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Academic year: 2021

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第1学年○組 道徳学習指導案 指導者 ○○ ○○ 1 主題名 「努力し続ける心」 〔1-(2) より高い目標を目指し、希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつ。〕 資料名 「散るな、俺!」(自作資料) 2 指導観 ○ 本主題では、目標をもつことの大切さに気付き、困難にもくじけず、より高い目標を目指し て努力し続けようとする意欲を養うことをねらいとする。 目標をもって生きることは豊かな人生を送ることにつながる。大きな目標を達成するために は、日々の達成可能な小さな目標を立て、達成感を何度も積み重ねることが必要である。その 成功体験が自分への自信や勇気となり、より困難なことにも立ち向かおうとする意欲を生む。 中学生の時期は、高い目標をもつようになる一方、達成する満足感が得にくいために挫折やあ きらめにつながりやすく、また、安易な方法を選択しがちである。しかし、失敗が自らを成長 させる糧となることが多い。そこで、自らの高い目標に向けて努力し続けようとする意欲が、 自らの可能性を高め、人間としてよりよく生き、充実した人生を送ることにつながることを考 えさせていきたい。 ○ 本学級の生徒は、夢や目標をもつことについては全員が大切だと考えており、目標をもつこ とのよさや価値を理解している。しかし、実態調査から、努力している途中でくじけそうな時 は、「あきらめたくなる」や「目標を立て直して新しい目標に挑戦した方がよい」等と考えて おり、ねばり強く最後まで努力できないという課題をもっていることが分かった。これは、目 標に向けて努力し続けるという道徳的価値についての理解が不十分だからであると考える。そ のような生徒に対して、まず、より高い目標に向けて、地道に努力する姿を好意的に受け止め させる必要がある。そして、自らも強い意志をもって目標に向かい努力し続けようとする意欲 を養いたいと考え、本主題を設定した。 ○ 本学習で活用する自作資料「散るな、俺!」は、糸島市志摩姫島を舞台にした映画で俳優と してデビューしたSさんを取り上げたものである。ドラマの撮影中、挫折を味わった主人公が 俳優を続けることに自信をなくすが、自分のデビュー作を見たことをきっかけに、再び強い意 志をもって努力し続けていくという内容である。 指導に当たっては、導入で、目標に向かって努力し続けることについて考えを交流し、めあ てを確認する。展開前段では、資料を3つに分けて提示する。まず、生徒自身の価値観を明ら かにしながら挫折しそうになる主人公に共感させる。次に、主人公がデビュー作の中で目標に 向かって努力していたシーンを視聴し、主人公に追体験させることにより、地道に努力する姿 を具体的にイメージできるようにする。さらに、現在の主人公の様子から、目標に向かって努 力し続けるという道徳的価値について、新たな側面に気付かせ多面的に捉えられるようにする。 展開後段では、自分自身を振り返らせる。その際、経験やそのときの心情を問うことで、目標 に向かって努力し続ける価値に関して、生徒が自分の感じ方や考え方を自覚できるようにする。 終末では、主人公からのビデオメッセージを通して、目標に向かって努力し続けることの価値 について、生徒が自分の思いや考えをまとめられるようにする。 3 ねらい ○ 主人公の心情や行為と今までの自分を重ねて考えることで、より高い目標を目指し、困難に もくじけず努力し続けようとする心情を育てる。

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4 準備 資料「散るな、俺!」、ワークシート、板書用挿絵 DVD「ここに、幸あり」(けんもち聡監督 発売・販売:エースデュースエンタテインメント) 5 学習指導過程 段階 学習活動と内容 教師の支援 配時 導 1 夢や目標に向かって努力し続けることについての考え ○今までの自分を振り返 3 入 を交流し、めあてを確認する。 らせ、ねらいとする価 T : より高い目標を目指して努力し続けるには、どんな心 値へ方向付けさせるた が大切だと思いますか。 めに、生徒の思考の流 S : 自分に負けない気持ち。 れを意識した発問の順 7 めあて 序性を工夫する。 より高い目標を目指して努力し続けるには、どんな心 が大切か考えよう。 展 2 資料「散るな、俺!」を読み、主人公の心情と自分と 開 を比較して考える。 前 (1) 「ボク」が挫折を味わうまでの場面についてあらすじ 20 段 を確認し、自分の体験を振り返る。 T : 歩道橋の上で一人たたずみながら、「ボク」はどんな ことを考えていたのでしょう。 S : どうせ無理だ。今まで努力してきたのに。 (2) 映画を見た後の「ボク」の心情の変化に気付き、目標 ○地道に努力する姿を具 に向かって努力し続けることの価値に気付く。 体的にイメージできる ように映像を用いる。 T : 映画を見終わって、「ボク」がいてもたってもいられ ○カテゴリーに分けて板 なくなったのは、どんな気持ちからだろう。 書し、道徳的価値を多 面的に捉えられるよう 〔補助発問〕 にする。 どんなことに気付いたから、また夢に向かって努力しよ うとすることができたのだろう。 S : 今までの努力を無駄にはできない。 (3) 努力し続けるために必要な心について考える。 展 3 高い目標に向かって努力し続けることについて、これ ○道徳的価値の自覚を深 10 開 までの自分自身を振り返る。 めるために、価値理解 後 T : 映画の中の「ボク」を見て、取り入れてみたいところ や人間理解につながる 段 はどこですか。 発問をして、じっくり S : 挑戦する気持ち。自分を信じる気持ち。 考えさせる。 終 4 Sさんからのメッセージを視聴し、これからの自己の ○Sさんからのメッセー 10 末 生き方について考える。 ジを活用して、自己の T : Sさんの話から学んだことは何ですか。 生き方について考えさ S : 挑戦し続ける気持ちを大切にしていきたい。 せる。

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資 料

ボ ク は 過 疎 が 進 む 小 さ な 島 に 生 ま れ た 。 学 年 に は ボ ク 一 人 。 一 つ 学 年 も 一 人 。 一 つ 上 の 学 年 に は 誰 も い な い 。 中 学 二 年 の 時 は 、 全 校 二 名 だ っ た 。 ボ ク は 生 ま れ 育 っ た 姫 島 が 大 好 き だ 。 で も 、 島 を 出 た か た 。 自 分 の 可 能 性 に チ ャ レ ン ジ し た か っ た 。 島 か ら 今 ま で だ れ も 行 っ こ と の な い 東 京 の 大 学 へ ・ ・ ・ 。 そ し て 、 ボ ク は 、 大 学 の 映 画 学 科 撮 コ ー ス に 進 学 し た 。 大 学 で は 、 仲 間 と 自 主 映 画 を 制 作 し 、 毎 日 が 充 実 し て い た 。 み ん 一 つ の 作 品 を つ く り あ げ る 喜 び が た ま ら な く て 、 ボ ク は 映 画 作 り に ど ん ど ん は ま っ て た 。 卒 業 後 、 本 格 的 に 俳 優 を 目 指 し て か ら 今 年 で 八 年 に な る 。 今 で は 、 ド ラ マ や 映 画 に し ず つ 出 さ せ て も ら え る よ う に な っ て き た 。 去 年 の 夏 、 ド ラ マ の 撮 影 中 の こ と だ っ っ 「 カ ッ ト 、 カ ッ ト 。 そ ん な ん じ ゃ ダ メ だ 。 何 回 言 っ た ら 分 か る ん だ 。 」 こ れ で 、 N G 七 回 。 今 回 は 、 金 融 業 界 で 働 く ち ょ っ と あ く の 強 い 役 だ 。 今 ま で 、 刑 事 多 か っ た ボ ク に と っ て 、 初 め て の 経 験 だ っ た 。 初 め て テ レ ビ に 出 演 し て か ら 五 年 。 こ れ ま で 、 映 画 に 七 本 、 端 役 だ が ド ラ マ は 二 〇 上 出 演 し て き た 。 セ リ フ だ っ て ち ゃ ん と あ る 。 ち ょ っ と ず つ 演 技 を 認 め て も ら え る よ な り 、 俳 優 と し て の 自 信 も 少 し ず つ 出 て き た 矢 先 だ っ た 。 ボ ク に も 意 地 が あ る 。 「 す み ま せ ん 。 も う 一 度 、 お 願 い し ま す 。 」 ボ ク は 、 必 死 で 監 督 に 頼 ん だ 。 し か し 、 結 果 は ま た N G 。 ボ ク は 、 監 督 が イ メ ー ジ す る 囲 気 を ど う し て も 出 せ な い で い た 。 焦 る 。 他 の 役 者 た ち の 出 番 を 待 つ 視 線 が 、 ボ ク に 刺 さ る 。 痛 い 。 苦 し い 。 「 お 願 い し ま す 。 も う 一 度 ・ ・ ・ 。 」 ボ ク は 、 そ う 監 督 に 頼 も う と し た 。 「 も う い い 。 こ こ の セ リ フ は 違 う 役 者 に や ら せ る 。 」 辺 り の 音 が 消 え た 。 頭 が 真 っ 白 に な っ た 。 マ ネ ー ジ ャ ー が 、 他 の 役 者 や ス タ ッ フ に 頭 を 下 げ て 回 っ て い る 。 自 分 の 無 力 さ が 情 け な い 。 台 本 は 書 き 直 さ れ 、 ボ ク が 言 う は ず だ っ た セ リ フ は 、 他 の 人 の も の に な っ た 。 ( あ あ 、 も う 限 界 な の か な 。 役 者 は や め た 方 が い い の か な 。 ) そ ん な こ と を 考 え て い る と 、 マ ネ ー ジ ャ ー が 戻 っ て き て ボ ク を 外 へ 連 れ 出 し こ う 言 っ た 。 「 こ の ま ま で や め て し ま っ て い い の か 。 確 か に 、 今 回 は 、 今 ま で に や っ た こ と の な い 役 柄 で 大 変 だ 。 で も 、 役 の 幅 を 広 げ る チ ャ ン ス な ん だ 。 こ の ド ラ マ の タ イ ト ル こ そ 『 チ ャ ン ス 』 じ ゃ な い か 。 次 に 向 け て 、 で き る こ と か ら や る ん だ よ 。 」 そ う 言 わ れ て も 、 何 か ら ど う 始 め れ ば い い の か 分 か ら ず に い た 。

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ま っ す ぐ 家 に 帰 る 気 に な れ な か っ た 。 日 が 暮 れ て 、 都 会 の 真 ん 中 、 ボ ク は 歩 道 橋 の 上 で 一 人 た た ず ん で い た 。 ( こ の ま ま 、 役 者 と し て や っ て い け る ん だ ろ う か 。 ) 不 安 を 紛 ら そ う と 、 や け 酒 で も 飲 み た い 気 分 だ っ た 。 ふ と 、 ポ ケ ッ ト の 中 の ケ イ タ イ を 出 す と 、 大 学 時 代 の 友 人 か ら メ ー ル が 届 い て い る の に 気 が 付 い た 。 『 今 度 は い つ テ レ ビ に 出 る ? 楽 し み に 待 っ て る よ 。 ブ ロ グ も 更 新 し ろ よ 。 』 ボ ク の 気 も 知 ら ず に 、 友 人 は 期 待 し て く れ て い る 。 期 待 さ れ れ ば さ れ る ほ ど 、 何 も で き ず に い る 自 分 に 腹 が 立 つ 。 思 え ば 、 デ ビ ュ ー 作 で 自 分 の ふ る さ と を 舞 台 に し た 映 画 に 出 演 で き た こ と は 、 役 者 と し て 恵 ま れ 過 ぎ て い た の か も し れ な い 。 ボ ク は そ の 後 も 、 C M や ド ラ マ 、 映 画 に 出 る こ と が で き て き た 。 何 年 下 積 み を し て も 、 セ リ フ を も ら え な い 人 も い る 。 ボ ク は 、 ど こ か で 何 と か な る と 思 っ て い た の か も し れ な い 。 ( も し か し た ら 、 ボ ク は 運 だ け で こ こ ま で 来 た ん だ ろ う か 。 役 者 と し て 、 成 長 し て い る ん だ ろ う か 。 ) ボ ク は 、 役 者 を 目 指 し た 頃 の 自 分 は ど う だ っ た の か と 、 確 か め て み た く な っ た 。 ボ ク は 急 い で 帰 っ て 、 そ の デ ビ ュ ー 作 を も う 一 度 見 る こ と に し た 。 映 画 の 中 で ボ ク は 、 姫 島 在 住 で 、 大 学 の 演 技 科 を 志 望 す る 浪 人 生 、 吉 田 邦 を 演 じ た 。 東 京 か ら 来 た 売 れ な い 役 者 、 幸 さ ん か ら 演 技 の ト レ ー ニ ン グ を 受 け る 設 定 だ 。 邦 は と に か さ ち く 恥 ず か し が り 屋 で 口 数 も 少 な い 。 も ち ろ ん 、 演 技 の ト レ ー ニ ン グ を 受 け る の も 初 め て 。 い く ら や っ て も 声 は 小 さ い し 、 体 も 硬 い 。 幸 さ ん に は 、 邦 の 本 気 が ま っ た く 伝 わ っ て こ な い 。 つ い に 幸 さ ん の 怒 り が 爆 発 す る 。 「 何 で お 前 み た い な ド 素 人 に 、 俺 が つ き あ わ な き ゃ い け ね ぇ ん だ よ 。 こ っ ち は 、 プ ロ の 役 者 な ん だ よ 。 」 幸 さ ん か ら 自 分 の 甘 さ を 指 摘 さ れ た 邦 は 、 夜 の 堤 防 に 立 ち 、 一 人 こ っ そ り 発 声 練 習 を す る 。 何 度 も 何 度 も 。 「 ア 、 エ 、 イ 、 ウ 、 エ 、 オ 、 ア 、 オ ・ ・ ・ 。 」 で も そ の 声 は 、 か 細 い 。 本 物 の 役 者 の よ う に 大 き な 声 は 出 せ な い 。 と て も 役 者 に な れ る と は 思 え な い の だ 。 そ の 姿 を 見 な が ら 、 ボ ク は 俳 優 を 目 指 し て 事 務 所 の オ ー デ ィ シ ョ ン を 何 十 回 と 受 け て い た 頃 の 自 分 を 思 い 出 し て い た 。 い よ い よ 映 画 も 終 わ り に 近 づ き 、 幸 さ ん が 東 京 へ 帰 る 日 の シ ー ン が 来 た 。 ひ た む き な 邦 の 姿 に 、 い つ し か 幸 さ ん は 、 心 か ら 邦 の 合 格 を 願 う よ う に な っ て い た 。 そ れ な の に 、 邦 は 幸 さ ん が ド キ ッ と す る よ う な 言 葉 を 口 に す る 。

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「 俺 ・ ・ ・ や っ ぱ 、 受 か ら ん と で す か ね 。 や っ ぱ 、 う で す よ ね 。 で も 、 ダ メ で も 頑 張 り ま す け ん 。 」 残 酷 な セ リ フ の は ず な の に 、 邦 は さ ら り と 言 っ た 。 ど な に 努 力 し て も 、 報 わ れ な い か も し れ な い こ と も 全 部 け 止 め て い る 邦 。 そ し て 、 決 し て あ き ら め よ う と し 邦 。 人 と の 競 争 で は な く 、 演 技 科 へ の 合 格 を 目 指 し た だ ひ た む き に 、 純 粋 に 、 努 力 し て い る 邦 を 見 て 、 ボ は 思 っ た 。 『 今 の ボ ク は 、 邦 じ ゃ な い 。 』 映 画 を 見 終 わ っ て 、 ボ ク は 我 に 返 っ た 。 い て も た っ も い ら れ な か っ た 。 今 ま で に 出 演 し た ド ラ マ や 映 画 の 本 を 、 片 っ 端 か ら 読 み あ さ っ た 。 台 本 に 書 き 込 ん で い た メ モ も す べ て 。 そ の こ と が あ っ て か ら 、 ボ ク は 時 間 さ え あ れ ば 、 他 の 人 の 芝 居 を た く さ ん 見 に 出 か よ う に な っ た 。 自 分 が 見 た り 、 聞 い た り 、 感 じ た り し な い と 演 技 は で き な い 。 特 に 、 は 自 分 の 苦 手 な ジ ャ ン ル の 芝 居 を 見 に 行 っ た 。 そ し て 、 家 に 帰 っ て 何 度 も 何 度 も マ ネ な が ら 練 習 し た 。 演 技 の 勉 強 会 に も 参 加 し た 。 必 死 だ っ た 。 と に か く 、 す べ て の こ と を 収 し た か っ た 。 ど ん な に き つ く て も 、 や め た い な ど 、 も う 弱 気 な こ と を 考 え た り は し っ た 。 目 の 前 の こ と に 一 つ ず つ ぶ つ か っ て い く だ け だ 。 今 ま で や っ た こ と の な い 役 に 戦 し て い る 。 そ の 甲 斐 あ っ て 、 ま た 、 映 画 や ド ラ マ に 出 し て も ら え て い る 。 人 と の 出 が 、 ボ ク の 人 生 を ど ん ど ん 広 げ て い っ て く れ て い る 。 今 日 も こ れ か ら 、 オ ー デ ィ シ ョ ン 。 散 る な 、 俺 ! 2008年公開映画 「バカバカンス」 主演 中田美智男 役 2009年 NHK 朝の連続テレビ小説 「ウェルかめ」 堺 一宏 役 2010年公開 日米合作映画 「レオニー」 詩人

河 井 醉 茗

役 2011年 NHK スペシャルドラマ 「坂の上の雲」 花田 三等兵曹 役

参照

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