高校国語における創作単元の提案-随想教材を活用する単元の考察-
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(2) . 1. 高校国語における創作単元の提案 1随想教材を活用する単元の考察十. は じめ に. 高校学習指導要領の改 訂版が二〇 一八年 二月に出された。高 校国語では科目が改訂されることが中教審答申で述べられていたと お り、必 履 修 科 目 ・ 選 択 科 目と も に改 訂がな さ れていた。それ ら の 中 に注 目 す べき 点 はい つも あ るが 、 つが、選 択 科 目 の大 幅 な 改 一 く 訂 であ る。中 でも 、四単 位 科 目であ る ﹁ 文学 国 語 ﹂は注 目したい科 目. 一つであ る感 性 ・ 情 緒 の側 面 、す な わち 、﹁ 言 葉 によって感 じたり想. である。答申では、文学国語を思考力 ・ 判断力 ・ 表現力の三側面の. 評 価 す る力 ﹂を 主 に育 成 す る科 目と して述 べら れている。そして、次. 像したりする力二感情や創造を言葉にする力﹂﹁ 構成 ・ 表現形式を. のように定義されている。﹁ 小説、随筆、詩歌、脚本等に描かれた人 物の心情や情景、表現の仕方等を読み味わい評価するとともに、 それらの創作に関わる能力を育成する科目﹂ である。つまり、文学 を読む能力の育成だけではなく、文学を書く能力の育成をなすた めの科 目であ る。このことは、改 訂案 において、文 学 国 語 の指 導 内 容 に読 むこと に並 んで書 くことがあ ること から もと らえ られ る。 この文 学 領 域 におけ る書 く こと に ついては、現 行 の必 履 修 科 目で ある ﹁ 国 語 総 合 ﹂においても 指 導 事 項 とな っている。特 に、書 く 指 導. の言語活動例として﹁ 情景や心情の描写を取り入れて、詩歌をつく ったり随筆などを書いたりする﹂ とある。文学 国語と同様に、文学 創作をすることが想定されていることになる。文学を書く力の育成. 大村勅夫. は、現在もこれからも高校国語における重要な 一つの指導事項と 言えるだろう。これらのことから、本稿では、文学創作を行う高校 単 元を提案する。. 2 書くこととしての創作 ︵ 書替え︶. 書 くこと に ついて、青 木 幹 勇 ︵一九 八 六 ︶は、書 くこと の指 導 は多 敬遠 ・ 嫌 悪 さ れていると述 べ、読 むこと と 書 くこ く の教 師 から 軽 視 ・ とを 往 還 す る学 習 とな る ﹁ 第 三 の書 く ﹂を 提 唱 している。そして、そ の﹁ 第 三 の書 く ﹂の機 軸 と して 曇 日 替 え ﹂を 学 習 者 にさ せることを 述 べ ている。そ のう えで、﹁ 書 替 え ﹂の反 復 により、読 む力 ・ 書 く 力 双方 が 。 高 ま るとしている径.︶ 創 作 に ついて青 木 は、子ども が自 由 奔 放 に創 作 してくれ ること は 期 待 はず れにな ってしま う 、子ど も の想 像 力 の底 は浅 い、と 述 べる。 ま た、も ち ろん、中 には非 常 に豊 かな 想 像 力 を 持 つ者 も いるかも し れないが、ただし、それを どんな 子ど も にも 、ど んなも のを 書 いた場 合 にも 期 待 す るわけ にはいかな いだろう 、と 述 べている。そ のこと への 対 案 と して、﹁ 変 身 作 文 ﹂= ﹁ 物 語 の書 替 え ﹂を す ること を 提 案 して 。この﹁ いる 窪2︶ 変 身 ﹂と は、読 み 手が 物 語 の登 場 人 物 にな ること で あ る。﹁ 変 身 作 文 ﹂と は、読 み 手が 登 場 人 物 にな って、スト ー リ ー の 中 に入り 込み、登 場 人 物 の視 点 から 物 語を 書 替 え ることであ る。つ ま り 、既 存 のテキストを 活 用 し、それを も と に書 替 え と いう 創 作 を. 1 1 リム.
(3) . す ること により、読 む 力 や 書 く 力 を 育 てる のであ る。本 稿 では、青 書 替 え ﹂の中 から ﹁ 変 身 作 文 ﹂を 援 用 し、 木 の﹁ 第 三 の書 く ﹂におけ る ﹁. 読むことを踏まえた文学創作単元を提案する。 。1 ひと 変 身 作 文 ﹂の方 法 と していく つかを あげ る 径3︶ 青 木は ﹁ つの作 品を ぶ っ通 して書 替 え る。2 物 語 のハイ ライト の場 面だけ を. 書替える。3 一つの教材文を学習する何時間かの過程で、部分の 書替えを何度か行 ってみる。4 一つの教材文の学習過程で、ある 部 分 は登 場 人 物 Aにな り、別 のところではBにな って書 く。以 上 であ る。読 むこと と 書 くこと の往 還 を 行 う ことがこれら の方 法 から もと らえ ら れる。 ところで、書 替 えはあ るも のを 別 のも のへ と 、つまり、対象 テキスト をプロダクト へ と 書 替 え ることであ るが、ここで留 意 したいことが、二 つあ る。 そ の 一つは、何 を 対 象 テキストと す るか、であ る。も ち ろん、いず. 行 う 単 元に ついての研 究 であ る。よ って、先 にも 述 べたよう に文 学 分. れのテキストを使用することも可能であろうが、本稿は文学創作を. 書 き 表 さ れ ているテキストであ る 必 要 があ る。も ち ろん、小 説 など. 、﹁ 野における指導事項には﹁ 人物の心情や情景﹂ 情景や心情の描 写を取り入れて﹂ などとあることから、心情や情景が読み取れる・ の文学教材がこれに当たるだろう。ただし、文学教材は、登場人物 情景が述べられた が複数いたり、その複数それぞれについての心情 ・ 情景を表したり、など端的ではないも り、間接的表現により心情 ・ のがほとんどである。文学の定番教材である﹁ 羅生門﹂でも約六千 字 であ り 、主 な 登 場 人 物 と して下 人 と 老 婆 がいる。そして、それぞ れ のエピソー ドが 語 ら れ るだけ でなく 、語 り 手であ る作 者 のコメント ま でが 述 べら れ る。決 して単 純 な 構 造 と な ってはおら ず 、読 みと ら え ること にそれな り 以 上 の時 間 数 を 要 しよう 。そこで、文 学 創 作 に 向 け ての対 象 テキストと しては、随 想 教 材 を 活 用 したい。稿 者 は、拙. 二〇 一六︶において、随想には多様な定義がなされている状況 稿︵. を と ら え た上 で、稿 者 により随 想 を ﹁ も のや こと について、書 き 手 の. と定義し ものの見方、感じ方、考え方などが自由に表された文章﹂. 。す な わち 、多 様 な 随 想 のう ち 、書 き 手 によるも のの見 方 等 た 径4︶ が 心 情 的 なも のを 表 しているも のを 選択 し、それを 文学 創 作 の対象 テキストと す るのであ る。随 想 から 心 情 を よみと ら え 、それを も と に書 替 えを 行 う のであ る。 も う 一つは、ど のよう なプロダ クトと す るか、であ る。随 想 を 対象 と したと き 、いわ ゆ る、﹁ ∼ ∼ から はど のよう な 心 情 が読 み 取 れ ま. すか﹂ といった設問的なものに端的に解答するだけでは、書替えや. 創 作 と はほど遠 い。随 想 におけ る人 物 の心 情 を 読 みと ら え 、そして、 創 作 表 現 さ せたい。この際 のプ ロダ クトと して、語 り 手 を 替 え た 文 章 にす る、付 け 加 え る、な ど 様 々なも のが考 え ら れ るが、本 稿 では、. より文学創作的なものとして短詩型文学の創作を、中でも、テキス トにその内容を踏まえて作成した短歌を付け加えるものを提案し たい。短歌を始めとした短詩型の韻文はもちろん、叙情的なもので. あ ることは言 う までも な い。随 想 テキストから 読 みと ら え た 心情 を 踏 まえ た短 歌 を 作 成 さ せるのであ る。これは、随 想 テキスト のハイラ イトを と ら え 、そこにおけ る心 情 を ま とめたも のと いうこと も でき よう 。そして、それを テキストに付 け 加 え 、歌 物 語 のよう な 、あ るい は、詞書 きを も った和 歌 のよう な 作 品 へ と書 替 え るのであ る。 これら を 踏 まえ 、本 稿 では、随 想 テキスト のハイ ライトを と らえ 、. し、提 案 す る。. そこにおける心情を踏まえた短歌を作成し付け加えるという、歌 をする単元を実践 物語のような、書き手になりきった﹁ 変身作文﹂. 3 学習指導の実際. 本項では、前項までを踏まえた単 元デザインとその実践について 述 べる。. 214−.
(4) . 学 習 者 は、高 校 二学 年 四 五名 であ る。理 系クラスではあ るが、国. 学習者の実態 ︵一︶. らえながら読 む 、という よりも 、受 動 的 に文章 を 楽 しんでいる。. 語における関心は低くはない。文章を読むことに抵抗感もなく、読 書を楽しんでいる。ただし、書き手の思いや見方などを積極的にと. ︵ 二︶ 単 元の目標および言語活動 国語総合 の指導事項B書くこと 三 優れた表現に接してその条 件を考えたり、書いた文章について自 己評価や相互評価を行ったり. 都 市 に おけ る自 然 にも よさ を 認 める、自 然 に ついての、部 分 的 でな い、全 体 的 な 礼 讃 であ る。命 題 と 反 対 命 題 と いった 、す な わ ち 、 一 方 を ポジ ティブに、他 方 を ネ ガ ティブに、と いった単 な る対 比ではな い。 一方 の良 さ と 、そ れがと ら え ら れ るから こそ、異 な ると ころも あ るも のの他 方 の良 さ を より 感 じ取 ら れ る、と いった、積 極 的 な 自. 然礼讃といえよう。非 日常で感じ得た良さをきっかけに、日常の身. 近 にも 良 さ を 見 つけ る。いわ ゆ る”ダ メ出 し”を して、対 したも のを 良 しと す るのではな い、こう いった叙 述 の展 開 は、学 習 者 にぜ ひ学 ば せたい。 ﹁ 浅 春 随 筆 ﹂は六 つの段 落 で構 成 さ れている。そして、このテキスト. は第六段落とし、第 におけ るハイ ライトを 、佐 野 比 呂 己 ︵二〇 一 一︶ 。この第 六段落を導くための第 一∼ 第 五 段 落 であ ると している 窪5︶ 六段落の最後の二文は特徴的であり、特に、﹁ 浮き世に住めば落花. る. 全 二時 間 の単 元であ る。第 一次 では、テキスト の読 みと ら えを さ せた。簡 潔 な テキストであ るため、さ ほど 時 間 はかから ず に各 発 問. 五︶ 学習指導の実際 ︵. 第 二次 ︵一時間︶テーマを踏まえた短歌を創作させる 短歌の解説 ︵ 意図と工夫点など︶ を書かせ. テキストのテー マを考 えさ せる. ︵ 単 元の流れ ︵ 四︶ 発問︶ 第 一次 ︵一時間︶ 初読の感想を書かせる 意味段落構成を考えさせる 表現や 語句使用など、巧みさを考えさせる. おいても 、第 六 段 落 を ハイ ライトと す る。. も ま たよし。ぜ ひも な い。﹂と いう 七 音 と 五音 の構 成 による表 現 は、. して、自 分 の表 現 に役 立 てるととも に、も のの見方 、感 じ方 、考 え 方 を豊 かにす ること 。﹂および C読 むこと ﹁ ウ 文 章 に描 かれた 人物 、 情 景 、心 情 な ど を 表 現 に 即 して読 み味 わ う こと 。﹂に準 じて、文 章. 本単 元における短歌創作の切り ロともなる箇所といえる。本稿に. に描かれた心情、情景などを踏まえた自分なりの表現をすること、. と す る。 ま た 、そ のため の言 語 活 動 と して、① テキスト のハイ ライト ︵テー マ︶を と らえ る ② と らえ たも のを 短 歌 へ と 書 替 え る の二つとした。. 三︶ 主な教材 ︵ 本単 元の教材として、随筆を使用するが、その際にはやはり教科 書掲載テキストを使用したい。高校生を対象として編集されたもの. であ り、平 易 かつ身 近 な 話 題 であ るも のが多 いためであ る。ただし、 ここで述 べている教 科 書 とは、現 行 教 科 書 のも ののみを 指 しているわ. けではない。過去に編集された教科書掲載テキストも活用に値する ものが少なくないからである。本稿では、栃内吉彦 ﹁ 浅春随筆﹂ を使 浅春随筆﹂ は、昭和三十年に東京書籍から発行された、 用する。﹁ 柳 田国男監修の﹃国語 高等学校 一年上﹄に掲載されている。 この随想の特徴の 一つとして、事物へ の積極的な肯定 の姿勢があ る。具体的には、山麓における自然 への詞歌とそれに対比しつつも. にリ リ ム.
(5) . に取り組んでいた。意味 段落構成については、異同もあったものの、 第六段落をそれのみで 一つの意味段落として、ほぼ全員がとらえて いた。その論 拠 と しては、﹁ 山 から 帰 ったあと のこと で、場 所が変 わり、 考 え たこと ︶に ついても 触 れ ているの 自 分 の外 側 だけ でな く 、内 側 ︵ で﹂など と 、多 く の者 が 山 から 町 へ と 場 所 が変 わ っての叙 述 であ るこ. とをあげている。巧みな表現や語句使用については、﹁ 枕草 子のよう. 華 や かに. な視 点 ﹂﹁ 擬 態 語や 擬 声 語が想 像 さ せる﹂﹁ 五感 にう ったえ る﹂﹁ 色で の表 現が豊 か﹂コ∼ て﹂が多 く 、リズムを 作 っている二 生 物 を ﹁ こいつ﹂ ﹁ ∼ や つ﹂と 言 う こと で筆 者 と 自 然 と の距 離 感 が 近 いこと を 示 して 直 接 的 な 感 情 表 現 がな い。﹁ う れしい﹂﹁ 楽 しみだ﹂など 、は っき る﹂﹁ り書 かな いこと によ って、逆 にほのぼ のと した春 を 一貫 して伝 え るこ とができ ている﹂な どがあ げ ら れ た。また、﹁ 最 後 に身 近 な家 、浮 き 世 に視 点 を う つしている。ただ 山 の春 の感 動 で終 わ ら せる のではな も 目を 向 け ることで、読 み 手にも 考 え さ せてい く 、身 近な 所 への春 へ る。山 と 比 較 す ること でより春 の良 さ を 強 調している﹂と いったも の も あ った。テー マについては、﹁ 春 の自 然 はす ば ら しいも のだ。山だけ でな く 、浮 き 世 の自 然 にも よさ があ るよ﹂と いったよう に、﹁ 春 ﹂﹁ 自 山 ﹂﹁ 然 ﹂﹁ 浮 き 世 ﹂﹁町 ﹂﹁ す ば ら しい﹂な ど を キー ワー ドにそれぞ れ があげ ていた。 歌 物 語 のよう に﹂と いう 注 釈 のも これら を踏 まえ 、第 二次 では、﹁. を あげ る。. あたりのいるどり. と、短歌作成とその解説を書かせた。以下に、その作品と解説の例. 春 香り. 学習者A 多くの声は 時をにぎわし 筆者は春を全身で感じていると思ったので、五感を刺激す あ たり の 喚 覚 ︶を 表 し、﹁ る詩 にした。﹁ 春 香 り ﹂で春 の訪 れ ︵. いるどり 華や かに﹂で春 の明るく活気あふれる様 子 ︵ 視. 覚 ︶を 表 し、﹁ 多 く の声 は. 時 を にぎ わし﹂で鳥 だけ でなく 人. を表し 聴覚︶ を楽しんでいる様子 ︵ 間も他の動物たちも ﹁ 春﹂. た。﹁ 多 く の声 は﹂以 外 の句 を イ 段 で終 わ ら せて余 韻 を も た せた。読 んだ 人も ﹁ 春 ﹂を 全 身 で感 じら れるよう な詩 にした。. 学習者B. 冬 過ぎ て 夏 来 たるら し 浮 世 への 思 ひをはせて 夕 張 の山 ﹁ 春 過 ぎ て 夏 来 たるら し 白 妙 の 衣 ほしたり 天 の 香 具 山 ﹂と いう 持 統 天 皇 の歌 を この文 章 にあ てはめま した。 ﹁ 浮 世 への 思 ひを はせて﹂は三 日 二夜 のキャンプ生 活 を 経 て、. 世の中である家 ︵ 町︶の春と山の春の違いを感じ 筆者は現世 ・. ていると 、この文 章 の最 終 段 落 から 思 った ので、このよう にし ま した。ま た、この文 章 は昔 っぽ い言 葉 が多 いと 感 じた ので、 和 歌 を 引 用 したいと考 え ました。. 学習者C. 春 の頃 山 登 る緑 惜 しけれど 人 悩 む 世 にて 落 花 もま たよし 山 の春 は生 き 生 きと して素 晴 らしく 、花 が散 ってしま う の は惜 しいも のだが、人が悩 んだり迷 っていたりす る浮 世 では、 あ っさ りと 、迷 う ことなく 散 っていく花 は良 いも のであ るのは 仕 方 がな いことだという 思 いを 表 現 した。また、この文 では、 山 登 る緑 ﹂と いう 部 分 に擬 擬 人 法 が多 用 さ れ ているので、﹁ 人 法 を 用 いた。さ ら に、山 では春 が 終 わ ること を 惜 しむが、 町ではそれも 良 いと いう こと を 対 比 さ せ、人が悩 んでいる浮 世 では、落 花 が良 く 感 じら れる心 へのさ みしさ や あ き ら めの ような 少しマイナスな ニュアンスも 持 たせた。. 216−.
(6) . く書替えるとまとめるとの相違についての考察を今後の 一つの課題 としたい。. いずれの作品も、五感を意識した表現や余韻、本歌取りや擬人. 注. 七頁. ニ ニ ニ頁. ︵ おおむらときお/北海道旭川東高等学校︶. 5︶佐 野比呂己 ︵ 二0 − −︶﹁栃 内 吉 彦 ﹁浅 春 随 筆 ﹂を めぐ って﹂ ︵ ﹃国語論集8﹄ 北海道教育大学釧路校国語科教育研究室. 頁. 2X I︶に同じ 一二九 ∼ −三〇頁 ︵ 3X I︶に同じ 一三 二∼ 一三三頁 ︵ 随想を読むことの単 元の考察﹂ 4︶ ︵ 拙稿 ︵ 二〇 一六︶﹁ ﹃国語論集 3﹄ 北海道教育大学釧路校国語科教育研究室 一四三 1. ・. 1︶ 青木幹勇 : 九八六︶﹃ 第 三の書く﹄国土社 一二五∼ 一二 ︵. 法 と いったよう に、工夫 を しなが ら 短 歌 創 作 を していること がわ か る。特 に、五 感 や 擬 人 法 は、テキスト中 に表 さ れた 工夫 であ り、そ れを 踏 ま えた創 作 と したことがわ かる。ま た、単 に春 を 礼 讃 す るの. ではなく、人や動物、山や 町と対比しながらの自然を讃美した歌 と している。学 習 者 Cによる短 歌 は、第 六 段 落 の末 尾 の 一文 を 踏 ま え たも のでも あ る。これ ら は、テキスト のテー マを と らえ た上 での創 作 であ り、テー マを 表 そう と 工夫 した創 作 であ ると 言 え るだろう 。 最 後 に、これらを スライドで提 示し、相 互 に評 価 さ せた。テー マの と らえ はほぼ 同じだ っただけ に、そ のこと に関 してのコメントや 反応 はな かったが 、創 作 短 歌 に 関 しては、﹁ な るほど ﹂﹁ う ま いな あ ﹂な ど と 互 いの工夫 などに肯 定 的 に反応 しながら 見 入 っていた。. 全ハ︶ 考察と課題 随想を教材テキストとし、短歌を創作させた本実践は予想 以上 の結 果 を 得 たと 考 え る。ま ず 、テキスト の読 みと ら え では、自 然 礼 讃 ば かりでなく 、テキスト の多 様 な 工夫 にも 目を 向 け ていた。また、 第 六 段 落 がハイ ライトとな ること も読 みと ら えていた。そ の上 で、そ. な るよう なも のへ と 、考 えが及 びながら 創 作 していたことが、学 習 者. れを踏まえた短歌創作をしていた。テキストが創作短歌への伏線に. の叙述から読み取れる。﹁ 文章に描かれた心情、情景などを踏まえ た自分なりの表現をすること﹂ とした単 元の目標が十分に達成さ. れたも のと考 え る。 課 題 としては、書 き 手にな りき る、と いう 点 が薄 かったこと であ る。 歌 物 語 のよう に﹂という 指 示 を す ること で、書 き 手 発 問 の際 には、﹁ にな りき ること を 示 唆 したが、そ のこと は有 効 に機 能 したかはわ か ら な い。む しろ、テキストを ま と めるよう な 気 持 ち で短 歌 創 作 を 試 みていたよう であ る。短 く 書 替 え るという 行 為 は、学 習 者 にと っては、 小 中 学 校 から の学 びにより、ま とめる行 為 と 感 じら れるよう だ。短. 217−.
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