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台湾で採取されたネジバナとナンゴクネジバナ(ラン科)の種間雑種

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Academic year: 2021

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November 2020 APG 71巻 2 号 和文要旨 169 doi: 10.18942/chiribunrui.0682-27 APG 71 (2): 177–184 (2020)

台湾で採取されたネジバナとナンゴクネジバナ(ラン科)の種間雑種

末次健司

1

・Jing-Zhi Li

2

・Tian-Chuan Hsu

3

・早川宗志

4

1神戸大学大学院理学研究科,2Department of Earth and Life Sciences, University of Taipei, 3Botanical Garden Division, Taiwan Forestry Research Institute,

4ふじのくに地球環境史ミュージアム

Suetsugu K., J.-Z. Lin, T.-C. Hsu & H. Hayakawa—Interspecific hybridization between Spiranthes

australis and S. sinensis (Orchidaceae) in southern Taiwan

 日本や台湾に産するネジバナ(Spiranthes australis)とナンゴクナジバナ(S. sinensis)は, 日本本土(トカラ海峡以北)に産する有毛花序を持つものがネジバナ,奄美大島以南に産す る無毛花序を持つものがナンゴクネジバナと大別できる.また近年の遺伝解析により,日本 本土産の無毛型ネジバナは,ナンゴクネジバナの隔離分布ではなく,ネジバナの形態変異の 可能性が高いことが明らかになっている.本研究では,新たに発見した台湾産の有毛型ネジ バナの実体を明らかにすることを目的として遺伝解析と形態観察を行った.本有毛型個体群 は核 DNA の ITS 領域はネジバナ(もしくはホンコンネジバナ S. hongkongensis)とナンゴ クネジバナのヘテロ配列を持ち,葉緑体 DNA の trnL–F 領域はナンゴクネジバナと同一の塩 基配列を持っていた.またネジバナ属の分類において重視されるずい柱や唇弁の形態は,ホ ンコンネジバナとは明確に異なる一方で,ネジバナやナンゴクネジバナとは区別できなかっ た.これらの情報を総合し,今回発見された個体はネジバナとナンゴクナジバナの種間雑種 であると判断した.本有毛型ネジバナ雑種は,一般的なネジバナと比較した場合,少数の毛 しか持たない.このことも,有毛のネジバナと無毛のナンゴクネジバナの種間雑種であると いう見解と矛盾しない.

(2)

170 植物地理・分類研究(J. Phytogeogr. Taxon.) 第68巻  2 号

参照

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