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マウス新生仔におけるB群溶連菌持続保菌の検討

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Academic year: 2021

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228 (53) 氏名(生年月日) 本     籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

コ   バヤシ    マ   スミ

澄(昭和32

博士(医学) 乙第1300号

平成4年9月18日

学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)

マウス新生仔におけるB群溶連菌持続保菌の検討

(主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 武田 佳彦,重田 帝子

論 文 内 容 の 要 旨

 目的  新生児のB群溶連菌(以下,GBSと略)感染症は, 一般に生後6日までに発症した早発型と,生後7日以 後に発症した遅発型に分類され,早発型は周産期の垂 直感染,遅発型は水平感染によるものと言われて’いる. しかし,遅発型における発症状況や,発症後の母児の 菌型が一致する例などから,垂直感染後の持続保菌に よる遅発型発症の可能性が十分考えられるが,いずれ も推測の域をでない.そこで持続保菌の有無について, マウス新生仔を用いた実験を行った.  実験材料  1)使用菌株  ①GBS III型菌(遅発型髄膜炎からの分離株)  ②GBSIa型菌(早発型肺炎からの分離株)  実験方法  ICR系マウスの新生仔(日齢1)の腹腔に, GBS菌 をLD5。に相当する103CFU/ml接種した.接種後2, 5,8,10日目の各日数でマウスの肝,脾,肺,脳の 各臓器の切片をホモジネートし,臓器10mgあたりの 生菌数を測定した.同時に血液培養,便培養も施行し た.  結果  1)GBS III型菌投与群  総数86匹について検討した.接種後の各日数で,半 数例以上の各臓器に,102~103CFU/mlの生菌数が検 出された.血液培養・便培養はすべて陰性であった.  2)GBS Ia型菌投与群  総数72匹の内,接種後5日目の肝と5日目の脳で 別々のマウス各1匹から菌が検出されたが,他はすべ て陰性であった.血液培養・便培養もすべて陰性であっ た.  考察  GBSの遅発型発症は一般的に水平感染といわれて いるが,臨床例からも,文献的にも一部に産道におけ る垂直感染を示唆するものがある.今回の実施で,III 型菌では被験マウスの過半数で各臓器に持続保菌がみ られたが,Ia型菌では持続保菌はほとんど見られな かった.臨床的にも,遅発型はIII型菌が大部分を占め, Ia型が少ないという菌型による特異性に一致する.こ のように2つの菌型の間で保菌状態を比較した報告は ない.  III型菌によるGBS感染症は,産道における垂直感 染に続いて持続保菌状態となり,その後に宿主と菌の 間の均衡の破綻が起きた場合に遅発型として発症する と考えられる.  結論  マウス新生仔を用いて,GBS Ia型菌およびIII型菌 の感染実験を行ったところ,菌接種後5日以上の持続 保菌状態はm型菌のみに認められた.これはヒト新生 児GBS感染症遅発型が母親からの垂直感染によって も成立し得ることを示唆する. 一862一

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論 文 審 査 の 要 旨

 新生児のB群溶連菌(GBS)感染症には,早期型と遅発型の2臨床病型が知られ,一般に早発型は周産期の 垂直感染,遅発型は水平感染によるものとされてきたが,最近の臨床的観察によると,遅発型の一部には母子 垂直感染に起因すると考えられる症例の存在が指摘されている.しかし垂直感染により遅発性臨床症状を発症 するには,分娩後1週間以上に亘って,菌が新生児の体内で存続しなければならない.  著者は,マウス新生仔を用いて,GBS Ia型菌とGBS III型菌の感染実験を行い,菌接種後5日以上の持続 保菌状態がGBS III型菌によってのみ維持され, GBS Ia型菌で成立しない事を実証した.すなわち, GBSの 菌種によっては,ヒト新生児のGBS感染症遅発型が垂直感染によっても成立し得ることを実験的に示した,学 術上価値ある研究である. 主論文公表誌 マウス新生仔におけるB群溶連菌持続保菌の検討   感染症学雑誌 第66巻 第3号   297-301頁(平成4年3月20日発行) 副論文公表誌 1)Ampicillin耐性Helnophilus innuenzae髄膜   炎の3例とCeftizoximeの髄液内濃度.感染症   誌59(8):799-804(1985)保科清,藤巻わ   かえ,鈴木葉子,塚田和子,長谷川久弥,永野   裕美,小林真澄 2)最近数年間の原発性異(非定)型肺炎(PAP)   におけるマイコプラズマ間接赤血球凝集反応と

  寒冷凝集反応について.小児臨39(3):

  591-594(1986)小林真澄,大谷智子,李 慶英,   多田羅裕子,鈴木葉子,美甘孝子,保科 清 3)乳幼児マイコプラズマ肺炎の胸部レントゲン所   見について.臨小児放線会誌 1・2(2):  52-53(1986)大谷智子,小林真澄,保科 清

4)Methicillin耐性黄色ブドウ球菌に対する

 CefamandoleとLatamoxefの併用による一治

 験.基礎と臨 21(9):333-337(1987)保科 清,  小林真澄,永野裕美,鈴木葉子,土田章江 5)川崎病様症状を呈し急激に悪化したYersinia  pseudotuberculosis敗血症の1例.東女医大誌  57(10):129-131(1987)ノ」・林真澄,.和田恵美  子,藤田幸子,田村まり子,三原 章,保科 清 6)低身長を主訴に来院し下垂体腺腫摘出術により  .catch up growthのみられたクッシソグ病の1  例.ホルモンと臨 35(11):79-82(1987)ノ」\  林真澄,渡辺雅子,渡辺理子,村田光範 7)外傷による空腸町内血腫の1例.臨小児放線研  会誌 1・5(1):40-41(1989)小林真澄,草  川三治,平林万紀子,岩永 大,橋本憲三,藤  松雅彦,鴛渕雅男 8)Non-inHammatory carrige of group B strep-  tococcus in organs of mouse(マウス臓器にお

 けるB群溶連菌持続感染について).Acta

 Paediatr Jpn 33(1):110-111(1991)Kobaya-  shi M, Suzuki Y, Hoshina K 9)B群溶連菌産道保菌妊婦検出のための尿沈渣培

 養と膣培養の比較.感染症誌65(8):

 992-995(平3)保科 清,鈴木葉子,小林真澄,  海野寿美,都もと子,兼子和彦 一863一

参照

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