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石狩管内の小中学校における「授業におけるICT活用」に関する実態調査報告 : 石狩教育研修センター・北海道立教育研究所との連携事業

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(1)Title. 石狩管内の小中学校における「授業におけるICT活用」に関する実態調査 報告 : 石狩教育研修センター・北海道立教育研究所との連携事業. Author(s). 花輪, 大輔. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 65(1): 237-244. Issue Date. 2014-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7561. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第 6 5巻 第 1号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n l Vo . l6 5 .No. l. 平成 2 6年 8 月. Augus . t2014. 石狩管内の小中学校における 「授業における ICT活用」に関する実態調査報告 一石狩教育研修センター・北海道立教育研究所との連携事業一. 花輪大輔 北海道教育大学. 学校・地域教育研究支援センター(学校教育研究支援部門). TheSurveyandR e p o r to n“P r a c t i c a lUs eo fICTi nL e s s o n s "i n ElementaryandJ u n i o rHighS c h o o l so ft h eI s h i k a r iD i s t r i c t AC o o p e r a t i v eE n t e r p r i s ebetweenTheI s h i k a r iE d u c a t i o n a lT r a i n i n gC e n t e rand TheHokkaidoE d u c a t i o nR e s e a r c hI n s t i t u t e. HANAWA D a i s u k e C e n t e rf o rS u p p o r to fS c h o o landR u r a lE d u c a t i o nR e s e a r c hD i v i s i o nf o rs c h o o le d u c a t i o nr e s e a r c hs u p p o r ts e c t i o n 一 HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. 概要 中央教育審議会は,平成2 4 年 8月に「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向 J において, 上方策について(の答申 ). な学びを展開できる実践的指導力,. 1 . 教科や教職に関する高度な専門的知識,. 2 . 新た. 3.総合的な人間力,の 3点を,急激な社会の変化に伴う. これからの教員に求められる資質能力として示した。その具体化に向けて最も強調された方策 の一つが,「教育委員会・学校と大学の連携・協働による高度化」である。そこで,石狩教育 研修センターを中心として,北海道立教育研究所,及び北海道教育大学一学校・地域教育研究 支援センター(学校教育研究支援部門). の三者が石狩管内の教育研究の充実のための連携・. 協働事業を立ち上げた。本稿は,その一環として,石狩教育研修センターの「学習指導の改善 に関する研究委員会」が研究の視点とする「授業における ICT活用」の充実に向けた実態調 査及び調査結果を報告するものである。石狩管内の教員の「授業における ICT活用」に関す る実態を明らかにするための質問紙を三者が連携・協働して開発・実施し,本学が中心となっ て分析を試みた。また,その調査結果と先攻研究の成果をふまえた考察から,今後の研究の方 向性を提言するものである。. 2 3 7.

(3) 花輪大輔. I はじめに かつてより,知識基盤社会におけるI"ICT1)J. 成した。 経験年数を最初の質問項目とし,それ以降の質 問項目とのクロス集計を試みることとした。. の在り方について,様々な機関がその重要性を指. 教員養成大学の視点からは, 1 9 9 8年以降に「情. OECDが示したキーコンピテンシー. 報機器の操作」が必修単位として位置づけられて. では,知識基盤社会を生き抜くために児童生徒の. おり,経験年数毎の授業における ICT活用の実. 情報通信リテラシ _2)が定義されている。我が国. 施率を明らかにすることができれば,カリキュラ. も例外ではなく,学習指導要領では児童生徒の情. ム改善につなげることも可能と考えた。. 摘してきた。. 報通信リテラシーに加え,教師が教材・教具とし. また,学習指導要領の改訂の経緯及び趣旨を踏. て ICT機器を活用することが示されるとともに,. まえ,評価の 4観点と ICT活用との相聞に関す. 「教育の情報化に関する手引き})では,「情報教 育J,1"教科指導における ICT活用 J, 1"校務の情 報化」の 3点が,教育の情報化の視点とされた。 そのような社会的な状況を背景として,石狩教. る意識を質問項目に位置づけた。 なお,研究委員会の性格上,研修の機会の提供, 及び研究紀要による情報の提供を意図した質問項 目を設けた。. 育研修センター「学習指導の改善に関する研究委 J では,情報教育の重 員会(以下,研究委員会 ). 要性を認識しつつ,平成 24年度より 2カ年計画で,. C T活用に関する調査」の概要 表 1 i授業における I ・調査対象:石狩管内の小中学校の教員. 各教科の目標の達成や授業改善のための効果的な. ・調査実施日:2013年. ICTの活用を研究の視点として設定した。様々. ・調査実施:石狩管内の各市町村から抽出. な段階のスキルの教員の想定をするなどして,研. ・調査方法:質問紙j 去による. 3 月 10 日 ~22 日. 究初年度より委員会の構成員による「授業におけ る ICT活用事例」の蓄積及び情報の発信を行っ. 表2. てきたが,よりニーズに適応した研究の推進を目 指し,石狩管内の教員の ICTに関する意識及び. 「授業における ICT活用に関する調査」 質問紙作成の視点. 1 .. 経験年数. 実態の把握を目的とし,平成 2 5年の 3月に,「授. 2 .. 担当学年(小学校),担当教科(中学校). 業における ICT活用に関する調査」を実施した。. 3 .. 使用経験のある ICT機器. 以下,本稿では,調査の方法,結果,考察及び. 4 .. 成果と課題を報告する。. E 調査方法 研究委員会と北海道教育大学学校・地域教育研 究支援センター(学校教育研究支援部門)とが連 携して,石狩管内の現職教員を対象とした「授業. ICTに関する研修の参加回数 ICTの使用頻度 6 . ICTの主な使用場所 7-1 . ICT活用と意欲・関心・態度との関わり 7-2 . ICT活用と思考力・判断力・表現力との 5 .. 関わり. 7-3 . ICT活用と技能との関わり 7-4 . ICT活用と知識・理解との関わり ICT活用を試みたい場面 8 .. における ICT活用に関する調査」の質問紙を開. 1 0 .. ICT活用が難しい理由 ICT活用に必要なこと. 発し,調査を実施した。調査の概要は表 1の通り. 1 1 .. 今後,授業で ICTを活用しようと思うか. 9 .. である。. 0 1 2年 3月に文部科学省が実施し 調査内容は, 2 た「教員の ICT活用指導力チェックリスト J4) を参考とし,右の表 2に示した視点で質問紙を作. 2 3 8. E 調査結果 石狩管内の各市町村より小中学校をそれぞれ 1.

(4) 石狩管内の小巾学校における「授業における ICT 活用」に関する実態謝査報告. 校ずつ抽出し調査を実施した。小学校 7校より 1 6 8. 調査結果は表 3-1~3-4 に示す通りである。. 名,中学校 7校より 1 2 7名の有効回答があった。. 表 3-1. (記述式回答については一部抜粋). 授業における ICT 活用に関する調査集計(経験年数:① ~10年・③ 11 年 ~20年・③ 21 年 ~30年・⑨ 31 年~). 1 経験年数 2 担当学年等(小学校). 2 担当教科等(中学校). 3 使用経験(複数回答可). 4 研修機会. 5 使用頻度. 6 主な使用場所. 7-1 意欲/関心/態度 7-2 思考力/判断力/表現力 7-3 技能 7-4 知識/理解 8 ICT活用を試みたい場面 9 使用が難しいと思う理由 (複数回答可). 10 ICT活用に必要なこと (複数回答可). 1 1 今後,活用したいか. 1年 牛 一 牛 一 2年 3年 牛 一 4年生 5年生 6年生 特別支援 その他 事 │l 語 社会 数学 理科 音楽 美術 保健体育 技術・米!廷 英語 特別支援 その他 PC タブレット PC デジタルプロジェクタ 実物投影機 (OHC) 電子黒板 デジタルテレビ テ事ジタルカメラ デジタルビデオカメラ その他 使用していない 1凶 2回 3回以十 受けていない 毎円使用 週 1程度使用 月 1程度使用 {吏用していない 普通教室 特別教室 コンビュータ室 使用していない 自定群(そう思う・やや思う) 合定群(思わない・やや思わない) 肯定群(そう思う・やや思う) 否定群(思わない・やや忠わない) 肯定群(そう思う・やや思う) 否定群(思わない・やや忠わない) 肯定群(そう思う・やや思う) 子干定群(思わない・やや思わない) 表 3-4に 点目抜粋 教材作成ノ~ì.土. 教材の準備 機器の操作方法 機器の準備が子問 機器の不足 教材の不足 活用場両がィ、明 研修機会の不足 難しいと思わない その他 教材の作成方法の習得 機器の操作方法の習得 機 器 コンテンツの充実 効果的な活用場面の情報 立 ; 援i 体市Jjの充実 その他 自定群(そう思う・やや思う) 否定群(忠わない・やや忠わない). ①. │②小│. 46 3 7 6 8 6 3 9 4. I. 5 1 6 5 7 6 7 1 1 7 2. I. 学③校 │④. │小計. 43 5 7 1 2 2 6 9 1 1. I. I. 28 3 2 2 1 3. 1 6 8. ①│②中│③学校 │④│小計 26. I. 42. I. 37 3 3 1 3 2 1 8 1 5 38 2 3 2. 1 8. I. 1 2 7. 8 9 6 7 8 5. 。。 45 3 40 40 1 7 1 9 40 1 7. I. 。 2 2 4 4 1. 41 7 28 3 1 2 1 2 1 28 7 2. 41. 23 1 1 7 1 9 6 1 3 2 1 9 1. 1 4 6 1 4 1 1 6 1 2 2 6 2 68 1 2 7 5 6 5. 2 1 6 2 2 22 5 1 7 7 5 1 3 1 1 1 2. 2 2 4 2 3 1 3 3 5 28 1 3 7 1 5 24 1 5. 。。。。。。 。。 。. 1 0 6 7 2 3 1 1 8 1 4 1 3 3 3 2 4 6 45 I 3 9 7 37 9 44 2. 1 0 8 1 0 23 1 3 1 2 20 5 35 1 9 5 5 1. 1 3 7 1 2 1 2 9 5 1 0 1 6 2 6 1 2 1 2 43. 3 2 9 1 4 4 3 4 1 7 8 2 4 1 3 27. 37 1 4 40 1 1 45 6. 37 6 3 3 1 0 41 2. 2 1 6 25 2 26 1. 9 2 9 5 2 7 1 3 8 4 3 5. 9 27 9 22 1 5 9 2 3 2. 1 0 2 5 5 1 8 1 2 1 2 1 7 5. 1 0 20 1 4 1 3 4 6. 。。。. 3 6 2 3 38 7 2 37 28 48 5 1 1 0 2 6 1 9 3 6 1 6 6 I 1 3 4 3 3 1 3 5 3 2 1 5 6 1 1 38 1 0 1 3 3 80 44 3 5 7 1 4 1 4. 3 4. 1 2 1 3 3 8 1 2 1 0 9. 。. 7 25 1 20 6 1 7 9 24 2. 1 8 1 5 24 2 3 1 7. 2 1 22 34 25 1 0. 2 5 2 5 27 2 5 1 3. 1 5 1 9 1 7 9 9. 7 9 8 1 1 0 2 82 49. 42 4. 45 5. 38 3. 22 5. 1 4 7 1 7. 。。。。。. ワ 】. 30 1 2 3 3 9 3 7 5. 8 1 6 4 1 2 1 1 5 3. 7 20 9 1 1 2 5 1 2 3 4. 3. ワ. 。 。 。。。。。。 1 2. 5 1 1 2 3 2 5 3 5 1 2 2 1 1 4 8 4 1 5 40. 1 4 1 3 2 1 1 1 4 2 23 3. 】. ワ 】. 1 5 28 3 2 1 5 5. 。. 38 4. 6 4 3 3 1 1 3 4 4 6 6 33 4 25 1 7 4 1 3 25 1 6 1 2 1 0 5 1 25 1 3 1 1 22 8 7 4 1 8 39 2 36 5 3 1 1 0 37 4 日. 22 9 1 6 1 7 1 4 2 4 2 1 1 7 23 28 1 6 7 1 35 4. I I 4. 。 。 2. 2 2 1 2 4 1 4. 。. 1 0 3 1 7 1 1 8. 。. 2 2 I I 1 4 1. 。. 9 8 4 5 1 8 1 7. 。. 1 5 2 1 5 2 1 6 1 4 1 0 4 5 6 5 2 1. 。. I 5 7 1 2 7 2. 。. 1 3 3. 総計 295 1 7 2 1 1 6 1 7 1 8 20 33 26 1 5 1 4 1 9 1 2 4 3 9 1 1. 1 3. 1 0 2 1 4 80 40 1 7 48 7 1 5 1 1 1 2 27 8 6 85 8 1 1 40 63 36 29 9 48 1 2 1 5 1 0 1 25 9 6 30 1 1 4 1 2. 1 3 1 3 248 28 1 9 6 1 6 2 79 1 1 6 1 9 8 1 0 7 6 1 2 63 3 1 44 1 5 7 45 39 88 1 1 4 1 3 8 35 28 84 287 6 235 58 2 3 1 62 270 23. 25 68 26 44 5 9 36 1 0 9 7 4 5 1 7 1 9 3 49 1 8 3 1 0 9 1 4. 63 1 6 9 59 1 2 4 1 0 3 7 1 1 7 23 2 1 4 1 3 0 1 5 2 1 9 5 1 3 1 67 3 256 3 1. 239.

(5) 花輪大輔. 表 3 - 2 授業における 担当学年(小学校) 5 使用頻度. 4年生. 特別支援. その他. 1年生. 2年生. 3年生. 毎日使用. 23.5%. 23.8%. 31 .3%. 週 1程度使用. 29.4%. 14.3%. 12.5%. 月 1程度使用. 29.4%. 38.1%. 12.5%. 43.8%. 33.3%. 45.0%. 24.1%. 14.8%. f 吏用していない. 17.6%. 23.8%. 43.8%. 6.3%. 11.1%. 20.0%. 41 .4%. 63.0%. 表 3ー 3 捜業における. 5年生. 6年生. 18.8%. 33.3%. 20.0%. 24.1%. 11.1%. 31 .3%. 22.2%. 15.0%. 10.3%. 11.1%. I C T活用に関する調査集計(巾学校使用頻度担当教科別%抜粋) 音楽. 美術. 保体. 技家. 英語. 毎日使用. 0.0% 14.3%. 0.0% 25.0%. 0.0%. 0.0%. 0.0%. 0.0%. 8.3%. 7.7%. 7.1%. 週 1程度使用. 0.0%. 5.3%. 0.0% 33.3%. 0.0% 42.9% 16.7%. 7.7%. 7.1%. 月 1程度使用. 6.7% 35.7% 26.3% 41.7% 50.0%. 担当教科(中学校) 5 使用頻度. I C T活用に関する調査集計(小学校使用頻度担当学年別%抜粋). 国語. 使用していない. 数学. 社会. 7.1%. 理科 8.3%. 特別支援その他. 0.0% 55.6% 42.9% 25.0% 53.8% 28.6%. 93.3% 42.9% 68.4% 25.0% 50.0% 66.7% 44.4% 14.3% 50.0% 30.8% 57.1%. 3-4 I C T機器の活用を試みたい場面倒(小学校算数抜粋). 表 1年生. 繰り上がりのある加法・減法 2 ・ブロックの提が 等. 2年生. 乗法の立式・)止、別立式・時計の針の動き. 3年生. 図形・円と球・二等辺三角形と正三角形・去と俸グラフ. 4年生. 凶形・而積。分度器等の実演・平均・折れ線グラフ・展開凶・見取り凶の描き方指導・分数 等. 5年生. 凶形・体積・凶形関係・等積変形のシュミレーション. 6年生. 凶形・円の而積・対称凶形 等. 全学年. 岡・具体物の提示・立体のイメージ・テスト解答・ノートの投影・ノート指導・自分の考えを発表。阿形の描き )j。 図形の性質・教科書拡大 1 0 0ます計算のタイム・解き方の共有・計算過程 等. 等. らについての考慮は含めず,あくまでも調査の実. 日常の授業における. I C T機 器 の 活 用 状 況. 石狩管内の小中学校(抽出)における「授業に ける. 等. ICTの 整 備 状 況 が 異 な る と 推 察 さ れ る が , そ れ. U 考 察. ( 1 ). 等. ICT機器の活用」の結果は前掲の通りとなっ. た 。. 測値からの考察を前提とし,特徴的な傾向につい て報告する。. 1年 以 上 2 0年 調査の対象は,小中学校ともに, 1 以下の層が最も多く,およそ同程度の経験年数の. ここでは,市町村やそれぞれの学校による. 構成となった。. ICT機 器 の 使 用 経 験 に 関 し て は , 学 校 種 別 の % 2a4. む%. 40%. PC ":"、". 80 唱. 60%. r L. J 明. を図 1に示した。 小学校・中学校ともに. PCの 使 用 経 験 率 の 高 さ. ク. ゐf. は一致しているが,実物投影機. 々 '. レジ. N. ブ口. 事プ. 剛一一. こ. 100%. (OHC) 及 び 電. 子黒板において小学校の使用経験率に有意差が見. 一 一 一 一 一 一 " : ' " i 吋. 軒 奥 様 … … r rr 中r h. 実物投影機 (OHC). られた。(カイ 2乗 検 定 : 実 物 投 影 機 : P =. I. 0 . 0 0 0 4, 電 子 黒 板 : P=0.0028). 科書ルチレピ. ヂジうまルカメラ デジ告ルビデオカメラ. ま た , 研 修 へ の 参 加 経 験 率 は , 小 学 校 が57%で. ←→←[戸~._.~←→[. 一一一一ーム一一~ 千. 3%に止まっている。 あるのに対して,中学校は3. ノ. その他~ 使用してい郎、ニコ. 図 1 小中学校別. 小学校 中学校. I C T機器の使用経験率. (カイ 2乗 検 定 : P=0.0005) こ れ ら の 状 況 に つ い て は , 中 学 校 で 平 成2 4年 度 に完全実施となった 1 0 1 5時 間 の 総 授 業 時 数 や , 部 活動の指導,青年期前期特有の生徒指導の難しさ. 240.

(6) 石狩管内の小巾学校における「授業における ICT 活用」に関する実態謝査報告. 。. などが,複合的に影響した結果と推察することが. 1日. Z む. 30. 40. w. w. m. 40. 50. 6臼. γ. w. できる。その影響からか,日常の授業における. ICT機器の活用の使用頻度は,小学校が中学校 と比べて高いことがわかる。(カイ 2乗 検 定 : p=O .0 0 0 4 5 ). o. 特に小学校においては経験年数が20年以下の教. m. 叫 日何 日 山 川 一 J. 員の使用頻度が 2 1年以上の教員と比較して高く, (カイ 2乗検定: p=0 . 0 0 0 0 5 ) 教員免許法にお いて「情報機器の操作」が必修科目として位置づ. γ一行,"",ヤープナ竺オ竺一寸ー?で寸ア潤圃圃圃幽圃 仲. けられたことが多少なりとも影響していると考え られる。しかし,中学校の使用頻度においてはそ の影響は一切昆られない。その要因のーっとして, 使用場所と教科との関連の可能性を指摘しておき たい。なお,研修機会と使用頻度についての相関. 下:図 3 ICT機器を活用することで児童の技能を 高めることができる (ともに小学校・経験年数別) その他. 特定の集団に対して教員が学習指導をすることが. 特却j 支援 茶 言 語. 一般的である。本調査においては,小学校におけ. 校衛調家康. る ICT機器の使用場所は 80%以上が普通教室で ある。. 圃感わない・ややJ 怒わない. 上:図 2 ICT機器を活用することで児童の思考力・ 判断力・表現力を高めることができる. 関係は,小中学校ともに認められなかった。 小学校は学級担任制のため,普通教室を中心に. I. 川. 以そう患う・ややそう思う. 保機体育. 量 産 衡 苦 苦 楽. 理科. 一方,中学校における使用場所は半数以上を特 別教室(コンビュータ室を含む)が占めており,. 数学. 社会. E 書類. 特に普通教室で行われる教科の使用頻度が低いこ. 。. 10. 1 5. 20. 10. 15. 20. その他. とが明らかとなった。これは中学校が教科担任制 であることと,そして各教科の主たる授業場(教 室)における ICT機器の整備状況とに要因があ. 特Jl J I 玄媛 英 言 語 技術拘家庭 傑綾体禽 義務. る 。 ICT機器の操作方法に困難を感じている割 合は,小学校,中学校ともにおよそ 20%と,同程 度である。しかし,. ICT機器の不足を感じてい. る割合は,小学校が 26%であるのに対し,中学校 では 4 6.5%となっている。つまり,小学校におい て ICT機器の不足を感じている教員は 4人に 1 人であるが,中学校では 2人に 1人が「使いたい のに f 吏えない J ; 伏j 兄にあるということカtできる。. ( 2 ). 4つの観点と ICT機器の活用との関わり. 審楽. 空襲科 数学. 社会. E 軍 務. o. 5. 8 そう患う・ややそう怒号. ・思わない・やや窓わない. 上:図 4 ICT機器を活用することで生徒思考力・ 判断力・表現力を高めることができる 下:図 5 ICT機器を活用することで生徒の技能を 高めることができる (ともに中学校・担当教科別). ここからは,本調査の視点の一つである,「学 習状況の 4つの観点 J5) と授業における ICT機. 児童生徒の「意欲・関心・態度」が高まると思う. 器の活用とに関する意識の状況について述べる。. か」という聞いに対して, 97%以上の教員が肯定. 『授業において ICT機器を活用することで,. 的な回答を示した。また,「知識・理解」との関. 2 4 1.

(7) 花輪大輔. 連についても,小学校で93%,中学校でも 90%の. 何よりもその活用自体が目的化しではならない。. 教員が授業における ICTの活用を肯定的に捉え. しかし,児童生徒の“学力"を保証するための 1. ていることがわかる。しかし,図 2~ 図 5 に示し. つのツールとして,或いは言語活動の充実のため. たとおり,「思考力・判断力・表現力 j,及び「技. の“きっかけ"としての可能性に目を向ける必要. 能」の高まりについては,肯定的に捉えている教. があると考えるものである。小学校と中学校を合. 員が多いものの,一定の割合で否定的な回答が見. わせて 87%の教員が,今後の授業における ICT. られたことが特徴的であった。. 活用に肯定的な回答を示しており,おおむねその. 9年に改正された学校教育法的では“学 平成 1. 力の要素"が, の習得,. 1 . 基礎的・基本的な知識・技能. 2 . 知識・技能を活用して問題を解決す. ような方向性についての共通理解が図られている といえる。. ICT機器を活用したい授業場面については,. 3 .主. 特に小学校全般で「算数」における教材提示での. 体的に学習に取り組む態度,として示され,現行. ニーズが目立った。低学年においては「算数」以. の学習指導要領の改訂に至った。また,思考力・. 外に,「漢字の書き順指導」のニーズも高い。そ. 判断力・表現力等の育成の視点から「言語活動」. して,学年の上昇に伴って,国語や算数以外のニー. の充実が「指導計画の作成等に当たって配慮すべ. ズが増える傾向が見られた。. るために必要な思考力・判断力・表現力,. き事項」の重点事項として示されたことは記憶に 新しい。. また,石狩管内の全体的な傾向として,特別支 援学級での ICT活用のニーズが,通常学級以上. つまり,授業における ICT活用と思考力・判. に高いことが明らかとなった。様々な子どもたち. 断力・表現力等の高まりに対する否定的な見方. の個性や特性にもよるが,「拡大して視覚に訴え. は,“視覚的な情報の共有"を言語活動の“きっ. るj,或いは「言葉で説明するよりも実際に見せ. かけ"とすることに対する否定的な見方と同義的. るj,1取り組み方の説明には動画を用いる」等の. と捉えることができる。. 1 1 旨導のユニバーサルデザイン」を目指した工夫. 技能の習得については,特に中学校のいわゆる. が明らかになったことは,本調査の成果の 1っと. “主要科目"といわれる教科で否定的な見方が目. 捉えている。なお,これらのニーズや指導上の工. 立つ。小学校とは違い,具体概念から抽象概念へ. 夫は,石狩管内のみの特殊事情ではないと考えて. 向かう中学校では,各教科の授業において具体物. いる。. の操作や演示を小学校ほど要しない。しかし,技. 主な研究委員会のへ要望(自由記述)は,. 1 .. 能については“ポイント"や“ノウハウ"を含め. ICT機器の活用に関するサイトの紹介,. 2 .. たプロセスの習得に関して,“視覚的な情報の共. . ICT ICT機器の活用例・実践事例の紹介, 3. 有“の必要がないとは断定するべきではない。な. 機器とアナログの教材・教具との効果的な併用の. お,授業における ICT機器の活用に関する「思. 紹介,の 3点に集約することができた。また,本. 考力・判断力・表現力」と「技能」の意識には相. 調査を通して,. 関関係が認められている。(相関係数:小学校:. もの『書く力」が低下するとの意見が,一部の研. r=0.58,P<O.Ol,中学校: r=0.66,P<O.Ol). 究先進校から寄せられたことが印象的であった。. ICT機器に頼りすぎると,子ど. どちらか一方を否定的に捉えたならば,もう一方 に対する意識も否定的だといえる。 前掲のとおり,学力が 3つの要素として示され. V おわりに. たことは,すなわち, と守れか一つの要素が欠けて. 本調査を通して明らかとなった石狩管内におけ. も学力として不十分であることを指す。授業にお. る教員の 'ICTに関する意識及び実態」は以下. いて ICT機器は万能ではないことはもちろん,. の 7点に集約することができる。. 242.

(8) 石狩管内の小巾学校における「授業における ICT 活用」に関する実態謝査報告. 1.小学校教員は中学校教員と比べて,実物投影 機 (OHC) の使用経験率が高い。. 充実には,対象の教員が非エキスパートというこ とを前提として,どのような情報を,どういった. 2 . 小学校は中学校と比べて,授業における ICT機器の活用頻度が高い。. n p u tし,どの段階までを拡大して o u t 機器に i p u tするかといった一連の流れを授業設計のルー. 3 . 中学校では,約半数の教員が ICT機器の不. ティーンとして位置づける必要性が見えてくる。. 足(必要な機能を含む)を感じており,「使い. 学力の 3要素の一つである「思考力・判断力・. たいのに使えない」状況にある。. 表現力」の育成のため授業は,習得した知識や技. 4 .授業における ICT機器活用と,児童生徒の「学. 能を活用し,多様な見方や考え方を共有化しなが. 習状況の 4観点」の育成の関連に対して肯定的. ら問題を解決していく“場の設定"が必要となる. な意見が多い。. であろうし,思考したり判断したりした児童生徒. 5 .授業における ICT機器活用と,児童生徒の「思. の考えは,ノート等に記されることになる。すな. 考力・判断力・表現力」と「技能」の関連に対. わち,ノートは,思考や判断,またはその根拠が. して否定的な意識が一定の割合で見られ,両者. 表現されたものであり,ノ一トを. に対する否定的な意識は同ーの回答者である. 覚情報"として学習集団で共有化を図ることは,. ケースが多い。. 現代に求められる授業ス夕イルの一つといえる O. 6 . 具体操作等を拡大提示し,視覚情報として共. そういつた視点からは,. i n p u tされる情報は,授. 業設計の段階で事前に準備しておくもの(デジタ. 有化する場面でのニーズが高い。. 7.通常学級以上に,特別支援学級で、のニーズが 高い。. ル教科書を含む)と,児童生徒のノートや作品等 の授業の中で生まれるものとに大別され,授業中 でそれぞれを提示する場面や提示方法,そして,. 2 0 0 8 ) は,当時の小学校教員が最 高橋・堀田 (. それに伴う授業効果が異なることがわかる。. も効果的と考える教室での ICT活用は,「教科. その一方で,今後の ICT活用は,これまでよ. 書・書籍を実物投影機で映し,写真や実物,考え. りもさらにもう 1歩踏み込んだフェーズに向かう. lだと指摘する。それは,すなわ 方を示すこと /. 必要がある。それは,教材等の拡大提示の際の焦. n p u tするための機器であ ち実物投影機は情報を i. 点化の手法とそれに伴う発話の精査である。この. り,その情報を拡大して o u t p u tすることによる. 焦点化の手法は,「書き込み,指し示し,着目点. 授業中の即時的な「視覚による情報共有化』を示. の拡大,着目点のマスク,アニメーションの 5. すものである。しかし,. ICT活用による授業効. つ}llが高橋ら ( 2 0 1 2 ) によって報告されている. i n p u tされた情報の最も効果的な o u t p u tの. 果の可能性が研究の成果として数多く報告(例え. が ,. 0 0 7 )却されてきたにもかかわらず,本 ば田中, 2. 方法,或いは,. 調査における使用頻度が高くはなかったことは,. u t p u tされた情報の効果的な扱い方と,そ した o. ICTのエキスパート教員が ICTの環境構成を「そ. れに即した授業場面等の探求が,授業改善への意. れぞれのこだわりに依存 }l している特殊性と,. ICTを含む) 識を高め,より効果的な教材や教具 (. 非エキスパートが「優れた実践が示されるたびに,. の活用につながると考えるのである。今後の授業. 自分がまだその段階まで及んでいないことに自信. における ICT活用の視点が,さらに深化するこ. をなくしかえって苦手意識を助長し,. ICT活. 用から遠ざかってしまう }Ol 意識との調整の重 要性を示すものであろう。. ICT機器の特性を最大限に活か. とを期待するものである。 本調査は,教育の情報化における,「教科指導 における ICT活用」に焦点化されたものである. 研究委員会の視点である,「各教科の目標の達. が,それらの活用の方策を機器の進化や時代の要. 成や授業改善のための効果的な ICTの活用』の. 1世紀型学力 請に応じて更新しつつ,児童生徒の 2. 243.

(9) 花輪大輔. の伸長を目指した「情報教育」に視点を広げてい. p . 6 1 1 0 ) 堀田龍也他 'ICT活用頻度の低い教員の ICT活用を. く必要性を強く感じるものである。. 3, 促すリーフレットの開発」日本教育工学会論丈誌 3. 2 0 0 9, p . 1 3 3. 最後に,本調査を実施するに当たりご協力いた. 1 1 ) 高橋純・安念美香・塀 田龍也「教員が ICTで教材等 E. だいた,石狩教育研修センタ一所長の常田拓孝先. の拡大提示を行う際の焦点化の種類」日本教育工学会. 生,副所長の吉川雅樹先生,指導員の津口敏之先. 論文誌 3 6,2 0 1 2, p .6 5. 生,赤井輝人先生,石狩教育研修センターと本学 との連携にご尽力いただいた道立教育研究所企 画・研修部長の北林靖市郎先生,研究主幹の西出 勉先生に心より感謝申しあげます。. 註及び参考文献 1 ) 'ICTとは I n f o r m a t i o nandCommunicationT e c h n o l ogyの略で,コンビュータや情報通信ネットワーク(イ ンターネット等)などの情報コミュニケーション技術 のこと」 文部科学省『教育の情報化に関する手引き~. 2 0 0 9, p. 2. 2)前掲書. p 2.. 3) 情報通信リテラシーとは「社会に有効に参加するた めに,情報に適切にアクセス,管理,評価し,新たな 理解を開発し,他者とのコミュニケーションするため の ,. ICTを利用する個人の能力」. 市川隆司. ~21 世紀型学力と情報教育に関する一考察」. 大阪信愛女学院短期大学紀要 4 6号 , 2 0 1 2, p 2 7 .. 4) 文部科学省「平成 2 3年度学校における教育の情報化 の実態等に関する調査結果(概要 ) J2 0 1 2 .. .go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/ http://www.mext i c s F i l e s /a f i e l d f i l e / 2 0 1 3 / 0 9 / 1 7/ 1 3 2 3 2 3 5 _ 01 .p d f 5)各教科により学習評価の観点は異なるが,ここでは, 「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)の概要」 にある, 4. 観点別学習状況の評価の在り方」を指標 とした。. 6)学校教育法(昭和 2 2年法律第 2 6号) h t t p : / / w w w . h o u k o . c o m / 0 0 /0 l/S22/026.HTM# 叫 7)高橋純・堀田龍也「小学校教員が効果的と考える普. 2, 通教主主での ICT活用の特徴 Jl::l本教育工学会論文誌 3 2 0 0 8, p. 1 1 7 8) 出中博之 'ICT活用による学力向上に向けて」. 教. 育展望 5 3 ( 9 ),2 0 0 7. 9) エ キ ス パ ー ト 学 習 指 導 に お い て H常的かっ効果 的に ICTを活Jtjし社会から一定の評価を受けている教 員 」 山田有之他「普通教室における日常的な ICT活片jを支. 4,2 0 1 0, える投影環境の検討」日本教育工学会論文誌 3. 2 4 4. (札幌校講師).

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参照

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