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Water Balance of Small-Farm Reservoir for Rainfed Irrigation under Tropical Monsoon Climate

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Academic year: 2021

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Title

Water Balance of Small-Farm Reservoir for Rainfed Irrigation

under Tropical Monsoon Climate( 内容と審査の要旨(Summary)

)

Author(s)

DWI PRIYO ARIYANTO

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第649号

Issue Date

2016-03-14

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/54536

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本(国)籍) DWI PRIYO ARIYANTO (インドネシア共和国) 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第649号 学 位 授 与 年 月 日 平成28年3月14日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第1項該当 研 究 科 及 び 専 攻 連合農学研究科 生物環境科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学

学 位 論 文 題 目 Water Balance of Small-Farm Reservoir for Rainfed Irrigation under Tropical Monsoon Climate

(熱帯モンスーン気候下の天水灌漑における小規模圃 場貯水池の水収支解析) 審 査 委 員 会 主査 岐阜大学 准教授 大 西 健 夫 副査 岐阜大学 教 授 千 家 正 照 副査 静岡大学 教 授 土 屋 智

論 文 の 内 容 の 要 旨

インドネシアは,一年が乾季と雨季からなる熱帯モンスーン気候下に位置し,総じ て年間降水量が多い.特に,中央ジャワの多くの地域は水稲と一年生作物を栽培して いる.他方,総降水量のほとんどが雨季に偏在しているため,とくに天水地域では, 灌漑のための水不足が深刻な問題となっている.さらに,雨季においてさえ,不均一 な降雨分布によって短期干ばつ(short drought)が多発している.このような短期干ば つでも,時に,作物収量の減少や収穫ができなくなるほどの水不足を引き起こすこと がある. そこで本研究では,このような短期干ばつを克服するために,農家でも比較的簡単 に導入が可能な小規模圃場内貯水池(Small Farm Reservoir: SFR)による灌漑システム

を提案し,その可能性を実証的に検討した.SFR とは降雨時に上流域の流出水を収集, 貯留し,個人または小グループの農家が管理し灌漑水として使用することにより,水 不足を克服するための施設を指す.SFR 建設は,多くの場合,農家にとっては高価な ものとなるため,SFR の容量を最適化することが好ましい.しかし,流域面積,灌漑 地域の特性,作物種,気候条件等の多くの要因がSFR の最適容量には関与する.そこ で,流域面積と気候条件は農家によって制御不能な所与のものとし,灌漑面積および 作物種をSFR の容量とともに適切に決めることが肝要となる.これらのことを明らか にするため,SFR の実証的研究にもとづき下記の一連の研究を実施した.本論文は, 以下の 2 課題から構成されている.なお,いずれの研究も,インドネシア中部ジャワ

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州Gondangrejo 州 Karanganyar 地区に位置する天水農地内で実施したものであり,試験 期間は2013 年 10 月~2014 年 6 月の 2 作期である. (1)水収支解析による補給灌漑方法としての SFR の有効性評価 最初に,地区内にSFR を建設した.SFR の容量は次のようにして決定した.直近年 (2012 年の雨季)の日最大雨量を用いてカーブナンバー法により推定した流域の総流 出量を貯留可能な容量の基準とし,土地面積の制約や希望する灌漑面積等を考慮して, 農家や農地の所有者と協議して決定した.その結果,5 地区で実証実験を行うことがで きた.農地への灌漑方法は,各農家の方法にしたがったため,灌漑方法は 3 種類とな った.1 地区は手灌水,3 地区はポンプ灌漑,1 地区はサイフォンによる地表灌漑に分 類した.2013 年 10 月~2014 年 6 月の期間,水収支計算に必要な SFR の経時的な水位 変化を 10 分間隔で測定した.あわせて,同地区内に気象観測ステーションを設置し, 気温,風速,湿度,日射,等の気象データを観測した. 2 作期を通して得られたデータをもとに,水収支解析を実施した.水収支解析にあた っては,SFR の水面と流域からの蒸発散量を Penman-Monteith 法を用いて推定した.ま た,SFR からのオーバーフロー分は測定不能であるため,別途,オーバーフローして いない時期の水収支から算定した.得られた水収支成分の解析より,SFR を利用して 稲作を行った圃区において,1 作目の雨季に数回発生した短期干ばつ,2 作目の後期か ら始まる乾季においても,十分な灌漑を可能にすることができるということが明らか になった. (2)最適な SFR 容量と灌漑面積を推定するための手法の提案 1)で得られたデータをもとに,シミュレーションモデルを構築し,SFR の最適容量と 灌漑面積を推定する方法を提案した.構築したモデルは SFR より上流の集水域,SFR 自体,SFR より下流の天水農地の 3 つのサブモデルから構成される.サブモデルごと に水収支式をたて,集水域面積,灌漑面積,灌漑農地の土壌浸透量を様々に変化させ て,実証実験を実施した期間中の気象条件のもとでの最適なSFR 規模を考察した.な お,灌漑能力を表す比貯水容量(WSI)と,水需要量を表す比灌漑面積(WDI)の 2 つのインデックスを導入することで,規模の異なるSFR が相互に比較可能となり,統 一的な結論を導出することができた.つまり,WSI を縦軸,WDI を横軸とした座標軸 で,SFR 容量が十分である領域と不十分となる領域の境界線を求め,SFR による灌漑 が可能となるSFR 容量と灌漑面積の理論的限界を示すことに成功している.さらに, シミュレーション結果を用いて,1)で得られた実際の 5 つの SFR を評価し,調査結果 の実態を適切に表現していることを確認した.本研究成果は,熱帯モンスーン気候下 における小規模灌漑の一手法を実用的・理論的に確立し,天水農地に対する新しい補 給灌漑システムの貴重な知見を提供するものと考える.

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審 査 結 果 の 要 旨

インドネシアは,一年が乾季と雨季からなる熱帯モンスーン気候下に位置する.年間降 水量が多いために,中央ジャワの多くの地域は水稲と一年生作物を栽培している.しかし, 雨季に降水が偏在しているため,とくに天水地域では,灌漑のための水不足が課題となっ ている.また,雨季においても不均一な降雨分布によって短期干ばつ(short drought)が 発生している.このような短期干ばつでも,時に,作物収量の減少や収穫ができなくなる ほどの水不足を引き起こすことがある. 本研究は,このような短期干ばつを克服するために小規模圃場内貯水池(Small Farm Reservoir: SFR)による灌漑システムを提案している.SFR とは降雨時に上流域の流出水 を収集,貯留し,個人または小グループの農家が管理し灌漑水として使用することにより, 水不足を克服するための施設である.SFR 建設は,多くの場合,農家にとっては高価なも のとなるため,SFR の容量を最適化することが好ましい.しかし,流域面積,灌漑地域の 特性,作物種,気候条件等の多くの要因がSFR の最適容量には関与する.そこで,流域面 積と気候条件は農家によって制御不能な所与のものとし,灌漑面積および作物種をSFR の 容量とともに適切に決めることが肝要となる.これらのことを明らかにするため,SFR の 実証的研究にもとづき下記の一連の研究を実施している. 1)水収支解析による補給灌漑方法としての SFR の有効性評価 インドネシア中部ジャワ州Gondangrejo 州 Karanganyar 地区に位置する天水農地内の 5 箇 所にSFR を構築し,現地での実証実験を実施している.実験期間は 2013 年 10 月~2014 年 6 月の 2 時期であり,水収支計算に必要な SFR の経時的な水位変化,気象データ等を観測 している. SFR の容量は,直近年(2012 年の雨季)の日最大雨量から推定した集水域からの総流出 量を貯留可能な容量を基準とし,土地面積の制約や希望する灌漑面積等を考慮して,農家 や農地の所有者と協議して決定している.灌漑方法は3 種類で,1 地区は手灌水,3 地区は ポンプ灌漑,1 地区はサイフォンによる地表灌漑に分類される. 2 作期を通して得られたデータをもとに,水収支解析を実施したところ,SFR を利用し て稲作を行った圃区において,1 作目の雨季に数回発生した短期干ばつ,2 作目の後期から 始まる乾季においても,十分な灌漑を可能にすることができるということが明らかになっ た. 2)最適な SFR 容量と灌漑面積を推定するための手法の提案 次に,1)で得られたデータをもとに,シミュレーションモデルを構築し,SFR の最適容 量と灌漑面積を推定する方法を提案している.構築したモデルはSFR より上流の集水域, SFR 自体,SFR より下流の天水農地の 3 つのサブモデルから構成される.結果の整理にあ たって,灌漑能力を表す比貯水容量(WSI)と,水需要量を表す比灌漑面積(WDI)の 2 つのインデックスを提案し,これらを用いて統一的な結論を導出している.つまり,WSI を縦軸,WDI を横軸とした座標軸で,SFR 容量が十分である領域と不十分となる領域の境 界線を求め,SFR による灌漑が可能となる SFR 容量と灌漑面積の理論的限界を示すこと に成功している.さらに,シミュレーション結果を用いて,1)で得られた実際の 5 つの SFR を評価しており,調査結果の実態を適切に表現していることを確認して以上の解析の妥当 性を裏付けるものであるとしている. 以上の研究成果は,雨季乾季があり,降水の年々変動の激しい地域における実用的な小 規模灌漑システムを,実証的研究にもとづいて提案したものである.特に,SFR の貯水容 量と灌漑面積との関係を理論的に評価する手法は,過去に例のない新しい試みである.さ らに,圃場実験として築造した5 つの SFR は農家に対する展示圃としての役割も果たし, この手法が地域の複数の農家にも受け入れられ,農家独自の意志によって新しいSFR の築 造が始まっている.このように,本研究成果は,熱帯モンスーン気候下における小規模灌

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漑の一手法を実用的・理論的に確立し,天水農地に対する新しい補給灌漑システムの貴重 な知見を提供しているものと評価できる.

以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文 として十分価値あるものと認めた.なお,学位論文の基礎となる学術論文は以下の通りで ある.

(1) Small-Farm Reservoir Contribution to Annual Crop Cultivation in Rainfed Paddy Field under Tropical Monsoon Climate, Dwi Priyo Ariyanto, Komariah, Kohei Yoshiyama, Ken Hiramatsu, Kengo Ito, Takeo Onishi, Masateru Senge, Journal of Rainwater Catchment Systems, in press (2) The Optimization Principle of Storage Capacity of Small-Farm Reservoir in Rainfed Agriculture, Dwi Priyo Ariyanto, Kohei Yoshiyama, Zuhud Rozaki, Masateru Senge,Komariah, Journal of Rainwater Catchment Systems, in press

参照

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