• 検索結果がありません。

統合保育における発達障害の子どもが抱える困り感 : 間主観的アプローチによる理解と支援の可能性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "統合保育における発達障害の子どもが抱える困り感 : 間主観的アプローチによる理解と支援の可能性"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)統合保育における発達障害の子どもが抱える困り感 一間主観的アプローチによる理解と支援の可能性一                           人間発達教育専攻                           幼年教育コース.                           M110191                           平 野 敬 子 【問題と目的】. 近年,魑轄の子どもに対して船呆育が. 察者が敏感に察知する。. α呆育者と観察者が捉えるものが異なる可能性. 行われるようになってきている。それに伴い,. があることから,インタビューにより共通理解. 幼稚園や保育所では様々な問題が起き,保育者,. を図る。③さらにこれらの一連の過程の背景に. 発達障害の子どもは,それぞれに困難を抱える. あるものをエピソード記述により分析検討して. ようになってきた。統合保育の難しさは,個々. いく。. の輔の特性や発猷齢織境などから複.  本研究ではこのようにして発達障害の子ども. 合して生じると考えられる。様々な問題がある. が抱く困り感を明らかにしていく。さらに,子. 中でも,まずは,発遭轄の子ども自身が抱え. どもへの支援の方向性について考察することを. る困難さを明らかにする必要がある。. 目的とする。. 例えば,発起轄の子どもがいきなりパニッ. 【方法】. クを起す,みんなと同じ活動ができない等の問.  統合保育をしているA保育園とB幼稚園をフ. 題が起こる。保育者が,それをただ,発達上の. ィールドとしたA保育園ではNちゃん(自閉. 遅れ,偏りだと考えるなら,発達障害の子ども. 症,2年保育5歳児),B幼稚園ではK君(自. の困難はわからないだろう。発瀞轄の子ども. 閉瑚頃向,2年保育,5歳児),S君(発達遅滞,. には状況や指示が分からなかったのかもしれな. 1年保育,5歳児)を観察対象とした。観察期. いし,やろうとしてもうまくできない不安が原. 間は平成23年7月から平成24年10月。週に. 因だった可能性もある。本当の原因が何である. 1回程度,フィールドに赴いて,関与観察を行. かわからないと,適切な支援はされないだろう。. い,エピソード記述により分析検討した。また,. そこで,本研究では子ども自身の困難を「困り. 保育終了後に保育者にインタビューを行った。. 感」として研究していく。. 困り感は,その轄特性や周囲の不適切な関. 【結果】. 1.嫌だと言えないNちゃんの困り感. わりや無理解に起因したものとする。表出され.  Nちゃんは,当初,感覚過敏や見通しが立た. る行動や表庸から,わからない・嫌だ・不安だ・. ない等の輔の特性,及び,難しい課題を迫る. 怖い等という気持ちをくみ取って「困り感」と. 保育者のかかわりにより,不安や恐怖といった. して捉えていく。. 困り感を感じていた。その後,保育者はNちゃ.  では,困り感はどのようにして捉えられるの. んのr嫌だ」と拒絶する困り感を受け止め,頑. だろうか。本研究では,それを間主観的アプロ. 張っている姿を認めたり,緊張をやわらげる援. ーチにより明らかにしていく。. 助を行った。また,保育者がNちゃんが嫌だ」.  ①自分の気持ちを表現することが難しい発. と言えることを成長と捉えることにより,r嫌だ」. 瀞轄の子ども自身が抱く困り感を保育者欄. と言えることが肯定的な意味をもち,自分の気.

(2) 持ちを言葉で表出できる成長に繋がっていった と考えられる。. 2.伝わりにくいK君の困り感 K君は困っていても気が行かれにくい受動群. 【考察】. 本研究では個々の困り感を理解し,支援の方. 向を探ってきた。発瀞轄の子どもにはそれぞ れ固有の「困り感」がある。それらが引き起こ. の特徴を有していた。また,コミュニケーショ. している要因を見ていくことで共通の構造が見. ン拙者の気持ちが分からないなどの轄特性. えてくる。3つのエピソードをまとめ,考察し. があるため,クラス全体の話し合いの場面や友. ていくと,発起轄の子どもの困り感は図のよ. 達との関係において困り感が周囲に伝わりにく. うに表される。. かった。保育者はK君の困り感を受け止め,分 かりやすい視覚的,構造的な説明をしたり,友. 困り感を起こす要因 r・一.一一一一一.■1一一.II■一I一.I一一一一.■一■■一一 一一一一一一.■.一一一一1一一一一一..’’一一一・’一一、. 函. 達との社会的スキルを提案したりしてコミュニ ケーションの支援や援助をしていった。このよ うな支援が,友達との関係において,自分の気 持ちを伝えたり,友達の気持ちに気付くことが できるようになってきた。これらのことが,土. 醸璽    1. ・障害の特性. ・他児や保育者との関わり1. ・子どもの劣等感. ・保育内容      =. ・将来予測される問題. ・保護者との関わり   1. 躍り感を変化させる要因. 台となって,K君は自分の気持ちを表現したり,. 自分で行動できるようになり,他者の気持ちを 理解するという成長に繋がっていくと考えられ る。. S君は,認知能力やf言頼関係が築きにくいな. ;  ・保育者の支援   ・子ども白身の成長発達   1. 1  ・子どもの人間関係 ・保護者の援助      =.     図発起轄の困り感  このような困り感を間主観的に捉え,アプロ. どの障害特性のため,言葉の意味がわからない. ーチしていくことによって,次のような発達障. ことからくる困り感を抱えていた。当初は,慣. 害の子どもの理解と支援の可能性が開けると考. れない幼稚園生活や保育者の否定的な関わりな. えられる。①発達轄の子どもが抱く困り感は. どから「怒り」や「不満」の困り感を表出して. 間主観的に捉えられ,原因や背景を分析するこ. いた。保育者はS君のわからない気持ちを受け. とでより深く理解できる。②観察者と保育者が. 止めることで,信頼関係を築き,言葉の「意味. 子どもの困り感を共通理解することで,支援の. されるもの」を伝えていく援助をおこなった。. 方向性を見出すことができる。③困り感の変化. その結果,言葉の意味を理解できるようになり,. を成長として捉えることで,必要な援助と支援. 困り感は減少していった。また,言葉の意味を. に繋がっていく。④魑轄の子どもが自分の. 獲得することで,自分の行動を制御することに. 困り感を保育者が受け止めてくれていると感じ. も繋がった。S君が保育者に受け止めてもらえ. ることで間主観的関係がより深い水準で成立す. ると感じることで,間主観的な関係が成立し,. る。それが通路となり,有効な支援が可能にな. 保育者が伝える言葉の意味を獲得していくこと. る。. が可能になった。.       主任指導教員 櫛11和章       指導教員   石野秀明.

(3)

参照

関連したドキュメント

睡眠を十分とらないと身体にこたえる 社会的な人とのつき合いは大切にしている

教育・保育における合理的配慮

 母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯

ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配

いしかわ医療的 ケア 児支援 センターで たいせつにしていること.

危険な状況にいる子どもや家族に対して支援を提供する最も総合的なケンタッキー州最大の施設ユースピリタスのト

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

在宅支援事業所