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特・小「クイズ作りを楽しもう」

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Academic year: 2021

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特別支援学級 自立活動学習指導案

1 単元名「クイズ作りを楽しもう」 2 指導の立場 ○児童観 本学級のA児は、小学○年生である。図や写真などの視覚情報を頼りに行動することやそれらを基 に位置関係を捉えることが得意である。カレンダーを見て係活動の計画を立てるなど、視覚的に物事を 判断することができる状況では、自ら行動することができる。一方で、言語性ワーキングメモリの弱さ が見られ、聴覚情報を基に行動することに課題がある。教師や友達の発言を聞いても行動に移すことが できなかったり、分からないままやり過ごしたりすることがある。失敗経験の積み重ねにより、自己肯 定感が低い。来年度からは、高学年として臨機応変な行動を求められることが多い。このような状況下 では、A児は混乱することが予想される。そこで、中心課題を聴覚情報の保持とし、自立活動の「環境 の把握」「心理的な安定」の項目を関連付けながら、聴覚情報を保持することができるようにする。 ○単元観 本単元は、聴覚情報を視覚化することで、A児にとって必要な情報を保持し、行動のきっかけにする ことができるようになることをねらっている。具体的には視覚化するために、聞き直す、見せてもら う、代筆を頼む、メモをするという四つの代替手段を知り、適切に使うことができるようにする。その ために、単元「クイズ作りを楽しもう」を設定する。題材に取り上げる3ヒントクイズは、好きな食べ 物や趣味など、先生に関する六つの情報を、取材をしてメモ帳に書き残し、その中から三つのヒントを 選んで作成する。3ヒントクイズ作りは、情報を得るために、A児が代替手段を選んで使う必然性が期 待できる教材である。また、クイズを交流学級の友達に解いてもらうことで、代替手段を使って情報を 正しく保持することと、クイズ作りを関連させて考えることができ、代替手段を使うよさを実感できる 教材である。さらに、取材をする→メモに残す(視覚化する)→クイズを作るという一連の活動を繰り 返すことは、活動の見通しをもちやすく成功体験を積み重ねやすいため、自己肯定感の高まりが期待で きる。 ○指導観 本単元の指導においては、取材で得た情報をメモ帳に保 持し、クイズを作る際に生かすことができるようにする。 本単元で取り扱うメモ帳は、A児の聴覚情報の保持の困難 さを改善するために、メモ帳にテキストとフローチャート の機能を付加する。 テキストは、それぞれの代替手段の使い方と、どのよう な場面で便利であるかを記載したものである(図1)。 フローチャートは、四つの代替手段を、相手の様子や取 材の内容など、状況に合わせて自分で選んで使うことがで きるようにするためのものである(図2)。 全8時間で、段階的に代替手段を使うことができるよう にするために、指導 の段階を「知る段階」 と「使う段階」の2段 階に分ける。単元前 半の4単位時間、「知 る段階」では、取材活 動と並行して四つの 代替手段の名前、使 い方、どのような時 に便利かを整理する テキストを作成する。 単元後半の4単位時間、「使う段階」では、フローチャートを用いながら、状況に合わせて自分で代替 手段を選択しながら取材活動を行う。取材相手の先生とは、A児が毎時間四つの代替手段に出合うこと ができるように意図的に取材内容や伝え方について打合せておく。 なお、聞き直す、見せてもらう、代筆を頼む代替手段も、最終的にはメモをする。メモに必要な、聞 き分ける、すばやく書く、5W1Hを捉えるなどのスキルについては、単元を通して毎時間学習のはじ めに位置付けるゲーム的要素を含む活動「パワーアップタイム」で取り扱い、取材時のメモに生かすこ とができるようにする。 図2 フローチャート 図1 テキスト

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- 2 - 3 単元目標 ○ 相手の様子や取材の内容など、状況に合わせて自分で代替手段を選択することができるようにな る。 ○ 聴覚情報を保持するために、代替手段を適切に使うことができるようになる。 ○ 聴覚情報を保持するための代替手段を使うよさを実感することができるようになる。 4 単元計画(全8時間) 5 本時 令和○年○月○日(○)○校時 於 ○○○教室 6 主眼 ○ 代替手段を自分で選択して取材を行うという単元後半の活動の見通しをもつことができる。 ○ それぞれの代替手段のもつよさに着目して取材時に代替手段を選択することができる。 ○ 選んだ代替手段を適切に使うことができる。 ○ 代替手段を使うよさを実感することができる。 7 準備物 単元後半の学習手順表、既習図(4枚のテキスト)、フローチャート作成キット、活動の様子(写真) 8 展開(5/8) 活動・内容 指導上の留意点 導 入 1 単元後半の活動の見通しをもち、本時 学習のめあてを話し合う。 (1)単元前半に作成した4枚のテキストを 見ながら、それぞれの代替手段のよさを 振り返る。 ○ 四つの代替手段の名前と使い方、ど んな時に便利であるかを確認すること (2)フローチャートを作成する。 ○ 代替手段を選択する際の視点が分か ること ○ 活動の見通しをもつことができるようにする ため、単元前半の取材で「聞き直す」と「見せ てもらう」代替手段を無意識に使い分けていた A児の行動を価値付け、代替手段を選択するこ とに対する意欲を高める。 ○ 代替手段を選択する際の視点を視覚的に捉え ることができるように、フローチャートの空欄 に合う絵カードを、A児と一緒に動かしながら 完成させる。 単元名 ねらい 段階 配時 1 2 3 4 5(本時) 6 7 8 パワーアップ タイム 聞き分けゲーム 暗号文を書こう! 待ち合わせゲーム 遊ぶ約束 電車の運行時間等の変更 地震津波の避難訓練 目的 必要なことを聞き分ける すばやく書く 5W1Hを捉える 取材活動 取材計画を立てる 聞き直す 見せてもらう 代筆を頼む メモをする メモをする メモをする 取材内容の 分類 (全六つ) すぐにメモできる 四つ 聞き直す二つ すぐにメモできる 三つ 聞き直す一つ 見せてもらう二つ すぐにメモできる 三つ 聞き直す一つ 代筆を頼む二つ すぐにメモできる二つ 聞き直す二つ 見せてもらう一つ 代筆を頼む一つ 取材の場所 図書室 学級園(屋外) 相手の状況 資料は机上に置く 軍手を着用している 指導者の 立ち位置 資料の掲示 フローチャート テキスト なし 代替手段 聞き直す・見せてもらう・代筆を頼む・メモをする 教室 代替手段の一つを知り、3ヒントクイズを作成する 代替手段を自分で選択して3ヒントクイズを作成する クイズ作りを楽しもう ○四つの代替手段の存在を知ること ○それぞれの代替手段の使い方を知って使うこと ○それぞれの代替手段のよさを知ること ○状況に合わせて代替手段を選択すること ○選択した代替手段を適切に使うこと ○代替手段を使うよさを実感すること 知       る 使      う 5W1Hなど、必要なことを聞き分け、すばやくメモをする 資料は手に持つ A児の後方 テキスト フローチャート A児の隣 フローチャート作成

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- 3 - 展 開 終 末 (3)本時学習のめあてを話し合う。 ○ 代替手段を自分で選んで取材をする という活動の見通しをもつこと 2 自分で代替手段を選択しながら取材を 行い、クイズを作成する。 (1)校長先生に取材をする。 ○ 相手の状況に合わせて代替手段を選 択して使うこと (2)メモを見ながらクイズを作成する。 ○ 保持した情報をクイズ作りに生かす こと 3 学習を振り返り、本時のまとめをする。 ○ 代替手段を使うよさを実感すること 【フローチャート】 ○ 取材の場で成功体験を得ることができるよう にするために、 ①資料を見ながら話している人の写真 ②資料を持たずに話している人の写真 ③小声で話している人の写真 を用意し、代替手段を選択する練習をして取材 に臨む。 ○ A児が代替手段を選択した後、必要なスキル を使うことができるようにするため、4枚のテ キストを掲示しておき、随時確認しながら取材 ができるようにする。本時は初めて自分で代替 手段を選択する機会であるので、A児の隣に立 ち、フローチャートとテキストを示し、適宜助 言をしながら選択の視点を捉えることができる ようにする。 ○ 取材で正しく保持した情報を、クイズ作りに 生かしていることに、A児自身が気付くことが できるように、メモを見ながらクイズを作って いるA児の行動を価値付ける。 ○ 代替手段を選択する視点を振り返ることがで きるようにするために、選択した代替手段につ いて、理由を尋ねる。 また、振り返りをする際は、クイズを作るこ とができたのは、代替手段を自分で状況に合わ せて選んで使い、正しい情報をメモに残すこと ができたからであることを価値付ける。 校長先生の話し方を見て、自分で 技(代替手段)を選んで取材しよう。 取材のときは、相手の話し方を見て、技(代替手段)を選ぶとよい。 好きな給食は、カレーライスと 何でしたか。【聞き直す】 【人名】の「たけ」を漢字で書 いてください。【代筆を頼む】 今日の取材では、校長先生が資料 を持っているかを見ることを気を 付けました。四つの代替手段を使 って、聞いたことをメモすること ができてよかったです。 くつのサイズは 25.5cm ですね。 (復唱) 話していることがよく分から ない時や、どう書くか分から ない時です。 相手が資料を持っていな い時はどうしますか? 「書いてください。」 と頼みます。 指導者 A児 A児 A児 A児 聞き直してよく分かる内容だっ たらメモができます。どのよう な場合に見せてもらったり代筆 を頼んだりしますか? 指導者 使用することが 想定される代替手段 1 くつのサイズ すぐにメモをする 2 老後にやりたいこと 見せてもらう 3 家族構成 聞き直す 4 好きな給食 すぐにメモをする 5 休日の過ごし方 聞き直す 6 憧れの先生のタイプ 代筆を頼む 質問項目

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- 4 - 9 評価 本時の目標 評価基準 評価対象 の活動 評価 ○ 代替手段を自分 で選択して取材を 行うという単元後 半の活動の見通し をもつことができ る。 ◎ フローチャートを見たり、単元前半で無意識に代替 手段を選択することができていることを価値付けても らったりすることで、単元後半の活動の見通しをもつ ことができた。 ○ フローチャートを見たり、単元前半で無意識に代替 手段を選択することができていることを価値付けても らったりすることで、単元後半の活動の見通しをもつ ことができたが、選択することへの意欲の高まりは見 られなかった。 △ 単元後半の学習手順表を見て単元後半の学習の見通 しをもつことができた。 1(1) 1(2) 1(3) ○ それぞれの代替 手段のもつよさに 着目して取材時に 代替手段を選択す ることができる。 ◎ 取材時に、相手の状況を見て自分で適切な代替手段 を選択することができた。 ○ 取材時に教師と一緒に適切な代替手段を選択するこ とができた。 △ 取材時に教師の助言を受けても適切な代替手段を選 択することができなかった。 2(1) ○ 選んだ代替手段 を適切に使うこと ができる。 ◎ 選んだ代替手段の使い方を、自らテキストで確認し たり、想起したりして使うことができた。 ○ 選んだ代替手段の使い方を、教師の促しによりテキ ストで確認して使うことができた。 △ 選んだ代替手段の使い方を教師と一緒にテキストで 確認し、教師が言ったことを復唱して使うことができ た。 2(1) ○ 代替手段をつか うよさを実感する ことができる。 ◎ 振り返りをするときに、フローチャートの絵カード の言葉を用いて代替手段を選択した理由を話した。 ○ 振り返りをするときに、使いやすさの面から代替手 段を選択した理由を話した。 △ 振り返りの際、代替手段を選択した理由を話すこと ができなかった。 2(2) 3 10 板書計画

参照

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