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旅行・観光に関する評価指標にみる日本のインバウンド観光振興の課題に関する一考察 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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全文

(1)

旅行・観光に関する評価指標にみる日本のインバウ

ンド観光振興の課題に関する一考察

著者

矢ヶ崎 紀子

雑誌名

現代社会研究

12

ページ

73-81

発行年

2014

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00007072/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

(2)

矢 ケ 崎 紀 子

訪日外客数 2,000 万人の政策目標の達成には、国際的な観光目的地(デスティネーション)とし てのブランド構築が重要であるが、観光分野における日本のブランドづくりは緒に就いた段階であ る。世界経済フォーラムや FutureBrand 社は各国の観光産業やデスティネーションとしてのブラ ンドを評価しており、まず、こうした指標を活用して、海外からどのように見られているのかを把 握する必要がある。両指標は、日本の観光資源に対する評価が高く、デスティネーションとして発 展する可能性が高いことを示唆している。一方、外国人訪問客を歓迎する態度の醸成、国内外から の投資による観光ビジネスの創出、効果的なインバウンド・マーケティングやブランド戦略が課題 である。なお、高額であるとのイメージが訪日旅行の阻害要因と考えられているが、金額に見合う 価値が提供されているというイメージを醸成していくことが重要である。 keywords:インバウンド、観光政策、評価指標、TTCI、CBI 目   次 はじめに

1.The Travel and Tourism   Competitiveness Index(TTCI) (1)目的 (2)概要 (3)日本の順位 (4)上位国との比較 (5)まとめ

2.Country Brand Index(CBI) (1)目的 (2)概要 (3)観光分野におけるランキング (4)まとめ 3.考察 むすび はじめに  訪日外客数は、2003年にビジット・ジャパン・ キャンペーン事業(VC事業)が開始されて以来、 世界金融不況や東日本大震災による減少を乗り越 えて、2013年に1,036万人に達した。観光立国推 進基本計画の政策目標が達成されたことになる。 次の政策目標は、2020年までに訪日外客数2,000 万人である。訪日外客の大半が空路で入国する地 理的な条件を考えると、この目標を達成するため には、飛行機にのって距離を超えてやってくるに 値する国際的な観光目的地(デスティネーション) であることを世界に認識してもらうために、これ まで以上に戦略的な誘致方策が必要になろう。 VC事業のプロモーションに加えて、自ずと旅行 者をひきつけ繰り返しきてもらえるよう、ブラン ド戦略も重要になってくるものと考えられる。 国や地域のブランド構築は、企業や商品単位の ブランドと異なり、関係者が多様であり意思決定 者が明確でないため、どんなアイデンティティを 持つのか、どのターゲットに対してどんな訴求を 行っていくのかについての合意形成を行うことに 困難を伴い容易な作業ではない。しかし、国際旅 行市場における競合国である韓国、シンガポール、 マレーシア等はすでにデスティネーションとして の国家ブランドづくりに着手しており、わが国も 国際旅行市場に対してどんなデスティネーション であるのかについての一貫したイメージを形成す るための取り組みを本格化させる必要があると考 えられる1。このためには、まず、日本がデスティ ネーションとしてどのような評価を獲得している のか、どのように見られているのかについての情 報を整理することが重要であると考え、本稿では、 観光分野における著名な評価指標である世界経済

(3)

『現代社会研究』12号

cultural, and natural resources の3つのサブイ ンデックスが設定されており、それぞれのサブイ ンデックスごとにピラー(pillar)が付随し、さ ら に、 各 々 の ピ ラ ー は い く つ か の サ ブ ピ ラ ー (subpillar)によって構成されている。 サブピラーごとに、各国で投資判断を行う上級 管理職層や経営幹部を対象に WEF が実施したア ンケート調査(Executive Opinion Survey4)の 分析結果、TTCI 作成のパートナーである国際機 関・団体や企業が公表しているデータ、各国デー タを活用し、分析対象である 140 カ国・地域の点 数が算出されランキングが設定されている。 (3)日本の順位 TTCI の上位は、スイス、ドイツ、オーストリ ア等の欧州諸国である。アジアでは、シンガポー ルと香港が上位に入っており、日本は、2007 年 25 位→ 2008 年 23 位→ 2009 年 25 位→ 2011 年 22 位→ 2013 年 14 位と徐々に順位をあげてきている。 2013 年の TTCI における日本の順位について 詳細にみると、サブインデックスにおいては、旅 行・観光の規制フレームが 24 位、旅行・観光の ビジネス環境とインフラが 24 位であり、旅行・ 観光の人的、文化的、自然資源は 10 位であった。 旅行・観光の規制フレーム(24 位)を構成す るピラーのうち、安全とセキュリティ(20 位)、 健康と衛生(16 位)は総合順位と比較してそれ ほど低くないが、政策のルールと規制(36 位)、 環境の持続可能性(47 位)、旅行・観光の優先度(42 位)は低い順位である。 旅行・観光のビジネス環境とインフラ(24 位) を構成するピラーのうち、航空インフラは 25 位 であるが、観光インフラは 53 位、旅行・観光産 業における価格競争力は 130 位と最下層にランキ ングされている。一方、陸上交通インフラと ICT インフラは各々7位である。 旅行・観光の人的、文化的、自然資源は 10 位 と高い評価であるが、旅行・観光との親和性のピ ラーは 77 位と低くなっている。

フォーラムの The Travel and Tourism Com- petitiveness Index、および、FutureBrand 社に よる Country Brand Index を取り上げ、その目 的、評価指標の構成、日本のランキングとそこか ら読み取ることができる日本のインバウンド観光 の課題について検討することとしたい。

1. The Travel and Tourism   Competitiveness Index (TTCI)

(1)目的

TTCI は World Economic Forum(WEF; 世界 経済フォーラム)が隔年で発表している指標であ る。W E F は、T h e T r a v e l a n d T o u r i s m Competitiveness Report 2013(旅行・観光競争 力レポート 2013)のなかで、観光産業が、国の 経済に対して直接的および間接的に大きな貢献を するセクターであるとしている。直接的な貢献と は、国民所得の増加、国際収支の改善、および雇 用創出であり、間接的な貢献とは、人的交流によっ て国と国との結びつきが生まれ、あるいは強化さ れ、こうした中で一国の経済の国際競争力が強化 されていくことである。 こうした重要なセクターが、どのような要因や 政策によって発展するのかを世界共通に測ること ができる指標として、WEF は7年前に TTCI を 開発した。TTCI の作成には、世界的に著名なコ ン サ ル テ ィ ン グ 会 社2、International Air Transport Association(IATA)、International Union for Conservation for Nature (IUCN)、 World Tourism Organization (UNWTO)、World Travel & Tourism Council (WTTC)がパート ナーとして協力している。TTCI を開発するにあ たって、旅行・観光産業に関係する事項に関する 定量分析が多年にわたって実施された。こうした 周到な事前調査の結果、TTCI における順位の高 さと、当該国におけるインバウンド客数および消 費額の大きさは、ほぼ相関関係にあることが証明 されている3。 (2)概要

TTCI に は、T&T regulatory framework、 T&T business environment、T&T human,

(4)

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出典:World Economic Forum ,The Travel and Tourism Competitiveness Report より作成。

表 1  TTCI における総合ランキング(上位 15 位まで)

(5)

『現代社会研究』12号 䝃䝤䜲䞁䝕䝑䜽䝇䞉䝢䝷䞊䞉䝃䝤䝢䝷䞊㡰఩㻌 㻔㻝㻠㻜 䜹ᅜ䞉ᆅᇦ୰㻕㻌 䝃䝤䜲䞁䝕䝑䜽䝇 㻮䠖㻌 ᪑⾜䞉ほග䛾䝡䝆䝛䝇⎔ቃ䛸䜲䞁䝣䝷㻌 㻔㻞㻠㻕㻌 㻌 ➨ 㻢 䝢䝷䞊䠖⯟✵䜲䞁䝣䝷㻌 㻔㻞㻡㻕㻌 㻌 㻢㻚㻜㻝㻌 ⯟✵䜲䞁䝣䝷䛾ရ㉁㻔㻠㻢㻕㻘㻌㻢㻚㻜㻞㻌 ᅜෆᐃᮇ౽䛾㐌䛒䛯䜚䛾฼⏝ྍ⬟䛺ᗙᖍ䜻䝻ᩘ㻔㻠㻕㻘㻌 㻢㻚㻜㻟㻌 ᅜ㝿⥺ᐃᮇ౽䛾㐌䛒䛯䜚䛾฼⏝ྍ⬟䛺ᗙᖍ䜻䝻ᩘ㻔㻣㻕㻘㻌㻢㻚㻜㻠㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾⯟✵฼⏝㻔㻡㻣㻕㻘㻌 㻢㻚㻜㻡㻌 ᅜẸ୍ே䛒䛯䜚䛾✵ ᩘ㻔㻣㻣㻕㻘㻌㻢㻚㻜㻢㻌 㐠⾜୰䛾⯟✵఍♫ᩘ㻔㻝㻢㻕㻘㻌 㻌 㻢㻚㻜㻣㻌 ⮬ᅜ䛾⤒῭䛻㔜せ䛺ᕷሙ䛻ᑐ䛩䜛⯟✵⥙䛾≧ἣ㻔㻠㻢㻕㻌 ➨ 㻣 䝢䝷䞊䠖㝣ୖ஺㏻䜲䞁䝣䝷㻌 㻔㻣㻕㻌 㻌 㻌 㻣㻚㻜㻝㻌 㐨㊰䛾ရ㉁㻔㻝㻠㻕㻘㻌㻣㻚㻜㻞㻌 㕲㐨䜲䞁䝣䝷䛾ရ㉁㻔㻞㻕㻘㻌㻣㻚㻜㻟㻌  ‴䜲䞁䝣䝷䛾ရ㉁㻔㻟㻝㻕㻘㻌 㻌 㻣㻚㻜㻠㻌 㝣ୖ஺㏻⥙䛾ရ㉁㻔㻢㻕㻘㻌㻣㻚㻜㻡㻌㻝㻜㻜 ੎䛒䛯䜚䛾㐨㊰ᘏ㛗㻔㻣㻕㻌 ➨ 㻤 䝢䝷䞊䠖ほග䜲䞁䝣䝷㻌 㻔㻡㻟㻕㻌 㻌 㻌 㻤㻚㻜㻝㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾ᐈᐊᩘ㻔㻞㻜㻕㻘㻌㻤㻚㻜㻞㻌 䠓኱኱ᡭ䝺䞁䝍䜹䞊఍♫䛾ᩘ㻔㻤㻞㻕㻘㻌 㻌 㻤㻚㻜㻟㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ୓ே䛒䛯䜚䛾 㼂㻵㻿㻭 䜹䞊䝗฼⏝ྍ⬟䛺 㻭㼀㻹 ᩘ㻔㻡㻥㻕㻌 ➨ 㻥 䝢䝷䞊䠖㻵㻯㼀 䜲䞁䝣䝷㻌 㻔㻣㻕㻌 㻌 㻌 㻥㻚㻜㻝㻌 ௻ᴗ㛫ྲྀᘬ䛻䛚䛡䜛 㻵㻯㼀 ฼⏝㻔㻣㻕㻘㻌㻥㻚㻜㻞㻌 ௻ᴗ䛸ᾘ㈝⪅㛫䛾䜲䞁䝍䞊䝛䝑䝖฼⏝㻔㻣㻕㻘㻌 㻌 㻥㻚㻜㻟㻌 ಶே䛾䜲䞁䝍䞊䝛䝑䝖฼⏝⋡㻔㻝㻣㻕㻘㻌㻥㻚㻜㻠㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾ᅛᐃ㟁ヰᅇ⥺ᩘ㻔㻝㻟㻕㻘㻌 㻥㻚㻜㻡㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾䝤䝻䞊䝗䝞䞁䝗䞉䜲䞁䝍䞊䝛䝑䝖ዎ⣙⪅ᩘ㻔㻝㻣㻕㻘㻌 㻥㻚㻜㻢㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾ᦠᖏ㟁ヰຍධ⪅ᩘ㻔㻣㻞㻕㻘㻌 㻥㻚㻜㻣 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ே䛒䛯䜚䛾䝤䝻䞊䝗䝞䞁䝗ᦠᖏ㟁ヰຍධ⪅ᩘ㻔㻟㻕㻌 ➨ 㻝㻜 䝢䝷䞊䠖᪑⾜䞉ほග⏘ᴗ䛻䛚䛡䜛౯᱁➇தຊ㻌 㻔㻝㻟㻜㻕㻌 㻌 㻌 㻝㻜㻚㻜㻝㻌 ᅜ㝿⯟✵䝃䞊䝡䝇䛻䛚䛡䜛⛯䝁䝇䝖㻔㻝㻝㻟㻕㻘㻌㻝㻜㻚㻜㻞㻌 ┦ᑐⓗ㉎㈙ຊᖹ౯㻔㻝㻟㻠㻕㻘㻌 㻌 㻝㻜㻚㻜㻟㻌 ປാពḧ䜔ᢞ㈨䛻ཬ䜌䛩ㄢ⛯䛾ᙳ㡪㻔㻥㻣㻕㻘㻌㻝㻜㻚㻜㻠㻌 ⇞ᩱ౯᱁䛾Ỉ‽䠄⡿䝗䝹᥮⟬䠅㻌 㻔㻝㻜㻥㻕㻘㻌 㻝㻜㻚㻜㻡㻌 㧗⣭䝩䝔䝹䛾ᶆ‽ⓗᐈᐊ䛾౯᱁Ỉ‽㻔㻣㻝㻕㻌 䝃䝤䜲䞁䝕䝑䜽䝇 㻯䠖᪑⾜䞉ほග䛾ேⓗ䚸ᩥ໬ⓗ䚸⮬↛㈨※㻌 㻔㻝㻜㻕㻌 㻌 㻌 ➨ 㻝㻝 䝢䝷䞊䠖ேⓗ㈨※㻌 㻔㻞㻝㻕㻌 㻌 㻌 㻝㻝㻚㻜㻝㻌 ึ➼ᩍ⫱䛾ᑵᏛ⋡㻔㻞㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻜㻞㻌 ୰➼ᩍ⫱䛾ᑵᏛ⋡㻔㻞㻝㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻜㻟㻌 ᩍ⫱䝅䝇䝔䝮䛾ရ㉁㻔㻠㻟㻕㻘㻌 㻝㻝㻚㻜㻠㻌 ᑓ㛛ⓗ䛺◊✲䞉◊ಟ䝃䞊䝡䝇䜢ᆅඖ䛷฼⏝䛷䛝䜛ྍ⬟ᛶ㻔㻝㻞㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻜㻡㻌 䝇䝍䝑䝣◊ಟ㻔㻡㻕㻘㻌 㻝㻝㻚㻜㻢㻌 㞠⏝䞉ゎ㞠䛻㛵䛩䜛つไᐇែ㻔㻝㻟㻜㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻜㻣㻌 እᅜேປാ⪅㞠⏝䛾ᐜ᫆䛥㻔㻝㻝㻤㻕㻘㻌 㻝㻝㻚㻜㻤㻌㻴㻵㼂 ឤᰁ⋡㻔㻝㻞㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻜㻥㻌㻴㻵㼂㻛㻭㻵㻰㻿 䛾䝡䝆䝛䝇䜈䛾ᙳ㡪ᗘ㻔㻡㻡㻕㻘㻌㻝㻝㻚㻝㻜㻌 ᖹᆒᑑ࿨㻔㻝㻕㻌 ➨ 㻝㻞 䝢䝷䞊䠖᪑⾜䞉ほග䛸䛾ぶ࿴ᛶ㻌 㻔㻣㻣㻕㻌 㻌 㻝㻞㻚㻜㻝㻌㻳㻰㻼 䛻䛚䛡䜛ほගᾘ㈝䛾๭ྜ㻌 㻔㻝㻟㻣㻕㻘㻌㻝㻞㻚㻜㻞㻌 እᅜேゼၥᐈ䛻ᑐ䛩䜛ே䚻䛾ែᗘ㻔㻣㻠㻕㻘㻌 㻝㻞㻚㻜㻟㻌 ᾏእ䛾⤒Ⴀᖿ㒊䛜ᴗົฟᙇ䛷ึᅇゼၥ䛧䛯㝿䛻䚸ほග┠ⓗ䛷䛾ᅾᘏ㛗䜢່䜑䜛䛛㻔㻝㻞㻡㻕㻘㻌 㻝㻞㻚㻜㻠㻌 ஦ᴗ⪅䛾㢳ᐈᚿྥ㻔㻝㻕㻌 ➨ 㻝㻟 䝢䝷䞊䠖⮬↛㈨※㻌 㻔㻞㻝㻕㻌 㻌 㻝㻟㻚㻜㻝㻌 ୡ⏺⮬↛㑇⏘ᩘ㻔㻝㻜㻕㻘㻌㻝㻟㻚㻜㻞㻌 ⮬↛⎔ቃ䛾㉁㻔㻞㻡㻕㻘㻌㻝㻟㻚㻜㻟㻌 ့ங㢮䞉㫽㢮䞉୧⏕㢮䛾⥲⏕≀✀ᩘ㻔㻡㻣㻕㻘㻌 㻝㻟㻚㻜㻠㻌 㝣ୖ⏕≀䛾ಖㆤ㻔㻟㻠㻕㻘㻌㻝㻟㻚㻜㻡㻌 ᤼௚ⓗ⤒῭Ỉᇦ䛻䛚䛡䜛ᾏὒಖㆤᆅᇦ䛾๭ྜ㻔㻡㻥㻕㻌 ➨ 㻝㻠 䝢䝷䞊䠖ᩥ໬ⓗ㈨※㻌 㻔㻝㻝㻕㻌 㻌 㻌 㻝㻠㻚㻜㻝㻌 ୡ⏺ᩥ໬㑇⏘ᩘ䠄ཱྀᢎ䞉↓ᙧ㑇⏘䜢ຍ⟬䠅㻌 㻔㻣㻕㻘㻌 㻌 㻝㻠㻚㻜㻞㻌 ᅜẸ 㻝㻜㻜 ୓ே䛒䛯䜚䛾䝇䝫䞊䝒䝇䝍䝆䜰䝮཰ᐜேᩘ㻔㻢㻣㻕㻘㻌㻝㻠㻚㻜㻟㻌 ᅜ㝿ぢᮏᕷ䞉ᒎ♧఍䛾㛤ദᩘ㻔㻥㻕㻘㻌 㻝㻠㻚㻜㻠㻌 ๰㐀ⓗ〇ရ㍺ฟ䛾๭ྜ㻔㻝㻠㻕㻌

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(6)

旅行・観光の人的、文化的、自然資源の項目の評 価が 10 位と高く、他のサブインデックスよりも 高順位となっている。日本のデスティネーション としての資源の可能性は高いと認識されていると 考えることができよう。このサブインデックスの なかで、人的資源、文化的資源、自然資源の評価 は 10 ∼ 20 位程度であるが、旅行・観光との親和 性が 77 位であることには改善の余地が大きいと 考えられる。(4)の上位国との比較においても見 劣りする順位であった。このサブピラーでは、事 業者の顧客志向が1位と高評価であるが、GDP における観光消費の割合が 137 位、外国人訪問客 に対する人々の態度が 74 位、海外の経営幹部が 業務出張で初回訪問した際に、観光目的での滞在 延長を勧めるかが 125 位である。GDP における 観光消費の割合の低さは、国の経済規模と産業構 造に依るものであり、順位が低いことをもって単 純に改善点であるとすることはできないと考えら れる。しかし、外国人訪問客を歓迎する態度を醸 成することや、業務出張で訪日した経営幹部に観 光による日本滞在延長を勧めることについては課 題として取り組むことが可能である。 サブインデックス A:旅行・観光の規制フレー (4)上位国との比較 空路で入国する外国人旅行者数が日本の政策目 標の 2,000 万人に近い英国5 、TTCI の常連の上 位国であるスイスとドイツ、インバウンド客数が 世界一であるフランス、観光消費額(TSA)の 規模が日本より大きい米国、アジアで 1 位である シンガポールを加えた6カ国と日本の順位を比較 してみる。 比較対象国よりも日本が高評価を獲得している のは、健康と衛生(日本は 16 位)、陸上交通イン フラ(同7位)、ICT インフラ(同7位)、文化 的資源(同 11 位)である。一方、観光インフラ(同 53 位)、旅行・観光との親和性(77 位)は見劣り がする順位である。 なお、旅行・観光産業における価格競争力は、 スイス 139 位、ドイツ 125 位、英国 138 位、米国 94 位、フランス 140 位、シンガポール 66 位となっ ており、日本よりもインバウンド客数を多く受け 入れている国々においても低いランキングであ る。 (5)まとめ TTCI において、日本は、サブインデックス C: 䠄㡰఩䠅㻌 㻌 ᪥ᮏ㻌 䝇䜲䝇㻌 䝗䜲䝒㻌 ⱥᅜ㻌 ⡿ᅜ㻌 䝣䝷䞁䝇㻌 䝅䞁䜺 䝫䞊䝹 ⥲ྜ㡰఩㻌 㻝㻠㻌 㻝㻌 㻞㻌 㻡㻌 㻢㻌 㻣㻌 㻝㻜㻌 ᪑⾜䞉ほග䛾つไ䝣䝺䞊䝮㻌 㻞㻠㻌 㻌 㻝㻌 㻤㻌 㻝㻣㻌 㻠㻠㻌 㻥㻌 㻢㻌 㻌 ᨻ⟇䛾䝹䞊䝹䛸つไ㻌 㻌 㻟㻢㻌 㻌 㻝㻣㻌 㻟㻟㻌 㻤㻌 㻞㻟㻌 㻞㻡㻌 㻝㻌 ⎔ቃ䛾ᣢ⥆ྍ⬟ᛶ㻌 㻠㻣㻌 㻌 㻞㻌 㻠㻌 㻣㻌 㻝㻝㻞㻌 㻝㻝㻌 㻞㻟㻌 Ᏻ඲䛸䝉䜻䝳䝸䝔䜱㻌 㻌 㻞㻜㻌 㻌 㻞㻌 㻝㻠㻌 㻞㻞㻌 㻡㻣㻌 㻟㻟㻌 㻡㻌 ೺ᗣ䛸⾨⏕㻌 㻝㻢㻌 㻌 㻝㻜㻌 㻞㻌 㻠㻤㻌 㻡㻝㻌 㻢㻌 㻡㻢㻌 ᪑⾜䞉ほග䛾ඃඛᗘ㻌 㻠㻞㻌 㻌 㻝㻝㻌 㻣㻣㻌 㻠㻜㻌 㻟㻜㻌 㻟㻡㻌 㻠㻌 ᪑⾜䞉ほග䛾䝡䝆䝛䝇⎔ቃ䛸䜲䞁䝣䝷㻌 㻌 㻞㻠㻌 㻌 㻝㻌 㻢㻌 㻝㻜㻌 㻞㻌 㻣㻌 㻠㻌 㻌 ⯟✵䜲䞁䝣䝷㻌 㻌 㻞㻡㻌 㻌 㻥㻌 㻣㻌 㻡㻌 㻞㻌 㻤㻌 㻝㻠㻌 㝣ୖ஺㏻䜲䞁䝣䝷㻌 㻌 㻣㻌 㻌 㻟㻌 㻢㻌 㻝㻟㻌 㻞㻣㻌 㻡㻌 㻞㻌 ほග䜲䞁䝣䝷㻌 㻌 㻡㻟㻌 㻌 㻡㻌 㻞㻟㻌 㻞㻞㻌 㻝㻟㻌 㻝㻣㻌 㻟㻤㻌 㻵㻯㼀 䜲䞁䝣䝷㻌 㻣㻌 㻌 㻢㻌 㻝㻝㻌 㻝㻜㻌 㻝㻣㻌 㻝㻡㻌 㻥㻌 ᪑⾜䞉ほග⏘ᴗ䛻䛚䛡䜛౯᱁➇தຊ㻌 㻌 㻝㻟㻜㻌 㻌 㻝㻟㻥㻌 㻝㻞㻡㻌 㻝㻟㻤㻌 㻥㻠㻌 㻝㻠㻜㻌 㻢㻢㻌 ᪑⾜䞉ほග䛾ேⓗ䚸ᩥ໬ⓗ䚸⮬↛㈨※㻌 㻌 㻝㻜㻌 㻌 㻞㻌 㻣㻌 㻟㻌 㻝㻌 㻝㻝㻌 㻞㻡㻌 㻌 ேⓗ㈨※㻌 㻌 㻞㻝㻌 㻌 㻝㻌 㻝㻤㻌 㻢㻌 㻝㻠㻌 㻟㻡㻌 㻞㻌 ᪑⾜䞉ほග䛸䛾ぶ࿴ᛶ㻌 㻌 㻣㻣㻌 㻞㻡㻌 㻢㻝㻌 㻠㻡㻌 㻢㻥㻌 㻠㻤㻌 㻤㻌 ⮬↛㈨※㻌 㻌 㻞㻝㻌 㻝㻥㻌 㻟㻝㻌 㻝㻡㻌 㻟㻌 㻟㻜㻌 㻥㻞㻌 ᩥ໬ⓗ㈨※㻌 㻌 㻝㻝㻌 㻌 㻢㻌 㻠㻌 㻟㻌 㻡㻌 㻤㻌 㻟㻡㻌 ฟ඾䠖㼃㼛㼞㼘㼐㻌㻱㼏㼛㼚㼛㼙㼕㼏㻌㻲㼛㼞㼡㼙㻌㻘㼀㼔㼑㻌㼀㼞㼍㼢㼑㼘㻌㼍㼚㼐㻌㼀㼛㼡㼞㼕㻝㻥㼟㼙㻌㻯㼛㼙㼜㼑㼠㼕㼠㼕㼢㼑㼚㼑㼟㼟㻌㻾㼑㼜㼛㼞㼠㻌㻞㻜㻝㻟㻘䜘䜚 సᡂ䚹㻌

出典 :World Economic Forum ,The Travel and Touri19sm Competitiveness Report 2013, より作成。

(7)

『現代社会研究』12号 制約を受けるものであり、また、空港数について も、大都市圏への人口集中が進んでいる日本にお いては、現在の空港数でも多いのではないかとの 議論があるところである。観光インフラ(53 位) については、7 大大手レンタカー会社の数(82 位)、 国民 100 万人あたりの VISA カード利用可能な ATM 数(59 位)が低くなっている。日本には自 国企業であるレンター会社が営業網を充実させて おり、このサブピラーの項目はレンタカー・サー ビスを外国人旅行者が問題なく受けられるかどう かの観点から見直す必要があるように思われる。 VISA カード利用可能な ATM 数については、海 外発行のクレジットカードで現金を引き出すこと ができる ATM は、現在のところ、セブン銀行と ゆうちょ銀行のもののみであるが、観光庁および 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、日本 のメガバンクの ATM で取り扱い可能にするべく 準備が進んでいるとのことであり6 、将来的な順 位向上が期待される。旅行・観光産業における価 格競争力(130 位)は、国際航空サービスにおけ る税コスト(113 位)、相対的購買力平価(134 位)、 労働意欲や投資に及ぼす課税の影響(97 位)、燃 料価格の水準(109 位)、高級ホテルの標準的客 室の価格水準(71 位)と全てのサブピラーでの 順位がかなり低くなっている。しかし、このピラー での評価は、旅行・観光に要する価格が低ければ よいという指標になっており、経済大国が観光振 興を目指そうとする場合には不利な項目であるこ とは否めない。総合順位上位国においても、旅行・ 観光産業における価格競争力の順位はかなり低い 状況であった。

2.Country Brand Index(CBI)

(1)目的 米国・ニューヨーク市に拠点を置く世界的なブ ランド・コンサルティング企業である Future-Brand 社は、世界中の旅行者、企業経営者、従業 員、親、消費者は、どこに住もうか、どの会社に 勤めようか、子供をどこで育てようか、どの製品 を買おうか、休暇にどこに観光旅行に行こうか等 について意思決定をする際に、その国に関して持 ムは 24 位であり、これを構成するピラーのなか では、政策のルールと規制、環境の持続可能性、 旅行・観光の優先度について今後順位を上げて行 くことが考えられる。政策のルールと規制を構成 するサブピラーのなかでは、外国資本への許容(88 位)、外国直接投資に関する規制による影響(66 位)、査証緩和(96 位)、起業に要する時間(93 位)、 起業コスト(64 位)、観光に関する GATS 決定 に関する制限(96 位)が低い。観光産業に外国 資本からの投資を許容すること、新しいビジネス を立ち上げるための時間や金銭的なコストが高い ことが課題であり、これらは、観光ビジネスの将 来的な活力を生み出すためにも重要な課題である と考えられる。なお、査証緩和については、昨年 の ASEAN 諸国へのビザ緩和が一層進められる ことになっており、既に対策が予定されている。 環境の持続可能性を構成するサブピラーをみる と、国民一人あたりの二酸化炭素排出量が 115 位、 絶滅危惧種が 130 位である。旅行・観光の優先度 を構成するサブピラーのなかでは、観光客誘致の ためのマーケティングやブランド戦略の効果が 60 位と最も低い順位となっている。訪日外客 2,000 万人の政策目標に向けて、2014 年6月 17 日に「観 光 立 国 実 現 に 向 け た ア ク シ ョ ン・ プ ロ グ ラ ム 2014」が閣議決定され、マーケティングや日本ブ ランドの構築等の本格的な取り組みが着手された ばかりであり、今後の順位向上が期待される。な お、観光庁発足以来、観光統計の整備が進んでき ており、旅行・観光に関する月次・四半期データ の適時性は7位と高い順位であるが、旅行・観光 に関する年間データの包括性は 51 位にとどまっ ている。年間データを活用し広く周知を図って行 くことによって、順位向上が期待される。 サブインデックス B:旅行・観光のビジネス環 境とインフラの順位は 24 位であり、航空インフ ラ、陸上交通インフラ、観光インフラ、旅行・観 光産業における価格競争力の順位が低い。航空イ ンフラ(25 位)については、航空インフラの品 質(46 位)、国民 1000 人あたりの航空利用(57 位)、 国民一人あたりの空港数(77 位)のサブピラー の順位が低くなっているが、国民の航空利用につ いては国土の広さや交通ネットワークのあり方の

(8)

ち合わせている情報やイメージに影響されると考 えている7

。こうした情報やイメージを測定する た め、2005 年 か ら 毎 年 Country Brand Index (CBI)を発表している。CBI は、世界 118 カ国 を対象として、各国の文化、産業、経済的活力、 政策の動向について、関連データ、専門家からの 意見聴取8、将来予測、報道等を総合的に調査分 析しランキングにまとめたものである。その評価 項目は、価値体系、生活の質、ビジネス環境、遺 産・文化、観光の 5 分野である。 (2)概要 FutureBrand 社は、観光は世界的な産業の一 つであり、国の規模に関わらず、観光によって国 の経済が活性化され雇用が創出されるとともにビ ジネス界に革新的な動きが生じるとしている。こ のため、既に評価項目としていた遺産・文化分野 と の 関 連 性 が 強 い も の の、2011 年 に 新 た に、 Value for Money( 金 額 に 見 合 う 価 値 )、 Attractions( 魅 力 )、Resort and Lodging Options(リゾート・宿泊施設)、Foods(食事)、 Shopping( 買 い 物 )、Beaches( ビ ー チ )、 Nightlife(ナイトライフ)の 7 つの項目を設けて 観光分野の評価を行うこととした。 (3)観光分野におけるランキング CBI の観光分野の世界ランキング(2012 年) において、日本は第 2 位である。2011 年からの 順位上昇の幅が大きいのは、バハマ(+ 35)、バ ミューダ(+ 26)、フィジー(+ 23)、アラブ首 長国連邦(+ 13)、英国(+ 11)、デンマーク(+ 10)であり、下降の幅が大きいのは、スペイン(− 12)、 モ ル デ ィ ブ( − 10) で あ っ た。 日 本 は、 2011 年第1位、2012 年第2位であり、イタリア と順位が入れ替わったが高い評価を維持してい る。 日本は、魅力で第1位、食事で第3位、買い物 で第5位、金額に見合う価値で第6位、ナイトラ イフで第 10 位であるが、リゾート・宿泊施設お よびビーチでは 15 位までには入っていない。 これらの項目の 2011 年と 2012 年の日本の順位 変化をみると、魅力については1位を維持、食事 は3位を維持、買い物は5位を維持、金額に見合 う価値は 2011 年 25 位から 2012 年6位へ、ナイ トライフは 11 位から 10 位へと維持あるいは順位 を上昇させているが、リゾート・宿泊施設につい ては、2011 年に3位であったものが 2012 年には 15 位未満と順位を低下させている。ビーチは両 年とも 15 位未満である。 (4)まとめ CBI の観光分野における日本への高評価は、魅 力の項目において第 1 位にランキングされている ことが理由であり、食事で第 3 位、買い物で第 5 位、 金額に見合う価値で第 6 位を獲得していることが 大きく影響している。2011 年に第 1 位であった 時と比較して、リゾート・宿泊施設の順位を大き く下げたものの、一方で、金額に見合う価値の項 目において 25 位から 6 位へと躍進したことが功 を奏し、2012 年に 2 位となったと考えられる。 とくに、日本への旅行は高額であるという認識が 強いと言われるなかで、円安の追い風を受けつつ も、単に安価であるという指標ではなく金額に見 合う価値があるという評価順位を上げていること ⾲㻌 㻠㻌 㻯㻮㻵 䜢సᡂ䛩䜛䛯䜑䛻 ᐃ䛩䜛 㻡 ศ㔝㻌 ศ㔝㻌 せ⣲㻌  ᐃ䛾┠ⓗ㻌 ౯್య⣔㻌 ᨻ἞ⓗ⮬⏤䚸⎔ቃᑐᛂ䚸Ᏻᐃ䛧䛯ἲⓗ⎔ቃ䚸ᐶᐜ䛥䚸 ゝㄽ䛾⮬⏤㻌 䜺䝞䝘䞁䝇䚸ᢞ㈨㻌 ⏕ά䛾㉁㻌 ᩍ⫱䝅䝇䝔䝮䚸䝦䝹䝇䜿䜰䞉䝅䝇䝔䝮䚸⏕άỈ‽䚸㻌 Ᏻ඲䚸㞠⏝ᶵ఍䚸ఫ䜏䜔䛩䛥㻌 䝠䝳䞊䝬䞁䞉䜻䝱䝢䝍䝹㻌 䝡䝆䝛䝇⎔ቃ㻌 ᢞ㈨⎔ቃ䚸ඛ➃ᢏ⾡䚸ἲつไ䚸⇍⦎䛧䛯ປാຊ㻌 ᡂ㛗䚸ᣢ⥆ྍ⬟ᛶ㻌 㑇⏘䞉ᩥ໬㻌 Ṕྐ䚸ᩥ໬䞉ⱁ⾡䚸┿ṇᛶ䚸⮬↛⨾㻌 ᙳ㡪ຊ㻌 ほග㻌 㔠㢠䛻ぢྜ䛖౯್䚸㨩ຊ䚸䝸䝌䞊䝖䞉ᐟἩ᪋タ䚸㣗஦䚸 ㈙䛔≀䚸䝡䞊䝏䚸䝘䜲䝖䝷䜲䝣㻌 䌦㻌 ฟ඾䠖㻲㼡㼠㼡㼞㼑㻮㼞㼍㼚㼐㻘㻌㻯㼛㼡㼚㼠㼞㼥㻌㻮㼞㼍㼚㼐㻌㻵㼚㼐㼑㼤㻌㻞㻜㻝㻞㻙㻞㻜㻝㻟 䜘䜚సᡂ䚹㻌

出典:FutureBrand, Country Brand Index 2012-2013 より作成。

(9)

『現代社会研究』12号 は日本のインバウンド振興にとって重要である。 今後とも CBI の観光分野のランキングにおい て高評価を維持していくためには、既に上位に位 置している項目の維持やさらなる向上に加えて、 未だ順位の低い項目の順位を上げて行くことが課 題であろう。ビーチについては自然条件の違いや 海辺活用の制約、既に上位である国々との競争状 況を勘案すると、簡単に順位を上げて行く対応は 難しいと思われる。しかし、ナイトライフの項目 においての順位向上は、芸能の伝統があり、各都 市において一定の文化施設や繁華街等の集積があ る我が国においては可能性のある課題であると考 えられる。また、リゾート・宿泊施設については 順位を下げた理由の分析を行い、順位の回復に向 けた取り組みが必要になると考えられる。 3.考察 TTCI と CBI の両指標において、日本は観光 資源に対する評価が高く、国際的な観光目的地と して発展する可能性が高いことが示唆されている と考えられる。TTCI においては旅行・観光の人 的、文化的、自然資源が 10 位、CBI においては 魅力の項目で第1位である。また、TTCI におい ては陸上交通インフラや ICT インフラへの評価 も高く、こうした強みをさらに磨き発信していく ことが求められよう。 一方、両指標からは日本のインバウンド観光振 興における課題点が指摘されていた。それらのな かには、未だ取り組んでいない項目や、取り組ん でいても知られていない項目もみられた。ブラン ド・イメージを構築していくためには、取り組ん でいることを海外に正確に理解してもらうことが ⾲㻌 㻡㻌 㻌 㻯㻮㻵㻌 ほගศ㔝䛻䛚䛡䜛ୡ⏺䝷䞁䜻䞁䜾䠄㻞㻜㻝㻞 ᖺ䠅㻌 㻌 ฟ඾䠖㻲㼡㼠㼡㼞㼑㻮㼞㼍㼚㼐㻘㻌㻯㼛㼡㼚㼠㼞㼥㻌㻮㼞㼍㼚㼐㻌㻵㼚㼐㼑㼤㻌㻞㻜㻝㻞㻙㻞㻜㻝㻟 䜘䜚సᡂ䚹㻌 㻌 ⾲㻌 㻢㻌 㻌 㻯㻮㻵㻌 ほගศ㔝䛻䛚䛡䜛ୡ⏺䝷䞁䜻䞁䜾䠄㻞㻜㻝㻞 ᖺ䠅䛾ෆヂ㻌 ฟ඾䠖㻲㼡㼠㼡㼞㼑㻮㼞㼍㼚㼐㻘㻌㻯㼛㼡㼚㼠㼞㼥㻌㻮㼞㼍㼚㼐㻌㻵㼚㼐㼑㼤㻌㻞㻜㻝㻞㻙㻞㻜㻝㻟 䜘䜚సᡂ䚹㻌 㔠㢠䛻ぢྜ䛖౯್ 㨩ຊ 䝸䝌䞊䝖䞉ᐟἩ᪋タ 㣗஦ ㈙䛔≀ 䝡䞊䝏 䝘䜲䝖䝷䜲䝣 ➨䠍఩ 䝍䜲 ᪥ᮏ 䝰䞊䝸䝅䝱䝇 䜲䝍䝸䜰 ⡿ᅜ 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 ⡿ᅜ ➨䠎఩ 䝬䝺䞊䝅䜰 ⡿ᅜ 䝇䜲䝇 䝣䝷䞁䝇 䝣䝷䞁䝇 䝞䝝䝬 䝤䝷䝆䝹 ➨䠏఩ 䝗䜲䝒 䜲䝍䝸䜰 䝰䝹䝕䜱䝤 ᪥ᮏ 䜲䝍䝸䜰 䝰䝹䝕䜱䝤 䝣䝷䞁䝇 ➨䠐఩ 䜹䝘䝎 䝣䝷䞁䝇 䝣䜱䝆䞊 䝅䞁䜺䝫䞊䝹 ⱥᅜ 䝤䝷䝆䝹 ⱥᅜ ➨䠑఩ ⡿ᅜ 䝇䜲䝇 㼁㻚㻭㻚㻱 䜸䞊䝇䝖䝸䜰 ᪥ᮏ ⡿ᅜ 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 ➨䠒఩ ᪥ᮏ 䜹䝘䝎 䝗䝭䝙䜹 䝇䝨䜲䞁 ୰ᅜ 䝣䜱䝆䞊 䝇䝨䜲䞁 ➨䠓఩ 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 ⱥᅜ 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 䝇䜲䝇 䝗䜲䝒 䝞䝹䝞䝗䝇 䝗䜲䝒 ➨䠔఩ 䝙䝳䞊䝆䞊䝷䞁䝗 䝙䝳䞊䝆䞊䝷䞁䝗 ⡿ᅜ 䝗䜲䝒 㼁㻚㻭㻚㻱 䜼䝸䝅䝱 䜲䝍䝸䜰 ➨䠕఩ 䝣䜱䝆䞊 䜶䝆䝥䝖 䝞䝝䝬 ྎ‴ 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 䝰䞊䝸䝅䝱䝇 䝍䜲 ➨䠍䠌఩ 䝇䜲䝇 䜸䞊䝇䝖䝷䝸䜰 䜹䝘䝎 䝍䜲 䝅䞁䜺䝫䞊䝹 䝍䜲 ᪥ᮏ ➨䠍䠍఩ 㼁㻚㻭㻚㻱㻚 䝣䜱䝆䞊 䝗䜲䝒 䜹䝘䝎 䝍䜲 䝯䜻䝅䝁 䜰䝹䝊䞁䝏䞁 ➨䠍䠎఩ 䝧䝸䞊䝈 䝗䜲䝒 䝇䜴䜵䞊䝕䞁 䝇䜴䜵䞊䝕䞁 䜹䝘䝎 䜲䝍䝸䜰 䜹䝘䝎 ➨䠍䠏఩ 䝰䞊䝸䝅䝱䝇 㼁㻚㻭㻚㻱 䝙䝳䞊䝆䞊䝷䞁䝗 䝰䞊䝸䝅䝱䝇 㡑ᅜ 䝣䝷䞁䝇 䜸䝷䞁䝎 ➨䠍䠐఩ 䝁䝇䝍䝸䜹 䜲䝇䝷䜶䝹 䝣䝷䞁䝇 䜶䝇䝖䝙䜰 䜲䞁䝗 䝇䝨䜲䞁 ୰ᅜ ➨䠍䠑఩ 䝇䜴䜵䞊䝕䞁 䝇䝨䜲䞁 䜲䝍䝸䜰 䜰䝹䝊䞁䝏䞁 䝇䝨䜲䞁 䝖䝹䝁 䝅䞁䜺䝫䞊䝹 出典:FutureBrand, Country Brand Index 2012-2013 より作成。

表 5 CBI 観光分野における世界ランキング(2012 年)

表 6 CBI 観光分野における世界ランキング(2012 年)の内訳

(10)

重要であり、情報発信やコミュニケーションと いった観点からも課題に取り組む必要があると考 えられる。また、各国の事情によって取り組みが 難しい項目や、そもそも欧米に有利な指標設定に なっている項目もあり、こうしたことを勘案しな がら、日本が取り組むべき課題を選定していくこ とが重要である。 こうした観点を踏まえると、TTCI における日 本のランキングからは、外国人訪問客を歓迎する 態度を醸成すること、国内外からの投資による新 しい観光ビジネスが立ち上がることへの阻害要因 を少なくすること、観光客誘致のための効果的な マーケティングやブランド戦略を実施することと いった課題に取り組んでいくことが重要であると 考えられる。CBI からは、リゾート・宿泊施設、 および、ナイトライフについての評価を向上させ ることが示唆されている。 なお、訪日旅行商品は高額であるとのイメージ が強く、これが訪日の阻害要因となってきたと考 えられている9 が、両指標からは、インバウンド 客数が世界的に多い国々は同様のイメージを持た れており、むしろ、経済大国がインバウンド観光 を振興するにあたっては、観光・旅行に要する価 格について、その金額に見合う価値が提供されて いるかどうかの観点が重要であることが示され た。価格競争に陥ることなく、高評価を獲得して いる日本の観光資源を活用して、多少高くとも 行ってみたいというイメージを醸成することが重 要な方向性であると考えられる。 むすび 本稿では TTCI と CBI の 2 つの指標による日 本への評価を分析し、日本のインバウンド観光振 興の課題とすべき点を抽出した。この課題をどの ように政策に反映させていくべきなのかについて は、今後の研究課題としたい。英国では国際的な 評価指標を政策の成果目標に組み込んでいる。英 国のように、世界からどう見られているのか、ど う評価されているのかといった観点を、インバウ ンド観光の政策に反映させている事例の分析等が 考えられる。 文献

World Economic Forum, The Travel and Tourism Competitiveness Report 2013

FutureBrand, Country Brand Index 2011-2012、2012-2013

VisitBritain[2009], Britain Marketing & 2012 Games Global Strategy 2010-2013

VisitBritain[2012], The London 2012 Olympic & Paralympic Games OUR STORY Interim Report, November 2012

VisitBritain[2013], Delivering a Golden Legacy _ A growth strategy for inbound tourism to Britain from 2012 to 2020

大井達雄「観光地ブランドの評価に関する一考察」研究所報(法 政大学日本統計研究所) No.42、2013 年 2 月 5 日発行、 pp.9-27 (注) 1)観光庁は「普遍的な日本の魅力の再構築・発信に関する検 討会」を設置し、世界へ誇る日本の魅力について議論を重 ねた。この結果、新たな観光プロモーションの切り口とし て、震災時に称賛を浴びた「日本人」を前面に押し出すこ ととし、「日本を旅行することでしか得られない価値」と し て、「 日 本 人 の 気 質 」(Character)、「 日 本 人 の 作 品 」 (Creation)、「日本人の生活」(Common Life)の3つの C を 訴求点とすることがまとめられた。しかし、デスティネー ションとしてのブランド・アイデンティティとして関係者 から支持を得るにはいたっていないと考えられる。 2)戦略策定のパートナーとして Booz & Company、定量データ

の調査分析のパートナーとして Deloitte の協力を得ている。 3)World Economic Forum, The Travel and Tourism Competitiveness Report 2013, pp11-12, Figure 2: T&T competitiveness and tourism arrivals, Figure 3: T&T competitiveness and tourism receipts より。

4)World Economic Forum, The Global Competitiveness Report 2012-2013, CHAPTER 1.3 The Executive Opinion Survey: The Voice of the Business Community, pp69-78に よ る と、The Travel and Tourism Competitiveness Report 2013に使用された Executive Opinion Surveyは、2012 年1月および6月に、世 界 150 カ国・地域の経営幹部や上級管理職 15,000 人を対象 として 30 言語に翻訳された調査として実施され、14,059 の有効票を得た。調査項目は、自身の企業の状況、自国・ 地域の経済概況、政府・行政、インフラ、イノベーション とテクノロジー、財務状況、貿易と投資、国内の競争状況、 企業経営戦略、教育と人材、汚職・倫理・社会的責任、旅行・ 観光、環境、健康の 14 項目にわたる。なお、この調査は、 過去 40 年間にわたって改善されながら継続して実施され、 TTCIだけでなく、Global Competitiveness Index をはじめ、 WEFの各種指標の作成に活用されている。 5)観光庁の推計によると、2012 年の空路による外国人旅行者 受け入れ数ランキングでは、英国が 2,267 万人、フランス が 2,258 万人である。 6)2013 年 12 月 11 日付の観光庁と日本政府観光局(JNTO) の共同プレスリリースより。

7)FutureBrand, Country Brand Index 2012-2013, p3 “Country Brands Create the Future”より。

8)世界 18 カ国から 3,600 名の世論形成者および頻繁に海外旅 行をする旅行者を抽出し意見集約を行っている。 9)日本政府観光局(JNTO)の重点市場向けプロモーション方

参照

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英国のギルドホール音楽学校を卒業。1972

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