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促進的教育効果をもつ叱りの構造と受容過程に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)促進的教育効果をもつ吃りの構造と受容過程に関する研究                          専 攻 学校教育学                          コース 学校心理学コース                          学籍番号 ]〉[08038D.                          氏 名 古河 真紀子. 第1章問題の所在と研究目的.  口七りを難しいと感じる内容・状況は一「価値観.  第1節 r吃り」をめぐる問題背景.  のずれ」「コミュニケーションの難しさ」「関.   大人が子どもの逸脱的な行為を大目にみた.  係悪化懸念」「生徒の過剰な反応」であった。.  り、無視しがちな傾向が反省され、最近叱り.  第2節 高校教師の吃りとほめの指導行動に.  の必要性がクローズアップされている。.      おける.負担感.   本研究では教師の「吃り」を「生徒の不適.   rほめ」r吃り」いずれを成立させるために.  切な行動に対し、生徒をより望ましい方向へ.  も、教師は人間関係が重要であると認識して.  促すために、行動変容を目的として行われる.  いる。r叱り実践」とr叱り負担感」は無相関.  教育的行為」と定義する。.  であり、教師それぞれの考え方に幅があるこ.  第2節先行研究.  とが示された。「ほめ負担感」と「叱り負担感」.   先行研究では、・「吃り」は教育論としての提.  は有意な相関を示し、吃りの負担感が高いも.  言が多く、なぜr吃り」が生徒に入っていか.  のの、吃りが負担に感じる教師はほめること.  ないのか、なぜ教師が「吃り」をためらうの.  も負担に感じている。rほめ」とr吃り」が成.  か、という教師叱りに対す肴抵抗感や回避感.  立する背景に共通点が多いことが示唆された。.  情に関する実証的な心理学的研究は極めて少.  また、教師と生徒の関係が役割に基づくr上.  ない。また、「吃り」1幸ネガティブ評価として.  下の人間関係」からフラットで親密な関係に.  取り上げられることが多いが、r吃り」がもつ. 移行しており、教師の権威の崩壊かご.のよう.  促進的教育指導効果についても検討する必要.  な現象の背景にあると思われる。.  があると思われる。.  第3節 生徒が吃りを受容できるための要件.  第3節 本研究の目的’.   生徒はカウンセリング技法に基づいた指導.   学校の教育活動における教師一生徒間の.  を望み、教師もそのようなアプローチを心が.  r吃り」に焦点をあて、第一に、「吃り」を成.  けているにもかかわらず、教師は吃りが入り.  立させにくくしている心理的要因について実.  にくいと感じ、困難さを抱えていることが明.  証的に検討を行う。第二に、r動機づけ」の心.  らかとなった。吃りの目的である行動修正ま.  理的メカニズムの観点から、教育的促進効果.  で考えると、信頼関係の構築に努めるだけで.  をもつ吃りの特徴とその受容過程を明らかに.  は促進的教育効果をもつ吃りの成立は困難で.  する。.  あることが示された。. 第2章叱りを成立させにくくしている心理的. 第3章促進的教育効果をもつ「叱一り」の構造.    要因(第1研究).     と受容過程の分析(第2研究).  第1節 高校教師にとっての吃りの難しさ.  第1節 行動修正の意欲へとつながるr吃り」.   高校教師を対象に質問紙調査を行った結果、.   促進的教育効果をもつ「吃り」は、「親身一・. 一82一.

(2) 理解」「気づき」「見通し」「行動の喚起」「教.  共分散構造分析によるモデルの検討を行っ. 師信頼感」「感情表出」のカテゴリーに分類さ. た結果、Fig.2に示すモデルが妥当なモデルと. れた。これは「安心感・安全感の確保」が行. して得られた。. われた・うえで、「自己統制感」に働きかけるこ. との重要性を示している。. 第2節高校生の叱り受容の心理的メカニズム  佐伯・柾(2008)は、叱る行為を支える基 盤となるのが、r信頼関係」と叱られる側のr自.   自㈹信服  團国         1鰯㈱\5輯㈱   他者への信頼  ハ#ヰ.         I.              自己を対象化する能力          .価潮. 函.       刊榊                    珊榊.            〃        繊信鯛.   函㈱. 己を対象化する能力」であるという。.  教師一生徒間のr吃り」を考えるうえで、基 盤となる「信頼関係」は「教師信頼感」および「(自. 分および他者への)信頼感」であると考えること.          一.69軸      .丁8軸.   顯不麗   不鵠             〆=ll』 側パ001.   座19‡ 1閑R;器、蝋、餅舳. ができる。また、r自己を対象化する能力」を構.       同島2生徒管からの叱リ受容プロセスモデルの分析舘果. 成する要素としては、生徒に「共有されるべき価.   「教師信頼感」と「信頼感」は「自己対象. 値観」が備わっているかどうかを測るものとして. 化する能力」を介してr叱り受容」に正のパ. 社会の中で望ましい自己実現を行うr社会志向.  スを示した。しか・し「不信」は「叱り受容」. 性」を、「自己原因性信念」については「内的統. に直接負のパスを示した。叱り受容のプロセ. 制感」を仮定する。そこで、以下の尺度による.  スは重層的であるのに対して拒否のプ1コセス. 質問紙調査法を行った. が短輝的であることが、教育現場での吃りを. ①Locus ofcontro1尺度(鎌原ら 1982). 難しく感じさせていると思われる。. ②社会志向性尺度(伊藤 1993). 第4章 総合考察と今後の課題. ③信頼感尺度(天貝 1995).   叱り受容感を高めるには教師と生徒の信頼. ④教師信頼感尺度(中井ら 2006). 関係を基盤とし、「自己を対象化する能力」に. ⑤叱られ受容感(本研究において作成). 働きかける必要性が明らかとなり、その際、.  本章第1節の結果を踏まえ、「動機づけ」の.  「自分への信頼」やr他者への信頼」を脅か. 心理的メカニズムの観点から、 「生徒のロヒり受. すことがないよう配慮すべきであることが示. 容過程」の仮説モデル(Fig1)設定した。. 唆された。「自己対象化能力」を育むためには. 室手.  r信頼感」も育む必要があり、ともに対人関 係上の経験により育成されることが示唆され た。これらを育むための取り組みを具現化し. ノ    自己を対象化する能力 信頼感. ていくことが今後の実践的な課題である。. 工.   r自己を対象化する能力」の概念的精緻化、 及び「叱り受容感」と親子関係や養育態度・と. 教師信頼感 叱り受容感. の関連についての検討が、今後の課題である。 不信感. Fi厘.1生徒側からの叱り受容のプロセス1:関するパスの予測.     主任指導教員  浅川 潔司.     指導教員  新井  肇. 一83一.

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