〈論文〉韓米FTAをめぐる動向と論点--投資家対国家の紛争解決条項とサービス貿易のネガティブリスト方式を中心にして
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(2) 1は. じ. め. に. 輸 出 拡 大 に よ り生 き残 りを 目指 して い る、 韓 国 で は、FTA(FreeTradeAgreement: 自 由貿 易 協 定)の. ネ ッ トワ ー ク を 張 り巡 らせ、FTAを. 推 進 す る こ とが 今 後 の 経 済 成 長 を. 持 続 させ る た め に 重要 な課 題 に な って い る。 主 要 な貿 易 相 手 国 で あ る米 国 と、2006年 か ら 5年 間 を 交 渉 に費 や した 後 に、2012年3月 した。 しか し、 韓 米FTAは. に韓 米 自 由貿 易 協 定(以 下 韓 米FTA)を. 発効. 、 両 国 が批 准 に 至 る ま で順 調 で は なか った。 交 渉 が始 ま って. か ら批 准 が 完 了 す る ま で、 国 内 の 反 対 勢 力 は、 常 に 「韓 米FTA怪. 談 」(1)であ る と公 言 し. て お り、 そ の反 発 は 今 で も収 ま って い な い。 世 界 的 な 金 融 危機 で あ る リー マ ン シ ョ ッ ク以 降 、 米 国 の 景 気 の 低 迷 を理 由 に あ げ、 韓 米 FTAは. 、 経 済 上 で の 効 果 が事 前 に予 測 した ほ ど の大 き さで は韓 国 に もた ら さな い と い う. 懸 念 もあ る。 しか し、 米 国 は 依 然 と して 世 界最 大 の 市場 で あ り、 韓 米FTAは. この よ うな. 市 場 を専 有 す る機 会 を 提 供 す る と い う点 で、 大 きな経 済.ヒで の 効 果が 期 待 され る。 米 国 や EUな. ど の先 進 経 済 国 とFTAを. 締 結 す る こ とで 、 巨大 市 場 へ の ア ク セ ス の改 善 と、 こ れ. に 伴 う輸 出 ・貿 易 の 増 大 、 韓 国 経 済 の 成 長 と促 進 、 消 費 者 の 厚 生 の 向 上 と い う利 点 に加 え 、 外 国 か らの 投 資 の 増 大 、 お よ び サ ー ビス 産 業 の 先 進 化 と い う莫 大 な経 済 上 の利 益 を得 られ る。 高 学 歴 の 熟 練 労 働 者 が 豊 富 な韓 国 は、 先 進 国 の 企 業 に は 魅 力 的 な投 資 先 で あ り、 FTAに. よ る投 資 環 境 の 改 善 は、 これ ら企 業 の投 資 を 実 現 さ せ る契 機 に な る。 と くに付 加. 価 値 の 高 い知 識 基 盤 サ ー ビス部 門 へ の外 国 か らの投 資(企 業 や 投 資 家)が 増 え、 先 進 国 に 比 べ て相 対 的 に遅 れ た韓 国 が こ の よ うな サ ー ビ ス産 業 の 先 進 化 を促 進 す る こ とが 期 待 さ れ る。 韓 米FTAを Settlement:投. め ぐる議 論 の 中 で 浮 上 して き た 問 題 にISD条 資 家 対 国 家 の 紛 争 解 決 の た め の 条 項)に. 項(lnvestorStateDispute. か か わ る 問 題 が あ る。 この 条 項. は、 海 外 企 業 や 外 国 か らの 投 資 家 が 受 入 国 の政 府 を相 手 に して 異 議 の 申 し立 て を行 う こ と に よ って 紛 争 が 生 じた 時 に 、 受 入 国 の 司 法 手 続 きで は な く国 際 仲 裁 機 関(2)に付 託 して 紛 争 を解 決 す る こ とを定 め た もの で あ る。 韓 米FTAは. 韓 国 の 経 済 の先 進 化 を飛 躍 的 に 高 め る歴 史 的 な意 味 を 有 す る だ けで な く、. 欧 州 の財 政 危 機 で世 界経 済 の 低 迷 が 懸 念 さ れ て い る現 時点 で、 韓 国 に と って 特 別 な 意 味 を. (1)い FTAの. わ ゆ る 「毒 素 条 項 」 で 、 外 交 通 商 部 に よ れ ば 、 ネ ッ トを 中 心 に 流 れ て い る 主 張 で 、 韓 米 中 で 、 韓 国 の 経 済 ・社 会 に ダ メ ー ジ を 与 え る と さ れ て い る 条 項 で あ る 。. (2)ICSID(lnternationalCentreforSettlementofInvestmentDisputes):投 ター。. 2. 資紛 争 決 定 国 際 セ ン.
(3) 有 す る もの で あ る。 また 、韓 国 は東 ア ジア で 米 国 、EUとFTAを FTAは. 実 現 した 唯一 の国 と な り. 韓 国 経 済 を一 段 階 グ レー トア ップ す る契 機 に な る とい う点 で歴 史 的 な意 味 が あ る。. 本 稿 で は、 韓 国 が 本 格 的 なFTA国 す る。 特 に 韓 米FTAの す る。2で. 主 な 争 点 に な って い るISD条. は、 韓 国 のFTA政. GATT・WTO体. 家 に な る き っか け とな った韓 米FTAに. っ いて 検 討. 項 とサ ー ビス貿 易 に集 点 を 当 て分 析. 策 へ の 転 換 に 関 す る 背 景 に っ い て 概 観 す る。 韓 国 は. 制 を信 奉 す る対 外 経 済 政 策 を 行 って き たが 、1997年 の ア ジ ァ通 貨 危 機 を. 契 機 にFTAを. 取 り入 れ た 。 韓 国 がFTAを. 国経 済 にっ い て 簡 単 に述 べ る。3で. 採 用 す る背 景 に な った ア ジア通 貨 危機 後 の韓. は、 韓 国 が経 済 危 機 前 後 まで 信 奉 して き た多 国 間 自 由. 貿 易 体 制 か ら徐 々 に距 離 を 置 き、FTA政 析 す る。4で. は、 韓 米FTAに. 先行 して 締 結 ・実 施 さ れ た 、 他 の国 や地 域 と のFTAの. 済 上 の 効 果 にっ い て 明 らか にす る。5で す る。6で は、 韓 米FTAを. 策 に転 換 せ ざ る を 得 な くな った理 由 に っ いて 分. は 、 韓 米FTAの. 経. 交 渉 の経 過 と内 容 にっ いて 検 討. め ぐ る争 点 の 中 で 特 に 問 題 に な って い るISD条. 項 とサ ー ビス. 産業 に 対 す る懸 念 につ いて 概 観 す る。. 2韓. 国 のFTA政. 海 外 市 場 に 人 き く依 存 して き た 韓 国 は 、1990年. 策へ の転換. 代 末 まで は欧 州 や 北 米 で の地 域 主 義 を批. 判 し、GATT(GeneralAgreementonTariffsandTrade:関 定)・WTO(WorldTradeOrganization:世 を 重 視 し、FTAな. にFTAロ. 界 貿 易 機 関)体. 制 に よ る多 国 間 交 渉 の枠 組 み. ど の 二 国 間 あ る い は地 域 内 の 貿 易 取 り決 め に対 して は積 極 的 で は な. か っ た 。 しか し、 韓 国 政 府 は 、1998年 出 し、2003年. 税 及 び貿 易 に関 す る一 般 協. に そ れ ま で の 方 針 を 転 換 してFTA推. ー ドマ ッ プ(3)を策 定 し、FTAを. 進 方 策 を打 ち. 通 商 政 策 の 重 要 な 一 環 と位 置 づ け 、. 積 極 的 に取 り組 む よ う に政 策 を転 換 した。 こ の よ う な 韓 国 の 政 策 の 転 換 の 背 景 に は 、1990年 を 含 むNAFTA(NorthAmericaFreeTradeAgreement:北 ど 、 第2次. 代 に お け るEU共. 同 市 場 の成 立 、 米 国. 米 自 由 貿 易 協 定)の. 世 界 大 戦 前 の ブ ロ ッ ク 経 済 と 同 様 の 大 規 模 な 地 域 主 義(regionalism)(4)へ. 向 が あ り、 貿 易 立 国 を 旨 と す る 韓 国 に も大 き な 影 響 を 与 え た 。 ま た1997年 ア 通 貨 危 機 に よ って 経 済 危 機 に 陥 り、1998年. のIMFな. 締結 な の動. に発 生 した ア ジ. ど に よ る 緊 急 融 資(合. 計 約550億. ド. (3)盧 武 鉱 政 権 と外 交 通 商 部 通 商 交 渉 本 部 が 発 刊 したFTAロ ー ドマ ップ は、FTA推 進 の ための 環 境 の 必 要 性 、 方 向 性 、 国 内対 策 、 対 象 国 選 定 基 準 ・推 進 戦 略 に関 す る概 括 的 な ス ケ ジュ ー ル を 提 示 した報 告 書 で あ る。 (4)地 域 主 義(Regionalism)と は、 一 般 に 自 由 貿 易 協 定 や 関 税 同 盟 な ど、 特 恵 貿 易 協 定 に よ って 限 られ た国 々 の間 の み で貿 易 自 由 化 を 進 め る傾 向 の こ と を指 す 。(参 照.遠 藤 正 寛.2005.『 地 域 貿 易 協 定 の経 済 分 析 』 東 京 大 学 出版 会.) 3.
(4) ル、 内IMF210億. ドル)へ. の 対 応 で あ っ た(5)。1998年のGDP成. 長 率 は マ イ ナ ス6.7%を 記. 録 し、 失 業 率 は7%に 達 す る な ど大 不 況 を 経 験 した。 しか し、 予 想 に 反 して1998年 に390 億 ドル近 い貿 易 黒 字 を獲 得 す る こ とで 国 際 的 な 信 用 を 回 復 す る と と もに、 同 年 内 に韓 国 の 純 対 外 債 務 は540億 ドル か ら202億 ドル へ と半 分 以 下 に 減 っ た。 翌1999年 に は輸 出が 大 幅 に 伸 び て約240億 ドル の 貿 易 黒 字 を記 録 し、 輸 出 の好 調 が 消 費 と投 資 に波 及 す る好 循 環 が 出 現 した。 こ の結 果 、1999年 と2000年 の経 済 成 長 率 の 実 績 は それ ぞれ10.9%と9.3%に. 回復 し. た。 しか し、 内需 の低 迷 で2000年 に入 って か ら成長 率 は鈍 化 し、2002年 後 半 か らほ ぼ一 一貫 して 内需 の 成 長 率 がGDP成. 長 率 を下 回 って い る。 特 に、2003年 か ら2004年 に か けて は 内. 需 の鈍 化 が 著 しか った。 家 計 で の過 大 な 負 債 や 賃 金 抑 制 に よ る消 費 の低 迷 、 企 業 で の経 営 の 保 守 化 や経 営 環 境 の 不 透 明 性 な どに よ る投 資 の低 迷(6)などが 内需 の鈍 化 の 主 要 な原 因 で あ っ た。 こ の過 程 で低 迷 す る 内需 に代 わ って 、 成 熟 に向 か い始 め た韓 国 経 済 の新 た な成 長 の た め の原 動 力 と して の海 外 貿 易 の重 要性 に 注 目が 集 ま った。 2001年 以 降 、 韓 国 経 済 を破 綻 か ら救 って きた の が 輸 出 で あ る。 図1を 降 は輸 出 の 成 長 率 がGDPの 黒 字 対GDP比. 率 が10%を. み る と、2003年 以. 成 長 率 を上 回 って い る こ とが わ か る。 特 に2004年 以 後 は貿 易 超 え て お り、 そ の 間 のGDPの. 成 長 率 を 大 き く一L回って い る。. ア ジア通 貨 危 機 後 、 韓 国 経 済 が外 需 に 依 存 した 成 長 を 続 けて きた こと は図1を る。 当 時 、 す で にNAFTAやEUが. 指 導 して お り、 二 国 間FTAも. 見 て もわ か. 世 界各 国へ拡散 す る. 様 相 が あ り、 そ の勢 い が ア ジア に も波 及 す る様 相 を見 せ始 め て い た。 他 方 、WTOは1999 年 の シア トル 会 議 の失 敗 と交 渉 決 裂 な ど、 多 国 間 合 意 の 形 成 の 難 し さ か ら難 航 しっ っ あ っ た。 この よ うな 状 況 は、 韓 国 が そ れ ま で 顧 み られ る こ との なか ったFTAへ. の戦 略 的. な 重 要 性 を増 す 背 景 に な って い るω。. (5)IMFか のIMF時. らの 経 済 援 助 を得 た 代 わ り に、 経 済 政 策 はIMFの 指 導 下 に お か れ る こ と に な っ た。 こ 代 にお い て、 急 速 な経 済 構 造 改 革(IMFコ ンデ ィシ ョナ リテ ィー)が 進 め られ 、 … 時. 的 に失 業 率 は7%を 超 え た が 、 ビ ジネ スに お け る古 い体 質 は、 急 速 に 改 め られ た。 (6)特 に 建 設 投 資 の 不 振 で あ る。 (7)参 照.奥 田 聡.2010.『 韓 国 のFTA-10年 の歩 み と第 三 国 へ の 影 響 一』 ア ジア経 済 研 究 所.. 4.
(5) 図1韓. 国の支出項 目別成長率. 一艦晒 家 計 消 費. 一噛 一 輸 出. 一 〉←. 内需. 一鱒 一GDP. (出 所)韓 国 銀 行 経 済 統 計 シ ス テ ム(2010)。. 3韓. 韓 国 に お け るFTAの. 国 にお けるFTAの. 必要性. 必 要 性 は、 相 手 国 で の関 税 の 減 免 に よ る輸 出 の促 進 、 海 外 に立 地. す る韓 国 企 業 の 利 益 の確 保 、 多 国 間 交渉 の 行 き詰 ま りに 起 因 す る 「FTAド ど が あ げ られ る。 韓 国 がFTAに. ミノ現 象 」(8)な. 積 極 的 に乗 り出 す こ と に な った 背 景 に は い ろ い ろな 要. 素 が 混 在 して い る。 第1に. 、1993年 のEU発. 足 や1994年 のNAFTA発. 効 を 契 機 に 世 界 的 に地 域 主 義 が 広 が. る傾 向 か ら、 輸 出 競 争 力 で の 不 利 を 克 服 しよ う とす る こ とに あ る。WTOの. 発 足 後 も地 域. 経 済 ブ ロ ッ クは、 そ の数 と領 域 で 持 続 的 に拡 大 した。 この よ うな 状 況 の もとで 、 対 外 依 存 度 が高 い韓 国 経 済 の 性 質 上 、 海 外 市 場 を安 定 的 に確 保 す る た め に は、FTAの. ネ ッ トワ ー. ク の域 外 国家 と して の 被 害 を 最 小 化 す る だ け で は な く、 積 極 的 に この よ うな趨 勢 に対 応 し な け れ ば な らな い。 第2に. 、 国家 全 般 の シ ス テ ム を先 進 化 し、 経済 体 質 を 強 化 す る た め、 能 動 的 に市 場 を 開. 放 し、 自由化 を進 め る必 要 が あ る と い う点 を あ げ られ る。 韓 国 経 済 が 単 純 に生 産 要 素 の投 入 に よ って 成長 す るの で は な く、 技 術 改 善 や 技 術 開 発 の 効 率 の向 上 を通 じて生 産 性 を 引 き 上 げ 、 先 進 国 の所 得 水 準 に近 づ くた め 、FTAを. 能 動 的 に活 用 しな け れ ば な らな い。 特 に. サ ー ビ ス産 業 の 生 産 性 の向 上 が重 要 な鍵 を 握 って い る。 図2を. (8)世. 界 の ど こ か でFTAが. う な 状 況 を 「FTAド. 生 ま れ 、 こ れ が ま た 次 のFTAを. み る と、 サ ー ビス産 業 が 圧. ド ミ ノ 倒 しの よ う に 生 む の で あ る よ. ミ ノ効 果 」 が 発 生 して い る と 呼 ば れ る。(参 照.Baldwin,R(1999)"ADon血o. TheoryofRegionalism."inBaldwin,PerttiHaapararanta,andJaakkoKiande乙eds,Expanding MembershipoftheEuropeanUnion(CambridgeUniversityPress,1955),pp.25-48.. 5.
(6) 倒 的 で あ り、FTAを. 通 して サ ー ビス部 門 の 生 産 性 が 向 上 す れ ば 、 大 きな所 得 を 上 昇 させ. る効 果 を 期 待 で き る〔9》 。 第3に 、FTAに こ とで あ る。FTAは. よ り、 国 内 企 業 の競 争 力 の 向 一Lを誘 導 し、 消 費 者 の厚 生 の 向 上 を 図 る 域 内市 場 の 拡 大 と競 争 を意 味 し、 これ に よ り域 内 の 企 業 で は技 術 開. 発 と コ ス ト削 減 を通 じた競 争 力 の向 上 を誘 発 す る。 また 、 外 国 か らの直 接 投 資 は、 韓 国 へ の 技 術 移 転 を 伴 う。FTAは. 、 海 外 企 業 か ら先 進 技 術 の 導 入 を 可 能 に して、 韓 国 企 業 の生. 産 や マ ー ケ テ ィ ング の能 力 を向 上 さ せ、 韓 国 の生産 構 造 を 改 善 し、 輸 出力 を増 強 す る。 第4に 、 韓 国 のFTA政. 策 は、 外 交 、 安 全 保 障 で の 側 面 と も関 連 が あ る。 南 北 対 立 状 態. に あ る韓 国 と して は、 経 済 協 力 の 強 化 を 通 じた 友好 国 の 拡 大 が必 須 の 要 件 で あ る。 特 に、 冷 戦 体 制 の 解 体 後 で は、 国 際 経 済 で の 同 盟 国 は 、 過 去 の よ うな理 念 に よ って決 定 され るの で は な く、 経 済 上 で の協 力 関 係 に よ って 決 定 され る と考 え られ る。 この よ うな 状 況 の 中 で 、 国 際 舞 台 で よ り 多 くの 同 盟 国 を 確 保 し、 外 交 の ネ ッ トワ ー クを 強 化 す る た め に は、 様 々 な相 手国 と のFTA締. 結 が 必 要 と され て い るq① 。. 図2韓. 国の産業構造. 注:各 年 度 で 、 左 か ら、 農 林 業 、 鉱 工 業 、 電 機 ・ガ ス ・水道 業 、 建 設 業 、 サ ー ビス業 の年 度 合 計 に対 す る割 合(%)を. 示 す。 (出所)韓. (9)参. 照.Jeong・Inkyo.2002.『. (1① 参 照.Kim・Songtae.2004.「. 東 ア ジ アFTAの 韓 国FTAの. 国銀 行 経 済 統 計 シ ス テ ム(2011)よ. 妥 当 性 と 推 進 方 案 』 対 外 政 策 研 究 院. 政 策 と 展 望 』 対 外 政 策 研 究 院.. 6. り作 成 。.
(7) 4韓. 米FTAに. 先行 して締結 ・実施 された、. 他 の国や地域 とのFTAに. こ こ で は、2012年3月 地 域 と のFTAの. よる経済上 の効果. に 発 効 した 韓 米FTAに. 先 行 して 締 結 ・実 施 さ れ た 、 他 の 国 や. 経 済 ヒの効 果 にっ い て 検 討 す る。FTA発. 効 前 に予 想 され た経 済 上 の 効. 果 は、 あ る特 定 の 仮 定 の下 で の 経 済 分 析 モ デ ル を使 川 して 導 き 出 され た た め、 発 効 後 、 実 際 に そ の 数 値 が そ の ま ま実 現 した と い うよ りは 、 代 替 的 な方 向 性 を示 す も の と理 解 す る こ とが 妥 当 で あ る。 こ の点 、 既 に 発 効 して い るFTAの 出 の 増 加 を 事 後 的 に 確 認 した 結 果 、 発 効 前 のf想 が 実 証 研 究 に よ り分 か り、 表1の. 発 効 後 の 貿 易 規 模 の 拡 大 と輸. よ り は るか に高 い 成 果 を 実 現 した こ と. よ う に これ らFTAの. 経 済 上 の 効 果 に も注 目が 集 ま る. よ うに な って い る。. 表1FTA発 効 以 後 の 輸 出 入 の 変 化 推 移(単 位:百 万 ドル) 1発 効1年 前 発 効1年 目 発 効3年 目 発 効4年 目 発 効5年. 区分. 対象 国・ 地域. チ リ (2004.4). 輸出. 524. 708. 1,566. 輸入. 1,328. 1,934. 3,813. 貿易額. 1,852. 貿易収支. シ ンガ ポ ール (2006.3). 一804. 2,642 一1. 5,379 一2. ,226. 3,032. 2,947. 4,184. 4,127. 4,221. 7,299 ,069. 輸出. 7,407. 9,489. 16,293. 13,617. 輸入. 5,318. 5,887. 8,362. 15,376. 貿易額. 12,725. 目. 3,115. 一1. ,247. 目 発 効7年. 7,168. 7,159. 4,095. 一1. ,274. 15,244. . 7,872. 7,850. 一. 24,655. 21,489. 23,094. 一. 7β94. 一. 貿易収 支. 2,089. 3,602. 7,931. 5,745. 輸出. 1,730. 1,123. 1,956. 3,522. 一. 一 一. EFTA. 輸入. 2,195. 3,554. 4,548. 5,699. 一. (2006.7). 貿易額. 3,925. 4,677. 6,504. 9,221. 一. . 一. 一. 53,195. 一. 一 一. 貿易収支. 32,066. 輸出 ASEAN (2007.6). イ ン ド (2010.1). 一465. 一2. 一2. ,431. 38,749. ,592. 40,979. ,177. 輸入. 29,743. 33,110. 39,053. 44,098. 一. 貿易額. 61,809. 71,859. 75,032. 97,293. 一. 一. 5,639. 1,926. 9,097. 一. 一. 貿易収支. 2,323. 輸出. 8,013. 輸入 貿易額 貿易収支. 韓 チ リFTAは. 一. 11,435. 一. . 4,142. 5,674. 一. 一. 皿. 一. 12,155. 17,109. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 3,871. 5,761. (出所)韓. か らFTA交. 一2. 韓 国 が 締 結 ・発 効 した 最 初 のFTAで. 国 貿 易 協 会 貿 易 統 計(2011)よ. あ る が、 推 進 過 程 で の遅 れ や 混 乱. 渉 過 程 に お け る国 内調 整 の不 足 が 露 呈 さ れ た。 そ の後 、FTA締 7. り作 成 。. 結 に伴 う国.
(8) 内 交 渉 の 重 要 性 が 認 識 さ れ る に 至 り、 そ の 意 味 で は 韓 国 が 学 ぶ も の が 多 か っ たFTAと な せ る 。 経 済 上 で は 、 発 効 か ら7年. み. を 経 て 自動 車 の 輸 出 が 大 幅 に 伸 び る な ど 予 想 外 の 成 果. を 収 め て い る(1D。協 定 批 准 当 初 の 混 乱 の 原 因 と な っ た ブ ド ウ に つ い て は 、 国 内 農 家 が 大 き な 打 撃 を 受 け る と の 懸 念 と は 異 な り、 ブ ド ウ の 価 格 はL昇. し、 栽 培 面 積 も増 加 し た 。 農 産. 物 の 輸 入 増 加 に よ る 国 内 市 場 で の 特 に 目 立 っ た 混 乱 も な く、 手 堅 い 成 功 を 収 め た ケ ー ス と い え る 。 チ リに 次 ぐ2番. 目 のFTAで. あ る 、 韓 ・ シ ン ガ ポ ー ルFTAは. 、 ア ジア の近 隣 主. 要 国 と の 本 格 的 なFTAで. あ り、 ア ジア に お け る足 掛 か りを 確 保 す る意 味 合 い を 有 す る。. 韓 ・シ ン ガ ポ ー ルFTAの. 場 合 は 、 既 に 高 度 に 開 放 さ れ た 国 で あ る た め 、FTA発. 効 以 降、. 関 税 撤 廃 の た め 、 貿 易 収 支 の 悪 化 が 懸 念 さ れ た が 、 貿 易 収 支 で の 黒 字 の 規 模 は 発 効 前23億 ドル か ら73億. ドル に3倍. 以 上 急 増 した。 ま た、 金 融 、 物 流 、 サ ー ビス分 野 で の 対 韓 国投 資. が 増 加 し、 運 輸 ・倉 庫 サ ー ビ ス の 分 野 で 対 シ ン ガ ポ ー ル 投 資 が 増 加 す る な ど 、 両 国 間 の 投 資 規 模 が 拡 大 し た 。 韓 ・ASEANFTAは2007年. にFTA発. 効 以 降 、 持 続 的 な輸 出 の 増 加. に 支 え ら れ 、 貿 易 黒 字 も拡 大 し て お り 、 特 に 石 油 製 品 、 船 舶 、 鉄 鋼 な ど の 高 付 加 価 値 商 品 の 輸 出 が 大 幅 に 増 加 し た 。 韓 ・イ ン ドCEPAは 模 は1年. ぶ り に40.8%増. 、 発 効 後(2010年1月)、. 加 し、 貿 易 黒 字 も発 効 前 に 比 べ て19億. 対 イ ン ド貿 易 規. ドル 増 加 し た 。 ま た 、 両 国. 間 の 貿 易 拡 大 に 伴 い 、 人 的 交 流 が 活 発 に 行 わ れ 、 商 用 入 国 者 数 は25,269人 べ て60 .3%増 加 し、 サ ー ビ ス 部 門 の 専 門 職 の 入 国 者 数 は2,587人 で18.6%増 な お 、 表1に は 記 載 さ れ て い な い が 、2011年7月 財 政 危 機 に も か か わ ら ず 、 発 効 後4ヶ で 、10億. 加 した。. 月 間 で 、EUの. に 発 効 さ れ た 韓 ・EUFTAは 輸 出 は169億. ド ル の 貿 易 収 支 の 黒 字 を 記 録 し た 。 ま た 、FTAの. も 高 く、 韓 ・EUFTAは. で 、 発 効 前 に比. 、 欧州 の. ドル 、 輸 入 は159億. ドル. 輸 出使 用 率 が 輸 入 使 用 率 よ り. 、 輸 出 促 進 に大 き な効 果 を 発 揮 した。 ま た、 欧 州 産 の冷 凍 豚 肉. や ワ イ ン な ど 、 国 民 経 済 と 密 接 な 品 目 の 輸 入 増 加 で物 価 の 安 定 に も 寄 与 した 。. 5韓. 2003年 の韓 米FTAロ. 米FTAの. 交 渉の経緯 と内容. ー ドマ ップ の発 表 時 点 で は、 韓 国 に と って米 国 は中 長 期 的 な交 渉. 相 手 で あ り、 実 現 可 能 性 も高 い とは 見 られ て いな か っ た。 ま た、 交 渉 に入 る た め に は 自動 車 、 薬 価 算 定 方 式 、 牛 肉 、 映 画 の4部 門 で の規 制 や 輸 入 制 限 にっ い て、 米 国 か らの要 求 に 対 応 す る必 要 もあ った。 この た め、 当初 、 韓 国 は韓 米FTAに. 対 して、 慎 重 な 姿 勢 を と っ. て い た。 しか し、2005年 後 半 に は両 国 の 同盟 関 係 の 強 化 と い う 目的 もあ り、 韓 国 側 が 態 度 (1D2010年 18.8%か. 自 動 車 輸 出 は11万2千 ら39%に. 増 加. し た 。(参. 台 で 、 発 効 以 前 と 比 べ て 約5倍. 増 加 し 、 チ. 照.KoreaInternationalTradeAssociation. theTradePerformanceoftheKorea-ChileFTA."Seoul:KITA. .2009."Evaluationof .InKorea.). 8. リで の 自 動 車 シ ェ ア も.
(9) を 変 え 、 上 記4部 門 へ の対 応 を行 った。2006年6月 経 て 、2007年4月2日. に 合意 し、6月30日. の 第1回 交 渉 後 、8回. の政 府 間交 渉 を. に署 名 を 行 った。2007年 の 合意 で は 財貿 易 だ け. で な く、 投 資 や サ ー ビス貿 易、 法 律 、 会 計 サ ー ビスの 段 階 的 開 放 や放 送 サ ー ビス の部 分 的 開 放 と い った 幅広 い 分 野 で の高 度 な 自 由化 が 含 まれ て い る吻。 しか し、 両 国 で の批 准 は難 航 した。 米 国 で は2007年 の妥 結 直 後 か ら米 国 の 自動 車 業 界 や 畜 産 農 業 か らの要 求 も あ り、 追 加 交 渉 を求 め る声 が 強 か っだ13)。そ の 後 、 韓 国 に お いて 米 国 産 牛 肉 の 輸 入 再 開 に 関連 し て 大 規 模 な ロ ウ ソ クデ モ が 展 開 さ れ た こ とや 、 米 国 議 会 に お い て 米 韓FTA批. 准 に消 極 的. な民 主 党 が 躍 進 した こ と な ど に よ り、 両 国 の 批 准 へ の 動 き は停 滞 して い た。 ま た、 農 業 な ど被 害 を受 け る産 業 で は 韓 米FTA反. 対 論 も根 強 か っ た が、 韓 国 政 府 は、FTA締. 結 の流. れ が世 界 の趨 勢 で あ り、 これ に 出遅 れ る こ とは 自国 の 地 位 を 低Fさ せ か ね な い とい う強 い 危機 感 を持 って い た 。 政 府 は、 農 業 な どの被 害 を 受 け る産 業 に対 して は十 分 な支 援 策 の検 討 を 行 う こ とで 、 反 対 論 を封 じ込 め た。2010年12月3日 批 准 へ の道 が 開 か れ 、 よ うや く2012年3月15日. に 発 効 す る こ と と な っ た。. 追 加 交 渉 の結 果 、 両 国 の 乗 用 車 の関 税 撤 廃 時期 が5年 行 わ れ、 韓 国 に輸 入 され る米 国 製 自動 車(乗 に年 間2万5千. 、 両 国 が追 加 交 渉 に お いて 妥 結 し、. 目以 降 へ 延 長 され る な ど の変 更 が. 用 車 を 除 く)の 安 全 基 準 にっ い て も製 造 会社. 台 まで 、 米 国 の基 準 を満 た す もの は韓 国 の基 準 を 満 たす と認 定 す る こ とに. な った 。 そ の ほ か 、 韓 国 の 医 薬 品 許 可一 特 許 連 係 制 の 実 施 まで の猶 予期 間 を、18ヵ 月 か ら36ヵ 月 に 延 長 す る変 更 も行 わ れ た。. 表2韓 FTA推. 2003.8. 渉 の経 過. 一. 中 長 期 的課 題 と して ア メ リカな ど 巨大 経 済圏 と のFTA推 米 通 商 代 表 部 次 席 代 表 が 韓 米FTA締. 2004.5. 進 を上 程 す る。. 結 に対 す る関 心 を 表 明 す る。. 以 後 、 在 韓 米 大 使 な ど関 係 者 が 数 回 にわ た っ て関 心 を表 明 す る。 韓 米 通 商 長 官 会 議(チ. 2004.11. リ、APEC会. 議)で 、FTA推. 進 の可 能 性 の 点 検 の た め の. 事 前 の実 務 点 検 会議 の 開 催 に合 意 す る。. 2005.2.3. (19た. 米FTA交. 進 ロ ー ドマ ップ を発 表 す る。. 韓 米FTAの FTAの. 事 前 の実 務 点 検 会議 の 第1次 会 議 を 開 催 す る。(ソ ウ ル). 推 進 手 続 き お よ び経 済 上 の 妥 当 性 を 論 議 す る。. と え ば 、 財 貿 易 で は 、 韓 米 両 国 と も に 輸 入 額 べ 一 ス で94%に. 当 た る 品 目 の 関 税 を3年. 間で. 撤 廃 す る こ と で 合 意 し た 。 ま た 、 韓 国 は 米 を 除 い て 、 農 産 品 関 税 を 撤 廃 し、 牛 肉 に か か る 関 税 も 15年 間 で 撤 廃 す る こ と で 合 意 が な さ れ た 。 (13特 に 問 題 に な っ た の は韓 国 に よ る牛 肉 輸 入 の 再 開 と、 自動 車 の貿 易 で あ った 。 牛 肉 輸 入 の 再 開 は2008年6月 に 実 現 し た 。 ま た 、2010年11月 か らの 追 加 交 渉 に よ っ て 、 自 動 車 分 野 で 米 国 の 関 税 撤 廃 ま で の 期 間 延 長 、 米 国 に よ る 自 動 車 の 緊 急 輸 入 制 限(セ ー フ ガ ー ド)の 容 認 な ど が 合 意 内 容 に 追 加 さ れ た 。 そ の ほ か 、 米 国 産 豚 肉 に 対 す る 関 税 撤 廃 ま で の 期 間 を 延 長 す る な ど の 合 意 も盛 り 込 ま れ て 妥 結 に 至 っ た 。(参 照.Cheong.1.,J.ChoandK.Park.2007.Korea-U.S。FTAhandbook forbusinessmen.Seou1:KoreaInternationalTradeAssociation.). 9.
(10) 韓 米FTAの. 事前の実務点検会議. 第2次 会 議 を開 催 す る。(ワ シ ン トン). 商 品 分 野 市場 で の ア ク セ ス、 農 業 、 繊 維 、 原 産 地 規 定 、 知 的 財 産 権 、 政 府 調 達 、. .3.28-29. 貿 易救 済 な ど に っ い て のFTA協. 定 文 の 分 野 別 主 要 内容 お よ び政 策 関 連 を論 議 す. る 。. 韓 米FTAの. 事前の実務点検会議. 第3次 会 議 を 開催 す る。(ワ シ ン ト ン). サ ー ビ ス、 金 融 サ ー ビ ス、 投 資 、 通 信 、 電 子 商 取 引 、 労 働 、 環 境 、 競 争 、 透 明. .4.2829. 性 な ど につ い て のFTA協. 定 文 の 分 野 別 主 要 内容 を論 議 す る。. 以 後6回 の通 商 長官 会 議 の 開 催 を 通 じて 韓 米FTAの. 開 始 の 可 能 性 を模 索 す る。. . 200552 .5.2. 韓 米 通 商 長 官 会 議 を 開 催 す る。(パ リ、OECD官. 僚 理 事 会). 200563 .6.3. 韓 米 通 商 長 官 会議 を 開 催 す る。(済 州 、APEC会. 議). 2005920 .9.20. 韓 米 通 商 長 官 会議 を 開 催 す る。(ワ シ ン ト ン). 一. .10.11. 韓 米 通 商 長 官 会 議 を 開 催 す る。(ジ ュ ネ ー ブ). .11.16. 韓 米通 商 長 官 会 議 を 開 催 す る。(釜 山 、APEC会. 2006131 .1.31. 韓米 通 商 部 長. 年7月. 議). ポ ー トマ ン米 通 商 代 表 と面 談 す る。(ワ シ ン トン). お よ び9月 、通 商 交 渉 部 長 が 訪 米 し、 主 要 な上 下 院 議 員、 政 府 関 係 者 、 業 界 関 係 者 、 オ. オ ン リー ダー た ち に対 す る説 得 作 業 を 行 う。 .7.24-28. 韓 国通 商 本 部 長 が 訪 米 し、 主 要 なL下 院 議 員 お よ び 業 界 に 対 して 説 得 す る。. .9.19-21. 韓 国 通 商 本 部 長 が 訪 米 し、 主 要 な政 府 関 係 者 と面談 す る。 一. 年9月. 米 政 府 が 韓 国 な ど4力 国 をFTA優. 先 交 渉対 象 国 に選 定 す る。. 政府 .内 部 会 議 で 、 外 部 専門 家 に諮 問 し、 ア ンケ ー ト調 査 な ど に よ り検 討 す る。 家研 究:政 府 委 託 研 究 の 他 、10回 余 りに わ た る国 内専 門家 研 究 会 お よ び セ ミナ ー、 公 聴 会 を ノ. ー・. ヲ. イ 丁 つ 。. ケ ー ト調 査:韓 米FTAに. っ い て の世 論 調 査 の 結 果 、 回 答 対 象 者 の 大部 分 が 賛 成 す る。. 年11月 全 国 経 済 連 合 会(87%賛 )、2006年2月 200622 .2.2. 200623 .2.3 200636.3.6. 成)、12月 貿 易 協 会(75%賛. 中 小 企 業 連 合 中 央会(80%賛 韓 米FTAの. 成)、 お よ び韓 国 ギ ャ ラ ップ(80%. 成). 第1回 公聴 会 を 開 催 す る。. 対 外 経 済 長 官 会 議 の報 告 お よ び決 定 を 公 開 す る。 韓 米FTAの. 交 渉 開始 を 発 表 す る。(ワ シ ン ト ン米 上 院 議 事 堂). 韓 国 通 商 本 部 長 一米 通 商 代 表 の 共 同記 者 会 見 を 行 う。 韓 米FTAの. 第1次 の 非 公 式 の 事 前 の 準 備 協 議 を開 催 す る。. .4.17-18. 韓 米FTAの. 第2次 の 非 公 式 の 事 前 の 準 備 協 議 を開 催 す る。. .6.5-9. 韓 米FTAの. 第1次 の 公 式 の 交 渉 を 開 催 す る。(ワ シ ン トン). .7.10-14. 韓 米FTAの. 第2次. .9.6.9. 韓 米FTAの. 第3次 の 公 式 の 交 渉 を 開 催 す る。(シ ア トル). .10.2327. 韓 米FTAの. 第4次 の 公式 の 交 渉 を 開 催 す る。(済 州). .12.4-8. 韓 米FTAの. 第5次. .1.15-19. 韓 米FTAの. 第6次 の 公 式 の 交 渉 を 開 催 す る。(ソ ウ ル). .2.11-14. 韓 米FTAの. 第7次. .2.26. 韓 米 通 商 代 表 会 談 を行 う。. .3.8-12. 韓 米FTAの. 第8次. .3.19-22. 韓 米FTAの. 高 位 級 交 渉 を 開催 す る。(ワ シ ン ト ン). .3.26-4.2. 韓 米FTAの. 通 商 長 官 会議 を 開 催 す る。(ソ ウル). .3.3-29. 韓 国 と米 国 大 統 領 の 電 話 会 談 を 行 う。. 200742 .4.2. 韓 米FTAの. の 公 式 の 交 渉 を 開 催 す る。(ソ ウ ル). の 公 式 の交 渉 を 開 催 す る。(モ ン タナ) の 公式 の 交 渉 を 開 催 す る。(ワ シ ン トン) の 公式 の交 渉 を 開 催 す る。(ソ ウ ル). 交 渉 を妥 結 す る。. .6.21-26. 米 新通 商 政 策 と関 連 した 追 加 協 議 を 行 う。. .6.30. 署 名 す る。. 一10一. 一.
(11) 一. この 准 案 を国 会 に提 出 す る。(2008年5月 2007.9.7. 、 第17代 国 会 で の 審 議 未 了 に よ り廃 案. に な る). 2008.10.8. この 准 案 を 国 会 に 再 度 提 出 す る。. 2009.4.22. この 准 案 が 国 会 外 交 通 商 統 一 委 員 会 を通 過 す る。. 2010.11.30-12.. 再 共 同 交 渉 で 妥結 す る。. 2011.10.12. 米 上 下 院 の 本 会議 で 履 行 法 案 が 通 過 す る。. 2011.10.21. 米 大 統 領 が 履 行 法 案 に署 名 す る。. 一2011.11.22. 一. 韓 米FTAの. 批 准 の た め の 同意 案 が 国 会 を 通 過 す る。. 2011.11.29. 大 統 領 が 韓 米FTAの. 2012.3.15. 韓米FTAが. 履 行 法案 に 署 名 す る。. 発 効 す る。 (出所)外. 表3本. 交 渉(2007年4月)の. 交通 商部(2012)よ. り作 成。. 主要 内容. 韓 米 両 側 が 大 部 分 の 品 目 に 対 して5年 以 内 に 関 税 を 撤 廃 す る。. 工業製品分野. 韓 国 側 は3年 以 内94%、5年. 以 内96.1%を 撤 廃 す る。. 米 国 側 は3年 以 内92%、5年. 以 内94.9%を 撤 廃 す る。. セ ンシ テ ィブ品 目 にっ いて は 多様 な例 外 を 確 保 す る。 譲 許 除 外 品 目 は 米 、 季 節 関 税 を 導 入 す る品 目 は ブ ドウ、 ジ ャ ガ イモ な ど、. 農水産物分野. 農 産 物 セ ー フ ガ ー ドを 適 用 す る品 目 は豚 肉 、 唐 辛 子 、 ニ ンニ ク な ど30品 。 セ ン シテ ィ ブ 品 目 で あ る 、 リ ン ゴ、 ナ シ、 牛 肉 、 唐 辛 子 、 ネ ギ、 人 参 、 麦 、 ミカ ンな どは15年 以 上 の 関税 の 存 続 期 間 を 確 保 す る た め 、 国 内 で の影 響 が 少 な い。 た だ し、 既 に需 要 量 の ほ と ん ど を 輸 入 に依 存 して い る品 目 を 中 心 に関 税 を 即 時 ま た は短 期 に撤 廃 す る。 選 択 分 野 を段 階 的 に 開 放 して競 争 力 を 高 め る こ とが で きる き っか け を用 意 す る。 教 育 ・医 療 ・社 会 サ ー ビ スな ど の 公 共 性 の 強 い サ ー ビス 分 野 に っ いて は、 規 制 権 限 を 包 括 的 に留 保 す る。 国 内 専 門 職(法 務 ・会 計 な ど)は 段 階 的 に 解 放 す る。 著 作 権 保 護 期 間 は50年 か ら70年 に 延期 す る。 放 送 チ ャ ン ネ ル使 用 事 業(PP:ProgramProvider)に. サ ー ビ ス ・投 資 分 野. 直 接 投 資 の制 限(49%)は. 対 す る外 国 か ら の. 維 持 す る もの の、 間 接 投 資 の 制 限(49%)は. 撤廃. す る。 通 信 事 業 者 に対 す る外 国 か らの 直 接 投 資 の 制 限 は 、 現 行 水 準(49%)を 持 しな が ら、 国 内 に 設 立 さ れ た法 人 を通 じた 間 接 投 資 は100%ま. 維. で許可 す. る。(協 定 発 効 後2年 以 内) 金 融 サ ー ビ ス は、 非 対 面 方 式 に よ る保 険 仲 介 手 数 料 の 国境 間 で の取 引 の許 可 な ど、 制 限 的 に一 部 の 市 場 を 開 放 す る。(金 融 消 費 者 保 護 ・金 融 シ ス テ ム の 安 定 の た め に必 要 な 健 全 性 措 置 は、 い っ で も実 施 が 可 能 な よ う に 、 セ ー フ カ ー ド制 度 に指 定 す る) (出所)対. 一11一. 外 政 策 研 究 院(2012)よ. り作 成 。.
(12) 表4追. 種別. 品目. 一. 加 交 渉(2010年12月)の. 対象国. 主要内容. 追加交渉 関 税2.5%. 自動車. 乗用車. 米国. 3000cc以. 下 は即 時 に撤 廃 す る。. 3000cc超. は3年 以 内 に 撤 廃 す る 。. 追加 交渉 発 効 後4年 以 降 に 関 税 を る。. 一. 関 税8%を. 即 時 に撤 廃 す る。. ピ ッ ク ○. 米国. 関税25%を10年. 後 に撤 廃 す る。. 関 税25%を. 均 等 に撤 廃 す る。. に関 税 を撤 廃 す る。. 18ヵ 月 間 は履 行 の義 務 を 猶 予 す. 36ヵ 月 間 は 履 行 の 義 務 を. る。. る。. 韓国. 6韓. 米FTAの. 資 家 対 国 家 の 紛 争 解 決(ISD)条. 韓 米FTAは. 目 か ら均 等. 除 々 に 引 き 下 げ て 、2016 1日. (2004.1.1). 1許可 ・特 許. 6.1投. し、 発 効8年 す る。. 韓国. 医薬品市販. き下 げ. 10年 後 の 撤 廃 を 維 持 す. ア ッ フ. 冷凍豚肉. 発 効 後 即 時 に4%引. 旦 イ. 韓国. 主 な争点 と課題. 項に関する争点. 、 交 渉 の 初 期 か ら多 くの 課 題 が 議 論 の対 象 とな って き たが 、 国 会 で の 批 准. とい う最 後 の段 階 ま で の 大 き な争 点 に な っ て い た の は、 農 産 物 、 牛 肉 、 自動 車 で な く、 投 資 協 定 に 関 す るISD条. 項 で あ る。ISD条. 項 を 巡 る主 張 を 大 き く区 分 す る と、 韓 国 企 業 は. 米 国 政 府 を訴 訟 で き な い こ ど19、国 際 仲 裁 機 関 は 非 常 に米 国寄 りで あ る こ と㈲、 米 国 企 業 に よ り濫 用 さ れ た訴 訟 が 多 い こ と の3っ の類 型 に分 け る こ とが で き る(16}。 FTAに. は、 通 常 、 そ の 履 行 を 巡 る紛 争 が 生 じた場 合 に 、 締 結 国 間(国. れ を 解 決 す る た め の 手 続 きが設 け られ て い る。 こ れ に 加 え 、FTAの. 家 対 国 家)で. こ. 投 資 協 定 に は、 締 結. 国 で あ る投 資受 入 国 が協 定 上 の 義 務 に違 反 した こ と に よ り、 他 の締 結 国 企 業 な どの 投 資 家 が損 害 を被 った場 合 な ど に、 そ の投 資 家 や投 資 受 入 国 政 府 を相 手 方 と して 仲 裁 に付 託 す る こ とが で きる規 定 が 置 か れ て い る こ とが 多 くみ られ る(n。 ISD条 項 と は、 投 資 誘 致 国 の政 府 が 投 資 協 定 に違 反 して 海 外企 業 や 外 国 か らの 投 資 家 に 金銭 的 な被 害 が 発生 した場 合 に、 海 外 企 業 や外 国 か らの投 資家 が投 資誘 致 国 を 相 手 に訴 訟 を提 起 す る こ とが で き る制 度 で あ る。 っ ま り、 韓 国 に投 資 す る海 外 企 業 だ けで は な くて、 外 国 に投 資 す る韓 国 企 業 を保 護 す る投 資家 保護 政 策 で あ る。ISD条 項 に よ り どの 国 の 企 業 が よ り保 護 を受 け る こ とが で き るか 事 前 に判 断 す る こ とは難 しい が 、 簡 単な 統 計 を 使 用 し. 曲. 韓 国 の投 資家 が米 国 政 府 の 協 定 違 反 に よ り被 害 を受 け た場 合 、 米 国 の投 資 家 は、 相 手 国 の 裁 判 所 に提 訴 す る か、 国 際 仲 裁 機 関 に提 訴 す る か の い ず れ か を選 べ る が、 韓 国 企 業 の 場 合 は選 択 肢 が な い と主張 す る。 (15)国 際 仲 介 機 関 が 米 国 寄 りで あ り公iEな 仲 裁 が期 待 で きな い とい う主 張。 (1⑤ 参 照.高 安 雄 一一.2012.『TPPの 正 しい議 論 に か か せ な い米 韓FTAの 真 実 」 学 文社. (n参 照.馬 田 啓 一 一ほ か.20/2.「 日本 のTPP戦 略課 題 と展望 」 文 眞堂. 一12一.
(13) て類 推 して み る と、2011年 を基 準 に韓 国 の海 外投 資 件数 は10万 件 を超 え 、 金 額 で は約2,700 憶 ドル に達 す る。 他 方 、 外 国 か らの韓 国 へ の投 資 は約6万. 件 で 、1,800憶 ドル に過 ぎな い。. これ に よ り、 問 題 の焦 点 と な っ て い る韓 国 と米 国 間 の 投 資 の 現 状 は、 韓 国 の 対 米 投 資 は 126憶 ドル(611件)で. 、 米 国 企 業 の 対 韓 国 投 資 は11億 ドル(145件)で. の投 資 規 模 が米 国 よ り も10倍 超 え る の に、ISD条. あ る。(表5)韓. 国. 項 に よ り韓 国 だ け が一 方 的 に 不 利 益 を 受. け る と は主 張 で き な い。 韓 国 の 対 世 界 の 投 資規 模 が 韓 国 に対 す る投 資 規 模 を 圧 倒 す る た め、 世 界 各 国 で韓 国 の投 資 家 を 積 極 的 に保 護 す る政 策 は必 ず 必 要 で あ る。 これ を 保 障 して くれ る のがFTAや. 投 資協 定 内 のISD条. した。 そ の 中 で81力 国 と の 協 定 でISD条. 項 で あ る。 韓 国 は これ ま で85件 の投 資 協 定 を 締 結 項 を 採 用 して い る。 これ ま で の 投 資 協 定 の 締 結. で は、 全 く問 題 に され な か った 事 項 が 韓 米FTAで. は問 題 に な って い る。. 韓 国 企 業 が 海 外 で 不 当 ・不 合 理 な法 執 行 に よ って、 不 利 益 を 受 け る と、ISD条. 項を通 じ. て 問 題 を 解 決 す る こ とが で き る。 逆 に、 韓 国 政 府 が 外 国 か らの投 資家 に対 して 不 公 正 な 政 策 を展 開 し、 彼 ら に財 産 一Lの不 利 益 を与 え る と した ら訴 え られ るの は当 然 の こ とで あ る。 公 正 な競 争 を 広 げ る ビ ジ ネ ス の 世 界 で 、 外 国 か らの 投 資(企. 業 や 投 資 家)を. 差 別す る. 誤 った 政 策 に よ って 、 外 国 か らの投 資(企 業 や 投 資 家)が 正 当 に保 護 さ れ な け れ ば 、 当 然 そ の 方 針 は変 更 され な け れ ば な らな い。 韓 国 側 だ け有 利 な法 執 行 を す れ ば、 誰 も韓 国 に投 資 しな い ため 、 これ は韓 国 の経 済 成長 に悪 影 響 を 及 ぼ す 。 ISD条 項 は、 投 資環 境 を 改 善 させ 、 外 国 か らの投 資(企 業 や 投 資 家)を 拡 大 させ る。 ま た 韓 国 企 業 が 安 心 して 海 外 企 業 に 投 資 で き る よ うに す る制 度 で あ る。 ま たISD条 り、 韓 国 の 公 共 政 策 が 全面 的 に 無 力 化 され る と い う主 張 が あ る。ISD条. 項によ. 項 は投 資 協 定 で あ. るた め 、 韓 国 政 府 が ど の よ うな 公共 政 策 を 推 進 して も問 題 に な らな い。 た だ投 資 協 定 で 規 定 され て い る内 容 に 合致 す る よ うに しな けれ ば な らな い と い う こ とで あ る。 最 も注 意 す べ き点 は2っ あ る。 一 っ は、 韓 国 は 海 外 企 業 と外 国 か らの投 資 家 と自 国民 投 資 家 を 差 別 しな い こ とを 約 束 した こ と で、 彼 らを 差 別 して は な らな い と い う こ と で あ る(18。も う一 っ は、 公 共 政 策 の 推 進 に よ り、 海 外 企 業 と外 国 か らの 投 資 家 の財 産 権 が著 し く侵 害 され 、 被 害 が 発 生 した場 合 に、 適 切 に 金銭 的 な 補 償 を しな けれ ば な らな い とい う こ とで あ る(19)。 憲 法 は 公 共 の 必 要 に よ る財 産 の 収 容 ・使 用 ・制 限 及 び そ れ に対 す る補 償 は、 法 律 で 解 決 す るが 、 正 当 な補 償 を 支給 しな けれ ば な らな い と明 示 して い る。 っ ま り、 財 産 の物 理 的 な 剥 奪 に至 る ま で の 明 示 的 な 対 応 措 置 だ け で な く、 使 用 制 限 に よ る所 有 権 の侵 害 も、 損 失 補. ㈹. 内 国 民 待 遇(NationalTreatment):WTOの. 基 本 原 則 の 一 つ で 自国 民 と同 様 の 権 利 を 相手 国 の. 国 民 や 企 業 に 対 し て 保 証 す る こ と 。(参 照.WorldTradeOrganizaitonandInternationalTrade Center(2008)"WorldTariffProfile.") (19間 接 的 に受 け 入 れ の た め の 補 償 。 一13一.
(14) 償 の 対 象 と な る。 政 府 は、 これ らの 憲 法 の 精 神 を考 慮 して公 共 政 策 を 推 進 す れ ば 、 投 資 協 定 は公 共政 策 推 進 の制 約 に な らな い。 投 資 協 定 で 発 生 す る ほ とん どの 紛 争 は、 財 産 権 に関 係 して い る。 公共 政 策 を 推 進 して み る と、財 産権 が 侵 害 され る ことが 発生 す る はず で あ る。 韓 米FTAの. 履 行 に よ り、 特 定 の 人、 特 定 の 集 団 に対 して 過 度 の 私 的 犠 牲 が 発 生 す る投 資. 紛 争 が 発生 した場 合 、 これ にっ い て は、 適 切 な補 償 と共 に 、 財 産 に対 す る被 害 を減 らす こ とが で き るよ う に政 策 を推 進 す る の は 当然 の こ とで あ る⑳。. 表5韓. 米 の投 資 状 況(単. 位:憶. ドル 、%). 認 欝騰 鴨1:辮辮 (出 所)韓 国 輸 出入 銀 行(2011)よ. 表6既. 締 結FTAのISD現. 1エ ー コ 弊. 区分. 効. 一 二 静三 三{. …. (7件). イン ド 寸. 一. 一一 . …一一 σ 一 一一 一 . 1. …1至 ∴ 「 窪 ニ ヨ. 1-__ [一一. 況⑳. 一 下ll111峰 璽 酉楚 一. 》蕊 空「 1発. り作成 。. 妥一結. 一 一一. (出 所)対 外 政 策 研 究 院 資 料 よ り作 成。 表7米. 区分 「 歯 「釆 由歪業巧 「. 国 関 連ISD現. 況(2010年. 基 準). 家勝訴 一. 璽 斗叫懸 平 牽障. 22(20.4%). L墜 国斑 毛 ←_. 1外 国 企業→ 6(40%). _丞 国取府t. (出所)外 交 通 商 部 の 統 計 よ り作 成 。. 注:米 国 関 連 のISDは 被 提 訴 件 数 は15件. な お、 韓 米FTAは. 総 数 で123件. で あ り、 内 訳 で は 米 国 企 業 の 提 訴 件 数 は108件. 、米国政府 の. で あ る。. 発 効 され た 期 間 が 短 い ため 、 大 規 模 なISD条. 項 に係 わ る訴 訟 とそ の. 裁 定 は発 生 して い な い 。 しか し、 本 稿 で は、ISD条 項 に か か わ る2っ の代 表 的 な事 例 に っ い て、 経 済 産 業 省(2012)「2011年. 版 不 公 正 貿 易 報 告 書 」 に 記 載 さ れ た 「内 国 民 待 遇 範 囲. ⑳. 参 照.Kirn・Kanho.2012.『 韓 米FTA争 点 」 韓 国 経 済 研 究 院 、Song・Bekhun.2011.『ISD 薬 に な るか?毒 に な る か?』 韓 国経 済研 究 院. ⑳EUFTA交 渉相 手 で あ るEU執 行委 員 会 は 、投 資 に 関 す る紛 争 解 決 手 続 き の交 渉 権 限 が な く、 そ の 権 限 は各 加 盟 国 に あ る 。 ほ と ん ど のEU加 盟 国 と の投 資 協 定 は 既 に締 結 したISDの 規 定 を 反 映 した 。 一14一.
(15) を 決 定 す る 要 因 は 何 か 」 を 参 照 して 、 検 討 す る 。 ま ず 、 「UNCTADの づ く紛 争 基 準(2010)」. で のISD条. 国 際 投 資 条 約 に基. 項 関 連 例 に は 、 カ ナ ダ政 府 が 米 国 企 業(な. に 対 す る 投 資 家 、S.D.MyersInc.)に. 訴 え ら れ た ケ ー ス が あ る。. い し同 企 業. こ の 事 例 は 、 ア メ リカ に. 本 拠 を 置 く メ イ ヤ ー ズ と カ ナ ダ政 府 と の 間 の 収 容 行 為 の 合 法 性 に 関 す る 事 件 で あ る。 メ イ ヤ ー ズ(SD.MyersInc.)は. 、 カ ナ ダ で 廃 棄 物 処 理 の 事 業 を 行 っ て お り、 廃 棄 物 を 米 国 内. に 輸 送 して 、 リサ イ ク ル す る 構 想 を 立 て て い た 。 メ イ ヤ ー ズ は カ ナ ダ政 府 と提 携 し て 、 技 術 提 携 を 含 む 、 出 資 を 行 い な が ら、 事 業 を 展 開 し て い た が 、 カ ナ ダ 政 府 は 対 象 有 害 廃 棄 物 (PCBs)の. 環 境Lの. 理 由 に よ り、 米 国 へ の 輸 出 を 禁 止(後. カ ナ ダ政 府 の 行 為 はNAFTA(第11章)に. に 撤 回)し. た 。 メ イ ヤ ー ズ は、. 違 反 す る もの で あ る と して、 仲 裁 裁 判 所 に提. 訴 した 。 判 決 で は メ イ ヤ ー ズ の1三張 が 有 効 で あ る も の と さ れ 、 賠 償 が 支 払 わ れ る べ き で あ る と さ れ た 。 そ の 際 、NAFTA関. 連 規 定 の 解 釈 に 関 し て 、 ま ず 裁 判 所 は 、 第11章. が次 の. 原 則 に 従 って 解 釈 され るべ きで あ る と した。 す な わ ち、 ① 当 事 国 は高 い環 境 保 護 レベ ル を 設 定 す る 権 利 を 有 して い る こ と、 ② こ の よ う な 措 置 を 経 済 環 境 の 偽 装 さ れ た 制 限 と な る よ う に 利 用 して は な ら な い こ と、 ③ 環 境 保 護 と経 済 発 展 は 相 互 補 完 関 係 に あ る べ き こ と の 三 点 を 示 した 。 加 え て 、 仲 裁 裁 判 所 は こ れ ら の 原 則 の 解 釈 と して 、 可 能 で あ る 最 も最 低 限 の 規 制 措 置(theleasttrade-restrictivemeasurespossible)を. と る義 務 を 各 国 が 負 う もの で. あ る と した。 ま た 、 「経 済 連 携 協 定(EPA)/貿 す る ガ イ ド ラ イ ン」(pp.11-16)で. 易 自 由 協 定(FTA)に. 対 す る環 境 影 響 評 価 手 法 に関. の 次 の 事 例 は 、Feldmann事. コ の 輸 出 業 を 営 む 米 国 系 企 業(CEMSA)が. 件 で あ る。 メ キ シ コ で タ バ. 、 従 来 、 消 費税 還 付 を受 け て い たが 、 制 度 変. 更 に よ っ て 生 産 業 者 か ら直 接 タ バ コ を 仕 入 れ た 輸 出 業 者 の み が 消 費 税 の 還 付 が 受 け ら れ る こ と に な っ た た め に 、 小 売 業 者 か ら 仕 入 れ て い たCEMSAへ. の 消 費 税 還 付 は 認 め られ な. くな り 、 こ の 点 が 問 題 化 し た 。 仲 裁 裁 判 所 は 、 「同 様 の 状 況 の 下 」 に あ る 会 社 の 母 集 団 は 、 タ バ コ の 再 販 売/輸. 出 事 業 を 営 む メ キ シ コ お よ び 外 国 系 企 業 で あ る と し、 そ の う え で メ キ. シ コ 系 企 業 を 優 遇 し た と判 断 し て 、 内 国 民 待 遇 違 反 で あ る と 結 論 し た 。 こ の 事 件 で タ バ コ の 再 販 売/輸. 出事 業 を営 む メキ シ コお よ び 外 国 系 企 業 を. 「同 一 の 状 況 の 下 」 に あ る と解 釈. し た の は 、メ キ シ コ 政 府 が こ の 主 張 に 同 意 し た た め で あ る。 こ の 事 例 は 、「同 一 の 状 況 の 下 」 に あ る こ とが 肯 定 さ れ れ ば、 内 国民 待遇 違 反 は当 然 に認 定 され る ケ ー ス で あ った。 この た め 、 メ キ シ コ政 府 が 「同 一 の 状 況 の 下 」 で あ る と 認 め た の で あ る か ら、 政 府 側 が 負 け る の は当 然 と言 え る。. 一15一.
(16) 6.2サ. ー ビ ス産 業 に対 す る懸 念. 韓 米FTA反. 対 意 見 書 助 こ含 ま れ て い る 内 容 の 一 っ は 、 サ ー ビ ス 貿 易 の ネ ガ テ ィ ブ リ ス. ト方 式 で あ るc3。 こ の 方 式 を 問 題 視 す る の は 、 韓 米FTAに. よ り米 国 企 業 型 の 賭 博 、 ア ダ. ル ト産 業 、 マ ル チ 販 売 業 な ど を 韓 国 内 に 無 条 件 に 受 け 入 れ な け れ ば な ら な い と い う懸 念 で あ る 。 韓 米FTAに. 定 め ら れ た サ ー ビ ス 貿 易 に か か る 主 要 な 義 務 は 、 内 国 民 待 遇 ⑳、 最 恵. 国 待 遇 ㈲、 市 場 ア ク セ ル 制 限 措 置 の 導 入 禁 止 ¢6)、 現 地 駐 在 義 務 の 賦 課 禁 止Gのの4っ. で あ る。. ネ ガ テ ィ ブ リ ス ト方 式 で は 、 留 保 表 槻 こ列 挙 さ れ て い る サ ー ビ ス に っ い て は 、 協 定 上 の 義 務 を 負 う 必 要 は な い ㈱。 こ の 点 、 韓 米FTAの. 附 属 書1と. 附 属 書IIに. は 「現 在 留 保 」 と. 「将 来 留 保 」 が 列 挙 さ れ て い る が 、 「現 在 留 保 」 と して 列 挙 さ れ た 、 サ ー ビ ス 分 野 に か か る 措 置 に 対 し て 、 自 由 化 に 逆 行 す る 方 向 で 変 更 す る こ と は で き な い と 明 記 し て い る。 こ の た め 、 ま ず 、 「現 在 留 保 」 を 列 挙 し た 附 属 書1に. 記 載 さ れ た サ ー ビ ス 分 野 に か か る措 置 は 、. 自 由 化 に 逆 行 す る 方 向 で 変 更 す る こ と は で き な い 。 しか し、 「将 来 留 保 」 を 列 挙 し た 附 属 書IIに 記 載 さ れ た サ ー ビ ス 分 野 に か か る 措 置 は 、 自 由 化 に 逆 行 す る 方 向 で 変 更 が 可 能 で あ る 。 な お 、 韓 米FTAに. お い て は 、 韓 国 側 の 現 在 留 保 は47分 野 、 将 来 留 保 は44分 野 に 対 し. て 、 米 国 側 は そ れ ぞ れ12分 野 、6分. 野 で あ る(3(労 。 し か し、 こ の 留 保 表 に 列 挙 さ れ た サ ー ビ. ス 分 野 に は 、 ア ダ ル ト産 業 、 マ ル チ 販 売 業 は 具 体 的 に は 列 挙 さ れ て い な い 。 サ ー ビ ス 貿 易 の ネ ガ テ ィ ブ リ ス ト方 式 は 、 開 放 し な い 分 野 だ け を 指 定 す る 条 項 で 、 事 実 土 す べ て の サ ー ビス市 場 を 開 放 す る と、 懸 念 が あ る た め、 義 務 を負 う ことが 適 当 で な い サ ー ビス分 野 は 、 留 保 表 に 列 挙 さ れ る 。 ま た 、 留 保 表 に 記 載 さ れ て い な く て も、 公 衆 の 道 徳 保 護 ま た は 公 の秩 序 維 持 の た め に 必 要 な 措 置 は、 講 ず る こ とが 可能 で あ る。 米 国型 の 産 業 が 無 差 別 に e2)朴 元 淳 ソ ウ ル 市長 は 外交 通 商 部 と行 政 安 全 部 に 「 韓 米FTA反. 対 意 見書 」 を 提 出 した。ISD条. 項 を 再検 討 しな け れ ば な らず 、 米 国 系 の 大 手 ス ーパ ー マ ー ケ ッ ト(SSM)の 無差別進 入に備え、 小 規 模 店 舗 の た め の 対 策 づ く りが 必 要 で あ る と い う内 容 を含 ん で い る。 囎 サ ー ビ ス貿 易 に は、FTAに よ って 義 務 が 課 され る範 囲 を 決 め る方 法 が二 っ あ る。 … っ は ポ ジ テ ィ ブ リス ト方 式 で あ り、 協 定 の 義 務 が 課 され る サ ー ビス を リス トに列 挙 して い く もの で あ る。 も う一 っ が ネ ガ テ ィブ リス ト方 式 で あ る。 この 方 弍 は そ の 名 の通 り ポ ジテ ィ ブ リ ス ト方 式 の 逆 で 、 原 則 と して す べ て の サ ー ビ スに 協 定 の 義 務 が 課 せ られ 、 リス トに列 挙 され た サ ー ビ ス は対 象 外 と な る。 内 国 民 待 遇 は、 米 国 の サ ー ビ ス供 給 者 に対 して 、 韓 国 の サ ー ビス供 給 者 に比 べ て 不利 で は な い 待 遇 を与 え る こ とで あ る。 ⑳ 最 恵 国 待 遇 は、 米 国 の サ ー ビ ス供 給 者 に対 して 、 第 三 国 の サ ー ビス供 給 者 に比 べ て 不利 で は な い待 遇 を 与 え る こ とで あ る。 ⑳. ②⑤ 市 場 ア ク セ ル制 限措 置 の導 入 禁 止 は、 韓 国 国 内 で 、 サ ー ビス供 給 者 の数 や事 業 の範 囲 を 限 定 す る量 的 制 限 を行 う規 制 の 導 入 を 禁 止 す る こ とで あ る。 eり 現 地 駐 在 義 務 の賦 課 禁 止 は 、 米 国 の サ ー ビス供 給 者 が 韓 国 に 事務 所 を設 置 す る とい った 条 件 の 要 求 を禁 止 す る こ とで あ り、 米 国 に 課 され る義 務 は、 韓 国 を米 国 、 米 国 を韓 国 に 置 き換 え た もの と な る。 ㈱. 留 保 表 とはFTAや 投 資 協 定 な ど に よ って 課 され た義 務 に対 して制 限 を っ け る部 分 を列 挙 した 表 で あ る。 ㈱ 除 外 さ れ た義 務 に 限 って い る。 ⑳ 参照.外 交通 商 部.2011.「 わ か りや す く書 い た 、 い わ ゆ る韓 米FTA毒 素 条 項 主 張 に対 す る 反 論 」. 一16-一.
(17) 韓 国 市 場 へ 参入 し、 小 売 業 者 の 廃 業 及 び 公共 料 金 の 引 き上 げや 健 康 保 険 の不 良 化 に よ り、 国 民 の被 害 は大 き い と懸 念 さ れ て い るが 、 韓 国 の 国 民 経 済 を危 険 に さ らす 原 因 は、 韓 米 FTAで. は な い。1990年 代 半 ば 以 降 か ら持 続 して き た サ ー ビス 業 の構 造 的 脆 弱 性 で あ る。. 韓 国 全 体 の 雇 用 の67%と 付 加 価 値 の割 合 の約60%は. サ ー ビス業 で あ る。 しか し、 サ ー ビス. 業 の 労 働 生 産 性 と付加 価 値 率 は非 常 に低 い。OECDGD諸. 国 の 中 で 、 韓 国 の サ ー ビ ス業 の労. 働 生 産 性 は23位 程 度 で あ る。 この よ うな サ ー ビス業 の 不 振 は1990年 代 半 ば以 降 か ら続 い て きた 。1990年 代 半 ば以 降 、 製 造 業 と は異 な り、 サ ー ビス業 で は市 場 と雇 用構 造 が 長 期 にわ た り変 化 して お らず 、 これ に よ り、生 産性 と競争 力 の 向 卜二 が 適 切 に行 わ れ な か った 。 韓 国 の 国 民 総 生 産 の約60%を. 占 め るサ ー ビス業 が 、 今 の よ うに知 識 べ 一 ス が低 い 労 働 集 約 的 な. 伝 統 的 サ ー ビス業 に停 滞 した ら、 今 後 の 韓 国 経 済 の 潜 在 的 な成 長 に 障 害 に な るの は間 違 い な い。 通 貨 危 機 以 降 、 製 造 部 門 で 強 力 な 構造 調 整 が 行 わ れ 、 労 働 集 約 的 な 産 業 部 門 を 退 出 した 人 材 は、 知 識 ベ ー ス が相 対 的 に 低 い流 通 サ ー ビス業 と飲 食 ・宿 泊 業 な どの 個 人 的 なサ ー ビ ス業 に吸 収 さ れ た た め、1990年 代 以 降 、 自営 業 中 心 の生 計 型 サ ー ビ ス業 が 拡 大 し、 製 造 業 に比 べ て サ ー ビス業 で の 雇 用 が 増 加 した。 問 題 はサ ー ビス業 で の 体 質 の 改 善 が 行 わ れ て お らず 、 労 働 生 産 性 は む しろ 低 下 した こ と に あ る。 小 規 模 な サ ー ビ ス企業 が 廃 業 を す る こ と に な る根 本 的 な理 由 を 具 体 的 に あ げれ ば、 第1 に、1990年 代 以 降、 韓 国 企 業 は技 術 進 歩 と生 産 性 の 向上 を奨 励 す る た め に、 製 造 業 を 中心 に産 業 政 策 が実 行 され た。 反 面 、 サ ー ビス業 で は 参入 障壁 が 高 くな って 様 々 な規 制 と 差別 的 取 扱 い が増 加 した。 第2に 、 韓 国 の サ ー ビス企 業 の零 細 性 で あ る。 サ ー ビ ス業 の 中 で 、 国 民 経 済 と密 接 な 関 係 が あ る部 分 は、 卸 ・小 売 業 と飲 食 ・宿 泊 業 で あ る。 ソ ウ ル市 の 事 業 数 は約73万 件 で あ る。 そ の 中 で も卸 ・小 売 業 と飲 食 ・宿 泊 者 数 は、 そ れ ぞ れ 約21万 件 と11万 件 で あ る。 卸 ・ 小売 業 と飲 食 ・宿 泊 業 を 合 わ せ る と、 ソ ウル 市 全 体 の 企 業 の約45%に. 達 す る。 また 、2009. 年 の 韓 国 の サ ー ビス企 業 の割 合 を み る と、5人 未 満 の サ ー ビス企 業 が 全 体 の サ ー ビス業 に 占め る割 合 は約88%で 内9人. あ る。 流 通 業 お よ び個 人 的 な サ ー ビス業 に 従 事 す る人 々の 約10人 の. は零 細 な 自営 業 者 で あ る。 身 近 な ス ーパ ー、 肉屋 、 レス トラ ンな ど を運 営 す る零 細. な 自営 業 者 が廃 業 を す る こ と に な る根 本 的 な理 由 は、 伝 統 的 な 生 計 型 サ ー ビス業 に 見 られ る生 産 性 の低 さで あ る。 実 際 に2004年 か ら2009年 ま で の 間 、 卸 ・小 売 業 と飲 食 ・宿 泊 業 の 廃 業 事 業 者 数 は、 そ れ ぞ れ 約 平 均15万 件 に至 る㈱。 第3に 、 対 外 開 放 と競 争 の不 足 で あ る。 韓 国 の 医 療 、 保 険 、 教 育 な どの社 会 サ ー ビス部 ⑳. 経 済 協 力 開 発 機 構(OECD:OrganizationforEconomicCo-operationandDevelopment)。. ㈹. 参 照.統. 計 庁.2011.「2004-2009年. の 事 業 体 の 生 成 ・消 滅 の 現 況 分 析 』. -17一.
(18) 門 と 飲 食 ・宿 泊 、 文 化 ・娯 楽 な ど 個 人 的 な サ ー ビ ス部 門 は 、 対 外 開 放 度 が 低 い し、 参 入 障 壁 が 高 く、 様 々 な 規 制 と 差 別 的 待 遇 が 多 い 。 こ の た め 、 こ れ ら サ ー ビ ス 部 門 は 、 労 働 生 産 性 と 付 力口価 イ 直率 も低 い 。 しか し、 韓 米FTAの. 影 響 で 海 外 の 大 型 流 通,業者 が 無 差 別 的 に 国 内 の 小 商 工 業 者 に 取 り. 替 わ る と は 主 張 で き な い 。 海 外 企 業 へ の 市 場 開 放 と貿 易 自 由 化 が 、 サ ー ビ ス 企 業 の 生 産 性 向 上 に 肯 定 的 な 影 響 を 与 え る こ と が で き る と い う 例 と し て 、 米 国 の ウ ォ ル マ ー ト(WalMart)と. フ ラ ン ス の カ ル フ ー ル(Carrefour)の. 韓 国市 場 へ の進 出 の 失 敗 例 が あ る。 世 界. 的 な 流 通 企 業 で あ る 、 米 国 の ウ ォ ル マ ー ト、 フ ラ ン ス の カ ル フ ー ル は 、 韓 国 市 場 に 既 に 進 出 し た が 現 地 適 応 に 失 敗 して 撤 退 し た 。 韓 国 の 消 費 者 の 好 み や 店 舗 陳 列 ・立 地 な ど を 把 握 で き ず 、 韓 国 企 業 と の 競 争 で 敗 北 した 。 他 方 、 韓 国 の デ ィ ス カ ウ ン ト ス ト ア は 、 韓 国 の 消 費 者 の 好 み に 合 っ た 流 通 サ ー ビ ス を 提 供 し な か ら、 世 界 屈 指 の ス ー パ ー マ ー ケ ッ トと の 競 争 で 勝 っ た 。 今 後 、 サ ー ビ ス業 は 先 進 化 さ れ ず に 現 在 の 状 態 で 停 滞 し た 場 合 、 韓 国 の 国 民 経 済 は 深 刻 な 事 態 に な る こ と は あ り う る。 した が っ て 、 サ ー ビ ス 業 の 様 々 な 規 制 と 差 別 的 待 遇 を な く し て 、 サ ー ビ ス 企 業 が 競 争 を 通 じ て 革 新 と 生 産 性 を 向 上 さ せ る こ と が で き、 サ ー ビ ス 業 に 存 在 す る 様 々 な 関 税 や 投 資 の 障 壁 な ど を な くす べ き で あ る 。 サ ー ビ ス業 の 海 外 企 業 へ の 市 場 開 放 を 奨 励 す べ き で あ る。 現 在 ・ 韓 国 の サ ー ビ ス 業 は 、 構 造 的 な 改 革 と 革 新 が 必 要 な 状 態 で あ る 。 韓 米FTAは. 、. 国 民 経 済 を 難 し くす る の で は な く、 む し ろ 、 国 民 経 済 と深 く関 与 して い る サ ー ビ ス 企 業 の 低 劣 な 生 産 性 の 向 上 に 最 も必 要 な 競 争 を も た ら す 。 ま た 、 韓 米FTAに. よ って 、 サ ー ビス. 貿 易 が 拡 大 す る と、 知 識 ベ ー ス が 高 い サ ー ビ ス 企 業 は 、 対 米 進 出 す る こ と が 可 能 に な り 、 海 外 雇 用 の 機 会 に も な る。 米 国 内 の 企 業 と の ネ ッ トワ ー ク を 構 築 し、 グ ロ ー バ ル な サ プ ラ イ チ ェ ー ン を 活 用 す る き っ か け に な る こ と も あ る 。 韓 米FTAに. よ っ て 形 成 さ れ る新 た な. 生 産 条 件 と 環 境 は サ ー ビ ス 業 の 先 進 化 を 早 め る 出 発 点 に な る こ と が で き る ㈱。. 7お. わ りに. 2008年 の ア メ リカか ら発 生 した金 融 危 機 が 世 界 経 済 に シ ョ ッ クを 与 え た 後 、 景 気 回 復 の た め に必 要 な 時 間 上 の余 裕 も与 え られ ず に 、2010年 に は、EU諸. 国、 特 に、 ギ リシア と ス. ペ イ ンの財 政 危 機 が か っ て経 験 した こ との な い よ う な混 乱 を引 き起 こ した た め. 、 世 界経 済. は経 済 危 機 の 連 鎖 の発 生 の可 能 性 に怯 え て い る。 韓 国 経 済 が 小 規 模 な経 済 構 造 か らそ の影 響 を 強 く受 けて い る こ とが 今 の韓 国経 済 の実 状 で あ る。 今 の よ う な世 界 経 済 が 不 確 実 な状 ㈹. 参 照.Che・Namseok.2011.『. 韓 米FTAが 一18一. サ ー ビス産 業 の先 進 化 を早 め る』 韓 国 経 済 研 究 院 ..
(19) 況 で は、FTAは. 韓 国 経 済 の 最 後 の 突 破 口で あ る。 輸 出 が 増 え れ ば 、 経 常 収 支 の 黒 字 が 可. 能 に な り、 韓 国 経 済 の不 確 実 性 と国 際 社 会 の 不 必 要 な不 信 を遮 断 す る こ とが で き る。 特 に ドルが 国 際 通 貨 と して の信 用 を急 速 に失 う、 緊 迫 した状 況 の 中 で 、 韓 米FTAこ. そ が韓 国. 経 済 の信 用 を 向上 さ せ る こ とが で き る確 実 な 手段 で あ る。 小 規 模 な 解 放 経 済 と い う構 造 的 特 性 を 有 す る 韓 国 は、 そ の 持 続 的 な 成 長 の た め に 、 FTA以. 外 に制 度 的 な装 置 が な い と い う事 実 が 、 韓 チ リ、 韓 イ ン ド、 韓EUな. したFTAの. ど既 に発 効. 効 果 で 説 明 さ れ て い る。 最 近 、 韓 国 経 済 が 見 せ た輸 出 実 績 と競 争 力 を 見 る. と、 巨大 な 経 済 国 とのFTAの る。 韓 国GDPの. 締 結 ・発 効 は既 存 の 輸 出 を 非 常 に 増 加 させ る と期 待 さ れ. 圧 倒 的 な 部 分 が ⊥ 業 分 野 に よ る もの で あ る。 韓 米FTAは. 、 韓 国 の 自動. 車 、 電 子 な ど の 工業 分 野 が さ らに 成 長 す る こ と に な る。 さ らに、 米 国 の低 価格 食 品 の 輸 入 の た め、 国 民 の 食 費 が減 る こ と に な る。 韓 米FTAは. 国 家 全 体 に利 益 を もた らす が 、 農 業 や サ ー ビス業 な ど の一 部 の競 争 力 の脆. 弱 な 分野 で は 被 害 が 発 生 す る ・∫能 性 が あ る。 被 害 を受 け る企 業 と労 働 者 の た め に 「貿 易 調 整 支援 法」 に よ り、 企 業 は、 新 しい貿 易環 境 の適 応 に必 要 な 情 報 と経 営 安 定 の た め の 資金 を受 け る こ とが で きる。 労 働 者 も迅 速 な転 職 及 び再 就 職 の た め の支 援 を受 け る こ とが で き る。 韓 米FTAは. 韓 国 の未 来 の た め に非 常 に良 い制 度 の一 つ で あ る。 しか し・ 韓 米FTA. が 発 効 して、 ま だ1年. も経 って な い と こ ろで 、 成 功 に至 る か、 後 で廃 棄 と再 交 渉 の 論 議 が. 続 く可 能 性 が 高 い か と い う よ う な、 韓 米FTAの FTAの. 運 命 を 予測 す る こ と は 難 しい。 韓 米. 効 果 を 実 際 に 国民 が 体 感 す るた め に は、 流 通 過 程 の改 善、 世界 経 済 の 回 復 、 規 制. 緩 和 な どを 伴 わ な けれ ば な らな い。 しか し、 慢 性 的 な 問 題 に 加 え 、 構 造 の 変 革 に は長 い期 間 が 必 要 で あ り、 実 際 の効 果 が ど の程 度 現 れ る か は 未 知 数 で あ る・ 関 税 を 引 き下 げ て も・ 流 通 過 程 で利 益 率 を高 め る な ど の課 題 が 残 って お り、FTAの. 効 果 をす べ て の 国 民 が 体 感. す る に は時 間 が掛 か る。 韓 米FTAの. 効 果 を 阻 害 す る、 複 雑 な 流 通 構 造 、 各 種 規 制 な どの 非 効 率 的 な シ ス テ ムを. 改 善 して 、FTAの. 効 果 を す べ て の 国 民 が体 感 で き るよ う に措 置 す る こ とが 今 後 の課 題 で. あ る。. 引. 用. 文. 献. (1)Baldwin,R.(1995)"ADominoTheoryofRegionalism,"inBaldwin,PerttiHaapararanta,and Jaakk。Kiander,eds.,ExpandingMembership・ftheEur・peanUni・n(CambridgeUniversity Press,1995),pp.25-48, (2)Cheong,1.,J.ChoandK.Park.2007.κ076α. 一ひSF7ン1加. InternationalTradeAssociation.. 19一. アz6!∂oo々ノ∂7∂ π∫加6∬. 〃z例 ・Seoul:Korea.
(20) (3)InstituteforInternationalTrade.2009."EvaluationoftheKorea-ChileFTAfiveyearssinceits conclusion."Seoul:KITA. (4)KoreaInternationalTradeAssociation.2009."EvaluationoftheTradePerf(⊃rmanceofthe Korea-ChileFTA."Seoul二KITA.∫. ノz、 κ076α7z.. (5)WorldTrade⊂)rganizationandInternationalTradeCenter(2008)"WorldTariffProfile." (6)Che・Namseok.2011.『. 韓 米FTAが. (7)Jeong・Inkyo.2002.『 (8)Kim・Songtae.2004。. 『韓 国FTAの. (9)Kim・Kanho.2012.『. 韓 米FTA争. (1①Song・Bekhun,2011.『ISD薬 (1D対. サ サ ー ビ ス産 業 の 先 進 化 を早 め る』 韓 国経 済 研 究 院. 東 ア ジ アFTAの. 妥 当 性 と 推 進 方 案 』 対 外 政 策 研 究 院. 政 策 と展 望 』 対 外 政 策 研 究 院.. 点 』 韓 国 経 済 研 究 院. に な る か?毒. に な る か?』. 韓 国 経 済 研 究 院.. 外 経 済 政 策 研 究 院 ・労 働 研 究 院 作 業 研 究 院 ・農 村 経 済 研 究 院 ・海 洋 水 産 開 発 院 ・情 報 通 信 政 策 研 究 院 ・放 送 委 員 会 ・韓 国 文 化 観 光 研 究 院 ・金 融 研 究 院 ・保 険 産 業 振 興 院 ・韓 国 開 発 研 究 院 2011.「. (12外 働. 韓 米FTAの. 経 済 的 効 果 分 析 」 国 会 韓 米FTA特. 交 通 商 部.2011,「. 統 計 庁.2011.『2004-2009年. (1の 高 安 雄 一.2012.「TPPの (1∂ 遠 藤 正 寛.2005.「 (1⑤ 奥 田 聡.2010.「. 素 条 項 主 張 に 対 す る 反 論 」.. の 事 業 体 の 生 成 ・消 滅 の 現 況 分 析 』. 正 し い 議 論 に か か せ な い 米 韓FTAの. 真 実 』 学 文 社.. 地 域 貿 易 協 定 の 経 済 分 析 』 東 京 大 学 出 版 会. 韓 国 のFTA-10年. (P経. 済 産 業 省.2012.『2011年. (㈹. 日 本 貿 易 振 興 機 構1.2008『. (19)馬. 別 委 員 会 報 告 資 料.. わ か り や す く 書 い た 、 い わ ゆ る 韓 米FTA毒. の 歩 み と 第 三 国 へ の 影 響 一 』 ア ジ ア 経 済 研 究 所.. 版 不 公 正 貿 易 報 告 書 』. 韓 米FTAを. 読 む 』.. 田 啓 一 ・浦 田 秀 次 郎 ・木 村 福 成.2012.「. 日 本 のTPP戦. ②①http二//www.fta.go.kr/new/index.asp. ⑳http://wits.worldbank.org/wits. 働http://databank.worldbank.org/ddp/home.do, ¢鋤http://www.ustr.gov/tpP.. 一20一. 略 課 題 と展 望 」 文 眞 堂..
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