中学校英語 第2学年 学習指導案
指導者 ○○市立○○中学校 教 諭 ○○ ○○ 1 単元名 「ALT の疑問に,説得力のある文章で答えよう。」 2 指導観 ○教材観 国際化またインターネットの普及が進み,海外との交流の機会は増え続けている。これに伴 い,日頃の生活の中でも英語で文章を書く機会が増え,その重要性がますます高まっている。 そのような中,本校における「書くこと」の指導は,「文法面」の指導に終始することが多く, 文章の「構成面」や「内容面」での指導を行い,自分の考えをまとまった量の文章で書かせる 活動が不十分であった。 そこで,本単元では,自分の考えをまとまった量の文章で書かせるために,ALT がカナダの 中学校の様子を紹介するとともに,生徒に日本の中学校に関する質問をする。生徒は、その質 問に対する自分の考えを説得力のある文章で書き、ALT に伝えることを目指す。 本単元は、言語材料の面で,動名詞や〈S + V(become) + C〉,接続詞の if 等の新出の表現を 学習することにより表現の幅を広げるとともに、新出言語材料とあわせて,I think~や to 不定 詞等の既習の表現も使用することができ,内容の面では,ALT によるカナダの学校紹介をもと に、ALT の質問に対して自分の考えを説得力のある文章で書いて伝える活動を仕組むことが できる単元であり大変意義深いと考える。 ○生徒観 これまでの英語学習において,子どもたちは,英語を使ってコミュニケーションを図ろうと する態度が見られ,英語に対する興味・関心が高いことがうかがえる。事前のアンケート調査 を行ったところ,英語学習を「大好き」「どちらかといえば好き」と答えた生徒は,64%で あった。英語学習における領域別に見ると,生徒が好きな領域は「話すこと」33,3%,「聞 くこと」27%,「書くこと」24,2%,「読むこと」15,2%の順であり,オーラルに よるコミュニケーション活動を中心にした授業を展開してきた成果が現れている。一方、嫌い (苦手)な領域は,「書くこと」36,4%,「聞くこと」27%,「話すこと」「読むこと」 18,2%の順であり,特に書く活動には苦手意識を持っており,「聞くこと」においては, 好きだが難しい(苦手だ)という意識を持っている。子どもたちが伸ばしたいと思っている領 域に関してのアンケートでは,「書くこと」が45,5%であった。その理由としては,「ど の表現を使ったらいいかわからない」「何を書いていいかわからない」というものが多かった。 書く力を伸ばしたい理由としては「いろいろな単語や表現を覚えて,英語の文章が書けるよう になりたいから」「外国の友達と英語でメールの交換をしてみたい」「テストでは書いて答え る問題が多いから」などがあった。さらに,同時に行った「書くこと」の領域における実態把 握テストの英語表現や単語に関する問題では正答率が72%,整序作文の問題では正答率が4 6%,自分の好きなものを紹介する自由作文では,8%という結果となった。また,自由作文 の問題では無解答率も26%と高かった。このことから,日ごろの授業の中での書く活動の不 足や、それに伴う、文章構成の指導が不十分だったことがうかがえる。そのために、単語や語 句を書く力や語句を英語の語順に並べる力とともに,自分の考えを創造し整理して書く力が不 足していると考えられる。 ○指導観 本単元の指導に当たっては,単元を「出会う」「深める」「伝える」の3段階で構成し,「構 成面」「内容面」「文法面」の3つの視点から次のような指導を行い,自分の考えを説得力の ある文章で書くことができる能力を育てる。・ 「出会う段階」では,新出言語材料を使って自分の考えを表現できるようにするために, まず,ピクチャーカードや学習プリントなどを活用して,口頭練習や対話活動を繰り返し行 わせ,新出言語材料に慣れさせる。つぎに,dictation, copying や暗写等の活動を通して,「書 くこと」に慣れさせ,最後に,自分の考えを理由も含めて2文程度の英語で書いて表現させ る。(文法面) ・ 「深める段階」では,あるテーマについての自分の考えを説得力のある文章で述べるため の準備を行う。「内容面」では,まず,量的な充実を図るために, 材料を列挙する活動やマ ップ作成活動を通して,自分が選んだテーマに関する情報をできるだけ多く収集させる。そ して,質的な充実を図らせるために,マップ上の材料をグルーピングして整理させる活動を 通して,収集した材料が多面的で自分の主張を裏付ける内容になるように取捨選択させる。 (内容面) また,説得力のある文章の構成を理解させるために,まず,モデル文章を提示して,主題 文と支持文からなる説得力のある文章構成に気付かせる。そして,自分の考えを説得力のあ る文章の構成で述べるために,アウトラインを作成させ、自分の主張を述べる主題文とその 根拠や具体例を述べる支持文の配列を決めさせる。(構成面) ・ 「伝える段階」では,説得力のある文章を作成するために,アウトラインに沿って主題文 や支持文を配列させ、文法規則に従った文にさせるために、辞書や補助教材を利用して主題 文と支持文を作成させる。その後で,チェックシートを利用して,一度書いた文章を,各自 で書いた文章を自分で、あるはい同じテーマの友達同士で推敲させる。(構成面,内容面, 文法面) 3 単元の目標 ○ 動名詞,〈SVC〉や接続詞 if などの新出言語材料や既習表現を用いて,積極的に説得力の ある文章を書こうとする意欲を持つことができるようにする。 ○ 動名詞,〈SVC〉や接続詞 if などの新出言語材料や既習表現を用いて,自分の考えを交換 する対話を行ったり,ALT の疑問に答えるために,説得力のある文章を書いたりすることがで きるようにする。 ○ 動名詞,〈SVC〉や接続詞 if などの表現が用いられた文章を聞いたり読んだりして理解す ることができるようにする。 ○ 動名詞,〈SVC〉や接続詞 if などの文構造を理解することができるようにする。
4 単元計画(7時間) 次 配時 学習活動・内容 ねらい 具体的な支援 3 ① 1 本単元の目標や新出言語材料に出会う。 (1)本単元の目標をつかみ,理解する。 ALT の疑問の例
I think students in Japan should wear casual clothes to school.
What do you think?
(2)本文を通して聴き,本文の内容の概要をつか むとともに,新しい言語材料に出会う。 ・本文の内容把握 ・新出語句の確認 ・ALTとのオーラルイントロダクションを行 い,ALTが疑問に思っていることを提示す る。疑問は,賛成,反対で答え,その根拠や具 体レガ述べやすい質問を数問準備する。 ・新出語句リストを準備し,本文の内容理解を補 助する。 3 ② 2 動名詞や〈SV(become)C〉の文を理解し, 英語で表現する。 (1)SVC の文を口頭で練習する。(チャンツ)
What do you want to become? I want to become a singer.
(2)カードゲームを行う。(動名詞 de 神経衰弱) I like playing tennis.
I enjoy watching TV. (3)ワークシートによる確認する。 ・繰り返し練習し慣れさせるために,チャンツや カードゲームなどを行う場を設定する。 ・口頭で練習した,新出言語材料を文字で確認さ せ,文字で自己表現できるような英作文の課題 を含む,ワークシートを準備する。 一 出 会 う 段 階 3 ③ 3 接続詞 if を含む文を理解し,英語で表現する。 (1)対話活動を行う。 「世界一週の旅」ゲームを行う。 If I visit Australia, I will see a koala.
If I visit the U.S.A., I will see The Statue of Liberty. (2)ワークシートによる確認する。 (3)「将来の夢」について自分の考えを書く。 ・対話活動で使ってみた新出言語材料の確認とそ れらを使って,文字で自己表現できるような自 由英作文の課題を含む,ワークシートを準備す る。 ・音声で使ってみた新出言語材料の理解度や定着 の度合いを確認するために,確認テスト(筆記) を準備する。 2 ① 4 ALT の疑問に対する自分の考えを,説得力のあ る文章で書くために,自分の主張の根拠や具体 例を述べる支持文に必要な材料の収集を行う。 (1)材料の列挙を行う。 (2)インタビュー活動を行う (3)マップを作成する。 ・材料の列挙活動では,材料を収集する手助けと なるように,収集する視点を提示する。 ・材料は自由に移動させることができるように、 付箋紙に列挙させる。 二 深 め る 段 階 2 ② 5 収集した材料を取捨選択する。 (1)取捨選択する視点を整理する。 (2)材料をグループ分けし,取捨選択する。 (3)説得力のある文章構成を練習する。 ・ディクテーション,暗写 ・文の並べ替え,ナンバリング等の練習 (4)取捨選択した情報を基に,アウトラインを作 成する。 ・マップのモデルを活用して、グループ分けやグ ループ名の付け方を理解させる。 ・説得力のある文章を書かせるために,モデル文 章を提示し、「主題文」に続き「支持文」が述 べられる文章構成に気付かせる。 2 ① 6 ALT の疑問に答える文章を書く。 (1)アウトラインに沿って,辞書や英作文お助け カードを使って、並べた情報を英文にして, 自分の考えを説得力のある文章にする。 (2)自分で書いた文章を自分や友達同士で推敲 する。 ・英語の文を書く活動を援助するために,英作文 お助けカードを準備する。 ・自分で推敲作業を行わせるために,文法や構文 などを自分で修正できるようにチェックシー トを準備する。 三 伝 え る 段 階 2 ② 7 友達が書いた文章を読み,内容を理解する。 (1)友達が書いた文章を読み,評価する。 (2)模範例文と自分の文章と比較する。 ・ALT とともに生徒にも評価を行わせ,積極的に 内容の理解を行わせるとともに,説得力のある 文章の構成を再確認させる。 ALTの疑問に,説得力のある文章で答えよう。 単元の目標をつかませ,新出言語材料に出会わ せることで,説得力のある文章を書いてみたい という意欲を持たせる。 Pre-Writing 活動をとおして,説得力のある文章 の「内容面」の充実を図らせるとともに,文章 構成法を理解させ「構成面」での充実を図らせ る。 ALT が疑問に思っていることに対する自分の 考えを,説得力のある文章で書かせる。
Pre-Writing 活動
5 Pre-writing 活動を行う授業の実際 第4時/7時間 (1) 本時の主眼 支持文の材料を数多く,多面的に収集することができる。 (2) 授業仮説 自分の主張の根拠や具体例を述べる支持文を作る場において,次のような手立てを仕組めば, 生徒は,支持文の材料を数多く,多面的に収集できるであろう。 〈手立て〉①気づいた材料を付箋紙に列挙させる。 ②同じテーマを選んだ友達との材料の交換(インタビュー)活動を仕組む。 ③マップの作成活動を仕組む。 (3) 準備 材料列挙シート,付箋紙、インタビューシート,マップシート、振り返りアンケート用紙 (4) 学習展開 学習・内容 教師の支援 評価の観点 時 1 あいさつをする。 2 Q&A 活動を行う。 (1)Q&A シートを使って,ペアで一 問一答式の対話活動を行う。 (2)記録シートに終了した質問ま でを記録し,感想を書く。 3 本時のめあてをつかむ。 (1)説得力のある文章に必要な支 持文について理解する。 (2)本時のめあてを確認する。 ○英語を使う雰囲気を高めるため に,教師から簡単な質問を行う。 ○Q&A シートを準備して時間内にで きるだけ多くの Q&A を行わせる。 制限時間は2分とし,Q&A の役割 は交代で行わせる。 ○記録シートに本時の達成度を記 入させ,感想を書かせる。 ○モデル文章を提示し、主張の正当 性を高めるために、根拠や具体例 を述べる支持文の必要性に気づ かせる。 10 4 支持文 に必要 な材 料を 収集す る。 (1)支持文に必要な材料を思いつ くままに列挙する。 (2)同じテーマの友達との材料交 換活動を行う。(インタビュー 活動) (3)マップを作成する。 ○材料を列挙する付箋紙(3色)を 準備する。 ○英語にすることができない材料 や表現は,日本語のまま列挙させ る。 ○材料の量的な充実を図るために, 重複する内容でもリストアップ させる。 ○インタビュー活動で収集した材 料は色を変えた付箋紙に書かせ る。 ○モデルのマップを提示して、マッ プ作成の具体例を示す。 ○マップ作成時に気づいた材料に ついても随時付箋紙に列挙させ る。 ・自分が選んだテーマに 関するアイデアを必要 な分量収集することが できる。 〈材料列挙シート, マップシート〉 ○自 分 が 選 ん だ テ ー マ に 関 す る ア イ デ ア を 必 要 な 分 量 収 集 す る ことができる。 (内容面)〈材料列挙シート, マップシート〉 35 7 本時のまとめをする。 (1)振り返りアンケートで本時の 自己評価をする。 (2)次時の内容を確認する。 ○単元の目標を再確認させ,本時の 活動を振り返らせる場及び時間 を確保する。 ○次時の内容を確認させ,見通しを 持たせる。 5 自分の主張を裏付ける根拠や具体例の材料をできるだけたくさん集めよう!
第5時/7時間 (1) 本時の主眼 収集した支持文の材料が,自分の主張の根拠や具体例となるように取捨選択することができる。 (2) 授業仮説 自分の考えをまとめる場において,次の手立てを仕組めば,生徒は,収集した材料を整理し, 自分の主張の根拠や具体例となるように取捨選択することができるであろう。 〈手立て〉①収集する視点の提示 ②材料のグルーピング作業 (3) 準備 マップシート,グルーピングの例,dictation シート,振り返りアンケート用紙 (4) 学習展開 学習・内容 教師の支援 評価の観点 時 1 あいさつをする。 2 Q&A 活動を行う。 3 本時のめあてをつかむ。 (1)単元の目標を確認するととも に,前時の学習内容を整理して 本時のめあてをつかむ。 ○単元の目標を掲示し,確認すると ともに,前時で作成した材料列挙 シートやマップシートを提示し て,前時での活動を振り返らせ る。 8 4 材料の取捨選択を行う。 (1)グルーピング作業を行う。 ・似通った事項や関連していると 思われる材料ごとにグループに 分ける。 (2)収集した材料の取捨選択を行 う。 ・編成されたグループのうち,目 的に沿わないものを削除し,3 つのグループにしぼる。 5 説得力のある文章の構成を理解 する。 (1)dictation や暗写などを行う。 (2)文の並べ替えやナンバリング などの練習を行う。 6 自分の考えを述べる文章のアウ トラインを作成する。 出会う段階で作成した主題文 と支持文続く枠組みのワーク シートの支持文の材料を ○モデルのマップシートを提示す る ○グルーピングの具体例を提示す る。 ○新しい材料に気づけばマップに 書き足させる。 ○dictation や暗写などの「書く」 の活動を通して,文章構成法に気 付かせる。 ○アウトラインに沿ったモデル文 章を提示する。 ・収集した材料を,取捨 選 択 す る こ と が で き る。 〈マップシート〉 ○収集した材料が,自分 の 主 張 の 根 拠 や 具 体 例 と な る よ う に 取 捨 選択できる。 (内容面)〈マップシート〉 ○ 説 得 力 の あ る 文 章 構 成を理解している。 (構成面)〈アウトライン〉 37 8 本時のまとめをする。 (1)振り返りアンケートで本時の 自己評価をする。 (2)次時の内容を確認する。 ○単元の目標を再確認させ,本時の 活動を振り返らせる場及び時間 を確保する。 ○次時の内容を確認させ,見通しを 持たせる。 5 収集した材料を整理して,説得力のある文章になるように取捨選択しよう。