0 30 60 90 120 150 180 210 240 0 20 40 60 80 100 120 140 160 温度[ ℃] 時間[min] 図 3 加熱工程 図 4 テストピース 3303
炭素繊維強化プラスチック成型施設の構築
Construction of facilities for molding CFRP
EE3１ 土田 元気 指導教員 斉藤 純 １．背 景 炭素繊維強化プラスチック(以下 CFRP)は、高強 度、高弾性率および軽量の点から航空機の機体 や主翼、人工衛星やロケット、ボートやヨットの船体、 テニスラケットなどにカーボンファイバが用いられ る。 本校ではエコノムーブやソーラーカーなど電気を 動力とした競技車両を数多く製作している。その車 体に使われている素材はアルミや FRP で成型され たものが多い。そこで成型の容易なプリプレグを用 いて競技車両の開発をするための成型施設の構 築をする。 ２．研究概要 プリプレグを用いて CFRP の製品を製作する。プ リプレグとは炭素繊維の織物に、半硬化の加熱化 性樹脂を含ませているシートのことである。今回使 用するプリプレグは 130℃で樹脂が硬化するので、 加熱工程や真空引き成型ができる成型施設を構 築する。制作方法を確立させテストピースを製作し、 製作技術を習得する。 ３．成型施設 小形成型施設として図 1 に示すように構築した。 真空にすることで減圧され樹脂が均一になり繊維 密度が上がる。また余分な樹脂や繊維中の空気が 取り除かれ精度の良い製品ができる。恒温槽は設 定温度をボリュームで操作する。これを PC から D/A コンバータを介すことで操作して加熱工程を 自動化させた。また温度センサを使用し温度変化 を記録している。開発言語は LabVIEW を使用し た。 ４．副資材の構成 バキュームバックと シーラントテープは真 空引きの際に成型物 を密閉し、ブリーザー クロスは空気の流路を 確保して全体をバックできる ようにしている。リリースフィルムはプリプレグから浮 き出てくる樹脂が他のクロスに流れ込まないように 受け止める役割がある。また、リリースフィルムの代 わりにピールクロスを使用すると表面をブラスト面に 仕上げることができる。 ５．加熱工程 型と成型物に温度差を生じ させない必要がある。今回のテ ストピース製作では、図 3 に示 すように急激に加熱せずに常 温から 130℃まで加熱し、その まま 1.5 時間 130℃で加熱し続 け 1 時間以上かけて冷却する 過熱工程で製作した。 ６．テストピースの製作 テストピースとして平板とアング ルを製作した。テストピースを表 1 に示す。簡易試験で同じプリプレ グ材でも積層する繊維の向きによ って異なった強度になることを確 認することができた。 ７．結 論 本研究では小形成型施設を構築し加熱工程の 自動化。テストピースを製作することができた。また 今回設定した加熱工程で CFRP を成型できること を確認できた。 加えてプリプレグ成型手順書を製作した。 ８．今後の課題 競技用ソーラーカーサイズの CFRP 製品の製作 をするために 20 フィートコンテナを使った大型 CFRP 成型施設の構築。また加熱工程の違いによ って強度、弾性率にどう影響するか研究する。 図 1 CFRP 成型施設 USB-6008 PC 温度センサ 電熱線 コントローラ ファン 電圧信号 真空ポンプ プ リプ レ グ U D 積層 方法 5Kパ ラレ ル 3Kパ ラレ ル 3Kバ イアス U Dパ ラレ ル 3Kパ ラレ ル 3Kバ イアス
積層 枚数 5ply 5ply 5ply 5ply 4ply 5ply
重さ [ｇ] 247.68 79.83 80.12 56.54 14.36 38.24 寸 法[m m ] 250× 200 250× 200 250× 200 250× 200 200× 30 400× 25 厚さ [m m ] 3.7 1.1 1.05 0.8 0.9 1 クロス 板 アン グ ル クロス 表 1 テストピース 図 2 積層成型図 バキュームバック ブリーザークロス リリースフィル カーボンプリプレグ シーラントテープ
