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人口減少社会・高齢化と地域間の資金フロー

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Academic year: 2021

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(1)人口減少・高齢化社会と金融市場. 人口減少社会・高齢化と地域間の資金フロー 福 田 慎 一 目 1.はじめに 2.地方の人口増加率の構造変化 3.人口動態の地域別貯蓄率への影響 4.貯蓄率に関する推計結果. 次 5.貯蓄投資バランスに与える影響 6.人口動態が預貸率に与える影響 7.預貸率の変化に与える影響 8.終わりに. 本稿では、少子高齢化や人口減少が金融マクロ環境に及ぼす影響を、特に地域間の資金フローに焦点を当てて、 都道府県別データを使って考察した。高齢化は、1990年代半ばまでは貯蓄率を高めた一方、90年代半ば以降は 逆に貯蓄率を低下させるようになった。その結果、これまで預金が貸出を上回る資金余剰の状態にあった地方経 済でも、今後は少子高齢化の進行で預金が減少し、資金不足の状態に陥ることが見込まれる。. 変化に対して抜本的な対応を講じないと、今後起. 1.はじめに. こり得る影響は深刻である。. わが国では、急速に進行する少子高齢化が、他. わが国では、終戦直後の第1次ベビーブームの. の先進国以上に成長の大きな足かせとなるとの懸. 頃には合計特殊出生率は4.5以上の高い値を示し. 念が高まっている。人口の減少は、供給面から潜. た。その後、出生率は大きく減少したものの、. 在成長率を低下させるだけでなく、国内市場の縮. 1970年代半ばまでは人口が減らないための2.0を. 小を通じて総需要を抑える恐れがある(例えば、. ほぼ維持してきた。その結果、労働力増加率が人. 福田[2017、2018]参照) 。また、少子高齢化は、. 口増加率よりも高くなる「人口ボーナス」が長期. 人々の貯蓄行動を変化させることで金融市場を通. 間持続し、経済成長やそれに伴う資金の流れを後. じた資金の流れにも大きな影響を与える可能性が. 押ししてきた。しかし、70年代後半以降、合計. 高い(例えば、ホリオカ・新見[2017]参照) 。. 特殊出生率は減少が続き、93年には1.5を、また. 金融市場においても、進行する資金フローの構造. 2003年には1.3を、それぞれ割り込んでしまった。. 福田 慎一(ふくだ しんいち) 東京大学大学院経済学研究科教授。1989年イェール大学Ph.D.取得。横浜国立大学経済学 部助教授、一橋大学経済研究所助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、 2001年12月より現職。13年3月より金融庁金融審議会委員、17年8月より預金保険機構 運営委員。主な著書に『「失われた20年」を超えて』(NTT出版、2015年)や『21世紀の 長期停滞論』(平凡社新書、2018年)などがある。. 16. 証券アナリストジャーナル 2020. 4.

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