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無線LAN技術を利用したインターネットの構築:1.無線LANと電波利 1.1電波開放戦略-ユビキタスネ-?

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Academic year: 2021

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(1)1. 無線 LAN と電波利用 1. 電波開放戦略−ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて−. 特集 無線 LAN 技術を利用したインターネットの構築. 1. 無線 LAN と電波利用. 1. 電波開放戦略. ­ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて­ Strategy for Frequency Liberalization − Toward Ubiquitous Network Society 稲田 修一 総務省総合通信基盤局電波部電波政策課長.  2003 年 8 月に IT 戦略本部が決定した 「e-Japan 重点計画 2003」 は,我が国が 2006 年以降も世界最先端の IT 国家であり続けるため, 政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策を提言しているが,その柱の 1 つとして世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境の構 築に必要な周波数の分配が掲げられている.本稿では,総務省において取り組んでいるワイヤレスブロードバンド環境構築に向け た電波開放戦略等について無線 LAN を中心に紹介する.. 電波利用の展望と行政が果たすべき役割. 「 周波数の再編方針 」 の策定.  我が国における電波利用は,1980 年代前半までは公.  「 電波開放戦略 」 を推進し,ワイヤレスブロードバン. 共利用が中心であったが,1985 年の電気通信自由化以. ド環境を構築するためには,その中核を担う移動通信や. 降,電気通信事業分野,特に移動通信分野を中心に民間. 無線 LAN 等に必要な周波数を確保することが不可欠で. 利用が急速に拡大し,2003 年末の無線局数は 1985 年の. ある.このため総務省では,周波数再配分の基本的な考. 約 22 倍超に相当する約 8,500 万局となっている.. え 方について,2003 年 10 月に 「 周 波 数の 再 編 方 針 」 を.  電波の利用は,快適で質の高い国民生活を実現する. 策定・公表している.. だけでなく,産業経済活動の活性化,安全で災害に強い.  また,これを具現化するため,電波の利用状況調査. 社会・国土の形成などに一層大きな役割を果たすものと. を実施している.この調査によって,無線局の使用実態,. なっている.特に,我が国の経済活性化にあたっては,. 通信量等の利用状況を把握し,電波の有効利用の程度や. リーディング産業である IT 分野において,広帯域の周. 光ファイバ等への代替可能性等を評価している.. 波数をニーズの高い分野に大胆かつ迅速に割り当て,速.  再配分の対象となる周波数帯は,調査の評価結果に基. やかな事業展開を推進し,新たなビジネスを開花させる. づき,パブリックコメントや電波監理審議会の審議を経. ことが喫緊の課題となっている.. て決定され,さらに免許人の経済的影響等について 2 次.  このような状況を踏まえ,2002 年 8 月に総務省は,今. 調査を実施し,当該免許人からサービスの提供を受けて. 後の社会経済における電波の役割,電波利用の将来展望,. いる利用者への影響等を配慮した上で,周波数割当計画. 電波技術の将来動向,今後の周波数需要予測等を展望し. が変更され,再配分が実施されることとなる(図 -1 参照) .. た総合的な電波行政のあり方について情報通信審議会に 諮問を行い,2003 年 7 月に答申( 「電波政策ビジョン」) を受けた.. ワイヤレスブロードバンド環境実現に 向けた 2004 年電波法改正.  総務省はこの答申を踏まえ,世界最先端のワイヤレス ブロードバンド環境の構築と我が国の経済活性化に向け.  携帯電話や無線 LAN などの無線システムの急速な. て,①周波数割当の抜本的見直し,②電波再配分促進の. 普及により電波はますます混雑するようになっており,. ための給付金制度の導入,③電波ビジネスの自由な事業. 10 年程度の期間をかけて既存利用者からの電波返還を. 展開を推進する無線局の登録制度の創設等を主な柱とし. 待ち電波の再配分を行う従来の方法では,新たな電波. た 「 電波開放戦略 」 を推進している.. ニーズに応えることができなくなっている.このため, 迅速な再配分を可能とする制度的枠組みを充実させる必 IPSJ Magazine Vol.45 No.8 Aug. 2004. 789.

(2) 特集 無線 LAN 技術を利用したインターネットの構築. 電波政策 ビジョン. 対する経済的な影響を踏まえつつ国民全体の利益となる. 電波の再配分の手順. ように電波の再配分を行うこととしているが,電波の再. (2003年7月 情報通信審議会答申). 電波開放戦略. 配分を早期に行えば既存の電波利用者には,減価償却が. 周波数の再編方針. ① 抜本的な周波数割当 見直し ② 周波数の再配分・割当 制度の整備. 終わっていない設備利用の終了,あるいは設備の撤去. (2003年10月策定・公表). を前倒しで行う費用等経済的な損失が発生する可能性が. 電波の利用状況調査の実施. ある.. (2002年度先行調査:4, 5および6GHzの  電気通信業務用固定無線システム) (2003年度調査:3.4GHz超の周波数). (2004年の電波法改正). 給付金制度の創設.  これらに対応するため,今回の電波法改正では給付 金の支給制度を導入した.これにより,新たな電波ニー. 周波数割当計画の変更. 登録制度の導入. ズに応えるため電波の再配分を決定し,既存の電波利用. çX. 者が使用する周波数に使用期限(原則 5 年以内)を定め. 電波の再配分の実施. る場合,早期の使用期限の到来により生ずる損失に充 てるための 給 付 金を 支 給することができるようになる. 図 -1 電波の再配分の手順. (図 -2 参照).給付金の支給により,再配分が容易にな ることを期待している.給付金として支給した経費の一. 要が生じている.. 部は,新しい電波を早期に利用するという経済的メリッ.  また,周波数拡散方式や無線のパケット化など無線. トを享受する新規利用者に負担してもらうこととしてい. 技術の進展により,従来では困難であった周波数の共用. る.周波数再配分の実施により円滑な参入が可能となる. (たとえば,同一周波数を同一場所で使用する等)が可. 免許人等に,表 -1 のとおり原則として給付金総額の 1/2. 能となっており,このような技術の進展に合わせたより. の負担を求め,これを追加的な電波利用料として徴収す. 自由な電波利用を可能とする仕組みを検討する必要も生. る予定である.. じている. 電波法の改正案を第 159 回通常国会に提出し,2004 年 5. ■電波ビジネスのより自由な利用を推進するた めの登録制度の創設. 月に改正電波法が公布されたところである.これにより,.  5GHz 帯無線 LAN のように,他の無線局に対する混. 電波の開放をより一層強力に推進することが可能となる.. 信を回避するメカニズムを有している場合,ある程度自.  このため,総務省では,以下の 2 点を大きな柱とした. 立的に混信を防ぐことが可能であり,かなり自由な利用. ■電波の迅速な再配分を可能とするための給付 金制度の創設. を認めることが可能である.一方,混信等への迅速な対 応,将来の周波数再配分の必要性を考慮すると最低限の.  電波の利用状況調査の実施により,既存電波利用者に. 給付金支給額. =. 撤去する設備 撤去する設備 の残存価値. 電波監理は必要となる.. +. 既存設備の撤去費用,代替施設の取得費用の 既存設備の撤去費用、 前倒期間分に生ずる金利負担. 図 -2 給付金支給額の算定方法. システムの種類  電波を共用  免許要. 免許不要. 負担額の割合. 負担者  免許人(通常の利用料に加算).  電波を占用(携帯電話等)  1/2 ∼全額.  5 年以内.  免許人(通常の利用料に加算).  電気通信事業用.  1/2.  10 年.  電気通信事業者.  情報家電用.  1/2.  10 年 . 45 巻 8 号 情報処理 2004 年 8 月.  1/2. 徴収期間  10 年.   (高出力無線 LAN 等). 表 -1 追加的な電波利用料の徴収方法等. 790. 給付金総額に占める.  技術基準への適合を示す表示を付した者   (メーカ等).

(3) 1. 無線 LAN と電波利用 1. 電波開放戦略−ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて−. 5G H z. 周波数. 主 な利 用 方 法. 周波数帯. 2 .4 G H z. 屋内. 5GH z. 5. 2GH z 5.2GH. LAN /. FWA /. LAN /. FWA / NWA. NWA. NW A. 2,4 2 4 0 0 ∼ 2 ,4 9 7 M Hz. 帯 域 幅 (M H z ). 無線局の種別. 屋内外. 97. 5,1 5 150 ∼ 5,2 5 250M H z. 5,0 5 030 ∼ 5,0 5 091M H z. ※1. 100. 2 5 /2 7. GHz. GHz. FW A. 1 7 .9 7 ∼ 1 8 .5 7 G H z 1 9 .2 2 ∼ 1 9 .7 G H z. ). 2 2 /2 6 /3 8. F WA 1 7 .7 ∼ 1 7 .8 2 G H z. 4,9 4 900 ∼ 5,0 5 000M H z. 1 0 0 (+ 6 1. 18G H z. 22.14∼22.38GHz 22.74∼22.98GHz 25.27∼25.87GHz 25.945∼26.725GHz 26.80∼26.98GHz 38.06∼38.48GHz 39.06∼39.48GHz. LAN /. / AN / P A N /L. NWA. / NW A /FWA. 24.76∼ 25.24GHz 27.01∼ 24.47GHz. . 5∼ 5 4 .2 . GH z 5 9 .0. . ∼ 5 9 .0 . GH z 6 6 .0. 940. 4,7 5 0. 7,0 7 000. 2,880. 1,2 0 0. 60G H z. 小電力データ. 基地局/. 小電力データ. 基地局/. 基地局/. 小電力データ. 基地局/. 特定小電力. 通信システム. 陸上移動局. 通信システム. 陸上移動局. 陸上移動局. 通信システム. 陸上移動局. 無線局. : 要 端 末 :不 無線局免許. 不要. 伝送速度. 5 54 H4.12 導入 0 帯域追加 H11.10 2 高度化 H14.2. ※2 ※ 2. ( ) (MMbps b ps ). 備考. 不要. 必要. 必要. 不要. 5 54. 54. 156. 156. 100. 数百. H1 H14.9 導入. H12. 3導入. . H15.10 導入. H H10.12 導入. 2 導入 H14.2. H12.8 導入. 一部の高出力 端末は必要. 必要. 不要. ※1 平成 19 年までの暫定使用  ※2 ベストエフォート. 表 -2  無線 LAN・無線アクセスシステムの概要.  これらを 勘 案し, 従 来の 免 許 制 度とは 異なる 事 後. このうち 4,900 ∼ 5,000MHz については,現在固定マイ. チェック型の手続きである登録制度を創設した.登録制. クロ通信システムと周波数を共用していることから設置. 度では事前の混信計算等の手続きを省略することからき. 場所が非常に限られている.しかし,固定マイクロ通信. わめて短期間(最短 1 日)で登録手続きが終了し,個々. システムによる本周波数帯の利用は東名阪地域において. の無線局の詳細情報は事後に届出すればよいことになる.. は 2005 年 11 月, その 他の 地 域においては 2007 年 11 月. これにより,高出力の屋外無線 LAN 等の事業展開が促. までの予定であり,その後は無線 LAN の設置場所の制. 進されることを期待している.. 約はなくなる.電波法改正により,新たにより簡便な手. 無線 LAN ・無線アクセスシステムに係る 最近の動向. 続きで無線局の開設が可能な登録制度が導入されたこと, また,IEEE 802.11j における標準化作業も進んでいるこ とから,今後,この周波数帯で無線 LAN の利用増が期 待される..  我が国においてはすでに各種無線 LAN ・無線アクセ.  さらに 2003 年 7 月に世界無線通信会議(WRC-03)に. スシステムが導入されている(表 -2) .家庭やオフィス. おいて,5,150 ∼ 5,350MHz,5,470 ∼ 5,725MHz が 世. のブロードバンド化に伴い,ユビキタスにブロードバン. 界的に無線 LAN を含む無線アクセスシステムに割り当. ドが利用できるワイヤレス環境に対するニーズが高まっ. てられた. これを 受け, 総 務 省は,すでに 制度化済み. ており, 新たな 周 波 数 帯の 開 放 ・ 開 拓が 緊 切な 課 題と. の 5,150 ∼ 5,250MHz を除く 355MHz 幅を新たに国内で. なっている.以下に現在総務省で検討,研究開発を行っ. 利用可能とするため,2003 年 10 月から情報通信審議会. ている新規無線 LAN ・無線アクセスシステム等につい. 「5GHz 帯無線アクセスシステム委員会 」 において,こ. て紹介する.. れら帯域における技術的条件等について検討を行ってい. ■ 5GHz 帯の再編  5GHz 帯については,現在 4,900 ∼ 5,000MHz,5,030. る.2004 年秋には同審議会から答申を受け,2005 年上 半期には制度化される見込みである.. ∼ 5,091MHz,5,150 ∼ 5,250MHz( 屋 内 限 定 )が 無 線. ■ UWB 無線システム. LAN, 無線アクセスシステム用に割り当てられている..  近年,オフィスや家庭において,事務の効率化,生活 IPSJ Magazine Vol.45 No.8 Aug. 2004. 791.

(4) 特集 無線 LAN 技術を利用したインターネットの構築. プリンタ. テレビ. 業務用無線 第2世代携帯電話. 携帯電話. FAX. 第3世代携帯電話 無線LAN 情報家電機器のワイヤレスな接続. PC. オーディオ ディジタルカメラ. UWB. 図 -3 UWB 無線システムの利用シーン 10 k. 10 0 k. 1M. 10 M. 100 M. 1G. 10 G. 周 波 数 幅 (Hz) の利便性向上のためにさまざまな機器に情報通信機能が 搭載され,これらの機器がネットワーク化されるように. 図 -4 放射レベルと周波数帯幅の比較. なっている.このような状況の中で,近距離(10m 内外) において動画像や大容量データを 100Mbps 程度の高速 通信で送れる UWB (超広帯域:Ultra Wideband) 無線シ. の実現が求められている.「e-Japan 重点計画 -2003」 で. ステムが注目されている.. は,「屋内等におけるギガビットクラスの通信を可能と.  PC と PC の 間, あるいは 携 帯 型 情 報 機 器との 間で. するため,2010 年度までに超高速無線アクセスの実現. ケーブルなしで大容量のデータを瞬時にやりとりしたり,. を図る 」 とされており,総務省としては,これらを踏ま. ディジタルビデオカメラで撮影した映像をテレビ受像機. え,超高速無線 LAN の実現に向けた研究開発を 2004 年. で映したり,DVD レコーダに録画した番組をホームサー. 度から開始している.. バに転送する等での利用法が期待されている(図 -3 参照) .  UWB 無線システムは,おおむね 500MHz 幅以上の非. ■ 18GHz 帯公共業務用無線アクセスシステム. 常に広い周波数帯域にわたり電波を拡散させるシステム.  近年,不採算地域であるため民間事業者によるブロー. であり, Ultra Wideband の名称は,広い帯域への電. ドバンドサービスや携帯電話サービスが展開されない地. 波放射に由来している.一方,放射する電波の電力レベ. 域において,自治体自ら住民のためにディジタルデバイ. ルは非常に低く,第 2 世代携帯電話等と比べると,使用. ドを解消するための環境整備をする取り組みが見られる.. する周波数帯幅は数万倍,逆に単位周波数当たりの電力. このような環境整備に対する一助として,2003 年 10 月. は 1 億分の 1 程度である(図 -4 参照) .. に地方自治体を主たる免許対象とする 18GHz 帯公共業.  UWB 無線システムの導入にあたっては,同じ周波数. 務用無線アクセスシステムを制度化した.2004 年 2 月に. を使用する他の無線システムとの間で周波数共用条件等. は大分県津久見市が本システムを活用して本土と 2 島を. を検討する必要がある.このため,2002 年 9 月より情報. 結ぶ地域公共ネットワークを構築しており,今後とも無. 通信審議会において審議を行い,本年 3 月に中間報告が. 線のメリットを活かした展開が期待される.. とりまとめられている.今後は,この中間報告や国際電 気通信連合無線通信部門(ITU-R) ,IEEE 等の国際的検. おわりに. 討状況等も踏まえつつ,引き続き検討を行う予定である.. ■超高速無線 LAN.  ユビキタスネットワーク社会の実現に向け,今後さま ざまな電波利用が進むものと考えられる.移動通信や無.  現在,無線 LAN や携帯電話の急速な普及に見られる. 線 LAN が必要とする周波数も現在の数倍に達する可能. ように,高度なモバイルコンピューティング環境の実. 性がある.また,電子タグや情報家電等新たに周波数割. 現に向けたユーザニーズがますます増大している.今後,. り当てが必要な分野もある.総務省としては,良好な電. 3 次元画像や超高精細画像の伝送,大量の情報の並列・. 波環境を維持しつつ,これらの周波数ニーズに速やかに. 分散処理などの新たなアプリケーションの登場が予想. 対応すべく施策を展開していく所存である.. されるところであり,これらの利用ニーズに対応するた め,ギガビットクラスの通信が可能な超高速無線 LAN. 792. 45 巻 8 号 情報処理 2004 年 8 月. (平成 16 年 7 月 1 日受付).

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