月の終わりに床に入って必ず思うことがあります. それ は明日があるということです. たとえどんなことがあっ ても, 明るい日と書く明日が必ずやってくると自 を元 気づけるようにしています. いろいろの思いを持った患 者たちですが, 医療に従事されている方たちや担当の先 生の穏やかな表情や看護師さんや家族の優しさなどが患 者にとって力強い助けになっています.
一般演題>
第1群 生活を支えるケア
座長:柳川 寿子(桐生厚生 合病院) 1.病的骨折のリスクを抱えた患者の外出実現に向けて の支援 阿部 美保 (国立病院機構沼田病院) 【はじめに】 当病棟は肝・胆・膵臓等の消化器難治癌と, 乳癌・内 泌癌等の治療を行っている外科と放射線科の 混合病棟である. 今回, 乳癌術後で多発性骨転移がある 患者との関わりの中, 病的骨折のリスクを抱えながらも 試験外泊により, 退院をすることができた事例と関わる 機会を得た. 退院後も外出実現に向けての支援を継続し ており, その経過と対応を報告する. 【経過と結果】 患 者は, 病状の進行による脊髄損傷の可能性・疼痛に対す る不安・ADL の制限があり多くの問題を抱えていたが, 自宅に帰って今までのような生活をしたい」という強い 希望を持っていた. 入院中, 痛みが軽減すると歩ける状 態ではないのに歩いてしまったり, 骨に負担となる体勢 をとることがあった為, 退院に向けて家 での注意点や 痛みの対処方法について, 個別にパンフレットを作成し 指導を行った. その結果, 無理な体勢をとることもなく, 慎重に行動するようになった. 試験外泊もすすめ, 外泊 中問題なく過ごせたことから自信へと繫がり, 退院する ことができた. さらに退院後は「外出して買い物や食事 がしたい」という希望を持つようになってきた. しかし 医師から, 外出時は家族の付き添いが必要・車椅子を 用・家 での生活に十 慣れるまでは外出を控える等の 指示があり, 患者も「外出して痛みがでたり骨折したら どうしょう」という不安を抱えていた.現在「外出」の実 現に向けて, 医師と相談しながら, 家族の協力範囲や移 動手段等について継続した関わりを継続している. 2.人工肛門を造設しパニックに陥った高齢がん患者へ の看護支援 ∼アギュレラの危機問題解決モデルを用 いて∼ 角田 明美,瀬山 留加,二渡 玉江 神田 清子 (群馬大医・保・看護学) 杉本 厚子 (群馬大医・附属病院) 【はじめに】 緊急入院でがんと診断され人工肛門を造設 することになった高齢者に, 理論を用いることで, 患者 の陥りやすい危機的状況を瞬時に捉え危機が回避でき, セルフケアへと繫がったので報 告 す る. 【事 例 紹 介】 A 氏 80代男性, ADL は自立. 診断名は直腸がんである. 緊急入院 5日目に直腸がんと診断され, 10日目に人工肛 門造設について説明を受け, 人工肛門の指導後手術とな るが, 術後人工肛門のパウチがもれたことでパニックに なってしまう. A 氏は人工肛門, 特に排泄機能について の理解が曖昧であり, このままでは危機に陥ってしまう ためアギュレラの危機問題解決モデルを用いて介入し た. 【結果・ 察】 A 氏には[出来事に対するゆがんだ 知覚][適切な社会的支持がない][対処機制がない]の 3つのバランス保持要因が欠如していたため, バランス 保持要因充足に向けての看護の展開を行う事で「肛門様 がここにきたんだ」と人工肛門の排泄機能について理解 し問題が解決できた. そして, 処理の意欲が出てセル フケアに繫げる事で 衡状態が回復し, 危機を回避する ことができた. 緊急入院でがんと診断された A 氏にとっ て, 人工肛門造設は受け入れがたい事実であり, 患者の 反応を整理し看護介入を行うことで危機が回避できた. また, 患者の年齢やパーソナリティー, 特に高齢者の場 合は視覚的教材の活用や患者の理解度を 1つ 1つ確認し ながらケアをすすめていくことの示唆を得た. 3.大腸全摘・回腸ストーマ造設術後患者の在宅療養に 向けての関わり 田中 美奈,富田美津枝 (独立行政法人国立病院機構 西群馬病院) 【はじめに】 在宅療養が困難な事例に関わり, 患者・家 族の希望であった在宅療養を叶えることができたため, その関わりを報告したい. 【事例紹介】 60歳代 女性 S 状結腸がん 夫と二人暮らし 【経過と結果】 平成 19 年 A 病院で S 状結腸切除術,B病院で大腸全摘出・回 腸部 切除・回腸ストーマ造設術施行.本人,夫と共に強 い退院希望があったが, 仙骨部に 度の褥瘡を有しス トーマからの排液が 4000ml/日と多量で容易に脱水・腎 不全傾向となるため在宅療養は厳しい状態であった. 自 宅に近いがん専門病院ということで, 平成 20年 C 病院 に転入となった. 転入時より, いつまで入院しなくては いけないの?」「こんな状態ではもう家に帰れないのね」 第 6回群馬がん看護フォーラム 380「私はもうだめなのね……」とこれまでの経過に, もっ て行き場の無い苛立ちを私たちスタッフぶつけてきた. 様々な問題を抱えていたが, 本人・夫の希望に いたい と思い NST 等の協力を得ながら在宅療養を目標にした. 在宅 TPN 管理なら日常生活を送ることも不可能ではな いと, 在宅輸液ポンプを 用した輸液管理を夫と本人に 指導した. 試行錯誤を繰り返しながら外泊で自信をつけ 5ヵ月後に退院となった. その後, 在宅での生活は 3ヶ月 という短い期間であったが, 夫と患者本人から「もう無 理だろうと諦めていたのに家に帰れて幸せだった. この 病院に来て本当に良かった.」と最後まで感謝の言葉を戴 いた. 4.外来化学療法を行うがん患者の生活を支えるケア 金井 幸子,箱田 伸子 ( 立富岡 合病院) 【はじめに】 外来化学療法を受けていた患者の中に, 亡 くなる数週間前に「抗がん剤の治療は辛くても頑張って やりぬいた」と泣きながら話した患者がいた.そこで,こ の患者が「頑張れた」要因は何か看護師の関わりを振り 返り, 外来化学療法を受ける患者のケアを 検 討 す る. 【倫理的配慮】 院内看護研究倫理委員会に承認を得た 後, 患者の家族に文書で説明し, 同意を得た. 【経 過】 患者は 70歳代男性. 大腸がん, 肝転移で大腸切除術・ス トーマ増設術を受けた後, 症状緩和目的で月 2回の化学 療法を施行. 我慢強い性格で訴えが少なかったため, で きるだけ同じ看護師がケアにあたるようにした. 患者会 を紹介し, 2∼ 3回参加することで他の患者とも話がで きるようになった. 何か症状があったときには化学療法 室に連絡するよう説明したため, 再発による腹痛・嘔吐 時には化学療法室に電話があり, 速やかに対応すること ができた. また, 肛門部痛が出現し, 麻薬が開始されたが 自己判断で中止してしまうことがあったため, 薬剤につ いて理解できるように継続的に介入した. ストーマ脱出 により装具 換が頻繁になったため外科医師に報告し, 症状緩和のための手術が行われた. 【 察】 看護師 は必要な情報提供をし, 患者が我慢することなく安心し て自宅生活ができるような援助をする.