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「国際語としての英語」の観点からの英語コミュニケーション教材及び授業評価

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「国際語としての英語」の観点からの

英語コミュニケーション教材及び授業評価

宮 本 節 子

【概要】

本稿は、筆者が担当している桜美林大学、LA 学群における ”Oral Communication Skills” の 2019 年度春学期における実践を検証するものである。当科目は教職課 程(外国語・英語)の教科に関する科目の必修科目である。2019 年以降の教職 課程再認可を受けるための外国語(英語)コアカリキュラムの検討過程におい て、当科目も必修科目としてシラバスの精査を行った。これを契機に、英語コ ミュニケーション区分科目の全体目標である、「中学・高等学校における英語で 授業を行う英語運用能力の獲得」において不可欠な視点である「国際語としての 英語(English as an International Language , EIL)」の考え方を取り入れた演習授業 の展開を試みた。具体的には、英語が国際コミュニケーションの共通語として機 能している状況を学習者が想定しやすい教材を使用し、セメスターを通して学生 自身の英語に肯定的な態度を促す聴解練習や口頭表現タスクを実施した。学生へ の目標到達度アンケートを元に指導内容を振り返り、改善の方策を探る。 キーワード:コミュニケーション英語、国際語としての英語(EIL)、        World Englishes

1.はじめに:国際英語論の視点と非英語母語話者である英語教師をめぐる

       議論

近年における人の動きとビジネスのグローバル化とともに、英語の使用度、通用度及び 影響力は急速に拡大している。国際的な共通言語としての英語の拡散を受け、学習言語と し て の 英 語 も、English as a Second Language(ESL)、 及 び English as a Foreign Language (EFL)といった従来のネイティブスピーカーの英語を規範とした枠組みから、母語話者 と非母語話者間の平等を主張し、英語の多様性を積極的に認めようとする EIL や、世界 各地における言語事情や英語使用の制度化の歴史等によってそれぞれ異なる英語変種が使 用されているとする World Englishes(WE)など、ネイティブ英語至上主義を排した枠組

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みで英語を捉えようとする議論が 1990 年代から盛んになった。EIL がアメリカ英語、イ ンド英語、中国英語などのように出身国が異なるもの同士で使われる際の英語変種を指す のに対し、Jenkins は国に関わらず、同国人同士であっても異なった母語話者の間で共通 語として選択され、機能する英語を English as a Lingua Franca(ELF, 共通語としての英語) と表現した(Jenkins, 2007)。以後 ELF は国際共通語としての英語を特徴づけるのは非母 語話者同士の英語であるとして多様性を重視し、母語話者規範にとらわれることなく、実 際の非母語話者間のやりとりの中での相互理解度等に焦点をおいた一連の研究分野を指 し、ELF はネイティブスピーカーの英語と異なることは否定的には捉えられず、共通語 としての通じやすさ(intelligibility)という機能面の方をより重視するべきとしている。 これらの議論と並行して、1990 年代には英語教師の言語属性に関連した研究においても、 「理想的な英語教師は英語を母語とするネイティブ教師である」という従来の一般的通念 が英語母語話者をめぐる「過ち(fallacy)」であるとし(Phillipson, 1992)、世界の英語教員 の 80%以上を占める非英語母語話者の英語教員の肯定的再評価が行われた。Canagarajah (1999)も Native speaker fallacy は学習者の母語の軽視や教師の専門性の価値をも損なうも のであると述べ、学習者と文化的・言語的バックグラウンドを共有するノンネイティブ教 員こそその地域の英語教育を主導すべきであると主張する。

長らくネイティブ英語を偏重し、World Englishes における内円英語(Kachru(1985)に よる英語使用拡散を示す同心円モデルの核の部分をなす英米など英語母語国の英語)を規 範としてきた国内の英語教育においても、世界の英語の多様性に考慮せざるを得ない状況 にある。文部科学省が 2014 年に提示した「グローバル化に対応した英語教育改革の五つ の提言」(英語教育の在り方に関する有識者会議)によると、2020 年の東京オリンピッ ク・パラリンピックにおける日本国内での英語コミュニケーションの必要性はもとより、 様々な社会的・職業的な場面において、外国語を用いたコミュニケーションを行う機会が 今後格段に増えることを踏まえ、小・中・高等学校が連携した英語教育の改善と、学習指 導要領の見直しが提言されている。例えば、中学では、文法訳読に偏ることなく、互いの 考えや気持ちを英語で伝え合う学習を重視し、高校では国際社会の多様性に対応し、幅広 い話題について発表・討論・交渉などを行う言語活動の高度化を図ることが適当であると している(文部科学省、2014)。ここで注目すべきは、生徒が英語に触れる機会を充実す るとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、教員は小・中学高授業 活動を英語で行うことを一層推進し、標準化すべきという提案である。この提言には、ネ イティブレベルのスピーキング能力の獲得を目指すことは教師には求められておらず、む しろ学習者のロールモデルとして非英語母語話者である日本人教員が話す英語変種である 「日本英語」(塩澤、2017)の使用に教育上問題ない、と示唆されているとみることができ よう。 しかしながら、現実的には日本における英語教育のモデルが長年にわたってアメリカ英 語であり、その根強い影響から脱却することは容易ではないことが推測できる。これは − 17 −

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中・高で使用されている検定教科書におけるモデル音声及び英語検定試験リスニング問題 音声が専らアメリカ英語であることや、早期英語教育現場では生徒の保護者にとってネイ ティブ教員の存在がアピールポイントとなっているという事実からも示唆され、更に日本 人学生を被験者とした様々なアクセントを持つ複数の英語に対する言語態度調査において も、アメリカ英語が最も評価が高いことからもうかがえる(塩澤 2017; 橋本 2017; 宮本・ 渡辺 2017)。アメリカ英語に対する高評価は、あくまで外国語として英語を使用する拡大 円英語地域の各英語変種への低評価や自己の英語変種に対する劣等感と相関関係にあるよ うに思われる。ここで現実の国内での英語使用に目を向ければ、3 千万人超の訪日外国人 の 8 割以上が拡大円英語圏に属しており、その多くが日本国内で英語を共通語として使用 している。現在かつてない規模で日本国内において多様な英語変種の接触が進行している 最中、互いが異なる英語変種を話しているという認識づけを今後の(小)・中・高等学校 の英語学習者に行い、互いを理解すべく歩み寄ろうとする積極性と寛容な態度を養成する うえで、国際語としての英語の視点を持った教員の育成が喫緊の課題であると思われる。 教職課程の外国語(英語)コアカリキュラムにおいては、「英語学」及び「異文化理解」 の科目区分の科目群において国際共通語としての英語の実態についての理解、また世界の 文化の多様性や異文化コミュニケーションの現状と課題の理解が到達目標として指定され ている。これらの講義科目で得た知識の実践の場としては、まず海外留学先において、自 ら「共通語としての英語(ELF)」使用者として教室内外で英語母語話者のみならず、非 英語圏からのクラスメートとコミュニケーションを取り、様々な英語変種と接触を増やす 方策が推奨されるだろう。一方、ほぼ全員が日本英語話者で構成される学内の英語コミュ ニケーションの授業内においても、可能な限り ELF 環境を想定した学習環境を提供する べく科目担当者が務めるべきであろう。 以上のような議論を踏まえ、筆者が担当している桜美林大学 LA 学群における英語科目 である “Oral Communication Skills” の授業教材と実践を、教職課程の教科に関する科目の 必修科目としての観点から検証を行い、問題点の特定を行った。授業の内容検証に至った きっかけは、2018 年に行った教職課程継続に必要な再認可申請の過程での当科目のシラバ スの精査であった。英語コミュニケーション区分における必修科目として指定された到達 目標を鑑み、学生の自身の目標達成度に対する評価、かつ教材で使用した様々な英語変種 への印象を授業アンケートで確認することで、教員養成課程における英語コアカリキュラ ムにおける当科目の位置づけを今一度明確にし、今後の指導の方向性について考察したい。

2.“Oral Communication Skills (a)”の概要

授業実施時期:2019 年度春学期

授業時間:90 分× 30 回

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授業での使用言語:原則として教員は英語のみ使用したが、英文履歴書の書式に関する解 説、およびビジネスにおける共通語としての英語のレクチャーについては必要であると判 断した場合にのみ日本語も使用した。 授業の到達目標及びテーマ 筆者が作成した科目のシラバスは巻末の資料(1)の通りである。“Oral Communication Skills” は複数開講されており、ネイティブスピーカー講師によっても個別のシラバスのも とに運営されている。筆者の担当クラス(a)においては、履修者が、毎回の授業におい て英語が ELF として機能していることへの認識を促すため、特定のグローバルビジネス の環境を想定したテキストを採用し、そこで起こり得る様々な状況に対応するためのビジ ネス英語の知識とコミュニケーションスキルの習得を目標とした。より詳細な各授業にお ける主な達成目標は以下の通りであり、◎がついた目標は評価の対象とした「課題スキ ル」である。 ・英語でミーティングの進行ができる(議題の提示と決定、結論とまとめ等)◎ ・ミーティングで根拠や例を示しながら意見を述べ、他人の意見に同意/不同意できる ◎ ・各所で決まり文句を使用しながら英語でプレゼンテーションを構成できる ◎ ・英語で電話をかける/受ける/伝言を残す/伝言を受けることができる ・英語の適切な表現を使ってホテルにチェックインできる ・英語で道を尋ねる/教えることができる ・世界各地のボディ・ランゲージ(非言語コミュニケーション)について理解を深める ・ 英文ビジネスEメールの書式と表現に親しみ、カジュアルなEメールとのスタイルの違 いを指摘できる ・自分の英文履歴書を適切な書式で作成することができる ◎ ・インタビューで自分の強みや展望を口頭で表現できる ◎

使用テキストブック:Vaughan, Andrew. & Zemach, Dorothy. (2010). Get Ready for Business

2, Macmillan Languagehouse.

指定テキストブックは世界各地に現地法人を持つ架空の多国籍企業のシンガポールオ フィスを舞台とし、営業部に trainee として配属された主要キャラクターである Amy Lee (カナダ育ちのシンガポール人)が直面する様々なビジネス・シチュエーションに英語を 使用して適切に対処するための方策を 12 のユニットで学ぶという体裁をとっている。学 習者の想定英語習熟度レベルは TOEIC スコアが 450︲600、CEFR のレベル B1 程度である。 下記の学生アンケートによると、シンガポール滞在経験がある履修生は 1 名のみであ る。教材が設定しているグローバルビジネス・シチュエーションへの理解を促すため、 World Englishes の英語使用の同心円による分類においては都市国家シンガポールが英語を 公用語とする外円英語使用圏であること、他民族・多言語国家であるために英語が国内で もリンガ・フランカとして機能している点などを初回授業で解説した。各ユニットは以下 の 5 項目から構成されている。 − 18 − − 19 −

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1) Amy と彼女の同僚、上司、アメリカ本社の役員などとのビジネスコミュニケーショ ンを取り上げた状況別モデルダイアローグ、及びリスニングとアウトプット練習 2)重要表現の解説 3)応用リスニング問題及びアウトプット訓練 4)世界の各地域におけるビジネス場面での異文化理解に関するリーディング 5)グループでのスピーキングタスク 音声教材で使用されている英語変種と問題形式:アジアにおけるグローバルビジネスの拠 点であるシンガポールを舞台としているものの、名前付きで繰り返し登場する主なキャラ クター 4 名のうち 3 名は北米英語、残る主人公の同僚 1 名のみシンガポール英語を使用し ている。導入モデルダイアローグのリスニング問題形式は true/false の二者択一、穴埋め、 ディクテーション問題が各ユニットで与えられ、ほぼ 100%北米英語変種が使用されてい る。唯一の例外は Unit10 の導入モデルダイアローグであり、ここでは韓国英語話者がジョ ブ・インタビューに応じている。応用リスニング演習の練習セクションではイギリス英 語、オーストラリア英語、インド英語、ポーランド英語、韓国英語、中国英語、日本英語 等のアクセントを伴った音声が使用されている。この多様に英語変種に触れる機会の多さ が本教材を採用した主な理由の一つであった。しかしながら、元々テキストブックの音声 教材は、各英語変種の特徴そのものの理解を主目的としてはいないため、これらの特徴を 持った英語変種は設問ごとに断片的に使用され、モデルダイアローグと異なり会話形式は 取らず、単独話者による発話となっており、かつ音声トランスクリプトは別紙でのみ学生 に配布されたため、自主的な復習として音声スクリプトを参照しながら聞き直す学生は少 数にとどまった。

3.アンケート考察

第 1 回授業での履修者への質問 第 1 回目のガイダンス授業(2019 年 4 月 19 日)にて授業目標の確認を行い、その際に 履修者に紙面でのアンケートを行い(N:24)、特に以下の質問の回答については教室内 で意見を出し合った。 Q1.海外の滞在経験の有無 Q2. 現在英語でコミュニケーションを取っている知り合いや友人の有無や彼らの出身地 (どのような英語変種との接触経験があるのか) Q3.どのような英語を話したいか(特定の内円英語へのこだわりの有無) 24 名の履修者のうち 13 名が 1 か月以上の海外英語研修/留学体験があり、かれらのほ ぼ全員が留学先でのホストファミリー又は英語教師と英語でコンタクトを維持している。 英語学校でのクラスメートのうち韓国出身者の英語は非常に分かりやすく、ついで中国英 語、スペイン英語は聞き取り易いという印象がある。現在はインスタグラムなどで専ら短

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いメッセージをやり取りするのみである。北米での留学経験者は全員がアメリカ英語に憧 れがあり、留学未経験者及びオセアニアでの留学経験者の中にはイギリス英語を習得した いという学生もいた。留学することで一層ネイティブ話者に近づきたいという思いが強 まったと答える学生が過半数を占めた。特別に学びたい英語はない、と回答した学生は 3 名にとどまった。 第 28 回授業での履修者への質問 第 28 回目のまとめ授業内(2019 年 7 月 23 日)において、World Englishes 及び共通語 としての英語について改めて解説しながらテキストで取り扱ったリスニング音声を抜粋 し、様々な英語変種について解説した後に以下の内容で Web アンケートを実施した。ま た、Q6:「英語を日常的に使って仕事をするためにはどのような英語に関する能力やスキ ルが必要か」についてはディスカッションを行った。

Oral Communication Skills(a)の学習目標の達成度、及び授業で使用した英語についての質問 Q1 自分にとって最も達成感を持って習得できたと思うスキルは何ですか。3 つ選んでください。 Q2 主人公の Amy Lee の英語に対する印象を教えてください。 Q3 Lisa Gomez の英語に対する印象を教えてください。 Q4 Jasmine Lam の英語に対する印象を教えてください。 Q5 自分の英語の「通じやすさの程度」は履修前と比べて増したと思われますか。 Q6 今クラスを終えて、英語を日常的に使って仕事をするためにはどのような英語に関する能力やスキルが必要だと思いますか。自由に書いてください。 回答と分析 Q1. 自分にとって最も達成感を持って習得できたと思うスキルは何ですか? 3 つ選んで ください。 学習目標 N % ・自分の英文履歴書を適切な書式で作成することができる 14 63.6 ・各所で決まり文句を使用しながら英語でプレゼンテーションを構成できる 13 59.1 ・英語で電話をかける/受ける/伝言を残す/伝言を受けることができる 10 45.4 ・英語で道を尋ねる/教えることができる 10 45.5 ・英語の適切な表現を使ってホテルにチェックインできる 6 27.3 ・英語でミーティングの進行ができる(議題の提示と決定、結論とまとめ等) 5 22.3 ・ミーティングで根拠や例を示しながら意見を述べることができる 4 18.2 ・英文ビジネス E メールの書式と表現に親しむ 3 13.6 ・インタビューで自分の強みや経験、展望を口頭で表現できる  1 4.5 達成感が最も高い英文履歴書作成と最も低いジョブインタビューは連結したスキルとし − 21 −

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て指導したにも関わらず学生の自己スキルに対する満足度は対照的であった。それ以外の 英語で行えるスキルについては複数回答ということもあり、ほぼすべてのスキルについて 学生が習得したと捉えられる。 Q2.Amy Lee の英語に対する印象を教えてください。   (標準的なカナダ英語)     訛りがあって聞きづらい 1 訛りはないが聞きづらい 0 訛りはあるが聞きやすい 9 訛りがなく聞きやすい 12 Q3.Lisa Gomez の英語に対する印象を教えてください。   (抑揚にヒスパニックの影響があるアメリカ英語)     訛りがあって聞きづらい 0 訛りはないが聞きづらい 6 訛りはあるが聞きやすい 9 訛りがなく聞きやすい 7 Q4.Jasmine Lam の英語に対する印象を教えてください。   (シンガポール英語)     訛りがあって聞きづらい 4 訛りはないが聞きづらい 7 訛りはあるが聞きやすい 9 訛りがなく聞きやすい 2 Q2 から Q4 は、履修者がこれまで英語教材やリスニング試験等で親しんできた標準的 な北米英語変種からの距離を聞き分けているかの確認のために質問した。質問を経るごと に一般的なリスニング教材英語から離れていくことについて大半の学生が聴解できている ことが確認できた。 Q5.自分の英語の「通じやすさの程度」は履修前と比べて増したと思われますか。     大いに増したと思う 4 少し増したと思う 10 変わらないと思う 8 Q6. 英語を日常的に使って仕事をするためにはどのような英語に関する能力やスキルが 必要だと思いますか。自由に書いてください。

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▲インプットに関するもの   ・相手が何を話しているのか理解しようとする力   ・英語のイントネーション、発音、リンキングなど   ・相手の文化的背景を理解する事と、リスニング能力を向上させること   ・発音やイントネーションについて。また、フォーマルな会話表現   ・自分は今までアメリカ英語しか勉強してこなかったので、イギリス英語や他国で    話す英語の特徴の違いについて勉強する必要がある。   ・訛りがあると伝わらないことがあるので正しい発音をする能力が必要。   ・リスニングのスキルは必要だと強く感じた。   ・文法は多少違っても通じると思うので、単語の習得、イントネーションやアクセ    ントなどを知っておく必要がある。 ▲アウトプットに関するもの   ・簡潔に口頭で話す能力   ・コミュニケーション能力   ・とにかく恐れずに話す   ・様々な国の人への英語での対応やフォーマルな言葉遣いなど   ・会話相手、プレゼンテーションなら聞き手の言語能力を意識した英語レベルの使    い分け。   ・コミュニケーション能力、ジェスチャーや文化の理解   ・ビジネスに対応できるような英語、スピーキング力   ・リスニング力とスピーキング力

4.まとめと今後の課題

“Oral Communication Skills” の授業を通して、履修者の多くがグローバルなビジネス活動に 必要とされるコミュニケーションスキルを高い満足度をもって習得したことが今回の調査 で確認できた。教職課程における英語コミュニケーションの必修科目として、国内におけ る英語コミュニケーションの殆どが、多彩な文化背景と母語の影響を受けた様々な英語変 種話者と行われているという認識を履修者に促し、コミュニケーション活動において、自 己の英語を肯定的に捉えると同時に、他文化も相対的に評価できるような視座を持った教 員人材育成を目指すべきであろう。当科目履修者の殆どは LA 学群の英語学・英文学専修 で英語圏での 1 セメスター留学の経験者が多い。彼らの多くは留学先の内円英語に対する 憧れを一層強め、自身の英語を低く評価する傾向を認めるが、先に述べた国内における非 英語母語話者同士の ELF コミュニケーションの頻度と需要の高さを踏まえ、自身の英語に 対する認識の肯定的変化を促し、英語母語話者と非英語母語話者間の平等性を尊重する姿 勢へ無理なく導く方策が必要である。そのためにはできるだけ多彩な英語変種をインプッ トする機会を設け、共通語としていかなる英語も対等に使用しているという場面を学習活 − 23 −

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動内で提示できることが望ましい。アジアのグローバル企業における状況別のコミュニケー ション対応練習という設定は学生にも無理なく受け入れられたと肯定的に評価している。 当科目のシラバスは完成年度まで変更の予定はない。シラバスにある学習目標を達成す るための補助教材として、より効果的な WE や EIL の視点の導入を工夫することが今後 の課題である。 参考文献

Canagrajah, A. S. (1999). Interrogating the Native Speaker Fallacy: Non-linguistic Roots, Non-pedagogical Results. In G. Braine (Ed.). Non-Native Educators in English Language Teaching, pp. 77 ︲92. Oxford University Press.

Hashimoto, et al. (2017). ʻPerception of Accented Speeches by Japanese EFL Learners and its Relationship with Processing Difficultyʼ, 教科教育学論集(16),45︲50,大阪教育大学教科教育学研究会 . Jenkins, J. (2007). English as a Lingua Franca: Attitude and Identity. Oxford: Oxford University Press. Kachru, B. (1985). “Standards, Codification and Sociolinguistic Realism: The English Language in the outer circle”.

In: Quirk R., Widdowson H. (Eds.), English in the World. Cambridge University Press, Cambridge, UK, 1985. Phillipson, R. (1992). Linguistic Imperialism. Oxford University Press.

Smith, L.F. (ed.) 1983. Readings in English as an International Language. Oxford: Pergamon

Vaughan, Andrew. & Zemach, Dorothy E., Get Ready for Business 2, Macmillan Languagehouse, 2010. 塩澤正、他 (2016).『「国際英語論」で変わる日本の英語教育』、くろしお出版 . 宮本節子・渡辺幸倫(2017).「日本における『タイ英語』の認識について:ホテルスタッフへのイ ンタビュー及び大学生の意識調査の分析」、『相模女子大学文化研究』(35),25︲36. 文部科学省 (2014).「グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言」(英語教育の在り方に 関する有識者会議」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm (accessed on Oct. 17, 2019)

補足資料(1) “Oral Communication Skills (a)” シラバス授業科目名:Oral

Communication Skills 教員の免許状取得のための必修科目 単位数:4 単位 担当教員名:宮本 節子 担当形態:単独 科 目 教科及び教科の指導法に関する科目(中学校及び高等学校 英語) 施行規則に定める 科目区分又は事項等 ・英語コミュニケーション教科に関する専門的事項 授業の到達目標及びテーマ

(英文)If you hope to use English in your future careers or if you are keen to adapt your manner of speaking to suit the occasion: from quite casual to rather formal, this course is for you. Speech in business situations is nothing to be afraid of. With many opportunities for discussion and role plays, this is a chance to connect what you are studying with what you will experience in the real world. The skills learned from this course will be useful to you as you prepare to start working.

Upon successful completion of this course, you should be able to:

・ Improve technique in four key areas of communication: socializing, using the telephone/Email, presenting information, and participating in meetings

・ Be more aware of the occasions on which you should use polite expressions ・ Gain a working knowledge of basic business words and phrases

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(和文) 状況や機会に応じた適切なスタイルの英語表現、特に様々なビジネスの場面で使用されるフォーマ ルな口頭表現の習得を目指す中級会話クラスである。具体的な目標は以下の通りである。 ・社交の場、電話や E メールでのコミュニケーション、プレゼンテーション、ディスカションの参 加及び進行等、主要なビジネス場面でのコミュニケーションを円滑に行うことが出来る。 ・カジュアルな表現と丁寧な口頭表現を意識して使い分けることが出来る。 ・基本的なビジネス用語や表現を習得する。 ・TOEIC 等に頻出するビジネスに関連した状況に親しむ。 授業の概要

(英文)We will be focusing mainly on developing oral fluency although our class activities include listening as well as a bit of writing. Role playing, pair work and presentation activities will dominate the class. Students are encouraged to be active in class and come prepared to each lesson.

(和文)テキストブックは 12 のビジネスシチュエーションを扱ったユニットから構成されており、 2 回の授業で 1 ユニットを学習する。授業ではリスニングに始まり、主にロールプレイやグループ ワーク等のスピーキング・アクティビティを行うが、各国のビジネス習慣、マナー文化に関するリー ディング、英文履歴書の作成など、ライティング演習も行う。なお、授業は全て英語で行う。 授業計画

第1回:授業ガイダンス、Unit 1: ice-breaking activities

第2回:Unit 1: 初対面の際の会話/他己紹介とスモール・トークのテクニック 第3回:Unit 2: フォーマルなプレゼンテーションの導入部 第4回:Unit 2: 提案する際の表現/(文化)ステレオタイプについて 第5回:Unit 3: ディスカションの進行 第6回:Unit 3: ディスカッションで根拠や理由を述べる/(文化)意思決定の文化 第7回:Unit 4: 同意・反論する 第8回:Unit 4: ディスカション演習/(文化)ミーティングのスタイル 第9回:復習 Graded speaking activity(1) グループディスカション演習 第10回:復習 Graded speaking activity(1) ディスカションの結果を発表する 第11回:Unit 5: 電話でボイスメールを取り扱う 第12回:Unit 5: メッセージを残す・受ける/自動ボイスメールを聞き取り操作する 第13回:Unit 6: 実際の地図を使って道案内をする 第14回:Unit 6:(文化)各国の非言語コミュニケーションを学び、説明する 第15回:Unit 7: フォーマルな E メールの書式を確認する 第16回:Unit 7: ビジネス E メールを評価し、校正する 第17回:Unit 8: プレゼンテーションにフィードバックを与える 第18回:Unit 8: フォーマルなプレゼンテーションの終わり方・質疑応答の表現 第19回:復習 Graded speaking activity(2)

        「自分が大切にしているもの」をテーマとしたプレゼンテーション実技 第20回:復習 Graded speaking activity(2) プレゼンテーション実技

        プレゼンテーションに対する質疑応答・フィードバック交換 第21回:Unit 9: 英文履歴書の書式確認・箇条書きと action verbs の使い方 第22回:Unit 9: 英文履歴書を書く/(文化)履歴書の記載事項の違い 第23回:Unit 10: ジョブインタビューを受ける・履歴を述べる Unit 11: 第24回:Unit 10: ジョブインタビューを受ける・自身の展望と強みを述べる 第25回:Unit 11: 贈り物を選ぶ 第26回:Unit 11: 謝罪をする・謝罪を受け入れる/レジュメ(履歴書)の課題提出 第27回:Unit 12: 自己評価する 第28回:既習事項のまとめ

第29回:復習 Graded speaking activity(3) 模擬ジョブインタビュー実技

        提出したレジュメに基づいた質問・自分の履歴・強み・展望について話す 第30回:復習 Graded speaking activity(3) 模擬ジョブインタビュー実技

        レジュメについてのフィードバック及びジョブインタビューについての振り返り

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補足資料(2)第 1 回授業での履修者への質問 (補足) Q2.現在英語でコミュニケーションを取っている知り合いや友人の有無や彼らの出身地 (どのような英語変種との接触経験があるのか) アメリカ、中国 アメリカ アメリカ、台湾 ニュージーランド アメリカ 韓国 ペルー フィリピン アメリカ、メキシコ、韓国、中国、台湾 カナダ 韓国、アメリカ、メキシコ、スペイン、ロシア、中国 アメリカ、韓国、中国 サウジアラビア、ヨルダン、カナダ オーストラリア 韓国、中国、サウジアラビア、シンガポール、台湾 アメリカ、韓国、中国、フィンランド、フランス、ベトナム、タイ etc. ニュージーランド フィリピン、アメリカ テキスト

Vaughan, Andrew. & Zemach, Dorothy E., “Get Ready for Business 2”, Macmillan Languagehouse, 2010. ISBN: 978-0-2300-3985-8

参考書・参考資料等

参考書、参考ウェブサイトの活用法などはクラス内で説明する。 学生に対する評価

(英文)

Graded speaking activity (1) group discussion:  30% Graded speaking activity (2) presentation:    30% Graded speaking activity (3) mock job interview: 30% Attitudes: 10%        100% in total (和文) 第 9・10 回授業のグループディスカッション実技:30% 第 19・20 回授業のプレゼンテーション実技:   30% 第 29・30 回授業の模擬ジョブインタビュー実技: 30% 授業に対する熱意と態度:10%      計 100%

参照

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