• 検索結果がありません。

食用きのこのγ-アミノ酪酸(GABA)生成に関与する酵素に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "食用きのこのγ-アミノ酪酸(GABA)生成に関与する酵素に関する研究"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)論 氏. 名. いわ. もと. かず. こ. 岩. 本. 和. 子. 士(農. 文. 内. 容. の. 要. 旨. き の こ に含 ま れ る 呈 味 成 分 は 、 き の こ の お い し さ に 関 わ る化 学 的 要 因 と して 、 また 、 き の この 食 品 栄 養 学 的 な 有 用 性 を 知 る た め に も重 要 で あ る と考 え られ て い る 。 き の こに 含 まれ る うま 味 成 分 と して は グ ア ニ ル 酸(5'-GMP)が よ く知 られ て い る が 、 本 成 分 と相 乗 的 に 作 用 し、 う ま味 が 増 強 され る グ ル タ ミ ン酸 も比 較 的 多 く含 まれ て お り、 そ の 他 に も呈 味 性 の ア ミ ノ酸 で あ る ア ラニ ン等 も含 まれ て い る 。 ま た 近 年 、 生 理 活 性 を有 す る機 能 性 ア ミ ノ酸 と して. 学 位 の 種 類. 博. 学). 学 位 記 番 号. 農 第185号. 学 位 授 与 の 日付. 平 成25年3月22日. 注 目 され る よ う に な っ た オ ル ニ チ ンや γ一ア ミ ノ酪 酸(G超A)と い っ た 非 タ ンパ ク 質 性 ア ミ ノ酸 も多 く含 有 して い る こ とが 報 告 さ. 学 位 授 与 の要 件. 学 位 規 程 第5条 該 当. れ て い る 。 しか し、 食 用 き の こに お け る これ らの 成 分 の 含 量 に つ い て は 詳 細 に 検 証 され た 例 は少 な く 、 日本 栄 養 ・食 糧 学 会 が 公 表 して い る ア ミ ノ酸 組 成 デ ー タ ベ ー ス に お い て もき の こ類 と して. 学位論文題 目. Studies on the enzymes related to y-amino butyric. 情 報 の 公 開 が され て は い る も の の 、 文 献 ご と に含 量 の 表 記 が 統 一 され て お らず 、 ま た 、機 能 性 ア ミ ノ酸 の 含 量 に つ い て も他 の 食 品 と比 較 し、 そ の 位 置 付 け に あ る か につ い て は 明 らか で な い 部 分 も 多 い。 GABAは 自然 界 に 広 く分 布 して お り、 中 枢 神 経 で は 抑 制 性 神 経 伝. acid (GABA) formation in edible mushrooms (食 用 きの この γ 一ア ミ ノ 酪 酸(GABA)生. 成に. 関与 す る酵 素 に関 す る研 究). 達 物 質 と して 作 用 し 、 血 圧 上 昇 抑 制 、 利 尿 作 用 、 ス ト レス の 緩 和 、 糖 尿 病 の 予 防 とい っ た 様 々 な効 果 が 期 待 され る 機 能 性 食 品 素 材 の 一 種 で あ る 。GABAは 、 生 体 内 にお い て グル タ ミ ン酸 デ カ ル ボ キ シ ラ ー ゼ(GAI))に よ り グ ル タ ミ ン酸 の α一カル ボ キ シル 基 が 脱 炭 酸 さ れ 生 成 す る こ とが 確 認 され て い る 。 これ ま で に哺 乳 動 物 、 高 等 植 物 、 細 菌 な どの 様 々 な 生 物 種 由来 のGADが 精 製 さ れ 、 そ の 性 質 に つ い て 報 告 され て い る。 き の こ に お い て もGABA蓄 積 とGAD活 性 の 関 連 性 を調 べ る こ とで 、GABA含 量 とGAD活 性 を 制 御 し 、 商 業 的. 論 文 審 査 委 員(主. 査)教. 授. 田. 中. 裕. 美. (副 主 査)教. 授. 岸. 本. 憲. 明. (副 主 査)准. 教授. 白. 坂. 憲. 章. に き の この 価 値 を 向 上 させ る こ とが で き る 可 能 性 が あ る が 、 食 用 き の こ を含 む 担 子 菌 由来 のGAI)につ い て の 報 告 は い まだ な い 。 そ こで 本 研 究 で は 、 食 用 き の こ中 に含 ま れ る機 能 性 ア ミ ノ 酸 の 一・ 種 で あ るGABAに 着 目 し、 食 用 き の こ 中 のGABA含 量 を 明 らか にす る と共 にGABA生 合 成 に 関 与 す る 酵 素 と してGADを 精 製 し、 そ の 性 質 を 明 らか に した 。.

(2) きの この ミ 市 販 の 食 用 き の こ9種 類(エ ノキ タ ケ 、 エ リ ン ギ 、 シイ タ ケ 、 タ モ ギ タ ケ 、 ツ ク リタ ケ 、 ナ メ コ 、 ブ ナ シ メ ジ 、 ホ ワ イ トブ ナ シ メ ジ 、 マ イ タ ケ)を 用 い て 、GABA含 量 と近 年 注 目 され る よ う に な っ た ア ンモ ニ ア 解 毒 作 用 、 成 長 ホ ル モ ンの 分 泌 促 進 、 コ ラー ゲ ン合成促 進、 免疫 力の向上 といった様 々な活性 を有す るオ ルニ チ ン の 含 量 を明 らか に した 。 そ の 結 果 、 各 き の こ の ア ミ ノ酸 含 量 を. の と き に 観 察 さ れ 、pH2.5-5.5でGAD活. 乾 燥 重 量100g当 た りに 換 算 し比 較 した と こ ろ、 エ ノキ タ ケ が き の こ 類 の 中 で 最 も高 いGABA含 量 を示 し、9種 類 全 て の き の こが 一 般. 2.エ ノ. 的 にGABAを 多 く含 む と言 わ れ て い る トマ トな ど の 食 品 と比 較 して 同 等 も し く は 高 い値 を 示 した 。 オ ル ニ チ ン にお い て も 、 ブ ナ シ メ ジ(白)が き の こ類 の 中 で 最 も高 い含 量 を示 し、 ほ と ん どの き の こ が オ ル ニ チ ン を 多 く含 む 代 表 的 な 食 材 と言 わ れ て い る シ ジ ミ と 比. 活 性 の 破 砕 上 清 へ の 溶 出 方 法 を4種 類 の 可 溶 化 剤 を 用 い て 検 討 し. 較 して 同 等 も し く は 高 い値 を示 す こ と を 明 らか に した 。. 子 実 体 破 砕 後 、 遠 心 分 離 よ り 得 ら れ た 沈 殿 をIgepalCA-630を. frondosaよ. り 精 製 し たGADは. し た 。 酵 素 の 血 は7.5酬 素 活 性 はHg+とAg+よ. 性 は 安 定 で あ っ た 。G.. 、L一 グ ル タ ミ ン 酸 で の み 特 異 性 を 示. で 、 吻8滋 ま450μmlmin-'で. あ った 。 酵. り著 し く 阻 害 さ れ た(0%、32%)。GADのN一. 末端. ア ミ ノ酸 配 列 を解 析 し た 結 果 、 既 知 の タ ンパ ク 質 に高 い 相 同性 の あ る もの は 認 め られ な か っ た 。 タ. 由aル. タ ミン. ーカ ル. し 一一 ゼ の. 市 販 エ ノ キ タ ケ(.//!/〃nave!v〃pes)子. と'. 実 体 を 用 い 、GAD. た と こ ろ 、 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 で あ る ポ リ オ キ シ エ チ レ ン(9) オ ク チ ル フ ェ ニ ル エ ー テ ル(lgepalCA-630)で し て い たGADが. のみ沈殿 に残留. 上 清 に 溶 出 す る こと が確 認 で き た 。 この こ と か ら、 含. む 破 砕 液 で10回 洗 浄 し て 得 ら れ た 上 清 を 集 め 、 限 外 濃 縮 に よ り 調. きの こ ル ミ ン'カ ル小 シ ー一 ゼ の 、 き の こ に含 ま れ るGADの 特 性 を 明 らか に す る た め 、GAD酵 素 を精 製 し 、 そ の 性 質 につ い て 調 べ た 。9種 類 の 食 用 き の こ を 用 い て 、 き の こ中 のGAD活 性 と 局 在 性 に つ い て 調 べ た 結 果 、 マ イ タ ケ のGAD で 調 製 した 破 砕 液 の 上 清 で の み 安 定 して 活 性 が 確 認 で き た 。 検 討 した き の こ の 中 で 最 もGABA蓄 積 量 の 高 い エ ノキ タ ケ にお い て 最 も. 製 し た 酵 素 液 でSDS-PAGEを. 高 いGABA生 成 が 確 認 され た が 、GAD精 製 の た め に調 製 した 破 砕 液 の 上 清 に活 性 が 認 め られ ず 、 沈 殿 で 強 い活 性 が 確 認 で き た 。 こ れ ら の 結 果 よ り、 そ れ ぞ れ 酵 素 の 局 在 性 が 異 な る エ ノキ タ ケ とマ イ. Hg2+、Ag+よ. タ ケ を用 い てGADの 精 製 を 試 み 、 そ の特 性 に つ い て 検 討 した 。 1.マsル. ミ ン.rル. ・・ シ ー一 ゼ の 主. ど. 市 販 マ イ タ ケ(Grrfolafrondosa)子 実 体 を50mM酢 酸 バ ッ フ ァー(pH4.0)と 共 に破 砕 後 、 遠 心 分 離 に よ り得 られ た 上 清 を 硫 安 塩 析 、 疎 水 性 ク ロマ トグ ラ フ ィー 、 イ オ ン 交 換 ク ロマ トグ ラ フ ィー 、 ゲ ル 濾 過 を用 い て 精 製 し、 収 率1.24%、 精 製 倍 率ll.9倍 で 、 電 気 泳 動 的 に 単 一 の 酵 素 を 得 た 。 精 製 酵 素 の 分 子 量 はSDSPAGEよ り約42000、HPLC-GPCよ り約97000で あ った こ とか ら 、 本 酵 素 は 二 量 体 で あ る こ とが 示 唆 され た 。 最 大 活 性 はpH3.5で37℃. 行 っ た と こ ろ 、27kDa付. 近 にGADと. み. ら れ る バ ン ドが 確 認 で き た 。 ま た 、 残 渣 を 酵 素 試 料 と し て..::一 の 性 質 を 検 討 し た と こ ろ 、 最 大 活 性 はpH6で28℃ れ 、pH2-5でGAD活 製 し たGADは は4.85副. の ときに観察 さ. 性 は 安 定 で あ っ た 。F.ve!a〃pesよ. り部 分 精. 、L一 グ ル タ ミ ン 酸 で の み 特 異 性 を 示 し た 。 酵 素 のKID. で 、 吻ヨ嘉 ま0.86pgmirlで. あ っ た 。 酵 素 活 性 はCuz+. り著 し く 阻 害 さ れ た(20%、25%、0毘)。.

(3) 論. 文. 審. 査. 結. 果. の. 要. 旨. 本 申 請 者 は 本 学 位 論 文 にお い て 、 食 用 き の こ中 に含 ま れ る機 能 性 ア ミ ノ 酸 の 一 種 で あ るGABAに 着 目 し 、 食 用 き の こ 中 のGABA含 量 を 明 ら か に す る と共 にGABA生 合 成 に 関 与 す る 酵 素 と してGADを 精 製 し、 そ の 性 質 を明 らか に して い る 。 申 請 者 は 先 ず 、 食 用 き の こ の 機 能 性 ア ミ ノ酸 含 量 を 明 らか に し 、 そ の 他 の 食 品 と比 較 す る た め 、 市 販 の食 用 き の こ9種 類(エ ノキ タ ケ 、 エ リンギ、 シイタ ケ、タモ ギタケ 、ツク リタケ、ナ メコ、 ブナ シ メ ジ 、 ホ ワイ トブ ナ シ メ ジ 、 マ イ タ ケ)を 用 い て 、GABA含 量 と近 年 注 目 され る よ う に な っ た ア ン モ ニ ア解 毒 作 用 、 成 長 ホ ル モ ン の 分 泌 促 進 、 コ ラー ゲ ン合 成 促 進 、 免 疫 力 の 向 上 と い っ た 様 々 な 活 性 を有 す る オ ル ニ チ ン の 含 量 を 明 らか に した 。 そ の 結 果 、 エ ノ キ タ ケ が き の こ 類 の 中 で 最 も高 いGABA含 量 を 示 す と と も に 、測 定 し た 全 て の き の こ が 一 般 的 にGABAを 多 く含 む と言 わ れ て い る トマ トな ど の 食 品 と 比 較 して 同 等 も し くは 高 い 値 を示 す こ と を 明 らか に した 。 ま た オ ル ニ チ ン に お い て も 、 ブ ナ シ メ ジ 伯)が き の こ類 の 中 で 最 も 高 い含 量 を 示 し、 ほ とん ど の き の こが オ ル ニ チ ン を 多 く含 む 代 表 的 な 食 材 と言 わ れ て い る シ ジ ミ と比 較 して 同等 も し く は 高 い値 を 示 す こ と を 明 ら か に した。 上 記 の 結 果 を受 け 、 申 請 者 は き の こ に含 ま れ るGADの 特 性 を 明 らか に す る た め 、 破 砕 液 の 上 清 で 安 定 して 活 性 が 確 認 で き る マ イ タ ケ (Grifolafrondosa)のGADと 検 討 した 中 で 最 もGABA蓄 積 量 の 高 くGAD 活 性 も 高 い が 破 砕 沈 殿 で 強 い活 性 が 確 認 で き エ ノ キ タ ケ (F/ammU〃naFθ/〃 〃pes)の 酵 素 の 局 在 性 が 異 な る き の こ を 用 い て GADの 精 製 を試 み 、 そ の 特 性 に つ いて 検 討 し た 。 マ イ タ ケ子 実 体 を50mM酢 酸 バ ッ フ ァー(pH4.0)と 共 に破砕後 、遠 心 分 離 に よ り得 られ た 上 清 を硫 安 塩 析 お よ び 各 種 ク ロマ トグ ラ フ ィ ー を 用 い て 収 率1.24%、 精 製 倍X11.9倍 で 、 電 気 泳 動 的 に単 一 のGAD酵 素 を得 た 。 精 製 酵 素 の 分 子 量 はSDS-PAGEよ り約42000、 HPLC-GPCよ り約97000で あ った こ とか ら、 本 酵 素 は 二 量 体 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た 。 最 大 活 性 はpH3.5で37℃ の と き に 観 察 さ れ 、pH 2.5-5.5でGAD活 性 は 安 定 で あ っ た。 また 、 精 製 した 酵 素 は 、L一グ ル タ ミ ン酸 の み を基 質 とす るGADで あ る こ と、L一グ ル タ ミ ン酸 に 対 す. Kmは7.5酬 で 、 吻∂滋ま450μmolmir1で あ る こ と 、gg+とAg+よ り著 し く 阻 害 され る こ と(0%、32%)を 明 らか に した 。 酵 素 のN一末 端 ア ミ ノ酸 配 列 に つ いて も解 析 を 行 った が 、 既 知 の タ ンパ ク 質 に高 い 相 同 性 の あ る も の は認 め られ な か っ た と して い る。 エ ノ キ タ ケ につ い て は 、 破 砕 後 の 上 清 に 活 性 が 見 られ な い た め 可 溶 化 剤 を用 い て 沈 殿 か らの 活 性 の 回 収 を検 討 した と こ ろ、 非 イ オ ン 界 面 活 性 剤 で あ る ポ リ オ キ シエ チ レ ン ⑨ オ ク チ ル フ ェ ニ ル エ ー テ ル(IgepalCA-630)に よ りGADの 一 部 が 上 清 に溶 出 す る こ とが 確 認 で き た 。 こ の こ とか ら、 子 実 体 破 砕 後 、 遠 心 分 離 よ り得 られ た沈 殿 をIgepalCA-630を 含 む 破 砕 液 で 処 理 し得 られ た 上 清 を集 め 、 限 外 濃 縮 に よ り調 製 した 酵 素 液 でSDS-PAGEを 行 っ た と こ ろ 、27kDa付 近 にGADと み られ る バ ン ドが 確 認 して い る 。 また 、 破 砕 沈 殿 を 酵 素 試 料 と して 酵 素 の 性 質 を 検 討 した と こ ろ 、 最 大活 性 はpH6で28℃ の と き に観 察 さ れ 、pH2-5でGAD活 性 は 安 定 で る こ とを 明 らか に して い る 。F.ve!utrpesよ り部 分 精 製 した 酵 素 もレ グ ル タ ミ ン酸 の み を基 質 と し酵 素 のKmは4.85酬 で 、 吻8罰ま0.86ugmir1で あ り 、Cunt Hg2+、Ag+よ り著 し く阻 害 され る(20%、25%、0%)こ と を 明 らか に し た。 よ っ て 、 本 論 文 は 博 士(農 学)の 学 位 論 文 と し て 価 値 あ る も の と認 め る。 な お 、審 査 に あ た っ て は 、 論 文 に 関 す る 専 攻 内 審 査 お よ び 公 聴 会 な ど所 定 の 手 続 き を経 た うえ 、 平 成25年2月8日 、農 学研究 科 教 授 会 に お い て 、論 文 の価 値 な らび に博 士 の 学 位 を授 与 さ れ る学 力 が 十 分 で あ る と認 め られ た 。.

(4)

参照

関連したドキュメント

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

5 On-axis sound pressure distribution compared by two different element diameters where the number of elements is fixed at 19... 4・2 素子間隔に関する検討 径の異なる

担い手に農地を集積するための土地利用調整に関する話し合いや農家の意

Instagram 等 Flickr 以外にも多くの画像共有サイトがあるにも 関わらず, Flickr を利用する研究が多いことには, 大きく分けて 2

第4 回モニ タリン グ技 術等の 船 舶建造工 程へ の適用 に関す る調査 研究 委員 会開催( レー ザ溶接 技術の 船舶建 造工 程への 適

食品 品循 循環 環資 資源 源の の再 再生 生利 利用 用等 等の の促 促進 進に に関 関す する る法 法律 律施 施行 行令 令( (抜 抜す

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

 本計画では、子どもの頃から食に関する正確な知識を提供することで、健全な食生活