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Academic year: 2021

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Journal of Surface Analysis Vol. 24, No. 1 (2017) p. 1

小島勇夫 ISOの活用を

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巻頭言

ISO の活用を

Towards practical use of ISO

私は産業技術総合研究所で表面化学分析における計量標準の開発をミッションとしていました が,2010 年から日本適合性認定協会(JAB)に勤めることになりました.そこでは ISO/IEC17025 に基づく試験所認定を担当することになるのですが,いろいろと新しい経験をさせてもらいまし た.表面化学分析の研究者が,直接的に試験所認定に関わる機会を持つことは少ないかと思いま すのでそこでの経験について簡単に紹介したいと思います. 経済のグローバル化,ボーダレス化が進む現在の世界においては種々の分野で共通のルールと しての「標準化」は必要不可欠となっています.このため試験・校正の分野でも ISO 等の規格が作 られます.試験所認定とは,国際的な取り決め(Mutual Recognition Arrangement, MRA)の基に, JAB が第三者として,試験所や校正機関がルール(規格等)通りに試験・校正を実施しているかを 審査する仕組みです.

JAB において,まず,驚いたことですが,試験所認定には測定手順を定める ISO や JIS 規格が想 像以上に重要な役割を担っていることでした.これらの規格がないと認定ができないといっても 過言ではありません.理屈の上では,計量標準と測定規格が両輪として作用していることは知っ ていましたが,認定審査の仕組みを内側から見ることができ,規格の重要性を再確認できたこと は大きな意味があると思っています. 皆さんの中には実際に ISO/TC201 委員会の活動に参加され,規格作りに活躍されている方も多 いかと思います.規格は実際の現場で日常的に使われて初めて役立ったといえます.JAB ではこ の事も改めて認識しました.EU では,TC201 の SC8(グロー放電発光分析)で作成された規格が 認定に用いられていると聞いています.残念ですが,日本国内ではまだ認定された試験所はない ようです.表面化学分析分野に限らず,日本における試験所認定は世界から取り残されているよ うにも感じます. 皆さんは国内の様々なガラパゴス化した現象についてご存知かと思います.この背景には何ら かの規制(日本独自の制度)が潜んでいることが通常です.ガラパゴス化した分野で,日本の技術 レベルが世界に先んじていれば,日本では特別な便宜を受けることができるのですが,そうでな ければ世界のレベルから取り残されることになります.国際化対応から外れていると,何よりも 問題なのは,海外に対しては輸入障壁ですが,これは逆に日本の技術を輸出する際に大きな障害 になることです.日本で作成された試験報告書や製造された測定装置が海外で通用しません.表 面化学分析分野ではまだ事例はないと思いますが,特にアジア諸国では認定試験所による証明(試 験報告書等)が無いと入札に参加できないことが多くなっています.このようなことが起きないよ うに,また,何よりも表面化学分析の国際化は VAMAS 以来日本の提案として,日本の主導で進ん でいると言えるでしょう.皆さんにお願いしたいのは,分析室や製造プロセスの測定現場で日常 的に使える,また,使いたくなる手順を規格化することです.これを用いて表面化学分析の試験 所認定において世界を引っ張ってほしいと思っています. 皆さんの一層の活躍を祈念して巻頭言に代えさせていただきます. 小島 勇夫(日本適合性認定協会,日本分析化学会)

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