高次カイラルループシグマモデルによる核物質の非
圧縮率
著者名(日)
手塚 洋一
雑誌名
東洋大学紀要. 自然科学篇
号
50
ページ
17-55
発行年
2006-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00002510/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja高次カイラルループシグマモデルによる
核物質の非圧縮率 手塚洋一・In
L跳:s8罐yc罐認:;1冒、跳a艦d曽1th
Hirokazu TEZUKA
abstract Bulk properties of the nuclear matter are estimated in the chiral loop sigma. modeL In the linea、r sigma model a systeln consists of nucleons, sigma mesons and pions. This model includes only attractive interactions and cannot satisfy the saturation property of the nuclealr matter. Vector meson interaction has been introduced as a repulsive effect in the linear sigma model so that the saturation property of the nuclear matter has been realized, but it could not give an adequate incompressibility to the nuclear matter. Here higher order chiral loop terms are taken into consideration to reproduce the proper incompressibility. First we treat a sigma meson mass as a free parameter without aIlucleon mass term, but this model cannot make the minimuln energy per nucleon EB=-15.75 MeV at the normal density pB=0.19/fm3(the Fermi momentum pF= 278.5MeV/c). Introduction of the nucleon mass term can reproduce the bulk property of the nuclear matter. In this model the scalar meson-nucleon interaction coupling consta.nt is a free parameter. The value of incompressibility is improved by higher order chira,l loops but is yet much la,rger than that expected by experiments. 宇東洋大学自然科学研究室 112-8606東京都文京区白山5-28-20 Natural Science Laborat.ory, Toyo University,28-20 Hakusan 5,Bunkyo-ku, Tokyo,112-8606, JAPAN18 手 塚 洋 一
1 はじめに
アイソスピン対称性とカイラル対称性は核物理の基本的な対称性と考えられている。こ れらの対称性に付随するベクトルカレントの保存(CVC)と軸性ベクトルカレントの部分 的な保存(PCAC)を実現するモデルとしてGe▲1-Mann&L6vyの線形シグマモデルが ある。このモデルを核物質に適用すると、核子ならびに中間子の有効質量が核子密度に依 存するようになる。特に、π中間子の質量の二乗m;2が核子密度とともに急激に小さく なり、あるフェルミ運動量以上では負になり質量として定義できなくなる。この現象は、 H.Tezukaが1981年にすでに指摘しているようにπ凝縮状態の出現を示唆しているものと 考えられる。すなわち、この領域ではπ中間子場が存在すると全系のエネルギーが小さく なるため、π中間子場の平均場が存在することが期待される。π中間子は擬スカラーなの で単独ではパリティを保存しない。パリティを保存するように、π中間子場の2乗の平均 場の存在を仮定し、π中間子凝縮状態での核物質の粒子の有効質量、平均場などを計算し、 エネルギーを評価した。ただし、Gell-Mann&L6vyの線形シグマモデルでは核子ならび にそれと相互作用するスカラー系の中間子、σ中間子とπ中間子の自由度のみを考え、そ れにカイラル対称性を破るσ中間子の線形項を加えたものであるため、引力的に働く項ば かりで斥力が存在しない。そのため、核子密度とともに核物質のエネルギーは小さくなり、 核物質の飽和性(ある核子密度で系のエネルギーが最小となり、安定な核物質の存在を保 証する性質)を満たすことができない。 Gell-Mann&L6vyの線形シグマモデルの特徴は、オリジナルのラグランジアンには核 子の質量項も、σ中間子の質量項も、π中間子の質量項も存在せず、これらの質量はσ中 間子の平均場〈σ〉の存在から導かれるようになっていることである。昨年の紀要では、 斥力項を導入して飽和性を満たすように、Gell-Mann&L6vyの線形シグマモデルにベク トル中間子の相互作用と核子の質量項を加えたモデルで核物質の性質を議論した。ラグラ ンジアン密度として L=ψわμ∂μψ一ψ(MN-91∫π)ψ十91ψ(σ+iγ5ア・π)ψ +;(・、σ)2+;(・。π)2-C~(・2+・L・1)2-B・ 一・品・ω。ψ一れ・F・・+;m三・。ω・ (L1) を使った。ψは核子の場で、スカラー中間子(σ中間子)はσ、アイソベクトルの擬スカ ラー中間子(π中間子)はπ、質量7n.wのベクトル中間子(ω中間子)はωμである。ただし F、。=∂。ω。 一∂。ωμ である。このモデルでは、ベクトル中間子の寄与を考慮しただけではなく、核子の質量項 も加えてある。Cl、 Al、 Bは運動方程式から決まるが、結合定数91とgωはパラメータ として値を選ぶことができるようになる。91=2.738、gω=16.218の値を使って、核物 質の正規密度ρB=0.19/fm3(フェルミ運動量PF=278.5 MeV/c)で核子あたりのエネ ルギーが最小になり、EB=-15.75 MeVとなるように調節することができた。ただし、 そこでの非圧縮率はκ=6119.13MeVとなり、実験値に比べ大きすぎる。 核物質の非圧縮率が実験的に予想されている小さな値(K~300MeV)になるように中 間子間相互作用(カイラルループ)の高次の項を考慮する.同様の方法はJ.D.Waleckaのσ一ωモデルに対してJ.Boguta、 A.R.Bodmerなどによって提案され、成功をおさめた。 シグマモデルでもJBoguta、 P.K.Sahu、 A.Ohnishiなどによって取り上げられているが、 π中間子場をきちんと考慮したπ凝縮状態での計算はまだなされていない。
2 Chiral Loopの高次項
ω中間子の斥力効果を考慮した線形シグマモデルでは核物質の飽和性は再現したが、非 圧縮率が大きすぎた。核物質の非圧縮率の計算値を改善するために、対称性を保存するカ イラルループの高次項を考慮する。また昨年の紀要ではσ中間子一核子の相互作用の結合 定数91が引力項の自由パラメータとして使えるように核子の質量項を加えたが、この項 はカイラル対称性を破る。ここでは実験的に確定していないσ中間子の真空中の質量をパ ラメータとして、核子の質量項を導入せずに核物質の性質を再現できるか試みる。ラグラ ンジアン密度としてはGell-Mann&L6vyの線形シグマモデルのラグランジアンLG・Lに ベクトル中間子の項とカイラルループの高次項を加えて LHCL-L。.、 一・漸・ω。ψ一tF。・F・u+SmZ・、ω・ 一篇(σ2+π2-・鐸)3一篇(σ2+π2-・鐸)4 =ψi7μ∂μψ+9σψ(σ+的5τ・π)ψ一9ωψ7μωμψ ・;(・。σ)2+・。π)2一れ・Fμ・1・n-Z・。・・ -C・(・2+π2-・㍑)2一霧(σ2+・2-・方)3一篇(σ2+・2-・∫孝)4-B嬬・ (・・1)
を考える。gσ、飢、 C2、 C3、 C4、 A、 Bは定数である。 Mωはベクトル中間子ωの真空 中(核子密度0)での質量であり、f.はπ中間子の崩壊定数である。 核子に対する運動方程式、Dirac方程式は 昂∂,ψ+9。(σ+ior5T・π)ψ一9ωγμωμψ=o -i∂、ilorμ+ψ9。(σ+η5ア・π)-9ωψγμω。=o スカラー系の中間子に対するKlein-Gordon方程式は …”・一輌一・C・σ(・2+π2-Afl2)一・鏡・(σ2+・2-Af}2)2 -・覧・(・2+π2 一・Afl2)3-BL3 ∂、∂・π=9。品,アψ一40、π(σ2+π2一喘) 一・呈・(σ2+・2一鰺)2-・篇・(σ2+π2一鰺)3 ベクトル中間子に対するProca方程式は ∂μ.Fμu=9ωEZ ・rV th-mZωu (2.2) (2。3) (2.4) (2,5) (2.6)20 手 塚 洋 一 となる。 このラグランジアン密度(2.1)に対応するハミルトニアン密度は
κ一一一・°°LHcL・鑑∂・ψ+・・嘉蒜
+9島・・σ+霊)・・π+£誌)a・w・ 一砺・▽ψ・;{(∂・σ)2+(▽・)2}+;{(・・π)2+(▽・)2} 一;(・・ω。∂°・・+v・。・▽・・) 一碗(σ+i75τ・π)ψ・・。砺・・。ψ一lmZ・。ω・ +・・(σ2+・2-・嬬)2+覧(σ2+π2-・鐸)3 +竺(σ2+π2一媚)・+B∫:。 である。 全系はアイソスピン回転に対して不変である。ベクトルカレント 4v-Vo・μ÷ip+・・∂μπ の発散は ∂。プじ一∂品・;ψ+thμi∂・ψ+∂・π・∂μ・+・・∂・∂μ・ =勾σψ丁5丁×πψ+9。thiorsπ×アψ=0 となり、カレントは保存する。 (2.7) (2.8) (2.9) 微小カイラル変換に対するカレントは保存しないが、ベクトル中間子の項およびカイラ ルループの高次項はもちろんカイラル変換に関して不変であるから、保存しないのはオリ ジナルの線形シグマモデルと同様σの線形項のみであるe軸性ベクトルカレントは _ 7 Sl一ψγμ7・互ψ一π∂μσ+・∂μπ であるが、この発散を計算すると _ ア - T ∂・∬x-(∂・ψ晒・百ψ+吻μγ・7(∂・ψ) 一π∂。∂μσ一∂。σ∂μπ+σ∂。∂”π+∂、π∂μσ =B鐸π となる。 (2.10) (2.11) 2.1 平均場近似:σ凝縮状態 ハミルトニアン密度(2.7)に対し、時間空間一様な平均場近似を適用すると <GPt H。L>=-9。〈σ〉〈ψψ〉-9。〈ψ乞γ5丁ψ〉・〈π〉…〈・ψ午μψ〉〈・。〉-rmZ・・。〉〈・・〉 +C、(<σ>2+<π>2-A嬬)2 ・呈(〈σ>2+<π>2-A∫:)3 +篇(<σ>2+〈π>2一鰯)4+B∫ミ〈σ〉 (2.12) となる。各中間子の平均場に対してハミルトニアン密度の期待値<7tHC’L>が極小とな ることを要求すると ∂<71 HCL> =-9σ〈ψψ〉 ∂〈σ〉 十4C2〈σ〉(<σ>2十<π>2一ノ1嬬) +・篇・・〉(・・>2+・・>2 一・Afl)2 +・篇・・〉(・・>2+・・>2一鰺)3 +B∫7=o
∂譜・9>一一・・<卵ψ・
+4c2〈π〉(〈σ>2+<π>2-A∫…) f# ∂〈lltHCL> =9ω〈吻μψ〉-mZ〈ωμ〉=0 ∂〈ωμ〉 +・セ・・〉(・・>2+・・>2-・方)2 +8璽.。〉(.。〉・+.。〉・.A嬬)・一・ (2.13) (2.14) (2.15) となる。これは中間子場の運動方程式(2.4)~(2.6)に時間空間一様な平均場近似を適用し たものと同じになる。 パリティの保存から 〈7r>=0 とし、ベクトル中間子に対しては 〈ωμ〉=〈ω〉δμo と仮定すると、これらの式は 9a・ψψ・一・{…+・霧(・・>2-・鐸)+・篇(・・>2-・蠕)2} ×〈σ〉(<σ>2-A∫力+B∫ミ 9σ〈ψ的5γψ〉=0 9ω〈万γoψ〉=m乙〈ω〉 (2.16) (2.17) (2.18) (2.19) (2.20)22 手 塚 洋 一 となる.(2.18)式から〈σ〉が決まり、(2.20)式から〈ω〉が核子密度の関数として求 められる。 〈σ〉にかかわるポテンシャルσ(〈σ〉)をハミルトニアン密度の期待値<Grt HCL> から求めると 〈σ〉 )2-A} u(〈σ〉)=-9。ρs〈σ〉+[c2+c3{( fπ ・C4{(〈芳〉)2-・}2]{(〈号〉)2-A}2・f# 〈σ〉 ・f# 十B fπ となる。ただし ρs=〈ψψ〉 で、これはスカラー密度と呼ばれる。 (2.21) (2.22) 50 40 30 0 2 R +\⊃ ザ 10 0 一10 -2 \
〜
一1 、・.ご~’.・ \. 、.ノ O l 2 〈σ〉/fπ PF(MeV/c) 0 -一一一 100 ・t・・J-’150 -一一・- 200 Fig,2.1:ポテンシャルU(〈σ〉) ポテンシャルu(〈σ〉)を図示するとFig.2.1のように変数〈σ〉に対し、2つの 極小値を持つことがわかる。パラメータはmσ=600MeV、 g.=10.096、 C2=4.675、 A=o.881としてある。Fig.2.1にはσ(〈σ〉)/f#を〈σ〉〃.の関数として図示して ある。後に議論されるように〈σ〉<0の解が核子の有効質量を正にする解である。す なわち、σ中間子の平均場〈σ〉は〈σ〉<0の範囲内で解を求めなくてはならない。 この条件はパラメータ02、Aのとりうる範囲をかなり制限することになる。このポテンシャルの極小値を求める式は ∂u(〈σ〉) = 0 (2.23) ∂〈σ〉 となるが、これは〈σ〉を決める運動方程式(2.18)と同じになる。すなわち(2.18)の解の うちから〈σ〉<0となるものを求めることになる。ただし、この系が安定であるために はC4>0となるようにパラメータをとらなくてはならない。パラメータのとり方によっ ては、〈σ〉<0の範囲内で極小値を2つ以上持つような場合もある。ただし、この場合 も後で議論されるように、核子密度0の時に〈σ〉/万=-1でポテンシャルU(〈σ〉) が最小となるようになっていなければならない。 〈ω〉に関するポテンシャルU(〈ω〉)は U(・・〉)一・wρ・〈・〉-lmz・・>2 (・・24) となり、斥力的に働くのでエネルギーが極小になることを要求しても意味がない。この ポテンシャルを最小にするように平均場〈ω〉をとろうとすると、すぐわかるように 〈ω〉→。。となる。ここでは任意のPFにおける〈ω〉が運動方程式(2.20)を満たす ことを要求する。もともとの中間子場が満たしていた運動方程式(2.6)を平均場も満たす べきであろうという要請である。(2.20)から伽をパラメータとして
・・〉一畿・・ (・・25)
と決まる。ただし ρB=〈万γoψ〉 (2.26) で、これはバリオン密度または核子密度と呼ばれる。ω中間子の平均場〈ω〉は核子密 度に比例して大きくなる。 2.1.1 有効質量 中間子場をその平均場とゆらぎに分解して σ一→〈σ〉十σ π一→元 ω。一→〈ω〉δ。o+o、 とおくと、ラグランジアン密度(2.1)は L HCL=万行μ∂μψ+9σ万〈σ〉ψ一9ωiZl・yO〈ω〉ψ ・9。」⇔・・司ψ一・嚥。ψ・;(・、・)2+1(・。・・)2-iρ〔SmZ(・…。・+di、)2
-02{(〈σ〉+∂)2+π2-A掬2 -9{(・・〉+・)2+・2-Afl2}3 (2.27) (2.28) (2.29)24
手塚洋一
一篇{(・・〉+・)2+…2-・蠕}4-B儒(・・〉+・) =訪iγμ∂μψ+9σ〈σ〉ψψ一9ω〈ω〉元万70ψ +・・E5(・輌・司ψ一・・」o・…。ψ+;(・。・)2+;(・。・・)2 -lp.・〔m三・・〉。・ 一[・{・C2+・9(・・>2-・鐸)+・篇(・・>2-A鐸)2} ×〈σ〉(<σ>2一媚)+B∫鍵]∂ 1 2-2 +i「nω wμ 一{・C2・・霧(・・>2一喘)・・篇(・・>2-Afl2)2} ×(<σ>2-A方)(∂2+π2) 一・{C・+・9(<σ>2一喘)+・f;(・・>2-・鐸)2}・・>2・2 -・{C・+・9(・・>2-・β)・・霧(・・>2-・鐸)2} ×〈σ〉∂(∂2+π2) 一・{9+・篇(・・>2-・焉)}・・>3・3 -{c2・・霧(・・>2一喘)・・篇(・・>2-・β)2}(・2+・2)2 -12{覧+・篇(・・>2-Af}2)}・・>2・2(・2+・2) -16旦〈。〉・∂・ 一・{9・・葺(・・>2一媛)}・・〉・(・2+・2)2 -32ム・・>3・3(・2+・2) 一{9・・篇(・・>2一噺・2+・2)3 -24ム・・>2・2(・2+i・・2)2 -・ム・・〉・(・2+…2)3一篇(・2+・2)4 -{・・+霧(・・>2一喘)・篇 ×(〈σ>2一鰺)2}(<σ>2一鰺)2・1-Z・・>2-B∫:・・〉 (・…)
と書き換えられる。これより、核子の有効質量は万ψの項の比例定数として M*=-9。〈σ〉 と定義される。中間子の有効質量はそれぞれの場の2乗の項の係数から ・m:2 =・{・C・’2+・篇(・・>2一鰺) ・・呈(〈σ>2一媚)2}(・・>2-・㍑) ・・{c・+・呈(・・>2-Af12) ・・篇(<σ>2一嬬)2}・・>2 -7n;2 +・{c・・2+・篇(・・>2-Afl2) ・・芳(・・>2-…f3)2}・・>2 ・nt;’2-・{・C2・・繋(・・>2-A・f}2) ・・篇(・・>2-Af}2)2}(・・>2-・㍑)
ωmご2=mL2
(2.31) (2.32) (2.33) (2.34) となる。核子の質量、σ中間子の質量、π中間子の質量はσ中間子の平均場〈σ〉の関 数となり、〈σ〉は核子密度に依存するので、これらの有効質量は核物質中で核子密度と ともに変化する。ω中間子の質量は核内でも変化せず一定である。 2.1.2 定数の決定 荷電パイ中間子の崩壊π+→μ++vμ、π一→μ一+瓦の行列要素を考えると、パリ ティ保存則から軸性ベクトルカレントの項のみが残り 〈Ol∬㍗(0)1・β働〉=汰μ乱、β∫。 となる。.f.は荷電π中間子の崩壊定数でπ一→μ一+fiptの実験からf.;93 MeVであ ることがわかっている。これを空間座標にFOitrier変換すると 〈01 .7 lt)(小β㈲〉=ik,’δ。β∫。ε一ik・.v となるから、この発散を取って.r=0とおくと 〈Ol∂μ∬賃α(0)1πβ(k)〉= たμたμδLレβ∫π = γη;δαβ∫π (2.35) となる。これをモデルラグランジアン(2.1)から計算された軸性ベクトルカレントの発散 (2.11)の行列要素と比べれば BJf# = アπ7n;26 手 塚 洋 一 が求まる。故に、定数Bは
B-(Mπfπ)2 (・36)
と真空中のπ中間子の質量mπとその崩壊定数fnによって決まる。 真空中(核子密度0)ではρs=〈ψψ〉=0、ρB=〈ψ70ψ〉=0であるから方程式 (2.18)、 (2.20)eま ・一・{・c2+・9(・・>6一媛)+・?i(・・〉;一・嬬)2} ×<σ>o(〈σ〉言_ノ1∫《)十B∫ミ (2.37) 0=m乙〈ω>o (2.38) となる。(2.38)式から真空中では<ω>o=0となることがわかる。 (2,37)iま ・{…+・9(・・〉言一・β)・・募(・・〉;一・鐸)2}(・・>6-Aff)一一く芸。 (・・39)
となるが、この左辺は真空中のπ中間子の質量(2.33)と同じものであるから、π中間子の 質量として 2 -B∫ミ ー方m算 m ニ ニ π 〈σ>0 <σ>0 が求まる。これから、真空中では <σ>o=-fπ (2.40) となることがわかる。このことから、核子密度0の場合に〈σ〉〈0の領域でポテンシャ ルσ(〈σ〉)が〈σ>o=-f。で最小となるようにパラメータを選ばなければならない ことがわかる。 真空中での核子の質量は ハ4=-gσ〈σ>o=Mv (2.41) となるが MN=(Mp十Mn)/2=938.9MeV Mp=938.3MeV :陽子の質量 Mn=939.6 MeV :中性子の質量 を使うと一〈誓≒一乎 (2・42)
となり、gσが正の定数として決まる。 gσ>0であるから、任意の核子密度においても核 子の有効質量(231)が正の値を持っためには〈σ〉〈0とならなければならないことが わかる。また.4=1ととると(2.33)、(2.3g)からわかるように、真空中でmπ=0およびB=0 となってしまう。すなわち、π中間子の寄与が存在するためにはA≠1でなければなら ない。 式(2.3g)に<σ>u=-f.を代入すると fπ ∫』 .f# となり
B
= 2C’,2-F 3(::’3(1-A)一ト4(▼4(1-A)2 2(1-A) が求まる。同じく(2,32)は真空中で ・・…・~三・{臼・呈(f}’ 一 Afl2)・・旨(㍑一・蹴 と書き換えられ 2 2 t)~〃8ラi・1!U-i”一一G・・C・(1-・)・卿一・・4)2 が求まる。この2つの式からC’,3を消去してC4を求めると l CS2 1 B l mL2一η~} c’4=i(1_A)7-4(t_A)3 +1百(1.A聞 ( ’4を消去して〔5を求めると 4 (二t・2 1 B lη弓一η弓 c’・」=一互トA+i(1_A)2一可1_A).f}2 となる。すなわち、m,.と(t2、 Aを与えると定数CJ4とC‘:3は決まる。 伽はこれらとは別にパラメータとなる。 となる。 B仁,{、(’2.,,9(.f3.Afl2 ) +・旦(㍑.4㍑)・}(.f}・ 一・.・1.f3) (2.43) (2.44) (2.45) (2.46) 以上より、系のエネルギーなどを計算するときに使えるパラメータは7ηa、C2、 A、飢 2.1.3 エネルギー ハミルトニアン密度(2.7)の中間子場を平均場で置き換えると 7t H。L=聯・Vth 一 g。〈・〉万4,+9.〈ω〉万7°ψ 三・・三・・>2+c・(・・>2-Af12)2 +篇(・・>2一卿 ・呈(・・>2一媚)4+Bf#・・〉 (2.47) となるが、これは質量一ga〈σ〉でエネルギーがOw〈ω〉だけシフトした白由フェル ミ粒子のハミルトニアンである。故に、核子は白由粒子として、フェルミガス分布をする28
手 塚洋
ものと考えられる。核子密度0で全系のエネルギーが0となるように定数項を引いておく。 すなわち ’u・HCL -S一尼・・一告M・-c2(f12 一 Af}2)2一呈(㍑一A・f12):3 噺(嬬_4嬬)4+Bぴ 一κ。。、一{M・一{c2+c3(1-A)+c〆4(1-・4)2} × (1-A)2.f.4十B.f# (2.48) を改めてこの系のハミルトニアン密度と定義する。ただし、Nは考えている系の全核子数 で、Vは系の体積であるとする。 フェルミガス分布を仮定して上のハミルトニアン密度の期待値を計算すると、全系のエ ネルギーとして E=<F1刃Hα」F> =v[<Fl砺・▽ψ一9。〈σ〉万4,+9.〈ω〉万゜ψIF> -1・nz・・>2+C・(・・>2-Ae)2+繋(・・>2-Af}2)3 ・篇(・・>2-Af}2)4+Bf;3・・〉 一告M・一{・・+・・(1一担C・(1-・)2} ×(1-A)2㍑十13∫幻 一V[・(芸,/PF・2・・+M”2d・+;・・〉・・ρ・ ・Cl’・(・・>2-Afl2)2+呈(・・>2一媚)3 ・篇(・・>2-A・f}2)4+Bf;3・・〉 一;蜘一{c・+c・(1-A)+c4(1-A)2} ×(1-A)2∫:+B∫:] が求まる。ここで・N一訂F酬+M・2吻一告・4N
-、}、{麟+・輌一・…41・gPF莞}一告M・
ただしEP= 峠+M*2
・・-C,・(<σ>2-A摩)2+呈(・・>2-Af12)3 (2.49) (2.50)+旦(.。〉・.鰺)・+B嬬.。〉 一{C、+0、(1-A)+C、(1-A)2}(1-A)2嬬+B∫撒 ・・一;・・>9…一;(9ωρBMω)2 と定義して、1V/V=ρBを使って核子あたりのエネルギーに直すと E・÷2・篇+;(9ωrnw)2ρ・ となる。 実験で決まっている物理定数として、崩壊定数 (2.51) (2.52) (2.53) fπ=93MeV 質量 Mlv=938.9MeV mπ=139.6MeV Mω=781.94 MeV を使う。これらから、定数
B-(Mπ)29a一竿
の値は決まる。 さらにmσ、gω、02、 Aをパラメータとして与えて C4-;(S.%%)、-1(1ギ。)、+吉(:≒霧 C3--1与;(,:.il,.)、一蒜≒欝 と決める。 これらの定数、パラメータを使って数値計算するとPF~139 MeV/c付近でm;2が0 より小さくなり、π中間子の質量が定義できなくなる。この項はハミルトニアン(2.7)で は+1/2m:2π2の形で現れるが、 m:2〈0ならこの項が残ったほうが系のエネルギーは 小さくなる。すなわち、これより大きな核子密度領域ではπ中間子が存在したほうがエネ ルギー的に有利であることを示唆している。 2.2 π凝縮状態 m:2〈0となる領域でπ中間子場が存在するような時間空間一様な平均場近似を考え る。パリティの保存からπ中間子が単独に存在することは考えにくいので、π中間子の1 乗の項は残らず2乗の項が残るように 〈π〉=0 <π2>≠0 〈ωμ〉=〈ω〉δ。o30
手塚洋
〈σ〉≠0 と仮定すると、平均場をとったハミルトニアン密度(2.7)は く究 HCL>=<万乞うア・ ラth>-9σ〈訪ψ〉〈σ〉+9ω〈ψγoψ〉〈ω〉 -lm3・・>2+C・(・・>2+<π2>一・β)2 +9(・・>2+<π2>一・方)3 ・篇(<σ>2+<π2>一鰺)4+B搾・・〉 となる。各平均場に対して<κHCL>が極小になることを要求すると∂譜・;〉一一・・⑭・+…〈・〉(・・〉・+…〉-Af3)
・・霧・・〉(・・>2+・・2>一硝2 ・・篇・・〉(・・>2+<π2>一・β)3+B嬬一・ ∂〈ltt HCL> =202(〈σ>2十<π2>一/1f) ∂〈π2> ・・呈(・・>2+・・2ぷ』)2 ・・篇(・・>2+<π2>一・∫:)3-・ ∂荒・≒〉一・・〈“・・ψ〉-mZ・・〉一・ (2.54) (2.55) (2.56) (2.57) となる。〈σ〉と〈ω〉に関する(2.55)、(2.57)はσ凝縮状態での条件式と同じで、そ れぞれの中間子の運動方程式に平均場近似を施したものと同じ式となる。ただし〈π2> の項が新たに付け加わっている。(2.56)を考慮すると(2.55)は 9σ〈万ψ〉=B∫ミ (2.58) となり、スカラー密度ρsニ〈ψψ〉が核子密度によらず一定となるという結果が得られ る。核子の有効質量M’はこの式からPFの関数として求まる。 〈σ〉は後に求める(2.65)式よりM*を使って M’ 〈σ〉=一一 (2.59) 9σ と決まる。 〈ω〉は(2.57)から・・〉一券・B (・…)
w と決まり、これはσ凝縮状態の場合と変わらない。2.2.1 有効質量 中間子場を σ一→〈σ〉十σ π_→π π2_→<π2>+ft2 」,μ→〈ω〉δμ{}十ωμ とおいて、各粒子の有効質量を求める。ラグランジアン密度(2,1)は らc、一示りPt∂。ψ+o。万〈・〉ぴ一η厄゜〈ω〉ψ 十〇σ万(∂十∫恒τ・元)ψ一9ω1”t1μtL,μψ +;(∂。ti-)2+1(o,, ft)2-1輻〃Fμ〃 ・;・・三(・のδ両)2 -○{(〈・〉+a)2+〈π2>+it2rA.劇2 ÷・・〉+司2+〈π2>+・2-…f;2}’
一鏡{(・・〉砧く・‥L・㍑}4
- Bf#(〈σ〉+∋ =万らμ∂μψ十9a〈σ〉万ψ一9ω〈w>7午0ψ 十.9σψ(~テ十り・5丁・弄)ψ一三万ψ丁μΩμψ ・1(・。・)2+;酬2一拓・門ノ・三・・〉・・ 一[・{・Ct2・・呈(・・>2+〈π2>-A.f3) ・・鏡(・・>2+<π2>一蹴 ×〈σ〉(<σ>2+<πづ一,-1β)+B,f#]∂ +シ屯; 一{・…呈(・・>2・<π2>-A∫L2) ・・鏡(・・>2+・・’刈泊 ×(<σ>2+<π2>一、4∫∂(∂2+∋ 一・{c・・+・呈(・・>2+・・2>-Af;) ・・篇(・・>2・〈π2>一・閉・・>2・2 -・{Ct2 +・呈(・・>2+〈π2>一・∫自 (2.61) (2.62) (2.6:S)32 手塚洋一
・・1;(・・>2・・T2 〉一・問・・〉・(・2閣 一・{呈・・篇(・・>2+<π2>一・・.f2)}・・>3・ハ ー{(・2・・呈〔・・>2+〈π2>一…f;)・・篇(・・>2+・・’刈拍(・制’
ヨ2{完・・芳(・・>2+〈π2>-Af;2)} ×〈σ>2∂2(~テ2十元2) -16竺〈。〉・∂・ 、f# 一・{呈・・篇(・・>2+・・2>一鰺)} ×〈σ〉∂(∂2+fi・2)2 .、32皇.。〉・∂・(∂2十ii・2) 、f# 一{霧・・IS(・・>2+・・2>一蛸}』2)3-24篇・・>2・2ぽ2)2
-・篇・・〉・〔δ2+・2)L篇(・2+・2)4 ・1〃・三・・>2-{・6・(・・>2+・・2>一舶 ・篇(・・>2+〈π2>-Af}2)2} ×(〈σ>2+〈π2>-A ,f:)2一田ミ〈・〉 となる。核子の有効質量は ハ∫*=一ワσ〈σ〉 となり、σ凝縮状態と変わらない。 中間子の有効質量としては ・・1:2-・{・Cl’・2・・鏡(〈σ>2+〈π2>一 A .f}2) ・・呈(・・>2+〈π2>-A.fl2)2} ・(〈・>2+<π2>-Aか +・{c・+・呈(・・>2…2>-A,f}2) ・・篇(・・>2+<π2>-A・fl2)2}・・>2 (2.64) (2.65)T
ω .m;・+8{・、+3三(〈σ〉・+.。・〉-Af}2) +・9;(〈σ>2+〈π2>-A∫:)2}・・>2 m;2-・{・C・+・鏡(・・>2+<π2>一・痢 +・篇(・・>2+・・2>一・鐸)2} ×(〈σ>2+<π2>-Afi2) *2 2 m =m ω 匂ノ (2.66) (2.67) (2.68) となるが、条件式(2.56)を考慮すればm二2=0となることがわかる。ω中間子の有効質 量はσ凝縮状態の場合と同じく変化しない。 2.2.2 エネルギー π凝縮状態を仮定して、中間子場に対し平均場近似したハミルトニアン(2.7)からσ凝 縮状態と同様の定数を引いて GV HcL-s=ψ乞うア・▽ψ一9σ〈σ〉ψψ …〈・〉砺゜ψ一lmZ・・>2 +0、(<σ>2+〈π2>-A∫:)2 ・篇(・・>2+・・2>一・鐸)3 +篇(〈σ>2+〈π2>-Af12)4+B∫鍵くσ〉 一 eM・一{C酋(1-・)・烏(1-A)・} ×(1-A)2嬬+B∫: (2.69) を考える。σ凝縮状態と同様、核子は有効質量を持つ自由粒子としてフェルミガス分布を するものと考えられる。フェルミガス分布状態で期待値をとり、エネルギーを計算すると E=<F17t HCL-s 1 F> =V[<Fl万i7・▽ψ一9σ〈σ〉万ψ+9ω〈ω〉万tyOth|F> -1-Z・・>2+・・(〈σ>2+<π2>-A∫…)2 ・覧(<σ>2+<π2>-A∫3)3 ・霧(・・>2+<π2>一媛)4+鵬・・〉 一;M・一{C・+C・(1-A)+・・(1-A)・}34
手塚洋一
×(1一4)2兇十B濃] -V[・(蒜,∬F・2・・+M’2dp+llgw〈・〉・・ +0、(<σ>2+<π2>一鰺)2 ・寮(・・>2+<π2>-Af3)3 ・篇(・・>2+〈π2>一・μ)4+蠕・・〉 一;MN-{C・+0・(1-A)+C4(1-A)2} ×(1一4)2∫撒十B㍑] となる。これを εN 一そJ(ρFP2 P2+M*2dp-il;M. 一晶{・・(・・r+M・2)・E}-M・41・gPF割一;M・ ・・-C・(・・>2+〈π2>一禰+?i(・・>2+<π2>一・嬬)3 ・篇(・・>2+・π2>一・β)4+B鐸・・〉 一{0、+0,(1-A)+0、(1-A)2}(1-A)2∫撒+B∫撒 ・・一;・・〉・・ρ・一;(9ωρBmf.)2 ω σ凝縮状態とは異なる。N/γ=ρBを使って核子あたりのエネルギーに直すと E・一寿一㍍一㌃+篇+;(9ωm* w)2ρ・ となる。 (2.70) (2.71) (2.72) (2.73) と定義すれば、εNとεvはσ凝縮状態と同じ式になる。ただし、核子の有効質量M*は (2.74) 2.3 数値計算 定数はσ凝縮状態もπ凝縮状態も共通にとるから fπ=93MeV 質量として MNニ938、9MeV mπニ139.6MeV mω=781.94 MeV を使い、その結果 B-(Mπf。)2-・・2539a一染一1…96となる。1}1,T , C2、4、 oωはパラメータであり、これらから
C4-
A(i-1/lllli2A)「、(,f-k.,)、+1蒜鵬)、 (㌧ 4 B 2(U=1.’
`一 ウ刷一細6(1.A)・
と決まる。 まず、PF>139 MeV/cでは瞬2〈0となりπ凝縮状態であると予測されるので、π 凝縮状態を仮定して正規密度の1)F~27S.5 MeV/cで核子あたりのエネルギーが最小で EB=-15.75 MeVとなるようにパラメータを求める。(2.58)から 9” 〈ψψ〉=B.f# (2.75) すなわち。s.B搏 剛
.qff となり、ρs=〈ψψ〉は一定となり、核子の有効質量M*はこの式から∫)Fの関数とし て求まる。ついで、〈σ〉は M* 〈σ〉=__ (2.77) ワσ より決まる。 <σ>2+<π2> 〈π2>は条件式(2.56)から求まる..1・= -Aとおくとこの式は 万 2(:’2 .t・一ト3Ct,3.1;2十4(’4i,・3=0 (2.78) となるから、解として ・1’一一・または・・ =-3C’r3 ±iii-:32C’・2C:U (・・79) が求まる。 u(x) x u(x) X Fig.2.2:[f(.v):(1’2>0、(r,3>O Fig.2.3:σ(.lr):〔’2>0、 C3〈0 .1’に関するポテンシャルはハミルトニアン(2.54)から こノ(.?り=(c2 .r2+c1・,.・・:ハ+c4 .1・4)∫嬬36 手 塚 洋 一 =(G+G,・+G・2).・・2f# (2.80) となるが、CJ2>O、 C ’:3>0の場合には、このポテンシャルはFig.22の形をしており、ポ テンシャルの最小値を与える安定な解は 、i’= 一3(:‘:3- 9〔「ξ一32Ct.2(二㌔
8G
〈0 〔2.81) であることがわかる。 逆にC’2>O、G〈0の場合には、このポテンシャルはFlg.2.3の形をしており、安定 な解は .r--3C.t,3+9Ct,’; 一 32C,’2(’4.。 (・,82) 8ぴ となる。ただし、g仁ξ〈32陥Gの場合には.1’=0が解となる。100
EB O
(MeV) -100 一200 一300 一400 一500 一600 0100
200 300 PF(MeV/c)400
Fig.2.4:核子あたりのエネルギー パラメータを振って、エネルギーを計算してみると、C2、.4の値は核子あたりのエネル ギーを最小にするPFの位置をほとんど変化させないことがわかる。最も大きくPFの位置 を変化させるのはgωである。g.を大きくすると、核子あたりのエネルギーを最小にするPF の値は小さくなる。PF~278,5 MeV/c付近で、エネルギーを最小にしEB=-15、75 MeVとすることはできなかった。EB=-15.75 MeV程度にするようg.・を大きくするとエネ ルギーを最小にするPFは175.5 MeV/c付近となり、 C2_4を変化させてもあまり改善 されなかった。例えば、( ’.2=3.74、G=-11.S、( ’4=37.6、 A=0.Sl5、兄=35.0で μF~175.5MeV/c付近で、核子あたりのエネルギーを最小にしEB=-15.7 MeVの値 を得る。このとき.r=0である。 パラメータを正規密度のPF~278.5 MeV/c付近で、エネルギーを最小にするように決 定してみた。(Fig.2.4)パラメータを1)t。=600 MeV、伽=r) .77、 A=0.881、 C」・2=4.675 ととると他の定数はga=10.Og6、 B=2.253、 C3=-0.324、 CJ4=4.26となる。ただし このときの核子あたりのエネルギーはEB=-579.6 MeVという非常に小さな値になり、 非圧縮率も∫V=15405MeVという大きな値となる。同じパラメータを使って計算した σ凝縮状態でのエネルギーも図示してある.I」Fの小さな領域での実線のグラフがσ凝縮 状態を仮定した計算で、PF>Bg MeV/cの領域の点線がπ凝縮状態を仮定した計算結果 である.明らかにPF>139 MeV/cではπ凝縮状態を仮定した計算の方が小さなエネル ギーを与えていることがわかる。 切旨田 Φ〉田o£国 1 0.5 0
mπ/mπば
100
・lmσ/m
;1 11 ,1 )’lN/MN
‘1 ‘L 200 300 PF(MeV/c) Fig,2.5:有効質量400
エネルギーなどの数値計算の結果はA、○、’m,.などのパラメータにあまり依存しな い。n?。を大きくすると、ほんのわずかエネルギーが大きくなる傾向はあるが、結果を大 きく変えるほどのパラメータとしては働かない。斥力の効果として也を大きくすると、38 手 塚 洋 最小のエネルギーを与えるPFの値が小さくなり、斥力効果のためエネルギーの値も小さ くなる傾向はある。ただし引力部分の調節ができないため、PF=27S.5MeV/cで核子あ たり最小のエネルギーEB=-15.75 MeVとすることはできない。 rは定数となる.そのためG、Gの項を加えても&のPF依存性には変化がない。 Fig.2.5に同じパラメータで粒子の有効質量を計算した結果を表示した.グラフには真空 中での粒子の質量(実験値)との比として表されている.PFの小さい領域での計算はσ凝 縮状態での計算で、IJFの大きい領域でのグラフはπ凝縮状態での計算である。 PF~Bg MeV/cでπ中間子の有効質量が0となっていることがわかる。これより核子密度の大き な領域ではπ凝縮状態が実現されているものと予測される。π凝縮状態では核子の有効質 量もσ中間子の有効質量も急激に小さくなっていることがわかる。ω中間子の質量は変化 しない。 声\工Φ置口doΣ 1 0.5 0 一〇.5 一1 0
100
〈π>N 〈ω〉σ=〈ω>xt :〈σ〉π 200 300 PF(MeV/c) Fig.2.6:中間子場の平均場400
中間子場の平均場が万との比としてFig.2.6に図示されている.真空(核子密度o、 PF=OMeV/c)ではσ中間子の平均場は〈σ〉/方=-1から徐々に大きく(絶対値とし ては小さく)なり、π凝縮状態になると急激に0に近づく.π中間子の平均場はσ凝縮状 態では存在しないが、π凝縮状態になると急激に大きくなっていることがわかる。π中間 子の平均場に関してはvXGi-」/f.を〈π〉と表している.ω中間子の平均場はσ凝 縮状態でもπ凝縮状態でも同じく核子密度に比例して大きくなる。3 核子の質量項の導入
高次のカイラルループ項とω中間子の斥力効果を考慮したモデルでは引力の強さを大き く変えることができず、核物質に対し正規密度(PF~278.5 MeV/c)付近で核子あたり最 小のエネルギーとしてEB=-15.75 MeVと調節することはできなかった。そこでgσを パラメータとし、引力の強さを調節できるように核子の質量項を再導入する。ラグランジ アン密度を L NHCL=LHCL-Mψψ =ψημ∂μψ一Mψψ+9σψ(σ+ρ5ア・7r)ψ一9ωψγμωμψ ・;(・。σ)2+;(・。π)2一記・Fμ+1-z・。ω・ 一・・(σ2+・2-・嬬)2-9(σ2+π2一榔 一篇(σ2+π2-・嬬)4-B㍑・ (3.1) とする。Mが導入された核子の質量である。ただしこれは真空中での核子の質量M∫vと は異なる。 核子に対するDirac方程式は i・),μ∂。ψ一Mψ+9。(σ+iγ5ア・π)ψ一9ぱμω。ψ=0 となる。Klein-Gordon方程式、 Proca方程式は変化しない。 ・…σ一9・・“th-…σ(σ2+・2-・嬬)一・9・(σ2+・2-・嬬)2 -・篇・(σ2+・2-・焉)3-B躍 ・・… ・ ・・V…7th-…π(σ2+π2-・㍑)一・覧・(σ2+・2-・鐸)2 .8望。(σ2+π2-A∫…)・ ∂。Fμv=9。砕ψ一m三wu ハミルトニアン密度は 7t NHcL=究 HCL+Mψψ =ψ塚・▽ψ+ルfψψ ・;{(…)2+(V・)2}+;{(・・π)2+(▽・)2} 一;(∂・・。∂°・・+v・。・si7・・) 一・・」(・+・・’r・τ・・)ψ・・wv・’)t・・。ψ一imZ・。・・ …(σ2+・2-・嬬)2+霧(σ2+・2一鰺)3 (3.2) (3.3) (3.4) (3.5)40 手 塚 洋 一
・旨(σ2+πLA∫ギ)4+B.f;3a (・・6)
である。 この系はアイソスピン回転に対して不変であるが、微小カイラル変換に対するカレント は保存しない。軸性ベクトルカレント _ 7巧一・噛・プー・肪+aO!’π (:s・7)
の発散は ∂,, 1賃=iM万5アψ+B∫;π (3・s) となり、前章で残っていたπに比例する項だけではなく、導入された核子の質量Mに比 例した項も残る。 3.1 σ凝縮状態での平均場近似 ハミルトニアン密度(3.6)に対し、時間空間一様な平均場近似を適用すると く刃迎〉=(M-9・〈σ〉)〈ψψ〉-9・〈4助5τψ〉・〈π〉 +・。〈ψ丁μψ〉〈・、〉一;・・L2・・、〉〈・・〉 +c、(<・>2+<π>2一媚)2 +呈(・・>2+・・>2-・∫力3 +篇(・・>2+・・>2-Afl2 )4 + Bfl]・・〉 (3.9) となる。各中間子の平均場に対してハミルトニアン密度の期待値〈究wεL〉が極小とな る要請は、中間子の運動方程式を平均場近似したものと等しいから、核子の質量項はなん の変化ももたらさず ∂〈」VHC L〉=_o。〈万ψ〉 ∂〈σ〉 +4c、〈σ〉(<・>2+〈π〉㌧4霧) ・・諱E・〉(・・>2+・・>2-…L2)2 ・・ム・・〉(・・>2+・・>2-A f}2)3+B婬=o
∂;;芸〉一一・・〈働・
十4C2〈π〉(〈σ>2十〈π>2-Af}2) ・・諱E・〉(・・>2+・・>2一鰺)2 (13.10)・・量・・〉(・・>2+・・>2一好)バー・ ∂篭・≒〉-9・〈v’ifrμも㌦〉一∫~・三…〉一・ となる。σ凝縮している状態を考え 〈π〉=0 〈ωμ〉=〈ω〉δμu と仮定すれば、これらの式は 9ff・万ψ・一・{…2・・呈(・・>2-A・L2)・・号(・・>L硝2} ×〈σ〉(〈σ>2-.4∫ギ)+鵬 0。〈ψけ5アψ〉=O o。〈万uψ〉=膨〈ω〉 となる。〈σ〉、〈ω〉は第2章と同じ式から核子密度の関数として求まる. 3.1.1 有効質量 中間子場をその平均場とゆらぎに σ一→〈σ〉十σ π 一一→π ωμ一→〈W>bPie十tVlt と分解して、ラグランジアン密度(3.1)を書き換えると L、Vκ.、=万・∂,ψ一(M-9。〈・〉)万ψ一〇.〈ω〉ψTuψ ・・諏輌バψ一・・石・・,ψ・;(・、・)・+1(…ゾ
ー』μ端・・〉・・
一[・{・c・2・・霧(・・>2-Af12)・・篇(・・>2-A.fI2)2} ×〈・〉(〈σ>2-A∫∂+Bf;3] a 1 2.2 +Σ’ηωωμ 一{・c”2・・呈(・・>2-・…f}2)・・篇(・・>2-v4・・f3・)2} ×(〈σ>2 一.4.f3)(δ2+π2) 一・4{CJ2・・鏡(・・>2-・μ)+・篇(・・>2-・…fl2)2}・・>2・2 (3.ll) (3.12) (:3.⊥3) (3.14) (3.15) (:1.16) (3.17) (3.18) (3.19) (3.20)42
手塚洋一
一一 E{c・2・・呈(・・>2一聞)・・完(・・>2一剃 ×〈σ〉∂げ+π2) 一・{呈・・14(・・>2-・・1・・fh}・・〉ハ♂や・
ワ(・・>2-A.f}2)・・完(・・>2-・聞吟2ゾ ー12{呈・・芳(・・>2一捌・・>2♂(a2+・2) .16竺.。〉・∂・ ∫撒 一・{呈・・篇(・・>2-…fl2)}・・〉・(・鞠2 -32ム・・〉ハ・ハ両2)
一{舞・・;}(・・>2棚(・2+π2)ハ ー24ム・・>2・2(・2+・2)2 -・ム・・〉・商2)L鷺〔∂2+・2)1
-{c2+呈(・・>2-…f3)・篇(・・>2一刷 ・(〈σ>2-.4∫ギ)2 ・Sn・L’・・>2 一・.f#・・〉 となるので、核子の核物質中での有効質量は M常=A・f-Sl。〈σ〉 となる。中間子の有効質量は変化せず ・・’・巨2・~:2+・{・’2…呈(・・㍊∂ ・・篇(・・>2-・閉・・>2 …・二・{・Cf・+・呈(・・>2 -A,f12) ・・篇(・・>2一綱(・・>2 一…fl2) *2 2 ω : tl) =nt 」ノ ω である。 (3.21) (3.22) (3.23) (3.24) (3.25)3.1。2 定数の決定 軸性ベクトルカレントの発散(3.S)から、π中間子の崩壊に対する行列要素は 〈Ol∂。こ7賃[〔0)1ff,’S(k)〉=B∫ミ (3.26) となるから、第2章と同様
B-(竺ゾ (・・27〕
が求まる。同じく、第2章と同様の議論から真空中では 〈σ>o=一,fπ (3,2,S) となることがわかる。 真空中での核子の質量は ル1八r= λ4-9a <σ>o= 八4十∫フa.fπ (3.29) となるので、導入された定数Mは A4=MN-0σ万 (3,30) となる。ここで注意すべきは、核子の有効質量が M*=M-9。〈σ〉=八fAr-o。∫.-o。〈σ〉 (3.31) となるので、gffが核物質の性質を再現する際のパラメータとして使えるということである. C’:3、C4は c’4-;(1竺1)「1(1三。),+吉(:≒蔭 (・s・・32)Ct/3--1 Ef2.、+;(B1_A)、一言竺三鵠 剛
となるので、gn以外のパラメータとしてはtn.、 C2、 Aならびに九となる. 3.1.3 エネルギー 中間子場を平均場近似したハミルトニアン密度は ㌦α=砺・▽ψ+〔M-.q。〈・〉)ψψ+9.〈ω>4,0r°ψ 一ll’mL2・・〉暇・・〉喘)2+呈(・・>2-Af#)う・鏡(・・ぷ力4+B,f;・・〉 (・・:34)
44 手 塚 洋 となるが、これは質量M-gσ〈σ〉でエネルギーがgω〈ω〉だけシフトした自由フェ ルミ粒子のハミルトニアンである。核子密度0で全系のエネルギーが0となるように定数 項(第2章と同じになる)を引いてハミルトニアンを再定義し κ、VH。、.s-IU NH。。一;M・一{C・+C・(1-A)+・・(1-・)・}
×(1-A)2濃+B嬬 (3.35)
を改めてこの系のハミルトニアン密度とする。 フェルミガス分布を仮定して上のハミルトニアン密度の期待値を計算すると第2章と同 様に E=<FIGPt..。、.s|F> -V[・(蒜、f。PF P2・・+M’2dp+;・・〉…B ・C・(<σ>2一嬬)2+9(・・>2-Af3)3 +?i(〈σ>2-A鐸)4+B嬬・・〉 一(;MN-{C2・C3(1-A)+・・(1-A)・} ×(1-A)2嬬十B∫二] となる。ここで ・・一そ∬’ρ2P・+M・2吻一;M・ 一晶{・・(・plt+M・2)・E;-M’‘・1・・ρF;ピ}-VM・ ・S-C・(<σ>2-A∫:)2+9(・・>2-・焉)3 ・?i(<σ>2-A∫…)4+B㍑・・〉 一{C・+C,(1-A)+C、(1-A)2}(1-A)2∫:+B∫3 ・・一;・・>9…一;(9ωρBMw)2 と定義して、」V/V=ρBを使って核子あたりのエネルギーに直すと E・一…一㌃+篇+;(9ωMw)2ρB となる。式は第2章と同じであるがごgσが新たなパラメータとなっている。 (3.36) (3.37) (338) (3.39) (3.40) 3.2 π凝縮状態 前章と同様、π凝縮状態での平均場として <7r>=0 〈π2>≠0〈」∪μ〉=〈w>δμo 〈σ〉≠0 を仮定すると、ハミルトニアン密度〔3.6)は 〈HNH⊂・L〉=〈ψ1デ▽ψ〉+(M一σ・〈σ〉)〈ψψ〉 ・飢く硝,〉〈・→・~三・・>2 +c、(<σ>2+〈π5-4∫部 +篇(・・>2+〈π2>-A,L2)s ・篇(・・>2+<π2>一・…fl2)4+B,f#・・〉 となる.各平均場に対して〈IPt ,。HC。〉が極小になる要請 ∂;;晋〉一一・9・〈ψψ〉 十4C”2〈σ〉(〈σ>2十<π2>-A∫力 ・・呈・・〉(・・>2+<π2>-Af}2)2 ・・篇・・〉(・・>2+<π2>一・痢ハ +B∫業=o ∂ξ蘂・;〉一・c2(・・>2+<π2>一嬬) ・・曇(・・>2+<π2>一・嬬)2 ・・篇(・・>2+・・2ぷ:)3-・ ∂舌鷲二〉一・・〈tt”tr・㌦./1〉一〃・三〈ω〉-o は第2章と同じになり、核子の有効質量M’は oσ〈7ψ〉=B.f? からρFの関数として求まる.σ中間子の平均場〈σ〉は後に求める(3.52) 』f*=M-o。〈σ〉=MN-9。∫.-9。〈σ〉 より決まり、∬ffはパラメータである。また〈ω〉は(3.44)から 9ω 〈ω〉=πρ8 Lt と決まる。 (13.41) (3.42) 〔3.43) (3.44) (3.45) (3.46) (3.47)
46
手塚洋一
3.2.1 有効質量 中間子.場を σ一→〈σ〉十σ π_→介 π2→〈π2>+ii・2 c4μ一→〈ω〉δμu十cbit と分解して、ラグランジアン密度(3.1)を書き換えると £冊=万∫㍗‘∂、ψ一(M-o。〈σ〉)万ψ一∬」7°〈ω〉ψ 十ワσψ((テ十h5ア・元)4,-0ωψう‘μOμψ ・1(・、・)2+;(・、・)2-;んF・・ ・;・三(・・〉・。・+・,)2 -・c.’2{(〈・〉+∂)2+<π2>+it2-.4.f}2}2 一呈{(・・〉+・)2+・・2>+i・・2-Af12}3 一号{(・・〉+・)2+・・2>+・2-…fl}4 -B∫素(〈σ〉+司 一而μ∂。ψ一(M-9.〈・〉)万ψ一fiua・〈ω〉耐ψ +9。ψ(σ一← ~ργ57- ・π)ψ一∬ωψ「・寸μoμψ ・;(・、∂)2+;(・,・)2一輻・F・・+’・三・・〉。・ 一[・僻・呈(・・>2+<π2>-Afl2 ) ・・芳(・・>2+<π2>-A.f;2)2} ×〈σ〉(〈σ>2+〈π2>-A.fl2)+B.f#]∂+lm謡
一{・G・・完(・・>2+〈π2>一・・1f12) ・・篇(・・>2+・・2>一…f}2)2} ×(<σ>2+〈〆〉_4∫諏∂2+it2) 一・{C」・2・・樽(・・>2+〈π2>一・㍑) ・・霧(〈σ>2+<π2>-4鐸)2}・・>2・’ 一・{c2 +・・呈(・・>2+・・2>一・痢 (3.48) 〔3.49) 〔3.50)・・篇(・・>2+〈π2川伯・・〉・』2)
一・{呈・・完(・・>L)+〈π2>一舶}・・>s fr:3 -{c’2・・呈(・・>2+〈π2>-A.fl2) ・・篇(・・>2+・・2>一・別(∂2+・2)2 -12{呈・・篇(・・>2+〈π2>-A・fb} ×<σ>2∂2(∂2+fi・ 2) .16旦〈。〉・∂・ ∫3 -・{呈・・篇(・・>2+・・2>-Af}2)} ×〈σ〉∂(b2 + ft ’2)2 -32芳・・〉:3 tt:3(・2+・2) 一{呈・・篇(・・>2+〈π2>-Afl2)}(・鞠ハー24旨・・ぷ鞠2
-・篇・・〉・‥2)3一呈(δ2+i・・’2)4 ・SlilL’・・>2-{G・呈(・・>2+〈π2>一聯) ・篇(・・>2+・・2>一・・1.fl2)2} ×(<σ>2+<π2>一.4∫…ゾーB.f#〈σ〉 (3.5⊥) となり、第2章と異なるのは核子の有効質量だけで(この章のσ凝縮状態での結果とは同 じである) ∧・1’=A∫-o。〈σ〉=λfN-ll。 f。一.q。〈σ〉 となる。中間子の有効質量は第2章と同じで ・・t}1:2-・{(・2・・呈(・・>2+・・2> -Af}2) ・・篇(・・>2+・・2>一噺・・>2 …~算・{・〔t2・・Si(・・>2+・・2>-A ,f}2) ・・篇(・・>2+<・2>一・朋 ×(<σ>2+〈π2 〉-A∫∂=o (3.52) (3.53) (:3.54)48 s2 2 ω ’〃 =”~ but 」u’
手塚洋一
(3.55) となる。 3.2.2 エネルギー σ凝縮状態と同様の定数を引いたハミルトニアンにπ凝縮状態での平均場近似を施した 刃煤.L、=ψ1可・▽ψ+(M-o。〈σ〉)ψψ…〈・〉酬一;1〃三・・>2
+c2(〈σ>2+<π2>-4窃2 +鏡(・・>2+・・2>-A鐸)3 +色(.。〉・+.。・〉.A.42)4+鵬、。〉 ζ 了M・一{C2+C・(1- ・4)+卿一・4)2} × (1-、4)2.f:十B.f}a に対し、フェルミガス分布状態で期待値をとり、エネルギーを計算すると E = < F l 得 八rH〔_L _c l F > 一・[・(芸,∠ρF揃鞠2・・+;・・〈・〉・・ +G(〈σ>2+〈π2>-4痢2 ・鏡〔・・>2+<π2>一躍)~ ・篇(・・>2+<π2>一・㍑)4 +・Bf;3・・〉 一÷MN-{・w・(1一細・t4(1-・)・} ×(1-.4)2∫:十B∫:] となる。 t・,・一訂㌦2∫,・+M・2吻一÷脚 一、1、{・・(・pk2 +M・2)E;-M・41・9ρF剖一‡胸 t:5=c’、(<σ>2+〈π2>一 A f}2)2 ・呈(・・>2+・・2>-Af;)3 ・篇(・・>2+・・2>一綱4+B・f#・・〉 (3.56) (3.57) (35s)一{C・+C・(1-A)+C・(1-A)2}(1-A)2聯+B㍑ ・・一;・・〉・・ρ・一;(9ωρBmf)・ w と定義し、核子あたりのエネルギーに直すと
E・÷詰一㌃÷;(9ωmf ω)・ρ・
となる。 (3.59) (3.60) (3.61) 3.3 数値計算 崩壊定数を fπ=93MeV 質量を M~v=938.9MeV mπ=139.6 MeV mω=78L94 MeV とすると B-(rnπ)2-・・253 となる。gσ、 mσ、02、 A、 gωはパラメータであり、これらを使って他の定数は M=MN-9。 f。 C・ =,(C21-A)・一、(1ζ。)・+16害(二鵬)、 ・・一÷2。一;・・(1-A)・、(1三。)、 と決まる。 正規密度(PF~278.5 MeV/c)付近ではm;2<0となり、π凝縮状態であると予測 されるので、π凝縮状態を仮定してPF~278.5 MeV/cで核子あたり最小のエネルギー EB=-15.75 MeVを持つようにパラメータを求める。(2.58)から9・〈ψψ〉=B嬬 (3.62)
すなわち B嬬ρs=τ (3・63)
となるのでρs=〈ψψ〉は一定となり、核子の有効質量M*はこの式からPFの関数と して求まる。ついで、〈σ〉はg.をパラメータとして MN-M* -fT (3.64) 〈σ〉= 9σ より決まる。第2章と同様、<π2>は(3.43)から求まる。50 手 塚 洋 パラメータを振ってエネルギーを計算してみると、fJaを大きくするとσ中間子による 引力が強くなるのでエネルギーの値を小さくするが、核子あたりのエネルギーを最小にす る1)Fの値は小さくなる。孔を大きくするとω中間子による斥力が強くなるからエネル ギーの値は大きくなるが、核子あたりのエネルギーを最小にするρFは小さくなる。エネ ルギーを決めるのはほとんどこの二つのパラメータである。Aを大きくするとエネルギー の値は大きくなり、核子あたりのエネルギーを最小にする1)Fは小さくなる傾向がある。 C”2を大きくするとエネルギーの値は小さくなり、核子あたりのエネルギーを最小にする ρFも小さくなる傾向がある。ただし、σ中間子のポテンシャルF(〈σ〉)が真空中で 〈σ〉=-f.に最小値を持つように調節できる範囲でパラメータrl、 C”2を変化させても エネルギーやμFに与える効果は小さいQ ノ」F~27S.5 MeV/c付近で、核子あたりのエネルギーを最小にしEB=-15.75 MeVと するようなパラメータはllla=600 MeVの場合に佑=2.736、伽=⊥6.206、 C2=:S.467、 A=O.s4 tであった。このときの他の定数は( ’3=-5.OS、 G=25.62となる.非圧縮率 は∫V=2897.65MeVとなり、かなり改善されたが実験的に期待される∬V~300 MeVに 比べてまだ大きすぎる。 2.5 2 5 1 1 5 0 。う 浮、 сーΦ〉工o£国 0 0
MN/MN
m;/皿. 、,. ・一’レm:/mσmπ/mx・
、’、1\M,/M。
100
200 300 PF(MeV/c) Fig,3,1:粒子の有効質量400
Fig.3.1にこのパラメータを使って粒子の有効質量を計算した結果を表示した。グラフ は真空中での粒子の質量(実験値)との比として表されている。PFの小さい領域でのグラフはσ凝縮状態での計算で、1,F大きい領域でのグラフはπ凝縮状態を仮定した計算であ る。第2章より大きなPF~215 MpV/cでπ中間子の有効質量が0となっていることが わかる.これより核子密度の大きな領域ではπ凝縮状態が実現されているものとY・測され るeπ凝縮状態では核子の有効質量は急激に小さくなっているが、a中間子の有効質量は 逆に急激に大きくなっている。ω中間子の質量はもちろん変化しない。 2 1 0 R中\コΦ記 5
芸一1
一2 0 〈ω〉。=〈ω〉π1100
.・f’ qσ〉π 〈n>z 200 300 PF(MeV/c) Fig.3.2:中間子場の平均場400
巾問子場の平均場は.f.との比としてFig.:3.2に図示されている。真空(核子密度0、 μF=OMeV/c)ではσ中間子の平均場は〈σ〉〃.=-1から徐々に大きく(絶対値とし ては小さく)なり、π凝縮状態になると急激に大きくなり正の値となる。π中間子の平均 場はσ凝縮状態では存在しないが、π凝縮状態になると急激に変化し、すぐに<π2><o となる。Fig.32では<π2><0の領域では一∨⊂て=/∫.として図示してある。こ のときのパラメータセットでは <σ>2+<π2> .t・= -A =0 万 となっており 〈σ>2+<π2>=.4f3=一定 である。〈σ>2の急激な増大は〈π2>の急激な減少を導き、その結果、〈π2>〈0と52 手 塚 洋 一 なっている。前章とは異なり、〈σ〉>0も解となるのは核子の有効質量が M×=八∫へr 一 Ofi f。一 .o。〈σ〉 と定義されているので M∧・ 一.f. 〈σ〉< 9ff を満たす範囲で正の〈σ〉も許されるからである。 ω中間子の平均場はσ凝縮状態でもπ凝縮状態でも同じく核子密度に比例して大きく なる。