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切削加工状態同定のためのインプロセス測定 第2報 : 切削温度の推定と工具寿命の検知 利用統計を見る

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(1)

切削加工状態同定のためのインプロセス測定

―第2報 切削温度の推定と工具寿命の検知―

丹沢恒正

興水長典

小尾誠 (昭iFN55iF;9月1日受理)

In-process Measurement of Cutting Condition

-2nd Report The Measurement of Cutting Temperature

and Life of Cutting

Tool-TsunemasaTANZAWA NaganoriKOSHIMIZU MakotoOBI

Abstract  This paper shaws the measurements of cutting temperature and too1−life of cutting tool. The cutting tool temperature is concerned with cutting force. The experiments result is concerned with cutting force and that is similated by the cutting force and the ratio of the tangental compornent and radial compornent of the cutting force. Therefor the temperature is estimated by the cutting force with out the measurement of the cutting temperature. In cutting process, the increas of cutting tool wear case to tool chatter. many case, the cutting too1−life is determined by the value of the cutting tool wear. But this study assumes that the tool chatter indicates the cutting tool・1輌fe. According to the experimental results, it is found that the relation between the logarithms of tool・life time and the logarithms of cutting condition is lineer.

1.緒

言  近年切削加工技術の発展は著るしく,切削加工機構 に関する基本的研究関係はもちろん,切削加工システ ムとしてその最適化を計るべく最適化手法が積極的に 導入され,切削加工状態を同定するためのインプロセ ス測定に関する非常に多くの研究がなされてきた1)。 切削加工状態を同定するための状態変数としては,切 削抵抗,切削温度,振動,工具摩耗(寿命)などがあ げられている。前報2)では切削抵抗の測定法について 報告したので今回は切削温度および工具寿命の検知に っいて述べる。 *(株)トキコ  切削温度の代表的な測定方法としては,工具一被削 材熱電対法3)である。その他,工具すくい面の最高温 度あるいは工具すくい面の温度分布を測定する方法と して被削材に小穴をあけ,パイロメー・一タで測定する 方法4),工具に小穴をあけ絶縁的処理を施したコンス タン線を通し切り屑との間の熱電対を形成する方法な どがある5)6)。また,直接温度を測定する代わりに切 削温度を数学的モデルから計算しようとする理論式あ るいは実験式を導びいている研究もある。たとえば, showの解析結果による理論式7)あるいは竹中の実験 式8)などはよく知られている。  これらの測定法は,切削理論における切削温度を解 析するという研究室的目的で開発されてきた。・したが って,近年の加工条件の最適化を意図し,その目的を

(2)

昭和55年12月 山梨大学工学部研究報告 第31号 実現するための切削温度の測定,いわゆるインプPセ ス測定としては問題点も多い。例えぽ,ノイズから避 けるために工具と工作機械とを絶縁しなければなら ず,熱電対の引き出し線が工具回転あるいは交換時の 大きな障害になること,また,測定することにより測 定部の局部的状態が正常態とかわらないようにするた めに相当な考慮をはらわなけれぽならない。これらの 原因のため,以上の切削温度測定法では加工条件の最 適化を計る意図を十分有効にしえない場合も多い。こ のため本研究では,従来の多くの研究から切削エネル ギーは95%以上熱に変換されることを踏まえ,あえて 切削温度を直接測定する方法をやめ,切削抵抗と切削 温度との関係を知り,切削抵抗から切削温度を推定す る方法を検討した。  工具摩耗(寿命)の測定に関してはポストプロセ ス,インプロセス測定として現在までに非常に多くの 研究開発がなされている9)。代表的な例として変位 計による工具摩耗の直接測定10),ITVカメラによる 工具摩耗の測定11),切削分力比による工具摩耗の推 定12),光学式仕上面あらさ測定器による工具損傷の検 出13),AEによる工具損傷の検出14),などがある。し かし,いずれも工業的見地,すなわち構造,測定精 度,信頼性,経済性などの総合的な面からの評価は一 長一短である。本研究では,工具摩耗が進行すると き,ある大きさの工具摩耗に達すると工具,工作機械 の振動が発生することに注目し,この振動の発生を工 具寿命基準とした工具寿命の検知に関して検討した。 2.切削温度の推定  2.1実験方法と装置  切削抵抗と切削温度の関係を知り,切削抵抗から切 削温度を推定すべき数学的モデルを実験的に求めるこ とが具体的な目的である。このため,切削抵抗と切削 温度を同時に測定し記録する。切削抵抗は歪eh“ .一ジ式 切削動力計により,切削温度は加工物と工具との熱電 対であるいわゆる一本バイト法を用いた。この場合, 刃物および加工物と導線との接点の温度による測定誤 差を避けるために,すでによく知られている加工物の 側では,工作物と同種(切り屑によって製作)の棒を 加工物に取り付け,旋盤の主軸を貫通して主軸側に導 き,水銀槽に浸し,ここから導線を取り出すことと し,刃物の側は絶縁して刃物台に取り付け,超硬の丸 棒によって工具(スロ 一一アウエイ型チップ)から導き 水銀槽に浸し,ここから導線を取り出している。実験 はすべて旋削加工によって進めた。旋盤は山崎製マザ ックジュニア高速精密旋盤(460×2000)を用いた。 また切削剤は使用せず,すべて乾式切削として実験を 行った。工作物はS45C中実丸棒,切削工具はスn一 アウエイ型超硬工具東芝タンガロイ,TX20TUP331 である。  2.2 実験結果と考察  一般に切削抵抗および切削温度は切削条件により変 わる。例えば,切削温度と切削条件(切削速度,工具 送り,切込み)との関係を図一1に示す。図から明ら かなように,切削温度は切込みに関しては微小切込み 部では急激に増加するが,0.25mmを超えると切込 みの増加に対してほぼ一定値になる。一方,切削速度 および工具送りに対してはそれらの対数と直線関係に ある。このような結果から考えると,切削条件との関 係において切削抵抗と切削温度が最も異なる傾向を示 すものは切込みである。切削抵抗は切込みに対しほぼ 直線的に増加する。ところで切削抵抗を二成分(主分 力民,送り分力民)としてみるならいずれも切込み に対して比例することから,その比民/Ftあるいは F,/Fcは切込みに対し一定になる。一例として実験結 果を図一2に示す。図一2は切削抵抗二成分(主分力, 送り分力)の比と切込みとの関係を記録したものであ

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堅 避 700 書 慧  5000

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堅 賀 蓋 tt 1000 500 300  40 50 0.5       1.0       1.5   切込み(mm)        ●’ e 1● ● ‘   ・ i 1     100 切削速度(m/min) 200 2.0

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 5000  0.1 0.2 0.3 0.4

        工具送り(mm/rev)  図一1切削温度と切削条件の関係

(3)

  1.0 ξ・・ 妻・.・

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藝 蓑゜・2   0        0.5       1.0       1.5       2.0         切込み(mm) 切削速度:150m/min,工具送り0.1mm/rev  図一2 切削抵抗成分の比(Ft/Fc)と     切込みとの関係 る。実験結果から明らかなように,厳密には 切込みの小さい範囲においては切削抵抗二成 分の比(民/Fc)は小さくなるが(切込みが小 さくなると工具刃先の丸みが影響し,いわゆ る二次元切削から三次元切削要素が強くなる ξ1・o ミ MO.8 芯 念 0.6 餐 彗o.4

慧4。。  5。。  6。。  7。。  8。。

       切削温度 (月芝C) 図一3 切削抵抗成分の比(Ft/Fc)と切削温度との関係 ξ1・o

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二〇・8

6

念 0.6 餐 豊o・4 慧 ため),仕上げ加工を除く通常の切削加工条件の範囲 ではほぼ一定であるとみなされる。したがって,この ような範囲での切込みに対し,切削抵抗二成分の比 Ft/Fcおよび切削温度が一定であるならぽこのよう な切込み範囲では切削温度θは切削抵抗二成分の比 Ft/Fcにより切削速度V工具送りfとすれぽ,   θ=ノ「(V,ノ∼Ft/Fc)      (1) として記述される。ところで工具すくい面における切 り屑との摩擦係数μは切削理論モデルによれぽ   μ=(Fc tanα十Ft)/(Fc−.Et tanα)      (2) と表わされる。ただしαは工具レーキ角。したがっ て工具レーキ角零(スロアウエイ型工具を使用するな ら工具レーキ角は通常マイナス5度であるが近似的に 零とみなせぽ)の場合,切削機構の力学的関係におい ては切削抵抗の二成分の比瓦/Fcは工具すくい面の 摩擦係数を示す。切削温度は工具すくい切り暦との摩 擦係数に強く依存するため,切削温度を実験的に(1) 式を求める。実験結果を図一3に示す。図一3は切削速

度を87m/minから250m/minの範囲で4段階に変

え,工具送りを0.05mm/revから0・30mm/revの 範囲で適当に変化させることにより,切削温度の変化 と切削抵抗二成分の比(Ft/Fc)との関係を記録した ものである。これらの実験結果をみると,おのおのの 切削速度においては工具送りの変化に対し,切削温度 と切削抵抗二成分の比(Ft/Fc)との関係は線係であ り,かつ切削速度が変化してもその傾きが一定である

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ξ1㍗輪 ・㌣ぱ   切削速度   50∼100m/min  ◎100∼150m/min

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…甦i見㍗,ゐ

3.5      4.0       4.5       5.0        θ/V°’5   図一4 切削温度と切削抵抗との関係 5.5 ことがわかる。したがって(1)式は   θ=∫(Ft/Fc, A Ft/Fc,「V)         (3) として表わされる。なお,切削温度θと工具寿命時 間および切削速度γの関係は竹中らによってθ=Cl

Vn1またTaylorらによってTVn2=C215)なる関係

が明らかにされている。ただしCl,nl,C2,n2は定数。 したがって切削温度と切削速度との関係は,   θ=CVn      (4) のように示される。ただしC,nは定数。このことから 切削温度θとθ/Vnとの関係に注目して実験結果を整 理すると図一4のようになる。図一4は他の条件を一定 にした時の式の指数がほぼ0.5であることから,切削 抵抗二成分の比(Ft/Fc)とθ/v−o’5との関係を図示 したものである。実験条件の切削速度50m/minから 300m/min,工具送りを0・05mm/revから0・3mm/ revの範囲で任意に選択して行っているが,目安とし て切削速度50∼100,100∼150,150∼200,200∼350 m/minの4段階に分けそれぞれの範囲による印によっ て記録している。これらの結果から,切削速度を変え ても若干のバラツキは伴なうが,比較的一定な曲線上 に整理される。したがって,以上総合的結果として, 切削抵抗二成分の比(民/Fc)と切削温度は   θ=Vn(C1十C2・Ft/Fc)      (5) なる関係が予想される。ここですべてのデータを式 (5)に代入した時の切削温度θと熱電対によって測 定された切削温度との差が最も小さくなるよう最小二 乗法によってn,c1,c2を定めると式(5)は

(4)

昭和55年12月 山梨大学工学部研究報告 第31号

6

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慧 .8 切削速度  50∼100m/min olOO∼150m/min o150∼200m/min O200∼250m/min    500       600      700       800    熱竃対により測定された・切削温度(1変C) 図一5 切削抵抗により推定された切削温度    と,熱電対により測定された切削温    度との関係 芝タンガPイ,TX20, TUP331)で旋削加工を進め, その時の工具の振動を振動計(日本電子504−M)に より検出し,同時に切削を中断しながら工具顕微鏡に よる工具逃げ面摩耗幅を測定する。  3.2 実験結果と考察  まずはじめに,一般的に行われる工具寿命試験の結 果の例を図一6に示す。図一6はいわゆる工具寿命式を求 めるためと切削速度と工具寿命時間との関係を示す。 通常の切削加工においてはそれらの対数をとれば,ほ ぼ直線上に記録される。図一6は最大工具逃げ面摩耗幅 300μmを工具寿命基準にしているが,これらの実験 結果を整理すると最大工具逃げ面摩耗幅が300μmお よび500μmでの工具寿命式は次のようになった。

ぼ:::::慧隠lll鴛;}(7)

  θ== VO’41(181.3−−171.6・Ft/Fc)      (6) なる関係が得られた。したがって実験データを(6)式 によって整理すると図一5の関係が得られる。図一5は 切削抵抗二成分の比Ft/瓦により(6)式から計算した 切削温度を縦軸に,熱電対により測定された切削温度 を横軸にとりその関係を示している。切削条件は切削 速度が50m/min∼250m/min,工具送り0.05mm/rev ∼0.3mm/revの範囲で任意に定めている。この結果 からわかるように,若干のバラツキは認められるもの の,切削抵抗から推定した切削温度値と熱電対により 直接測定した切削温度値とは比較的よく一致し,切削 温度はあえて切削温度を測定しなくても以上述べたよ うな切削抵抗によって推定されるため,実用的範囲に おいては十分有効な方法と考えられる。 3.工具寿命の検知  3.3 実験方法と装置  適切な切削が困難になった時工具寿命である。この ような工具寿命の基準は,具体的には工具摩耗,振動 加工精度,特に確認が容易で定量的に示されることか ら多く工具逃げ面摩耗幅が用いられる。しかしながら 加工の最適化を計ろうとするとき,工具逃げ面摩耗幅 は切削を中断しないと検知しえないのが現状である。  したがってここでは工具,工作機械の工具摩耗進行 に伴なう振動の発生を基準にした工具寿命と工具摩耗 を直接基準にした工具寿命との関係を明確にし,振動 の発生を基準にして工具寿命を検知しうるかを検討す ることが具体的な目的である。このため,任意の切削 条件で中実丸棒S45Cをスロアウエイ型超硬工具(東 500   切削条件     1=3cm     d=1mm 400   VB=300μm 宕

……\

墾、。。 慧 100 ・f−O.10mm/rev of=0.15 ●f=0.20 ◎f=0.25

  345678910   20 3040506080100      工具寿命(min) 図一6 切削試験によるv−T曲線 150   ・切削条件   一V=232m/min    −●−V=158m/min     f=0.105mm/rev

    d=1mm

 100

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旦 聾

 50

/   0    15   30   45      七U肖[JH寺間 (min) 図一7 切削時間の経過に伴なう    工具の振輻

(5)

なお,JISB4011によれぽ,かなり古いデータである が,VBm・x:200μmは精密軽切削,非鉄合金の仕上 げ削り,VBm。x:100μmは鋳鉄,銅などの一般切削 という目安を示している。  一方切削が進行すると工具は振動しやすくなるとい われているが,実験結果によれば図一7のようになる。 図一7は切削の進行に伴なう工具の振動を加速度計から の出力で示している。これからの結果をみると,工具 の振動は加工条件によって異なるが,いずれも切削時 間の増加に伴ない,はじめは一定でありやがて急激に 大きくなった後再び一定量になる傾向を示す。このよ うな切削の進行に伴なって,切削過程で最も大きく変 化するのは工具摩耗である。したがって工具摩耗と工 具の振幅との関係を見ると図一8のようになる。図一8 に示す実験は切削速度は150m/min∼230m/minの 範囲で4段階に分けて行っているが,いずれも工具の 振幅は切削条件によって異なるが,工具逃げ面摩耗の 進行に伴ないはじめ一定値を示すが,やがて急激に増 加後再び一定になる傾向を示す。また,工具振幅が急 激に増加する工具逃げ面摩耗幅は切削速度により若干 異なるが,ほぼ200μm∼300μmを示し,再び工具振 幅が一定になるのは約400∼500μmに認められる。 したがってこのような工具振動の発生点および再び一 定になり安定する点を工具寿命の基準にすると,図一9 に示すような実験結果を得た。図一9は工具寿命時間 の対数と切削速度の対数との関係を示しているが,下 が振動の発生点を上が再び振動が一定になる安定する 点を工具寿命の基準としたものである。切削速度は 150m/min∼300m/min,工具送りは0.1mm/rev∼ 0.25mm/revの範囲で実験している。これらの結果 ⊆

9

馨 150 100 50   {    V=202m/min    f=0.105mm/rev −・一

o間鑑瓢ev

    0    100   200   300   400   500   600        フランク摩耗幅(μm) 図一8 工具の振幅とフランク摩耗幅との関係 500   切削条件     1=3cm     d=1mm 400 言 き

亘300

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慧200

100 ・∫−0.10mm/rev ef=O.15 ■f=0.20 ◎f=0.25

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    3456 8 10   20 30405070 90100         工具寿命(min) 図一9 工具振動を工具寿命基準にした時の    V−T曲線 をみると,先の図一6に比較して若干バラツキは大き くなるものの,工具寿命時間と切削速度との関係はお のおのの対数が線形にあり一般的な工具寿命式として 示されることがわかる。式(7)と同様に工具寿命式を 求めると

  ぼ:::::ll;:鴎竃鶏}  (8)

となる。(7)式と(8)式とを比較すると工具寿命式の指 数はほとんど一致することがわかる。このことから, 工具振動を工具寿命基準にしても工具摩耗を工具寿命 基準にしても全く同様に考えることがわかる。  3.3 工具寿命のインプロセス測定の応用  工具振動を工具寿命基準にすれば,切削を中断する ことなく,かつ工具摩耗を基準としたときと同様な工 具寿命式指数で示されることがわかった。このような 結果を利用して旋削加工の最適化プロセスを考えてみ る。機械加工における加工条件の最適化法15)によれ ば,加工時間(能率)あるいは加工費用を加工工程の 図一10加工条件最適化の一例

(6)

昭和55年12月 山梨大学工学部研究報告 第31号 評価基準とするならそれらを最適にする工具寿命時間 をT・ptとするならば   Topt=一一一R2/R1(t(x)/xt’(x)n十1)       (9) として表わされる。ただしX:加工条件,t(X):実切 削時間,R1,R2:加工法および評価基準により定まる 定数を示す。旋削加工ではt(x)/att(x)は一1とな り,また(8)式よりn=O.245とすれぽ,最適工具寿 命時間T・pもは,   T。P、=3.08R2/R、      (10) として求められる。したがって(10)式に示される工具 寿命になるべく切削速度を制御すれぽよい。制御の一 例を図一10にフロチャートで示す。図に示すように切 削過程から工具の振動を検出し,振幅の大きさにより 工具寿命を検知する。工具寿命にいたったとき,工具 寿命時間が式(10)で示される値に等しいか否かを判断 し切削速度の最適化を計ろうとするものである。

4.結

言  切削加工状態の最適化を実現するための状態変数で ある切削温度と工具寿命について,それらの測定法に ついて検討した。切削温度については切削抵抗から推 定する方法を,また工具寿命については工具振動から 検知する方法を示したが,以上要約すると次のように なる。  1.切削温度と切削抵抗とは強い相関関係があり, 実験的にその関係を求めると切削温度は切削抵抗二成 分の比(送り分力/主分力)の一一次関数で求められた。 例えば本研究で行った旋削加工では切削温度θは   θ=「Vo’41(181.3−171.6・Ft/Fc) として求められる。ただしV:切削速度,民:切削 抵抗送り分力,Fc:切削抵抗主分力を示す。  このことは,あえて熱電対等で切削温度を測定しな くても切削抵抗から切削温度を推定することが可能で あることがわかる。  2.切削工具摩耗と工具振動との関係を実験的にみ れば,切削工具摩耗進行に伴ない工具振動の振幅は, はじめは一定でやがて急激に増加し再び一定値とな る。したがって,このような工具振動の発生点と定状 点とを工具寿命基準として,工具寿命式を実験的に求 めた結果と工具摩耗幅を工具寿命基準として求めた結 果とを比較すると,それらの工具寿命式指数がほとん ど一致することがわかった。  このことから,切削中中断して工具摩耗を測定しな くても,工具振動を測定していれぽ工具寿命を検知し うる。

参考文献

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参照

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