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腹腔鏡下手術後患者における呼気筋訓練の無気肺予防の有効性の研究ー呼吸抵抗・呼吸筋力・自覚症状の変化からの検証ー

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Academic year: 2021

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様式2号(第5条関係)

修 士 論 文 要 旨

看護学専攻 生涯看護学分野 成人看護学急性領域 学籍番号 216605 氏 名 増田 有希乃 論文題目 腹腔鏡下手術後患者における呼気筋訓練の無気肺予防の有効性の研究 -呼吸抵抗・呼吸筋力・自覚症状の変化からの検証- キーワード 呼気筋訓練、呼吸訓練、術後無気肺予防、呼吸抵抗、呼吸筋力 【はじめに】 近年の重症疾患患者への手術の増加は、術後合併症の危険性を増大させ、中でも呼吸器合併症の発症率は 高い。特に上腹部手術後は創部痛により効果的な咳嗽が行えず、無気肺を発症しやすく、その予防は看護上 の重要課題である。腹部手術後患者が無気肺予防として効果的な咳嗽を行うには、呼気筋の十分な収縮が必 要なことから、呼気筋を意識的に動かす呼気筋訓練に着目した。腹部手術後患者の創部痛増強をなるべく回 避するため、無侵襲で測定できる呼吸抵抗測定装置を用いた。さらに、訓練が創部痛や咳嗽等に影響する可 能性が考えられたため、自覚症状の評価の必要性が考えられた。 以上のことから、本研究は腹部手術後患者に器具を用いた呼気筋訓練を行い、呼気筋力や換気機能の回復 への影響を呼吸抵抗と呼吸筋力、自覚症状の変化から検証し、呼気筋訓練の無気肺予防の看護援助としての 有効性を検討することを目的とした。 【方法】 研究協力が得られたA 病院消化器外科病棟に入院した腹腔鏡下手術予定の患者を対象に、術後に呼気筋 訓練を実施した呼気筋訓練群(8名)と、実施しない非訓練群(9名)の2群に分けて比較した。訓練群は、 Threshold🄬を用いた呼気筋訓練を1セットあたり10 回、手術後当日の夕方から1日に4セットを術後1日 目から3日目まで行った。両群とも手術前日と術後1日目から3日目に呼吸抵抗、呼吸筋力を測定した。自 覚症状は、「キズの痛み」「痰がだしやすい」「咳がしやすい」「呼吸が楽に行える」の4項目を視覚的アナロ グ尺度により、術後1日目から3日目の呼吸筋力測定後に患者自身で評価した。「キズの痛み」は、各経過 病日の9時にも評価した。 【結果・考察】 非訓練群のFres、R5と R5-Ex が術後経過に伴い高値を示し、非訓練群の呼吸抵抗の増加が考えられた。 一方で訓練群は術後経過に有意差がなかったことから、非訓練群の呼吸抵抗の増加は、気道内分泌物の影響 と推察された。また、訓練群のMIP は各経過病日で有意差が認められなかったが、非訓練群の MIP、MEP は、術後1日目に対して術後2日目と術後3日目に有意に高値を示し、術後3日目のMIP は訓練群より非 訓練群が有意に高値を示した。この結果からは、非訓練群対象者が麻薬系鎮痛剤を多く使用したことが原因 と考えられ、術後の訓練の呼吸筋への影響は判断できなかった。さらに、術後3 日目の「キズの痛み(朝)」 「咳がしやすい」で訓練群のほうが有意に高値を示したことも、非訓練群対象者の麻薬系鎮痛剤使用の影響 が考えられ、本研究結果からは、呼気筋訓練の自覚症状への影響も判断が難しいと考えられた。 【結論】 腹腔鏡下腹部手術後患者に対する短期間の呼気筋訓練の呼吸筋への影響は、本研究結果からは判断できな かったが、呼吸抵抗上昇を抑制する可能性が期待された。測定結果に、術式や術後の麻薬系鎮痛剤使用等の 条件統制ができなかったことが影響したと考えられ、器具を用いた呼気筋訓練の無気肺予防への有効性は判 断できなかった。

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