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ばっくとぅざぱすと その41 天皇の解散権を引き継ぐ

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Academic year: 2021

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そ の 四 一 日 本 国 憲 法 に は 「 解 散 権 」 の 所 在 に つ い て の 明 確 な 規 定 が 欠 け て い る と さ れ る 。 に も か か わ ら ず 、 「 政 治 家 」 「 マ ス コ ミ 」 等 は 「 解 散 は 首 相 の 専 権 事 項 」 で あ り 、 何 人 も そ れ を 妨 げ る こ と が で き な い と の 表 現 が 多 用 さ れ て い る 。 実 務 と 通 説 は 、 解 散 権 は 天 皇 の 国 事 行 為 と し て 憲 法 七 条 三 号 に 規 定 さ れ て お り 、 国 事 行 為 は 内 閣 の 助 言 と 承 認 に 基 づ い て の み 行 使 さ れ る こ と か ら 、 解 散 権 は 実 質 的 に 内 閣 に 帰 属 す る と さ れ る ( 七 条 解 散 説 ) 。 そ し て 首 相 ( 内 閣 総 理 大 臣 ) に 閣 僚 の 自 由 な 任 免 権 が 認 め ら れ て い る た め 、 事 実 上 首 相 の み の 判 断 で 解 散 が 決 定 で き る こ と か ら 、 上 記 の 言 説 が 成 立 し て い る の で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 憲 法 六 九 条 に 規 定 さ れ た 場 合 の み 内 閣 は 解 散 の 措 置 を と れ る と す る 有 力 な 反 対 説 ( 六 九 条 解 散 説 ) が 存 在 し て き た が 、 多 数 党 は 欠 席・ 棄 権 等 に よ り 六 九 条 の 要 件 を ク リ ア で き る の で 限 定 す る こ と の 実 益 は な い し 、 何 よ り 総 選 挙 は 民 意 を 問 う と い う 民 主 的 な も の で あ り 、 頻 繁 に 行 わ れ た か ら と い っ て 問 題 は な い は ず で あ る と 反 論 さ れ て き た 。 憲 法 四 五 条 は 、 任 期 を 四 年 と し 、 解 散 に よ り 例 外 的 に 任 期 が 短 縮 さ れ る こ と と し て い る が 、 戦 後 任 期 満 了 の 衆 議 院 総 選 挙 は 一 度 の み で あ り 、 原 則 と 例 外 が 逆 転 し て い る 。 結 局 七 条 説 は 、 四 年 の 間 に 与 党 に 有 利 な タ イ ミ ン グ で 首 相 に 自 由 ( 恣 意 的 ) な 解 散 を 実 施 す る こ と を 容 認 す る も の と な っ て い る 。 今 回( 二 〇 一 七 年) の 解 散 は 、 上 記 の 問 題 を 極 端 化 し た 事 例 を 提 供 し て い る 。 す な わ ち 、 臨 時 国 会 の 冒 頭 で 解 散 す る た め 、 国 会 で 一 切 議 論 さ れ ず 、 解 散 理 由 は 公 的 機 関 の 前 で 表 明 さ れ る こ と な く 、 首 相 記 者 会 見 で の 一 方 的 説 明 の み で 解 散 が 実 施 さ れ る 。 議 会 制 民 主 主 義 に 対 す る 重 大 な 蹂 躙 行 為 で あ る 。 欧 州 を は じ め と す る 議 院 内 閣 制 を と る 国 々 で は 、 任 期 が 原 則 で あ り 、 解 散 は あ く ま で 例 外 で あ る 。 政 権 維 持 に 困 難 を き た す 場 合 等 信 任 ・ 不 信 任 決 議 と 関 わ っ て 解 散 が な さ れ る の で あ っ て 、 首 相 の 「 専 権 事 項 」 と し て 解 散 が な さ れ る こ と は な い 。 君 主 の 解 散 権 の 形 式 を 残 し て き た イ ギ リ ス で も 二 〇 一 一 年 議 会 任 期 固 定 法 が 制 定 さ れ 、 首 相 が 解 散 の 時 期 を 自 由 に 提 案 で き る 体 制 は 明 確 に 終 焉 を 迎 え て お り 、 二 〇 一 七 年 繰 り 上 げ 総 選 挙 は 下 院 三 分 の 二 以 上 の 決 議 に よ っ て 決 定 さ れ た も の で あ る 。 我 が 国 は 現 在 、 議 会 制 民 主 主 義 を 基 礎 と し た 議 院 内 閣 制 を と っ て い る は ず な の だ が 、 解 散 を め ぐ る 憲 法 解 釈 に は 、 明 治 憲 法 下 統 治 権 の 総 覧 者 と し て の 天 皇 の 解 散 権 が 亡 霊 の ご と く 生 き 残 っ て い る 。 大 権 事 項 と し て の 制 約 を 受 け な い 衆 議 院 解 散 権 が 、

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3 首 相 の 自 由 な 「 解 散 権 」 に 形 を 変 え て 引 き 継 が れ て い る 。 「 恣 意 的 」 な 解 散 、 「 ま と も な 争 点 の な い 」 解 散 の 結 果 、 与 党 は 「 低 投 票 率 」 の 上 に 安 定 多 数 を 確 保 す る 。 こ れ で は 、 国 民 主 権 、 民 主 主 義 と は 対 立 す る 制 度 運 用 で あ る 。 前 回 解 散 で も 、 最 高 裁 の 選 挙 区 割 り に つ い て の 「 違 憲 状 態 」 宣 告 は 何 ら 首 相 の 「 解 散 権 」 を 制 約 す る も の で は な い と 主 張 さ れ 、 違 憲 状 態 の 区 割 り の 下 、 総 選 挙 が 実 施 さ れ た 。 我 が 国 の 議 会 制 民 主 主 義 の 健 全 な 発 展 の た め に も 、 従 来 の 憲 法 解 釈 を 見 直 し 、 六 九 条 解 散 説 を 前 提 と し 、 イ ギ リ ス の 解 散 制 度 改 革 等 を 参 考 と し て 首 相 の 「 解 散 権 」 に 一 定 の 制 約 を 加 え る 立 法 措 置 を 真 剣 に 検 討 す べ き 時 期 に き て い る と い え よ う 。 ( 経 済 学 部 社 会 シ ス テ ム 学 科 武 永 淳 ) 現行憲法下最初の解散は、占領軍が7条による解散権を否定したため、 69条の不信任案可決に基づき行われた。占領終了後、不信任案可決 による場合も69条等に言及せず、明治憲法下と類似の文言が使用さ れることとなっている。 画像は「国立公文書館デジタルアーカイブ」より 占領下での解散詔書 明治 26 年の解散詔書 (大日本帝国憲法下での) 占領終了後の解散詔書

参照

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