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IRUCAA@TDC : 顔面非対称患者の下顎骨についてのX線CT画像による形態的および質的特徴解析

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. 顔面非対称患者の下顎骨についてのX線CT画像による 形態的および質的特徴解析 林, 正樹; 一色, 泰成; 西川, 慶一 歯科学報, 101(9): 835-848 http://hdl.handle.net/10130/519. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 8 3 5. ―――― 原. 著 ――――. 顔面非対称患者の下顎骨についてのX線 CT 画像による 形態的および質的特徴解析 林. 正 樹. 一 色 泰 成. 東京歯科大学大学院歯学研究科 歯科矯正学講座 (主任:一色泰成 教授) 西. 川. 慶. 一. 東京歯科大学歯科放射線学講座 (2 0 0 1年6月3 0日受付) (2 0 0 1年8月3 0日受理). 抄 録:顎骨に生じる力学的不均衡は顎骨の形態的および質的変化を誘発し,顎変形症の原因にな ると考えられている。本研究では,この不均衡が顎骨のどの部位にどの程度の影響を与えるかを明 らかにすることを目的とした。顔面非対称患者のX線 CT 画像より,顎変形の程度を表す指標とし て下顎骨の偏位角度を求め,形態的および質的変化の指標として皮質骨に関する種々の特徴量を計 測した。さらに力学的不均衡の要因の一つである咬合力を測定し,それらについて相関解析を行っ た。その結果,顔面非対称患者の下顎骨は,左右側のうち第二大臼歯部の咬合力が強い方に水平偏 位および上方偏位し,この咬合力の非対称が大きいほど両偏位角度が大きかった。また,水平偏位 側において,中切歯部では CT 値が減少し,側切歯部では皮質骨全体の骨密度が増加し,第一小臼 歯部より後方では皮質骨が厚かった。 キーワード:顎変形症,皮質骨,X線 CT 装置,画像解析,咬合力. 緒. 言. う他の骨とは異なった特殊な環境下に置かれてい. 近年,咬合に対する機能的要求あるいは顔貌に. る10)。下顎骨の表面には多くの筋肉が付着し,そ. 対する審美的要求が高まり,顎矯正手術を伴う矯. れらの作用により咀嚼,嚥下,発声等の機能に関. 正治療が健康保険に導入されたこともあって,顎. 与した運動が行われる11)。このため,下顎骨には. 口腔領域の機能障害や変形を主訴とする顎変形症. これらの運動に伴う種々の外力が加わることにな. 患者が増加する傾向にある1)∼4)。. る。それらの外力は付着する筋肉および歯を介し. 顎変形症はすべての顎形態異常を含み,その病. て下顎骨へ作用するが,歯より加わる外力は直接. 因として種々のものが上げられるが,特に顔面非. 下顎骨内部に達し,皮質骨に伝達される12),13)。骨. 対称を伴う場合には,力学的な不均衡が大きく関. の形態と内部構造は,機械的負荷に対して機能的. 5)∼9). 与していると考えられている. に適応すると考えられている14)。この考え方が顎. 。. 下顎骨は,歯牙を介して咬合力を負担するとい. 骨に適用されて以来15),筋機能の不均衡が顎骨の 形態に与える影響について数多くの研究がなされ. 別刷請求先:〒2 6 1 ‐ 8 5 0 2 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学歯科矯正学講座 林 正樹. てきた5)∼8)。また,成長期において,咀嚼運動時 の力学的不均衡が下顎骨の形態および骨密度分布. ― 31 ―.

(3) 8 3 6. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析 表1. 対象および方法. 対称とした患者の年齢分布. 性別. 患者数. 年齢範囲. 男性. 4. 16歳3ヵ月∼26歳6ヵ月 2 1歳7ヵ月. 女性. 7. 17歳3ヵ月∼28歳7ヵ月 2 3歳2ヵ月. 全体. 1 1. 16歳3ヵ月∼28歳7ヵ月 2 2歳7ヵ月. 1.研究対象. 平均年齢. 東京歯科大学千葉病院矯正科に来院した顔面非 対称を伴う顎変形症患者のうち,外科的矯正治療 が必要と診断され,放射線科においてX線 CT 撮 影を行った男性4名,女性7名,計11名を対象と した。表1に患者の年齢分布を示す。対象は,骨 に多大な影響を及ぼすとの報告もある9)。一方,. 代謝に影響を及ぼす疾患,骨折あるいは矯正治療. 成長発育が完了した下顎骨においても新しい骨組. の既往がなく,中切歯から第二大臼歯にかけて左. 16). 織へのリモデリングが行われ ,機械的刺激すな. 右側ともに欠損歯のない思春期後期以降の患者と. わち外力がこのリモデリングに大きな影響を及ぼ. した。. 12). すと考えられている 。 これらの研究から,顎変形症,特に顔面非対称. 2.X線 CT 画像による特徴量の解析. を伴うものの多くは,力学的不均衡が顎骨,特に. X線 CT 装 置 に は,Somatom. Plus4Volume. 下顎骨の形態的および質的変化を誘発して発症す. Zoom(Siemens,Erlangen,Germany)を 使 用 し. るものと推測できる。したがって,この力学的不. た。患者の正中矢状面および咬合平面が床に対し. 均衡が下顎骨のどの部位に強く影響し,どの程度. て可及的に垂直となるように頭部を固定し,ガン. の影響を与えるかが明らかになれば,外科的矯正. トリの傾斜角度を0度としてスパイラル撮影を. 治療計画を立案する上で有用な基礎的情報になる. 行った。撮影条件は,管電圧1 20kV,管電流1 50. ものと考えられる。そのためには,顔面非対称患. mA,スキャン速度0. 75秒/回転,寝台移動速度. 者における下顎骨の形態的および質的特徴を詳細. 3mm/秒,コリメーション1mm×4列とし,. に分析する必要がある。. 再構成スライス厚1. 25mm,再構成スライス間隔. 最近のX線 CT 装置は高速化および高性能化が. 1mm で連続スライス画像を得た。. 進み,正確な3次元的画像情報を容易に得ること. そして,すべての画像データを DICOM(Digital. ができる。このため,顎変形症の診断において. Imaging and Communications in Medicine)形式. も,顎骨の形態の把握と CT 値による質的な評価. で光磁気ディスクに保存し,DOS/V パーソナ. をより詳細に行えるようになった。そこで本研究. ルコンピュータに取り込んで解析を行った。解析. では,顔面非対称患者のX線 CT 画像より,顎変. には,画像処理ソフト Scion Image Beta 4. 02. 形の程度を表す指標として下顎骨の水平偏位角度. (Scion Co., Frederick, MD, USA)および表計算ソ. と垂直偏位角度を求めるとともに,下顎骨の形態. フト Excel 2000 (Microsoft Co., Redmond, WA,. 的および質的変化の指標として各部位における皮. USA)を用いた。. 質骨に関する種々の特徴量を計測し,それらの関. 1)下顎骨偏位角度. 連性について検討した。また,力学的不均衡の要. 図1は水平および垂直偏位角度の求め方を示す. 因の一つである咬合力を測定し,これと CT 画像. 模式図である。水平偏位角度は,上顎正中線およ. から得た各種特徴量との関連性についても検討を. び下顎正中線がそれぞれ正中矢状面となす角度す. 行った。なお,この研究はヘルシンキ宣言を遵守. なわち交角を符号付きで求め,それらの差として. して行った。. 定義した。なお,上顎正中線に対する下顎正中線 の回転偏位が右側方向のときを正、左側方向のと き を 負 と し て 表 し た。上 顎 正 中 線 は 前 鼻 棘 (ANS)と後鼻棘 (PNS)を通る直線とした。下 顎 ― 32 ―.

(4) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). 8 3 7. 図1 偏位角度の求め方を示す模式図 !水平偏位角度 "垂直偏位角度. 正中線は,下顎頭の内外側極を結ぶ線分の中点を. 向の座標(z座標)を得た後,その基準点にマウス. 左右側について求め,両者を結ぶ線分の中点と左. カーソルを合わせてスライス画像内での座標 (x. 右下顎中切歯切縁間の中点の2点を通る直線とし. 座標とy座標)を読み取ることで求めた。. た。正 中 矢 状 面 は ナ ジ オ ン (N),バ ジ オ ン. 2)下顎骨皮質骨に関する特徴量. 17). (ba),イニオン(i)の3点を通る平面とした 。. 下顎骨の皮質骨に関して,画像解析により種々. 垂直偏位角度は,上顎水平線および下顎水平線. の特徴量を求め,左右比較を行うために非対称性. がそれぞれフランクフルト平面となす角度を符号. 指数を算出した。解析部位は,左右の中切歯から. 付きで求め,それらの差として定義した。なお,. 第二大臼歯までの各歯の根尖直下とした。. 上顎水平線に対して下顎水平線が右側下がりのと. まず,連続スライス画像データを Scion Image. きを正,左側下がりのときを負として表した。上. に読み込み,解析対象とする部位の歯根尖直下の. 顎水平線は左右眼窩最下点を通る直線,下顎水平. スライス画像を選択した。次に,図2に示すよう. 線は上下顎大臼歯の咬合部である左右上顎第一大. に,直線 ROI ツールを用いて頬 (唇)側の皮質骨. 臼歯頬側咬頭頂を通る直線とした。フランクフル. と可及的に直交する横断線を引き,これに沿った. ト平面 は 左 右 ポ リ オ ン(Po)お よ び 左 側 オ ル ビ. CT 値プロフィールを得た。その際,距離の補正. ターレ(Or)の3点を通る平面とした17)。. を行うために横断線の始点および終点の座標を記. 直線と平面の交角は,各直線および平面を3次. 録した。そして,得られた CT 値プロフィール. 元直交座標系における方程式で表し,解析幾何学. データをテキストファイルとして保存し,それを. 18). 的手法により算出した 。直線および平面の方程. Excel 2000に読み込み,各種解析を行った。舌. 式は,それぞれを規定する基準点の3次元座標値. 側の皮質骨についても,同様に解析した。解析に. より決定した。基準点の座標値は,連続スライス. 際して,最初に CT 値プロフィールにおける皮質. Image に読み込み,基準点. 骨領域を決定 し た。ま ず,CT 値プロフィール. が描出されているスライス画像を選択して体軸方. 画像データを Scion. データを得た横断線の始点と終点の座標値を基. ― 33 ―.

(5) 8 3 8. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析. に,CT 画像上の位置に対して距離補正を行い,. に対応する位置Bを決定した。このAからBまで. 図3に示すように,補正された位置と CT 値の関. の範囲を皮質骨領域と定義した。このように決定. 係を表す CT 値プロフィールのグラフを作成し. した皮質骨領域について,図4に示すように,以. た。次に,このプロフィール内の皮質骨部を表す. 下の特徴量を算出した。. ピークについて,最大 CT 値とその値を示す位. #皮質骨厚:T AからBまでの距離。. 置,ピークの左右裾部の最小 CT 値とその位置を 求めた。そして,最大 CT 値を示す位置より左の. $皮質骨最大 CT 値:CTmax. 領域において,ピークの半値幅19)に対応する位置 Aを決定した。この位置は,ピークの左傾斜部の. 皮質骨領域内の CT 値の最大値。 %皮質骨平均 CT 値:(P1+P2+……+Pn)/n. データに対して,CT 値を基にプロフィール位置. 皮質骨領域内に存在する全画素の CT 値につ. を推定するための多項式による近似式を立て,こ. いて総和を求め,これをその画素数で除した. の式に最大 CT 値と最小 CT 値の平均値を代入す ることで求めた。多項式の近似次数は,ピーク傾. 値。 &皮質骨 CT 値プロフィール積分値:S. 斜部の形状およびデータ数に応じて,2∼4とし. CA,P1,P2,……,Pn,CB で 表 さ れ る CT. た。同様に,ピークの右領域においても,半値幅. 値プロフィールに対して2∼4次の多項式近似. 図2. 図3. CT 値プロフィールの取得方法 !直線 ROI で引かれた皮質骨と直交する横断線 "横断線に沿って得られた CT 値プロフィール. 皮質骨領域の決定方法. 図4 ― 34 ―. 特徴量の算出方法.

(6) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). を行い,AからBの範囲を1 0分割して Simpson 20). 公式 により算出した皮質骨領域の CT 値プロ. 8 3 9. !水平偏位角度と垂直偏位角度 "水平および垂直偏位角度と CT 画像より得た各. フィール曲線下面積。. 種特徴量についての非対称性指数. %皮質骨 CT 値プロフィール線密度:S/T. #咬合力についての非対称性指数と水平および垂 直偏位角度. 皮質骨 CT 値プロフィール積分値を皮質骨厚. $咬合力についての非対称性指数と CT 画像より. で除した値。 これらの特徴量を左右の中切歯部から第二大臼. 得た各種特徴量についての非対称性指数. 歯部までの各部位毎に求め,次式に従って非対称. さらに,相関の有意性についての検定も行っ. 性指数を算出し,左右の相対比較を行った。. た。相関係数の算出および有意性検定には,Stat-. 右側の特徴量−左側の特徴量 右側の特徴量+左側の特徴量. View for Windows Version 4. 54 (Abacus Con-. 非対称性指数=. cepts, Inc., Berkeley, CA, USA)を用いた。 研. 3.咬合力の測定 咬合力の測定には,感圧フィルム Dental Pres-. 究. 結 果. 1.偏位角度間の相関. cale 50H typeR(富士写真フィルム,東京)と専. 対象者11名における下顎骨の水平偏位角度は,. 用評価装置 Occluzer FPD−703 (富士写真フィル. −2. 16度∼3. 53度であった。その絶対値の範囲は. ム,東 京)を 使 用 し た。ま ず,患 者 の 歯 面 を エ. 0. 65度∼3. 53度で,絶対値の平均値は1. 69度,標. アーでよく乾燥し,上下顎歯列間に感圧フィルム. 準偏差は0. 84度であった。垂直偏位角度は−2. 07. を介在させ,咬頭嵌合位での3秒間の最大咬みし. 度∼2. 88度で,絶対値は0. 69度∼2. 88度,絶対値. 21). めを行わせた 。そして,そのフィルムの発色濃. の平均値は1. 23度,標準偏差は0. 87度であった。. 度を専用評価装置で読み取り,各歯による咬合力. この水平偏位角度と垂直偏位角度についての散. を自動計測した。このような測定を同一患者に対. 布図を図5に示す。相関係数は−0. 720で,強い. して5回行い,その平均値を各位置での咬合力と. 負の相関が危険率5%未満で有意に認められた。. した。なお,患者にはあらかじめ咬頭嵌合位の練. すなわち,下顎骨は水平的な偏位側で上方偏位す. 習を十分させた。また,測定時には,座位にて自. る傾向がみられた。. 然頭位をとらせ,フランクフルト平面が可及的に 床と平行になるようにした。測定と測定の間に は,十分な休憩を取らせた。 このように計測された咬合力についても,CT 画像より得られた特徴量と同様に,非対称性指数 を算出し,力学的不均衡の指標とした。 4.相関解析 顎変形の程度を表す指標として得た下顎骨の水 平偏位角度および垂直偏位角度,下顎骨の形態的 および質的変化の指標として CT 画像より得た各 種特徴量についての非対称性指数,力学的不均衡 の指標として得た咬合力についての非対称性指数 を基に,以下の組合せに対する Pearson 積率相 関係数を算出した。 ― 35 ―. 図5. 水平偏位角度と垂直偏位角度に ついての散布図.

(7) 8 4 0. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析. 皮質骨厚に関しては,第一小臼歯部舌側,第二. 2.偏位角度と皮質骨に関する各種特徴量非対称 性指数間の相関. 小臼歯部頬側,第一大臼歯部舌側で比較的強い負. 水平および垂直偏位角度と CT 画像より得た皮. の相関が,第二小臼歯部頬側で強い負の相関が有. 質骨に関する各種特徴量についての非対称性指数. 意に認められた。全体的には,下方への偏位角度. との間の相関係数および有意性検定の結果を各部. が大きいほど,第一小臼歯部より後方で相対的に. 位毎に表2に示す。表 中 で は,皮 質 骨 平 均 CT. 薄くなる傾向がみられた。. 値,皮質骨最大 CT 値,皮質骨 CT 値プロフィー. 皮質骨平均 CT 値,皮質骨最大 CT 値,皮質骨. ル積分値,皮質骨 CT 値プロフィール線密度をそ. CT 値プロフィール積分値,皮 質 骨 CT 値 プ ロ. れぞれ平均値,最大値,積分値,線密度と略記し. フィール線密度に関しては,いずれの部位におい. た。. ても有意な相関関係は認められなかった。しか. 1)水平偏位角度との相関. し,全体的には,平均 CT 値が偏位側の中切歯部. 皮質骨厚に関しては,第一小臼歯部の頬舌側双 方,第二小臼歯部と第一大臼歯部の舌側で比較的. で増加し,CT 値プロフィール線密度が側切歯部 で減少する傾向がみられた。. 強い正の相関が,第二大臼歯部の頬側で強い正の. 以上をまとめると,下顎骨の下方への偏位角度. 相関が有意に認められた。全体的には,水平偏位. が大きいほど相対的に,偏位側の中切歯部では平. 角度が大きいほど,偏位側の第一小臼歯部より後. 均 CT 値 が 増 加 し,側 切 歯 部 で は CT 値 プ ロ. 方で相対的に厚くなる傾向がみられた。. フィール線密度が減少し,第一小臼歯部より後方. 皮質骨平均 CT 値に関しては,中切歯部の唇側. では皮質骨が薄くなった。. で比較的強い負の相関が有意に認められた。水平 偏位角度が大きいほど,偏位側の中切歯部で相対. 3.咬合力非対称性指数と偏位角度間の相関. 的に減少する傾向がみられた。. 咬合力についての非対称性指数を算出するに. 皮質骨最大 CT 値に関しては,いずれの部位に おいても有意な相関関係は認められなかった。. は,左右両側における咬合力の計測値が必要であ る。しかし,左右の計測値が得られたのは,中切. 皮質骨 CT 値プロフィール積分値に関しては,. 歯部から犬歯部については対象者1 1名中0名,第. 第一小臼歯部頬側と第二大臼歯部頬側で比較的強. 一小臼歯部では1名,第二小臼歯部では4名,第. い正の相関が有意に認められた。水平偏位角度が. 一大臼歯部では9名,第二大臼歯部では1 0名で. 大きいほど,偏位側の第一小臼歯部と第二大臼歯. あった。そこで,第一および第二大臼歯部の咬合. 部で相対的に増加する傾向がみられた。. 力非対称性指数のみ算出した。. 皮質骨 CT 値プロフィール線密度に関しては,. 第一大臼歯部における咬合力非対称性指数は−. 側切歯部の唇舌側双方で比較的強い正の相関が有. 0. 47∼0. 57であった。その絶対値の範囲は0. 05∼. 意に認められた。水平偏位角度が大きいほど,偏. 0. 57で,絶対値の平均値は0. 25,標準偏差は0. 21. 位側の側切歯部で相対的に増加する傾向がみられ. であった。第二大臼歯部においては−0. 61∼0. 28. た。. で,絶 対 値 は0. 02∼0. 61,絶 対 値 の 平 均 値 は. 以上をまとめると,下顎骨の水平偏位角度が大. 0. 22,標準偏差は0. 18であった。. きいほど相対的に,偏位側の中切歯部では平均. この咬合力非対称性指数と偏位角度との相関解. CT 値が減少し,側切歯部では CT 値プロフィー. 析の結果を表3に示す。第一大臼歯部での咬合力. ル線密度が増加し,第一小臼歯部より後方では皮. 非対称性指数と偏位角度の間には有意な相関はみ. 質骨が厚くなるとともに CT 値プロフィール積分. られなかったが,第二大臼歯部では水平偏位角度. 値が増加した。. とは強い正の相関が,垂直偏位角度とは強い負の. 2)垂直偏位角度との相関. 相関が有意に認められた。すなわち,左右側のう ― 36 ―.

(8) 歯科学報 表2. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). 8 4 1. 偏位角度と皮質骨に関する各種特徴量非対称性指数間の相関係数および有意性検定の結果 !水平偏位角度との相関係数. 部. 位. 中切歯部. 側切歯部. 犬歯部. 第一小臼歯部. 第二小臼歯部. 第一大臼歯部. 皮質骨厚. 平 均 値. 唇側. −0. 5 7 2. −0. 6 0 9*. −0. 5 4 2. 0. 1 6 9. −0. 1 8 6. 舌側. −0. 0 8 3. −0. 4 8 4. −0. 2 0 9. 0. 0 1 9. −0. 3 1 5. 唇側. 0. 1 9 1. −0. 0 7 4. 0. 1 2 5. 0. 5 9 6. 0. 6 5 1*. 舌側. 0. 2 0 8. 0. 1 4 5. −0. 2 9 6. −0. 2 4 2. 0. 6 6 2*. 積 分 値. 線 密 度. 唇側. 0. 5 5 6. −0. 1 7 5. −0. 3 6 2. 0. 2 4 5. −0. 3 4 5. 舌側. −0. 0 5 7. −0. 4 1 8. −0. 1 5 4. −0. 5 2 9. −0. 2 4 5. 頬側. 0. 6 2 3*. 0. 1 3 8. 0. 1 0 4. 0. 6 2 9*. 0. 2 3 6. 舌側. *. 0. 6 2 7. 0. 1 3 0. −0. 4 3 7. 0. 4 7 7. 0. 1 4 0. 頬側. 0. 4 9 6. 0. 0 5 4. 0. 1 1 6. 0. 3 7 2. 0. 0 3 2. 舌側. 0. 6 4 9*. 0. 2 2 0. −0. 1 7 6. 0. 3 3 2. −0. 4 1 9. 頬側. 0. 5 0 9. 0. 1 6 0. 0. 0 5 9. 0. 2 5 3. −0. 1 8 8. 0. 0 7 8. −0. 1 3 4. 0. 4 5 6. −0. 1 9 2. 舌側 第二大臼歯部. 最 大 値. *. 0. 7 1 8. **. *. 頬側. 0. 7 4 9. −0. 0 4 2. 0. 3 9 0. 0. 6 8 2. −0. 3 3 6. 舌側. 0. 5 5 4. 0. 3 2 5. 0. 2 4 5. 0. 5 4 7. 0. 3 7 4. *. :p<0. 0 5,**:p<0. 0 1. "垂直偏位角度との相関係数 部. 位. 中切歯部. 側切歯部. 犬歯部. 第一小臼歯部. 第二小臼歯部. 第一大臼歯部. 第二大臼歯部. 皮質骨厚. 平 均 値. 最 大 値. 積 分 値. 線 密 度. 唇側. 0. 3 8 1. 0. 5 6 4. 0. 2 6 0. −0. 1 4 7. −0. 1 8 5. 舌側. −0. 1 6 3. 0. 5 7 1. 0. 1 5 0. −0. 3 1 3. −0. 2 6 3. 唇側. −0. 0 3 7. −0. 3 1 9. −0. 2 9 3. −0. 5 2 1. −0. 5 9 1. 舌側. −0. 3 7 3. 0. 0 3 5. 0. 0 4 9. 0. 0 3 0. −0. 4 7 1. 唇側. −0. 2 6 1. 0. 0 7 8. 0. 1 4 4. −0. 2 2 3. 0. 0 2 0. 舌側. −0. 3 3 3. 0. 4 4 9. 0. 2 3 9. 0. 1 0 8. 0. 3 1 4. 頬側. −0. 5 7 7. −0. 4 1 4. −0. 4 3 7. −0. 5 5 8. −0. 3 8 5. 舌側. −0. 6 8 4*. −0. 0 0 3. 0. 1 1 1. −0. 3 0 8. 0. 1 0 5. 頬側. −0. 6 4 0*. 0. 0 8 7. 0. 0 8 7. −0. 4 4 0. 0. 1 9 9. 舌側. −0. 7 4 8**. 0. 1 5 9. 0. 1 2 2. −0. 4 5 3. 0. 3 1 5. 頬側. −0. 5 0 6. 0. 1 8 3. 0. 2 9 4. −0. 1 4 1. 0. 5 7 8. 舌側. −0. 6 5 7*. 0. 0 3 5. 0. 2 6 6. −0. 5 7 2. 0. 2 5 9. 頬側. −0. 5 4 4. 0. 4 7 9. 0. 1 0 3. −0. 2 6 1. 0. 6 1 6. 舌側. −0. 5 3 9. 0. 1 0 5. 0. 1 4 5. −0. 3 3 9 *. 0. 0 8 7 **. :p<0. 0 5, :p<0. 0 1. ― 37 ―.

(9) 8 4 2. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析 表3. 各部位における咬合力非対称性指数と偏位角度間の相関係数および有意 性検定の結果 部. 位. 水平偏位角度. 第一大臼歯部. 垂直偏位角度. −0. 0 3 1. 0. 4 1 5. 0. 7 9 4**. 第二大臼歯部. −0. 7 0 5* *. : p<0. 0 5,**:p<0. 0 1. ち相対的に強い咬合力が加わる方に水平偏位する. 全体的には,第一大臼歯部では,咬合力が強い. とともに上方偏位し,咬合力が強いほど偏位角度. ほ ど 相 対 的 に 皮 質 骨 が 薄 く な り,CT 値 プ ロ. が大きくなる傾向がみられた。. フィール積分値が減少する傾向がみられた。第二 大臼歯部では,咬合力が強いほど相対的に皮質骨. 4.咬合力非対称性指数と皮質骨に関する各種特 徴量非対称性指数間の相関. が厚くなり,CT 値プロフィール積分値が増加す る傾向がみられた。. 第一および第二大臼歯部での咬合力についての 考. 非対称性指数と同部位における CT 画像より得た. 察. 皮質骨に関する各種特徴量についての非対称性指. 1.方法について. 数との間の相関係数および有意性検定の結果を表. 1)下顎骨偏位角度. 4に示す。. 顎変形の程度を表す指標として下顎骨の水平お. 皮質骨厚に関しては,第一大臼歯部では有意な. よび垂直偏位角度を求めたが,このような形態学. 相関関係はみられなかったが、第二大臼歯部では. 的特徴解析はこれまでも正面頭部 X 線規格写真. 頬舌側双方で比較的強いあるいは強い正の相関が. を用いて数多くなされてきた22)。それらの解析で. 有意に認められた。. は,様々な基準で正中線が設定され,偏位角度や. 皮質骨 CT 値プロフィール積分値に関しては,. 偏位距離が計測されている。しかしながら,計測. 第一大臼歯部舌側で強い負の相関が,第二大臼歯. 値によっては頭部の上下的な回 転 で 誤 差 が 生. 部頬側で比較的強い正の相関が有意に認められ. じ23),24),多くの扁平骨が複雑に組合さっている顎. た。. 顔面では計測点の決定自体が困 難 な 場 合 も あ. 皮質骨平均 CT 値,皮質骨最大 CT 値,皮質骨. る25)。これに対して,X線 CT 画像では3次元的. CT 値プロフィール線密度に関しては,第一大臼. な位置情報が得られるため,撮影時の頭部の位置. 歯部,第二大臼歯部ともに有意な相関関係は認め. 付けに影響されずに計測値を得ることができ,解. られなかった。. 剖学的基準点の決定も比較的容易に行える。ま. 表4. 各部位における咬合力非対称性指数と皮質骨に関する各種特徴量非対称性指数間の相関係数および 有意性検定の結果. 部. 位. 第一大臼歯部. 頬側 舌側. 第二大臼歯部. 皮質骨厚. 平 均 値. 最 大 値. 積 分 値. 綿 密 度. −0. 6 1 8. −0. 3 4 7. −0. 2 6 1. −0. 5 1 3. 0. 1 3 4. −0. 4 4 8. −0. 4 2 7. −0. 3 4 9. *. −0. 7 1 9. *. −0. 0 9 1. 頬側. *. 0. 6 9 3. −0. 0 5 6. 0. 2 9 1. 0. 6 8 4. 0. 0 1 3. 舌側. 0. 7 1 4*. 0. 1 5 1. 0. 0 6 9. 0. 5 6 9. 0. 1 9 8 *. ― 38 ―. : p<0. 0 5.

(10) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). た,X線 CT 画像の3次元的な幾何学精度が高い 26), 27). 8 4 3. 定 し,そ の 中 の 平 均 値 や 最 大 値 な ど を 求 め. 。このようなこと. る32)∼35)。本研究で計測した皮質骨平均 CT 値と皮. から,本研究では,下顎骨の水平および垂直偏位. 質骨最大 CT 値はこの計測法に準ずるものであ. ことも明らかにされている. 角度を求めるにあたり,解剖学的基準点の3次元. る。しかしながら,この方法には,ROI の大き. 座標を基に基準線および基準平面を解析幾何学的. さと設定位置、さらに CT 画像の画素の大きさが. に定義し,偏位角度をそれらの交角として数学的. 計測値に大きく影響する危険性がある。このた. に算出する方法を用いた。. め,本研究では,これらの特徴量に加えて,皮質. 2)下顎骨皮質骨に関する特徴量. 骨 CT 値プロフィール積分値と皮質骨 CT 値プロ. X線 CT 画像では,形態的な解析とともに CT. フィール線密度を算出した。この両者は,CT 値. 値による質的な解析すなわち骨密度の定量的な解. プロフィールを数学的に表し,CT 値分布に対し. 析も可能である。そこで,下顎骨の形態的および. てより詳細に計測を行うためのものである。皮質. 質的変化の指標として,各部位における皮質骨の. 骨 CT 値プロフィール積分値は,皮質骨の厚さと. CT 値プロフィールより,皮質骨厚,皮質骨平均. 骨密度の双方に関係し,その部位における皮質骨. CT 値,皮 質 骨 最 大 CT 値,皮 質 骨 CT 値 プ ロ. 全体の骨量を表す。皮質骨 CT 値プロフィール線. フィール積分値,皮質骨 CT 値プロフィール線密. 密度は,皮質骨の平均的な骨密度に相当する。. 度を計測した。計測部位は,外力の最も強い伝達. このようにして得られた各種特徴量は,左右比. が予想される各歯の根尖部直下とした。その際,. 較のためにすべて非対称性指数として表した。こ. 特に問題となるのは,皮質骨領域をどのように設. れは,どの特徴量についても正常値の範囲が不明. 定するかである。文献的には,皮質骨の最大 CT. で,特徴量のままでは増減を評価できないためで. 値と骨周囲の最小 CT 値を基に,その差の80%を. ある。一方,非対称性指数は同一患者における相. しきい値として皮質骨領域を設定した報告28),あ. 対値であるから,患者の性差や個人差を考慮する. るいは皮質骨の最大 CT 値および皮質骨と海綿骨. 必要がなくなるという利点がある。また,X線 CT. との境界部の最小 CT 値を基に,その差の60%を. 画像より骨密度を求める際には,QCT ファント. しきい値とした報告29)がみられる。しかし,部分. ムを用いて CT 値を校正する必要がある28),29),32)∼35). 体積効果の影響を考慮すると,構造物抽出のため. が,非対称性指数として表すことでこの校正も不. のしきい値は CT 値差の50%にすべきとの報告が. 要になる。ただし,非対称性指数は左右の相対値. 30). ある 。また,しきい値5 0%で得る皮質骨厚は皮. であるため,一方の特徴量が増加したのか,それ. 質骨 CT 値分布の半値幅に対応するが,半値幅で. とも他方が減少したのかが不明という欠点があ. 評価した皮質骨厚は CT 画像の画素の大きさや再. る。. 構成関数に依存せず、比較的安定していたとの報. 3)咬合力. 31). 告もみられる 。このため,本研究では、皮質骨. 力学的不均衡の指標として咬合力を用いたが,. 領域設定のしきい値は CT 値差の50%とし,皮質. これは,歯を介して加わる外力は直接下顎骨内部. 骨厚は皮質骨 CT 値分布の半値幅として表した。. に達するため,その影響が大きいと考えたからで. さらに,計測精度を高めるため,最大 CT 値を示. ある。咬合力測定時に問題となるのは,感圧フィ. す位置を基準に皮質骨 CT 値分布を軟組織に隣接. ルムをどの程度の強さで咬みしめさせるかであ. する部分と海綿骨に隣接する部分の2つに分け,. る。本研究では,中等度以上の咬みしめ強さでは. 別個に皮質骨領域を決定し,半値幅を求めた。. 各歯の咬合力比がほぼ一定になるとの報告21)に. このように設定した皮質骨に対して各種特徴量. 従って,3秒間の最大咬みしめを行わせた。この. を計測したが,通常,CT 値を計測する際には計. ように測定された咬合力についても,X線 CT 画. 測部位に関心領域(region of interest ; ROI)を設. 像より得た特徴量と同様に,非対称性指数を算出. ― 39 ―.

(11) 8 4 4. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析. の理由によると思われる。すなわち,強い咬合力. した。. は閉口筋機能の強い垂直分力によって生じ,これ 2.研究結果について. が下顎骨の高径を減少させるためと考えられた。. 1)水平偏位角度,垂直偏位角度,咬合力非対称. 2)偏位角度,X線 CT 画像より得た各種特徴量. 性指数間の相関. 非対称性指数,咬合力非対称性指数間の相関. 下顎骨の水平的偏位角度と垂直的偏位角度との. 水平偏位角度と第一小臼歯部から第二大臼歯部. 間には,強い負の相関が認められた。すなわち,. にかけての皮質骨厚非対称性指数との間には正の. 下顎骨の水平偏位角度が大きいほど,偏位側が大. 相関が、垂直偏位角度と同部位の皮質骨厚非対称. きく上方偏位する傾向がみられた。この結果は,. 性指数との間には負の相関が認められた。すなわ. 頤部の偏位に伴って上顎咬合平面の傾斜が偏位側. ち,水平偏位方向に上方偏位する傾向があること. 上がりの傾向を示すとの正面頭部X線規格写真を. から,水平偏位および上方偏位側の小・大臼歯部. 22), 36), 37). と一致する。また,第二大. において皮質骨が相対的に厚くなる傾向がみられ. 臼歯部における咬合力非対称性指数は水平偏位角. 用いた研究報告. た。また,偏位角度と強い相関を示した第二大臼. 度と強い正の相関を,垂直偏位角度と強い負の相. 歯部における咬合力非対称性指数と皮質骨厚非対. 関を示した。すなわち,強い咬合力が加わる方に. 称性指数との間にも,強い正の相関が認められ. 下顎骨が水平偏位するとともに上方偏位する傾向. た。すなわち,咬合力が強いほど,皮質骨が相対. がみられた。. 的に厚くなる傾向がみられた。これは,機械的刺. 38). Nam は,成長期にあるモルモットの切歯と臼. 激が骨形成を刺激するもっとも重要な因子の1つ. 歯を削合し,実験的に右側への機能的偏位を生じ. である41)ことから,咬合力や咀嚼力などの左右差. させたところ,下顎骨は左右非対称になり,正中. に起因する力学的不均衡によって皮質骨に加わる. が有意に右側偏位したと報告している。また,荒. 外力に不均衡が生じ,リモデリングへの影響が生. 39). 川 は3次元有限要素法を用いて,下顎第二小臼. じたためと考えられる。一方,顎変形症によって. 歯および第一大臼歯の咬頭頂を上下的に拘束し,. 非咀嚼側の咀嚼機能障害が生じ,下顎骨への機械. 片側性臼歯咬合時の下顎骨への応力分布を解析し. 的刺激が低下すると下顎骨皮質骨厚が薄くなると. た。そして,咬合側と非咬合側の応力分布が非対. の報告42)もある。この結果と非対称性指数自体の. 称であることを定量的に示し,咬合側臼歯部の骨. 欠点から,偏位側の皮質骨が厚いのではなく,非. 外表面においては下顎下縁に広がる引っ張り応力. 偏位側の皮質骨が薄いことも考えられる。この点. が,犬歯部と小臼歯部では圧縮応力が分布するこ. を明らかにするには,顔面非対称のない患者のX. とを明らかにしている。一方,谷口40)は,咬筋を. 線 CT 画像を解析し,対称群と非対称群での皮質. 主体とする閉口筋機能と顎顔面形態の垂直的因子. 骨厚データを直接比較する必要がある。. との間に密接な関係があったと報告している。こ. 皮質骨平均 CT 値については,水平偏位角度と. れらの報告から,下顎骨の水平偏位と垂直偏位. の間には中切歯部の唇側で比較的強い負の相関が. は,片側咀嚼や交叉咬合などの機能的な不均衡に. 認められたが,垂直偏位角度および咬合力との間. より,顎骨に加わる応力が非対称となって生じた. には有意な相関関係はみられなかった。皮質骨最. ものと考えられる。強い咬合力が加わる方に水平. 大 CT 値については,相関関係は全くみられな. 偏位するのは,咬合側臼歯部での引っ張り応力と. かった。皮質骨 CT 値プロフィール積分値につい. 犬歯部での圧縮応力39)が後方への曲げ変形を誘発. ては,水平偏位角度との間に第一小臼歯部頬側と. するためと思われた。また,上方偏位するのは,. 第二大臼歯部頬側で比較的強い正の相関が認めら. 閉口筋機能の垂直分力が強いほど前下顔面高に対. れたが,垂直偏位角度との間には有意な相関関係. する後下顔面高の比率が大きくなる40)ことと同様. はみられなかった。咬合力との間には,第一大臼. ― 40 ―.

(12) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). 8 4 5. 歯部舌側で強い負の相関が,第二大臼歯部頬側で. には,咬合平面の傾斜を是正し,咬合機能の正常. 比較的強い正の相関が認められた。皮質骨 CT 値. 化を図り,力学的不均衡を改善することが重要と. プロフィール線密度については,水平偏位角度と. 思われた。. の間に側切歯部の唇舌側双方で比較的強い正の相 結. 関が認められたが,垂直偏位角度および咬合力と. 論. の間には有意な相関関係はみられなかった。すな. 顔面非対称を伴う顎変形症患者における下顎骨. わち,水平偏位および上方偏位側において,中切. の形態的および質的特徴を明らかにすることを目. 歯部では CT 値が減少し,側切歯部では皮質骨全. 的として,そのX線 CT 画像を基に種々の解析を. 体の骨密度が増加する傾向がみられた。これは,. 行った。まず,顎変形の程度を表す指標として,. 43). 皮質骨が外力に対して対応した ためと考えられ. 下顎骨の水平偏位角度と垂直偏位角度を求めた。. る。すなわち,本研究で対象とした患者のうち,. 次に,下顎骨の形態的および質的変化の指標とし. 中切歯部から犬歯部にかけての咬合がみられたも. て,各部位における皮質骨に関する種々の特徴量. のはほとんどいなかったことから、咬合力が加わ. を計測し、左右比較を行うために非対称性指数を. らず,CT 値が減少したものと考えられた。とこ. 算出した。これとともに,力学的不均衡の指標と. ろが,同様の結果を示すべき側切歯部においては. して,咬合力を測定し,その非対称性指数を算出. 骨密度の増加がみられた。これは,片側咬合に. した。そして,各計測値間での相関解析を行い,. 39). よって犬歯部に生ずるはずの圧縮応力 が偏位の. 以下の結果を得た。. 影響で側切歯部に生じ,その結果として全体的な. 1.下顎骨の水平偏位角度と垂直偏位角度との間 には,強い負の相関が有意に認められた。. 骨密度の増加が誘発されたためと考えられれる が,この点を明らかにするにはさらなる検討が必. 2.水平偏位角度と皮質骨厚との間については, 第一小臼歯部の頬舌側双方,第二小臼歯部と第. 要である。 皮質骨厚および皮質骨プロフィール積分 CT 値. 一大臼歯部の舌側で比較的強い正の相関が,第. についての非対称性指数と咬合力非対称性指数と. 二大臼歯部の頬側で強い正の相関が有意に認め. の間の相関関係は,第一大臼歯部と第二大臼歯部. られた。皮質骨平均 CT 値間については,中切. で逆の傾向を示した。その理由として,同一患者. 歯部の唇側で比較的強い負の相関が有意に認め. においては一方の歯でのみ咬合し,それが皮質骨. られた。皮質骨 CT 値プロフィール積分値との. 厚に影響している可能性が考えられるが,この点. 間については,第一小臼歯部頬側と第二大臼歯. についてもさらなる検討が必要と思われた。. 部頬側で比較的強い正の相関が有意に認められ た。皮質骨 CT 値プロフィール線密度間につい ては,側切歯部の唇舌側双方で比較的強い正の. 顔面の非対称が片側咀嚼習慣の消失によって改 44). 善されたという報告がみられる 。逆に,片側咀. 相関が有意に認められた。. 嚼習慣を長期間続けると,咀嚼側と非咀嚼側との. 3.垂直偏位角度と皮質骨厚との間については,. 間で咬筋活動量などの機能的な差異が生じ,下顎. 第一小臼歯部舌側,第二小臼歯部頬側,第一大. 骨に非 対 称 性 の 応 力 が 生 じ る とい う 報 告 も あ. 臼歯部舌側で比較的強い負の相関が,第二小臼. 45). る 。このように,顎顔面形態の左右的な非対称. 歯部頬側で強い負の相関が有意に認められた。. と顎口腔機能の左右的不均衡とは相互依存関係に. 4.咬合力と偏位角度との間については,第二大. あることから,下顎骨の形態変化が不可逆的状態. 臼歯部では水平偏位角度とは強い正の相関が,. に至る前に、咬合機能の不均衡を改善し,正常化. 垂直偏位角度とは強い負の相関が有意に認めら れた。. することが顎変形症を防ぐ有効な手段であると考 えられた。また,外科的な処置を必要とする場合. 5.咬合力と皮質骨厚との間については,第二大. ― 41 ―.

(13) 8 4 6. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析. 臼歯部では頬舌側双方で比較的強いあるいは強 い正の相関が有意に認められた。皮質骨 CT 値 プロフィール積分値との間については,第一大 臼歯部舌側で強い負の相関が,第二大臼歯部頬 側で比較的強い正の相関が有意に認められた。 以上のように,顔面非対称患者における下顎骨 は,左右側のうち第二大臼歯部における咬合力が 強い方に水平偏位および上方偏位し,この咬合力 の非対称性が大きいほど両偏位角度が大きかっ た。また,水平偏位および上方偏位側において相 対的に,中切歯部では CT 値が減少し,側切歯部 では皮質骨全体の骨密度が増加し,第一小臼歯部 より後方では皮質骨が厚かった。 本論文の要旨は,第1 1回日本顎変形症学会総会(2 0 0 1 年5月,東京) において発表した。. 謝. 辞. 本研究の遂行に当たり,多大なる御協力を頂きまし た東京歯科大学歯科放射線学講座前主任教授の黒柳錦 也名誉教授に感謝致します。また,種々のご協力を頂 いた東京歯科大学歯科矯正学講座教室員諸兄に厚く御 礼申し上げます。. 文. 献. 1)遠藤 誠,新屋敷健,荒木元英,岸本正雄,太田安 彦,小野晋祐,丹羽金一郎:朝日大学附属病院矯正歯 科における顎変形症患者の臨床統計的観察.近畿東海 矯正歯会誌,3 1:2 2∼2 7,1 9 9 6. 2)南 克浩,菅原利夫,森 悦秀,宮島貴博,山田朋 弘,京本博行,清水英孝、作田正義:外科的顎矯正の 臨床統計的観察.日口腔科会誌, 4 6:1 6 5∼1 7 0, 1 9 9 7. 3)高木豊明,橋本一郎,谷村一朗,日浦賢治,住谷光 治,森山啓司:徳島大学歯学部附属病院矯正科におけ る顎変形症患者の臨床統計的観察.四国歯会誌,1 1: 2 2 5∼2 3 1,1 9 9 9. 4)坂本輝雄,原崎守弘,一色泰成:東京歯科大学千 葉・水道橋両病院における唇顎口蓋裂および顎変形症 患 者 数 の1 5年 間 の 動 向.歯 科 学 報,9 9:5 9 1∼ 6 0 2,1 9 9 9. 5)Harvold, G. L. : The role of function on the etiology and treatment of malocclusion.Am J Orthodont, 5 4:8 8 3∼8 9 8,1 9 6 8. 6)石田哲也:最適形状決定法による咀嚼筋筋力と下顎 骨形状との関連性に関する研究.口腔病会誌,5 1:1 0 3. ∼1 2 3,1 9 8 4. 7)石井一裕:下顎骨側方偏位後の顎骨変化および偏位 改善後の形態回復に関する組織学的研究.日矯歯会 誌,5 1:1 0 9∼1 2 5,1 9 9 2. 8)中納治久:下顎骨非対称誘導ラットにおける下顎骨 形態および咀嚼 筋 組 織 の 変 化 に つ い て.日 矯 歯 会 誌,5 5:1 1 1∼1 2 5,1 9 9 6. 9)槇宏太郎:骨形態における力学的適応メカニズム. 日骨形態計測会誌,7:2 3∼2 9,1 9 9 7. 1 0)井出吉信:歯科臨床のための骨の科学4 顎骨の構 造とその変化.Quintessence,1 8:8 4 8∼8 5 5,1 9 9 9. 1 1)藤原道夫:日本人有歯下顎骨の内部構造に関する研 究.歯科学報,8 9:5 6 1∼5 8 4,1 9 8 9. 1 2)十河基文,前田芳信,野首孝祠,堤 定美:臨床に おける顎骨のリモデリング,頭蓋顎骨領域のリモデリ ングを生体力学的な視点で考える,Part 1.海綿骨 について.Quintessence,1 4:1 7 6 3∼1 7 7 2,1 9 9 5. 1 3)平林正幸,川村 全,枡本豊彦,本吉 満,中嶋 昭,葛西一貴,納村晋吉:歯の植立状態と顎骨との形 態的関連性について―第2報 3次元有限要素法によ る生力学的検討―.日大歯学,7 4:3 4 8,2 0 0 0. 1 4)堤 定 美:Wolff の 法 則.BONE,8:1 0 1∼ 1 0 8,1 9 9 4. 1 5)Walkhoff, O. : Der menschliche Unterkiefer im Lichte der Entwickelungsmechanik. Dtsch. Mschr. Zahnheilk, XVIII. Jahrgang:5 2 9∼5 3 8,1 9 0 0. 1 6)一條 尚:下顎骨の形成・発育成長と,成長後にお ける構造と形態の基本的な変化.歯界展望,6 7:1 3 3 5 ∼1 3 4 4,1 9 8 6. 1 7)上條雍彦:図説口腔解剖学 1骨学 第2版,2 2 5 ∼2 7 6,アナトーム社,東京,1 9 8 9. 1 8)石原 繁:第4章立体解析幾何学,演習代数学・幾 何学第1版(矢野健太郎編) ,3 1 1∼3 5 1,青林書院 新 社,東京,1 9 6 3. 1 9)理 化 学 辞 典 第5版(長 倉 三 郎,井 口 洋 夫,江 沢 洋,岩村 秀,佐藤文隆,久保亮五編) ,1 0 7 6, 岩波書店,東京,1 9 9 8. 2 0)小島紀男,町田東一:第7章数値計算, パソコン BASIC 数値計算Ⅰ第1版,1 4 0∼1 4 9,東海大学出版会, 東京,1 9 8 4. 2 1)佐藤智昭,服部佳功,渡辺 誠:咬みしめ強さと歯 列における咬合力分布.日顎口腔機能会誌,2:1 0 1 ∼1 0 9,1 9 9 6. 2 2)六車武史,山崎敦永,横山一徳,飯嶋雅弘,林 一 夫,溝口 到:骨格型下顎前突症における骨格性非対 称の形態学的特徴―正面頭部 X 線規格写真での検討 ―.北海道矯正歯科学会雑誌,2 8:4 2∼4 9,2 0 0 0. 2 3)本橋康助,亀田 晃,近藤悦子:頭部X線規格正貌 写真の研究にあたって考慮すべき2,3の事項につい て.日矯歯会誌,3 1:1 0 5∼1 1 6,1 9 7 2. 2 4)斉 藤 功:顔 面 非 対 称 症 例 に つ い て 考 え る. Monogr Clin Orthodont,1 8:1 9∼3 4,1 9 9 6. 2 5)新橋 武,桜井信彰,久保英一:顎顔面変形の診断 に お け る3次 元 CT の 有 用 性 に つ い て.形 成 外. ― 42 ―.

(14) 歯科学報. Vol.1 0 1,No.9(2 0 0 1). 科,3 2:7 5 1∼7 6 1,1 9 8 9. 2 6)岡 健司,北條博一:CT 三次元画像とセファログ ラムとの比較検討.日口診会誌,1 1:1∼1 2,1 9 9 8. 2 7)川原英明,下田信治,小林 馨,川崎堅三:スパイ ラルX線 CT による3Dイメージの距離測定精度に関 す る 研 究.日 口 腔 イ ン プ ラ ン ト 誌,1 3:3 2 1∼ 3 2 7,2 0 0 0. 2 8)Iwashita, Y. : Basic study of the measure−ment of bone mineral content of cortical and cancellous bone ofthe mandible by computed tomography.Dentomaxillofac Radiol,2 9:2 0 9∼2 1 5,2 0 0 0. 2 9)Maki, K., Miller, A., Okano, T. and Shibasaki, Y. : Changes in cortical bone mineralization in the developing mandible : a three−dimensional quantitative computed tomography study. J Bone and Mineral Research,1 5:7 0 0∼7 0 9,2 0 0 0. 3 0)山本一普,西川慶一,黒柳錦也:X線 CT3次元画 像による顔面中1/3骨折の診断に関する基礎的研 究.歯科学報,9 7:1 5∼3 3,1 9 9 7. 3 1)Newman, D. L., Dougherty,G., Obaid, A. −Al. and Hanjrasy, H. −Al. : Limitations of clinical CT in assessing cortical thickness and density.Phys Med Biol, 4 3:6 1 9∼6 2 6,1 9 9 8. 3 2)村山良雄,和田真一,前多一雄:Quantitative Computed Tomography による顎骨骨塩量の測定に関する 研究.歯学,7 7:6 1 8∼6 3 1,1 9 8 9. 3 3)玉井 学,石井保雄:QCT による下顎骨骨塩量の 変化に関する研究.口科誌,4 5:9 7∼1 0 4,1 9 9 6. 3 4)Taguchi, A., Tanimoto, K., Suei, Y., Ohama, K. and Wada, T. : Relationship between the mandibular and lumber vertebral bone mineral density at different postmenopausal stages. Dentomaxillofac Radiol, 2 5:1 3 0∼1 3 5,1 9 9 6. 3 5)Maki, K., Okano, T., Morohashi, T., Yamada, S. and Shibaski, Y. : The application of three−dimensional quantitative computed tomography to the maxillofa-. 8 4 7. cial skeleton. Dentomaxillofac Radiol, 2 6:3 9∼ 4 4,1 9 9 7. 3 6)不島健持,秋本 進,高本建雄,佐藤貞雄,鈴木祥 井:下顎側方偏位症例の形態的特徴および顎関節症状 の発現 ―正貌頭部 X 線規格写真による分析―.日 矯歯会誌,4 8:3 2 2∼3 2 8,1 9 8 9. 3 7)本吉 満,笹川 円,今井玲子,及川研一,納村晋 吉:顎変形症例への外科的対処法に関する一考察―下 顎骨の形態的特徴からの検討―.日矯歯会誌,5 0:2 4 ∼3 2,1 9 9 1. 3 8)Nam, S. B. : Radiometric and histological study of mandibular growth and development influenced by lateral forced bite in growing guinea pig. 日矯歯会 誌,5 5:4 7 7∼4 9 2,1 9 9 6. 3 9)荒川知久:片側性咬合が下顎骨におよぼす影響に関 する力学的検討 ―三次元有限要素法による解析―. 歯科学報,9 8:6 8 5∼7 0 3,1 9 9 8. 4 0)谷口 勇:閉顎筋機能と顎顔面形態の垂直的因子と の関係について.歯学,7 1:9 4 5∼9 6 9,1 9 8 4. 4 1)川島博行:歯科臨床のための骨の科学2,骨の発 生・分化の分子細胞生物学,BMP の役割について. Quintessence,1 8:4 5 0∼4 5 6,1 9 9 9. 4 2)天野有希,石田真奈美,井藤一江,宮脇 綾,山口 和憲,丹根一夫:顎変形症患者の咀嚼機能障害が下顎 骨皮質骨厚に及ぼす影響.中・四国矯正歯科学会雑 誌,1 2:3 5∼4 1,2 0 0 0. 4 3)須田立雄,小澤英浩,高橋栄明:骨の科学 第1 版,3 1,医歯薬出版社,東京,1 9 8 5. 4 4)上村健太郎,大迫恒伸,小椋幹記,福原博一,金 俊熙:片側咀嚼の解消で改善した顔面非対称の一例. 西日歯矯正会誌,3 2:2 3∼2 8,1 9 8 7. 4 5)吉田憲司,深谷昌彦,金子道生,荒尾宗孝,稲本 浩,久保誼修,白数力也,古田治彦,福田仁一,喜久 田利弘,都 温彦,宇治寿隆,升井一朗,本田武司: 顎変形症患者の疫学調査―質問紙法調査を中心に―. 日顎変形会誌,6:6 3∼7 5,1 9 9 6.. ― 43 ―.

(15) 8 4 8. 林, 他:顔面非対称患者の下顎骨についての特徴解析. Morphological and quantitative analyses on features of asymmetric mandible with X−ray CT images Masaki HAYASHI, Yasushige ISSHIKI, *Keiichi NISHIKAWA Department of Orthodontics, Tokyo Dental College (Chairman : Prof. Yasushige Isshiki) *Department of Oral and Maxillofacial Radiology, Tokyo Dental College Key words: mandibular deformity ; cortical bone ; X −ray CT ; image analysis ; occlusal force. Biomechanical disproportion of the mandible causes morphological and quantitative changes in the bone and induces jaw deformities. The purpose of this study was to clarify the influenceof the biomechanical disproportion on the structure and quality of the mandible, using spiral X−ray CT images. Subjects were 11 patients with mandibular asymmetry requiring orthognathic surgery. Lateral and vertical shift angles of the mandible against the maxilla were determined mathematically from the coordinates of structural reference points in 3−dimensional orthogonal coordinate systems as indices of the deformity degree. Several properties concerning thickness and CT value of mandibular cortical bone were measured as indices of the morphological and quantitative changes in mandibular cortical bone. Occlusal force was also measured using a pressure sensitive film as an index of biomechanical disproportion. Asymmetric indices of them were calculated from data of the left and right sides. The Pearson's correlation coefficients were obtained for these data. As a result, the mandible tended to shift laterally toward the side where the occlusal force at the second molar region was stronger and also to shift upward on that side. At the central incisor region of the laterally shifted side, CT values were relatively decreased. At the lateral incisor region, cortical bone density was relatively increased. At the first bicuspid region and the posterior tooth regions, corti(The Shikwa Gakuho,1 0 1:8 3 5∼8 4 8,2 0 0 1). cal bone thickness was relatively decreased.. ― 44 ―.

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参照

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