社会に向き合うエージェントシステム : 0.編集にあたって
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(2) 社会に向き合う エージェントシステム. 編集にあたって 石田 亨 京都大学大学院情報学研究科 大沢 英一 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科 新谷 虎松 名古屋工業大学大学院工学研究科 本特集は,エージェント合同シンポジウム(JAWS 2006). 階層の処理が必要だ.一方,キャラクタのデザインには,. のオーガナイズドセッションをベースに構成したもので. インタラクション設計,顔・体・声が与える効果の調合な. ある.自律的なソフトウェアの研究が産声を上げたのは,. どが必要である.この稿では,キャラクタデザインを成功. 1980 年の分散人工知能ワークショップだった.その後,. に導く手法を解説している.. 分散人工知能はマルチエージェントシステムと呼ばれるよ. 石塚氏は「生命的エージェントによるインタフェース/メ. うになり,1995 年に初回の国際会議が開催される.それ. ディア」について述べている.顔や姿を持つ生命的エージ. から 10 年余,インターネット,ユビキタス,ロボットの. ェントが出現し,マルチモーダルメディアとして期待され. 時代に入り,エージェント技術は人間社会に向き合い始め. ている.個々の要素技術はツールとして提供され始めてい. ている.. るが,魅力あるエージェントの制作には課題も多い.そこ. 武田氏は「Web の進化とエージェント,セマンティック. でこの稿では,コンテンツ記述言語,生命感・信頼感を. Web」について述べている.昨今の Web の進化を概観す. 向上させる感情の表出,コンテンツ作成の半自動化技術. るとともにエージェントのかかわりを論じている.今日の. を紹介している.. Web は単なる情報公開の手段を超え,社会システムとし. 吉岡,本位田氏は「ユビキタス環境で活躍するエージェ. ての役割を果たすようになっている.この社会システムに. ント」について論じている.まず,ユビキタス環境でソフト. おいては,実世界の個人と,情報ネットワークの中のエー. ウェアを発展させる際の,エージェントの役割を述べてい. ジェントは不可分となる.. る.次に情報基盤として無線センサネットワークを想定し,. 横尾,岩崎氏は「インターネットオークションとメカニズ. センサネットワークの構築時,センサデータの収集時,サ. ムデザイン」を解説している.オークションは急成長して. ービスアプリケーションの実現時のそれぞれにおいて,エ. いる電子商取引で,検索エンジンでのキーワード広告等. ージェント技術の必要性,有用性を論じている .. に適用分野が拡大している.多数の人々が参加するため,. 石田と寺野,鳥居,村上氏は「社会シミュレーションと. 不正行為に対する頑健性や,オークション結果への理論. 参加型デザイン」について述べている.人間や組織をエー. 的裏付けが求められる.そこで,より良いオークションの. ジェントとしてモデル化する社会シミュレーションは,新し. デザインに関する研究が盛んに行われている.. いシステムを実装する前段の実験や,利用者に疑似体験. 野田氏は「RoboCupSoccer と RoboCupRescue」につ. を与える訓練などに用いられる.その応用は,証券取引,. いて自らの体験を踏まえて述べている.マルチロボット・. 交通制御,避難誘導など多岐にわたり,参加型デザイン. マルチエージェント研究を,競技を通じて推進することを. と融合し発展しつつある.. 目的とするロボカップも開始から 10 年が過ぎた.その間,. 大沢氏のパネル討論は「エージェントの社会的インパク. 戦術もさまざまに変遷し,災害救助など新たなリーグが. ト」に関する議論である.エージェントのコンセプトは多. 創設された.この稿では,歴史を振り返るとともに,新た. 方面に広がりつつあるが,研究は専門化し相互の関連が. なテーマやトーナメント方式の功罪,今後の展開につい. 見えにくくなっている.そこで研究者を集め,共通の研. て議論している.. 究課題を追っているのか,異なる研究課題に分化してい. 中西,Isbister 氏は「ビデオゲームに浸透するエージェ. るのかを議論している.その過程で研究の方向を整理し,. ント技術」について述べている.キャラクタの動作生成に. その先に生まれる社会的インパクトを予測している.. は,行動の制御,意思決定,ストーリー生成といった多. 228. 48 巻 3 号 情報処理 2007 年 3 月. (平成 19 年 2 月 13 日).
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大谷 和子 株式会社日本総合研究所 執行役員 垣内 秀介 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 北澤 一樹 英知法律事務所