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小中連携を考慮した小学校外国語活動 ~中学生への意識調査を通して~ 利用統計を見る

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(1)

小中連携を考慮した小学校外国語活動 ∼中学生へ

の意識調査を通して∼

著者

伊藤 摂子

著者別名

Ito Setsuko

雑誌名

東洋大学文学部紀要. 教育学科編

42

ページ

11-22

発行年

2016

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00008624/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

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いとう せつこ 東洋大学文学部教育学科 1 .はじめに  2000年度から段階的に導入され、2002年度から 完全実施となった総合的な学習の時間の国際理解 というカテゴリーの中で導入が開始された小学校 英語学習であるが、2002年に文部科学省が掲げた 『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想 の中で、「小学校の英会話活動支援方策」が提唱 され英語学習の強化が示された。その後、中央教 育審議会外国語専門部会等での審議が行われ、 2008年の中央教育審議会答申で小学校外国語活動 の新設が提言され、2011年度より高学年の必修化 活動として小学校外国語活動が実施されている。 現行の学習指導要領の中で、「外国語を通じて、 言語や文化について体験的に理解を深め、積極的 にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成 を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親し ませながら、コミュニケーション能力の素地を養 う」と目標が掲げられ、小学校の外国語活動では、 体験的、積極的な態度の育成、音声に親しむ、と いう 3 点が大きなポイントとされている。3合わ せて外国の文化への理解ということも取り上げら れており、これらのことから小学校の外国語活動 において、研究指定校等のような研究校以外の多 くの小学校では楽しく体験的に英語に触れるよう な活動が多く実施されている。そして、文部科学 省はさらに英語教育改革を進めており、今後の小 学校における英語の教科化を目指し、小中連携が 大きな課題となっている。そこで小学校の外国語 活動において、体験的に英語に触れるような活動 を経験した児童が中学生になり、新たに教科とし て英語に向き合う際、小学校で体験したことにつ いて中学生がどのように考えているのかを調査 し、小学校外国語活動において今後どのような指 導や内容を行っていけばよいのか、中学生の意識 調査から中学生が考える今後の小学校外国語活動

小中連携を考慮した小学校外国語活動

~中学生への意識調査を通して~

伊 藤 摂 子

*  2013年に文部科学省から発表されたグローバル化に対応した英語教育改革実施計画では 「初等中等教育段階からグローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、小学校に おける英語教育の拡充強化、中・高等学校における英語教育の高度化など、小・中・高等 学校を通じた英語教育全体の抜本的充実を図る」とされている。その後小学校外国語活動 の教科化は2020年度からの全面実施が決定され、小中の連携についても研究や今後の強化 が進められている。現在はALT1やJTE2のような英語の補助指導員が付き外国語活 動をサポートしている小学校や自治体、学級担任が外国語活動を主に一人で指導し、年間 数回から十数回はALTやJTEがサポートに入り指導する学校や自治体等、支援体制に はばらつきがある。そのような中、小学校での外国語活動体験後の中学校での英語科学習 に進んだ中学校生徒たちには、小学校での学びがどのように映っているのだろうか。本研 究では小学校外国語活動を体験した児童が中学校の英語科で学び始め、その際に小学校で の外国語活動についての学びについてどのような意識を持っているのかの調査を実施し、 小中連携について、生徒の視点を踏まえながらの検討を行う。 キーワード:‌‌小学校外国語活動、小中連携、早期英語教育、児童の学び、生徒の学び、グ ローバル化、教科化

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校 3 年生以上での外国語活動必修化を発表し、小 学校 3 、4 年生では週 1 時間程度の年35時間、5 、 6 年生では教科として、週 2 時間単位の年間70時 間の外国語活動の実施が予定されている。この必 修化、教科化に向け文部科学省は英語教育強化地 域拠点事業校として、平成26年度は小・中・高等 学校合わせて102校、うち小学校52校5、平成27 年度の新規校109校、うち小学校56校6を採択し ている。これらの小学校は中学校、高等学校と連 携を取り、小・中・高等学校を通じた目標の設定 や小中・中高の学びが円滑に行われるための取組 等を課題として研究を進めている。以下表 1 に平 成27年度の報告書から全211校29地域の課題を示 す。 を検討する。 2 .グローバル化に対応した英語教育改革  文部科学省は2013年にグローバル化に対応した 英語教育改革4を発表し、「初等中等教育段階か らグローバル化に対応した教育環境づくりを進め るため、小学校における英語教育の拡充強化、中・ 高等学校における英語教育の高度化など、小・中・ 高等学校を通じた英語教育全体の抜本的充実を図 る」、また「2020年(平成32年)の東京オリンピッ ク・パラリンピックを見据え、新たな英語教育が 本格展開できるように、本計画に基づき体制整備 等を含め2014年度から逐次改革を推進する」とし て、その後の審議などを経て、2020年度から小学 表 1  平成27年度「英語教育強化地域拠点事業」事業経過報告書7 地域等・学校数 課題 北海道 高 1 、中 1 、小 2 小学校高学年における教科化に向けた指導と評価の考察及び小学校高学年、中学校、 高等学校における‌CAN-DO‌リストの形での学習到達目標を明確化し、英語による 言語活動を多く設定したカリキュラムを考察する。 岩手県 高 1 、中 2 、小 3 小・中・高等学校を通じた英語教育の抜本的充実に向け、小学校英語教育の先進的 な取組について試行し、その成果と課題を検証するとともに、小学校英語教育を踏 まえた中学校、高等学校における教育課程及び指導方法を開発する。 秋田県 高 1 、中 1 、小 1 児童生徒の英語コミュニケーション能力の育成を目的とした、小・中・高一貫した 系統的な指導方法及びそのための教育課程編成、教材及び評価方法の開発 山形県 高 2 、中 1 、小 4 郷土鶴岡の良さを世界に発信できる確かな英語力を育むために、小学校第 3 学年か ら英語教育を開始するための教育課程、教材及び指導・評価方法並びに、小中高10 年間の系統性ある指導と郷土学習の進め方について研究開発を行う。 群馬県( 3 地域) 高 1 、中 1 、小 3 高 1 、中 1 、小 2 高 1 、中 1 、小 2 「コミュニケーションツールとしての英語力と自律的な英語学習態度を育成するた め、小中高一貫した学習目標の設定及び評価、言語活動を中核に据えた指導方法、 指導体制、教育課程に関する研究開発」を行う。 埼玉県 高 1 、中 1 、小 3 小学校で英語教育が早期化・教科化された場合の英語教育の在り方の検証 【課題①】教育課程の研究開発 【課題②】指導と評価の研究及び指導体制の整備 【課題③】新たな指導用教材及び研修用資料の整備 千葉県 高 1 、中 2 、小 3 自らの意見を述べ、自国の文化や特徴を語ることのできる能力の育成を目指して、 英語教育の実施学年の早期化及び教科化に基づいた小中高等学校の系統性のある教 育課程及び評価方法の研究開発 東京都 高 1 、中 1 、小 1 小学校における低・中学年での活動型授業と高学年での教科型授業を効果的に行う ための教育課程の改善を踏まえた中学校・高等学校との円滑な接続及び英語教育の 目標・内容の高度化や、指導及び評価の改善

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神奈川県 高 1 、中 1 、小 2 小学校における英語教育の早期化・教科化に向けた指導と評価の在り方及び小・中・ 高等学校を通じた系統的な英語教育の在り方の検証 課題 1 ‌教育課程の編成 課題 2 ‌指導と評価及び指導体制 福井県 高 1 、中 3 、小 9 小中高一貫した学習到達目標に基づいた授業実践により、英語による豊かなコミュ ニケーション能力を育成する。また、評価の在り方を実践・研究し、児童・生徒の 英語力の把握と指導方法の改善を図る。 山梨県 高 1 、中 2 、小 5 小学校において、英語教育が早期に実施された場合の教育課程の在り方、及び中学 校・高等学校への円滑な移行と教育目標・内容の高度化、各学校段階を俯瞰した系 統性のある教育課程を研究開発する。 長野県 高 1 、中 2 、小 6 児童生徒の英語によるコミュニケーション能力を育成するため、小・中・高の連携 を重視したカリキュラムの作成、各学年の到達目標の明確化と評価の在り方、指導 内容や教材開発、HRTと‌ALT、 英語で英語の授業を進める指導方法、 家庭学習に 関する研究開発を行う。 岐阜県( 2 地域) 高 1 、中 1 、小 1 高 1 、中 1 、小 2 英語で伝え合うことの喜びを一層味わわせるとともに、伝える内容と使用する言語 材料に深まりと多様性をもたせる系統的な英語教育の在り方 ~明確な目標設定・教材の開発・英語使用機会の増加・fluency‌と‌accuracy‌の伸長 を図る指導と評価を通じて~ 京都府 高 1 、中 1 、小 2 児童生徒に求められる英語力と「豊かなコミュニケーション力」を有するグローバ ル人材の育成を目指した小・中・高等学校における一貫性のある指導・評価の研究 開発 兵庫県 高 1 、中 2 、小 3 グローバル化に対応した教育環境づくりを図るため、小・中・高の連携を図りながら、 英語教育の系統性のある教育課程の編成及び評価の在り方について実践研究を行 う。また、小学校教員を含め、英語科教職員の指導力の向上を図る。 奈良県 高 2 、中 3 、小 4 小・中・高等学校の各段階を通じて英語教育を充実させることにより、児童・生徒 の英語力を向上させ、グローバル化に対応できるコミュニケーション能力を育成す る。 小学校第 1 学年から外国語活動型で英語教育を実施し、第 5 、 6 学年では教科型に よる英語教育を週あたり 2 コマ実施する場合の教育課程、指導法、教材、評価方法 等の研究開発を行う。 小学校での英語教育の教科化による教育内容の高度化に伴う中・高等学校における 系統性のある教育課程の設定や、内容の高度化や着実な定着を実現するための指導 法の研究開発を行う。 鳥取県 高 1 、中 1 、小 1 小学校英語教育の教科化と中学校・高等学校の内容の高度化に伴い、 4 技能を統合 的に活用できるコミュニケーション能力を系統的に育成していく観点から、教育課 程、指導方法、評価方法等の改善について研究開発する。 島根県 高 1 、中 1 、小 2 ○複式学級における外国語活動及び英語科の教育課程、指導方法、評価方法並びに 教員研修の在り方。 ○小学校英語科と円滑に接続し、小規模学級の特色を生かして着実な定着を図る中・ 高等学校の教育課程等の在り方。 広島県 高 1 、中 1 、小 2 小・中・高等学校の各段階に応じて付けるべき英語運用能力を「CAN-DO‌リスト」 の形で明確にするとともに、教育課程、指導内容や指導方法、教材及び評価につい て研究を行う。また、実践検証を行い、新しい英語教育のモデルを示すことを目指す。

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きに配慮した言語活動を行わせること。…(以下 略)」と記されており、小学校での外国語活動が 中学校の外国語(英語)の学びの素地となり、学 習が継続していくことを示している。しかしなが ら、小学校外国語活動では一定の素地が育成され、 その素地が中学校英語学習へとつながっていくと 中学校学習指導要領に明記されているにもかかわ らず、またこの学習指導要領は2009年度からの移 行期間に始まり2011年度から全面実施されている が、小中連携という英語の学びにおいては課題が 多いことが問題となっている。上記の平成27年度 「英語教育強化地域拠点事業」事業経過報告書に あるように、2015年の時点でも多くの拠点事業採 ‌ 表 1 にあるように、多くの研究地域では小学校 から中学校、高等学校までの系統的な指導、一貫 した指導目標、小中の接続を課題として掲げてお り、小学校外国語活動で体験的に触れた英語をど のように中学校への学習へと接続していくのか、 ということが重要な課題となっていることがわか る。また中学校学習指導要領8、第 2 章第 9 節、 外国語の第 2 の 2 内容( 2 )言語活動の取り扱い のイの(ア)においても中学校第 1 学年における 言語活動の中で、「小学校における外国語活動を 通じて音声面を中心としたコミュニケーションに 対する積極的な態度などの一定の素地が育成され ることを踏まえ身近な言語の使用場面や言語の働 山口県 高 1 、中 1 、小 1 「グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言」に基づき、小・中・高等学 校を通じて、英語を用いたコミュニケーション能力を連続的・発展的に育成するた めの英語教育の在り方 徳島県 高 1 、中 1 、小 3 豊かなコミュニケーション能力を育むため、小中高で連携のとれた教育環境を整え、 高校までを見通した教育課程や指導方法、評価方法の研究開発を行う。 高知県 高 1 、中 1 、小 2 国際化時代に必要なコミュニケーション能力を育成するため、小学校第 1 学年で外 国語活動を、第 3 学年から教科としての「英語科」を新設した場合の教育課程、指 導及び評価方法並びに中学校・高等学校の教育課程との円滑な接続の在り方につい ての研究開発 福岡県 高 2 、中 1 、小 5 小学校における英語教育の早期化・教科化及び中・高等学校における教育目標・内 容の高度化を図る小・中・高等学校の一貫した教育課程の編成及び指導・評価方法 等の工夫改善に関する実践研究 熊本県 高 1 、中 1 、小 3 児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成を目指し、小中学校における 音声と文字の計画的・系統的な指導、小中高一貫した‌CAN-DO‌リストの形での学 習到達目標設定、指導・評価の在り方、及び英語教育における効果的なICTの活 用の研究を通して、小中高の接続を重視した英語教育の研究開発に取り組む。 鹿児島県 高 1 、中 1 、小 3 コミュニケーション能力の高い英語好きな児童・生徒の育成をめざし、小・中・高 の連携を図った教育課程の編成及び、教材開発を通した系統的な指導法について実 践研究を行う。また、英語教育にかかわる教職員の指導力向上を図る。 熊本市 高 1 、中 1 、小 3 小・中・高を通じた新たな英語教育に向けて、生涯にわたり 4 技能を積極的に使え るようになる英語力育成を目指し、小中高一貫した‌CAN-DO‌リストの目標設定に よる評価と授業創りを柱とし、英語教育の研究開発に取り組む。 光華女子学園 高 1 、中 1 、小 1 「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に基づき、自国の文化の理解・発 信能力の育成とグローバル化社会に対応できるコミュニケーション能力を備えた人 材(児童生徒)育成のための英語教育の構築を図る。 宮城教育大学 高 2 、中 1 、小 1 小・中・高等学校の一貫した英語教育目標を見通した継続的・系統的教育課程の研 究開発とグローバル人材に求められる英語によるコミュニケーション能力の育成 京都教育大学 高 1 、中 1 、小 1 グローバル化に対応し、小学校から高等学校まで系統的な英語カリキュラムを開発 し、海外に通用する英語表現力並びに英語コミュニケーション能力を育成する。

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 ⑤ ‌‌質問項目:‌設問数16、表記上は 1 ~14( 1 項目で設問を 2 つふくむものがあるため)  調査に協力をしていただいた中学校の学校区に は 3 つの公立小学校があり、A中学校に在籍する 中学生の多くはこの 3 つの小学校から進学してい る。これら 3 つの小学校については、外国語活動 において特区や研究推進校、英語教育強化地域拠 点事業校等のような研究を行っている小学校では ないため、特別な予算や時間が振り分けられた小 学校ではなく、2010年度から当時の小学校 5 、 6 年生に対し年間35時間の外国語活動が始まってい る。今回の調査対象である中学 2 年生は彼らが小 学校 5 年生の時から年間35時間の外国語活動の時 間が始まった。中学 3 年生については彼らが小学 校 6 年生の時点で年間35時間の外国語活動が始ま り、小学校 5 年生の時は年間30時間、それ以前に ついては同じ自治体の同じ中学校区の公立小学校 であっても、指導時間数にはばらつきがある。そ のため各小学校における外国語活動は時間数だけ ではなくその指導内容についても、自治体内での 共有事項、共有内容は無いため、各学校での指導 内容、指導方法等は異なる。このような指導状況 において小学校外国語活動を体験した中学生に対 し、彼らが小学校の時の外国語活動をどのように 感じていたか、また、中学校で教科として英語を 学習している中、小学校の外国語活動を振り返っ てみた時どのように中学生は考えているのかにつ いてアンケート調査を実施した。アンケート用紙 における質問項目( 1 ~14)において、 4 ~12に ついては、「はい」、「ややそう思う」、「あまりそ う思わない」、「いいえ」、「覚えていない」の 5 つ の選択肢から選ぶ形にし、12-2~14については自 由記述形式にした。この調査項目については中学 校教員と協議をした上で設問をし、またその際中 学校生徒が当時の事を覚えているかどうかという ことも課題の 1 つに上がったため、当時の内容を 思い出しやすいようにするため質問項目を明確に するような形での設問をおこない、使用した文章 も生徒がわかりやすいように中学校教員の協力の もと作成して実施した。質問項目 1 ~ 3 について は、男女の性別、出身校、小学校時の学校外英語 活動の有無の記入である。 択校で小・中・高等学校の連携、小・中・高等学 校の教育の一貫性、系統的な英語教育の在り方等 が挙がっていることから、現行の学習指導要領下 では、小学校から中学校へ、さらに高等学校へと 素地を育成しながら上位校へと繋がっていくよう な指導は、指導者育成、指導体制の整備、研修の 充実等においてもまだ成熟しているとは言い難 く、2020年度からの小学校外国語活動教科化に向 け、さらなる指導体制の充実を図ることが急務と なっている。 3 .調査方法  これまでの小学校外国語活動の実施状況を振り 返り、小中連携は大きな課題であることを示して きた。この外国語活動においては、小学校の児童 が楽しく学ぶ、体験的に学ぶ、ということが指導 の根幹にあり、それがコミュニケーションの素地 となるようにすることが本来の指導である。しか し小学校外国語活動では、児童が楽しく触れるこ とに重点が置かれ、その根底にある言語学習につ いては育っているのか、素地が育成されているの かを重要視してこなかった。ジェスチャーや積極 性等はコミュニケーションの素地を育てる際には 一つの大切な要素ではあるが、小学校外国語活動 では外国語を通じてと記されており、決してジェ スチャー単体、積極性のみを育てることを目的と しているわけではない。そして、この小学校での 体験が本当にその後の学習の素地となっているの か、中学校へと進学し、そこで英語科の教科とし て学習をしている当事者の生徒たちは、これまで の学びが意味のないものと感じていたり、まった く不要と考えてしまったりするようなことがあっ た場合、小学校の外国語活動は本当に実施する必 要があるのか、という疑念がわく。そこで、小学 校で外国語活動を経験した中学生を対象に、小学 校外国語活動についての調査を行い、実際にどの ように思っているのか、彼らが小学校外国語活動 で望む内容を、アンケート用紙を用いて調査を行 い、小中連携について生徒の視点を踏まえながら の検討を行う。  ① 調査時期:  2013年 5 月  ② 調査対象学校:都内公立中学校A校( 1 校)  ③ 調査対象学年:中学 2 年生、中学 3 年生  ④ 調査人数:  中学 2 年生 132人       中学 3 年生 130人

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されていたが、中学 2 年生は彼らが小学校 5 年生 時から年間35時間の外国語活動が実施されていた 点である。  ① B小学校  『Hi,‌friends!』を文部科学省の指導案に表記さ れている時間数と指導内容で実施していた。単元 で扱われている語彙、文法等も取り上げて指導を 実施。  ② C小学校  『Hi,‌friends!』はカスタマイズをして使用し、 扱わない単元もある。文法、語彙を絞り込み、そ れらについては明示的な指導を実施。  ③ D小学校  『Hi,‌friends!』は使用を重視せず、歌(nursery‌ rhyme)や挨拶、会話のやり取りなどを中心に指 導を行う。教材は指導担当者が市販の英会話テキ ストからなどのプリント等を用意し、明示的な指 導は行わず、音を多く聞かせる指導を実施。  ④ ‌‌そのほか(他地域からの引っ越し等)指導 内容は不明  上記のB、C、Dの各小学校は外国語活動の時 間は全てJTEが指導に関わっており、学級担任と 外国語活動を行うTeam‌Teachingの形式がとら 4 .調査結果  調査対象校は複数の公立小学校から生徒が進学 してくるため、出身校別にデータをまとめた。こ れは各出身小学校では、外国語活動の指導時間、 指導内容が異なっていることが明確であったた め、全体のデータ、出身校のデータと比較できる ようにするためである。このA中学校区には 3 つ の小学校があり、それぞれB小学校、C小学校、 D小学校とした。これら 3 つの小学校の指導内容 は、指導担当者に簡潔な形ではあったがその指導 内容の確認を行っている。 4 - 1 .小学校別指導内容  それぞれの小学校の指導内容については以下に 小学校ごとの内容を記す。調査対象の中学 2 年生、 3 年生が小学校高学年であったころの外国語活動 支援員であるJTE9は各々が継続して同じ小学校 に配置され、また指導内容は同じ小学校では基本 的には同じ内容のものを翌年もまた使用していた ため、中学 2 年生、中学 3 年生で大きな指導内容 の差異や変化、支援員であるJTEの変更はなく、 違いとして挙げるべきことは、中学 3 年生は彼ら が小学校 5 年生の時に30時間の外国語活動が実施 表 2  選択式回答の質問項目 1 - 3 性別、出身小学校、小学校外英語学習の有無 4 英語の文字(アルファベット)を読むことについて助けになりましたか? 5 アルファベットを書くのは楽でしたか? 6 英単語を書く、綴りを覚える際に小学校での英語活動は役に立ちましたか? 7 英文を書く際に小学校での英語活動は役に立ちましたか? 8 小学校英語活動は、文法の理解のヒントになりましたか? 9 英語の単語の音を理解するのに助けになりましたか? 10 英文、英会話を聞いて、理解するための助けになりましたか? 11 中学校英会話、英語のやり取りにスムーズに取り組めるきっかけになりましたか? 11- 2 小学校英語は中学校英語に興味を持ったり、楽しくなるきっかけになりましたか? 12 小学校英語は中学校での英語学習に役に立ちましたか? 表 3  記述式回答の質問項目 12- 2 どのような点で役に立ちましたが? 役に立たない場合は、覚えている範囲でその理由を記入してください。 13 中学生の英語を勉強してみて、小学校英語ではどんなことをするとよいと思いますか? 14 その他、小学校英語活動を振り返ってみて何か意見や感想等があれば、ぜひ記入してください。

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4 - 2 .選択肢回答調査  設問 4 から12までの選択肢を選ぶ回答の中で、 「はい」、「ややそう思う」、「あまりそう思わない」、 「いいえ」、「覚えていない」の 5 つの選択肢の中 から、「はい」と「ややそう思う」の回答を選択 した生徒の割合について、出身小学校ごとに表 5 のようにまとめた。  この表を見ると、設問④から⑫のうち、中学 2 年生、 3 年生両方で半数以上が肯定的な回答を選 択した設問は、設問④「英語の文字(アルファベッ ト)を読むことについて助けになりましたか」、 設問⑤「アルファベットを書くのは楽でした か?」、設問⑨「英語の単語の音を理解するのに 助けになりましたか?」の 3 問であったことがわ かる。設問④では中学 2 年生は76.5%、中学 3 年 生では68.5%の生徒が肯定的な回答を選択した。 同様に設問⑤で中学 2 年生は75.6%、中学 3 年生 では73.8%、設問⑨は中学 2 年生が70.8%、中学 3 年生では58.9%が肯定的な回答を選択した。こ のことから各小学校の間で指導内容のばらつきが あったとしても、現行の学習指導要領で行われて いる指導では、アルファベットを読むこと、書く こと、そして単語の音の理解の分野では小学校の 外国語活動が中学校生徒にとっては助けになって いると感じていることがわかる。しかしその中で も各小学校のデータを見ていくと、生徒が感じた 「助けになっている」という気持ちにばらつきが あるのも事実であり、生徒それぞれの学習の得手 不得手ももちろんだが、指導している内容や指導 者の指導力が大きくかかわっていることが考えら れる。また全体的に中学校 3 年生よりの中学校 2 年生の方が小学校での外国語活動が中学校での英 語科学習での学びの助けになっていると感じてい ることもうかがえる。これは中学 2 年生はこの外 国語活動は約 1 年と 2 か月前の体験であったが、 中学 3 年生は小学校外国語活動の体験から 2 年以 上過ぎてしまっており活動後の期間が開いている こと、また中学校 3 年生は受験の年であり、効率 よく知識を増やすための学習へと向かう時期とい うことが考えられ、生徒の中にある意識の差がこ のような差異として現れたという可能性があり、 この点については調査協力者である中学校教員の 意見も同様の見解を示していた。‌  また設問⑫「小学校英語は中学校での英語学習 に役に立ちましたか?」に対し、出身学校間で差 れていた。しかし主たる指導者には違いがあり、 B小学校とD小学校では、T 1 (主たる指導者) はJTEであり学級担任は支援にまわっている。C 小学校ではT 1 は学級担任が担当しており、JTE は担任の指示のもと、主に音声を担当する支援を 行っている。その他の小学校出身者は引っ越し等 他地域からの進学であり、中学 2 年生と 3 年生で は彼らの小学校時代の指導内容・指導方法も統一 されていない。 表 4  出身校別生徒人数 中学 2 年 (132名) 中学 3 年 (130名) ①B小学校 77名 83名 ②C小学校 37名 36名 ③D小学校 7 名 7 名 ④その他 11名 4 名  各小学校出身の人数については、B小学校が一 番多く、約半数の生徒がB小学校からの進学であ る。C小学校から進学した生徒は全体の約28%、 D小学校からの進学は約 5 %となっている。表 4 に詳細な人数を示す。  また、外国語活動のこれまでの指導時間を見て みると、 3 つの小学校で指導時間に幅があること が分かった。  2008年度以前   小学校 1 ~ 6 年、年間 1 ~ 8 時間   (各小学校で異なる)  2009年度   小学校 5 、 6 年、年間30時間   小学校 1 ~ 4 年、年間 1 ~ 8 時間   (各小学校で異なる)  2010年度から   小学校 5 、 6 年、年間35時間   小学校 1 ~ 4 年、年間 1 ~ 8 時間   (各小学校で異なる)  このように、2009年度から高学年では指導時間 に小学校間の差はないが、低中学年である 1 年生 から 4 年生では外国語活動は実施はされているも のの、小学校ごとにそれぞれ指導時間が異なって いることがわかった。

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4 - 3 .自由記述回答調査  自由記述回答は設問⑫- 2 、⑬、⑭である。こ の中で、設問⑫- 2 の役に立った点、役に立たな い点、また設問⑬の小学校外国語活動ではどのよ うなことをするとよいと思うのかの 2 つの設問に ついて、表 6 、表 7 にまとめた。表中にある回答 は、同じような内容は重複して載せずにひとつに とどめ、多種のコメントを記載するようにした。 また表中のコメントは生徒からの回答をそのまま 記載したものとなっている。これらの項目の回答 内容を通して、中学校生徒が考える外国語活動と はどのようなものなのかを検討する。  まず表 6 に示した設問⑫- 2 についての回答で あるが、選択肢の設問でも高い肯定感があったよ うに、アルファベットの学び、単語やつづり、音、 挨拶等を役に立った点として挙げている。それに 対し、役に立っていないとされる回答として、小 学校と中学校での学びの違いがあると感じている コメントが見られる。特に「一からやり直す」、 と記述している生徒の回答から、外国語活動で積 極性やコミュニケーション以外の言語の学びを感 じていたのか、という疑問がわく。また「何だか わからない」という回答から、小学校外国語活動 の際、児童が内容を理解しないままに授業が進ん でいた可能性があることもうかがえる。実際に研 究発表等での授業参観をすると、児童のためでは なく、発表のためのショーのような授業を目にす ることがあり、児童がしっかりと声を出している のか、楽しそうに活動に参加しているのか、積極 的に参加しているのか、という点が大きく取り上 があり、特にB・C校とD校との差が大きい結果 となった。その理由として、設問⑥、⑦、⑧、の 「単語」、「英文」、「文法」に関してのD校との差 が大きく、その中でも特に「英文」に関してはD 校出身の生徒は肯定的な回答を選択した生徒が 0 名であり、この 3 つの項目に対する差が影響して いると推測される。D校は単語や文法に対して明 示的な指導はせず、音声をたくさん聞かせ、児童 が自ら気づくことを主とした指導を行っていたこ とに対し、B、C校は単語や文法に関しては説明 を日本語で行うなど、これらの 3 つの項目に対し ては明示的に指導を実施していたという、指導方 法の差も理由の一つとして考えられる。しかしD 校は調査対象人数が少数であったため、人数の差 による偶然の結果という可能性もあるが、設問⑨ の「単語音」に関してはD校出身の生徒は肯定的 な回答が多く、これは音をたくさん聞かせた、と いう指導内容の影響と考えることができ、このこ とからも指導内容が生徒の学びや意識に影響して いることが考えられる。  小学校の外国語活動で素地を育成し、中学校で の学びに結び付けるには、ただ音声をたくさん聞 かせるだけではなく、文法等については明示的な 指導も必要となる可能性があることがこの調査結 果から見て取れる。今後の外国語活動の指導法に ついては、音声をたくさん入れていくことも大切 ではあるが、児童が明示的に説明を受ける指導と、 音声をたくさん入れて慣れる指導のバランスを考 えていくことも今後の検討課題であると考える。 表 5 中学 2 、 3 年生の「はい」、「ややそう思う」の回答調査結果 質問項目 学 校・ 人 数 4 助け 5 楽 6 単語 7 英文 8 文法 9 単語音 10 英会話 11 きっかけ 11- 2 興味 12 役立ち B校 中 2 72.7% 75.0% 32.9% 28.0% 34.7% 66.7% 48.1% 44.2% 44.2% 55.3% 中 3 60.2% 77.1% 27.7% 20.7% 18.1% 51.2% 38.6% 37.3% 33.7% 28.9% C校 中 2 89.2% 78.4% 48.6% 47.2% 40.5% 94.6% 45.9% 45.9% 62.2% 62.2% 中 3 83.3% 66.7% 35.3% 22.2% 16.7% 72.2% 42.9% 44.4% 25.0% 38.9% D校 中 2 57.1% 71.4% 14.3% 0.0% 28.6% 85.7% 28.6% 28.6% 28.6% 28.6% 中 3 71.4% 71.4% 28.6% 0.0% 14.3% 57.1% 14.3% 0.0% 14.3% 14.3% 全体 中 2 76.5% 75.6% 35.9% 31.3% 33.8% 70.8% 43.9% 42.4% 46.2% 53.4% 中 3 68.5% 73.8% 31.3% 20.9% 17.7% 58.9% 40.3% 38.5% 30.8% 31.5%

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ると思われる。  次に設問⑬、「中学生の英語の勉強をしてみて、 小学校英語ではどんなことをするとよいと思いま すか」に対し、「英文法」、「英単語」、「単語の綴り」、 「ノリだけではない授業」等の意見が出された。 以下表 7 にそれらの回答を記載する。これらの回 答は中学校 2 年生、 3 年生の視点であり、彼らが 小学生の時に、今回の回答コメントにあったよう な「英単語を書く」、「英文を書く」、「文法をやる (学ぶ)」というような内容の授業を実際に実施し た場合に、そのような授業を受けたいと思うのか、 げられすぎて、児童が内容を理解しているかとい う点は重要視されていない授業もある。その他、 この設問においても学校間での回答内容、特に役 に立たなかった点において記述される内容が異 なっており、ここからも小学校での指導内容の差 が見て取れる。中学校英語科の授業を考えると、 指導内容をある程度統一するということが必要に なってくると考えられることから、今後の小学校 外国語活動の教科化に向け、現在存在する多種多 様の指導内容からどのような指導内容等が小学生 の児童に適しているかを慎重に検討する必要があ 表 6  設問⑫- 2 「どのような点で役に立ちましたが?(役に立たない場合も記入)」 役立った点 役に立たなかった点 B校 中 2 ・‌‌アルファベットを学ぶ上ではとても助け になった ・あいさつを覚えることができた ・単語の音を理解するのに役立った ・‌‌英単語とかは小学校でやったところが出 てきたときに役に立った ・‌‌中学校で違う方法で一からやり直してい たから ・テストがなかったから忘れてしまう ・‌‌先生に質問されたり英語でしゃべってた りしていても何が何だがわからなかった 中 3 ・アルファベットを読む ・だいたいの発音のしかた ・‌‌ただ先生が言ったことを適当に発音した だけだったから ・理解する前に次にいってしまった ・ノリで授業が終わってしまったから ・‌‌英文の意味は教えないで進んでいたので、 あまり役に立たなかったと思う C校 中 2 ・‌‌小学校で学んだことが、中学校では、き そになっているので、小学校のときに分 かりやすい英語の授業でよかったと思い ました ・‌‌人の会話をするゲームでは「聞いたこと がある」など思い出したりできた ・単語の発音や、文法の理解に ・英文を書いた記憶がそんなにありません 中 3 ・綴り覚えるのにやくにたった ・発音をする時など、単語を覚える時 ・文法などをやるとき ・‌‌小学校と中学校でやっていることが違う から ・あまり書くことをしなかった ・‌‌ただ発音をして遊ぶだけなので、書くこ とや、文法を勉強することには役に立た なかった D校 中 2 ・あいさつなどは役に立った ・‌‌よくわからない外国の歌をきいて、おわり、 だった 中 3 ・‌‌発音の練習を授業にいっぱいとり入れて いたから。英語で話すのに役立った ・‌‌小学校の時の英語は色々な文をただ言っ ていただけだから

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生の発達段階にあった形で、それらの導入も検討 の余地があると思われる。  また、設問⑭「その他、小学校英語活動を振り 返ってみて何か意見や感想等があれば、ぜひ記入 してください」では、「ゲームがあって楽しかった」 というような「楽しかった」という回答が多くあっ た一方で、「何をしていたのか全く分からなかっ 発達段階を考えるとそのような指導内容でよいの か、という問題はある。しかし中学校で英語を学 んでいる生徒はこれらに関して小学校で導入した 方が良いと感じており、現在の中学校の学習を考 えるとそれらは中学校入学前から早めに導入して ほしいと感じていることでもあると考えられ、指 導方法、指導内容の深度は検討が必要だが、小学 表 7  設問⑬「中学生の英語を勉強してみて、小学校英語ではどんなことをするとよいと思いますか?」 B校 中 2 ・英単語を書くといいと思う ・もうすこし英文を書く練習をした方がいいと思う ・アルファベットのかく練習をたくさんし、基本的な文法をやった方がいいと思う ・もっと小学校の時から役立つ英語やった方がいい ・もっと中学校でやるやつをやってほしかった。そしたら、今はらくなのになー ・‌‌単語をたくさん知っておくと良いと思う。英語を耳で聞いたりしておくと、授業でならっ たとき、「聞いたことある」ってなる 中 3 ・単語を覚える ・英文を書かせた方がいいと思う ・会話だけでなく、書く方もやった方がいい ・英語や文法をもっとくわしくやったほうが良い ・読み書き!一船動詞ははやった方がいいと思う! ・もう少し 1 人 1 人が理解し、ノリだけで終わらせない ・英単語を書く勉強。聞く話すも重要だけれど、中学に入ってそれだけだと困る ・‌‌英会話をたくさんされましたが、実際まったく頭に入りません。プリントや、ワークの 問題を解く方が役立ちます C校 中 2 ・もっと英文や英単語をかいて中学生につなげた方がいいと思います ・中学に入ると文法が難しくなるから、文法を少しやっておいた方がいいと思う ・今までのでよいと思う ・英語の綴りを練習させるといいと思う ・‌‌英文を見たり読んだり、文法を理解し自分で使えるようになる授業を行ったらよいと思 います 中 3 ・文法や基本的な単語の勉強をしたほうがいい ・書くこと、文法 ・発音 ・もっとたくさん単語を勉強した方がいいと思う ・中学校での文法の理解につながることをすると良いと思いました ・そのままで良いと思う ・‌‌1 ,2 年⇒アルファベット、単語を読むことができる。3 ,4 年⇒単語を書くことができる。 小問題が解ける。 5 ,6 年⇒文法ができる。長文問題も解ける D校 中 2 ・もう少し、外国人の先生の授業を取り入れた方がいいと思います ・‌‌文は主語+動詞だよー。とおしえる。つまり、英文の形をおしえて、ちょっとした名詞 をおしえる! 中 3 ・ちゃんと発音を言えるようにして、基本的な会話ができるようになったほうがいい ・単語を覚える学習を取り入れる

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た」、「英語を習っていない人は理解しづらい」、「発 音ばかりでどういう意味か分からなかった」とい う回答があった。学習が得意な児童や小学校外で 英語を学習している児童はこの外国語活動を楽し く体験でき、学習が苦手な児童や小学校外での英 語学習が無い児童は、音声中心の英語は難しい、 わからない、と感じていることも考えられ、音声 は児童の負担が少なく、読み書きは児童の負担が 大きい、と一方的に考えることも危険である。特 に外国語活動の中で扱われる英単語や英文が意味 も分からないまま音を中心に押し付けられてい て、そのことに対し不安を感じる児童も居り、音 声を大切にしながらもどのような指導が児童へ内 容の理解を促せるのか、ということは今後の大き な検討課題である。‌ 5 .考察とまとめ  本研究では選択肢設問、自由記述設問の回答か ら中学校生徒が小学校外国語活動に対してどのよ うに感じているかについてまとめてきた。これま での調査結果から外国語活動はアルファベット等 の文字や、音の理解の助けるになると考える生徒 が多い一方で、英単語や英文、英文法については それほど助けになっていないと回答している生徒 が多いことがわかった。また指導内容の異なる学 校間で、設問によっては肯定的な回答の割合が大 きく異なっていることから、外国語活動の時間に 英語に触れることで言語に親しむことができる面 と、それだけではなく指導内容によって差異が出 てしまう面の検討、つまり楽しみながら参加して いる活動であっても指導内容によって児童が得る 知識や積み上げていける技能面について差異が出 ることからそれらの内容についても検討が必要で あることが示された。  現在文部科学省から配布されている副読本”Hi,‌ friends!”は 5 年生用、 6 年生用のテキストどちら も 1 単元 2 ~ 5 時間程度の指導時間が標準とされ ており、 5 年生用が 9 単元、 6 年生用が 8 単元か らの構成となっている。各単元の中心となる英文 は、 Hi,‌friends! 1  L1.‌Hello.  L2.‌I’m‌happy.  L3.‌How‌many?  L4.‌I‌like‌apples.  L5.‌What‌do‌you‌like?  L6.‌What‌do‌you‌want?  L7.‌What’s‌this?  L8.‌I‌study‌Japanese.  L9.‌What‌would‌you‌like? Hi,‌friends! 2  L1.‌Do‌you‌have‌“a”?  L2.‌When‌is‌your‌birthday?  L3.‌I‌can‌swim.  L4.‌Turn‌right.  L5.‌Let’s‌go‌to‌Italy.  L6.‌What‌time‌do‌you‌get‌up?  L7.‌We‌are‌good‌friends.  L8.‌What‌do‌you‌want‌to‌be? となっており、文部科学省が示している指導案で はこれらの単元をそれぞれ 2 ~ 5 時間程度でこな し、次の単元に進めている。扱っている英文は、 前後で連携が取れそうなものもあるが、まったく の新出英文も混ざっており、児童の学びを考えた 場合、順番を入れ替える、一部の内容のみを扱う 等のカスタマイズも児童の実態に合わせて調整す るように文部科学省から指示をされている。この ように副読本の指導内容の検討をせず、そのまま 外国語活動で用いてしまった場合と、児童の実態 や学びを検討したうえで、単元の並び替え、単元 の削除、単元の指導時間数の変更等を実施し、指 導内容の精査と絞り込みを行って活動を実施した 場合は児童の、体験的に触れるだけではない、英 語という言語の学びについても差異が出ると思わ れる。本研究の調査においても、この副読本をそ のまま使用していたB小学校と、カスタマイズし て使用していたC小学校では、英文や単語音での 肯定的な回答に差が見え、特に設問⑫の「小学校 英語は中学校での英語学習に役に立ちました か?」という設問の回答に差が出ていることから、 4 時間前後で単元を進めるアラカルトのような指 導内容ではなく、前後のつながりや、単元によっ てはもっと長い指導時間を取り、児童の学習ペー スに合わせた指導内容にすることが重要であり、 今後それらをどのようなものにしていくと良いの かの検討が必要である。このように、指導者が英 語をたくさん使っているからよい、英語に触れさ せていればよい、ということだけではなく、どの

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英文や単語、単元をどの程度、どのくらいの時間 扱うと、児童は内容を理解して活動を楽しみ実践 することができるのか、という学習意欲や興味、 積極性を育てるだけではなく、言語学習の面から も外国語活動の指導内容を検討していく必要があ る。  また設問⑪- 2 「小学校英語は中学校英語に興 味を持ったり、楽しくなるきっかけになりました か?」での全体の肯定的な回答は中学 2 年生で 46.2%、中学 3 年生で30.8%しかおらず、学校別 でみても肯定的な回答が50%を超えたのは、C校 の中学 2 年生が62.2%とわずか 1 校 1 学年のみで あった。このことから、中学校に進む前の段階で すでに英語への興味関心がそれほど強くはないこ とが考えられ、小学校の外国語活動の現在の評価 規準の中に、興味・意欲・態度・関心が含まれる ということから考えると、学習者が興味を持てな いような内容になっていることも考えられる。中 学校の英語学習は、興味はないが、それ以外での 英語学習には興味があるということも一つの可能 性として考えられるが、小学校外国語活動は中学 校英語科での学習の素地になっていくべきものだ とすると、やはり中学校の英語に興味が繋がって いかない指導内容は再検討をし、英語で遊ぶ楽し さだけではなく、英語学習の楽しさも検討するこ とが今後の中学校以降の英語学習継続へ、そして グローバル人材を育てるための英語学習の支えの ために必要なことである。小学校外国語活動の今 後の教科化に向け指導内容をどのようにとらえ、 また知識や技能をどのように取り扱っていくのか を慎重に検討することが今後の課題である。 6 .おわりに  既に2020年度からの小学校 5 、 6 年生へ週 2 時 間単位の外国語活動の教科化が決定し、教科書に ついてもその検討が始まっていると思われる。英 語学習のスタートとなる小学校の外国語活動で は、学びの当事者である児童が中学校へ進学した 際に小学校での学びが中学での学習につながるよ うに、指導方法、指導内容の検討と、授業を進め る小学校教員や小学校での英語指導員の研修や指 導についても今後の検討が必要である。 注・引用文献 1‌Assistant‌Language‌Teacher‌(外国語指導助手)小学校の現 場ではALTは日本人も含めて外国語活動を支援する指導員と してまとめられていることもあるが、専門的にはALTは日本 人以外の外国語指導助手としている。 2‌Japanese‌Teacher‌of‌English‌(日本人英語教師)中学校にお けるJTEは中学校教員免許を持ち、指導を行っている教員を 含むことがあるが、小学校におけるJTEの定義は教員免許の 有無は問わず、児童の英語指導を行う、支援する指導員のこ とを指す。ALTと学級担任の間のサポートをする日本人支援 員をJTEと呼ぶこともある。 3 ‌文部科学省.‌(2008).‌ 小学校学習指導要領 第 4 章外国語活動.‌ 東洋館出版社.‌P.34 4 ‌文部科学省 グローバル化に対応した英語教育改革実施計画  http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__ icsFiles/afieldfile/2014/01/31/1343704_01.pdf 5 ‌平成26年度英語教育強化地域拠点事業地域拠点一覧では全国 9 ブロック18件(道 1 件、県14件、市 1 件、中高大一貫校 1 件、 大学付属連携 1 件)、小中校含めて102校の採択があり、小学 校はその中の52校である。 ‌ http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/ detail/__icsFiles/afieldfile/2016/05/06/1260817_2.pdf 6 ‌平成27年度英語教育強化地域拠点事業地域拠点一覧では前年 度からの継続校と合わせて、全国 9 ブロック29件、新規採択 として11件(都 1 件、府 1 件、県 8 件、大学付属連携等 1 件)、 新規の小中校は109校の採択があり、新規採択の小学校はその 中 の56校 で あ る。 http://www.mext.go.jp/component/a_ m e n u / e d u c a t i o n / d e t a i l / _ _ i c s F i l e s / afieldfile/2016/05/06/1260817_3.pdf 7‌文部科学省 平成27年度「英語教育強化地域拠点事業」事業 経過報告書 ‌ http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1368961. htm  平成27年度の英語教育強化地域拠点事業地域として採択され た全29件の報告書が掲載されている。 8 ‌文部科学省.‌(2008).‌ 小学校学習指導要領 第 4 章外国語活動.‌ 東洋館出版社.‌P.389‌ 9 ‌調査を実施した中学校の自治体では外国語活動支援員が日本 人であってもJTE(日本人英語教師)と呼ばず、すべてALT (外国語指導助手)とされていた。

参照

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