精神薄弱児の言語連想に関する研究 : その文法的分析
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(2) . l vo .23 NO .2. l。f 日0kka i d。 Uni Journa i f Bducat i ion 工C) s t on (Sect ver yo. February ,1973. 精神薄弱児の言語連想に関する研究 -- そ の 女 法 的 分 析 -- 末. 岡. 一. 伯. 北海道教育大学旭川分校教育心理学教室. Kazunori SUEOKA ; A St udy of Wrord Associations of. ly Retarded Chi N 1 l dren ental --- From. Grammat icaI Analysis 一--. は. じ. め. に. 我々の研究は, 精薄児の言語行動の特徴を明 らかにするために, 言語連想検査手法を用い, 正常 児との比較から検討しょうとしたものである, 1 5 ) (1 i 精薄児の言語連想に関す る研究としては, 古くは, ot s 915) のものがあり, 最近では, )( Horan9 ) 1 ) (1961 0 l in & Mc l S i 1 95 6) の精薄児の言語連想反応語の頻度表の研究, ver ste ain2 ,2 ,. 1964) の 連 想 過 程 と 年 齢, 性 差 知 能 そ れ に ホ ス ピ タ リ ゼ ー シ ョ ンと の 関 係 を 調 べ た も の Ke l , , i man ) (1967) の 意 味 と 文 法 的 な面 か ら連 想 構造 を 調 べ た も の & Moran1 2 S l i t t r , そ して, emme, Bar ,. )(196 Pe f l 9 t t i 8) 等の言語連想の文法的な分析法から, 正常児との比較より, 生活年 r e 齢 (CA) , 精神年齢 (MA) , IQ との関係, それに性差との関係を研究したものをみることが で. Bennett &. き る.. 連想作用は, 「山」 といえば 「 1 」 1 」 , 「高い」 といえば 「低い」 というように, 一つの概念や言 葉が次の概念や言葉を呼び起こすよ うな, 誰でも日常生活の中で経験のある, ごく当り前の事実な. のである, 連想という心理学的概念は, このよ うな簡単な経験から出発したものであり, すでに. 2 6 )に よ っ て 認 め られ て お り 過 去 連 合 主 義 心 理 学 の 根 本 原 理 と 考 え られ て い た 連 想 に つ l i Ar tot s e , . ) (1879) で あ っ た と さ れ て い る そ れ らは 機 械 的 な ton6 い て, 最 初 に 実 験 的 に 研 究 し た のは Gal , .. 連合の理論と して, 種々の批判を浴びなが らも, 連想の研究は衰えずに, 今日もなお, かなりの研 l )(1963)は, 今日の連想の研究は厳密に行動主義的であるわ l l t 究報告をみることができる, Jod e e. くをのりこえて, 同時に, 個人差といっ たものは, 言語の連想の一般構造の記述から出発 しないか ぎり, 正 しくは解釈されない. 故に言語連想の構造を考えたうえで, これを行動の総体の中に位置 づ け て 理 解 す べ き で あ る と して い る,. そこで精薄児の言語行動の特質を連想過程を通じて明らかにしようと思う,. l ) (1960), Ervin5 ) (1961) そ れ に Entwi ) 9 l F Muuss こ れ ま で, Brown & Berko s e , orsyth &. (1 9 64) 等が, 子どもの言語連想反応の形態は年齢の増加にともない発達的変化があると指摘して いる. 即ち, 刺激語と反応語との関係よ り, 反応語が刺激語と文法的に異なった品詞に入る Syn- -172-.
(3) . 8年2月 昭和4. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 第 23 巻 第 2 号. i c 反応へ移行する傾向 ic注1) 注2) 反応 か ら, それが文法的に同じ品詞に 入る Paradigmat tagmat ic 反 応 が あ る. そ の 転 換 移 行 の時 期 は 6 才 か ら8 才 の 間 で あ る と 報 告 して い る, こ の Syntagmat 1 ) (19 6 l k i & P l ) J o s k e r l e n n & a n Ber o (1960) や ic 反応 へ の変 化 は, Brown か ら Paradigmat. ) 等の研究によると, 子どもの言語行動に於いて, 文法的な能力の増大を証 拠づけるものであ る 64 1 4 ) (1970) 等 は,今 ま で の 研 究 よ り, 正 し l i )(1966) や Mc Ne 4 e と考えられて い る. ま た, Entwisl い女と意味的変則女を区別することができる時 期は6才から8才の間であることを 確かめている. i ic 反応から Paradigmat c 反 応 へ の 移 行 は 「意 味」 を 基 礎 と して 起 こ る のだ と そ し て, Syntagmat 解 釈 し て い る,. そこで, 我々の研究の目的は, 言語連想検査におけ る刺激--反応間の文法的分析法, 即 ち, そ. i ic 反 応 と Pa c 反 応 と の 関 係 か ら, 正常 児 と 比 較 す る こ と に よ り 第 1に は radigmat の Syntagmat. 精薄児の言語行動の特質を検討することである, 第2には, この言語行動 の 特 質 が, 精 神 年 齢 (MA) と生活年齢 (CA) にどのように作用 しているか, そして, 性差との関係はどのようにな っ て い る か に つ い て も 検 討 す る こ と で あ る,. ①. 被. 験. 法. 方. 究. 研. 者. 0名 (男5, 女5) の 被験者は, 精薄児群では小学生として4年生10名 (男5, 女5) と5年生1 0名であ 0名 (男5, 女5) の計2 0名 (男5, 女5) と3年生1 計20名であり, 中学生として2年生1 ) の計20 女5 0 ( 男5 1 名 , る, 正常児群も同 じく小学生として 4年生10名 (男5, 女5) と5年生 名であり, 中学生として2年生10名 (男5, 女5) と3年生10名 (男5, 女5) の計20名である, C A, M A, I Q 等 の 内 容 は, 表 1 の 通 り で あ る,. 尚, 知能検査は, 精薄児群は鈴木 ビネー個別検査であり, 正常児群は団体 式の知能検査の結果に 表T 被 験 者 構 成 精薄(小学生)正常(小学生)精薄(中学生) 正常(中学生) 平均 生 活 年 齢 ---- SD. (CA: 月数) ---- 範囲 平均 精 神 年 齢 ---- SD. (MA: 月数) ---- 範囲 知 能 指 数 平均 (IQ) SD 性 (人. 別 男 数) 女. = 124,95. 124 ,15. 7.53. 8,16 111トJ135. 108(J137. ・ 171,50 = 170.05 6.93. 4 ,36. 160ト ・189. J181 163ト 169.25. 79 ,70. 118.75 ; 118.75. 21.68. 14.70. 21 .56. 45ハJI04. J137 94(. }152 82ト. 147ハJ184. 64 ,80. 95 .25. 71,10. 101,70. 13.23. 9.61. 2.31 1 ‐. 6,19. 10. 10. 10. 10 ,. 10. 10. 10. 10. 10,22. 各群20 各辞とも小学生 (4~5年生) 中学生 (2~3年生) i t agma 5 c 反応, 名詞から )(1961 i ) は, 例えば, 名詞から名詞以外の品詞を連想する場合を Synt n 注 1) Brv i i own & Berko (1960) は, そ の 関 係 を Hetero- t c 反応とした. Br rd 名詞を連想する場合を Pa gma ne ous(同質) 反応と呼んだ, s(異質) 反応と Homoge ou gene ) によると 「統合的」 と 「連合的」 と訳してい i i i t c と Pa ) Syntagmat r ad c の訳語は, 丸山圭三郎” 注 2 gma る. 尚, 佐久間8月ま , これを 「直列的」 と 「並列的」 と訳している. 本文では原語のまま使用する. 73- -1.
(4) . Vo l ,23 No .2. l of Hokka ido Univer i Journa i i ty of Educat s on (Sect on IC). February ,1973. よ つ た.. ②. 刺. 激. 材. 料 1 )(195 刺激材料は, 坂本 7 8) の教育基本語藁集より, 小学校低学年用 (1~3年生④) で最も重 要度の高い単語 (①) を五十音ごとにラ ンダムにペー ジをめくり, A I の 名 詞, 次 に ペ ー ジ を め く. りA I の 動 詞, さ らに ペ ー ジ を め く り A Iの形 容詞という具合に各1~2語ずつ選 んだ. そのペー ジに適当な語がない場合には, 次のペー ジより選んだ. その結果200語程あがっ てきた これを望 , 3 )( 月1 1965) の精神薄弱児の語桑表に照 らし, さらに同音異語はなるたけ落すようにして最終的に は, 名詞, 動詞, 形容詞各21語, 計65語を選んだ, その中, 名詞, 動詞, 形容詞各1語計3語は練 習語として用いたの で, 本実験刺激語としては, 各品詞20語計60語である. 刺激語は次に示す通りである. o練習刺激語 : うし (名) , ぬらす (動) , はやい (形) o本実験刺激語 (名. 詞). (動. 詞). (形容詞). あかちゃ ん. あげる. あつい. えんぴつ. いれ る. い そカミしい. からす. うごく. え らい. くち. おきる. きたない. さかな. きめる. こわ い. し ごと. さわ ぐ. さ び しい. せいと. する. すばらしい. てぶく る. すわる. た の しい. ナイ フ. たおれる. たかい. につ き. ちらかす. ちいさい. にんげん. つかむ. と おい. ねこ. 、る で. . ふうせん. にげる. に く ら しい. ベ ん きょ う. ならぶ. ねむい. みかん. はたらく. は げ しい. やきゅ う ようふく. ふえ る. まるい. ぶっ. むずかしい. ライ オ ン. ほえる. や か ま しい. レコ ー ド. みえる. わかい. ろうそく. もつ. わるい. ③. 実 験 手 続 き. 刺激語は, 5 ×15cmの 厚 手 の 画用 紙 に 1語 ず つ 黒 マ ジ ッ ク ペ ンで 書 い た も の を用 いた, 60枚 の刺. 激 カ ー ドは 提 示 前 に ラ ン ダ ム な 順 に して お い て 与 え た.. 各被験者には, 次のような言語教示を与えた,. 「さ あ, こ れ か ら 一 緒 に 言 葉 の 遊 び を しま し ょ う. 遊 び のや り 方 を お話 しま し ょ う ね. こ こ に た. く さ ん の カ ー ドが あ り ま す, カ ー ドに は 1 つ ず つ 言 葉 が 書 い て あ り ま す, こ の カ ー ドを 1枚 ず つ み -17 4-.
(5) . 第 23 巻 第 2 号. 昭和4 8年2月. 北海道教育大学紀要 (第一部C). せます. そ して私が, カー ドの言葉を読みます. あなたは, このカードの言葉を聞いて最初に思い 浮 んだ 言 葉 を い っ て 下 さ い, 1 つ だ け でよ い の で す,」とい っ て 次 に,. 「それでは, 最初に, 練習をしてみます, さて私が 『うし』 といったら, あなたは, どんな言葉 を最初に思い出しますか.」 そして, 反応語が出た ら 「良くできました.」 とか 「大変良いです,」と. いってほめることによって強化するようにした. 次に 「ぬらす」 「はやい」 の練習を行ない本実験 に 入 る.. 提示方法は個別に行なった, いわゆる自由単一連想法である,. ④. 反応の分類基準. l ) (1968) 等 の Code を参考にし 次のように行なっ た, 9 反応語の分類基準は Semmel , l i 刺激語に対する反応語が連続的 (Sequent ) 即ち, その反応語は刺激語に隣接する関係におい a. l i ) 即ち, 非隣接する関係において生起するかである, て生起するか, 非連続的 (Non‐Se a quent 次の段階として, その反応語は同質的 (Homogeneous ) 即ち, その反応語は刺激語の品詞と文法的 t ) 即ち, その反応語は刺激語の品詞と文法的に異なっ て に同じであるか, 異質的 (He e r ogeneou s い る か で分 類 し, こ れ らの 4 つ の 決 定 因 を 組 み 合 わ せ て, 4 つ の 分 類 カ テ ゴリ ー に した. 注3) 即. ち次に示す通りである, l-Heterogeneous・ ia 1 (S-Ht) ( ) Sequent 連続的. -- 異質反応. 例えば, 刺激語 「まるい」 に対して反応語 「ポール」. ial-Homogeneous (S-Hm) 2 } Sequent (. 連続的 --・同質反応. ic Syntagmat. (統合的関係). 例えば, 刺激語 「おきる」 に対して反応語 「おきた」 ) Non-sequential-Heterogeneous (N S-Ht) t 3 非連続的. --. 異質反応. 例えば, 刺激語 「わかい」 に対して反応語 「すわる」. ial-Homogeneous (N S ‐Hm) 4 } Non‐Sequent { 非連 続 的. --. Paradigmat ic. 同質 反応. (連 合 的関 係). 例えば, 刺激語 「ナイフ」 に対して反応語 「りん ご」 反応語の分類カテ ゴリー別の判断は, 筆者と松下の2人で別々に行ない, その結果をつき合わせ. 9%であっ た. て不 一致のものは合議して決めた, 個々に分類を行なった分の一致率は8. 研. 究. 結. 果. 分類カテゴリー別による結果 表2が, 4群の4分類カテ ゴリーに対する平均%値注4) とその SD 値を示 したも の で あ る. それを図示したのが, 図1である. )( )(1961) 等 の 研 究 で は Synt i i igmat 19 2) やBrvin5 agmat c と Parad 注 3) Deese2 6 c の 2つの分類カテ ゴ , i 9 ) (1968) 等 の 分 類カ テ ゴリ ーと 対 比 して みる と, Paradigmat i リーに分けていたが, これを Semmel c i と N S-Hm が等 しく, Syntagmat c と は, S-Hm, S‐Ht そ れ に N S-Ht が等しい. ) 平均%値とは, 被験者個々の成績, 即ち60刺激語に対する60反応語を S-Hm, S‐Ht 注 4 , NS-Hm それ に N S-Ht の4分類カテゴリーに分け, その結果を, それぞれのカテゴリーに全体 ( 60反応語) の何% ずつ得点したかを算出し, その Total の平均である, SD 値は, その標準偏差である,. -175-.
(6) . vo l .23 No ・2. lof 日0 l dく id。 Uni i i i Journa t a on (Sect l lc) s o l ver y 。f Educat. February ,1973. 表 2 各群の反応語の分類結果 \\ 反応カテゴリー \ $. 、 \ \ \ \ ・ , 、\. \\\ \ 精薄小学生群 平均% (○). SD. 正常小学生群 平均% (△). SD. 精薄中学生群 平均% (口). SD. 正常中学生群 平均% (×). SD. i Synt c agmat. Paradigmat i c NS‐Hm. NS-Ht 1. 23 ,4. 13,58. --32 ,7. 17,7 5,60 18,2. 15 ,72. 6.69. ** 28 3 , 13 ,68. 17,8 5,59. --21,7. 17.9. 11,10. S-Hm. I. S-Ht. ‐一3,6 ** 2 ,75. --55.3 ** 12 .81. -5 .4. --43 .7. 2,42. 7,57. ** 3 9 , 2 ,54. ** 50 O , 15,74. ‐一3,3. 一‐57,1. 1 ,55. 6,69. 12 .69. **P< 01 ,. 図 1 各群の反応語の分類結果. NS-Hm. Nsー日も. 5- Hm. sーHt. 図 1 か らも 明 ら か なよ うに, 全 体 と して は, S-Ht の 値 が 一 番 高 く, N S‐Hm, N S-Ht , S‐. i Hm の 順 に 低 く な っ て い る. Paradigmat c 反応である N S‐Hm カ テ ゴ リ ー に つ い て み る と, 正. 常小学生群が, その値が 一番高く, 次いで精薄中学生群, 精薄小学生群, 正常中学生群の順であ る, 平均差の検定では, 正常小学生群が正常中学生群よりその率が高く, 統計的に有意であった, -17 - 6-.
(7) . 第 23 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和4 8年2月. その他の群間には有意 差はみられなかった,. i 次 に Syntagmat c 反 応 に つ い て は, N S-Ht カ テ ゴ リ ー で は 各 群 間 に 有 意 差 を 示 L た も の は な. かった, S-Hm カテ ゴリーでは, 正常小学生群が有意に高く, 精薄小学生群との間と また正常 , 中学生群との間に統計的に有意な差を示した, S-Ht・ カテ ゴリーでは, 逆に, 正常小学生群が有意 に低く, 精薄小学生群との間に, また正常中学生群との間に統 計的に有意な差を示 した . 品詞別によ る Paradigmatic 反応の結果 i 今までの諸研究の結果 と比較するため Paradigmat c 反応 (NS-Hm カ テ ゴ リ ー) に つ い て, 刺激語の品詞別にその反応結果をみたのが, 表3であり, それを図示したのが, 図2である ,. 表 8 刺激語の品詞別 \ 型 激 語 豪 s \ - 精薄小学生群 平均% (○). SD. 名. * P < o5 .. 形 容 詞. --42 ,50 * 16,70. 25,25 25,17. SD. SD. 正常中学生群 平均% (x). 詞 25 ,25. 精薄中学生群 平均% (□). 詞 ー 動. --25 .25 ** 13,78. 正常小学生群 平均% (△). Paradi i c 反応の平均%の結果 gmat. SD. --26,75. 16,99. 36,25. 19,43. 20,00. 24.97. 21 ,25. --‐30.50 ・. **. 一‐29 .25 * 21 52 . 一14,75. 19 .07. 24 .00. も F盗 ,. 」 --14.75. 19,27. ** P < ol . i 図 2 品 詞別 Paradigmat c 反応結果 又%. この結果から, 刺激語の品詞によっ て, 反応傾向が一様でないことがわかる. 即ち, 刺激語名詞 i i t では, 正常児群に Pa r ad c 反応が高く, 精薄児群に低い. 特に, 正常小学生群が有意に高 gma. く, 精薄小学生群との間と精薄中学生群との間に統計的に有 意な差を示した. 正常中学生群と精薄 -17 7-.
(8) . February ,1973. i i i f Educat ido Uni lof Hokka ct ver t on (Se on IC) s Journa yo. Vo l .23 No .2. 中学生群間には統計的に 有意差はないが, 前群が高いことがわかる, しか し, 年齢の増加 (発達段 階) によるその割合の増大はみられなかった, 刺激語動詞に関しては, 正常中学生群が低く, 精薄 中学生群との間に統計的に有意な差を 示した, 刺激語形容詞に関しては, 正常中学生 群 が 一 番 低. く, 正常小学生群が一番高い. そして, 正常中学生と精薄中 学生群との間と正常小学生群との間に 統計的に有 意な差を示 した, ic 反 応 に は あ まり 全体とLては, 精薄児群では, 名詞, 形容詞, 動詞の3品詞別の Paradigmat 差異はないが, 正常児群では, 品詞間に差 異がみられた, 即ち, 正常小学生群では, 名詞にその割 合 が高く, 次いで形容詞, 動詞であった が, 中学生群では, 名詞については小 学生群とほぼ同じで あるが, 動詞, 形容詞ではかなり 低い値を示していることがわかる. i c 反応の結果 nat 性 差 に よ る Paradigl i c 反応について, 性差による差異を みたのが, 表 4であり, それを図示したの 次に Paradigmat が, 図3である, ここでは, 精薄小学生群で男子の方が女子より若干高いことを示しているが, 他 の3群では, 女子の方が, その割合が高い, それぞれの間の統計的な検定の結果では, 有意差を示. 表 4 性差による ー Ss. \\性-. 精薄小学生群 正常小学生群 精薄中学生群 正常中学生群. 別. ・. ‐. 平均% SD. SD. 女(×). 計 (□). 24,00. 22 .83. 23,42. 38.83. 32 ,70. 11,94. 26 ,50. 18,16. 9 ,55. 平均% SD. 男 (○) 15 ,00. 平均%. i i t 図 3 性差による Pa r ad c反応結果 gma. i Paradi ・at c 反応結果 gn. 13.58 15 ,72. 28.25 29 27.33 ,17 13.68 15,59 11.04. 平均% 17.QO SD. 26 .50. 5,05. 精 通中 正 常多産祷. 21,75. 13.02. 学 生鮮. 11.10. したものはなかった. しか し, 傾向としては, わずかではあるが, 女子の方がその割合が高いこと がうかがえる. TT RS の. 結. 果. 表5は, 各群の品詞別 TTRS (Type‐Token Ratios) の 結 果 で あ る, 表 5 各群の品詞別 TTRS の結果 名. 詞. 動. 詞. 形. 容. 詞. 全. 体. 正 常1精 薄 正 常 f精 薄 正 常ー精 薄 正 常1精 薄 < 0.73. 小学生. o.68 > 0.67. 0,67. < 0.78. 0,70. < 0,76. o.69. 中学生. o,78 > 0,62. 0,73 < 0 .78. o,77. < 0.75. o.74 > 0.72. へ. V. へ. 圧. へ. 〉. 〉. これは, 刺激語, 名詞, 動詞, 形容詞各20語, 全体では60語のそれぞれの反応総数と異なる反応 数との比として求められたものである, 数値が大きければ (最高1) ,それだけ反応語の内容に変化 が小さく 動詞では逆に大きく 名詞では精薄群 があることを示す, 結果として, , 形 容 詞 で は, , -1 78-.
(9) . 第 23 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和4 8年2月. 小, 中学生で逆転 しており, 全体では, 小学生では精薄群, 中学生では正常群が大 き か っ た ま . た, 小, 中学生の比較から, 正常群では, すべて中学生の方が大きいのに対して, 精薄群では, あ まり差異がない, しかし, いずれも統計的には有意な差異を示さなかっ た, 刺 激 語 の 品詞 別反 応率 の 結 果 Ervin5) ( 1 9 61 ) 60) の. の. Syntagmat ic と Pa i l )( radigmat c の分 類 基 準, そ れ と Brown とBerko 19. Heterogeneous. と. Homogeneous. の分類基準からすると刺激語の品詞率をも併せて考慮す. る必要があるように思える. そこで, 刺激語の3品詞別の反応品詞率をあらわ したのが, 表6であ る,. 表6 刺激語の品詞別反応品詞率(%). 、 裂き品詞 添 s 唖繋\s. 詞. 名. 動. ,. 詞. 形. 小学生 中学生 小学生 中学生 小学生. 、. 名. 詞 率. 精 薄 群 正 常 群. 34 .50 57 ,50. 36 .75 46.25. 62 ,25. 動. 詞 率. 精 薄 群 正 常 群. 51.00 22 ,00. 48,50 24.50. 26,25 26.75. 形容詞率. 精 薄 群 正 常 群. 11 .25. 13 .OQ. 7,25 13.25. 19,50. 28.50. 57.25. 56,25. 詞. 容. 中学生. 59 .75. 58 .00 80.00. 30.75 14 ,75. 12 ,00. 11 .50. 10 ,75. 20 ,50 30 .50. 71.50. 12 ,75. 65.50. 8.50. 4 ,75 29 ,00 14.75. 2 検定) の検定結果を示したのが表7である グルー プ間の反応 ごとの有意差 ( ズ , 表 7 刺激語品詞別の反応品詞率のグループ間ごとの Z2 検定の結果 名. 詞. 動. 形. 詞. 3品. 3品. 名詞 動詞 形容詞 詞間 名詞 動詞 形容詞 詞間 名詞. 精薄小学生群x 正常小学生群 正常小学生群x 精薄中学生群 精薄中学生群× 正常中学生群. 容. 詞. 品 動詞 形容詞 3 詞 間. 10,65 18,14 df=1 df=1 ** **. 17 ,62 df=2. 3,87. 1 ,97. 8,60 19 ,99 df;1 df=1 *不 **. 15,78 df=2. 3 ,91. 1 .97. <. >. >. < ’ 12 5,01 7 .43 7 ,30 .27 ,81 df=1 df= df;1 df=1 15 ;1 ‐ df=2 ** ** * ** >. 精薄小学生群×. <. <. >. 11 31 5,99 d, dfご2 f;1 **. <. 1 .95. 1,94. 4 .40 4 ,37 3 ,97 df=1 df;1 * *. 3.93 9,70 df=1 **. 5.89 df;1 *. 9 ,91 df;2. >. 1,97. 精薄中学生群 正常小学生群x 正常中学生群 * P<. 05 ** P<. 01 <:大小. <. >. -i. >. 7 .03 df;1 **. 9,92 df=2. >. 刺激語名詞に関 しては正常小学生群が名詞率では高く, 動詞率では低く 精薄小学生群との間と精. 薄中学生群との間に統計的に有意であっ た, また, この関係は3品詞の相対的な 関係においても統 計的に有意であっ た, 精薄中学生群と正常中学生群との間では, 前者が有意に動詞率で高く, 形容 詞率では低く, その相対的な関係においても統計的に有意であった, -1 79一.
(10) . vol .2 .23 NO. i i i id。 Uni dくa l t on (sect l of 日0 on IC) s ver y 。f Educat . journa. February ,1973. 刺激語動詞に関しては, 精薄中学生群と正常中学生群との間で, 前者が有意に名詞率が低く, 動 詞率では高く, その相対的な関係においても統計的に有意であった. 正常小学生群と正常 中学生群 との間では, 前者が有意に名 詞率で低く, 動詞率で高かったが, その相対的な関係には有意差はみ られ な か っ た,. 刺激語形容詞に関しては, 刺激語動詞の傾向と一致しており, 正常小学生群と正常中学生群との 間の相対的な関係にも統計的に有意な差を示した. i t i c 反応に当る, 名詞の名詞率, 動詞の動詞率, 形容詞の形容詞率については, 尚, Pa r ad gma. 表 3の傾向とほぼ一致している,. 結. 果. の. 考. 察. ) (1961) 等 の 研 究 結 果 を 確 証 ) (1960) そ れ に Ervin5 本 研 究 の 結 果 か らは, Brown と Berkol. i t agma c 反応の割合が多い時期 するようなものは得られ なかった. 彼等は発達段階的にみて Synt ic 反応の割合が多くなる時期即ち, S‐P 変換の時期を6~8才におき, それ以 igmat か ら Parad l 等の研 究でもそ ic 反応の割合が大きくなるとした, Semme 後は, 年齢の増加につれ Paradigmat. i c ] ・学 生 4 ~ 5 年 生 で Paradigmat れ を 支 持す る 結 果 を 得 て い た. しか し, 我 々 の 研 究 結 果 で は, ′. i i t rad c gma 反応率が高く, 中学生 (年長) になると, その割合が下っ ている, 刺激品詞 ごとの Pa 応率を示 ) 9 ほぼ同数の反 l 形容詞では 19 64 ) 等の研究によると, 名詞, 動詞, se ( 反応では Bntwi , l 等の研究では, 名詞に若干高く, 前置詞 (低い) 以外の動詞, 形容詞, 助動詞, 代名 し Semme ,. 詞等では, ほぼ同数の反応率を得て いる. 我々の研究結果では, 精薄児群では, 小, 中学生ともほ ぼ同数であるが, 正常児群では品詞間に差異がある, 小学生では, 名詞で高く, 形容詞, 動詞の順 である. 中学生では, 名詞は小学生群と同 じ傾向 (高い) だが, 動詞, 形容詞については有意に低. くなっ ていた. またグルー プ間の相互関係では名 詞では, 有意に正常児群が高かい, 動詞, 形容詞 ではともに正 常中学生群が有意に低い, 名詞に関しては Brown と Berko そ れ に Ervin 等の結果 ) (19 とほ ぼ等しいといえそうである. 動詞, 形容詞に関 しては支持できな い. これは賀集と石原7. 69) 等の名詞, 代名詞に関 しては同傾向を示すが, 他品 詞では英語の場合とは逆の結果を得たと報 告しているの で, 我々の研究結果でも英 語の場合と異なった結果を得た のは, 妥当なところなのか も知れない. 日本語と英語その他の外国 語との文法的な違いによる連 想構造の差異は今後比較研究 を必要とする点であろ う. ic 反応が高い l 等 の 研 究 では, 同 年 齢 では, 女 子 に有 意 に Paradigmat 性 差 に つ い て は Semme. 2 ) (1941) 等 の 言 語 発 達 に 2 ) (1962) や Si rkin と Lyons 結果を得た. これは, Goda と Gri伍th8 関する研究結 果では, 年長になるに従っ て女子の方 が男子より高い水準の言語発達を示すことに関 i i t C 反応が rad トで, 女子に Pa gma 連させて解釈 している. 我々の研究結果では, 精薄小学生群以タ がえるが 女子が高いことはうか た それぞれ 示したが 統計的には有意ではなか 多いことを ,確 っ , ,. 証はできなかった,. 全体的にみて, 正常 児と精薄児間に典型的な差異はみい出せなかった, これは, 刺激語選択の方 法に関連 があるのかも知れない. 刺激語は, 精薄児の最もよく使用する語桑を選んでいる.だから, ● 精薄児は, 自分達の日 常生活でよく経験 していて慣れている言葉 であっただろうと思う. それが,. 正常児との差を 明確に出さなかったのだと推論することができるかも知れない. 刺激語を品詞別にみてみる と, その傾向の違いが出ていることがわかる. 表 3, 表7からもわか. i C る よ う に 名 詞 で は, C A が 同 じで も I Q の高い方, MAが同 じでもI Q の 高 い 方 が, Paradigmat. 反応の割合が大きかっ た. しかし, 動詞,形容詞では,正常中学生に有意に低いことがわかったが, -18 0-.
(11) . 第 23 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 8年2月 昭和4. M A, C A, I Q と の関 係 は 明 確 で は な い,. また, 精薄児群では, 小, 中学生とも3品詞に対す る Paradigmat i c 反応の割合が, ほとんど同 じなのに対 して正常児群では, 小, 中学生とも名詞に高く, 動詞 形容詞に低かっ た 特に中学生 , . 群では, 名詞に対してその動詞, 形容詞の割 合が有意に低かった, このことは 動詞 形容詞より , , も名詞に意味的特 徴が強いためではないかとも考えられる.. 要. 約. 精薄児群 (小学生, 中学生各20名) と正常児群 (小学生, 中学生各20名) に 名詞 動詞 形容 , , , 詞各2 0語計60刺激語を用いて, 自由単一連想検査を行なった その結 果を 文 法 的 (Syntagmat ic と . i Pa i t r ) に分析し, 両群を比較検討した. それで, 次のような結果を得た ad c gma . ① 全体として, 精薄児群と正常児群との間には, 有意な差はみられなかった , ② 刺激語の品詞 ごとの比較からは,.名詞において正常児小学生群が有意に Pa i i t r ad c な反 gma 応が高く, 精薄児小学生群と精薄児中学生群との間に有意な差が認 められた 動詞 形容詞では . , , 正常児中学生群が有意に低く, 精薄児中学生群と の間に有意な 差が認 められた . ③. Paradigmat ic 反 応 か ら比 較 した 男 女 の 差 に つ い て は , や や 女 子 に 高 か っ た が, 統 計 的 に は. 有意な差は認められなかった,. 引. 用. 文. 献. i 1) Brown, R, i i i aヒ on and the acqui rd assoc t α粥d D鋤e s ′ . on of gramme ,J , & Berko ,1960 Wo oか“ , , 31, 1‐14, 2) Dee l se assand the det i i nant ermi s ofas . soc at on ,J ,1962 Form c ,ノ .“ける . 〃αγ揺 りのみ . β豹αり .1 ,79一84. l 3) Entwi s e syth, D. R. i s t i i f dren’ i ac c-paradigmat tin ch } , D. R. , For csh s , & Muus , R. ,1964 Thesynt i i わ 乙 word as わ / β soc ひ ル at ons げ 伽γ 刀 り “ 3 g リ 1 - 2 ロ 9 9 . . . . . リ , . iat i e 4 ) Entwisl dren rd Assoc l on of Young Chi , D. Rr l966 Wo s .JohnS Hopkin Pres . 5) Ervin, S. th age in the verba } de t ia i ermi s of word-a nant t , 1961 Changes wi s soc on . A釧餅. ノ . Psycんoん 74 ,361一373, G l i 6) a t on, F, iment r c Bx r s 43 -1 62 pe ,1879 Psychomet 69 連想基準表 東京大 . βγ諺〃 ,2 ,1 .(梅本嘉夫 19. , , 学出版会, 東京:より) 7 ) 賀集寛・石原岩太郎 19 69 0) A 日本心理学会第33回大会論文集 1 85 , 言語行動の研究 (2 .. ,. i節th 8) Goda l anguage ofado , es t i , & Gr centr l ,S e ardat t , B, C,1962 The spoken l e sandi sre at on t o int igence l l e a t e e y . C徹卿 DB膨卿物“ , g,and anxi . ,33 ,489‐498. ionsf 9) Horan l ly ret ・ eqnency tabl r dー e of ment a l arded chi , E. M. en , 1956 Word associat .ノ . Co加 須‘ . P砂cた0 ′ . ,20 ,22. 10) Hom, G. Lり & Prehm, 日, jリ ー967 0ra l word as ion nor i s。c at l nsforeducabl l l e menta et arded yr dr l l i chi en i n the pub cschool s 2 1 ycカメ,兄eP. 6 4 3 一 4 6 4 , Ps , , , i 1 1 )lodelet l soc at on Verba i e aget s s a e P , F, ,1963 As .(Pi . , & Fr ,J .(BD) 波多野完治・南博監修・現代心. , 理学 皿, (第2章:語詞連想;丸山圭三郎訳) , 白水社, 東京) , lman,P, Aり & Moran i 12 ) Kei t ruc t lret on s ures ofn ・ a ent ardat e , L,J s リロメ り1967 Associat , 朋z濯ぎ , βe蹴り , 尺e s . ,2 ,35-46,. 13 ) 望月勝久 1965 7頁) , 精神薄弱児の語桑の研究 (プリ ント印刷, 7. i l l 14) MCNe tudy of word a i i s soc a t on .1966 As , D. .ノ ,ひげウ , ” ””,りける . β豹αり . ,5 ,548而557 , M i A 15) ot dy ofas 1 9 1 iat i 5 t i s s u ’ s oc on in def ect ves じルメ.6 ) , . , ・ βぬに, Ps ・′ ,5 ,27ト288. i 16 ) Palermo ns i i soc at ,1965 SeX di仔erencesin word as ons , D. Sり & 1enk ,J ; 2好 餌. P鴇尾ルメリ 72 ,1 ,ノ . GB , 77-84 .. 17 ) 坂本一郎, 19 58 , 教育基本語桑, 牧書店, 東京 18) 佐久間章, 1968 , ろう児における語連想, 日本教育心理学会第10回大会論女集 444‐445. l i 19) Semme t t t f i t t i l e lana . i , , M. 1 , Barr ca , L.S , Bennet ,S , W. sof ys , & Per , C. A.1968 A grammat l l l lchi dren educab t l e ment a e arded and norma yr , A伽げ,/ , 獅釧ず , D蛎c , ,72 ,567冊576. 一1 81-.
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