児童生徒の視力低下の要因に関する研究
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(2) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 川. 上. ニ. 幸. 論. 1. 序. 最近の児童 生徒に多い疾病の中に, 男女を問わず, 高いり患率を示すものに 「近視」 があげられ 5 ) ~ 〉から近視出現率の歴史的推移をみると 明治 大正時代とゆるやかな増加 る. 我国の諸統計資料1 , , .その後 食生活や生活条 を示していた近視率が, 昭和11年をピークに昭和23年まで減少を続け, ,. 件の好転に伴い, 再び加速的に急増を続けて現在に至っている. 特に, 高校生 では視力 1 ,0未満の 5%が0 0~6 うちの 6 ,3以下の低視力 者 である. 2 〉を 近視は, 適切な眼鏡調製 で一応解決されるものの, 生活面, 生理面, 精神面, 学習面に弊害1 与えており, 健康的な生活を送るうえで大きな障害となっ ている. 我国では, 過去に文部省, 厚生 9 ) ~ )が出されたが 一向に減少の様相を呈していない この増加率で 省等から近視予防の通達や指導6 , , 進行すれば,40~50年後には高校生の大部分が視力異常者と なることは間違いない事実と予測され る.. ,. insohn の 眼 圧 説, 両 者 の 否 定 説 な どの 諸 説 があ る が, 視 力 低 下 の 原 因 に は, Cohn の 近 業 説, Leu 1 0 ) 「 現 在 の と こ ろ 不 明 確 であ る. 今川 は 原 因 に つ い て は, は っ き り した こ と は わ か ら な い. 目 そ の. ものの構造上の問題でないことは確かである. 後天的な総合的社会環境のせいであろう」 と述べて いるように, 生活環境の中にその要因を求めることができる.. そこ で, 本研究の目的は, 家庭における適切な視力管理のために, 高校生を対象に裸眼視力の実 態調査と家庭生活の中から近視発生の一般的要因と考えられている諸要素を内容とした質問紙調査 を実施し, これによっ て視力低下の原因の一端を明らかにすることである. 1 1 . 研. 究. 方. 法. 1. 調査対象 5%以上を示す札幌S高校195名 (男子93名, 女子102名) 健康診断統計調査より, 近視率6 ,函. 22名 (男子) 館L高校1 , 函館T高校92名 (女子) , 近視率50%を示す函館N高校111名 (男子50. 名, 女子61名) , 同じくM高 . 近視率20~30%を示す郡部のF高校38名 (男子15名, 女子23名) 女子2 9 2名) いずれも高校3年 で 女子1 4名) 5 9 (男子3 0 5名 校39名 (男子2 5名, , , . 合計, 7名 あ る.. 2. 調査内容 (塾を含む) や照明, 読書 質問紙調査の内容は, 両親の視力, テレ ビ視聴や姿勢, 家庭学習時間 家庭学習 量や姿勢, 食物の噌好, 睡眠時間, 眼の疾患の有無とした. 裸眼視力は 裸眼視 , 昭和51年度定期健康診断. 時の測定値とし, 左右の裸眼視力のうち, 悪い方の片眼視力とした 3. 調査方法および時期. 該当学級担任教師の責任におい 質問紙調査票は, 各学校に依頼, 該当学級担任教師の責任において配布 , 回収したもの で当日の 121.
(3) . 川上幸三*児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 欠席者を除き,回収率は100%であっ た.調査時期は,昭和51年1 2月上旬から中旬にかけて行っ た. 調査結果の整理, 集計はハン ド・ソーティ ン グ・パンチ・カー ド法を採用した. m. 調査結果と考察 1. 遺 伝 的 要 因 につ い て. 近視は両親の遺伝的素因がからん でいると言われているが, 医学的にまだ解明されていない. 両. 親の視力と子どもの視力の関係を示したのが, 図1, 表1である. これによると, 両親共に正視である場合の子どもの近視率は 59.4%, 片 親 近 視 の 場 合 は 69.1%,. ぶ… ご. 50. 両 親正視. 彩 I 可 彩 勿 彩 勿 勿霧 御 影 彩 勿 彩 彩 彩 勿!熱海S. 片親近視. 彩 勿 彩 彩 %髭 ;% 彩 彩 場5ん9に - -. 両 親近視. 効き1護 国 彩 勿 勿 Zゑ”Z彩彩彩. 図 圏・ o以上 .. 組 4 oJ. 4 1 9 ,. . I H 潔 蓋 I I I L ・a Q ,. 1 1 1 1 1開き 二 ;. [ コo 4~o 6 [ コo 7~o 9 巨 ヨo ・~o 3 皿 皿 o ・未満 . , . , . . . 図一1 両親と子どもの視力. 諦凝\≧ 2年時 3 ′ ′. 男. 4 ″ 5 ″. 50. 彩 二 磁区 彩 彩 彩 勿 彩 彩 彩 彩 勿〆 〆御多彩 望 勿 彩 多 彩 杉 彩 〆 勿 彩 勿、 も 〆 多多 彩 彩 彩 勿 彩 多 彩 勿ん乙彰 〆 %彩 勿 移彩多 彩 彩 勿 勿 彩.磁 区 勿 i さ医 多 彩 勿 勿 彩 勿 彩 〆 彩 彩 多ゑ多多彩ろ多彩多彩 彩多さる . ,. 4.1 4,1. 6 ″. 2年時 3 ′ ′. 女. 4 〃 5 ″ ′ 6 ′. ▼ 彩 彩 彩彰 雛 1お寿 司5 彩 多彩多多彩愛す彩多多 1 .. 多 彩多彩 多 彩 彩 彩偽多彩 形 多 彩多彩彩 彩 彩 多 彩 6 場朝岡7 ,. 多彩 彩 彩 彩 彩 彩 彩勿 多 彩 彩第メ /勿 彩 勿 多彩 彩 彰劣彩彩 嚢回6 o 協 効き , 〃. 諺 変・ o以上 ,. [ コo 3以下 9 巨 ヨo 7~o 4~o 6 [ コo , , , , .. 図-2 Y小学校6年生の5年間の視力の推移. 122.
(4) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 2. 6%と増加する. 表1か 両親共に近視の場合は7 ら も 明 ら か に 両 親 の 視 力 が 子 ども に 影 響 して い る. ことが認められる (. =7.25 , P <0.05) . 近視 次 の 2 の 事 実 か ら椎 て は つ 遺 比 い 的 率 に つ の 伝 ,. 測できる, 図2は, 昭和51年度の函館Y小学校6 年 (男子67名, 女子66名) の2学年から 6 学 年 ま での 視 力 の 推 移 を 示 し た も の であ る.. こ れ を 見 る と 小 学 生 では, 視 力 は あ ま り 変 動 し. て い な い こ と が わ か る. 低 学 年 で不 安 定 であ っ た 視力 が, 正 視 に 向 っ てい く 傾 向 に あ る. し か し,. 表, 両親と子どもの視力の関係 \\ \\ 両親 子ども \こ. 澄むミ 子. 両 親正視. 片親近 視. 両 親近 視. 1 , 0 以上 ,. 1 , 08. 8 3. 17 ,. 0, ・7~0,9. 25. 16. 7. 4~0 4 0, ~0. 6. 4 2. 3 3. 3. 1~0 0. 1 ~0 3 ,. 88. 10 8. 2 6. 0 未満 o 1 未満 .. 21. 2 9. 9. 計. 6 26. 2 6 9. 6 2. この中に あっ ても各学年0.3以下の低視力が平均. 9 7 n=5 25 o5 為2=7. , p<o,. す る と 男 子 は 4,8%,女 子 は 6.3% と い る こ と は 先 天 的 な 親 の 遺 伝 と 考 え て も よ い. ま た, 過 去 の統. 1 )をみると 明治1 0%, 女子5.0%であっ たこと, 戦後, 最も低 8年の小学生の近視率が男子4. 計1 , 女子9 0 男子7 6 % 3年の小学生 あ た昭和2 率で っ . %であっ たことなどを総合的に考え合せると . , , 2 )の言う親が近視であると 必ず子 遺伝的素質をもっ ている者は5~10%と思われる. これは, 中村1 どもが近視になる優性遺伝因子は全体の5%である説と一致している. 2. テ レ ビ視 聴 や 家 庭 学 習 の 要 因 に つ い て. 家庭生活の中 で主要な時間を占めるものは, 学習塾を含めた家庭学習時間, TV視聴それに睡眠 時間 であろう. 調査対象者の小学校高学年から高校3年までの家庭学習, TV視聴, 睡 眠と視力と の関係について考えてみる. 図3は睡眠時間と視力の関係を示したものであるが, 学年進行に伴い 睡眠時間は減少する. 近視群にわずかの時間の短かさが見られるが, 有意差は認められない(ヱ2 =. 0,385 . , P >0.05). 図4は, TV視聴時間と視力の関係を示す. これによると視聴 時間の短い群に近視者が多く, 視. 一. 6. 学 年 \ミミ日) 小 学 校 高 学 年. 中 学 校. 高校1年. 8. 7. 9. ″ ″ 多 ″ 多 ″ ″ 多 ″ 多 労″ 多 彩…″ 多 彩 勿 多″ 多 ″ ″ ″ 多 彩 ″ 多 多 ″ 多 彩 ″ 多 ″ 多 多 彩 多 多 多 多 多 彩 多 多多. . ÷′ ;. ″ 多彦 彩 多 勿 勿 勿 彩 多 彩 ″ 多 勿 勿 努 彩 彩 多 彩 多 彩 勿 彰 多 彩 勿 多 彩 ″ 多 彩 ″ ″ 多 彩 多 彩 多 彩 彩 努 \ 、 ,. 1. 彩彩勿彩彩多彩彩 鐸彩 l. r. Z 多 多彩 多彩 多彩 多 彩 勿 多 彩 多 ″ 多. 高 校 3 年 こり ,. ヱ2;0,385 , P>0,05. 図 圏1 o以上 ,. [ コo 4~o 9 [コo 3以下 , , ,. 図一3 睡眠時間と視力 123.
(5) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究 聴 時 間 の 長 い 者 に 正 視 者 が 多 い と 言 う 一 般 説 と は 異 っ た 傾 向 が 認 め ら れ た ( メ ニ10.261 P <0 . ,. 01) . この結果の考察は, 家庭学習時間との関連 で述べる. 次に近距離 でのTV視聴も大きな要因と考えられているが, TVとの距離と視力 の関係について は 図 5 で示 す 通 り, ほ と ん どが2 m 距 離 での 視 聴 で視力 と の 関 係 は 認 め ら れ な い ( x2 =0.125 P , >0.05) .. テレビのブラウン管それ自体が光 源 であり, その光源を見つめることは当然ま ぶしさが予想され. る が, 実 測 す る と 24 イ ン チ カ ラ ー テ レ ビ の l m 距 離 での 照 度 で約 701 x(2 m でも 701 x と変化 しな. い) と蛍光灯電気スタン ドの光源とは比較にならな いほど低い光源 であることから2m距離 での視 3 )の実験によれば 1 聴はあまり視機能に影響しないと考えられる.藤井1 , 5分間のカラーテレビ視聴, lm距離では, 目の疲れをあらわす近点距 離の離反や視力の低下はわずかに見られるが, 2m以上 2. キ. 学 年. 小 学 校 高 学 年. 3. 4. 彩多 ″ ″ 多 多 彩 多 彩 多 ″ 多 勿 彩 彩 ″ 多 彩 勿 多 多 彩 彩 彩 彩 多 多 彩 ″ 多″ ″ ″ ″ ″ ″ 彩 勿 多 ″ ″ 多 ″ 彩 多 彩 然 .’ ・ 、・ ・・ ′ 、. . r ・.二うま・・ ・ 二 ・ 、・・- 二.‐・ :・ ・ .,.・,, 、 y、ミ ノ.: ,] 、. 、. l. 中 学 校. 高 校 1 年. 高校 3 年. Z多 ″ ″ 勿 多 彩 多 彩 ″ 彩 ″ ″ 多 多 彩 多 多 ″ 彩″ ″ 多 多 ″ 多 ″ 多 多 多 多 ″. 多 彩 彩. ″ ″ ″ 勿 彩 多″ ″ 多 彩 多 彩 多多 多 ″・″″″ ″ 彩 勿 「 ・ : . ・. ..・ . . . .二 ゞ . . : :. キ.. 二、 .. : .‐ ,. J 二 , . . ,. . ・ . .. ’. 隆 覆 1 o以上 , 図-4. E コ o 4~o 9 , .. \\ 佳 \ 曳き 視 力. \\ \\. 1 1. [ コ o 3以下 ,. テレビ視聴時間と視力. 2 ‐. 1. 0以上. 謬多 彩 勿 謬 拶 形 勿 勿 勿 勿 謬 彩 彩 勿 彩 勿 % 〆 〆 〆 多 彩 彩 メ メ メ メ 勿. 0.4~0.9. 〆 〆 彩 勿 メ メ メ メ 勿 〆 〆 拶 〆 〆 拶 メ メ メ メ メ メ メ勿 雄 凋. 3以下 0.. 尤2=10,261, P<0.01. 3 1. 多 彰 彩 勿 彩 勿 彩 彩 彩 勿 彩 勿 彩 勿 勿 彩 彩 勿 彩 彩 彩 勿 勿 勿 x2;0.125 , P >0.05. 図一5 124. テレビ視聴距離と視力.
(6) . 川 上 幸 三: 児童 生徒 の視 力低 下 の要 因に 関す る 研 究. 4 )も 30 分 間 の カ ラ ー テ レ ビ視 聴 で同 の 距 離 では あ ま り 影 響 な い こ と を 報 告 し て い る. ま た, 大 塚 ら1. じような結果を報告している. 表2. テ レ ビ視聴姿勢と視力. \\ 視力 \\ 十\ 十 .『 \、 \\ \\ 視聴姿勢. 1,0 以上. 椅 子 (ソ フ ァ ー) に 腰 か け る。 憎 二の 上 ;に す わ る. 178. ソ フ ァ ー、 畳 の 上 に 横になる. 34. 0,4~0,9 104. (8 2, 0). 寝 床 でねな がら. 244. 11. 526. 7) (8 4.. (88,9). (1 5 ) ,7 2. (2,3). 84 ) ( .5. 39. 85. ( 9.4). 5. 計. 0.3 以下. (1,7). 3 (1 6) .. 6) (13. 12. 5. (1,7). ( 1.9) 延人数 622名. TV視聴との関連の中で視聴姿勢, 場所による視力との関係を示したの が表2である. 84,5%が 正しい視聴姿勢をしているのに対して, 横臥姿勢1 3. 6%, 寝床 での視聴が1 .9%となっ ている. 正 しい姿勢による視聴と横臥や寝床での視聴と視力との関係を調べてみると, 視聴姿勢の良し悪しも 31 関係が認められない ( が=2.7 05 ) , P>0. . 以上, TV視聴時間, 視聴距離, 視聴姿勢が視力と 無関係 であると言う結果が出ていることから,これらは近視発生の要因にはならないと考えられる. 5 )も 「一般的に TV視聴が近視発生・進行の大きな要因と認識され 過剰に恐れている傾向 湖崎1 , , に あ る が, 科 学 的に は 何 ら の 根 拠 が な い」 と 言 っ て い る こ と と 一 致 して い る.. 次に, 家庭学習時間と視力との関係を図6に示す. 学 年. 小 学 校 高 学 年. 中 学 校. 高校. 1. ミミm. 1 年. 高校 3 年. 2. 3. 4. :. 多 多 彩 彩 勿 ″ 多 彩 彩 多 労 彩 多 I. 彰 勿 勿 彩 勿 勿 勿 勿 勿 多 多 彩 多 彩 勿 勿 彩 勿 多 彩 ″ 多 彩 勿 多 多 彩 多 多 多 彩 勿 彰 勿 勿 勿 多 彩 勿 多 彩 多 彩 勿 多 彩 勿 勿 彩 劣 勿 勿 勿 彩 勿 勿 多彩 勿 多 彩 多 彩 幼 多 ″ 彩多 多 ″ 彩 勿 彩 勿 移 多 多 彩 多 彩 ″ 彩 多 勿 多 彩 ″ 彩 “ 多 彩 ″ ”多 多 彩 多 “ 勿 多 彩 彩 多 多 多 彩 多 多 多 多 ″ 勿 勿 勿 z ェ2;9,070 , P<0,05. 図 圏1 o 以上 ,. ヒ コ oA~o9 [ コ. o, 3以下. 図一6 家庭学習時間と視力 125.
(7) . . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 05 ) 70 これによると学習時間の長い者に近視者が多い傾向が認められた( x2=9.0 , P<0. . 家庭 学習時間, TV視聴時間, 睡眠時間が家庭生活の主要な時間を占めることから, 三者の関係を図7 に ま と め て み た.. これからもわかるように, 近視群は睡眠時間とTV視聴時間が短く, 家庭学習時間が長いことが わかる.学習時間とTV視聴時間の総和は正視群も近視群も差がなく, 5~6時間であることから, 睡眠時間やTV視聴を少なく し, その分, 学習時間にあてた者とそう でない者との差と見るべき で. あろう. そのように考えると, これは明らかにテレビの影響ではなく, 学習時間の長さが大きな要 因となることが明らかにされる. 長時間の学習が近視発生の大きな要因とすれば, 最近の急激な近 視増加 が次のように説明さ れる. 図8は昭和25年以降の全国の高校生, 函館市の高校1年の近視出. 現率と高校進学率, TV普及率の推移を示したもの である. まさしく, 近視出現率と高校進学率のカーブが 一致 しており, 受験競争をしいられ, 心理的圧迫 9-. や. 感の伴う過酷な学習による結果と考えられる. T. ミ ミ ー. 8-. Vの影響ならば, 当然, TV普及に伴っ て昭和35 年頃から急増するはず であるがそれが見られず,. ; き き ミ ミ 、 ミ ミミ. 7‐. 6‐. TV視聴とはや はり 関係 ないと 見る べ き であろ. う, これは, 入試競争率の苛烈な最近の台湾でも 小学生で4 5%,中学生 で40~65%と我国をは 0~5 6 }し るかに上 回る数 値 である と徐世林氏は報告1 ていること,また, 北海道 で最も高校入試のきび し. 5- ‐. 4‐. 3‐. 2-. 、 、 )《 謝さ\ テ レビ視聴時間. ′ ′. 1-. 小. 高. 中. 学. 学. 学. 校. 年. 校 U. 0 o ‐------÷. 高. 高. 校. 校. 1. 3. 年. 年. I.0以上 0.4~0.9 0.3以下. 126. / 〆. 家庭学習時間. も/ 蟹. 図一7. 50-. 家庭学習時間、 テレビ視聴時間、 睡眠 時間と視力. Z. 日召 25. ←÷÷4 に≠;コ. 昭 30. / 一三ニ タ - 昭 35. 昭 40. 日召 45. テレビ普及率 (全国) 高校進学率 (北海道). 二; ;;霊 函館市内の高校1年の近視発現率 ・ =:: 裏 全国の高校生の近視発現率 図-8. テレビ普及率、 高校進学率. 近視発現率の推移. 昭 50.
(8) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. い札幌S高校でも入学時にす でに73.7%(昭和51年度入学者)の高い近視率を示していることから も説明がつく. 我国でも, 進学競争のき びしい東京, 神奈川, 愛知, 大阪, 兵庫の児童・生徒に近 視率が高いのもこのことが原因していると考えられる. 家庭学習に関連して, 照明も要因の一つと考えられているが, 表3に照明方法と視力の関係を示. す. こ の 結 果, 近 視 群 が よ り 明 る い 環 境 で学 習 して い る こ と が認 め ら れる( x2=24.04 , P <0.01) . 表一3. 家庭学習の机上照明と視力. \\ 視力 \、 \\ “リ \\ 、 \\ 照明方法 室. 内. 照. 明. 1. 0 以上 と. 141. 机 上 電 気 スタ ン ド 机 上 電気スタ ン ド. 72. 8, 4) (6 37. 222. 25. 28. ( 7 9) 7. 59. (2 3 8) .. 2 0 ( 7) . 4. 8. ( 13, 6). 0,3 以下. (6 8 6) .. (1 8, 0). の み 室 内 照 明 の み. 0.4~0.9. (7 6) ,. (1.4). 計 435. 121. 40. 596. 一般に暗い環境 での学習が近視発生の大きな原因と考えられているが, 全く反対の結果が出てい. る. 視力が悪いためより明るい環境 で学習するのか, より明るい環境で長時間学習することが視力 を低下させているのか, ここでは結論づけられない. しかし, 学習机上の照度の実測の結果, low 1 るとこ x の蛍光電 気スタン ドで500~1,000l , 80 W の 天井 蛍 光 灯 照 明 で も 250~300 x の 照 度 が 得 ら れ. 7 )も 「暗い環境 ろから最近の近視急増の原因を照度不足に求めることは妥当 ではないと思う, 武田1. よりはむしろ明るすぎる照明がまぶしさを与え, 視力を低下させているの ではないか」 と言っ てい ることが正しい説のように考えられる. 3. 読 書 の 要 因 に つ い て. 読書量と視力の関係をまとめたのが図9である. これによると, 視力の低下につれて好んで読書 する者の比率が増加しており, 読書量の多い者に近視出現率の高いことが認められた( 尤2=6.870 , P <o,05) .. 次に読書の場所, 姿勢については図10に示す通り,4 3.7%が寝床での読書で第一位を占める, 寝 床や乗物内 での読書は最も視力を低下させる要因と言われているが, 他のカテ ゴリーの近視率と比 較 し・て も 有 意 差 は 認 め ら れ な い ( 尤2=9.681 , P >o.05) .. 視力低下は読書の場所や姿勢とは直接関係ないよう である. 読書と関係して, 日本の文字(漢字). は視力を低下させる要素をもっていると言われている. 佐藤によれば, アメリカのある大学の日本 語科の学生が漢字の勉強をはじめたところ%が近視 になったと報告している嶋 . 寝床での読書や乗物 内での読書という場所・姿勢の問題よりも字画や類字の多い, 見にくい日本の漢字を長時間, 明視. し続けることがより眼精疲労をおこさせ, 視力低下の大きな要因となっ ていることは確かな事実 で ある. 見にくい文字を大きな解りやすい文字に改め, 近視率を減少させた ドイツの歴史的事実から. もそれが立証される.. 127.
(9) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. き 0以上 1,. ー◆. -. -. ′,. 50 1. 彩勿〆 劣 勢二彩彩勿勿. 0.4~0.6. 彩 勿 勿 勿 彩 勿 ″… ≦多 彩 勿 彩 彩 彩. 0.1~0.3. 彩 彩 彩 多 彩 勿 勿 彩 多 彩 勿海 形勿 彩. 0. 1未満. 杉 彩 多 多 彩勿 参考ニメ勿彩彩彩勿彩勿 彦変墾慶喜勝手. 4 4 2% .. ,-. ,. ・ ・ 1 g ご襲 名′ 1 ′ . ,. ,. ・ 際さモキー. 4 4 7 .. 勿 勿 〆%多 彩 勿 勿 勿. 0,7~0.9. L. ,. 4 4 2 .. s云々 1 11 1 、. 9 3 o .. r 程好. 2 3 2 .. ; ・ 雄 三… じ き 、 .. [ニコ 時々読書する E 副 ほとんど読書しない. 図一9 読書量と視力. 場所. \\\ % \\. ,学習机. 椅子 (ソファー). 畳に す わ る. 畳 (ソファー) に 横になる. 乗物の中. 寝床の中 , その他. 50. メ メ 彩 彩 彩 勿 勿 彩 彩第‘ 勢多影 メ メ メ メ 加 多彩 ≧ 〆 メ メ メ メ夕霧多彩 彩 粥 粥 彩 彩 雛 :圏. 勿影;〆 彫 刻 彩影多彩 勿 形 彩 多 彩 彩 彩 彩 彩 勿 彩 雛 形 彩 彩 % 彩 協 彩 勿 勿 勿 勿 勿 彩 彩 多 彩 彩 彩 拶 彩傷多彩 〆 〆 彩 彩 勿 劣弱ゑ 図一10 読書の場所・姿勢. 128. ..
(10) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. 表-4 読書場所・姿勢と視力 視力 \\ \\. 場所 学. 習. 1 0 以上 , 60. 机. 76. 椅 子 (ソ フ ァ ー) 畳. に. す. わ. 11. る. 畳 (ソフ ァ ー) に横. 34. になる. 乗. 物. 、の. 中. 寝. 床. の. 中. そ. 24 98 15. 他. の. ( 25 6) , 34 ( ,1) (35 5) .. (3 8, 6) 30, ( 8) 6) (37 , ( 37 6) ,. 0,4~0,9 41 42. (1 8 8) ,. 8. (2 5 ,8). 12 13 53 5. 7. 5) (1. (1 3. 6). 16 ( 6) , (2 0. 3) (11 1) ,. 計. 0,3 以 下 133 105 12 42 41 110 25. 9) 6, (5. 234. 4 ( 7, 1). 223. (3 8 ,7). 31 88‐. (4 7 ,8) ( 5 2 ,6). 78. 2 1) (4 ,. 261. ( 55 6) ,. 45. ェ2;9,681 , P>0.05. 数字は延人数、 ( ) 内は% 4. 食 生 活 の 要 因 に つ い て. 近視発生の要因を食生活の 面 で考えてみる.図11は食物の好き嫌いの傾向について視力との関係. を 示 して い る が, 偏 食 の 有 無 は 視 力 と 直 接 関 係 は 認 め ら れ な い ( 尤2=0.065 P <0.05) また 食 , , 。. 事量と視力の関係も図1 2に示す通り, 認められない ( 〆=1.6 11 ) , P<0.05 。 次に, ビタミンAを含有する食品の噌好摂取状況を図13 表5に示す 正視群と近視群に暗好摂 , . 取率の差が認められる食品は 「バナナ」 だけ で, 他は全く差は認められない また, 動物性蛋白質, .. 植 物 性 蛋 白 質, 有 色 や さ い の 3 カ テ ゴリ ー と 視 力 に も 有 意 差 は 認 め ら れ な い ( 尤2=3.366 P >0 . , 05) .. これはビタミンAは, 目の粘膜の角化萎縮防止と光覚に関係する網膜の Rhodps i n(視紅) の形成 を促進する働きをもっ ている栄養素 であり,形体覚 である視力とは直接関係がないためと 思われる 。. 1. 0以上 1. 0,4~0.9. 0,3以 下. 1. ー. 多発菊. -. 50 1. 4 ・ 5 ,. 錫. 2 5 3 ,. 」 -. ,. -. ・ ・ ‐さ さ 4 5% . … ′ o 言 f 二 ー キ .. 5 ・ 7% .. ”ヲ. 1. 、 i :,ミ 1 ミニミニい きL ョ ・キニ き き 申 す 、 ・ ・r ・ 1 . , 、 ヱ2;o.o65 , P >0,05. 図変 驚歎 図.n. [ コ 少しある. E コ 榊嫌いなし. 偏食の有無と視力 129.
(11) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究. \\% 、 \ 視 力. \\. ‐. ,. 1. 50 -. 1. 1. 董. ー. -. 0以上 1.. 窄 メコ. 9 7 o% .. 際〆. 0.4~0.9. 拷 彩ゑ. 8 0 4 .. 1毒 1. 0. 3以下. %婆鯵. 6 2 7 .. 1 三愛 , .. ▼. ェ2;1.611 , P>0.05. 図 変 大食. [コ 普通. [コ 少食. 図一12 食事量と視力. 【 - -- 5三 - 一 一.龍 ÷ 議藁 , 一 ー. ;寸 刻 房 デ ≧ コ 珍 , .. 、 一 扇 … 開 国川 勝 『愛. 妄 闘 計 三豊 卵 ー た 動物性蛋白質. 植物性蛋白質. 0以上 ≧ZZi図 1 彩 ,. 9 4~0 際言下可0 , .. 有色やさい. 3以下 「÷:] 0 ,. 図一13 ビタミンA含有食品の噌好摂取率と視力. また, 第二次世 界大戦終結後の数年間は, 食生活が最悪の条件 であっ たのにもかかわらず近視者が 減少していた歴史的事実が近視発生の要因が栄養 でないことが証明される. 5. 眼 疾 の 要 因 に つ い て. 4に示す.これによる 過去における伝染性の眼疾や打撲・外傷の有無について視力との関係を図1 と, 約%強が何らかの目の病気のり患経験者 であるが, 眼疾り患の有無と視力とは関係は認められ 130.
(12) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究 表-5. ビタミ ンA含有食品の噌 好摂取率と視力. 食 富\-\迅見 ヵ 動 バ 物 性 牛 蛋 白質 内 植物. 0,4~0.9. 0,3 以下. 2値 ズ. ー. 121(58.1). 56(52,3). 153(54,3). 0.924. 乳. 143(68.8). 75(70,1). 179(63,5). 2,232. 類. 144(69,2). 74(69.2). 192(68,1). 0.090. 卵. 126(60,6). 70(65.4). 166(58,9). 1.390. さ つ まいも. 109(52.4). 55(51.4). 120(42.6). 5,462. 119(57.2). 69(64.5). 141 (50,0 う. ※ 7,163. 類. 85(40,9). 49(45.8). 108(38,3). 1,810. ト. 112(53,8). 69(64.5). 9 (56.4) 15. 3,366. か もま ち や. 80(38,5). 44(41.1). 97(34,4). 1,795. ほう れん草. 93(44.7). 55(51,4). 126(44,7). 1.596. に ん じ ん. 60(28 ,8). 28(26,2). 90(31.9). 1.365. タ. 性 蛋白 質 バ ナ ナ 豆 有 色 や さ. 1.0 以上. ト. マ. ※ P<0,05. ,. ,. ,. -. 50 i. ,. ,. ( ) 内は %. ,. ,. 彩 彩 勿/薙髪/ ;〆彩 彰彩 多. 0以上 1.. % 5 9 9 ,. 0,4~0,9. 6 3 3 ,. 拶彩多 彩. 0. 3以下. 6 8 3 ・. 彩 勿 彩勿 劣弱 多 彩 彩〆%. 多彩雑 多. ェ2=0.898 , P >0,05. 図一14 眼疾 (既往症) の有無と視力. な い ( 尤2;0,898 , P >0.05) 。. また, り患者231名中, どのような眼の病気にり患したかを表6に示す 結膜炎が全体の50%を . 占め, 打撲症, トラコーマと続くが, 各疾病別のり患の有無 と視力にはいずれのカテ ゴリーも無関. 係 であ る こ と が わ か っ た.. W。 要. 約. 本研究は, 児童・生徒の家庭生活における視力低下の原因の一端を明らかにするために 597名の , 高校生の裸 眼視力と質問紙調査を実施した その結果を統計的に処理 分析した結果 視力との因 . , , 果 関 係 に つ い て 次 の こ と が明 らか に な っ た 。. 131.
(13) . 川上幸三:児童生徒の視力低下の要因に関する研究 眼の疾 患と視力 (り患者231名中). 表一6. 疾粛\処 トラ コ ー マ. 結. 膜. 炎. 打. 撲. 症. 角. 膜. 炎. そ. の. 他. 計. 1.0 以上 7 (8,o). 0.4~0,9 2. ( 5.0). 計. 0.3 以下 15. (14.4). 24. (10.1). 43. 20. 12. 7. 9. 28. 2. I. I. 4. 23. 10. 24. (49.4) (13.8). (50.0) (17.5). 40. 87. 55 (52.9). (8.7). 118. (51.1) (12.1). (1.7). 57 (24.7) 104. 231名 ( ) 内は%. 1) 両親近視あるいは片親近視の子どもの近 視出現率が両親正視群より高率 であることから明らか に両親の遺伝的要因が認められた. 2) TV視聴は, 1日約3時間, TVとの距離約2mであれば影響は認められない. 3) 塾を含めた家庭時間の長さが視力 低下の大きな要因となっ ていることが認められた. 4) 読書は, 場所, 姿勢に関係なく, 読書量の多いことに要因があることがわかっ た.. 5) 睡眠時間の長さには関係は認められない.. 6) 食物の過食・偏食, 食事量, ビタミンA含有食品の噌好摂取率とは何ら関係は認められない. 7) 眼の疾患 (既往症) の有無とは関係が認められない. 以上, 家庭生活において, 適切な視力管理をしていく上に視力低下のいくつかの要因を見いだす ことができた. しかし, これはあくま でも質問紙調 査による統計的分析結果 であっ て, 今後, この データを基礎に実験的研究によっ て医学的に解明したいと考えている, 参考 (引用) 文献 1年) 1) 札幌市教育委員会, 「学校保健統計調査」(昭和48年~昭和5 1年) 2) 函館地区高校養護教諭研究会, 「学校別健康診断状況」(昭和50年・5 9年) 3) 文部省, 「学校保健統計調査報告書」(昭和33年~昭和4 0年) 4) 厚生統計協会, 「国民衛生の動向」(昭和48年~昭和5 5) 函館市教育委員会, 「学校別健康診断状況」(昭和42年~51年) 4年) 6) 文部省, 厚生省, 「近視予防思想普及ニ関スル件」(昭和1 7) 文部省, 「児童生徒及学生ノ近視予防ニ関スル訓令」(大正8年) 8) 文部省, 「学校病の予防の手びき」(昭和39年) 9) 日本眼科医会, 「近視予防の指導基準」(昭和43年) 10 ) 今川亘男 「新・養生訓 (視力) 」(昭和51年5月 28 日の読売新聞に掲載) 1 1 ) 日本学校保健学会 「学校保健百年史」 昭和48年, 第一法規出版 1 2 ) 田中重弥 「めがね読本」 昭和45年, 第一法規出版 9年10月 23 日の北海道新聞に掲載) 13 ) 藤井善友 「カラーテレビと目の疲れ」(昭和4 0年9月 14 ) 大塚, 山本, 藤沢 「テレビ・読書が視機能に及ぼす影響」 第26回日本体育学会発表, 昭和5 1 ) 湖崎克 「学校眼科新書」 昭和51年, 東山書房 5 132.
(14) . 川 上幸 三 : 児童 生徒 の 視力低 下 の要 因に 関す る 研 究. ) 山地良一 「日本人と近視」651~6 16 54頁, 保健の科学, 第1 4巻11号, 昭和47年 1 ) 黒田芳夫 「教師のための学校保健」248頁, 昭和5 7 0年, ぎょうせい (本学 講師 ・函 館 分校). 133.
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