認 さ れ,こ れ らPenicillium以 外 に もAspergilli ,Tricho-phyton,Malbranchea,Epidermophyton,Cephalosporium,Emericellopsis,Paecilomyces な ど の グ ル ー プ が ペ ニ シ リ ン を 生 成 す る こ と が 報 告 さ れ て い る(M.C・1e1966,他)。 ペ ニ シ リ ン と6APA(6-Aminopenicillanlcacid)の 構 造 骨 格 は 次 の 如 く で あ る 。

・ ・C・NHL呂"CH・H・N荒CH3 ' ノNDN1二 筆 0'COOHOCOOH 左 図 の ペ ニ シ リ ン構 造 の 中 のRは 培 養 液 に 色 々 な 側 鎖 を もつ プ レ カ ー サ ー を 加 え る こ と に よ っ て つ く られ,そ し て,こ のRは 概 し て 非 極 性 の 脂 肪 族 或 は 芳 香 族 の 基 で あ る 。 ペ ニ シ リ ン構 造 の 中 のNacyl側 鎖(RCO)は 培 養 液 中 の 利 用 さ れ る プ レ カ ー サ ー に 依 存 す る け れ 共,環 そ の も の は 変 らな い 。 この 醸 酵 は,ま た 側 鎖 に δ一(L遭 一aminoadipyD基 を も っ て い る イ ソ ペ ニ シ リ ンNを 生 成 し,又 特 に プ レ カ ー サ ー を 添 加 し な け れ ば6APAを 生 成 す る も の で 核APAは シ ス テ ィ ン と バ リ ン の 縮 合 生 産 物 で あ る と 理 解 さ れ て い る 。 (E.P.Abraham他,1967;A.L.Demain,1966) CephalosporiumとEmericellopsisの 或 る 種 が δ一(D一α 一aminoadipy】), -1一

(3)

ヌCH・c嚇

か ら誘 導 され 師

性 の 側鎖 を有 す るペ ニ シ リン を生成 す るこ

と が 発 見 さ れ た(Abraham,1962)。

こ の 物 質 は 最 初CephaI・sporinN,即 ちSynematinBと 名 称 さ れ,後 にPenicillinN と 呼 ば れ る よ う に な っ た もの で あ る 。 多 数 のCephalosp・rium属 と 原 始 核 細 胞 のStrept・mycesの 種 類 が 唯1つ の δ一(D一 α 一amimadipyl)側 鎖 を 有 す る ペ ニ シ リ ンN,こ の 側 鎖 を も つ β 一 ラ ク タ ム 抗 生 物 質 を 生 成 す る(L,emkeandBrannon,1972)。 最 初 にSardiniaで 分 離 さ れ たCephalosporiumacremoniumと こ の 変 異 株 が つ く る セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCは,ジ ハ イ ド ロ チ ア ジ ン 環 を も つ β一 ラ ク タ ム で あ る(Abrahamand Newtonl961)。

一 坤H門

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L,.魯' !'凶 olCH・ ・C・CH・ ・ COOII 極 く最 近Streptomycesが,ペ ニ シ リ ンNの 他 に7一 メ トオ キ シ セ プ ア ロ ス ポ リ ン類 を 生 成 す る こ と が 発 見 さ れ た 。

i搬>lcト'ユ,H

COOH こ れ はNacy1側 鎖 は δ一(D一α一aminoadipy1)基 で あ る が,セ フ ァ ロ ス ポ リ ンCの 〇-acetyl基 がcarbamoy1基,又 は α一血ethoxy-P-hydroxycinnamoyl基 で 置 換 さ れ て い

る。 この よ う に β一 ラ ク タ ム抗 生 物 質 類 の 生 合 成 はD一 ア ミ ノ 酸 残 基 の 源 泉 と ペ プ チ ド結 合 の 生 成 の み な らず,不 安 定 な 環 の 生 成 機 構,並 び に 各 々 異 る タ イ プ の 醸 酵 に 於 け る 普 遍 的 な 反 応 や 正 規 の 道 か ら そ れ た 反 応 の 起 因 に 対 し,さ ま ざ ま な 疑 問 を 与 えて い る 。 ペ ニ シ リ ン に 於 け る β一 ラ ク タ ム チ ア ゾ リ ジ ン 環 は,セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCで は,β 一 ラ ク タ ム ヂ ハ イ ド ロ チ ア ジ ン 環 に 依 っ て 置 換 さ れ て い る。 これ らの2つ の 環 の 構 造 的 な 関 係 へ で,ペ ニ シ リ ンNと セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCは 同 じ δ一(D一α一amlnodipy1)側 鎖 を 共 に も っ て い る と言 う こ と は,ペ ニ シ リ ン と セ ブ ア ロ ス ポ リ ン は 生 物 学 的 に 深 い 関 連 を も っ て い る こ 一2一

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と を示 し,興 妹 あ る 閥 題 を 提 供 し て い る。 併 し,何 れ に せ よAP乱 とAC八(7・amino齢 Pha1帖por3nl亡 ヨ亡id}の 形 成 は,共 に シ ス テ ィ ン と バ リン に 基 本 と し て い る 点 で は 典 通 の も の で あ る 、 ヨ 8 ::Q 時 跡QUi

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(5)

皿Idiophaseに 於 け る 胞 子 形 成 と 抗 生 物 質 の 生 成 と の 関 係 従 来 観 察 さ れ た 処 に よ れ ば,一 ・般 的 に 抗 生 物 質 は 急 激 に 生 長 し て い る 時 期 に は 現 わ れ ず,静 止 期 に 生 成 す る事 実 が 多 い 。 そ れ は,細 胞 内 の 主 な 経 済 の 再 調 整 を決 め る 主 要 な 必 須 物 質 が 不 足 す る事 と,必 然 的 な 第 二 代 謝 の 活 濃 化 に 在 る と思 わ れ る 。 微 生 物 培 養 で は,生 長 期 を 区 別 し て い る 。 即 ちlogphaseとstationaryphaseの 二 期 で あ る。 前 者 は 時 間 と共 に 定 率 で 細 胞 分 裂 が 起 り,菌 が 増 加 す る 時 期 で あ り,後 者 は 成 長 に 或 る 制 限 条 件 が 起 り,急 速 に 生 長 が 零 に 近 づ く時 期 で あ る 。 カ ビ やStrept・mycesの よ う な 微 生 物 の 液 体 培 養 で はTroph・phase(栄 養 成 長 時 期)とIdiophase(多 様 化 変 化)と し て 区 別 さ れ る 。 或 る 種 の 微 生 物 で はTroph・phaseで 蓄 積 し た 代 謝 生 産 物 でIdiophaseが 維 持 さ れ る こ と も あ る が,多 く はIdi・phaseで 第 二 代 謝 生 産 物 を 生 成 す る。Idi・phaseは stationaryで あ る が、 こ れ は 生 命 が 休 止 して い る の で は な い 。 生 長 が 特 殊 な 代 謝 生 産 物 を 生 成 す る事 に よ っ て 置 換 さ れ て い る の で あ る。PenicilIiumurticaeで はIdiaphaseに 移 行 す る と 呼 吸 が 急 激 に低 下 し,核 酸 とSulfhydry1の 生 合 成 は 低 下 し始 め る。 こ れ に 反 し て リ ピ ド,マ ン ニ ッ トー ル,フ ェ ノ ー ル,6一 メ チ ル サ リチ ル 酸 な ど は 急 速 に 増 加 す る(工 D,Bu'10ck)。 ペ ニ シ リ ン は,速 か に 生 長 し て い る 時 期 に は 生 成 さ れ な い 。 グ ル コ ー ス や 乳 糖 な ど利 用 さ れ う る 炭 素 源 が 枯 渇 す る と 出 現 す る 。 こ の 時 期 に は,形 態 学 的 に も生 長 期 と の 相 違 が 明 か に 観 察 さ れ る 。 ス トレ プ トマ イ シ ン も同 じ で あ る。Idiophaseで 生 成 し,細 胞 膜 に 結 合 し て 出 現 す る 。 生 長 期 の 後,細 胞 膜 の 変 型 が 生 成 に 関 係 が あ る(S.A.Waksman)。 ア ク チ ノ マ イ シ ン の 生 成 は,タ ン パ ク 質 生 合 成 を 阻 害 す る 条 件 で 最 も活 澱 で あ る(E. Katz&H.Weisbach,1965)。 こ の よ う に 静 止 期 が 始 ま る と い う こ と は,特 殊 な 休 止 構 造 の 分 化 が 起 る こ と を 意 味 し, 生 長 と分 化 は 互 い に 拮 抗 的 で あ る こ と を 示 し て い る 。 次 に 示 す3つ の 図 は,炭 素 と 窒 素 と 抗 生 物 質 の 生 成 と の 関 係 を 示 し て い る。

(6)

Al炭 帯 源 c:盟 据 乾 恥 砒 5.u:㈹ 謝 生 席 拘 」」 、.Bロ'lockの 韓 跡 よ1,引 」川 一心 典 型1由 な 蘭 醇 附 式 'P 芒n.d1叩50胆n紬mW臨,岨 一一701助 佃 醇 課 毎早 〔1{.F.A"吐1邑r呂 巾「L1也1 鷹ノ1 概

(7)

%

1器 糖 分 セ ワ ア ロ ス ポ0ン 60メ チ オ ニ ン 40 20 0 Pmv 40菌 俳 撞 30 20 10 01234567 培 養 日数 C.acremoniumに よ る セ ブ ア ロ ス ポ リ ン 醗 酵 の 典 型 的 代 謝 図 (J.Nuesch他) Idi・phaseは 微 生 物 の 生 長 が 停 止 し た こ と を 意 味 し,同 時 に 生 物 と し て 次 代 を準 備 す る 時 期,即 ち 胞 子 形 成 が 始 ま る こ と を 示 して い る 。 Rhizopusで は,胞 子 形 成 が 始 ま る と 呼 吸 は 急 速 に 低 下 す る こ と が 観 察 さ れ て お り, Penicilliumgriseofulvumで は 最 高 の 胞 子 形 成 を 決 定 す る 条 件 は,グ リ セ オ フ ル ビ ン の 生 成 を 促 進 す る 条 件 と一 致 し て い る(A.(ミM・rt・n,1961)。Bacilluslichenif・rmisで は, バ チ トラ シ ン の 生 合 成 は 胞 子 形 成 の 直 前 に 進 行 し,且 つ そ の 組 成 はsp・rec・atと 酷 似 す る(R.WBernlohr&C.Sievert1962)こ と も興 味 深 い 。 -6一

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上 述 の よ う に,胞 子 形 成 と抗 生 物 質 の 生 成 との 間 に は 深 い 関 係 が あ る。 生 細 胞 内 で エ ネ ル ギ ー 発 生 に 関 連 す る グ ル コ ー ス の3糖 類 へ のGlyk・lysisか,又 はPentosephosphate cycleを 通 し て 行 わ れ る ピ ル ビ ン酸,酢 酸 がTCAサ イ ク ル に 入 っ て エ ネ ル ギ ー と し て ATPを 形 成 す る が,エ ネ ル ギ ー を 供 給 す る と 同 時 に 第 一 代 謝 生 産 物 に 導 く た め に 利 用 出 来 る 中 間 体 を 形 成 す る 。 こ れ 等 が 複 雑 な 酸 素 反 応 を 受 け て 中 間 体 を 経 て 高 分 子 の 巨大 分 子 に 発 展 し て 行 くの が 本 質 的 な 生 命 現 象 で あ り,巧 妙 に 調 節 さ れ て い る もの で あ る が,こ れ らの 代 謝 系 で は 第 一 代 謝 生 産 物 は 珍 多 に 蓄 積 す る こ と は な い 。 例 え ば,セ リ ン の 炭 素1つ がC「 プ ー ル に 貢 献 し て い る 。 即 ち,生 物 的 メ チ ル 化 に 変 り得 る メ チ オ ニ ン の メ チ ル 基 を 供 給 す る こ と で あ り くLederer,1969),こ れ が 第 二 代 謝 に 於 け る普 通 の 生 物 的 メ チ ル 化 現 象 で あ る 等 で あ る 。 第 二 代 謝 は よ り 低 い 生 命 の 形 態 が 特 徴 で あ る と 共 に,非 常 に 広 い 範 囲 に 亘 っ て 種 (Species)の 特 異 性 が あ る。 .そ し て,第 一 に 比 し 第 二 代 謝 生 産 物 は 屡 々 相 当 量 を蓄 積 す る 傾 向 が あ るが,斯 る 中 間 体 が い くつ か の パ ス ウ ェ イ を 経 て 複 雑 な 化 合 物 に 組 立 て られ て 行 くの で あ る。 皿 ペ プ チ ドの 生 合 成 Penici11ium等 の ペ フ゜チ ドは ど の よ うに し て 合 成 さ れ る か の 問 題 で あ る。 胞 子 を 形 成 す る 細 菌 か らの 或 種 の ペ プ チ ド抗 生 物 質 は,胞 子 形 成 中 の 細 胞 壁 に 関 連 して い る こ と が 知 られ て い る 。1969年SchaeHerは,細 菌 で ペ プ チ ド抗 生 物 質 を つ く る能 力 と胞 子 を つ く る 能 力 と の 相 関 関 係 が あ る事 を 明 か に し,SarkerとPaulus(1972)は 更 に 次 の 事 を 確 認 し た 。 即 ちBacillusbrevisは 胞 子 形 成 の 開 始 時 に 細 胞 内 部 に グ ラ ミ シ ジ ン や チ ロ シ ジ ン を 蓄 積 し て,こ れ がRNAポ リ メ ラ ー ゼ を 阻 止 し,こ れ らの 抗 生 物 質 は 遺 伝 子 の 転 写 の 調 節 者 で あ る こ と,又 そ の 機 能 は 栄 養 的 な 成 長 の 期 間 の 唯 一 の 機 能 で あ る遺 伝 子 の 発 現 を 終 ら せ る もの で あ る事 を 確 認 し た 。 Orl・wskiとMeister(1970)の 研 究 に よ れ ば,グ ル タ チ オ ン の 合 成 と 利 用 は γ一glutamyl-】inkageの 中 に ア ミノ 酸 類 を 取 込 ん だ り,又 は ず し た りす る 反 応 を 包 含 し, こ の γ一glutamylサ イ ク ル の 機 能 は,或 る 種 の ア ミノ 酸 の 運 搬 に 於 け る キ ャ リ ア の 系 を な し て い る と説 明 して い る。 併 し,こ の 説 は 異 る型 の ペ プ チ ドに,時 に あ て は ま る程 度 の もの で あ る。 グ ル タ チ オ ン に 似 た グ ラ ミ シ ジ ン と チ ロ シ ジ ン は,細 胞 内 に 存 在 し,他 の 微 生 物 の ペ プ チ ドは 大 部 分 細 胞 外 の 液 中 に 排 出 され る が,イ ソ ペ ニ シ リンNを 除 い て ペ ニ シ リ ン,セ ブ ー7一

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ア ロ ス ポ リン もそ の 例 外 で は な い 。 極 く少 い 部 分 だ け 生 成 す る 斯 様 な ペ プ チ ドの 大 部 分 は,こ れ らの 生 合 成 が 起 る 細 胞 内 で 調 節 機 能 に 影 響 を与 へ る の に 利 用 さ れ る よ う に 思 わ れ る 。 原 始 核 細 胞 の 微 生 物 の よ う にPenicilliumやCephalosporiumが つ く る ペ プ チ ドは,動 物 細 胞 に は 見 ら れ な い 構 造 上 の 形 態 を つ くっ て い る 。 又,こ れ ら は タ ン パ ク 質 に 見 ら れ な い 形 の ア ミノ酸 残 基(D型)を 含 み,環 状 の 複 雑 な 構 造 を して い る。 併 し,少 く共 これ ら の 化 合 物 の い くつ か は 細 胞 か ら細 胞 外 の 液 体 に 排 泄 さ れ,原 形 質 膜 上 で 完 成 す る か,又 は そ れ に 近 い もの で あ る。 ゲ ル タ チ オ ン と の 関 連 Penici】liumや そ の 他 の 真 核 細 胞 は 又,グ ル タ チ オ ン(γ ↓-glutamyl-Lcysteinylg-lycine)を 生 成 し,完 全 に 細 胞 内 に 留 り,細 胞 質 の 中 で は 比 較 的 濃 度 が 高 くな り,殆 ん ど 他 の ペ プ チ ドが 無 い 。 併 し,バ ク テ リ ア やStreptomycesの よ う な 原 始 核 細 胞 の 生 物 で は,グ ル タ チ オ ン が 存 在 して も,そ の 濃 度 は 遙 か に 低 くな りが ち で あ る。 Oligopeptideの 生 合 成 機 構 を 明 か に し た の はWaley(1966)で,グ ル タ チ オ ン と そ れ と共 存 す るOphthalmicacid(r-9】u[amy1一 α一amin・-n一ゐutyry】-glycine)の よ う な ト1,ペ プ チ ドに つ い て 明 か に し て い る 。 B1・ckとMeister等 は グ ル タ チ オ ン の 生 合 成 は 無 細 胞 系 で は 可 溶 性 酵 素 に よ っ て 完 成 さ れ る こ と を 確 認 し た 。 N∼ 末 端 基 か ら 始 ま り,グ ル タ ミ ン酸 がATPに よ っ て 活 性 化 され,γ 一glutamy1燐 酸 塩 ∼酵 素 結 合 を 形 成 し,こ れ が 中 間 体 で あ る。 酵 素 結 合 のdipeptidylphosphateを 収 得 す る(Strumeyer&B】ock1960)。 グ ル タ チ オ ン の 生 合 成 機 構 は タ ン パ ク 質 の 生 合 成 と 全 く異 っ て い る し,又 ヌ ク レ ン酸 の 鋳 型 を必 要 と し な い 。 1℃ 一 ラ ベ ル し た γ一L-glutamyl-LcysteineをCephalosporiumacremoniumの 培 地 に 加 え て も,-Cは 菌 糸 細 胞 に は 現 わ れ る が,細 胞 に は デ ィペ プ チ ドは 発 見 さ れ な い 。 即 ち,細 胞 の 表 面 で 加 水 分 解 さ れ て 遊 離 ア ミノ 酸 と し て 吸 収 さ れ る の で あ る(工oder, 1969)。 カ ビ が つ く る抗 生 物 質 に 就 い て の ア ミ ノ酸 プ レ カ ー サ ー に 関 し て は 過 去 の 研 究 が あ る。 aspergillicacid… ・・・… ロ イ シ ン 及 び イ ソ ロ イ シ ン(McDonald,1962) G】iotoxlnフ ェ ニ ー ル ア ラ ニ ン 及 び セ リン。 な お,N一 メ チ ル 基 は メ チ オ ニ ン か ら でpheny】alanine-2,3・epoxideは 中 間 体 ら し い。 (Bose,1966;Bulock&Rylesl970,Brannon,1971) ・-8一

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Malforminは 最 も簡 単 な 微 生 物 ペ プ チ ドの 一 つ で あ る 。 そ れ はDとL型 の 普 通 の α一 ア ミノ 酸 が ペ プ チ ド結 合 を し て い る だ け で あ る 。Tr・y(1973)はBacillslichenif・rmisを 用 い て 特 殊 な 細 胞 膜 部 分 に よ るL一 グ ル タ ミ ン酸 か らPolyア ーD・glutamicacidを 生 成 さ せ て い る 。 Yukioka及 びWinnick(1966)は,酸 素 はD一 型 ロ イ シ ン と よ り も,よ りL一 ロ ィ シ ン と 高 い 親 和 力 を もっ て い る こ と,そ し て ペ プ チ ド結 合 が 形 成 さ れ た 後 で 変 型 が 起 る こ と を 確 認 し て い る。 Kleinkauf等(1971)は,グ ラ ミシ ジ ンSの 環 状 ペ プ チ ドの 形 成 機 構 を 可 溶 性 酵 素 系 で 明 か に し て い る・ 即 ち,D一 フ ェ ニ ー ル ア ラ ニ ン残 基,L一 プ ロ リ ン,L一 バ リ ン,L一 オ ル ニ シ ン及 びL一 ロ ィ シ ン残 基 を 含 む2つ の 同 じpentapeptidesか ら成 立 っ て お り,ア ミ ノ酸 はaminoacyladenylateslこ 変 化 し て 活 性 化 さ れ る よ う で あ る 。 そ し て,活 性 化 し 酵 素 と結 合 し た フ ェ ニ ー ル ア ラ ニ ン が ラ セ ミ化 し,引 続 きL一 ア ミ ノ 酸 がthiolesterと し て 結 合 し た 第 二 の 酵 素 上 でD一 型 化 反 応 が 起 る と して い る 。 細 胞 内 の ペ プ チ ド E .P.Abraham等(1974)に よ れ ば,細 胞 抽 出 物 を 分 析 し て もペ ニ シ リ ン や セ フ ァ ロ ス ポ リ ンの 中 間 体 に な り得 る もの や ,又 は密 接 の 中間 体 に 関 連 し た化合 物 は極 く微 量 しか 検 出 され な い 。 Penicilliumchrysogenumで は 大 量 の グ ル タ チ オ ン と共 に ト リペ プ チ ドが 発 見 さ れ た 。 そ し て,こ れ は 多 分 δ・(α・aminoadipyl)cysteinylvalineで あ ろ う と 思 わ れ る が,ア ミ ノ 酸 の 光 学 的 分 子 配 列 は 未 だ 確 認 され て い な い 。 同 じ ト リペ プ チ ドが 大 量 の グ ル タ チ オ ン と共 にCephalosporiumacremoniumの 菌 体 中 に 発 見 さ れ た,そ し て0.R.D.に よ っ て δ一(Lα 一aminoadiPyり ・L・Cysteimyl・D'Vahne (下 記)で あ る 事 を 確 認 し,MassSpectrosc・pyでeth・xycarb・nyl誘 導 体 で あ る こ と も判 っ た 。

H3N\C耳2SH臼H(C恥

.。。C/CH〔CH2)3C°NH'CH°C°NHCHC° °H 更 に,こ れ が2つ の テ トラ ペ プ チ ドを 含 み,そ の1つ は グ リ シ ン残 基 を 附 加 し て お り,他 の1つ は グ リシ ン とバ リ ン の 処 に β一hydroxy-valine(下 記)を 附 加 し て い る -9一

(11)

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唯,ペ プ チ ド結 合 の み に よ っ て 結 合 し た 単 純 な ア ミ ノ酸 か ら 成 立 つ 数 多 く の 抗 生 物 質 は,ア ミノ 酸 が3つ や4つ の 結 合 の 生 合 成 は'℃ 一 ラ ベ ル し た プ レ カ ー サ ー を 使 っ て 細 胞 外 で 証 明 す る こ と は 出 来 る 。 併 し,エ ネ ル ギ ー 発 生 系 を 含 む 生 合 成 は,超 音 波 法 抽 出 物 で 研 究 して も判 る よ うに グ ル タ チ オ ン の そ れ の よ う に,各 点 に 於 い て 異 って い る 。 グ ル タ チ オ ン は7・LglutamyLL-cysteinと グ リ シ ン か ら生 成 す る と 同 じ よ う に,ア ミ ノ 酸 類 の 成 分 か ら迅 速 に 生 成 す る 。 ア ミ ノ 酸 の3つ 又 は4つ の 結 合 し た ペ プ チ ドの 中 の'4Cの 結 合 は,唯1℃-valineと 同 様 に δ・(La-amin・-adipy1)-Lcysteineを 加 え た 時 に だ け 観 察 さ れ る。 グ ル タ チ オ ン の 生 成 は,主 に 抽 出 液 のSupernatant部 分 に 起 り,そ こ で は 主 に ト リペ プ チ ドと テ トラ ペ プ チ ドが 特 殊 な 部 分 に 起 る 。 L」 ℃ バ リ ン は 結 合 し た が,D-14Cバ リ ン は 結 合 し な い 。 テ ト ラ ペ プ チ ド の 内 バ リ ン の 代 り に β一hydroxyvalineを 結 合 す る も の は β一hydroxyvalineを 添 加 し て も生 成 し な い 事 が 観 察 され る。 こ の こ と は,ト リペ プ チ ドと テ トラ ペ プ チ ドの 生 合 成 に 必 要 な 酵 素 は,グ ル タ チ オ ン の 合 成 の 中 に 含 ま れ る もの と は 異 る こ と を示 し,且 つ 細 胞 の 中 に 別 々 に 存 在 し,多 分 原 形 質 膜 に 関 係 を もつ も の と思 わ れ る 。 そ の 生 合 成 は,N一 末 端 で 起 り始 め,バ リ ン残 基 のD型 化 は,L一 バ リ ン か ら ペ プ チ ド 形 成 に 関 係 あ る酵 素 に よ っ て 起 る の で あ る 。 テ トラ ペ プ チ ドの β・hydroxyvaline残 基 は,バ リ ン が ペ プ チ ドプ レ カ ー サ ー に 結 合 す る 間 か,又 は 結 合 し た 後 で バ リン か ら形 成 さ れ る の で あ る。 完 全 な 細 胞 の 中 で は'℃ ラ ベ ル し た バ リ ン か ら速 か に ト リペ プ チ ドが 生 成 す る事 は 判 る が,Cephalosporiumacremoniumか ら と っ た 音 波 法 に よ る分 離,圧 搾,紛 砕 な ど に よ っ て 作 っ た 細 胞 外 系 の 実 験 で は 抗 生 物 質 を 生 成 し な い 。 更 に ト リペ プ チ ドは 菌 糸 の 細 胞 の 中 に 入 る こ と は 出 来 な い 。 依 っ て,ト リペ プ チ ドが 直 接 に 中 間 体 で あ る か 否 か を 決 定 す る に は 更 に 他 の 効 果 的 な 研 究 が 必 要 で あ る。 そ し て,テ ト ラ ペ プ チ ドに 於 け る β一hydroxyvalineと ト リペ プ チ ド並 び に テ ト ラ ペ プ チ ドに 於 け る グ リシ ン の 役 割 り,L型 か らD型 の ア ミ ノ ア ジ ピ ン酸 残 基 の 変 型 が 起 る段 階 に つ い て は,更 に 詳 し い 研 究 が 必 要 で,こ れ を 確 認 さ れ ね ば な らな い 。

(12)

こ の 目 的 でPenicllliumchrysogenum及 びCephalosporiumの 原 形 質 に よ る 研 究 が 必 要 で あ る。 原 形 質 と 無 細 胞 系 に 於 け る ペ プ チ ド Fawcett等(1973)に よ れ ば,2種 の 微 生 物 の 原 形 質 を 滲 透 圧 安 定 剤 と し て0 .8モ ル 乃 至0.9モ ル の 食 塩 を 含 む メ ジ ア の 中 で 抗 生 物 質 の 生 成 が 最 高 の 率 を 示 し た 時 期 の 菌 体 か ら 分 離 し た 。 併 し,細 胞 溶 解 性 酵 素 に 対 す る 菌 体 の 挙 動 か ら,Penicilliumchrysogenumと Cephalosporiumacremoniumの 細 胞 壁 に 構 造 上 の 著 明 な 相 違 が あ る事 を 示 し た 。 Cepha1・sp・riumで はdithiothreito1な どの チ オ ー ル で 前 処 理 す る必 要 が あ り,こ れ は 酵 素 作 用 が 可 能 な よ う に 前 も っ て 細 胞 壁 構 造 のdisulfjd結 合 を 減 少 す る事 で あ る 。

Penicilliumで はHelixpomatiaの 酵 素 混 合 物 はCyt・phagaの そ れ よ り も よ り効 果 が 高 い 。 これ は,高 いchitinase活 性 を 示 し た た め で あ ろ う。 こ れ ら の 球 状 の 原 形 質 は 滲 透 的 に は 弱 い も の で あ る 。 電 子 顕 微 鏡 で 観 察 す れ ば,こ れ らは 実 際 に 細 胞 壁 を 有 た ず,核,ミ トコ ン ド リア な ど の 細 胞 器 官 は 形 態 学 的 に 存 在 す る 事 が 判 る。 代 謝 活 性 度 は 濃 度 の 勾 配 に 対 抗 し てL-1℃ バ リ ン を 取 込 み,こ れ が テ ト ラ ペ プ チ ド, ト リペ プ チ ドの 混 合 物 中 に 取 込 ま れ て β一 ラ ク タ ム 抗 生 物 質 を つ く っ て 行 くの で あ ろ う 事 を 示 し た 。 こ れ は 同 じ 量 のDNAを 含 む 食 塩 中 の 対 称 菌 糸 体 と 全 く同 率 で 生 成 し て い る。 極 く少 量 の 水 を 添 加 し て 原 形 質 の 滲 透 圧 的 分 解 に よ っ て 得 られ た 無 細 胞 系 で は,例 え 添 加 し た δ一(Lμ ・aminoadipyl)-L-cysteineの 存 在 が な く共,エ ネ ル ギ ー 発 生 系 が 存 在 す れ ば,口C一 バ リ ン が ト リペ プ チ ド,テ ト ラペ プ チ ド内 に 結 合 し て 行 く状 態 が 観 察 さ れ て い る 。 Cephalosp・riumacrem・niumで も同 じ く'℃ 一 バ リ ン の 相 当 量 が ペ ニ シ リ ンN及 び セ ブ ア ロ ス ポ リンCに 取 込 ま れ る こ と が 可 能 で あ り,且 つPenicilliumchrysogenumで も同 様 に'4C一 バ リ ン が ペ ニ シ リ ン に 結 合 す る。 この よ う に し て,重 要 な 中 間 体 で あ る事 が 判 り,且 つ 今 や ア イ ソ トー プ で ラ ベ ル し た 形 態 か ら も合 成 出 来 る の で あ る。 ト リペ プ チ ドに あ るD一 バ リ ン 残 基 と テ ト ラ ペ プ チ ドの β・hydroxyvaline残 基 の 機 能 に つ い て は,次 に 記 述 す る 仮 説 と よ く 一一致 す る 。 即 ち,ペ ニ シ リ ン 類 の 一 部 で あ る PenicillamineのD型 化 は,チ ア ゾ リ ジ ン 環 の 閉 鎖 の 前 か 後 に,又 は 閉 鎖 中 に 起 り,こ れ が 丁 度 シ ス テ イ ン と ホ モ セ リ ン か らcystathionineが 導 か れ る 反 応 機 構 と 同 じ 反 応 で β・hydroxyvalineの 誘 導 体 とCysteinethi・1基 の 反 応 を 含 ん で 環 が 形 成 さ れ る と い う 仮 説 で あ る 。 古 くHockenhu11等(1949)はdimethyllanthionine(下 記)が ペ ニ シ リ ン ー11一

(13)

生合成 の中間体であ ると予想 した。

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\CH・

COOHH2N・CH・COOH そ し て,閉 環 し た 環 状Cysteinylvaline(下 記)を 発 見 し よ う と試 み た 。 併 し,そ の 可 能 性 は 少 く共 中 間 体 が 形 成 さ れ,酵 素 と結 合 し た 形 型 の 機 能 は,グ ラ ミ シ ジ ンSと 同 じ で あ ろ う と考 え ら れ る。

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\ 倒 一C馬/S\C∠1督l

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こ の よ うに 酵 素 と 結 合 し た 形 型 の 機 能 を 考 え て,こ の 化 合 物 を 培 地 に 加 え て ペ ニ シ リ ン に 変 化 す る か 否 か も問 題 が あ っ た 。 仮 り に そ うだ と し て も,主 な 生 合 成 の パ ス ウ ェ イ で な い か も判 らな か っ た 。 菌 体 に よ る 研 究 KluenderとSih(1973)は,L一 バ リ ン に 非 対 称 的 に そ の メ チ ル 基 の1つ に1℃ 一 ラ ベ ル し た もの で,バ リ ン の β一炭 素 原 子 の 処 で 起 るD型 化 が,ペ ニ シ リ ン 分 子 の 中 に 結 合 し た 時 に 保 有 さ れ て い る か ど う か,又,バ リン の2つ の メ チ ル 基 の 炭 素 が セ ブ ア ロ ス ポ リ ン 環 の 中 の 炭 素2つ で あ る こ と を1℃n,m,rス ペ ク トラ 分 析 で 確 認 し た 。 PenicilliumchrysogenumとCephalosporiumacremoniumの 多 数 の 変 異 株 を 使 っ て β一 ラ ク タ ム抗 生 物 質 の 生 合 成 で,中 心 的 役 割 を 果 し て い る 飴 ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 の 形 成 と そ の 機 能 に つ い て 研 究 さ れ た 。

LemkeとNash(1972)は,リ ジ ン に 対 し てauxotrophyで あ るCephalosporiumの 変 異 株 は 培 地 に リジ ン だ け を 加 え て も抗 生 物 質 は お ろ か テ ト ラ ペ プ チ ドや ト リペ プ チ ド さ え も作 らな か っ た 。 併 し,α 一 ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 を 加 え る と,こ れ らの 両 者 を 生 成 し た。 Penicilliumchrysogenumで は α一 ア ミ ノ ア ジ ピ ン酸 は,ペ ニ シ リ ン生 成 を 刺 激 し,リ ジ ン は こ れ を 阻 止 し た 。 Gouldenとchattaway(1968)は,α 一 ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 を 合 成 出 来 な い 変 異 株 は 培 地 に こ れ を 加 え て や らな け れ ば,ペ ニ シ リ ン を 合 成 し な い こ と を確 認 し て い る。 併 し,こ れ ら の α一 ア ミノ ア ジ ピ ン酸 と リ ジ ン の 間 を ブ ロ ッ ク さ れ た も の は,生 長 の た め に リ ジ ン を 加 え て や れ ば ペ ニ シ リ ン を つ く る 事 が 出 来 た。 -12一

(14)

GatenbeckとBrunsberg(1968)は,ペ ニ シ リン生 合 成 に 於 け る α一 ア ミノ ァ ジ ピ ン酸 の 要 求 は 次 の 疑 問 点 を 生 ず る と し て い る 。 即 ち,acyltransferaseが フ ェ ニ ー ル ア セ チ ル 基 とC・-enzymeA誘 導 体 の 他 の 基 を6一 ア ミノ ペ ニ シ ラ ン酸 に 変 化 さ せ る事 は 判 っ て い る に も係 らず,PeniciHiumchrysogenumに よ って つ く られ る 非 極 性 側 鎖 を もつ 普 通 の ペ ニ シ リ ン の 主 な プ レ カ ー サ ー は イ ソ ペ ニ シ リ ンNで あ る か 否 か と い う問 題 で あ る 。 L・der(1972)はPenicilliumchrysogenumの 細 胞 を 破 壊 して 作 っ た 試 料 は,合 成 イ ソ ペ ニ シ リ ンN又 は6APAを 加 え れ ば ,E4C一 フ ェ ニ ー ル 酢 酸c・-enzymeAの 存 在 の 下 で は ベ ン チ ル ペ ニ シ リン の 生 成 を 促 進 す る こ と を 確 認 し た 。 併 し,ア イ ソ トー プ で ラ ベ ル し た イ ソペ ニ シ リ ンNが,ペ ニ シ リ ン の 生 合 成 に 必 要 で あ る事 が 評 価 さ れ ね ば な らず,又 同 様 に 破 壊 し た 細 胞 系 でCephal・6p・riumacremoniumの ペ ニ シ リ ンNか ら セ プ ア ロ ス ポ リ ンCに そ れ て 行 く パ ス ウ ェ イ が 何 処 に 存 在 す る か を 確 め な け れ ば な ら な い 。 何 れ に せ よ,ペ ニ シ リ ンNが セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCに 至 る パ ス ウ ェ イ の 中 間 体 で あ るか 否 か は 確 言 出 来 な い 現 状 で あ る。 】V分 子 構 造 に 含 ま れ る 硫 黄 原 子 の 導 入 由 来 PeniciHiumchrysogenumは 最 も簡 単 な る合 成 培 地 に 生 育 し,グ ル コ ー ス,ア ン モ ニ ァ 及 び 硫 酸 塩 か ら総 て の プ レ カ ー サ ー を 生 成 し て こ れ を抗 生 物 質 ペ ニ シ リ ン に 変 化 す る。 即 ち,無 機 の 硫 酸 塩 が ペ ニ シ リン の 硫 黄 の 源 泉 で あ る(F.P.Doyle他,1964)。 Cephal・sporiumに 於 て は メ チ オ ニ ン,特 にD一 メ チ オ ニ ン が 従 来 ペ ニ シ リ ンNと 同 様 に セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCに ユ ニ ー ク な 刺 激 的 効 果 の あ る こ と は 認 め ら れ て 来 た(HortonD. R.他,MilierG.A.他)。 併 し,そ の 生 合 成 に 於 て 果 す メ チ オ ニ ン の 役 割 に つ い て は,未 だ に は っ き り と し て い な い 。 構 造 の 類 似 性 か らD一 メ チ オ ニ ン は ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 側 鎖 の プ レ カ ー サ ー で あ る に 違 い な い と考 え ら れ て い た(KavanaghF.)が,併 し,そ れ は メ チ オ ニ ン で 置 換 さ れ ず,炭 素 を ラ ベ ル し た メ チ オ ニ ン が ペ ニ シ リ ンNに 結 合 し て い な い 事 が 判 っ た(AbrahamE. P .他,1964)。 セ ブ ア ロ ス ポ リ ン の 生 合 成 に 於 け る メ チ オ ニ ン の 役 割 に つ い て 二 つ の 仮 説 が 存 在 す る 。 即 ち,Demain(1966)等 は,メ チ オ ニ ン に 類 似 し た 構 造 のnorleucineは 完 全 に は メ チ オ ニ ン に 置 換 せ ず,メ チ オ ニ ン は セ プ ア ロ ス ポ リン の プ レ カ ー サ ー で は な く,む し ろ シ ス テ ィ ン分 解 酵 素 の 阻 害 物 質 で あ る と し た 。 一 般 的 に は シ ス テ ィ ン はAPAやACAの 直 接 的 な プ レ カ ー サ ー で あ る こ と が 認 め られ て い る(AbrahamE.P.他1967;TrownP. W.他,1963)。

(15)

第 二 の 仮 説 は,CaltriderとNiss(1966)に よ る研 究 で,ラ ベ ル し たL一 メ チ オ ニ ン とDL一 セ リ ン が セ ブ ア ロ ス ポ リ ン に 結 合 して 行 っ た と い う実 験 に 基 礎 を お い て い る 。 こ の 結 果 は メ チ オ ニ ン が,セ プ ア ロ ス ポ リ ン核 に 硫 黄 提 供 者 と し て の 必 須 な 役 割 を 果 し て い る事 を 示 す 。 メ チ オ ニ ン か ら シ ス テ ィ ン に 硫 黄 を 転 移 す る こ と は,中 間 体 と し てCystathionineで 硫 黄 転 移 の パ ス ウ ェ イ に 従 う も の と思 わ れ る(KerrD.S.FlavinM.1968)。 セ ブ ア ロ ス ポ リンC生 合 成 の 特 殊 ケ ー ス に 於 け る メ チ オ ニ ン 代 謝 が 第 一,第 二 代 謝 の 間 の 関 係 の 研 究 に は 好 適 な 研 究 課 題 を 提 供 し て い る 。 概 し て,カ ビ 類 は シ ス テ ィ ン か ら メ チ オ ニ ン を,メ チ オ ニ ン か ら シ ス テ ィ ン を 合 成 す る 能 力 を も っ て い る 。 CIBA社 の 研 究 所 で は 工Nnesch等(1973)がCephalosporiumacremoniumの 変 異 株 を つ く っ て,こ の 菌 で 深 く研 究 し て い る。 そ の 結 果,合 成 培 地 にDL一 メ チ オ ニ ン を 加 え る 事 に よ っ て 親 株 に 比 し,そ の 変 異 株 の セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの 生 成 能 力 が5∼10倍 に 増 加 す る 事 を 発 見 し て い る 。 こ の 事 は 即 ち, セ リ ン と硫 酸 塩 か ら シ ス テ ィ ン の 生 合 成 を通 じ て 硫 酸 塩 の 同 化 が 起 る と考 え れ ば,こ の パ ス ウ ェ イ を 阻 害 す る変 異 株 が 必 然 的 に セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの 生 成 機 構 に 関 連 して 来 る 事 を 示 し て い る。 Benko等(1967)はAspergiilusnidulansの 変 異 株 が,硫 酸 塩 か ら亜 硫 酸 塩(sulfide) の 生 成 をL一 メ チ オ ニ ン のpermeaseの 阻 害 に 基 づ い て ブ ロ ッ ク す る 事 を 報 告 し て い る 。 こ の こ とは,カ ビ類 は 亜 硫 酸 塩 を 制 御 す るL一 メ チ オ ニ ンpermeaseを もつ 事 を 示 し て い る。 硫 黄 を 含 む 抗 生 物 質 を 生 成 す る合 成 能 力 とsultatase酵 素 の 活 性 度 の 間 に は 関 係 が あ る が,セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの 生 成 に は 高 いsulfatase活 性 度 が 必 要 で は な い 。 Nuesch等(1973)は,セ ブ ア ロ ス ポ リ ン の 高 い 収 率 を 示 す 変 異 株 は,抗 生 物 質 を つ く る時 よ り も,む し ろ 代 謝 系 に 於 い て メ チ オ ニ ン分 解 能 力 を 低 下 す る能 力 を も っ て い る と し て い る。 GoulderとChattaway(1969)はPenici】liumchrysogenumの 高 収 率 の 変 異 株 で,ペ ニ シ リ ン生 成 の 増 加 は 活 性 度 の 増 加 に 比 例 し,又,ペ ニ シ リ ン核 の プ レ カ ー サ ー の1つ で あ る バ リ ン と これ を 合 成 す る 酵 素 に 依 るacet・hydr・xyacid合 成 酵 素 の 最 終 生 産 物 阻 害 の 減 少 に 比 例 す る と言 って い る 。 Ep.Doyle等(1964)はPeniciliiumchrysogenumの ペ ニ シ リ ン 生 成 に 無 機 の 硫 黄 が 最 適 の 硫 黄 源 で あ る と し て い る が,セ ブ ア ロ ス ポ リ ン の 生 合 成 で は,メ チ オ ニ ン に 依 存 し て い る と思 わ れ る と言 っ て い る 。 P,G.Caltrider等(1966)やD,W.Dennen(1969)等 の 研 究 に よ れ ば,シ ス テ ィ ー14一

(16)

ン は メ チ オ ニ ン 消 費 に 少 々 の 効 果 を 与 え る が,メ チ オ ニ ン誘 導 体 を 除 け ば 完 全 に メ チ オ ニ ン に 置 換 し得 る 無 機 の 硫 黄 化 合 物 は 発 見 され て い な い 。 メ チ オ ニ ン は,セ プ ア ロ ス ポ リ ン の 生 合 成 に刺 激 的 な 効 果 を 有 す る の み な らず,Ce-phalosporiumacremoniumの 生 長 と形 態 に 影 響 す る と言 わ れ る。J.Nuesch等(1973) の 硫 酸 塩 を 同 化 し な い菌 株 に よ る研 究 結 果 はP.(ミCaltriderとNissの 研 究 結 果 と正 確 に 一 致 し た 。 他 方,L一 メ チ オ ニ ンか らの14C一 メ チ ル は セ ブ ア ロ ス ポ リンCに 検 出 さ れ ず,L一 セ リ ン の1℃ が 抗 生 物 質 に 結 合 し て い る事 が 判 っ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら,硫 黄 の 逆 転 位 反 応 の パ ス ウ ェ イ に よ る メ チ オ ニ ン と セ リ ン か ら Cystathionine一 誘 導Cysteineの 仮 説 が 強 く支 持 さ れ る 。 併 し,細 胞 外 に あ る シ ス テ ィ ン が,セ ブ ア ロ ス ポ リ ンC核 の プ レ カ ー サ ー に な り得 な い 理 由 は 未 だ 明 か で な い 。 工N廿esch等(1973)やP.G,caltriderandNissH.F.(1966)の 研 究 結 果 よ り L一 メ チ オ ニ ン か らの 硫 黄 が セ ブ ア ロ ス ポ リンCに 結 合 し,L型 よ り もD型 が よ り効 果 が 高 い 。 D型 とL型 の メ チ オ ニ ン の 取 込 み を 比 較 実 験 す る とL型 が 速 く,且 つ 脱 ア ミノ 化 さ れ る。D一 メ チ オ ニ ン は 特 殊 性 の な い 一 般 的 な ア ミ ノ 酸permeaseに よ っ て 細 胞 内 に 入 り (P.V.Benko等1967;F.Benz等1971)ゆ っ く り代 謝 さ れ,メ チ オ ニ ン プ ー ル に 長 い 時 間 滞 留 す る 事 に よ っ て セ ブ ア ロ ス ポ リ ンC合 成 に 利 用 さ れ る の で あ ろ う と考 え られ て い る。 lMesch等 が 考 え た メ チ オ ニ ン の 挙 動 が 次 の 図 で 示 す 如 くで あ る 。 -15一

(17)

DL_メ チ オ ニ ン2-OXO-4m・thy・ ,細 胞 外/\thi°buty「icac}d 細 胞 膜 ・ 一 ・ チ オ ニ ン ア ・ ノ 酸l Permeasepermeasel 1

細 胞 内

\/1

猛 麓

一D-・ チオニンー8謡

蕊ノ酸

NH3 】L一 メ チ オ ニ ン

÷ 博 じ__

SOゴcystathionine

-一

一 冠 ト

一 ・

一一

L一 シ ス テ イ ン 旨 3 雪 セ ブ ア ロ ス ポ'リ ンC メ チ オ ニ ン 代 謝 と セ ブ ア ロ ス ポ リ ンC生 合 成 (J.Nuesch,A.J.TrelchlerandM↓iersch,1973) Vア ミ ノ 酸 プ レ カ ー サ ー と 推 定 さ れ る 中 間 体 ペ ニ シ リ ン 及 び セ フ ア ロ ス ポ リ ンCの β一 ラ ク タ ム チ ア ゾ リ ジ ン 及 び β一 ラ ク タ ム ジ ヒ ド ロ チ ア ジ ン 環 系 は,L一 シ ス テ ィ ン と バ リ ン か ら形 成 さ れ る も の と 推 定 さ れ る 。 L一 バ リ ン は,ペ ニ シ リ ン のD一 β 一thiolvaIine(ペ ニ シ ラ ミ ン)の 直 接 的 プ レ カ ー サ ー で あ り,チ ア ゾ リ デ ィ ン 環 の 閉 鎖 時 に 構 造 の 転 換 が 起 る と 思 わ れ る 。 L一 バ リ ン は 又,セ プ ア ロ ス ポ リ ン の α 一β 一dehydrovalineの プ レ カ ー サ ー で あ る か も 判 ら な い 。 Penicilliumchrys・genumに よ る ベ ン チ ル ペ ニ シ リ ン の 生 合 成 に α 一 ア ミ ノ ア ジ ピ ン 酸 一16一

(18)

が 含 ま れ て い る と言 う実 験 が あ る が,イ ソ ペ ニ シ リ ンN或 は6APAが 中 間 体 で あ る か は 未 だ に 明 確 で は な い 。 考 え られ る パ ス ウ ェ イ と し て は 次 の 如 くで あ る。 ∫-Aminoadipoylcysteine+Va】ime

l

L-Aminoadipoylcysteinylvaline 脅 IsopenicillinN /\ 6APABenzylpenicillin α一 ア ミノ ア ジ ピ ン酸 は,ペ ニ シ リ ンN及 び セ ブ ア ロス ポ リ ンCの 側 鎖 の プ レ カ ー サ ー で あ る 。 遊 離 ア ミ ノ酸 のL一 異 性 体 を 用 い れ ば δ一(D一α 一aminoadipoy1側 鎖)のD型 化 は,生 合 成 の パ ス ウ ェ イ で,こ れ ら に 続 く課 程 で 起 る もの で あ る。 こ れ に 反 し,D一 異 性 体 は そ の ま ま 結 合 す る可 能 性 は 少 くL一 型 の よ うに こ の 生 合 成 の 課 程 に は 役 に た っ て い な い よ う で あ る。 ト リペ プ チ ド,δ 一(σ一amin・adipoyl)cysteinylvaline或 は 少 く共3つ の ア ミ ノ 酸 を 含 む ペ フ゜チ ドはP.chrys・genum及 びCepha1・sp・rium属 の 菌 糸 の 中 に 存 在 す る。 殊 に 後 者 で は,バ リ ン は 直 ち に 変 化 し て 細 胞 内 プ ー ル に 取 込 ま れ る こ と が 知 られ て い る。 こ れ ら の 性 質 が,ペ ニ シ リ ンNの 生 合 成 に 於 け る 中 間 化 合 物 で あ る とす る仮 説 と結 び つ く α一 ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 残 基 の 光 学 的 構 造 を 理 解 す る た め に は 生 合 成 課 程 の 可 能 性 位 置 に つ い て 更 に 研 究 され ね ば な らな い 。 δイ α 一Aminoadipyl)cysteinylvalineは ,ペ ニ シ リ ンNと 同 様 に セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの プ レ カ ー サ ー と な り得 る に 違 い な い 。 両 抗 生 物 質 の 生 合 成 は,次 の よ う な 課 程 を経 る もの と考 え られ る。

犠 畑

馴/一

ノc-CH・

NC

o\coOH lそ し てPenjcil】i・m・h・y・ ・9・n・mに よ る ペ ニ シ リ ン の 生 合 成 も 又 中 間 体 と し て D・ α一aminoadipoy1側 鎖 を 含 む もの で あ る。 併 し,ペ ニ シ リ ンNと セ プ ア ロ ス ポ リ ンCへ の 生 合 成 の 岐 れ 路 は 未 だ 解 明 さ れ て い な い 。 グ ル タ チ オ ン(γ 一91utamylcysteinylglycine)は,グ ル タ ミ ン 酸 が シ ス テ ィ ン と 結 合 し て 出 来 た γ一glutamylcysteineが グ リ シ ン に 結 合 し て 生 成 す る(Snoke)。 -17一

(19)

δ・(α一amin・adipoyl)cysteinylvalineに 関 し て も 同 じ よ う な 方 法 で 構 成 さ れ る と す れ ば,Cysteinylvalineが,ペ ニ シ リ ン生 合 成 の 必 須 の 中 間 体 で あ ろ う と思 わ れ る 。 Penicilliumchrysogenumの 醸 酵 に 於 い て 生 成 す る6・amin・penicillanicacid(6APA) の 発 見 一(側 鎖 プ レ カ ー サ ー を 加 えず に)は こ の 化 合 物 のacylatianが,ペ ニ シ リ ン 生 合 成 の 最 終 段 階 で あ る と考 え られ る。 6APAが ペ ニ シ リ ンNか ら で な く,ベ ン ジ ル ペ ニ シ リ ン 或 は 他 の ペ ニ シ リ ン か ら Penicilliumchrysogenumを 含 む 多 くの 種 類 の 微 生 物 中 に 存 在 す る酵 素 に よ っ て つ く ら れ て い る(Ericks・n&Bennett,1965)処 か ら見 れ ば,そ れ は プ レ カ ー サ ー で あ る よ り も む し ろ ペ ニ シ リ ン の1つ の 生 産 物 で あ る か も判 ら な い 。 他 方Cepholosporiumの 菌 体 中 に あ る δ一(α・aminoadipoyDcysteinylva】ine或 は こ れ に 関 連 し た ペ プ チ ドが 存 在 し,ペ ニ シ リ ンN及 び セ プ ア ロ ス ポ リ ンCの プ レ カ ー サ ー と な り,最 後 の 段 階 で 生 成 す る セ プ ア ロ ス ポ リ ンCの7・hydroxy・ α,β 一dehydrovaline片 の 形 成 に バ リン の 酸 化 物 が 含 ま れ て い る。 Cephal・sporiumの 生 産 物 の 中 に 少 量 で は あ る が6APAに 類 似 し た 化 合 物 が 発 見 さ れ て い る。 併 し,こ の 菌 の 細 胞 の 内 外 に は7ACAは 未 だ か つ て 発 見 され て い な い 。 若 し7ACAが セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの 生 合 成 の 中 間 体 で あ る と仮 定 す れ ば,そ れ は 極 め て 稀 薄 な 静 止 濃 度 に 留 っ て い る と考 え られ る 。 こ れ に 関 し て ベ ン ジ ル ペ ニ シ リ ン 及 び7phenyLacetamidocephalosporanicacidの phenylacety1側 鎖 か ら水 素 離 脱 を 触 媒 す るPenicillinamidase酵 素 が,ペ ニ シ リ ンN及 び セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの δ一(D一α・aminoadipoy1)側 鎖 を 離 脱 しな い こ と が 興 味 深 い 。 (Cole&Robinson,Batchelor,Huang,Abraham&Neuton,Cole,Kaufmann& Baner) E,P.Abraham等 の 論 文(1974)を 引 用 す れ ば, 最 近,14C一 ア ミノ 酸 及 び ℃ 一 ア ミノ 酸 を 用 い た 多 数 の 実 験 か ら,2つ の 環 系 は シ ス チ ン,バ リン 及 び 側 鎖 プ レ カ ー サ ー が,微 生 物 の 生 体 内 で 導 か れ る 事 が 明 か に な っ た (AbrahamandNewton1965,Demain1966,LemkeandBrannon1972)。 而 し て,セ ブ ア ロ ス ポ リ ンCの0∼ ア セ チ ル 基 は 酢 酸 か ら,7一 メ トオ キ シ セ プ ア ロ ポ リン 類 の メ チ ル 基 は メ チ オ ニ ン の メ チ ル 基 か ら来 る事 が 明 か に さ れ た 。 そ の 上 、L一 バ リ ン とL一 α一 ア ミノ ア ジ ピ ン 酸 は,そ れ ぞ れ のD一 異 性 体 よ り も よ り有 効 な プ レ カ ー サ ー で あ る事 も 明 か と な り,最 後 の 生 成 課 程 でD一 型 化 が 起 る こ とが 明 か に さ れ た 。 D一 バ リ ン は,ペ ニ シ リ ン の 生 合 成 を 阻 害 す る 。 併 し,内 生 のL一 α一 ア ミノ ア ジ ピ ン酸 の 起 源 と 因 果 関 係 は 異 る 醸 酵 の 型 に よ っ て 違 う もの で あ る 。 -18一

(20)

真 核 細 胞 に 於 い て は,α

一 ア ミ ノ ア ジ ピ ン 酸 はacetylc㏄nzymeAと

α一

〇x・glutarateから丁 度,グ

ル タ ミン酸 がTCAサ

イ クル(ク

レ ブ ス 回 路)で 酢 酸 及

びオ キ ザ ロ酢 酸 か ら生 成 す るの と同 じ課 程 で生 成 す る。 これ は 又,主 に リ ジンの生 合成

に も用 い られ る課 程 の 一 部 で あ る。 セ ブ ア ロ ス ポ リ ン をつ く るStreptomycesで

は,

α一 ア ミノ ア ジ ピン酸 は リジ ンか らつ く られ,そ

して,リ

ジ ンは前 以 っ て ジ ア ミノ ピ メ

リン酸 か らつ くられ る もの で あ る。

以上 述 べ た よ うに,中

間体 の 役 割 を決 定 す る とい う こ とは,至

っ て 困難 な こ とに属 す

る。即 ち,遊 離 した状 態 と酵 素 と結合 した状 態 が あ り,細 胞 内 に 於 け る極 めて 速 か な変 化

と中 間体 の 至 って 低 い濃 度,更 に 化合 物 の透 過 性 の障 害 物 の存 在 な どが 試 験 管 内 で の 試験

(細 胞 外)で

あ らゆ る可 能性 の あ る 中間 体 をつ か って の試 験 か らそ の 推 定 を 困 難 に して い

る。

DemainやAbraham等

の超 音 波 を使 う方 法 でCephalosp・riumに

関す る実験 が少 し く

前 進 した が,水 溶 液 内 に於 け る酵 素 系 の挙 動 と細 胞 膜 質 の 透 過 性 の 障 害 物 に関 して 今 後 更

に研 究 が な され ね ば,そ の 解 明 は 困難 で あ ろ う。

(以 上)

-19一

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