リン酸塩グラス中の希土類イオンの化学結合状態と電子スペクトル
2
0
0
全文
(2) から各1個の0が中心イオンの第」近接をなし. ずれにおいてもEu−O結合に振り向けられてい. ているので6配位となるが、リン酸イオン7個. る電子は0原子1個あたり0.1個程度であった。. のものはP04四面体のうち1個から2個のOが. このことから、このモデルにおけるEu−0間の. 第一近接に含まれるので8配位となっている。. 結合には共有結合性は小さく、ほぼイオン結合. 希土類の電子状態については相対論効果を無. であると判断された。また、その値が、6配位モ. 視することができない。そこで、計算プログラ. デルと8配位モデルの間の違いがほとんどなか. ムには分子軌道計算法の1つである相対論. ったことから、Eu−0の結合状態、さらには中. DV・Xα法を用い、一電子近似にもとづく分子軌. 心イオンのエネルギー状態に、周辺の配位構造. 道を得た。さらに、4f軌道の電子状態を考え. の違いは大きな影響を与えないと半1」断された。. るには電子間の相互作用を考慮する必要がある. さらに、分子軌道はいくつかの原子軌道の一. ため、次の段階として、配置間相互作用を考慮. 次結合として近似(LCA0・M0)されており、そ. した計算プログラムであるDVME法を用いて、. のLCAO係数の値から、各原子軌道の寄与の度. 4f軌道の準位の分裂すなわち多重項化の状況. 合いが算出される。その結果、各モデルクラスタ. を計算した。計算結果の妥当性については、得. ーに含まれる分子軌道のうち、Euの4f原子軌. られた計算結果にもとづいて理論的吸収スペク. 道が関わるものについては、他の原子軌道の寄. トルを求め、報文にある実測スペクトルと比較. 与はほとんどなく、ほぼEuの4f原子軌道のみ. することにより検証した。. を成分として形成されていることがわかった。. 3結果と考察. そして、これらの分子軌道が、クラスタ』の最. 計算対象の4種のモデルクラスターのうち、. 高被占軌道となっていることがわかった。. Eu2+の8配位モデルについては計算の進行が. 4結論. 思わしくなかったので除外し、他の3種のモデ. リン酸塩ガラス中の瓦uイオンの状態を模し. ルについて、計算により得られた理論スペクト. たモデルクラスターについて、理論計算を行っ. ルを実測スペクトルと比較した。その結果、理. た結果、希土類イオンについて一般に言われて. 論スペクトルのピークの位置と強度の正確さに. いる事柄がほぼ確かめられた。すなわち、. は若千の問題があるものの、スペクトルのおお. (A)分子軌道のうち最高被占軌道は、ほぼEu. よそのパターンは、ほぼ実測スペクトルとの対. イオンの4f軌道のみで構成されており、他. 応がみられた。本研究は、各軌道のエネルギー. の軌道成分はほとんど含まれない。. の値そのもの、つまり吸収/発光ピークの正確. (B)Euイオンのエネルギー状態は、周辺環境. な位置や吸収強度の細かな分析を目的とするも. の構造的な違いの影響をあまり受けない。. のではなく、化学結合性の検討を旨とするもの. (C)Euイオンと配位子との結合では、共有結. であるので、この計算結果をもとに議論をする. 合性はごく小さく、ほぼイオン結合である。. ことができると考えた。. さらに、Eu−0結合の性格の判定のための指 標として、有効共有結合電荷の値も計算した。そ. 主任指導教員 尾開 徹. の結果、検討した3種のモデルクラスターのい. 指導教員 小和田善之.
(3)
関連したドキュメント
経済学類 エコノミクスコース (仮称) / グローバル・マネジメントコース (仮称)!.
工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科
客さまが希望され,かつ,お客さまの電気の使用状態,当社の供給設備
10 特定の化学物質の含有率基準値は、JIS C 0950(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表
総合支援センター スポーツ科学・健康科学教育プログラム室 ライティングセンター
まず、本校のコンピュータの設置状況からお話します。本校は生徒がクラスにつき20人ほど ですが、クラス全員が
総合支援センター スポーツ科学・健康科学教育プログラム室 ライティングセンター
3.3 液状化試験結果の分類に対する基本的考え方 3.4 試験結果の分類.. 3.5 液状化パラメータの設定方針