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企業グループの戦略・計画・予算

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(1)

白鴎大学論集VoL6No.2(1992)157−182 ヨムレ   し 目冊 又

企業グループの戦略・計画・予算

紺 野

剛      目   次  1 グループの誕生  2 グループの共存共栄の経営  3 グループ経営の推進  4 グループメンバーの分類』 皿 グループ戦略・計画・予算  1 グループの経営管理手法

 2 グループ戦略

 3 グループ計画

 4 グループ予算

 5 グループ情報制度とネットワーク化 IV 結びに代えて 一一キヤノン㈱のグループ管理一 1 はじめに II グループ経営 172

(2)

1 はじめに  21世紀の企業像を目指した「21世紀ビジョン」づくりが産業界に広がって いる。そこにおいて,「グループ化」というキーワードが,「国際化」,「社 会貢献」と並んで最も関心を集めてきているのは何故であろうか。参考まで       1)にグループ化と関連する主な事例を掲げてみよう。   連結経営重視(旭硝子)   真のグループ経営の確立(大阪商船三井船舶〉   グループ総合経営の強化(K D D)   国際的企業グループヘ飛躍(ジャスコ〉   グループカの強化(住友化学工業)   GroUp Management(東レ)   グループの変身(名古屋鉄道)   関係会社との共存共栄(日本発条)   多軸連邦複合経営(松屋)   ネットワーク経営,グループ経営の志向(丸紅)  具体的な目標設定においても,個別企業の数値のみならず,連結数値をも 掲げている企業が増加しつつある。  このように,21世紀に向っての核心に「グループ化」というテーマが注目 を集めてきているのは明白である。  しかも,貿易摩擦と欧米の日本的経営の関心は,企業グループの存在とい う問題を提起した。日米構造協議(Structural Impediment Initiatives)にお いて,米国側が日本企業のグループ経営の不透明さに目を向け,系列取引の 排他性を厳しく批判した。この批判を交すために,大蔵省は系列取引に関す るディスクロージャー(企業内容の開示)を大幅に拡充することを決定した。 具体的な内容は,①系列取引に関する開示対象会社を拡大するとともに,取 引条件などを記載するなど開示内容を充実させる。②連結財務諸表を有価証 券報告書本体に組み込むなどである。これらの改正は1991年4,月以降開始事

(3)

企業グループの戦略・計画・予算 業年度から適用されている。  今回の改正で「関係会社に関する事項」は「企業集団等の状況」に改めら れ,その内容は①企業集団等の概況,②企業集団の状況(企業集団の業績等, 連結財務諸表,セグメント情報,連結子会社の状況その他),③関連当事者 との取引が記載それ,大幅に拡充された。取引の内容は,資本(カネ)関係       2)のみならず人的関係(役員派遣),技術供与なども含まれている。 これに より,企業グループの状況,企業グループ間取引の実態はかなり把握できる ようになった。  これを契機として,開かれた状況下で,今まで以上の公平な取引が行われ るように,各企業はグループ間の取引を見直し,新たなグループ関係を構築 し始めている。思わぬ誤解や不信感を取り除くためには,積極的な情報の公 開が必要である。  企業グループの問題はかなり昔から議論されてきたが,今このように,新 たな認識のもとで再び登場してきた。本稿では,グループ化を企業経営の中 核に据えて,・その具体的な考え方,管理手法を考察しながら,企業グループ       3)の戦略・計画・予算(Strategy,Plan,Budget,以下S P Bと称する) に ついて論究する。

豆 グループ経営

 1 グループの誕生  企業が発展すると,核分裂を起し,子会社が誕生する(分社化)。子会社 が発展すると,核分裂を起し,孫会社が誕生する。必要に応じて他企業を核 融合(合併〉させて,同一グループに組み入れることもある。時には子会社 又は孫会社を核融合させて,親会社に組み入れることもある。このように企 業は基本的には核分裂を繰り返し,必要に応じて核融合も行い,単一企業体 から非常に多くの構成体からなるグループ企業体へと発展していくのである。 この背景には,企業の多角化,分権化,国際化,M&Aの活発化,消費者二一

(4)

図表1 企業の核分裂と核融合

      核分裂

      ○

    /↓\

○○○○○○○

     核融合

  \  /

/○.

○    ○

ズの多様化,業法改正等が大きく影響している。最近の傾向は,グループ構 成企業の急増のみならず,多種多様な業種への進出,そして再編,見直しを       4)も迫られている。  企業はグループを構成することによって,各企業の経営資源を共有させ, 資源移動を容易にし,効率的な資源配分を可能にする。激動するマーケット により対応させるために,グループ全体で事業ドメインを拡大・深耕し,戦 略的に経営することが考えられる。すなわち,生活者及びマーケット志向を 徹底するために,グループとしての経営を推進するのである。  上岡一嘉は,企業形態の成長過程を所有概念を中心とする静態的な観点か        5)ら,経営戦略・管理・組織を中心とする動態的な観点へと展開している。 同様に,企業グループの成長過程を所有概念を中心とする静態的な観点から, 経営戦略・管理・組織を中心とする動態的な観点へと展開してみよう。  2 グループの共存共栄の経営  これまでの日本の企業グループは,どちらかと言えば,子会社,関連会社 等を誕生させても,親会社を中心に考える,すなわち親会社の業績を最優先 にする経営を実践してきた。子会社等を下請け企業として取り扱ったり,親 会社に従属する存在として位置づけたりしている。子会社等の自己存在・発 展目的よりも,親会社に貢献する目的がより重要視されてきている。子会社

(5)

企業グループの戦略・計画・予算 等の利益は親会社によって犠牲にされることもあり,「グループ経営」とい うよりも,完全に親会社中心の経営である。  このような日本的土壌により,欧米では連結財務諸表が中心的な財務諸表 であるにもかかわらず,日本では未だに個別財務諸表が中心であり,グルー プ経営ではなく,個別親会社中心の経営であった。1977年度以降日本におい ても証券取引法上,連結財務諸表が制度化され,徐々に整備,充実されてき   6) たが, この連結会計も,企業の自主的な必要性から導入されたものではな く,法制度上の強制によるものである。このために,連結財務諸表作成は, 外部報告目的に終始しており,内部管理目的にはそれ程利用されていない。  このような親会社中心の経営であれば,最終的には子会社等の利益は親会 社の利益に集約されるから,子会社等の管理は矛盾することなく統一的に実 施されやすい。すなわち,親会社の立場から,子会社等をできる限り合理的 に管理・運営するということである(「子会社管理」,「関係会社管理」)。  しかしながら,今後の企業経営を展望すると,他人の犠牲による繁栄は問 違いなく否定されるであろう。親子問の関係についても,一方的な支配従属 関係から脱却しなければ,企業の真の生存・発展の道は遠ざかって行ってし まうかもしれない。子会社といっても,運営上の自主性,主体性は必要であ         図表2 連結財務諸表制度化の歩み 1960年3月 大蔵大臣が企業会計審議会に「連結財務諸表制度化の検討」を諮問 1967年5月 「連結財務諸表に関する意見書」公表 1971年6月 「連結財務諸表の制度化」を諮問 1975年6月 「連結財務諸表の制度化に関する意見書」公表      (連結財務諸表原則,注解) 1976年10月 大蔵省令,連結財務諸表規則公布 1977年3月 「連結財務諸表規則取扱要領」公布 1977年4月1日以降開始事業年度から施行 1983年4月1日以降開始事業年度から持分法の強制適用 1988年4月1日以降開始事業年度から提出期限3ヵ月以内に(連結と個別同時公表) 1990年4月1日以降開始事業年度からセグメント情報の開示 1991年4月1日以降開始事業年度から連結財務諸表の有価証券報告書等本体への組入れ

(6)

り,必ず何時か完全な従属から解放を求める時が到来するであろう。  そこで,親会社側が一歩後退して,子会社とできる限り平等になり,親子 問の支配従属関係というよりも,共同体というイコール・パートナーの関係 に移行する方が,グループ経営としては望ましい。さらに,グループ共同体 という新しい企業主体を登場させた方がより適切かもしれない。親会社もグ

       7)

ループ共同体の一構成メンバーとなるのである。 すなわち,親会社中心の 経営から,完全なグループ中心の経営への転換である。  このようなグループ中心の経営になると,グループ全体の経営活動とグルー プメンバーの個別企業の経営活動との新たな関係が求められる。両活動は, 理想的には同一方向に向うべきであろうが,時と場合によっては逆方向に向 うことも生じてこよう。グループ中心の経営であるから,最終的にはグルー プの利益を最優先させることになる。そこで,グループの利益のために,グ ループメンバーの利益が犠牲になることも考えられる。これも極端になると, 今までの親会社中心の経営と同様の問題が生じてきてしまうかもしれない。 あまりにもグループの利益を優先させると,メンバーの自主性が失われ,各 個別企業の活力が乏しくなる危険性がある。そこで,グループの利益とメン バーの利益を相対的に調和させながら,しかも各メンバー問の利益をも調整 し,グループ共同体としての発展を目指し,同時に各メンバーそれぞれの発 展をも目指そうとする,共存共栄の経営が求められている。  各メンバーの自主性,主体性を尊重すると同時に,グループ全体としての 統合性をも尊重する。各メンバーの機動性を発揮しながら,グループ全体と しての統一性をも発揮するのである。すなわち,分権的システムを内包しな がら,全体としての統一された方向に向って,メンバー間のコンフリクトを 和らげていく。分散と統合,分権と集権という相反する概念をバランスさせ ながら,同時平行的に追求する思想である。そこで,個と全体,自立と統合 とが巧みに図られ,グループ共同体としての有機的一体化が達成される。

(7)

      企業グループの戦略・計画・予算  3 グループ経営の推進  グループ経営を推進するに応じて,個別企業の業績だけでは全く実態が把 握できなくなってしまう。そこで,個別企業の業績のみならず,グループ全 体としての業績にも注目され,そしてどちらかと言えば,グループ業績の方 がより重要となってきている。決算発表の説明においても,新聞報道におい ても,連結情報に比重が移行しつつある。  企業競争においても,個別企業間の競争から,企業グループ問の総合力に よる全面競争時代へと突入している。競争が激化すれば,当然協調も必要と なる。  子会社等を包含する共存共栄のグループ経営を推進するには,これまでの 経営管理手法とは異なる,新たなグループ管理手法を開発し,利用していか なければならないであろう。グループ全体としての統一性を持たせることが 重要であり,それにはグループの経営理念を明確にし,グループとしての共 通のアイデンティティを共有することである。そして,具体的なグループの 経営活動のためには,個別企業の場合と同様に,グループ全体としてのS P Bを構築し,グループ全体としての実態を客観的に把握し,進むべき方向を 明確にし,目標に基づく適切な運営を実践すべきであろう。  経営環境からグループ経営を実践しつつある企業はあるが,その必要条件 としてのグループとしての管理・情報制度が不備であったり,統一性に欠け るものもある。外部報告目的で作成した連結財務諸表を事後的に分析・評価 するだけでは,真のグループ経営とはとても言えない。  グループ経営を本当に推進しようとすれば,グループ全体の管理・情報制 度を新たに構築し,しかもより適切な水準へと変革させていかなければなら ない。これまでグループ全体としてのS P Bをあまり策定していないのは, 各メンバーの自主性を尊重しているからであろうか。親会社中心の経営によ り,親会社によるタイトな拘束や規制を嫌っているからであろうか。グルー プ全体としてのS P Bはあまり役に立たないからであろうか。策定方法があ まりにも複雑,難解で手数がかかりすぎるからであろうか。グループ全体と

(8)

しての情報制度が整備されていないからであろうか。  連結会計の導入によって,グループ全体としての実績評価がなされ,これ に対応する形で,グループ全体としてのS P Bも注目されつつあるが,未だ        8)に整備段階であり,今後の課題となっている。 どんなに困難であろうが, グループのS P Bは必要不可欠であり,これを欠いて真のグループ経営を推 進することはできないであろう。  4 グループメンバーの分類  グループ経営管理を推進するには.最初にグループのメンバーを確定しな ければならない。企業は益々多くの企業との連携を強めているから,どの範 囲までをグループ企業として位置づけるかを明確にすることから,グループ 経営はスタートしよう。  連結財務諸表原則に囚われる必要はなく,単にグループ間の所有関係だけ ではなく,グループ全体としての関連性を総合的に検討すべきであろう。例 えば,人,資金,物,情報という経営資源との結びつきで考えることを総合

         9)

的観点から提案したい。 グループとしての経営上の結びつきは,形式的に は所有関係を中心に考えられるが,実質的には複雑,難解な形態をなしてお        10)り,単純に判断できないことが多い。 グループ経営を重視し,グループの 一体化を問題にする場合には,グループとしての関連(結合)度をできる限 り,客観的に分析,整理しておくことが必要である。  グループ間の関連度が強い企業と弱い企業とを同一水準で取り扱うのでは なく,その関連度に応じた取り扱いが求められる。すなわち,各メンバーの グループ全体としての位置づけを明確にし,その目的,役割をはっきりさせ ることである。そのためにも,グループの関連度からグループメンバーを体 系的に分類,整理することが重要となる。  グループメンバーを経営管理の観点から分類してみよう。この分類によっ て,各メンバーの経営管理の程度は異なってくる。本稿では,例えば以下の ように3分類して考えてみよう。

(9)

       企業グループの戦略・計画・予算 (1)Aメンバー企業    図表3 グループ関連(結合)度評価表の例示 (重点管理対象企業,  コァメンノ薗一)

 Aメンバーは完全

にグループの一員と して,一体として経 営される企業である。 最終的には,グルー プ全体の利益が個別 企業の利益よりも優 先される。一般的に, 特別の理由がない限 り,100%子会社は

Aメンバーに該当し

よう。

      ※50点以上……Aメンバー

(2)Bメンバー企業       30点以上……Bメンバー

       10点以上……Cメンバー

 Bメンバーはある

程度はグループの一員として経営されるが,同時に各自の自主性をもかなり 持っている企業である。 (3)Cメンバー企業  Cメンバーはグループの一員としても考えられるが,各自の独自性をより 強く持っている企業である。最終的には,グループよりも自社を優先させる。  次に,各メンバーの企業情報を収集,加工するレベルによって分類するこ とも考えられる。 (1)Aレベルメンバー企業  Aレベルでは,各メンバーの企業情輯を完全に一体化(連結)させる。グ ループ間取引,グループ間未実現損益,グループ間債権・債務等を認識する。 すなわち,グループ計画,グループ予算に完全に組み入れられる。 項   目 具体的内容 基準点 評点 資金的資源 資本 出資(51%出資)

30

30

融資 貸付

8

保証

4

担保提供

2

社債その他

1

人的資源 人事交流 役  員 (社長派遣)

10

10

管理者

5

従業員

3

血縁その他

2

物的資源 製商品取引

7

原材料取引

6

設備賃貸借

5

その他

2

情報的資源 情報交流

5

規定,様式の統一性

4

技術交流

2

研究開発

2

その他

2

総合経営資源(合計)

100

(10)

(2〉Bレベルメンバー企業  Bレベルでは,各メンバーの企業情報を単純に合計して,グループ全体と しての情報とする。 (3)Cレベルメンバー企業  Cレベルでは,各メンバーの企業情報を単に収集するだけである。  通常は,Aメンバー企業はAレベル,Bメンバー企業はBレベル,Cメン バー企業はCレベルと対応するであろう。現実には一致していない場合が多 いようである。  このように,連結財務諸表に必ずしも準拠せずに,グループ経営管理をよ り重視して,グループのメンバーを確定し,各メンバーの位置づけを明確に   11) する。

皿 グループ戦略・計画・予算

 1 グループの経営管理手法  企業が単一の企業体から,複数の企業グループ共同体へと変貌するに従っ て,経営管理の手法も個別企業の経営管理からグループ企業の経営管理へと 重点移動が行われていくであろう。しかし,グループ経営管理と言えども, 本質的にはこれまでの個別企業の経営管理手法に準拠して考えていげば良い であろう。特にグループ全体とメンバー聞の調和ということが最大の課題で ある。  グループ全体を貫く経営哲学・理念・思想・アイデンティティ・方向性に おいては完全に一体化され,その具体的な実践活動においては,各メンバー の自主性をできる限り尊重し,各メンバーに最も適する手法を採用できるよ うにする。別会社としての長所を最大限生かしつつ,しかも同時にグループ としての長所をも最大限利用する。全体的には非常に強硬であるけれども, 個別には状況に応じて柔軟に対応しようとする経営管理手法が求められる。  グループ全体としての求心力を追求するカナメとなるのが,グループとし

(11)

企業グループの戦略・計画・予算 てのS P Bという経営管理手法である。実行可能性を踏まえれば,計画をフォ ローし,実績との対比等という分析,評価まで考えねばならないから,結局 予算という段階まで落し込まなければならない。各メンバーの基本的情報は グループ本部に集中させながら,各メンバー間の調整が行われる。すなわち, グループ全体のS P Bは,各メンバーのS P Bと基本的には整合していなけ ればならない。グルーフ。全体としてのS P Bは,各メンバーに割り当てられ ると同時に,各メンバーのS P Bを累積することによって,グループ全体と なるように調節される。両者が完全に一体化されるまで検討が繰り返えされ る。        図表4 グループとメンバーのS P B関連  グループ全体レベルでは,よ り大綱的でより単純で明確であ るのに対して,各メンバーレベ ルでは,より詳細でより精繊な 洗練されたものになる。  グループ中心の経営であるか ら,グループ全体のレベルが各 メンバーレベルに優先し,各メ ンバーレベルの実行を通じて,

グループS PB

/↓/\

グループ全体レベルの実行が可能となる。  グループ全体と各メンバーとを調和させるには,グループメンバーによる        12)「グループ会議」 を必要に応じて開催することが重要である。グループメ ンバーのコンセンサスを得るためには,情報の交流だけではなく,血の通っ た人問中心のコミュニケーションを円滑にすることも必要である。グループ メンバー間の相互交流をできる限り実施し,一方的な押しつけではなく,各 メンバー自身が十分に納得しうるS P Bを築き上げていくことである。メン バー間の情報,人間の交流を通して,メンバー問のコンフリクトを緩和し, コンセンサスの形成を意識的に取り込むのである。

(12)

 2 グループ戦略

 グループの経営環境,グループ企業の実態を分析しながら,グループの目       13) 標を確定させて,そしてグループ戦略が練られる。 グループ戦略は,各メ ンバーの経営戦略を単純に合計したものというよりも,グループ全体として の総合的な立場から構築されなければならない。しかも,このグループ戦略 は,各メンバーの経営戦略とできる限り整合させる必要がある。グループ全 体としての立場に立って,各メンバーの使命,役割を明確にし,統一的なグ ループ経営を実施しようとするものである。目指すべきグループ全体の大き な方向の枠組みのもとで,各メンバーの自主性を尊重し,各メンバーの独創 的なビジョンや戦略ドメインを策定し,ダイナミックに個別の経営戦略を遂 行していく。  このように,グループ全体の経営戦略のもとに,グループ全体としての総 合力を発揮し,より創造性のある経営体質を構築し,グループ全体としての 効率性を追求しようとする。  グループ戦略と各メ ンバーの戦略の関連に ついて明確にしよう。 グループ全体の戦略を 策定し,これを各メン バーに提示する。各メ ンバーは,グループ戦 略を基礎として各メン バーの戦略を策定し, これをグループ本部に 提案する。各メンバー の戦略は,グループ全 体の戦略によって基本 的な事項は制約される 戦略 S

計画 P

予算 B 図表5 グルーフ。とメンバーのS P B編成プロセス グループ全体       各メンバー企業        1 提 示

      一

       2 提 案

      一

       3 見直し

      一

       4 指 示

      一

 1 提 示  2 提 案

S

略 戦

P

画 計

B

算 予

(13)

      企業グループの戦略・計画・予算 ことに注意しなければならない。しかしながら,グループ本部による一方的 な押しつけに対しては異議を唱えることも可能である。グループ全体の戦略 に基づく,一つの事業体,すなわち全体の中の個という立場で,各メンバー の戦略が構築される。グループ本部は,各メンバーから提案された各個別戦 略を総合的な観点から統一し,必要に応じて各メンバーに見直しを求める。 そこで,グループ本部と各メンバー間の相互調整が行われる。そして両者の 合意が得られると,全体的な戦略として,各メンバーに指示される。相互の 合意がすぐ得られれば,相互交流を繰り返す必要はなくなる。

 3 グループ計画

       14)

 グループ戦略に基づいてグループ計画が策定される。 グループ計画と各 メンバーの計画との関連性,編成プロセスは,グループ戦略と同様の方法で 考えられるので,図表5を参照すればある程度は理解できるであろう。  グループ計画は,グループ戦略よりもより具体的で,体系的な計量化を試 みる必要i生がある。そこで,グループ計画の中心をなすものである,グルー プ損益計画,グループ資金計画,グループ貸借対照表計画を作成することに なる。グループ売上やグループ利益だけを単純に計画目標とすることが多い が,売上から利益算出の過程までをある程度は表示する方がより理解しやす く,実践への道標となろう。資金計画も貸借対照表計画をも作成して,より 総合的なグループ計画とした方が,グループ戦略の実現を容易にするであろ うQ  グループ全体の計画と各メンバーの計画との関連性を理解するために,グ ループ間取引に基づく相殺消去事項を簡単に考えてみよう。連結会計におい ては,所有主持分理論(proprietorship theory;親会社の持分の正しい計算 をしようとする)と,企業実体理論(business entity theory;企業実態その ものの計算をしようとする)とが対立的に議論されている。親会社中心の経 営から,グループ中心の経営への発展は,所有主持分理論から企業実体理論 への必然的な重点移動を意味するであろう。グループ共同体を中心にするグ

(14)

ルニケ共向体珪論を考えることもできよう。グループ共同体として一体化さ れている各メンバーは,完全にグループ内の一部分とみなされる。 (1)投資勘定と資本勘定  グループ内のA社のB社に対する投資勘定と,これに対応するB社の資本 勘定を相殺消去することによって,グループ貸借対照表計画上の両建表示を 防止できる。 (2〉債権勘定と債務勘定  グループ内のA社のB社に対する債権勘定と,これに対応するB社の債務 勘定を相殺消去することによって,グループ貸借対照表計画上の両建表示を 防止できる。 (3)グループ間取引高  グループ内のA社とB社の取引は,グループ内取引であるから相殺消去す ることによって,グループ損益計画上の両建表示を防止できる。グループ内 の資金取引も,グループ資金計画上の両建表示を防止するために,相殺消去 すべきであ。 (4)グループ間末実現損益  グループ内取引の結果として,期末時点で相変わらずグループ内にとどまっ ているもので,済に損益が計上されているものは,外部に対しては末に実現 されていないから,当該損益を消去することが必要である。期末棚卸資産に 含まれている末実現損益部分は,消去すべき典型例である。  グループ計画を策定するには事前に,計画体系,計画時期,様式,処理・ 手続基準を統一し,できる限り各メンバーの計画策定方法についても統一し ておいた方が便利であろう。  グループ計画策定において,全体とメンバー間で著しい不一致が生じた場 合には,グループ戦略の見直しを求めることになる。 4 グループ予算 グループ計画に基づいてグループ予算が策定される。グループ予算とメン

(15)

      企業グループの戦略・計画・予算 バーの予算との関連性,編成プロセスは,グループ戦略・計画と同様の方法 で考えられるので,図表5を参照すればある程度は理解できるであろう。  グループ予算は,グループ計画よりもより具体的で,体系的な計量化を試 みる必要性がある。そこで,グループ予算の中心をなすものである,グルー プ損益予算,グループ資金予算,グループ貸借対照表予算を作成することに なる。実践の統制基準となるものであるから,年問計,半年計だけでなく, 月別に分割設定することが管理上必要である。月次での相殺消去処理が大変 であれば,グループ問取引が表示上把握できるようにする簡便法でも許容さ れるであろう。  グループ計画よりも,表示項目をより詳細に設定し,日々の統制が可能な ように策定されなければならない。そして,グループ計画の策定と同様に, 事前に予算体系,予算期間,様式,処理・手続基準を統一し,できる限り各 メンバーの予算策定方法についても統一しておいた方が便利であろう。  グループ予算策定において,全体とメンバー間で著しい不一致が生じた場 合には,グループ計画の見直しを求めることになる。以上のように,グルー プ戦略とグループ計画,そしてグループ予算は,相互交流的に調和され,最 終的には整合されたグループS P Bを構築し,各メンバーのS P Bとも調和 される。  5 グループ情報制度とネットワーク化  グループS P Bを効果的に策定し,運用するためには,その前提としてグ ルーブ情報制度を整備,充実させなければならない。グループS P Bには, 会計情報を中核とする情報・報告制度を統一的に構築することが求められる。  しかも,グループメンバーの数が増えると,より迅速に情報を処理しなけ ればならないから,各メンバー間の情報をネットワーク化し,統一的なシス       15)テムとすることが求められる。 これによって,グループの計画,予算そし て実績のデータが迅速にしかも統一的に収集,処理そして分析することが可 能となる。グループ全体としての在庫,資金等の状況を瞬時に把握し,迅速

(16)

な意思決定そして実践ができるような情報システムが必要なのである。  グローバル企業グループにおいては,国内のネットワークを構築するだけ ではなく,国際的なネットワークの構築も考えなければならない。松下電器 では,国内グループ企業のみならず,海外グループ企業をも統合して,統一 会計報告制度を構築している。決算日を統一し,フォーマットの規格化,標       16)準化,財務諸表様式の統一化,予算書類の標準化が推進されている。 松下 のように,すべての海外グルー』プ企業とネットワーク化した事例はまだ例外 的かもしれないが,真のグループ経営を考えると必ず必要となるであろう。  グローバル企業において,一般的に管理面での国際化が最も遅れており,        、17) 相急に対応しないと,真のグローバル企業グループには達しえないであろっ。  製造業においては,1985年以降,製造,販売,研究開発を経営戦略的にコ ンピューターと通信によって結合させ,企業活動全体を結合しようとするC I M(Computer Integrated Manufacturing;コンピューターによる統合生産) が注目され,各地に分散した工場を統合した会社全体,さらにはグループ関 連事業をも巻き込んだグループ全体の効率改善運動が試みられている。この ような事柄とも関連させながら,グループ情報ネットワークを構築すること も重要である。

lV 結びに代えて

  一キヤノン㈱のグループ管理一

 以上の総括として,キヤノン㈱のグループ管理の現状について触れながら, 今後のグループ経営及びグループS P Bについての課題を提起しておきたい。  キヤノン㈱は,1937年創業で,カメラ,複写機,プリンター,コンピュー ター,ファクシミリ等を製造し,製品の75%を海外で販売する最も典型的な          18)グローバル企業である。 しかも,国内・海外生産子会社,国内・海外販売 子会社等194社の子会社(内連結子会社70社)からなる,一団企業グループ を形成している。製造,販売,開発ともグローバルに展開しており(それで

(17)

企業グループの戦略・計画・予算 も,輸出比率は70%超と非常に高い),本業(事務機,カメラ,光学機器〉 を中心とした優良な企業グループであるから,一事例として採り上げる。  1973年から始まる第三次長期経営計画の主要テーマの一つとして,「キヤ ノングループ全体の効率化」が掲げられ,グループ経営の第一歩を歩み始め た。そして,現在は第二の創業を機に,「世界の繁栄と人類の幸福のため, 「共生」を理念に世界貢献できる真のグローバル企業をめざします。」とい う理念をベースにしたグローバル企業構想を実現中である。  「理想の会社を築き,永遠の繁 栄をはかる」をグループの経営理 念として掲げ,中長期計画を中心 とする戦略経営を実践している。 毎年,世界会議を開催し,連結売 上・利益額・投資額を骨子とする 中長期計画,短期利益計画,月次 予算を策定して,かなり合理的な 管理を体系的に実施している。グ ループ間の処理システム,報告様 式は統一されているが,各グルー プの情報は並列的に収集するだけ で,処理手数の問題等で必ずしも 連結ベースで整備されているわけ ではない。

図表6

1962年  ↓ 1966年 1967年 1968年  ↓ 1972年 1973年  ↓ 1975年 1976年  ↓ 1981年 1982年  ↓ 1986年 1987年 1988年  ↓ 1992年 キヤノンの長期経営計画の変遷 第一次長期経営5ヵ年計画 (調整期間) 第二次長期経営計画 第三次長期経営計画 第一次優良企業構想 第二次優良企業構想 (創業50周年) 〔第二の創業ビジョン〕 第一次グローバル企業構想  生産計画は本体で部門別にグローバルに立案し,販売計画は各現地会社を 中心に立案・調整されている。生産面に関しては,本体事業部主動で集権的 であるが,販売面に関しては,各現地会社に分権化されている。結果として, 生産と販売との調整問題を内在化している。  しかも,連結会計も決算のためであり,必ずしも管理目的のために役立て られてはいない。子会社としての独立性,影響力が強くなるに従って,グルー

(18)

 >QQ︻︶ くの.8一ζΣ  もぎ一‡霞ぎヨ罵一=909  鳴℃ヨ一∈﹄05毎∈09① ω一レ一蛎5℃百︼ =刀丙﹄船肖 Oで 目O=而Q   く9り.邸⋮讐£=g8 o 一、鐸イF .而り=ΦE<∈冨一=8邸Q        り= 語楽ギ談雌糧トかや.¥督7     り三、薯響8き艦δ      り三.崔①E畠ヨσω     8∈O﹄O℃雰詔﹄E<  り三、∼罧唇二霧ε03ブく づ5、!婁£鳴Σ訴害7墨むΣ り三 翠e申  π高駅窒 羅“腰で ‡婚’さ姦 ぎ。。三 認ー﹁﹃論鴨鰹・﹁一躁餐裂 軍顛牽窒へ、勘ぜ ノ    ヘ,「h岬” 繋 談 マニ 蟹 一】_ 層 >讐 \   ¢ 、ト ニ= t2きも   三

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プ全体としての求心力が必要であり,グループ管理をより一層改善しなけれ ばならない時期にきているであろう。特に注目したいのは,現在国際的な情 報システムを段階的に構築しつつあることである。キヤノングループが,真 のグローバル経営管理の模範を示めすことを期待する。  グループ経営がかなり実践されているにもかかわらず,グループ経営の本 質,その具体的経営管理手法についてはほとんど検討がなされていなかった。 そこで,本稿において,その基礎的フレームワークを構築するための第一歩 を記したにすぎない。日本の優良企業グループにおいても,試行錯誤状態で あり,今後の問題を残しつつ徐々に改善を重ねている状況であろう。これを 打破するには,グループ経営に関するパラダイムを変換しなければならない のかもしれない。この事に積極的に対処しながら,創造的に経営を推進して 行くことが求められている。  多くの未解決の重要課題があるが,次の点を今後検討することにしよう。 (1)セグメント情報とその管理との関連  グループメンバーの数が多くなると,直接グループ全体として統合するよ りも,その中問にセグメントを設定することが考えられる。そこで,グルー プ全体とそのセグメントとの関連を考察しながら,セグメント別の情報・管 理手法について検討したい。 (2)戦略情報システムとの関連  最近,S I S(Strategic Information System;戦略情報システム)が一種 のブームとなって,異常な注目を浴びている。戦略との関連性を強調するこ とは,本稿の趣旨と合致し,その背景を支えるのは情報システムであること も本稿の趣旨と合致する。そこで,S I SをS P Bと関連させて検討したい。  その他,本稿ではグループの求心力となるべき経営管理手法に重点を置い て論究してきたが,企業は多くのグループ外の企業等とも密接な関係を深め つつ,ネットワーク的な展開を試みている。グループ内の強い結びつきと同 時に,グループ外の弱い,柔軟な結びつきを求めている。両方向への発展動 向にも注目したい。

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       企業グループの戦略・計画・予算  生産、販売,研究開発という機能別,製品種類に基づく製品別,そして地 方,国別という地域別の三次元の関連をどのように体系化し,検討するかも 重要である。 〔注〕 1)硲宗夫著『21世紀企業のメガコンセプト』毎日コミュニケーションズ,1990年。   「主要30社の2000年ビジョン」『実業の日本』実業之日本社,1990年7月1日号,34  −39頁。  日本経済新聞1991年3月28日付「主要企業の21世紀計画」。   「21世紀ビジョン調査」『東洋経済統計月報』東洋経済新報社,1991年7月,15−24  頁参照。 2)日本経済新聞1990年12月26日付。   「財務諸表等の監査証明に関する省令等の一部を改正する省令」平成2年12月25日大  蔵省令第41号参照。 3)戦略・計画・予算に関しては,  拙稿「戦略予算構想」『白鴎大学論集』白鴎大学,第5巻第1号,1990年7月,175  −203頁参照。 4)「東洋経済・企業グループ調査 主要企業の子会社・グループ戦略」『東洋経済統計  月報』東洋経済新報社,1990年6月,34−39頁参照。 5)上岡一嘉著『企業形態発展論』紀伊國屋書店,1985年参照。 6)連結財務諸表に関しては,  紺野剛ゼミナール稿「連結財務諸表時代」『白鴎学生論集』白鴎女子短期大学,第10  号,1985年3月,206−38頁参照。         7)イトーヨーカ堂グループにおける「イトーヨーカ堂」は,グループ,また本体の正式          企業名で漢字が付く。これに対して「イトーヨーカドー」とは,「G M S(ゼネラル  ・マーチャンダイジング・ストア)」に称される“愛称”というか一種の“ブランド”  である。つまり「イトーヨーカドー」は,「イトーヨーカ堂」各G M Sの通称なので  ある。   新谷一・藤井剛彦著『どうしてもイトーヨーカ堂に勝てないダイエーの研究』エー  ル出版社,1989年,84−85頁参照。   セゾングループでは,グループの各企業には上下関係,支配する支配されるという  関係のない“経営共和主義”に基づいている。グループはひとつの経営理念と企業目  標を追求していく“機能集団”と規定している。  麻生国男著『セゾングループのすべて』日本実業出版社,1991年,30頁参照。

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8)松谷靖二稿「関連会社管理の実態と問題点」『企業会計』中央経済社,1982年11月号,  99−103頁。  柴田典男・曽根豊次稿「関係会社管理(その1)」『企業会計』中央経済社,1987年   4月号,109頁。        「関係会社管理(その2)」『企業会計』中央経済社,1987年5月号,96   −105頁参照。 9)経営資源に関しては,  拙著『経営資源の測定と分析』創成社,1988年参照。 10)単純に所有関係だけで判断しない方が良いであろう。所有関係がまったく無くても,   グループ経営上グループメンバーに加えることも考えられる。当該事業活動がグルー   プ活動として行われている場合には,所有関係がなくても,グループメンバーに加え   るべきである。逆に,100%所有していても,グループメンバーに加えない方が良い  場合も考えられる。当該事業活動がグルー戦略にそぐわなければ,グループ外に位置   づけた方がより現実的な場合には,100%所有していても,グループメンバーに加え   ない方がわかりやすいかもしれない。 11)東芝では,「グループ経営」を1990年代の経営戦略の中核に据えており,関係会社655   社(うち連結対象会社m社,持分法適用会社96社)のうち,主要98社をグループ経   営対象会社として選定し,六事業分野(①ハイテク志向②情報サービス③リストラ志   向④保守サービス⑤シナジー追求⑥機能サービス)に分類し,そして1989年10月から   連結月次決算を実施し,半期ごとに連結ベースで業績評価を行っている。   「東芝・第三の転機 なお見えぬ「グループ大改造」のシナリオ」『週刊東洋経済』   東洋経済新報社,1991年4月27日,62−63頁参照。 12)ダイエーは,1991年3月から,グループ経営の最高決定としてグループの将来のある   べき姿などを論議する「グループ経営政策会議」を設置した。   7人のメンバーが中心で週一回程度の割合で開催される。これは,グループ全体の方   向を論議できる組織を作ることで,効率的なグループ経営を実現させるのが狙いだ。   同会議を運営するにあたっては各企業が積極的に参加できる体制にするほか,対話型   の運営を目指したいとしている。    日経流通新聞1991年2月23日付参照。 13)日本電信電話(N T T)は150社余りに及ぶグループ企業の再編成として本社が全企   業を一括管理していた手法を改め,分野ごとに選んだ中核会社に資金,人材支援を含          めたグループ管理を徐々に移管する。N T Tを頂点とする一極体制から多極体制へと   移行することで,グループ戦略に柔軟性をもたせ,全体の成長を加速する。2000年ま   でにグループ全体の売上高を13兆円とし,その42%を子会社に期待する程,子会社   (新規事業)戦略を重視している。子会社グループは業種ごとに10以上の企業群に分   かれている。    日本経済新聞1991年9月14日付。

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企業グループの戦略・計画・予算    「NTT」『日経ビジネス』日経BP社,1991年9月16日号,40−43頁参照。   わが国自動車メーカーのグループ戦略と現地生産の展開に関しては,  佐藤義信稿「グループ戦略と現地生産の展開」『紀要』名古屋大学教養部第34輯,  1990年2月,19−73頁。      著『トヨタグループの戦略と実証分析』白桃書房,1988年参照。 14)キリンビールは,1988年,21世紀に向けてのキリングループのあるべき姿を求め,長  期経営構想を策定し,グループ各社が培ってきた力をさらに飛躍,発展させ,食・バ  イオ・サービス・エンジニアリング・情報システムという5つの領域で積極的に事業  を展開することになった。   「キリングループの経営理念   生活価値産業,キリングループ   私たちキリンは,世界の人々の豊かさと健康に貢献します。新しい生活価値を創造   します。つねに未知の分野,先端の技術を開拓します。   生活価値産業宣言   良いものを,真心を込めてお届けすること。お客様がなにを望んでいるかを,つね  に優先すること。そして,チャレンジャーの気持ちを忘れないこと。100年の伝統に  培われたキリン・スピリットを90年代風に要約すると,こうなります。そして21世紀  に向けて,わたしたちキリンは,未知の事業領域にも積極的にアプローチし,暮らし  の豊かさと健康につながる様々な場面で,新たな価値の創造を目指します。」   2001年には,酒税抜きで売上高1兆5千億円を越えることを目標とし,非ビール部         門を60%(88年38%)に高め,これまでのビール集約型から5つの柱を持った拡散型         経営への変身を目指す。         グループ売上の実績と目標の推移  1988年(実績)     1990年(実績)        2001年(目標)       エンシニアリング3%       情報システム3%       エンジニアリング10%サービス26%       情報サービス0,5% \ エンジニアリング03%     ノえイオ1,6%    サービス5.1% 7,500億 食97.1%

9,805億

ハイオ 78% サービス8.5% 16,600億 食91,8%       食77.7%  日本経済新聞1989年1月10日付。  日経産業新聞1991年9月6日付。  第153期中問事業報告参照。 15)三越は,関連会社の売上高がこの5年問で倍増するなど,急速に周辺分野の事業拡大  を進めている。本社と関連会社29社をオンラインで結んだ情報ネットワークシステム

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  を,1991年3月から稼働させる。それぞれの事業分野で蓄積される情報をグループ共   有の財産として効率的に収集・活用し,コスト軽減とビジネスチャンス拡大に結びつ   けるのが目的である。    日経流通新聞1990年10月13日付参照。 16)原田行男稿「変容迫られる企業グループ経営とその戦略」『ダイヤモンド・ハバー   ド・ビジネス』ダイヤモンド社,1987年12・1月号,119頁参照。 17)日本経済新聞1990年6,月6日付参照。 18)キヤノンに関しては,1990年夏,キヤノン㈱の岩田吉倫,井上睦公,田村幹男,(元)   高田可尚各氏から長時間にわたってインタビューをさせていただいた。ここに記して   深く感謝を表します。    貿易之日本別冊『キヤノンー姫大な世界戦略と精神的支柱』貿易之日本社,1979年   4月。    キヤノン史編集委員会編集『キヤノン史一技術と製品の50年』キヤノン㈱,1987年。    上岡一嘉稿「TAKESHI MITARAI AND CANON」『白鴎女子短大論集』白鴎女子   短期大学,第8巻第2号,1983年8月,147−67頁。    田中稔三インタビュー「キヤノン 海外経営戦略の多様化と会計問題」『企業会計』   中央経済社,1991年1月号,78−86頁。    市原巌稿「世界人類との共生をかかげ真のグローバル企業をめざす」『マネジメン   ト21』日本能率協会,1991年9月号,14−18頁。    その他,有価証券報告書,CANON FACT BOOK,CANON STORY等参照。    主要参考文献 曾田義雄著『改訂増補 連結財務諸表論』国元書房,1977年。 青木茂男編『関係会社の管理と会計』税務研究会出版局,1975年。 青木昌彦・小池和男・中谷巌著『日本企業グローバル化の研究』P H P研究所,1989年。 赤塔政基著『最適解の戦略経営』ダイヤモンド社,1991年。 秋山純一著『連結経営分析の実際』日本経済新聞社,1987年。 浅野純次著『住友グループ』教育社,1978年。 朝日新聞経済部編『関西の企業集団』朝日新聞社,1972年。 飯野啓二著『なぜ子会社を活せないのか』日本能率協会,1979年。 石山四郎著『松下連邦経営』ダイヤモンド社,1967年。 伊藤良一著『連結経営管理』日本経営出版社,1978年。 今井賢一・塩原勉・松岡正剛監修『ネットワーク時代の組織戦略』第一法規出版,1988年。 今西伸二代表『実例・事業部制の研究』マネジメント社,1991年。 岩井正和著『東芝「グローバル化」戦略』ダイヤモンド社,1991年。 碓井慎一&ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス編集部編著『21世紀型企業の創造』ダイ  ヤモンド社,1991年。

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企業グループの戦略・計画・予算 上竹瑞夫著『ソニーの逆転の全戦略』講談社,1991年。 内野健一著『新製品開発,新分野進出の企業戦略』中央経済社,1986年。 遠藤泰弘著『分社経営の実際』日本経済新聞社,1988年。 大薗友和著『一目でわかる企業系列と業界地図』日本実業出版社,1991年。 奥村昭博著『経営戦略』日本経済新聞社,1989年。 奥村 宏著『企業集団時代の経営者』日本経済新聞社,1978年。      『新・日本の六大企業集団』ダイヤモンド社,1983年。    一 『法人資本主義』御茶の水書房,1984年。 勝島敏明編著『セグメント情報の会計実務』中央経済社,1990年。 河合嘉雄著『子会社活性化戦略』ダイヤモンド社,1988年。 木村敏男著『産業構造の転換と巨大企業』東京大学出版社,1982年。 経済企画庁調査局編『内外の経営環境の変化に対応する企業行動』大蔵省印刷局,1991年。 グループA編『N T T分割その時どうなる』エール出版社,1989年。 倉井武夫・井沢良智著『国際経営戦略への構図』中央経済社,1983年。 児玉清著『三井グループ』教育社,1983年。 小林好宏著『企業集団の分析』北海道大学図書刊行会,1980年。 小林規威著『日本の多国籍企業』中央経済社,1980年。 近藤弘著『住友グループのすべて』日本実業出版社,1976年。 坂本和一・下谷政弘編『現代日本の企業グループ』東洋経済新報社,1987年。 坂本恒夫著『企業集団財務論』泉文堂,1990年。 杉本典之他著『情報化への企業戦略』同文舘,1990年。 戦略経営協会編『経営理念・ビジョンハンドブック』ダイヤモンド社,1991年。 中央大学企業研究所編『経営戦略と組織の国際比較』中央大学出版部,1991年。 中小企業診断協会編『経営再構築への活性化戦略』ぎょうせい,1988年。 長銀総合研究所編『21世紀型経営戦略』日本能率協会,1988年。 寺本義也他著『日本企業のグローバル・ネットワーク戦略』東洋経済新報社,1990年。 中田重光著『日本航空のグループ戦略』ダイヤモンド社,1990年。 日本経済新聞社編『新企業集団』日本経済新聞社,1977年。      『テラスで読む日本の企業グループ』日本経済新聞社,1991年。 日本能率協会編『「世界最適」経営革新』日本能率協会,1987年。 根本忠明著『戦略的情報システム』東洋経済新報社,1990年。 野口祐編著『日本の六大コンッェルン』新評論,1979年。 野中郁次郎監修『リストラクチャリング』エヌ・ティ・ティ出版,1989年。 野村総合研究所編『共感の戦略』野村総合研究所,1991年。 濱口恵俊・公文俊平編『日本的集団主義』有斐閣,1982年。 二神恭一著『戦略経営と経営政策』中央経済社,1984年。 藤田公道著『人と会社をグングン伸ばす分社経営術』山下出版,1991年。

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宮崎義一著『戦後日本の企業集団く普及版>』日本経済新聞社,1976年。 監査法人三田会計社著『企業集団会計の実務』中央経済社,1988年。 明賀義輝著『戦略経営システム』経営実務出版,1991年。 村山徳五郎監修『経営管理会計の実務』中央経済社,1990年。 森田松太郎編『現代の経営と企業評価』同文舘,1989年。 山田一郎著『企業集団経営論』丸善,1971年。 山本清次著『親子会社,関連会社の経理と税務〈増補改訂>』中央経済社,1979年。 吉原英樹他著『日本企業のグローバル経営』東洋経済新報社,1988年。 レック・コンサルティング・グループ編『実例・経営革命』同文舘,1990年。 アンドールズK.R.著,中村元一・黒田哲彦訳『経営幹部の全社戦略』産能大学出版部,  1991年。 エイベルD.F.,ハモンドJ.S.著,片岡一郎他訳『戦略市場計画』ダイヤモンド社,  1982年Q テイラーH.F.著,三隅二不二監訳『集団システム論』誠信書房,1978年。 デーヴィス」.H.著,永田良昭訳『集団行動の心理学』誠信書房,1982年。 ドラピェールM.著.野口祐監訳『多国籍企業の子会社』慶慮通信,1980年。 ポーターM.E.著,土岐坤他訳『競争の戦略』ダイヤモンド社,1982年。 ラグマンA.M.他著,多国籍企業研究会訳『インターナショナルビジネス(下)』マグロ  ウヒル,1987年。 ロボックS.H.他著,土井秀生訳『国際ビジネス戦略』日本能率協会,1982年。 Allio,R.J.,丁加P搬oあoσJ S‘㎎陀gづs為Harper&Row,1988. Ashton,D.,Hopper,T.,Scapens,R.W.,Ed.,1ε3%65伽Mα%αgεη乞翻且ooo㈱励g,  PrenticeHa11,1991. Dyer,W.G.,S翻傭8伽Fo7Mα%飾8C肋%8θ,Addison−Wesley,1984. Tomkins,C.,()oゆo搬孟61∼θε錫πθ!翅ooα渉ゼ伽,Basil Blackwel1,1991. Wiseman,C.,S触孟θg‘o蛎o渤α診伽S夕s擁畠Irwm,1988. (1991。10.5)

参照

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