の効果(1) : 予備的考察
著者名(日)
三上 俊治, 本郷 健, 奥井 奈緒子
雑誌名
東洋大学社会学部紀要
巻
40
号
1
ページ
51-75
発行年
2002-12
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00002274/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaスタジオを活用したマルチメディア教材の開発と
その効果(1)一予備的考察一
The Development of Multimedia Educational Materials
Utilizing Studio Facilities
and their Educational Effectiveness
三上 俊治
Shunji MIKAMI
本郷 健
Ken HONGO
奥井奈緒子
Naoko OKUI
1.マルチメディア環境とマルチメディア利用教育の現状
IA マルチメディア環境の進展
マルチメディアとは、動画、アニメーション、写真、グラフィックス、音声、文字など多様なメ ディアをデジタル化して、コンピュータ上で自由に処理、加工し、CD−ROM、 DVDなどのデジタル ディスクやインターネットなどのデジタルネットワークを通じて、ユーザーの意志にもとついてイ ンタラクティブに提供できる情報システムのことをいう。マルチメディアはすべての情報をデジタ ル信号で処理できるコンピュータとともに登場したが、パソコンを使って動画を高速で処理できる ようになった1980年代後半から急速に開発が進むようになった。マッキントッシュの「ハイパーカ ード」を使ったマルチメディア・システムがその先駆的試みであったが、マッキントッシュの 「Quick Time」、マクロメディア社の「ディレクター」、富士通の「FMタウンズ」などが発売される と、マルチメディアを使った教材開発も急速に進展するようになった。東洋大学でも、情報センタ ーの共同研究プロジェクトとして、90年代に入って、マルチメディア教材開発が試みられるように 本研究は、2001年度東洋大学特別研究「スタジオ設備とインターネノトを活用したマルチメディア教材の開発 とその教育効果に関する研究」の成果の一部をまとめたものである。本研究プロジェクトへの参加者は、次の7 名である。三上俊治(研究代表)、島崎哲彦、戸田慎一、海野敏、池谷のぞみ、本郷 健、奥井奈緒fコ。本稿の 執筆分担は、次のとおりである。1、4、5:三上俊治 2:本郷 健 3:奥井奈緒子。なった。三上(1992)、大島・大森・常磐・..:ヒ(1993)などはその先駆的試みといえよう。 その後、マルチメディア情報環境は大きく変化し、著しい進化を遂げた。変化のポイントとして は、(1)パソコン性能の飛躍的向上、(2)マルチメディアソフトの進化、(3)スタジオ設備などマ ルチメディア教材制作環境の整備、(4)インターネットのマルチメディア化、(5)インターネット のブロードバンド化、(6)CDR、 DVD、 DVテープなど外部記憶媒体の進化、の5点を指摘するこ とができる。このうち、(1)から(3)はIEIとしてマルチメディアの制作環境に関わる進歩であり、 (4)から(6)は主としてマルチメディアの流通・消費に関わる進歩と関連している。 (1)パソコン性能の飛躍的向上 筆者(三上)がマルチメディア教材の開発を始めた1990年頃は、マルチメディアを制作できるパ ソコンはマッキントッシュのみであり、その処理速度は非常に遅く、わずか数十’秒の映像をレンダ リングするのにも数時間かかるという有様であった。それが、ウィンドウズOS、ペンティアムプロ セッサーの登場とともに、処理速度はムーアの法則にしたがって、毎年15倍の速度で増え続け、現 在では毎秒2ギガヘルッ以上の高速処理を行うパソコンが10万円台で手に入るほどの進歩を遂げて いる。これ位の速度をもつパソコンであれば、Mpeg 2の高品質映像コンテンツをストレスなく処理、 加工できるわけで、マルチメディア制作環境はいまやだれにでも手に入るようになったといえるだ ろう。 制作側だけではなく、ユーザー側にとっても、こうした高速処理パソコンを使えば、CD−ROMや DVDのマルチメディア作品をストレスなく鑑賞、利用することが容易にできるようになった。こう したユーザー層の広がりとともに、市販マルチメディア作品の価格も著しく低下している。1990年 代の前半まで、CD−ROMのマルチメディア作品の値段は、1枚が数万円するものも珍しくなかった。 それが、現在ではどんなに高い作品でも、数千円のオーダーで手に入ることができるようになった。 これは、マルチメディア対応パソコンが急速に普及した結果に他ならない。 (2)マルチメディアソフトの進化 コンピュータのハード面の進歩と並んで、ソフト面における進化も、マルチメディア環境の発展 において重要な役割を果たしている。1990年代の前半までは、本格的なマルチメディア教材の開発 に適したパソコンは、マッキントッシュに限られており、そこで動くマルチメディア制作用ソフト は、Adobe社の「Photoshop」、「lllustrator」、 Macromedia社の「MacroMind Director」など少数にとど まっていた。それが、1990年代後半に入ると、Windows搭載パソコン対応マルチメディアソフトの 発売、ハードの性能向上とともに、マルチメディア制作用のソフトが次々と新発売され、また 「Photoshop」、「lllustrator」など既存のソフトもバージョンアップのたびに機能アップするとともに、 使いやすさも大幅に向上していった。 もう一つの変化は、マルチメディア制作用ソフトとウェブ・オーサリングソフトの連携強化、融 合化の動きである。たとえば、かつてマルチメディア・オーサリングソフトの定番であったマクロ
メディア社の「ディレクター」は、ウェブ・オーサリング統合ソフト 「Studio MX」に機能的に融 合化しており、インターネットのウェブサイト上で動画からテキストまで、手軽にオーサリングで きるユーザーフレンドリーなソフト制作環境を提供するに至っている。Adobe社の定評ある画像処 理ソフト「Photoshop」、「lllustrator」も、相互連携を深めるとともに、いずれもインターネット対応 を強化し、他のソフトを使わずにウェブサイトのコンテンッを制作できるまでになっている。さら に、初級から中級レベルのホームページ制作ソフトとして定評のある「ホームページビルダー」 (IBM社)も、バージョン65では、ストリーミング配信用圧縮動画やアニメーションを簡単な操作で 制作し、ウェブ上にアップロードできる機能を新たに搭載し、マルチメディアとインターネットの 連携機能をいっそう強化している。 さらに、デジタルカメラ、デジタルビデオ、DVDなど新しいデジタルメディアを活用したマルチ メディア制作を支援するソフトも、ここ数年の間に次々と発売され、なおかつ使いやすさが大幅に 向上しつつある。とくに、DVカメラから動画をキャプチャーし、タイムフレームやストーリーボー ドなど使いやすいインターフェイスで動画を自由に編集し、それをMPEG 2、MPEG 1、AVI形式の ファイルで保存したり、DVD−Video形式で出力する機能をもったソフトが低価格で発売され、デジ タル動画コンテンツの制作環境は大幅に向ヒしつつある。代表的なソフトとしては、Adobe社の 「Premier 6,0」、 Ulead社の「Video Studio 6.0」などがある。 (3)スタジオ設備などマルチメディア教材制作環境の整備 品質の高いマルチメディア作品を制作するLで欠かせないもう・つの情報環境は、スタジオ設備 とそれに付随するビデオ編集システムである。幸いなことに、東洋大学社会学部では、2001年4月 から白山キャンパス4号館6階に、テレビ番組制作用のスタジオと、ビデオ編集設備を備えた「メ ディアコミュニケーション実習室」が開設され、この設備を使って、より高品質のマルチメディア 教材を開発することが可能になった(詳細は2および3で述べる)。 従来は、携帯型ビデオカメラで撮影した動画や、デジタルカメラやスキャナーでパソコンに保存 した静止画、グラフィックソフトなどで制作した図画、それにテキストなどを組み合わせて、マル チメディア作品を制作するにとどまっていたが、スタジオ設備の活用によって、教師や学生が直接 出演して、トーク番組や講義形式の映像を自由に取り人れた、より実践的で効果的なマルチメディ ア教材を開発することが可能になった。また、照明装置、防音装置、クロマキー、OHCなどの整備 されたスタジオを活用することにより、放送局やプロダクション並みの高品質の教材を低コストで 制作することができるようになった。 将来的には、ケーブルテレビ局と結んだり、インターネットのストリーミングサイトと連動する ことにより、リアルタイムでの遠隔授業へと発展させることも十分に可能である。 (4)インターネットのマルチメディア化 1990年代後半以降におけるマルチメディア環境の最大の変化は、なんといっても「インターネッ
トのマルチメディア化」、あるいは「マルチメディアのインターネット化」ともいうべき大きな流れ である。 その起爆剤になったのは、いうまでもなく、インターネット上でテキストだけではなく、画像や 音声をグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)環境でテレビ映像と同じようなディスプレイ 画面で見ることのできる「ウェブ・ブラウザ」の開発(1989年∼1996年)である。その後、二大ブ ラウザとして市場を二分してきた「Netscape Navigator」と「lnternet Explorer」は、バージョンァッ プのたびにマルチメディア対応を強化し、ストリーミング映像、3次元のバーチャルリアリティ、 アニメーション、Javaなどを使ったインタラクティブなウェブコンテンツなど、最先端のマルチメ ディアへと成長を遂げ、今日に至っている。いまや、「マルチメディア」という言葉は、ほとんど 「インターネット」によって置き換えられているという現状である。かつての「マルチメディア利用 教育」も、いまでは、「eラーニング」に置き換わり、WBT(Web Based Training)がその主役になる など、内容的にも「インターネット利用教育」とほぼ同義のところまで行っているように思われる (先進学習基盤協議会,2002を参照)。 しかし、インターネットの普及率がいまや5割に近づきつつあるという現状を考えると、インタ ーネットのマルチメディア化、マルチメディアのインターネット化は、マルチメディア教材の発展 においては、利用環境の広がり、ユビキタス化という面からはきわめて望ましい傾向だといえよう。 (5)ブロードバンド時代の到来 ただし、技術的にはマルチメディア・コンテンッをインターネット上に載せる環境が整ってきた とはいえ、高品質の映像や画像を含む教材を一般の利用者がストレスなく享受できる環境が整って いるとはいえなかったというのが現実である。その最大のネックは、インターネット回線のスピー ド(容量)面の制約である。 現行のテレビ並みの解像度でインターネット上の映像をストレスなく見るためには、配信側では 少なくとも500Kbps以上に対応した映像を送出する必要があり、また利用者側では少なくとも数 Mbps以上のブロードバンド回線でアクセスできることが必要だといわれている。 我が国のインターネットは、これまでのところ、56∼64Kbpsの低速ダイヤルアップ回線で接続す る利用者が圧倒的に多く、韓国などに比べてブロードバンド化が大幅に遅れていた。幸い、2001年 から2002年にかけて、ADSLやFITHなど、数Mbps以上のブロードバンドインターネットの利用料金 が急速に低下し、普及にもはずみがついてきた。2002年7月末には、xDSL、 CATV、 F]rrHを含め たブロードバンド回線の加入件数が500万を突破し、インターネットのブロードバンド化が急速に進 展しつつある。総務省の調べによれば、7月末時点のブロードバンド回線の加入状況は、xDSLが361 万199加入、FTTHは8万4903加入、 CATVを使ったインターネット接続は171万加入となっており、 計540万5102加入となっている。つまり、インターネット利用者全体の1割以上が、いまやマルチメ ディアコンテンッを快適に受信できるブロードバンドユーザーになっているわけである。
これに対応して、既存の放送局だけではなく、ISPの提供するポータルサイトなどでも、ブロード バンド向けの高解像度映像コンテンッ提供サービスを次々に開始している。 インターネット上で映像コンテンッを配信する方法は2つある。一つは、ウェブ上に映像ファイ ルを置き、ユーザーがボタン操作で映像を再生するものである。もう一つは、テレビ番組と同じよ うに、利用者がリアルタイムに放送形式で映像コンテンッを受信する方法である。後者の場合には、 提供者は専用のサーバーを用意する必要がある。 マルチメディア教材開発という視点からみると、ライブの遠隔授業やテレビ会議を実施するには、 当然ながらストリーミング形式のウェブ配信システムを利用することが必要になるが、比較的少数 の学習者が随意の時間にマルチメディア教材をウェブ上で閲覧し、自主的に学習するという、VOD (ビデオオンデマンド)的な利用形態を考えると、必ずしもストリーミング形式の配信でなくても、 単にインターネット対応の動画ファイル(Real Player、 Quick Time、 windows Media Playerで再生可能 な形式)をウェブサイトに置くだけでも、マルチメディア教材のインターネット経由の活用には十 分である。本研究プロジェクトで試みたウェブ配信も、ストリーミング形式ではない通常のホーム ページ上の映像ファイル組み込み方式で実施している。多数の同時的利用者を対象にした、遠隔授 業を含むeラーニングの実用段階では、当然のことながら、ストリーミングビデオの導入が必要に なろう。 (6)マルチメディア外部記憶媒体の進化 インターネットと並んで、パッケージ系の外部記憶媒体によるマルチメディア教材の提供も重要 性は決して低下してはいない。最近では、DVDプレイヤーやDVD記録メディアの相次ぐ実用化によ り、従来のCD−ROMとは比較にならないほど大容量、長時間の映像コンテンッを1枚のDVD−Rや DVD−Videoに収録することができるようになった。また、 DVDディスクやDVD−R/RW(RAM)ドラ イブの価格は個人でも購入可能な程度にまで下がっており、DVDによるマルチメディア教材配布が 容易になっている。2002年9月現在、市販のDvD−Rディスクは、4.7ギガバイトの容量で1枚500円 程度で販売されている。つまり、容量あたりの価格ではCD−Rにほぼ匹敵する。 また、前述したように、DVD−Rへの書き込みやDVD−Video(家庭用プレーヤーで再生可能な形式) へのオーサリングが容易に行える専用ソフトも、2万円以内の価格帯でいくつも発売されており、 外部ディスク上でのマルチメディア教材の制作環境も整いつつあるというのが現状である。本研究 プロジェクトにおいても、こうしたソフトを活用して、実験的にDVD−Videoをいくつか試作してみ た。 1.2 マルチメディア利用教育の現状 以上のように、1990年代後半以降、マルチメディア環境はインターネットを軸として、大きく変
化し、マルチメディア教材制作環境がまさに成熟しつつあるという状況を迎えている。そこで、現 時点で、こうした最新のマルチメディア環境を活用した教材開発やマルチメディア利用教育がどの 程度進展しているのか、その実態を概観しておきたいと思う。 (1)アンケート調査にみるマルチメディア利用教育の現状 メディア教育開発センターでは、1999年度から毎年、「高等教育機関におけるマルチメディア利用 実態調査」を実施している。調査対象は、全国の国公私立大学、短期大学、高専である。webヒで 公開されている1999年∼2001年の調査結果をもとに、大学におけるマルチメディア利用実態を検討 してみよう。 図1.1 大学におけるマルチメディア全般の利用状況(1999年∼2001年) (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 OHPの活用 電子メールや竃子掲示板による事務連絡 録函ビデオの授菜への利用 図書資料のデータベース化 パソコン(パワーポイントなど)によるプレゼンテーション オーディオカセット教材の剰用 WWWで資料を収集させる授象 ネット上の情報を敏材として配布 電子メールによる課題の提出 電子掲示板や電子メールによる授婁への質問受付 インターネットによる教材の提供 授泉内容のWWWへの掲載 ビデオカメラやデジタルカメラの授薬での利用 CD−ROM教材の利用 マルチメディア教材の自作 学生間の討■のための電子掲示板やメーリングリストの提供 遜信衛星などによる授婁 録画授婁のWWWへの掲載 (メディア教育開発センター「高等教育機関におけるマルチメディア利用実態調査」より) 図1.1は、マルチメディア全般の利用状況の変化をみたものである。利用度がもっとも高いのは、 OHPの活用という昔ながらの方法であり、マルチメディアというには古すぎるという印象を抱く。 電子メールや電子掲示板の活用は、ここ1、2年の間に利用が急速に増えているが、これもマルチ メディア利用というほど多様な情報モードの活用とはいいがたい。 パワーポイントなどを使ったパソコンでのプレゼンテーションも、2001年調査では利用率が急上 昇しており、注目される。私立大学情報教育協会(私情協)が2001年に実施した「私立大学教員に
よる情報機器を利用した授業改善に関する調査」によれば、パワーポイントなどで作成したスライ ドの提示が、授業での情報機器利用のトップ(56.4%)を占めていた。これを領域別にみると、情 報科学系では7L9%、工学系では65%に達していたのに対し、社会科学系では48.8%、人文科学系で は34%にとどまっている。しかし、3年後の利用計画でみると、人文・社会科学系でも利用意向が 理系と同じくらい強く、この領域では、理系以上に利用が促進されるものと予想される。 この他で目立つのは、やはりWWWやインターネットを活用した授業の増加である。ただし、比 率的に高いのは、ウェブ上の情報を利用するというやや受け身的なものであり、授業内容をウェブ ーヒで公開したり、マルチメディア教材を自作したり、録画教材をウェブ上で提供するなど積極的な ネット経由のマルチメディア教材提供はまだ低率にとどまっている。 図1.2 マルチメディアの利用の障害(「よくあてはまる」十「ある程度あてはまる」) 0 20 40 60 80 100 特定の者に負担がかかる 機器設備の導入費用がかかる 支擾スタッフが不足している 機器設備の維持費用がかかる 機器設僧の数が不十分 利用の拳備に時間がかかる 利用できる教材が不足している 教員のメディア活用能力が低い 活用を岬価する仕組みがない 事務M員が対応できない 学生のメディア活用能力が低い 授案で利用する必要がない 利用による教育効果がない …■1999 1■2000i iロ2001i 現時点で、マルチメディア教材を使った教育に対するニーズをみると、授業そのものを電子化し たり、マルチメディア教材を提示しながら授業を進めるといった形態よりも、むしろ学生が授業時 間外に、自学自習用のツールとして、教員の作成したマルチメディア教材を活用するといった、 「webページを活用したeラーニングによる個人学習」が、近未来におけるマルチメディア利用教育 の主流になるものと予想される。前述の私情協によるアンケート調査をみても、3年後の情報機器 使用計画でもっとも回答の多かったのは、「webページに教材・資料・小テストなどを掲載して学生 が自学自習する」(57.1%)というものだった。 このように、現時点では、マルチメディア教材を高度に活用した教育はあまり普及していない。 その理由をメディア教育開発センターの前記調査でみると、図1.2に示すように、「特定の者に負担 がかかる」「機器設備の導入費用がかかる」「支援スタッフが不足している」などの障害が共通に指 摘されている。
(2)先進的活用事例にみるマルチメディア利用教育の現状 次に、マルチメディアを実際に教育現場で活用している先進的事例をいくつか紹介し、その現状 と評価、問題点などを検討することにしたい。ここで取り上げるのは、『eラーニング白書』(先進学 習基盤協議会編)、『大学教育と情報』(私情協の季刊誌)など2001年以降に発行された刊行物と、関 連ウェブサイト上で紹介されている事例である。 ①マルチメディア教材とインターネットを活用したオンデマンド型授業の事例 慶態義塾大学環境情報学部の村井純教授を中心とするWIDE Projectでは、「世界中の学ぶ意欲を持 つ人々に、デジタルコミュニケーションを基盤とした従来の制限や境界にとらわれない高度な教育 と研究機会を提供する」ことを目的に、1997年からSchool on the lnternet Working Group(SOI)とい う一種のバーチャルユニバーシティの実験を進めてきた(wn)E, 2002)。SOIの入学登録、履修登録、 講義、質疑応答はすべてWWW上で行われる。2001年現在、34の授業と81の講義、合計約800時間が サーバーに蓄積されており、受講者は必要に応じてウェブ上でReal Video形式の映像と音声に加え て、HTML形式の授業資料にアクセスすることによってオンデマンド形式で授業を受けることがで きる。講義に関する質疑応答は、メーリングリスト、BBS、チャットを用いて行っている。メール アドレスをもっていて、ホームページを見る環境をもっている人なら、だれでも入学、履修するこ とができる。2001年4月現在、約7000人(半数以上が社会人)が学生としてSOIに登録していると いう。授業評価の調査結果をみると、回収数は少ないものの、自宅や職場にいながら受講できるこ とへの評価が特に高いという結果が得られている。 早稲田大学文学部では、2001年4月から、マルチメディア教材を使ったオンデマンド授業を実施 している。たとえば、2年生以上を対象とする「文学・言語系演習34」は、教室での講義を行わず、 100%オンデマンドで授業が実施されている。講義はすべて、オンデマンド方式で行なわれる。履修 者は大学のコンピュータ・ルームや自宅のパソコンを通じて、週に1回、自分の好きな時間に、イ ンターネット上に置かれた講義(動画・音声・文字からなる)のページにアクセスして、授業を受 ければよい。学生と教員、学生同士のコミュニケーションは、BBSのディスカッションを通じて行 われる。この授業で実際に受講希望届けを出した学生は、総数で116名(2年生21人、3年生36人、 4年生44人、5年生以上15人)だったという。授業の具体的な実施形態は、担当の井桁教授による と次のとおりである。 (1)数分間の動画によって、講師がその回の授業のテーマと狙いを語りかける。これはスタジ オで前もってビデオ録画しておいたもの。 (2)テキストを読む。内容として挙げられている文学作品や参考書にはリンクが張ってあり、 現在発売中のものはネットでの購入が可能になっている。リンクをたどると、それらの本をめ ぐる種々の情報にも触れることができる。 (3)上の「動画」と「テキスト」をセットとして1回分の授業コンテンツがリリースされる。 (4)学生は大学のコンピュータ・ルームから、また下宿や自宅から「いつでも」任意の時間に
アクセスし、講義内容を参照しつつ(その時点で「出席」となる)、アンケートに答え、また BBSのディスカッションに参加する。 (以上、井桁,2001からの引用) このような授業方式のメリットとしては、学生がいつでも、どこからでも授業に参加できること、 インターネットを通じて関連情報をいろいろと探索したり、参照したりできること、BBSによって 学生同士のディスカッションが活性化すること、などがあげられている。逆にデメリットとしては、 クラス内のコミュニティ意識が醸成されにくいこと、BBSでの書き込みが孤独な作業になりがちな ことなどが指摘されている。こうしたデメリットを補完するために、オフ会のコンパなどが企画さ れている。 ここで紹介したいオンデマンド授業のもう一つの事例は、社会人を対象とする日本女子大学生涯 学習総合センター(LCC)のVOD活用授業である(石川,2002)。 LCCは、在学生・卒業生・市民等の 生涯学習活動や社会参加活動を支援し推進することを目的として設置されているが、ウェブ上に構 築したVODシステムを通じて、 LCCの提供する情報や各種講座を自宅のパソコンで受信できるよう にした。VODのホームページ画面は、3つに分割されており、左上が講義風景の動画で、ストリー ム形式の動画音声で見ることができる。画面の右側には図や表などの資料やテキストがカラーで大 きく表示され、動画での講義の進行に合わせて、自動的に改ページされるようになっている。左下 の画面には、動画上で教員がホワイトボードに板書した文字や図画がそのままの形で表示される。 学生は見たいところから始められ、また繰り返し学習も可能である。したがって、好きな時間に、 好きなだけ学習することができるようになっているのである。自学自習用のマルチメディアVODと して非常に優れたシステムといえよう。2001年の開講から約半年間で約50コンテンッが配信され、 LCC会員の登録数は約5,000名に達している。受講者からは、講義映像と資料が一一体化されている点 が好評だという(石川,2002)。 ②マルチメディアを活用した遠隔授業の事例 通信衛星を使って、日米間でマルチメディア型の遠隔授業を行っている先進的な事例として、京 都大学とスタンフォード大学が共同実施しているTIDEプロジェクトがある。このプロジェクトは、 教室の授業を動画でリアルタイムに通信衛星で配信している他、電子黒板による情報の共有化、 HTML教材の活用などをはかっている。この遠隔講義は、情報蓄積再生型のVOD活用授業とは違っ て、受講者がリアルタイムで講義に参加できるので、教師と学生、学生同士のコミュニケーション、 インタラクションが活発に行えるというメリットを持っている。とくに、通信衛星を利用すること により、これまでは実現不可能だった日米間での同時的な講義への参加と映像を介しての異文化間 コミュニケーション、交流が可能になったという点は評価できる。 インターネット上のストリーミング放送技術を活用した遠隔授業も、すでに実用段階に入ってお り、いくつかの大学で導入されている。たとえば、フィラデルフィアのペンシルベニア大学にある ビジネススクールWharton Schoolでは、 MicroSoft社のWindows Mediaを使って、全世界に分散する
学生に対し、350時間に及ぶストリーミングビデオによる遠隔授業を提供している。この他、Real ServerによるReal Videoを用いたストリーミング放送による遠隔授業の実験も各地で行われている。 メディア教育開発センターのアンケート調査や、いくつかの先進的事例をみる限り、VODやスト リーミング技術、通信衛星による配信など、教材の配信やウェブ上での提示方法には革新的で参考 になる新機軸が多くみられるものの、本研究の中心テーマであるスタジオ設備を有効に活用したマ ルチメディア教材の開発という点では、とくに目新しい試みはあまりみられない。マルチメディァ 教材のクオリティ向上という面では、まだまだ本格的な取り組みが行われているとはいいがたい現 状のようである。そこで、以下では、スタジオ設備を中心とするメディアコミュニケーション実習 室におけるマルチメディア教材制作環境の実態と、導入効果、実際の制作事例を紹介し、その問題 点や今後の課題をまとめることにしたい。
2.スタジオ設備・機器の利用と教育効果
情報社会の進展に伴って、教育現場での新しい情報機器の導入が加速している。教室にテレビが 入り、簡易型のOHPが標準的に装備されたのは四半世紀以上前のことであったが、現在では単に教 育系の既存のテレビ番組を授業の教材として録画、鑑賞するという方法から、視覚的な教材を独自 に制作して教育効果を高めるという方向に流れが変化していると言えるだろう。社会学部のメディ アコミュニケーション実習室は、第一義的には放送番組を学生に制作させることでマスコミやメデ ィアへの理解を深めるために設置した設備であるが、小型の放送局並のデジタル設備を使っての実 習や映像教材の開発、制作は今後の大学での情報教育を支えるものとなる技術の普及に大きな力と なるはずである。以下にメディアコミュニケーション実習室の設備の概要と機能、教育効果に関し て小論を述べる。 2.1 設備の概要 (1)スタジオ設備 このスタジオの収録は全てデジタル方式であり、収録した素材はパソコン上で編集ソフトを使っ て編集することを基本としている。編集を終えたものは、MD、 VHS、 S−VHSやMini DV、 CD−R、 DVD−Videoヘメディア変換を行うことで公開、配布をすることができる。灘
1猶随一 ・
難隻灘・ 調整室の機器 収録とダビングに関する機器が設置され ている。写真右のラソクにはスタジオのカ メラと直結したデジタルレコーダーや効果 音などを送り出すMDレコーダー、マイク の音を増幅するアンプなどが格納され、中 央はスタジオ内のメインカメラを制御する コントロール装置が、左のラノクにはメデ ィア交換用のVHS、 S−VHS、 DVC、のレコ ーダーが設置されている。 調整卓 ここにはスタジオの2台のカメラを切り 替えたり、クロマキーなどの特殊効果を付 けるためのスイッチャーと呼ばれる機器 や、スタジオのマイクの調整や他の音源と の音の合成をおこなうサウンドミキサーが 設置されている。またスタジオの2台のカ メラとOHC、録画の状態を確認するための 6台のモニターが設置されている。 スタジオ内部 スタジオの基本的なセソトで、大型の机 と、クロマキーによって画像の合成を行う ための青色のバノクホリゾント、また音を 吸収するためのカーテンが設置されてい る。現状では背景は画像による合成が多い が、棚や植物などのセノト組みを入れてハ ックの壁に装飾を行うと様々な状況を設定 することができる。スタジオカメラ 放送局用のスタジオカメラが2台あり、 デジタル対応の業務用カメラ(注1)である。 後部は取り外し式になっており、「ドッカ ブル」と呼ばれるレコーダーを後部につけ ることでカメラを移動させ、取材カメラと して使用できる。操作は全てマニュアルで ある。また調整室とカメラマンとの連絡に は「インカム」と呼ばれるヘソドセットが 使われる。
OHC
「書画カメラ」とも呼ばれるこのカメラ は資料を直接カメラで撮影することがで き、付属の小型CCDカメラを手持ちすると、 机上の資料や出演者のアップも撮影でき る。OHPの電子版であるが、使い方によっ ては教材の作成に威力を発揮する。パソコ ンによる制御も可能だ。現在は背景を合成 するクロマキー機能を多用している。はが き大の画像があれば、OHCを通して番組の 背景としてどのようなものでも利用が可能 である。 動画編集用パソコン 動画編集用に導入したSONY「VAIO」。 動画ファイルは基本的なファイルである AVI形式のデータの重さが、1分で250KB と極めて重いため、デジタル編集ではパソ コンの性能が重要な問題となる。導入した VAIOはメインのメモリーは512MBと最大 限まで増設し、60GBの内蔵ハードディス クに追加して外付けの150GBの1−LINKハー ドディスクを装備した。またデータの保存 と移動用にMOドライブを外付けに装備し たが、これは現在の放送業務でもデータの保存と移動にMOが主として使用されているからである。 このVAIOには導入時にプレインストールされていたいくつかの動画編集ソフトに追加してAdobe社 の「Premler」、 Ulead社の「Movle Studio」などの編集ソフトを追加導入した。これらのソフトはい わゆる「業界標準」として学習から業務まで広範囲に使用されており、高画質での制作、配布に適したDVD形式での編集にも対応しているため、学生の制作実習から教材開発まで、多くの関係者が 使用できると思われるからである。4号館5階に設置したPanasonic製のDVC−Pro専用の編集機と併 用することで一般的なVHSによる制作からDVDソフトまで広範な動画制作が可能である。 (2)テレビスタジオから何が創り出せるのか 実習室スタジオの機能と、制作可能な作品は次のように分類することができる。 ①画像・音声収録機能 画像を録画し、音声を録音する機能である。画像と音声を同時に収録 することが基本であるが、いわゆるアフレコによる音声の後収録もでき、一般的なテレビ番 組であれば、どのようなものでも制作ができる。 ・一般テレビ番組 ・報道ニュース ・テレビ講座 ・大学広報番組 (学内向け、学外向け) ・論文、卒論、修論等の解説発表 ・社会調査報告 ・各種授業 ・その他、画像と音声を組み合わせたもの ②画像録画機能画像のみを録画する機能である。スタジオでは音声が同時に収録された素材 テープから、素材を劣化させずに音声のみを消去することができる。またOHCを使用すると、 絵画、イラスト、写真、資料などの静止画像を高画質に録画できる。 ・環境ビデオ ・イメージビデオ ・講義用ビデオ(解説はマイクで乗せる) ・資料解説用ビデオ(解説はマイクで乗せる) ・その他、映像による表現を中心としたもの ③音声収録機能 音声のみを収録する機能である。スタジオの業務用MDレコーダーを使用し て高音質に音声収録ができるが、ビデオからの音声のみのサンプリングやCDなど他の音源と のミキシングもできるので、ラジオ的な作品を制作することができる。 ・一般ラジオ番組 ・報道ニュース ・ラジオ講座 ・音楽番組 ・その他、音声による表現を中心としたもの
(3)保存形式と利用 完成した作品を最終的にどのような形式で保存、利用するのかは重要な問題である。現在は画像 や音声の情報を電子化して利用することができるようになり、電子化されたデジタル情報がそのま まメディアとして成立する時代になった。最終的な形式によって分類すると次のようになる。 ●アナログ媒体として利用する 一一般的な民生用の再生機器用として汎用性は高い ・ビデオテーブ VIIS、 S−VHS、 Hi−8、βベータ ・カセットテーブ アナログ媒体 → 一般再生機器 ●デジタル情報として利用する パソコン(注2}での加工、利用を前提にし、これからのメディアの主流になることが考えられる ・デジタルビデオDV(スタジオではDVCProという規格の業務用を使用) ・デジタルビデオMini DV ・フロッピーディスク FD ・コンパクトディスク CD ・光ディスク MO ・モバイル用ハードディスク類
・音声MD
・音声DAT
・デジタルビデオディスクDVD ↓↓↓↓↓↓↓丁トトーL
体 媒 ル タ ジ デ パソコンで個人利用 媒体を複製して配布 データ交換 ホームページに使用 メールマガジンに使用 インターネット放送局として配信 ケーブルテレビ局に番組配信 2.3 制作の手順 スタジオでのメディアコンテンツの制作をいくつかの概念図で示すと次の様になる。【概念図1】制作の大きな流れは次のようである。 段取り決定 スタジオと調整室 編 集 室 計画を立てる → 録画・録音を行う → 画像を補正する → 音声を補正する 編集作業を行う
成
公開する 提出する 【概念図2】スタジオや調整室の機器を対応させると次のようになる。スタジオと調整室の機能を 分けて考えると、現実のメディア制作の流れになる。 段取り決定 スタジオ 調整室 編集室 成 計画・企画 カメラ 録画・録音用VTR 画像補正 マスタリング → OHC →素材用VTRを合成→ 音声MA → ダビング マイク 音源用MDを合成 編集作業 メディア変変 公 開 提 出 2.4 教育効果 従来型のアナログ型の編集であるリニア編集は、ビデオカメラなどで撮影した画像素材を、スイ ッチャーと呼ばれる機材で編集し、それをビデオデッキに再録画していく編集の方法である。編集 のシステムとしては、理解しやすく、ビデオテーブに記録されている画像が時間に沿って直線的に 配置されているために(リニア)必要な素材の部分を取り出すには、送りと巻き戻しを繰り返さね ばならない。 アナログビデオカメラで撮影 → 編集機 → 録画用VTRに再録画 メディアコミュニケーション実習室では、このアナログ型の編集を行うこともでき、基本的なビ デオ映像の編集方法を学習することが可能であるが、画像をデジタル化し記号化してパソコンにデ ータとして取り込みテープを使わずに編集ソフト‘注:S )で編集を行うデジタル方式のノンリニア編 集を中心にした設備であるため、新しいメディアの加工方法を実際に体験して技術を習得すること ができる。パソコン上の編集ソフトでは画像の配置は自由であり、テロップを入れたり、画面合成 や画面の変形も自在に行う、また、何度でも編集のやり直しが可能なために学生への訓練には非常に適しているといえよう。メディアコミュニケーション実習室での制作を第一期生として行った学 生は、パソコンの操作に習熟した者は少数であったが、デジタル機器を操作していくことで、関連 のパソコン技術にも興味を持った者が多く、映像制作を媒介として情報技術全般への興味を喚起で きるという教育効果が見込まれる。またデジタル編集流れは次図のようなものだが、 デジタルビデオカメラで撮影 → パソコンにデータとして取り込む ↓ 編集ソフトで編集する → メディア変換する 放送業務の現場は急速にデジタル化されて来ている現状から、今後は学生が就職して働くメディ アの現場も間違いなくデジタル化に対応した人材でなければ雇用は継続しないという事態が考えら れ、学生への就職対策としてもメディアコミュニケーション実習室の果たす役割は大きいものと思 われる。
3.番組制作の実習と効果
メディアコミュニケーション実習室テレビスタジオは、テレビ番組を実際に制作することを通し て、放送の仕組みを学習することを主な目的としている。本節では、制作実習に必要な準備と段取 りを述べ、番組制作の実習が教育にどのような効果をもたらしているのかも考察する。今後はテレ ビスタジオを利用してのビデオ教材の制作やインターネットを通しての利用も大きな目標となるも のと予想される。本稿では、教材の企画のできたものから制作に入っているが、放送番組もビデオ 教材も制作の準備や段取りはまったく同じであるから、本論がマルチメディア教材の制作にもいく ばくかの役に立つことを期待したい。 3.1 実習の概要 平成13年度の放送番組制作実習は、履修者を10名前後の班に編成して行ったが、制作の方法や機器 の使用方法を解説する講義と、実際のスタジオ等での撮影、編集の二つを組み合わせたものである。 制作する番組は、10分間のものとし、番組のコンセプトや学生の役割分担に関しては、まず制作班で の企画と議論を通して決定し、スタジオ機器の性能や人的な制約を考慮して、最終的な企画としてま とめ、制作に入った。講義は担当講師が週一回の通常め授業時限に行い、スタジオでの撮影や編集は 制作班別に授業時限とは別に週一回のゼミ形式の時限(90分)を設定して行った。制作には周到な準 備が必要であるが、計画から完成まで、次節のような段取りと準備が必要となる(注4)。3.2 制作の段取り 番組制作では、以下の述べるように、計画段階から完成までに多くの準備と段取りが必要になる。 (1)計画と構成の段階 ・計画書 計画書は制作の意図を明確にするために作成する。映像の目的、テーマ、コンセプト、 などを明確にする為である。これらが明確でないと製作は予定通りにいかない。 ・台本計画書を元にして台本が作られる。ドラマなどの場合は当然必要だが、ドキュメンタリー や環境映像でも、ナレーションの部分には台本が必要であり、司会者がいる作品でも、また講義の 収録でもこれは必要である。また説明用に挿入されるテロップも一種の台本と言えるので、どの場 面で、どのようなテロップが必要なのかも決定しておかねばならない。 ・絵コンテ 作品の進行をラフにイメージ画で表したものである。文章では表現しきれないセット のことや、小道具、背景、人の配置などの情報を絵コンテにして提示するとスタッフ全員が作品の イメージを理解しやすくなる。 ・香盤表 出演者やスタッフのスケジュールを調整した全員の時間表のことである。放送局の場合 は必ず香盤表を作るが、これによって時間の管理が正確になる。 ・キューシート 音声に使用する機器の種類や、音声の内容などを表に記入したものである。どん な音を、どの場面で、どのくらいの時間使うのか、また音には特殊効果を付けるのかなどを折れ線 を使って表したものである。 ・場面割り構成図(注5) 絵コンテ、香盤表、キューシートを1つにまとめたものである。番組制 作実習では、制作者全員が様々な持ち場を交代しながら受け持つため、一枚で全員の役割のわかる 場面割り構成図が必要になる。 (2)編集段階 編集作業は通常、作業の順番にオフライン編集とオンライン編集に分けられる。 オフライン編集はテスト編集とも言える作業で、必要な部分だけをとりあえずカットして編集し、 テロップも入れて作品全体の流れや全体の時間などを精密に把握する為に行う。時間は100分の1秒 単位とフレームの番号で管理し記録する。ここで重要なのは、この試験的な編集で素材テープを傷 めないために、素材テープの複製を作り、この複製テープ(デュープと言う)を使ってオフライン 編集を行うということである。放送業務の現場ではこのオフライン編集なしで作品を制作すること はありえない。作品の全体像を考えながら細かな補正を行っていき、計画通りに完成させるには、 回り道と思われるオフライン編集が必要である。 オフライン編集によって細部の検討が終了すると、素材テープを使ったオンライン編集を行う。 いわゆるマスターテープを制作するのがオンライン編集である。オフラインによって確定し記録し
た時間の通りに素材テープからマスターテーブに画像を録画していくが、オンライン編集は極度に クリティカルな作業なので、通常は専用の編集室で必要最小限の人数で行う。ここで最も重要なの は、編集機器の取り扱いの正確さと共に、完成時の作品の長さを計画通りにするための時間の管理 である。また編集にはどのテープのどの部分を、どの順番で統合し、どのような効果を付けるのか を示した「編集シート」を用意する。編集の段取り表といえるものだ。 そしてこれらの編集作業は、インターネットでの利用やCD、 DVD化との関係からパソコンを利 用したデジタル編集を基本として行う。メディアコミュニケーション実習室ではデジタル編集用の 大型パソコンを導入して編集を行うが、制作実習の履修者は基本的なパソコンの操作方法を必ず確 実に身につけておく必要がある。 (3)完 成 すべての編集作業を終えた完成品は「完パケ」(完全パッケージ)と呼ばれる。映像だけのものを 「絵完パケ」「白完パケ」と言うこともあるが、画像、音声、文字のすべてが記録されたものが本来 の「完パケ」である。放送業務ではオンライン編集を終えたマスターテープがそのまま「完パケ」 になることも多いが、大学でのメディアコンテンッ制作では、作品の提出や公開、配布も考えられ るので、ダビングやメディア変換によって「完パケ」が複数作られることもある。(注6) (4)スタッフの配置 番組制作を一人で行うことは不可能である。制作のスタッフは、次のように制作担当、技術担当、 編集担当に分けることができる。常にこれらのすべてが必要なわけではないが、実習では各班の中 でこれらの役割を決め、またローテーションを行いながら、全員が様々な役割を行った。 【制作担当】 プランナー:企画を立案する。 脚本:脚本、台本を執筆する プロデューサー:全体の制作と予算の管理を行う。 ディレクター:制作現場の責任者。作品の演出を行う AD(アシスタントディレクター):演出の助手、スタジオ内での進行を行う 美術:大道具、小道具のセットを担当する スクリプター:記録と時間の管理を行う 【技術担当】 カメラマン:カメラの操作、撮影 VE(ビデオエンジニア):撮影時にカメラやVTRなど機材の調整を行う
照明:照明全般
音声:マイクのセッティングなど現場の音の録音を行う 特 機:クレーンやレールなど、撮影時に必要な特殊機材を担当する スイッチング:映像の合成や映像切り替えを行う スイッチャー:文字情報を画面に載せるスーパーインポーズを担当する ミキサー:ビデオ編集を行う責任者である編集マン、音声のミックスを行う 音 効:音楽、効果音の選択と送出を担当する 【編集担当】 スイッチング:映像の合成や映像切り替えを行う スイッチャー:文字情報を画面に載せるスーパーインポーズを担当する ミキサー:音声のミックスを行う 音 効:音楽、効果音の選択と送出を担当する 3.3 実習の効果 番組制作は、計画(プレプロダクション)、制作(プロダクション)、編集(ポストプロダクショ ン)、完成という過程で進行するが、すべての過程を通じて、実習の履修者に対して次の点で大きな 教育上の効果があった。 まず、放送局が業務で制作を行う場合は、計画、制作、編集の各場面はスタッフの分業もあり、 制作に携わる者は、それぞれの持ち場を熟知してはいても全体の流れを絶えず把握している訳では ない。このような分業体制の確立した業務放送とは違い、大学の授業としておこなう番組制作では グループ単位で制作を行うことになり、人員が限られるため各段階の作業かの「段取り」を全員が すべて正確に理解しておく必要がある。各自が役割を交代しつついろいろな技術を習得していく実 習は放送の仕組みと流れを理解する上で大きな効果があった。 またデジタル機器の進歩によって映像の制作過程は合理化されたが、これによって逆にパソコン を使ったデジタル編集が主流になるということになり、必然的にパソコンを中心とした電子媒体へ の理解と利用が必要になっている。このことは一見すると放送の仕組みの理解とは無関係に思われ るが、現在の放送の流れは確実に「デジタル化」にあることから、この「デジタル化」という情報 社会の流れを体感して理解を深めるためにも番組制作の実習は効果があり、制作の「段取り」とい うプロセスと、デジタル機器の操作という「方法」の両面から考えても、メディアコミュニケーシ ョン実習室テレビスタジオには高い教育効果が期待できる。
4.DVDによるマルチメディア教材作成の試み
平成13年度の「マルチメディア教材開発」研究プロジェクトは、1年目ということもあり、テレ ビ番組制作実習の授業をいわば生きた素材として、スタジオを活用した番組制作のプロセスを理解し、スタジオ活用の効果、問題点、課題を洗い出すところで終わり、マルチメディア教材の開発ま でには至らなかった。 もう一つ、ビデオカメラで取材した映像をもとに、実際の授業でも補助教材として使えるDVD− Video作品を実験的に作成する試みを行った。 4.1 DVD作成の経緯 これは、研究代表者である三上が、2002年2月21日∼24日に、世界最高水準のデジタル放送制作実 習設備を誇る韓国の東亜放送大学を視察したときに撮影したMini DV収録映像を編集し、スタジオ での頭出しイントロ映像とともにパソコン上で編集して、DVD−Videoのディスクを作成したもので ある。オリジナルのMini DV映像は合計4時間以上に及ぶものであったが、これを約40分の番組に 編集した。内容は、東亜放送大学での学長、理事長との会見に始まり、大小スタジオ設備、最新鋭 のデジタル機器を備えた調整室、オールデジタル・ノンリニアの編集設備、ラジオスタジオでの収 録風景、放送局の現役ディレクター兼教授によるデジタル映像編集の実演、ファカルティ用の宿舎 と学生用のドーミトリーなど付帯施設の紹介などを含んでおり、同大学における実習教育の概要が 視覚的に理解できるようになっている。DVD−Videoの完成が授業期間終了後になったため、3月の ゼミ合宿において参加学生にこの試作ビデオを見せ、反応をみるにとどまった。映像と音声によっ て、最先端の放送制作実習現場を紹介したこともあって、直感的イメージとして学生の理解と関心 を引き出す上で一定の効果があったと思われる。その一方では、スタジオで収録した三上自身の出 演によるイントロの解説部分は、堅苦しくて平板な講義調に終始したために、視聴者の関心を引き つける上では工夫が足りないことが分かった。 このDVD教材試作において得られた収穫としては、第一に、 Mini DVテープのキャプチャリング からビデオ編集、DVD−Videoオーサリングに至るまでの一連の流れを理解し、制作ノウハウを獲得 したこと、第二に、DVD教材製作とスタジオ設備活用上の問題点と今後の課題を抽出できたこと、 などをあげることができる。 4.2 DVD制作のプロセス (1)Mini DV映像の収録とキャプチャリング 韓国・東亜放送大学に持参したのは、スタジオ設置のデジタルビデオカメラ(Panasonic NV− MX3000)で、視察時に三上が撮影し、ミニDVテープ3本に記録した。 ビデオのキャプチャリングと編集に用いたパソコンは、プロジェクト予算で購入したSONY VAIO RX−070である(詳しい性能と機能は、2.1を参照)。このパソコンには、 IEEE1394(1−Link)端子がつ いており、ケーブルでビデオカメラのデジタル映像、音声信号を同時にハードディスクに取り込む ことができる。
Mini DVからの映像取り込みと映像編集は、 VAIOにプリインストールされているAdobe「Premier 6.1」を用いて行った。 (2)「Premier」でのビデオ編集 いったん「Premier」に映像を取り込むと、それをタイムラインに貼り付けて、不要部分をカット し、それをつなぎ合わせれば、一応ビデオ作品はできあがる。実際には、教材としてのクオリティ を高めるために、映像の上にナレーション、スタジオで収録した解説用頭出し映像、BGM、トラン シジョンなどの効果を加えて再編集することが必要になる。 「Premier 6.0」以降、ビデオカメラの画面キャプチャー機能が追加され、ストーリーボードによ る視覚的なシーン編集がより容易に行えるようになった。かつては高度な操作テクニックが要求さ れたソフトが、初心者にも十分扱えるレベルになっており、質の高いマルチメディア教材を製作す るには最適のソフトといえよう。図4.1は、「Premier 6.0」での編集作業の様子を示したものである。 図4.1Premier 6.0の編集画面で東亜放送大学視察ビデオを編集しているところ 違聴ざ㍍一∨泣 』凶 フアイ1区E) 顕∼P フ0ソエクト(£〉 三物シフ桧) タイムラ1ンfP ウィノドウ鯉) ∼レフGP (3)DVDオーサリング ビデオ編集した教材の出力先としては、VHSテープやMini DVテープへの書き出し、 CD−R、 DvD−Rへの保存、 video−CDやDvD−videoの制作、 Real video、 Media Player、 Quick Tirne形式ファイ ルへの変換によるWEB上での公開などが考えられる。こうした多様な媒体への出力またはオーサリ
ングのためには、現時点では、「Premier」以外のいくつかの異なるソフトを併用することが必要で ある。本研究プロジェクトにおいて実際に購入して試したソフトは、Ulead社の「DVD Movic Writer」 とIBM社の「ホームページビルダー6.5」である。このうち、「DVD Movie Writer」は、「Premier」で 作成したAVIファイルを読み込んで、 DVD−Video形式で出力するソフトだが、操作はボタンでクリ ックするだけの簡単なもので、手軽にDVD−Video作品をオーサリングすることができる。現在では、 同社の「Video Studio 6.0」でも、 DVキャプチャーからDVD−Videoオーサリングまでを一一括して実行 することができるようになっている。近い将来、「Premier」でもこうしたDVD−Videoオーサリング 機能が付加されることを期待したい。 また、マルチメディア教材をWBB上でVODやストリーミング形式で活用するためには、 Real video、 Media Player、 Quick Time形式ファイルへの変換と、HTMLページへの組み込み機能が必要と なる。このような用途に適したソフトとしては、「ホームページビルダー6.5」に組み込まれている 「ウェブビデオスタジオ」がある。このソフトを使うと、AVIまたはMPEG形式で読み込んだファイ ルを、*.wmv(windows Media Player用)、または*.mov(Quick Timellll)の圧縮ファイルに自動変換し、 かつHTMLページへの画像組み込みも簡単に行うことができる。しかも、ユーザーのネットワーク 環境に応じて、ダイアルアップ回線用の28.8kbpsから、ブロードバンド対応の2Mbpsまでさまざま な解像度をもったファイルを生成することが容易にできるので、ウェブ上のコンテンツ展開が、よ りフレキシブルに行えるようになっている。 ウェブ上での教材作成は、すでに紹介した日本女子大学の事例にもみられるように、資料画面と の併用によって、内容の充実したVOD形式のマルチメディア教材へと発展させることができるので、 より高い教育効果を期待できると思われる。
5.今後の研究計画と課題一まとめにかえて
最後に、平成13年度の研究において明らかになった問題点や課題をふまえて、今後の研究計画を かんたんに紹介して、本論のまとめにかえることにしたい。 本稿でもみた通り、メディアコミュニケーション実習室のスタジオ設備を活用することによって、 マルチメディア教材に大きな付加価値を与え、教材の質的向上をはかることが期待される。そのポ イントをまとめると、(1)教室では難しい魅力的な教材提示と講義形式が採用できること、(2)理 想的な照明、音響、その他の演出装置が活用できること、(3)撮影から送出まで完全デジタルのノ ンリニア編集ができること、という3点をあげることができるだろう。 第一のポイントについていえば、本稿でみた先進的な事例においてさえ、通常の教室で黒板ない し白板を用いて教員がふつうの講義形式で授業を行っている様子をビデオカメラで撮影し、なんら かの形でマルチメディア教材化するという旧来の方式を採用しているが、メディアコミュニケーシ ョン実習室のスタジオを活用すれば、利用者にとってもっと親しみやすい形態での教材提示、講義が可能になるだろう。たとえば、スタジオの大きなテーブルとOHCを活用すれば、アットホームな 個人レッスンの雰囲気で、模擬生徒を司会者として、教師が一問一答のトーク方式で教材をOHCと クロマキーを併用しながら提示して、授業を進めていくといった方法も可能になる。これを収録す れば、最近入門用のソフトウェア付録のCD−ROMやDVDで採用されているように、学習者にとって 親しみやすく、学習意欲と教育効果の高いマルチメディア教材を手軽に開発することが可能になる。 本年度は、ホームページ作成を中心とするインターネット活用法の修得を目的として開講中の 「ネットワーク情報処理および実習」(三上担当)を補完する自学自習用の教材を、上記の方法でス タジオ設備とパソコンを使って制作し、学生が自宅からでも授業専用のホームページにアクセスす ることによってVOD形式で「いつでも、どこにいても」予習、復習が容易にできるような形で公開 する計画である。 第1のポイントは、従来の教室では難しかった照明や音響の精妙なコントロールや教材に合わせ た場面作りがスタジオでは簡単に実現できるということである。すでにインターネット上で公開さ れているビデオ収録の講義風景をみると、講師の姿が黒くつぶれていたり、提示される教材が見え にくかったり、音声が聞き取りにくいなどの問題を含むものが少なくないが、スタジオ設備を使え ば、通常のテレビ番組と変わらない高品質の音響、照明で教材を制作することができる。また、背 景のセットを変えたり、クロマキーとOHCを使って背景画像を演出することによって、教材の目的 と内容に合わせた画面構成を実現することが容易にできる。それによって、教材のクオリティは大 幅に向上するものと期待される。本年度の教材開発においても、教材の特性に合わせた場面づくり を試みたいと思っている。 第三のポイントは、撮影から送出までを完全デジタルのノンリニア編集環境で教材開発が行える という点である。本年度に計画されている「マスコミ現場研究」では、TBS、 NHKなどの制作現場 にデジタルビデオカメラを持ち込んで、ニュースやドラマなどのテレビ番組制作の様子を撮影し、 それをスタジオに持ち帰って、映像をみながら、頭出しの解説やナレーションを収録し、調整室の ビデオ編集装置で、各種の効果をつけながらノンリニア編集を加え、最終的にはDVD−Video形式の 教材を開発する予定である。この場合には、著作権の問題などがあるため、インターネットヒでの 公開は難しいが、DVD−Video型の教材であれば、教室で講義をしながらスクリーンで必要な部分を ボタンーつで呼び出したり、実習室などにビデオライブラリーとして学内に公開することで、学生 が自学自習用に視聴し、勉学に役立てることができるだろう。その場合、単に映像と音声での解説 だけではなく、DVD−Videoの特性を生かして、各種の資料や関連ウェブページにも簡単にアクセス できるようなメニューを1枚のディスクにインストールすることも可能だろう。 以上のように、最新のスタジオ設備とパソコン、電子媒体、ネットワーク環境を活用することに よって、これまでにない質の高いマルチメディア教材の開発が実現できるようになったわけで、本 年度以降、実践的な授業での活用を想定した教材開発と効果測定にさらに取り組んでいきたいと考 えている。
【注】 (1)デジタルビデオカメラ:スタジオで使用している業務用や一般的に市販されているデジタルビデオカメラは 画像、音声の情報が圧縮されたデジタルデータとして記録される。このデータはいくつかの方法でパソコンのハ ードディスクに蓄積することができ、これをノンリニア編集ソフトで編集することになる。業務用のカメラは操 作がすべてマニュアルであることが多く、習熟のためには映像と光、写真の論理などの知識も必要になる。 (2)パソコン:高速のCPUや容量の大きなメモリー、ハードディスクが必要になる。画像や音声のデータは文 字のデータに比べると巨大なものなので、処理のスピードやデータを保存するためのディスクもそれに耐えるも のが要求されるからである。現状ではメモリーは定格最大の512MB,ハードディスクは100GB以上でなければ、 画像の編集がスムーズにはいかない。また気をつけなければならないのはパソコンのOSである。 WINDOWSの 場合は、時代によってハードディスクに格納できる一つのファイルの容量に制限があり、デジタルビデオ編集で は、事実上WINDOWS95は使用できず、また同98, Meも制限がある。かなり長い作品の編集を行うのであれば、 制限のないWINDOWS NT, WINDOWS2000を使用する必要がある (3)ノンリニア編集用ソフト:デジタルデータをパソコンに取り込み、カット編集、エフェクト、(効果)音声、 画像合成など、ほとんどの編集作業が行える。多くのメーカーから入門用、業務用と様々な編集ソフトが市販さ れているが、画像データを時系列に並べて表示し、必要な部分を並べ換えながら編集を行うという基本的な方法 は同じである。 (4)平成13年度は放送学実習2の制作は5つの制作班を編成して行った。それぞれ人間ドキュメンタリー番組系、 街情報番組系、大学祭紹介番組系、情報番組系、食べ物番組系というコンセプトで制作した。 (5)放送局では場面割り構成図はなく、画像と音声は別々のスタッフがその持ち場にだけ理解できるシートを使 って撮影を行うが、分業ができない実習では情報を一元化した構成図が必要である。実習で使用した場面割り構 成図は汎用性を考えたオリジナルである。 (6)平成13年度の実習では、テロップを入れない「絵カンパケ」とパソコンによるデジタル編集を行って、テロ ップやクレジット等の文字情報を載せた「完パケ」の両方を制作した。 【参考文献】 ・井桁貞義,2001,「オンデマンド授業原論」(http:〃www.kt.rim.or.jpnigeta!sousa㎞/ondemand.html) ・インプレス,2002,「特集ブロードメディア誕生」rインターネットマガジン」4月号, 122−176頁,インプレス出 版 ・石川孝重,2002,「講義の状況、テキスト・資料、板書を同・一画面に組み込んだ個人ユースの学習環境」r大学 教育と情報」VollO, No.4,2−4頁。ウェブサイトはhttp:〃LCC.jwu.ac」p/ メディア教育開発センター,2002,「高等教育機関におけるマルチメディア利用実態調査,2001年度概要」 (http:〃www.nime.ac.jprrmana/project/Multimedia−Utilization/repOrt2001.pdf) ・メディア教育開発センター,2001,「高等教育機関におけるマルチメディア利用実態調査3年間(1999−2001) の変化」(http:11www.nirne.ac.jprmana!project/Multimedia−Utilizationt99−Olhikaku.pdf) ・三上俊治,1992,「教育用マルチメディア・システムの構築と活用一現状と課題一」「情報科学論集L23号,75− loo頁 ・大島尚・大森正・常磐繁・三上俊治,1993,「教育用データベースの構築と活用一マルチメディア教材の開発を 中心にして一」「情報科学論集』,24号,87−118頁 ・先進学習基盤協議会編著,2002,「eラーニング白書 2002/2003年版」オーム社 私立大学情報教育協会,2002,「平成13年度・私立大学教員による情報機器を利用した授業改善に関する調査の 報告」 ・WIDE,2002,「Schoo1 On the lnternet(SOI)とは」(http:〃www.soi.wide.ad」p/abOutsoi/about−soi−j−2001f.htm)