フェニルエチニルフェニルケトンの光反応
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(2) フェニルエチニルフェニルケ トンの光反応. CH3 CH3 CH3 C≡ C― Ph. │. Ph一 C≡ C― C一 C≡ C― Ph │. CH3 (式. -1). 他方,分 子内 にケ ト基を持 つアセチ レンケ トン類 は同様 な反応条件 では ,. 反応 は nπ 励起二重項状態 または CT励 起複合体か らカルボニル基 の酸素原 子 による水素引 き抜 きによ って開始 され,生 成物 に溶媒 との付加体 を与 える と報告 されて いるが. (式. -2),置 換基や溶媒 の種類 を変えることによ って光. 還元体 の生成 が期待 される。. t Bu C≡ 1_PrOH. H― C≡ C一 COPh. Ph. ―C≡ C一. l. hν. t一 Bu一 C≡ C一 COCH3. I. I OH OH. L R. RCH20H. COPh (F一. CH3 CH3 l. C― C― C― CH3. hν. ¬IcH2)2NH. ‐ Ph一 C= :CHCOPh―十 PhCOCH2COPh cHR │. NHCH2R │. -2) (式 ― そ こで. ,. /ン ケ トン類 と して フ ェ ニ ル エ チ ニ ル フ ェ ニ ル ケ トンを 用 アセ チ し. .ろ みたとこ い, シ ク ロ ヘ キ サ ン溶 媒 中 光 照 射 を試 Norrish Type I型 反 応生 成 物 が 得 られ たの で. 実. 2。. 1. フ ェニ ル エ チ エ ル フ ェニ ルケ トンの合成. 験. ,. ,光 還 元 生 成 物 の ほか に そ の結 果 を こ こに報 告 す る。.
(3) 山 本 和 正. フェニ ルエ チ ニ ル フェニ ル ケ トンは通 常 の方法 に従 って合成 した。 す なわ ち, フェニ ルエ チ ニ ルマ グネ シウム ブ ロ ミドとベ ンズアル デ ヒ ドよ リ フェニ ル エ チ ニ ル フェニ ル カル ビノール を合成 し,つ いで無水 ク ロム酸 ―ピ リジ ン 複合体 によ り酸 化 して フ ェ ニ ル エ チ ニ ル フ ェ ニ ル ケ トン (収 率 ∼ 109℃ /0.38 mmHg)を 得 た。. 108°. 2。. 35%,bp:. 2. フェニルエチエルフェニルケ トンの光反応. 2.2.1 フェニ ルエ チ ニ ル フェニ ル ケ トン 〔1〕 の シク ロヘ キサ ン中 で の光 反応 〔1〕. 1。. 00gと シ ク ロヘ キサ ン 100. mlの 混合物 を水 で冷却 しなが ら窒素雰. 囲気下 ,. 100W高 圧水銀灯 で 4時 間光照射 した。 溶媒 を減圧下 で除去 した の ち,残 留 物 を減 圧 下 で 蒸 留 し,得 られ た 蒸 留 物 か ら ガ ス ク ロマ トグ ラ フ ィー. (シ. リコンDC-550,0。 6m× φ3mm,100° ∼ 190℃ ,He)に より,生 成物 と. して 3-フ ェニルー1-イ ンダノン 〔2〕. 0。. 14g(14%), ベ ンザルアセ トフェノン 〔3〕. 0,015g(1.5%), フェニルアセチレン 〔4〕 0.05g(10%), ベ ンズアルデヒド 〔5〕. 0.045g(9%)お 180° C/0。. よび ビシクロヘキシル0.20gを 得 た。 蒸留物の沸点 : bp 40° ∼. 4 mmHg. 〔2〕 のスペ クトルを示す。. NMR(τ ):2.0∼ 3.2(m, 9H,芳 香族 H),5.5(dd,J=4。. O Hzお よび. J=8.O Hz, lH,CHPh),6.87(dd,J=19 HZお よび J=8。 O Hz, lH,一 CH2 ),7.5(dd,J=19 Hzお よび J=4。 O Hz, lH,一 CH2 ) IR(液 膜 , cm-1): 1710(ν c。 ), 960(針 置換 ベ ンゼ ン), 960お よび 705 (モ. ノ置換 ベ ンゼ ン). 質量 スペ ク トル. (m/e):208(M+). の シクヘ キサ ンーd12申 での光反応. 2.2.2〔. 1〕. 〔1〕. 10gと シクロヘキサ ンーd12(9907%)2 mlの 混合物を石英製試験. 0。. 管 にとり窒素雰囲気下 100W高 圧水銀灯 で 4時 間外部照射 した。生成 した.
(4) 92. フェニルエチニルフェニルケトンの光反応. 3-フ ェニルー1-イ ンダノ ンをカラム クロマ トグラフ ィー. (シ. リカゲル, ベン. ゼン:シ クロヘキサン=3:1)に よ り単離 し, その NMRを 測定 した。 メチ レ ンプロ トンの吸収 は消失 して いた。. NMR(τ ):2。 0∼ 3.2(m, 9H,芳 香族 H),5.5(S, lH,CttPh) のイソプ ロパ ノール中での光反応. 2.2.3〔. 1〕. 〔1〕. 00gと イソプ ロパ ノール 100. 1。. せ,生 成物 として 〔2〕 ,〔. 3〕. ,〔. mlの. 混合物 を 2.2.2と 同様 に反応 さ. および 〔5〕 を得 た。 〔2〕. 4〕. と 〔3〕. の生成比 は 2:1で あ った。. 2。 2。. 4〔. 1〕. のアセ トフェノ ンおよびベ ンゾフェノンによる増感反応. 石英製反応管. (15 cm×. φl.5 cm)に 〔1〕. 0。. 10g, アセ トフェノ ン0.29gお. よび シクロヘ キサ ンを加 えて 10 mlに 定容 した溶液 と増感剤 を添加 しないで 同様 に調整 した溶液を窒素雰囲気下同一 条件 にて. 100W高 圧水銀灯 で 1.5. 時間外部照射 した。 アセ トフェノ ンを添加 した場合 と添加 しない場合 の 3フェニルー1-イ ンダノ ンおよびフェニルアセチ レンの生成比 はそれぞれ 1.6: 1お よび 2.2:1で あ った。 ベ ンゾフェノン. (0。. 44g)を 用 いて同条件下 で増. 感反応をさせたところ,増 感剤を添加 した場合 と無添加 の場合 のフェニルア セチ レンの生成比 は 2.0:1で あ った。. 2.2.5〔. 1〕. の 2,5-ジ メチルー2,4-ヘ キサ ジエ ンによる消光反応. 石英製反応管. (15 cm×. φl.5 cm)に. 〔1〕. 1。. 0× 10 3m01,所 定量 の 2,5-ジ. メチルー2,4-ヘ キサ ジエ ンおよび シクロヘキサ ンを加 えて 10 mlに 定容 した。 窒素で置換 したのち, メ リーゴー ラウ ン ド型照射装置を用 いて,. 100W高. 圧水銀灯で 4時 間外部照射 した。 消光剤 の濃度 が OM, 0。 1× 10 lM, 0.5 × 10 lM, 1.0× 10 lMの 場合, それぞれの濃度 に対す る 〔2〕. の生成比. は 1:0。 57:0.41:0。 20で あり, また 〔4〕 の生成比 は 1:0.600.430。 24で あ っ た。.
(5) 山 本 和 2。. 3. 正. ベ ンザルアセ トフェノンのシクロヘキサ ン中での光反応. ベ ンザル アセ トフェノ ン. 1。. 00gと シク ロヘ キサ ン 100. mlの 混合物 を 2.2.1. と同様 な条件 で 4時 間光照射 した。 その結 果 ,ベ ンザルアセ トフェノ ンの シ スー トラ ンス異性化 が起 こるのみであ った。. 2.4 フェニルアセチレンとベ ンズアルデヒドのシクロヘキサ ン中での光反応 フェニ ル アセチ レン 00g, ベ ンズアル デ ヒ ド 1.00gお よび シク ロヘ キサ 1。. ン 100 mlの 混合物 を 2.2.1と ま った く同様 な条件 にて 4時 間光照射 した。溶 媒 を除去 した の ち,得 られた残留物 か らガス ク ロマ トグラフィーによ り,生 成物 と して痕跡量 の t‐ ―フェニ ル ケイ皮 ア ル デ ヒ ドを認 めた。. 2.5 標品合成. 2.5.1 3-フ ェニルー1-イ ンダノ ン 〔2〕 の合成 〔2〕 は既知 の方法 に したが って合成 した。 2.5.2 t― a一 フェニルケイ皮 アルデ ヒ ドの合成. tで 一フェニルケイ皮 アルデ ヒ ドは既知 の方法 により合成 した。. 3. 結果 と考察. フェニ ルエ チ ニ ル フェニ ル ケ トン 〔1〕 の シク ロヘ キサ ン溶液 を光照射 す ることによ って, 光還元生成物 〔2〕. と 〔3〕. お よび Norrish Tpye I型. 開裂反応生成物 〔4〕 と 〔5〕 を得 た (式-3)。 生成物 の構造 は NMR,IR,. MS,GCの 知見 および標品合成 によ って決定 した。 hν 。4hrs. hO. PhCH=CHCOPh. O. 1〕 〔. h + P. PhC≡ C一 COPh. 2〕 14% 〔. 3〕 1.5% 〔.
(6) フェニ ルエチ ニ ル フェニ ル ケ トンの光反応. PhC≡ CH. +. PhCHO. 4〕 10% 〔. (式. 光還 元生成物 と Nornsh. 9%. -3). Type I型 反応生成物 の割合 は 6:4で あ った。. 脂肪 族 ケ トンは液相 で は Type 〔1〕. 5〕 〔. I型 開裂反応 が起 こ りに くいの に対 して. ,. の様 な芳香族 ケ トンで は, 開裂反応 は光還 元反応 と競争的 に起 こる こ. とが 明 らか にな った。 光還 元生成物 〔2〕. と 〔3〕 の割合 は 101で あ った。 〔2〕. の. と 〔3〕. 生成機構 は次 の よ うに考 え られ る (式 -4)。 恥. PhC=CHCOPh一. \. 7〕 〔. PhC≡. \ \\. PhCH=eCC)Ph―一. CCOPh. 1〕 〔. \ `. 一―一‐. 0 2〕 〔. PhCH=CHCOPh. 8〕 〔. PhC≡ C一 C一 Ph. OH │. 9〕 〔. (式. -4). 励起 した 〔1〕 の α一炭素原子 が溶媒 か ら水素 を 引 き抜 き, ラ ジカル 〔7〕 が生 成 す る。 〔7〕. は分子 内環化 によ リイ ンダノ ン 〔2〕. を与 え ると共 に. ,. 〔7〕 の一 部 は環 化 しな いで速 やか に溶媒 か ら水素 を 引 き抜 いて ベ ンザ ル ア セ トフェノ ン 〔3〕 を与 え ると思 われ る。 ラ ジカル 〔7〕 か ら 〔2〕 の詳細 な生 成機構 につ いて は,ベ ンズアル デ ヒ ドとフェニ ル アセチ レンとの光反応 にお いて, ラ ジカル 〔7〕. を経 由 して 3-フ ェニ ルー1-イ ンダノ ンとベ ンザ. ル アセ トフェノ ンが生 成 す るとの報告 の中 で 明 らか にされて い る (式 -5)。.
(7) 山 本 和 正 hν . PhC≡ CH__Phc=CHCOPh PhCHO一 一一一一― PhC=0-一 一一一一. SH. 一. 7〕 〔. 岡― α. H. H Ph. Ph. 一. 2〕 〔. 0 (式. -5). この生成機構 は,重 水素化 シクロヘキサ ン溶媒中, 2位 の炭素原子上 に 2 個 の重水素 が置換 した 〔2〕 が得 られることか らも支持 される (式 -6)。 Ph. D (式 -6). PhC≡ CCOPh ∈. D. >d12. 〔3〕 の生成機構 として, ラジカル 〔8〕 および 〔9〕 か らの可能性 も考 え られる。 ラジカル 〔8〕 は 〔7〕 と比 べて不安定 であると考え られるので. ,. ラジカル 〔8〕. を生成す る 〔1〕. の β一炭素原子 による水素引 き抜 き反応 は. 起 こりに くいと思われる。 カルボニル基 の酸素原子 が溶媒 か ら水素 を引 き抜 いて得 られるラジカル 〔9〕 は,〔 3〕 を与 える反応 のほかに, それ 自身 の カツプ リング反応が期待 されるが,カ ツプ リング生成物 は確認 されなか った。 また,〔. 1〕. の nπ 励起状態 は Norrish Type I型 開裂反応 に関与す ると考. え られるので, ラジカル 〔9〕 か ら 〔3〕 の生成 の可能性 は小 さいと思われ る。 〔2〕 と 〔3〕 が光二次生成物 である可能性 について検討 した。す なわち. ,. の Norrish Type I型 開裂反応 によ つて生成 した. 〔2〕. と 〔3〕. は 〔1〕. 〔4〕. と 〔5〕. との光反応で生成す るとも考 え られる。 そこで フェニルアセ. チ レンとベ ンズアルデ ヒドを シクロヘキサ ン中光照射 したところ, 微量 の α _フ. ェニルケイ皮 アルデ ヒ ドのみを認 めた。 また,〔. 1〕. の光反応 において反. 応初期 か ら 〔2〕 と 〔3〕 が生成 した。以上 の結果か ら, これ らは光一次反.
(8) 96. フェニルエチニルフェニルケ トンの光反応. 応 生 成 物 で あ る と結 論 した。 イ ソプ ロパ ノー ル 中 〔1〕. の 光 反 応 を試 み た と ころ,〔. 成 上ヒは 2:1で あ った。 シ ク ロ ヘ キ サ ン中 にお いて は,. 2〕. と 〔3〕. その比 が. の生. 101で あ. る ことか ら, ラ ジカル に よ って 引 き抜 か れ に くい水 素 を持 つ 溶 媒 中 で は,分 子 内環 化反 応 が 優 先 す る こ とが 示 唆 され る。 〔1〕. の 光 還 元反 応 お よ び開 裂 反 応 は, アセ トフ ェノ ンお よ び ベ ンゾ フ ェ. ノ ンに よ って 増 感 され る と共 に, 2,5-ジ メチ ルー2,4-ヘ キ サ ジ エ ンに よ って 消光 され た。 す なわ ち,〔 消光 実 験 の結 果 な らび に こる こ とよ り,〔. 1〕. 2〕. お よ び 〔4〕. の 生 成 に対 す る増 感 反応 お よ び. Norrish Type I型 開 裂 反 応 は nπ 励 起 状 態 か ら起. の光 還 元 反 応 は z77励 起 二 重 項状 態 が また, 開 裂反 応. に は nπ 励 起 二 重 項 状 態 が 関 与 して い るよ うに思 わ れ る。 〔1〕. に対応 す る二 重 結 合 化 合 物 の ベ ンザ ル アセ トフ ェ ノ ンは,2.2.1と 同. じ条件 で 光 照 射 した と こ ろ,そ れ 自身 の シス ー トラ ンス異 性 化 を起 こす の み で あ った。. 4文. 献. 1) Do A.Ben― Efraim,Tetrahedron Lett。 ,957(1967); T.Do Roberts,L.Ar―. demagni,and HoShechter,J.Amer.Chemo Soc.,91, 6185(1969);T.D. Roberts,Chemo Commun"362(1971);Ho E.Zimmerman and J.A.Pin― cock,Jo Amer.Soc。 ,95,3246(1968). 2) Jo W.Wilson and Vo So Stubblefield,J.AInero ChemoSoc。. ,90, 3423 (1968);. T.Nishio and Y。 Omote,Jo C.So Perkin I,1973, 1703.. 3)シ ス体 と トランス体 の混合物 4)C.Fo Koelsch,Ho Hochrrlann,and C.Do Leclaire,Jo Arrler.Chemo Soc.,65, 59 (1943).. 5)Ho E.Zimmerman,Lo Singer,and BoS.Thyagarajan,Jo Amero Chemo Soc" 81, 108 (1959)。. 6)K.Fujita,K.Yarrlarnoto,and ToShono,Nippon Kagaku Kaishi,1973, 1933..
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