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行動経済学会第13回全国大会

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Academic year: 2021

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(1)トピック/Topic. 会員学会におけるイベント報告. 行動経済学会第 13 回全国大会 岩澤 誠一郎∗. 1. はじめに 行動経済学会は,日本における行動経済学会の促進を 図り,その研究に関心のある広い分野(経済学,ファイ ナンス,会計,経営,マーケティング,心理学,政治学 など)の研究者,実務家,学生の交流の場,そして研究 者の核となる場を提供するべく,2007 年に設立された 学会である.学会設立以降,毎年 11 月または 12 月に全 国大会を開催しており,第 13 回大会は,2019 年 11 月. 9 日(土),10 日(日)の両日,名古屋商科大学ビジネ ススクール名古屋キャンパス丸の内タワーで実施された (Fig.1).. 2. パネルディスカッション:ナッジを考える 今大会のハイライトは,大会第 2 日目に行われた「ナッ ジを考える」と題されたパネルディスカッションであっ た.コーディネーターは大竹文雄氏(大阪大学)で,パ ネリストとして依田高典氏(京都大学),中村隆文氏(神. Fig. 1: 学会会場.. 奈川大学),柴田浩久氏(宇治市),松村真宏氏(大阪 大学)が登壇した.人が望ましくない行動をとっている とき,その行動を変容させるための人為的な介入である ナッジについて,地方自治体における介入の事例から, 介入における倫理的な問題まで幅広い議論が行われた (Fig.2).. 3. 一般報告・特別セッション・教育セッション 今大会では 10 セッションで 27 本の一般報告が行わ れた.各セッションのテーマは「実証分析」, 「意思決定 (理論)」, 「意思決定(実験・実証)」, 「ファイナンス」, 「幸福度」, 「ナッジの実践と課題」, 「自然災害」, 「教育・ 労働環境の効果」, 「ハウスホールドファイナンス」, 「プ. Fig. 2: パネルディスカッション.. ロスペクト理論とヒューリスティクス」であった. 「実証 分析」のセッションにおける佐々木周作氏(京都大学). セッションにおける大竹文雄氏(大阪大学)の「豪雨災. の「寄付金控除とマッチング寄付の比較:日本の寄付税. 害の予防的非難の促進ナッジ」にみられるように,行動. 制の行動経済学的実験研究」,あるいは, 「自然災害」の. 経済学を社会問題に適用し,理論・実験・実証に基づき, より良い対応を模索する試みが起きている点に,近年の. ∗ 行動経済学会第. 13 回大会運営委員長 名古屋商科大学. 行動経済学研究の特徴の一つを見出すことができる.. Received: 7 December 2020.. 120. 横幹 第 14 巻 第 2 号.

(2) 13th Annual Meeting of Association of Behavioral Economics and Finance. Fig. 4: 受賞記念講演.. Fig. 3: 特別セッション会場の様子.. 一般報告に加え,行動経済学のフロンティア的研究, あるいは周辺領域の研究を紹介することで新たな研究を 触発することを意図した特別セッションとして, 「株価 とセンチメント:テキスト・マイニングからのアプロー チ」, 「マーケティングと行動経済学」, 「知覚心理学の世 界:なぜ縦方向は横方向よりも長く見えるのか」, 「行動 経済学と良心」の 4 つが開催された(Fig.3). さらに, 「研究者向け教育セッション」として「行動経 済学の教育」について, 「一般向け教育セッション」とし て「結婚と幸福」についての報告が行われた.会場に立 ち見が出た「行動経済学の教育」のセッションでは,竹 内幹氏(一橋大学)が教室実験を中心とする授業,川西 諭氏(上智大学)がインタラクティブな授業,そして岩. Fig. 5: 懇親会.. 澤誠一郎(名古屋商科大学)がビジネス・ケースの討論 による授業につき,各々の実践に基づいた報告を行った.. 5. 懇親会 大会第一日目の夕刻,大会会場の名古屋商科大学ビ. 4. 表彰. ジネススクール名古屋キャンパス丸の内タワーの 3 階カ. 大会では,一般報告及びポスター報告の中から優秀な. フェテリアにおいて,懇親会が開催された(Fig.5).. ものを表彰する「奨励賞」,学会誌「行動経済学」の優 秀論文を表彰する「アサヒビール最優秀論文賞」,社会・ 行政の課題解決に向けての行動変容についての優れた アイデアを表彰する「ベストナッジ賞」,そして学会員 の卓越した学術業績を表彰する「ヤフー株式会社コマー スカンパニー金融統括本部優秀論文賞」の表彰式が行わ れた. 表彰式に続き,ヤフー株式会社コマースカンパニー 金融統括本部優秀論文賞を受賞した室岡健志氏(大阪 大学)により受賞論文 “Inferior Products and Profitable. Deception” についての講演が行われた(Fig.4).. 6. 第 14 回大会 第 14 回大会は,2020 年 12 月 12 日(土),13 日(日) の二日にわたり,オンラインで実施される.パネルディ スカッション「行動経済学から新型コロナを考える」,特 別セッション「行動ファイナンス」, 「行動経済学とマー ケティング」, 「行動を迅速に捉える最新研究」,一般向け 教育セッション「日本の政策ナッジの最前線」,研究者 向け教育セッション「ポスト・コロナ時代の社会システ ムのデザイン」が開催される.一般報告では, 「Covid19 と行動経済学」, 「実験経済学」, 「ファイナンスと金融行 動」, 「行動経済学理論の実証」, 「労働と社会」, 「ゲーム 理論とモデル」の 6 セッションの下,20 本の報告が行 われる予定である.. Oukan Vol.14, No.2. 121.

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