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曖昧場面の肯定的解釈トレーニングが気分改善に及ぼす効果 : イメージ群と言語集中群との比較

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Academic year: 2021

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(1)優味場面の肯定的盤新トレーニングが気分改讐に及ぼす効県         一イメージ群と富話集中寄との比咬一                                 学校教育学専攻                                臨床心理学コース                                    M10061J                                   長谷川千詠         【問題と目的】. せて実験への協力を呼びかけた結果,24名が実験. 状況に対する肯定的解駅. に協力した。その24名をイメージ群9名,言話.  個人がストレス状況で採択するコーピングには,. 集中群9名,統制群6名に振り分けた。. 行動的対処(回避など)や認知的対処(自己教示. 慣用した材一科と手練き. など)様々なものがあるが,本研究では肯定的解.  (1)使用した質問紙:①Hospita1Anxiety and. 釈に焦点をあてる。肯定的解釈とは,認知的対処. Depression Sca1e日本語版(HADS;北村,1993),. に含まれており,認知的対処によって状況を変え. ②曖昧な状況に対するポジティブ度を評定する. ることなしに,ストレス状況における解釈の仕方. 項目(テスト文章),③PositiveandNegative. を変えていくことが可能となる。. Affect Sca1es日本語版(PANAS;16項目6件. 肯定的解駅トレーニング. 法;佐藤・安田,2001).  Ho1mesθCa五(2006)の研究では,健常成人を.  (2)実験群の課題(肯定的解釈トレーニング):. 対象にイメージ群・言語集中群に配置し,曖昧な. Ho1mesθC∂五(2006)の文章100セットを日本語訳. 状況で始まり肯定的な解決に終わる100場面聴か. し,文化差を考慮して表現等の削除と改訂を行い,. せるトレーニングを行なった。イメージ群には,. 大学生向けのトレーニング教材」(肯定的に始まる. 場面が自分に起こっているようにイメージさせ,. 文章50+否定的に始まる文章50,いずれも肯定. 言語集中群には,場面を説明する言葉の意味につ. 的解釈で終わる)を作成した。. いて考えさせた。そして実験前後で,ポジティブ.  (3)曖昧な状況を評価するテスト文章:トレーニ. 感情,及び曖昧な状況を描写した20の文章のポ. ング教材同様の過程を経て,テスト文章工20の曖. ジティブ度を評定させた結果,イメージ群は言語. 昧な状況を示す文章のセット(否定的に解決可能. 集中群に比べて,ポジティブ感情と文章のポジテ. な文章10+肯定的に解決可能な文章10)1を作成. ィブ度が増加した。これは,イメージを用いたト. し,1(非常にネガティブ)∼9(非常にポジティブ). レーニングに肯定的解釈を促す効果があることを. で評定を求めた。. 示唆する結果であるが,統制群が設定されていな.  (4)統制群の課題:理科第1分野,第2分野,歴. い等の課題も残されている。. 史,公民の中学校教科書4冊から,トレーニング.  以上より本研究では,英国の先行研究で効果が. 文と同じ程度の長さの文章を抜粋し,1OO文抜粋. 認められた肯定的解釈トレーニングを日本人大学. して作成した。. 生向けに改定し,感情と曖昧場面への評価に及ぼ.  (5)実験手続き:まず,Time1として実験前に①. す影響を,統制群を含めて検討することを第一の. ②③の測定後,各群の教示と課題を行った。課題. 目的とし,また介入を行う2群間の違いを比較検. 中は,20の文章ごとに1分30秒の休憩を入れた。. 討することを第二の目的とする。. Time2として課題終了直後に③のみ実施した。そ.          【方法】. の後約10分間の休憩があり,そこではクラシッ. 対象者. ク音楽を視聴した。休憩後にTime3として①②③.  大学生332名を対象に質問紙調査を行い,あわ. の測定を行なって,実験終了となった。所要時間. 一130■.

(2) においては,交互作用および主効果は有意ではな. はI時間30分∼1時間45分であった。         【結果と考察】. かった。. 3艘における比軽.  両群ともにネガティブ感情の低減がみられた理.  実験前の時点において,年齢とHADSにおいて. 由として,トレーニングを行うことで参加者にポ. 群問に差があったことからこれらを共変量とし,. ジティブな記憶が想起され,それによってネガテ. 群と測定時期を独立変数,PANASとテスト文章. ィブ感情が緩和されたと考えられる(感情制御機. の評定値を従属変数とした繰り返しのある共分散. 能(Erber&Erber,1994))。ポジティブ感情は,. 分析を行った。分析の結果,PANASのポジティ. 先行研究と同様の結果であり,これは言語集中群. ブ感情得点において,交互作用がみとめられた. の教示が難しく課題の遂行が達成困難であったた めにポジティブ感情が低減したと考えられる。. (F(2,19)=4.49,ρく.05)。下位検定(Tukey法). の結果,郡ごとの比較において,統制群ではTime1.  また,テスト文章の評定値に関して,本研究で. からTime2にかけて有意に低減した(〆.O1)。ま. は有意差がみとめられなかったが,先行研究では,. た測定時期ごとの比較においては,Time2で統制. テスト文章の肯定的文脈場面項目において交互作. 群よりイメージ群のポジティブ感情が増加してい. 用がみとめられた。この差を生じさせた要因の1. た(〆.01)。この結果から,トレーニングを行う. つとして,文化の違いがあげられる。本研究は楽. こと(とくにイメージ群)は,統制群よりもポジ. 観性を統制した上で実験を実施したが,楽観性自. ティブ感情を増加させる効果が示唆された。. 体に文化差があり(外山,2001),本トレーニング の効果に影響を及ぼした可能性が考えられる。. 今像の課■. ミ㌧ 茅.  本研究は,1群におけるサンプル数の少なさか ら,統計的な差が生じなかった可能性がある。し たがって,今後サンプルを増やしての追試がのぞ まれる。また,今回の研究では個人差レベルでの 効果の検討には至っていない。有意差が生じなか.   1’i[n田1      丁打no皇     Timo昇.  Figure.l P州^Sポジティブ項目得点の推移. った理由として,個人によって得点の推移に差が. イメージ寄と1語真中艘の比戦. あったことも考えられ,今後は質的な検討を視野.  イメージ群と言語集中群において,属性や実験. に入れた比較検討が必要である。. 前の各変数における差はみられなかったため,群.  また,3群の比較検討,2群の比較検討のいず. と測定時期を独立変数,PANASとテスト文章の. れにおいてもテスト文章,つまり認知・思考・解. 評定値を従属変数とした,繰り返しのある二要因. 釈における変化はみとめられなかった。したがっ. 分散分析を行った。その結果,PANASのネガテ. て,今後はトレーニングの仕方にさらなる工夫が. ィブ感情得点において時期の主効果があり. 必要である。具体的には,実験室だけではなく日. (皿1,16):17.76,〆.01),両群ともにTime1から. 常生活の中に存在するストレス状況においても,. Time2にかけてネガティブ感情の低減があった。. イメージを利用した肯定的解釈トレーニングを取. またポジティブ感情得点においては有意傾向で交. り入れることや,効果の測定法として,実際に場. 互作用があり(次1,16)=3.67,〆.1O),言語集中群. 面や状況の解釈を,文章完成法のような形式で参. において皿me1から皿me2にかけてのポジティ. 加者に書いてもらうことなどが考えられる。. ブ感情の低減があった(ρく.05)。.           主任指導教員:中村菜々子             指導教員:中村菜々子.  一方で,ネガティブ感情とテスト文章の評定値. 一131一.

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