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ロボット技術を活用した資源化施設における手選別作業支援システムの開発

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Academic year: 2021

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【連絡先】〒650-8670 神戸市中央区東川崎町 3-1-1 川崎重工業(株) エネルギー・環境プラントカンパニー 環境プラント部 中野裕 Tel: 078-682-5083 FAX: 078-682-5516 e-mail: [email protected] 【キーワード】作業支援システム、手選別、ロボット

ロボット技術を活用した資源化施設における手選別作業支援システムの開発

○(賛)中野裕1)、(賛)川本直哉1)、(賛)梅本司1)、(正)桂木格1) 1) 川崎重工業(株) 1.はじめに 我が国では少子高齢化や生産年齢人口の減少が進展する中、ロボット技術は、製造業の生産現場、医療・介護現場、 農業・建設・インフラの作業現場などの幅広い分野で、人手不足の解消、過重な労働からの解放、生産性の向上など の社会課題を解決する可能性を有している。 資源化施設における選別工程では、機械による選別に加えて、精度向上のため、人による手選別が広く採用されて いる。手選別作業はベルトコンベヤ上で行われることが多く、作業員はベルトコンベヤ上を流れる混合廃棄物の中か ら対象物または異物を見つけ、選別・除去を行っている。これらは繁忙な作業であることに加えて、選別対象物に重 量物が含まれる場合もあり、作業員への負担は小さくない。当社は手選別作業に係る負荷軽減を目的として、人共存 型ロボットによる支援システムの開発を行っており、本稿ではその取り組みについて紹介する。 2.システムの概要 本システムの概要図を図 1 に示す。本システムは、 びんの手選別作業を対象として、画像データ等の情 報から選別対象であるびんを自動で検出・識別を行 う認識部と、その信号に基づきピッキングする把持 部から構成される。認識部はこれまでの試験を通じ て、搬送されてくるびんの色や形が多様なことから 人間と同じレベルで高精度に行うことは容易ではな いことが分かってきた。AI 技術等の活用について検 討を行っているが、作業員の目視での確認も不可欠 と考えており、選別する対象びんを作業員が任意に 指示・選択できる遠隔操作機能についても開発をお こなっている。 遠隔操作機能のイメージを図 2 に示す。ベルトコンベヤ上を流れるびんの 搬送状態は上部のカメラで撮影され、作業員の手元のモニタに出力される。 作業員はモニタに表示されるびんの中から選別対象であるびんを選択するこ とで、ロボットに選別作業を行わせることができる。またモニタ上での選択 操作は、タッチ操作で行えるため、作業員は直感的に容易に操作できる。さら にモニタはロボットの機側に設置する必要はなく、離れた場所からでも操作 できることから、作業員がより作業環境の良い場所で作業を行うことも可能 である。 把持部はロボットとロボットアームの先端に取り付けるハンドで構成され る。ベルトコンベヤ側面に配置するロボットがハンドでびんを把持し、ベル トコンベヤの外側に払い出す。ロボットは当社の人共存型双腕スカラロボッ トである「duAro2」(図 3)を採用している。duAro2 は人ひとり分のスペース に設置できるコンパクトなサイズ、かつコントローラを内蔵したキャスター 付きの台車により移動が容易で、また安全を担保するための様々な機能や柔 らかな表面材料の採用等により、人との共存、協働作業が可能なロボットで ある。 ハンドは基礎試験を行い、真空吸着式を採用した。複数の爪の開閉で対象 物を挟むグリッパー式と比較すると、真空吸着式は把持スピードに優れ、び んの向きや形状、大きさに関係なく把持することが可能である。処理対象物 が密集する状況にあっても目標物だけをピンポイントで把持しやすく、確実 図 2 遠隔操作機能のイメージ 図 1 システム概要 図 3 duAro2 外観 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演原稿2020

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性が高い。 3.実証試験 本システムの有効性を確認するた め、実際にベルトコンベヤにてびん の手選別を行っている K 市施設に duAro2 を設置し、実証試験を実施し た。試験は通常の運転状態において、 ロボットが選別したびんの重量と、 作業員が選別したびんの重量をそれ ぞれ計測し、作業員が選別した重量 に対するロボットの処理割合を算出 した。1 回あたりの試験時間は約 1 時 間である。なお、ベルトコンベヤ上 に お け る ロ ボ ッ ト の 選 別 範 囲 は 0.3m(有効幅に対して 67%)である ことから、処理割合の算出において も当該範囲を重量計測対象とした。 試験結果を図 4 に示す。ロボットの処理割 合は平均で 46.8%と、作業員の概ね半分程度 の処理能力であった。 4.高速ロボットを用いた選別システム 当社では人共存型ロボットを用いた作業支 援システムと並行して、作業を代替するため の高速選別システムについても開発をおこな っている。動作速度に優れる高速ピッキング 型のロボット「YF003N」は、当社が標準ロボットとして扱って いる製品である。表 1 に duAro2 と YF003N の概略仕様を示す。 YF003N は duAro2 の 2 倍以上の速度で動作することが可能で あるため、把持部に適用した場合、作業員ひとり分と同等の処 理能力を有することも可能になる。人共存型のロボットでは ないため duAro2 のように作業員と同じ空間で作業することは できないが、作業員は遠隔操作機能により作業環境の良い離 れた箇所から作業員は作業することができる。 4.おわりに 本稿では当社が開発を進めるびんの手選別作業を対象とし たロボット選別システムの開発についての取り組みを紹介し た。実証試験では、本システムにより手選別作業員の負荷を一定量軽減できることを確認したとともに、高速ロボッ トを採用した場合には一層の効果が期待できることが示された。人共存型ロボットである duAro2 を用いたシステム は、作業員と同じ空間で作業することができる上、コンパクトなサイズで設置も容易であることから、設置スペース に制約のある施設に対しても比較的導入が容易になると考えられる。また遠隔操作機能を用いれば、実際の選別作業 はロボットが行うため、作業員は離れた場所から作業も行うことができる。例えば、新型コロナウイルスなど感染症 により 3 密(密閉空間、密集場所、密接場面)を回避した働き方が必要な状況においても、業務に従事することを可 能とするツールの一つとなり得ると考える。 今後も、能力や精度の更なる向上を図り、本技術が運転員の作業負荷軽減に貢献できるものとなるよう、導入に向 けて引き続き技術開発に取り組んでいく所存である。 図 5 高速ロボットによる選別システムイメージ 表 1 ロボット仕様比較 適用ロボット duAro2 YF003N 形式 人共存型 水平多関節式 高速ピッキング型 パラレルリンク式 最大可搬重量 3kg 3kg 処理能力 1.0 2.0~2.5※1 ※1 duAro2 の処理能力を基準に、動作速度等から推定した値 図 4 実証試験結果 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演原稿2020

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参照

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